本発明は、液晶テレビや背面照明型の看板などの非自発光型表示装置に用いられる波長分離装置と、これを用いるとともにレーザ光源を使用した高輝度の面状照明装置並びに液晶表示装置に関する。
液晶表示装置は、液晶分子の配向による電気光学効果を利用して背面から照射される光の透過量を制御することにより画像を表示する方式を採用している。一般的な液晶表示装置は、蛍光表示管などにより構成されるバックライトユニットと呼ばれる面状の照明装置を有する。
近年、このような液晶表示装置は、大画面化が進み、50型サイズ以上のテレビジョン用のディスプレイ装置も実用化されてきている。しかしながら、大型化に伴い消費電力も増加することから、液晶表示装置には、低消費電力化を実現する技術開発が望まれているとともに、設置する室内での占有空間をできるだけ少なくするために薄型化も強く望まれている。
低消費電力化及び薄型化に対応するため、光源として発光効率の良い発光ダイオード(以下、LEDとする)やレーザを使用することが検討されている。そして、LEDを光源とする面状照明装置及びこれを用いた液晶表示装置は、すでに実用化されている。
例えば、特許文献1には、導光板の側面に回折光学素子を形成して、その側面からLED光を入射し、導光板の一方の主面に形成された傾斜した反射板によりこのLED光を立ち上げてもう一方の主面側に配置したプリズムシートを介して輝度ムラの少ない出射光を出射する構成が示されている。
また、低消費電力を実現させるため、従来5%程度しかない液晶パネルの透過率を向上させる検討もされている。液晶パネルにおいて透過率を低下させている大きな要因として、偏光板及びカラーフィルタが挙げられる。通常、無偏光の白色光を液晶パネルに入射させると、偏光板で透過光量が1/2になり、カラーフィルタで各フィルタ領域において赤色光(R光)、緑色光(G光)、青色光(B光)の何れか1色の光が選択されて前記フィルタ領域を透過するので、透過する光の光量は、さらにその1/3以下になる。
偏光板での透過率を向上させる方法として、液晶パネルとバックライトユニットの間に偏光反射シートを挿入する構成が実用化されている。具体的に、前記偏光反射シートは、必要な偏光成分を透過させ、不要な偏光成分を反射させる。そして、偏光反射シートにより反射した光の偏光を回転させることにより有効な偏光成分に変換してリサイクルするようになっている。
また、カラーフィルタでの透過率を向上させる方法として、例えば、特許文献2、3、4には、回折格子等の波長分離手段によりR光、G光、B光に分離した照射光を、液晶パネルの所定の画素に効率よく集光させる液晶表示装置が提案されている。
また、特許文献5には、導光板内部に形成された波長選択性の干渉フィルタ型のミラーにより、R光、G光、B光の波長分離を行い、これらR光、G光、B光を液晶パネルの所定の画素に効率よく導く構成が提案されている。
その他、カラーフィルタ自体の改良も検討されており、従来の吸収型のカラーフィルタとは異なる構造のカラーフィルタが提案されている。例えば、特許文献6では、干渉フィルタの膜構造において一部の膜厚を領域ごとに変え、領域ごとに異なる分光特性となるように構成したカラーフィルタが提案されている。このカラーフィルタにより色再現性が向上するとしている。
また、特許文献7では、サブ波長格子を用いたカラーフィルタが提案されている。このサブ波長格子とは、光の波長より細かい周期構造の回折格子であり、このような周期構造に光が入射すると、ある特定の波長だけが共鳴して強く反射するという現象が知られている。ナノスケール(nmスケール)の微小な凹凸のあるモールド(鋳型)を被加工材料に押し付ける製作方法(ナノインプリント)を用いることにより、サブ波長格子が形成された薄型で大面積のカラーフィルタを安価かつ高スループットで作製できるとしている。
しかしながら、前記従来の構成では、消費電力を削減する具体的な構成が示されていない、あるいは、効果が不十分である。
特許文献1では、LEDを用いることにより光源の効率は改善しているが、液晶パネルの透過率を改善する構成については具体的な構成が示されていない。
また、特許文献2、3、4には、回折を用いて波長分離を行い、液晶パネルの各画素に光を導く構成が示されているが、それぞれ効率を十分に高めることができず、さらなる効率向上が困難である。
具体的に、特許文献2、3では、R光、G光、B光を数度程度の回折角差で分離するためには、格子ピッチを波長の数倍程度まで縮める必要があり、そのように構成すると、回折効率を十分に高めることが困難となる。
また、特許文献4では、体積ホログラムを用いているため、所定の角度差で波長分離が可能であるが、体積ホログラムへの入射角が限定されるため、導光板から出射する光の効率が低下する。
また、特許文献5は、波長分離を行うミラーを導光板の内部に形成する構成が示されているが、このような構造の導光板は、製造が困難であり、高コストとなることが懸念される。
また、特許文献6及び7に記載のカラーフィルタは、従来の吸収型のカラーフィルタの代わりに用いられているだけであり、光利用効率が大きく変わるものではない。どちらも反射型のカラーフィルタとして作用するが、この反射光を有効に利用する構成が示されていない。
特開2006−185891号公報
特開2000−241812号公報
特開平9−113903号公報
特開平10−253955号公報
特開2006−12722号公報
特開2008−170979号公報
特開2007−41555号公報
本発明は、従来の構成と比較して光の利用効率が高く、かつ、消費電力の低い薄型の波長分離装置、これを用いた面状照明装置及びこれを用いた液晶表示装置を提供することを目的としている。
本発明の一局面に係る波長分離装置は、側面から入射した光を一方の主面から出射する導光板と、前記主面から出射された光の光路と交差するように配置され、分光特性の異なる少なくとも2種類のフィルタ領域を有する反射型カラーフィルタと、前記導光板を挟んで前記反射型カラーフィルタと反対側に配置されたリサイクル部と、を備え、前記導光板に入射した光のうち、前記反射型カラーフィルタで反射した光が前記導光板を経由して前記リサイクル部で反射して、再び前記反射型カラーフィルタに戻る。
本発明の他の局面に係る面状照明装置は、少なくとも3つの異なる波長の光を出射する光源と、前記波長分離装置とを備え、前記光源から出射された光は、前記導光板の前記側面から入射する。
本発明の他の局面に係る液晶表示装置は、特定波長の光を透過させる複数のサブピクセルを有する液晶パネルと、前記液晶パネルを背面側から照明するバックライト照明装置を備え、前記バックライト照明装置として前記面状照明装置を用いている。
本発明の他の局面に係る液晶表示装置は、少なくとも3つの異なる波長の光を出射する光源と、前記光源からの光を波長分離する請求項11に記載の波長分離装置と、前記波長分離装置から出射された光が背面側から入射する液晶パネルとを備え、前記液晶パネルは、特定波長の光を透過させる複数のサブピクセルと、前記複数のサブピクセルと前記導光板との間に設けられた内側偏光板とを有し、前記反射型カラーフィルタの一次元格子の伸長方向に沿った軸と、前記内側偏光板の透過軸とは、同一平面上に位置する。
本発明によれば、光の利用効率が高く、かつ、消費電力の低い薄型の波長分離装置、これを用いた面状照明装置及びこれを用いた液晶表示装置を提供することができる。
図1は、本発明の実施の形態1に係る面状照明装置の概略構成を示す図であり、(a)は、面状照明装置の構成全体を模式的に示す斜視図、(b)は、面状照明装置の平面図、(c)は、(b)におけるIC−IC線断面図をそれぞれ示している。
図2は、図1の偏向棒を拡大して示す側面図である。
図3は、図1(c)の一部を拡大して示す図である。
図4は、実施の形態1の面状照明装置のリサイクル部の他の形態を示した概略断面図であり、(a)は、くさび型の反射構造体を用いた構成例、(b)は、多段型の反射構造体を用いた構成例、(c)は、多段型の反射構造体に偏向溝を設けた構成例をそれぞれ示している。
図5は、実施の形態1に係る他の面状照明装置の概略構成を示す図であり、(a)は、面状照明装置の全体の斜視図、(b)は、面状照明装置の全体の平面図をそれぞれ示している。
図6は、実施の形態1に係る導光板として2次元フォトニック結晶を用いた面状照明装置の概略構成図であり、(a)は、面状照明装置の平面図、(b)は、上面から見た(a)のVIB部の拡大斜視図、(c)は、(b)におけるVIC−VIC線断面図をそれぞれ示している。
図7は、実施の形態2に係る液晶表示装置を示す概略構成図であり、(a)は、液晶表示装置の構成全体を模式的に示す斜視図、(b)は、液晶表示装置の平面図をそれぞれ示している。
図8は、実施の形態2に係る液晶表示装置の断面図を示す概略図であり、図7(b)におけるVIIIA−VIIIA線断面図を示している。
図9は、実施の形態2に係る液晶表示装置の概略構成を示す断面図である。
図10は、実施の形態2に係る他の液晶表示装置の概略構成を示す図であり、(a)は、液晶表示装置の概略構成を示す断面図であり、(b)は、液晶表示装置の概略構成を示す断面図である。
図11は、実施の形態2に係る液晶表示装置の概略構成を示す図であり、(a)は、液晶表示装置の構成全体を模式的に示す斜視図、(b)は、液晶表示装置の平面図をそれぞれ示している。
図12は、実施の形態3に係る液晶表示装置を示す概略構成図であり、(a)は、液晶表示装置の断面図、(b)は、(a)の構造シート及び拡散シートの斜視図をそれぞれ示している。
図13は、実施の形態3に係る他の液晶表示装置を示す概略構成図であり、(a)は、液晶表示装置の断面図、(b)は、(a)の構造シート及び拡散シートの斜視図をそれぞれ示している。
図14は、実施の形態4に係るサブ波長格子の具体的な設計例を示す説明図である。
図15は、実施の形態4に係る面状照明装置の概略構成を示す図であり、(a)は、面状照明装置の断面図、(b)は、反射型カラーフィルタの構造を模式的に示す断面図をそれぞれ示している。
図16は、実施の形態4に係る他の面状照明装置の概略構成を示す図であり、(a)は、面状照明装置の断面図、(b)は、反射型カラーフィルタの構造を模式的に示す断面図をそれぞれ示している。
図17は、図16に示した反射型カラーフィルタの他の構成を模式的に示した断面図であり、(a)は、周期構造が対面する構造の断面図、(b)は、周期構造が基板の両側に配置された構造の断面図をそれぞれ示している。
図18は、実施の形態4に係る反射型カラーフィルタの周期構造の構成例を示した概略図であり、(a)は、1次元格子の平面図、(b)は、2次元格子の平面図をそれぞれ示している。
図19は、実施の形態5に係る面状照明装置の概略構成を示す図であり、(a)は、面状照明装置の断面図、(b)は、反射型カラーフィルタの構造を模式的に示す断面図をそれぞれ示している。
図20は、実施の形態5に係る反射型カラーフィルタ157の3つの構造例及びその特性を示した説明図であり、(a)、(c)及び(e)は、反射型カラーフィルタの概略構造図、(b)、(d)及び(f)は、それぞれ(a)、(c)及び(e)の各構造の分光特性をそれぞれ示している。
図21は、図20(c)に示した膜構造の対称性の影響を示した説明図であり、(a)は、G光フィルタの膜構造を示した断面図、(b)は、G光フィルタの分光特性をそれぞれ示している。
以下の実施の形態は、本発明を具体化した一例であって、本発明の技術的範囲を限定する性格のものではない。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、同じ要素には同じ符号を付しており、説明を省略する場合がある。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1に係る面状照明装置の概略構成を示す図であり、(a)は、面状照明装置の構成全体を模式的に示す斜視図、(b)は、面状照明装置の平面図、(c)は、(b)におけるIC−IC線断面図をそれぞれ示している。
なお、図1(a)及び(b)においては、面状照明装置の各部分は、それぞれの構成を理解しやすくするために分離して示されているが、実際の構成においては、図示しないベースプレート上や縁枠内などに設置して全体として一体的に固定されている。
また、反射型カラーフィルタ17は、構成を理解しやすくするために導光板16と分離して示しているが、実際は図1(c)に示すように、導光板16の主面16b上に形成されている。
図1(a)及び(b)に示すように、実施の形態1に係る面状照明装置10は、赤色レーザ光(以下、R光とする)、緑色レーザ光(以下G光とする)、及び青色レーザ光(以下、B光とする)を出射するレーザ光源11と、レーザ光源11から出射されるR光、G光およびB光をまとめてレーザ光12とするダイクロイックミラー13と、ミラー14と、レーザ光12を線状の平行光に変換して出射する導光棒15と、導光棒15から出射したレーザ光12を側面16aから入射し、一方の主面16bから出射する導光板16と、導光板16の主面16b上に配置された反射型カラーフィルタ17と、導光板16の主面16bの対向面16cに隣接して配置された高反射率の反射シートで構成されたリサイクルシート18と、レーザ光源11に接続された制御部19と、を備えて構成されている。
レーザ光源11は、R光を出射する赤色レーザ光源(以下、R光源とする)11aと、G光を出射する緑色レーザ光源(以下、G光源とする)11bと、及び、B光を出射する青色レーザ光源(以下、B光源とする)11cとを備えている。
ここで、各光源11a、11b、11cには、コリメートレンズがそれぞれ含まれ、各光源11a、11b、11cからは平行光が出射する。このR光源11a及びB光源11cとしては、例えば、波長640nmのR光及び波長445nmのB光を出射する高出力半導体レーザが用いられ、G光源11bとしては、波長535nmのG光を出射する半導体レーザ励起の高出力SHGレーザが用いられている。
また、導光棒15は、光が出射する側面に対して略45°傾斜した傾斜面を有する複数の偏向溝15aが形成され、導光棒15に入射した光を全反射により略90°偏向するように構成されている。
具体的に、各偏向溝15aの深さ寸法は、図2に示すように、レーザ光12の伝播方向の手前から奥に向かうに従い深く設定されている。したがって、手前側の偏向溝15aで反射されなかったレーザ光12は、前記偏向溝15aよりも奥に配置された何れかの偏向溝15aで反射する。
また、図1(c)に示すように導光板16の対向面16cには、主面16bに対して略45°傾斜した傾斜面を有する複数の偏向溝16dが形成されている。偏向溝16dは、側面16aから導光板16に入射した光を全反射させて、主面16bに向けて偏向するように構成されている。
また、反射型カラーフィルタ17は、分光特性の異なる3つのフィルタ領域として、R光フィルタ17Rと、G光フィルタ17Gと、B光フィルタ17Bとを有している。
具体的に、R光フィルタ17Rは、R光を透過し、かつ、G光及びB光を反射する。G光フィルタ17Gは、G光を透過し、かつ、R光及びB光を反射する。B光フィルタ17Bは、B光を透過し、かつ、R光及びG光を反射する。この反射型カラーフィルタ17は、導光板16の主面16b上に一体に形成されていてもよい。
なお、反射型カラーフィルタの具体構成は、実施の形態4および5に詳しく示すため、本実施の形態では説明を省略する。
次に、このように構成された本実施の形態1の面状照明装置10の動作について具体的に説明する。
図1に示すように、R光源11a、G光源11b及びB光源11cは、コリメートされたR光、G光及びB光をそれぞれ出射する。これらR光、G光及びB光は、ダイクロイックミラー13によりレーザ光12としてまとめられ、ミラー14を介して導光棒15に入射する。導光棒15に入射したレーザ光12は、単位面積当たりの光量が均一になるように複数の偏向溝15aで反射して、前記導光棒15から出射する。
導光棒15から出射したレーザ光12は、導光板16の側面16aから主面16bと略平行な方向に入射し、導光板16の対向面16cに形成された偏向溝16dで全反射して主面16bに向かって偏向される。この主面16bから出射したレーザ光12は、反射型カラーフィルタ17に入射する。
反射型カラーフィルタ17に入射したレーザ光12のうち、R光20RがR光フィルタ17Rを透過し、G光20GがG光フィルタ17Gを透過し、B光20BがB光フィルタ17Bを透過して、これら以外の光は、反射する。以下、反射型カラーフィルタ17を透過したR光20R、G光20G及びB光20Bを出射光20と総称する。
反射型カラーフィルタ17で反射したレーザ光12は、導光板16を通過し、リサイクルシート18で反射して、再び導光板16を通過して反射型カラーフィルタ17に戻る。このように反射型カラーフィルタ17に戻った光のうち、所定のフィルタ17R、17G及び17Bに入射した対応する色の光のみがフィルタ17R、17G及び17Bを透過して、それ以外の光は、反射する。
反射型カラーフィルタ17で再び反射した光は、反射型カラーフィルタ17とリサイクルシート18の間で反射を繰り返す間に、R光フィルタ17R、G光フィルタ17G及びB光フィルタ17Bにより波長分離された出射光20として出射する。
したがって、前記面状照明装置10のような構成とすることにより、導光板16に入射したレーザ光12を反射型カラーフィルタ17のフィルタ17R、17G及び17Bごとに波長分離して出射させることができるとともに、反射型カラーフィルタ17で反射した光も無駄なくリサイクルしてフィルタ17R、17G及び17Bごとに均一に出射させることができる。これにより、波長分離可能で、かつ、消費電力の低い薄型の面状照明装置を実現することができる。
また、面状照明装置10において、R光、G光、B光のすべてを反射するミラー領域を反射型カラーフィルタ17に設け、各フィルタ17R、17G、17Bとミラー領域の幅との比率を部分的に異なるものに設定する、つまり反射型カラーフィルタ17に占める各フィルタ17R、17G及び17Bの面積を局所的に異なるものとすることにより、任意の輝度分布及び色分布を実現することができる。このように構成すると、消費電力が非常に低く高い色再現性で静止画像を照明することができるので、看板照明等に適した面状照明装置を実現することができる。
また、導光板16の特性として、光が入射する側面16aからの距離に応じた輝度ムラや、導光板での吸収等による色ムラを有する場合がある。そこで、この色ムラを低減するように各フィルタ17R、17G及び17Bの幅を設定することにより、出射面全体で均一でムラの無い面状照明装置を実現することができる。さらに、この面状照明装置を液晶パネルと組み合わせ、各フィルタ17R、17G及び17Bを液晶パネルの各画素に対応させて配置することにより、消費電力が非常に低い薄型の液晶表示装置を実現できる。
なお、本実施の形態では、導光板16の偏向溝16dにより偏向されるレーザ光12の偏向方向は、導光板16の主面16bに直交する方向に対して僅かに傾いている。これにより、レーザ光12は、反射型カラーフィルタ17とリサイクルシート18との間で反射を繰り返すたびに、反射型カラーフィルタ17の異なる位置に導かれることになる。したがって、前記面状照明装置10によれば、レーザ光12を各フィルタ17R、17G及び17Bに次々に入射することが可能となり、レーザ光12をリサイクルしながら無駄なく波長分離を行うことができる。
ここで、導光板16の偏向溝16dで偏向する角度、リサイクルシート18の反射面の傾斜角、および、導光板16の厚みを適切に設定すると、所定のフィルタ(例えばR光フィルタ17R)で反射した光の大部分を、前回とは異なるフィルタ(例えばG光フィルタ17G又はB光フィルタ17B)に導くことができる。
具体的には、図3に示すように、例えば、レーザ光12の反射型カラーフィルタ17への入射角θ1を1.3°、レーザ光12がフィルタ領域で反射され、リサイクルシート18で反射されて反射型カラーフィルタ17に再入射するときの入射角θ2を0.7°、各フィルタ17R、17G及び17Bの幅Pを200μm、とした場合、導光板16の厚みLを5.7mm程度とすることにより、反射型カラーフィルタ17で反射したレーザ光12を前回とは異なるフィルタに導くことができる。この関係は、以下の式によって示される。
L=m×P/(Tanθ1+Tanθ2) (mは3の倍数以外の整数)
このような構成とすることにより、少ないリサイクル回数で効率よく波長分離して出射させることができるので、低コストで、かつ、消費電力の低い面状照明装置を実現することができる。
なお、上記の関係式のmの値を3の倍数に近づけた場合、リサイクル回数を増やすことができる。このように構成すると、反射型カラーフィルタ17とリサイクルシート18との間でレーザ光12を複数回反射させることができるので、面状照明装置から出射する光の均一性を向上させることができる。
また、本実施の形態では、リサイクルシート18の反射面を反射型カラーフィルタ17に対して傾けている。そのため、レーザ光12が反射型カラーフィルタ17とリサイクルシート18との間で反射される度に、レーザ光12の反射型カラーフィルタ17への入射角が垂直に近づき、レーザ光12がリサイクル反射をさらに繰り返すと、レーザ光12は、当初とは反対側に傾いた方向から反射型カラーフィルタ17に入射するとともに、導光板16に入射した方向とは逆の方向(側面16aに近づく方向)に伝搬する。
したがって、前記構成によれば、レーザ光12を反射型カラーフィルタ17とリサイクルシート18との間で反射させて導光板16の主面に沿って広げることにより、出射光20の面内均一性を高めることができる。さらに、出射光20を反射型カラーフィルタ17に対して略垂直な方向に出射させることにより、出射光20の出射角ばらつきも小さくすることができるので、略平行な光を出射する面状照明装置を実現できる。なお、プリズムシートや拡散シートを用いて視野角を調整すれば、良好な輝度の角度分布を実現できる。
あるいは、本実施の形態では、リサイクルシート18の反射面を、導光板16の主面16bに対して傾斜した平面としたが、この傾斜面は、曲面の一部であってもよく、拡散面のように構成してもよい。
また、本実施の形態では、リサイクルシート18に傾斜面を設けた構成について説明したが、前記導光板16の対向面16cあるいは、反射型カラーフィルタ17を前記導光板16の主面16bに対して傾斜した傾斜面に形成してもよい。
このように構成すると、反射型カラーフィルタ17とリサイクルシート18との間でレーザ光12が反射を繰り返す度に、反射型カラーフィルタ17に対するレーザ光12の入射方向及び入射角が変わることにより、レーザ光12が均一に広がるとともに、反射型カラーフィルタ17からのレーザ光12の出射角も広い範囲に広がるため、均一な輝度分布で拡散光を出射する面状照明装置を実現できる。
また、本実施の形態では、リサイクル部として、リサイクルシート18を用いた構成を示したが、このリサイクル部は、底面に反射コートを有する反射構造体を用いてもよい。
図4は、実施の形態1に係る面状照明装置10のリサイクル部の他の形態を示した概略断面図であり、(a)は、くさび型の反射構造体を用いた構成例、(b)は、多段型の反射構造体を用いた構成例、(c)は、多段型の反射構造体に偏向溝を設けた構成例をそれぞれ示している。
図4において、図1(c)と異なるのは、導光板16の対向面16cが主面16bと略平行に形成されている点、図4(c)において偏向溝16dが導光板16に形成されていない点、及びリサイクルシート18とは異なるリサイクルシート(反射構造体21〜23)を採用している点であり、その他の構成要素は同じ符号を付し、説明を省略する。
図4(a)において、導光板16は、平板で構成され、対向面16cに偏向溝16dが形成されている。また、導光板16の対向面16cには、透明な基材で構成されたくさび形の反射構造体21が隣接して配置されている。
反射構造体21の導光板16と反対側の面は、前記反射型カラーフィルタ17で反射したレーザ光12を反射する反射面21aとされている。このように導光板16の対向面16cに反射構造体21を取り付けた構成とすれば、偏向溝16dを反射構造体21によって封止できるので、偏向溝16d内に埃が付着すること等を抑制することができる。
図4(b)は、図4(a)の反射構造体21の代わりに多段構造の反射構造体22を用いた構成を示している。反射構造体22の導光板16と反対側の面は、反射型カラーフィルタ17で反射したレーザ光12を反射する反射面22aとされている。このように構成すると、リサイクル部をくさび型形状とする場合と比較して、最も厚い部分の厚み寸法を小さくすることができるとともに、反射面22aの傾斜角を自由に設定できるため、設計の自由度が向上する。
図4(c)は、平板の導光板の対向面16cに隣接して配置された多段の反射構造体23を示している。反射構造体23の導光板16と反対側の面には、反射型カラーフィルタ17で反射したレーザ光12を反射する反射面23aと、この反射面23aに隣接する偏向溝23bとが形成されている。
偏向溝23bは、導光板16に入射したレーザ光12を主面16bに向けて偏向するように構成されている。このように構成すると、面状照明装置を薄型に構成することができるとともに、設計の自由度を向上することができる。
また、図4(c)に示す実施の形態では、導光板16が平板であるため、反射構造体21〜23を樹脂で構成するとともに導光板16をガラス基板で構成することができる。
ここで、ガラス基板上に反射型カラーフィルタ17を形成することにより、熱膨張による各フィルタ17R、17G及び17Bの位置ずれを小さく抑えることができるので、位置ずれ精度の厳しい、例えば、大画面の面状照明装置に適している。特に、面状照明装置を液晶パネルと組み合わせる場合には、反射型カラーフィルタ17に用いられるガラス基板と、液晶パネルに用いられるガラス基板との熱膨張率とを一致させることにより、各カラーフィルタ17R、17G及び17Bと液晶パネルのサブピクセルとの相対的な位置ずれを小さくすることができる。
なお、図1及び図4では、反射型カラーフィルタ17の各フィルタ17R、17G及び17Bと、導光板16の偏向溝16dとが対応して配置されている状態を示しているが、これらの配置は、必ずしも対応している必要はない。
ところで、図1に示した本実施の形態では、レーザ光源を用いる構成としたが、光源にLEDを用いることもできる。
図5は、本発明の実施の形態1に係る他の面状照明装置の概略構成を示す図であり、(a)は、面状照明装置の全体の斜視図、(b)は、面状照明装置の全体の平面図をそれぞれ示している。図1と同じ構成要素には同じ符号を付して、その説明を省略する。
図5(a)及び図5(b)に示すように、面状照明装置30は、LED光源31と、LED光源31から出射するR光、G光およびB光をコリメートするコリメートレンズ32と、LED光源から照射された照射光33を側面16aから入射させ、主面16bから出射する導光板16と、導光板16の主面16b上に配置された反射型カラーフィルタ17と、導光板16の主面16bの対向面16cに隣接して配置されたリサイクルシート18とを備えて構成されている。
LED光源31は、R光を出射する赤色LED31aと、G光を出射する緑色LED31bと、B光を出射する青色LED31cとを備えている。
このように構成された面状照明装置30において、赤色LED31a、緑色LED31b及び青色LED31cから出射された照射光33は、各LED31a〜31cごとにコリメートされた上で導光板16に入射する。
導光板16に入射した光は、図1に示した構成と同様に、反射型カラーフィルタ17とリサイクルシート18との間で反射を繰り返す間に各フィルタ17R、17G及び17Bにより波長分離された出射光20として反射型カラーフィルタ17から出射する。
このように、光源としてLED光源31を用いても、LED光源31からの照射光33を無駄なくリサイクルして波長分離することができるため、消費電力が低い薄型の面状照明装置を実現することができる。さらに、LEDを多数並べて線状の光源とすることにより、導光棒のような線状の光に変換するための光学系が不要となるので、コストの低減を図ることができる。
また、LED光源を用いる別の構成として、LEDを平面上に多数配列して面状の照明装置とする構成としてもよい。このように構成すると、いわゆるローカルディミング技術を利用できるので、さらに光利用効率を向上させることができる。
なお、本実施の形態に示した反射型カラーフィルタはR光、G光、B光の3色の光を波長分離する構成であるが、3種類のフィルタ17R、17G及び17Bを持つ必要はなく、少なくとも2種類のフィルタ領域を有することにより、3波長の光を出射する面状照明装置を構成することができる。
例えば、2種類のフィルタ領域を有する反射型カラーフィルタと、蛍光材料とを組合せることにより、異なる3波長の光を別々の領域から出射させる構成ができる。具体的には、B光を含む2波長の光を出射する光源を採用し、反射型カラーフィルタにより分離されたB光の一部が透過する領域に蛍光材料を配置して、前記B光の一部を波長変換する。これにより、B光と、B光が波長変換された光と、反射型カラーフィルタでB光と分離された光源からの光との3つの光を分離して出射させることができる。
あるいは、2種類のフィルタ領域を有する反射型カラーフィルタと、他の分離手段を組み合わせると、光源から出射する3波長以上の光を分離する構成とすることができる。
また、2波長の光及びその混色によって表示が可能な用途において、2波長の光を出射する光源と、2種類のフィルタ領域とを有する反射型カラーフィルタを用いた構成とすることができる。
以上のような構成では、反射型カラーフィルタのフィルタ領域が2種類でよいため、構造が簡略化され、製造の工数を削減することができる。例えば、微細な周期構造で特定波長のみを共鳴反射させるサブ波長格子を用いて反射型カラーフィルタを構成する場合には、3波長を分離する場合は2層以上積層する必要があるが、2波長分離の場合は1層で構成でき、工数を削減することができる。
また、一部の膜厚をフィルタ領域ごとに変えて、領域ごとに異なる分光特性を実現する干渉フィルタによって、反射型カラーフィルタを構成する場合には、フィルタ領域ごとに膜厚を変えるためにスパッタとエッチングとを繰り返す工程が必要となる。このとき、3種類のフィルタ領域を作製する場合は、3段の段差をつけるためにエッチングが2回必要となるが、2種類のフィルタ領域を作製する場合は、段差が2段で済むため、1回のエッチングを行えばよく、工数を削減することができる。
また、本実施の形態では、導光板16に側面16aから線状の光を入射させる構成としたが、導光板の側面の一カ所から光を入射させる構成としてもよい。このような構成は、例えば、前記導光棒15と導光板16とを一体に形成することにより実現できる。
また、導光板の側面の一カ所から光を入射させる構成としては、屈折率が異なる材料を2次元的に周期配列させたフォトニック結晶を用いて構成することもできる。
図6は、本発明の実施の形態1に係る導光板として2次元フォトニック結晶を用いた面状照明装置200の概略構成図であり、(a)は、面状照明装置の平面図、(b)は、上面から見た(a)のVIB部の拡大斜視図、(c)は、(b)におけるVIC−VIC線断面図をそれぞれ示している。
なお、図6(a)では、構成を理解しやすくするために反射型カラーフィルタ17の図示を省略している。
図6に示す面状照明装置200は、面内方向の大きさに比べて厚さが十分に薄いスラブ状の導光板201と、導光板201の一方の主面(図6の上面)201b上に設けられた反射型カラーフィルタ17と、導光板201の他方の主面(図6の下面)に設けられた反射構造体205とを備えている。
導光板201は、導光板201の本体とは屈折率の異なる異屈折率部202が周期的に配列された領域と、部分的に異屈折率部の数を増やす、あるいは、減らすことにより周期構造を崩した欠陥部分を有している。
この異屈折率部202が周期的に配列された領域では、フォトニックバンドギャップが形成され、特定波長の光が存在できないため、導光板201に特定の波長の光を入射させると、欠陥部分の近傍にのみ光が存在することになる。したがって、欠陥部分を線状に構成した場合、この線状の欠陥部203は、導波路となる。また、点状に形成された点欠陥204は、その周囲に存在できない光を集めて導光板201の主面201bと垂直な方向に光を出射する出射部となる。
なお、異屈折率部202は、導光板201の本体に貫通穴を開けることにより、容易に構成できる。
この構成において、導光板201の入射面201aからレーザ光12が入射すると、レーザ光12は、線状欠陥203で構成された導波路により導光板201の隅々にまで伝搬するとともに、線状欠陥203の周辺に点在する点欠陥204を介して導光板201の主面201bから前記主面201bと略垂直な方向に出射する。
導光板201から出射したレーザ光12は、反射型カラーフィルタ17と反射構造体205の反射面205cとの間で反射を繰り返し、やがて所定のフィルタ17R、17G及び17Bを透過して、面状照明装置200から出射する。
図6(c)に示すように、反射構造体205の反射面205cを例えば円筒面とすると、レーザ光12が反射構造体205の内部で均一に広がるとともに、出射光20を主面201bに対して略垂直に出射させることができる。
このように構成しても、各フィルタ17R、17G及び17Bごとに効率よく波長分離可能な面状照明装置が実現できる。また、この構成では、導光板を非常に薄く構成できるので、さらに薄型の面状照明装置が実現できる。
(実施の形態2)
図7は、本発明の実施の形態2に係る液晶表示装置を示す概略構成図であり、(a)は、液晶表示装置の構成全体を模式的に示す斜視図、(b)は、液晶表示装置の平面図をそれぞれ示している。
なお、図7(a)及び図7(b)においては、面状照明装置の各部分は、それぞれの構成を理解しやすくするために分離して示されているが、実際の構成においては、図示しないベースプレート上や縁枠内などに設置して全体として一体的に固定されている。
図7(a)及び図7(b)に示すように、本実施の形態2に係る液晶表示装置40は、液晶パネル41と、この液晶パネル41を背面側から照明するためのバックライト照明装置、例えば実施の形態1で説明した面状照明装置10と、拡散シート48(図8参照)とを備えている。
また、図8は、実施の形態2に係る液晶表示装置40の断面図を示す概略図であり、図7(b)におけるVIIIA−VIIIA線から見た断面図を示している。図8に示すように、拡散シート48は、液晶パネル41の出射面に隣接して配置されている。
この構成において、本実施の形態に係る面状照明装置10では、レーザ光源11から出射するR光、G光およびB光は、導光板16の主面16bに対して平行あるいは垂直となる偏光方向に揃えられた状態で、導光板16に入射するように構成されている。
また、導光板16の偏向溝16dは、側面16aと平行となる方向(図8の紙面と直交する方向)に延びて設けられており、主面16bと略平行となる方向に入射したレーザ光12を前記主面16bに向けて略垂直に立ち上げるように構成されている。
また、図8に示すように、液晶パネル41は、2枚のガラス基板42、44と、ガラス基板42、44の間に設けられた液晶層43と、ガラス基板42、44の一方に形成されたTFT(thin film transistor:図示せず)と、前記液晶層43と反対側のガラス基板42の表面に設けられた入射側偏光板46と、前記液晶層43と反対側のガラス基板44の表面に設けられた出射側偏光板47とを備えている。
この液晶パネル41は、透過型又は半透過型の構成とされている。具体的に、液晶パネル41は、Rサブピクセル45R、Gサブピクセル45G及びBサブピクセル45Bを1つの画素45とする多数の画素を備えている。各サブピクセル45R、45G及び45Bは、それぞれR光、G光、B光のいずれか1色の光を透過し、それ以外の波長の光を吸収する吸収型のカラーフィルタを備えている。
ここで、液晶パネル41の各サブピクセル45R、45G、45Bと、反射型カラーフィルタ17の各フィルタ17R、17G、17Bの領域とは、それぞれ対応して配置されている。具体的に、各サブピクセル45R、45G、45Bは、R、G、Bの順で横方向に繰り返されるように配列されるとともに、同色のサブピクセルがそれぞれ縦に並ぶように配列されている。一方、反射型カラーフィルタ17の各フィルタ17R、17G、17Bの領域は、縦方向に延びるとともに、各サブピクセル45R、45G、45Bと同じ色の順序、かつ、同じ間隔で横方向に配列され、ストライプ状に形成されている。
拡散シート48は、表面に形成された凹凸形状、又はマイクロレンズアレイにより、各サブピクセル45R、45G及び45Bから出射された光を拡散させる。また、拡散シート48は、拡散シート48の内部に設けられた拡散ビーズによる屈折又は反射によって光を拡散させるように構成することもできる。
このように構成された液晶表示装置40において、偏光方向が揃えられた状態でR光源11a、G光源11b及びB光源11cから出射されたR光、G光及びB光は、光源ごとにコリメートされ、ダイクロイックミラー13によりレーザ光12としてまとめられる。
レーザ光12は、ミラー14を介して導光棒15に入射し、偏光を保持したまま、複数の偏向溝15aにより導光板16の側面16aに対して略垂直となる方向に出射して、前記側面16aから導光板16に入射する。導光板16に入射したレーザ光12は、対向面16cに形成された偏向溝16dにおいて導光板16の主面16bと略垂直となる方向に反射して、主面16bから出射し、反射型カラーフィルタ17に到達する。
反射型カラーフィルタ17に到達したレーザ光12は、反射型カラーフィルタ17とリサイクルシート18との間で反射を繰り返す間に、反射型カラーフィルタ17の各フィルタ17R、17G及び17Bのうちの対応するフィルタを透過して、出射光20として出射する。
ここで、導光板16に入射するレーザ光12の偏光方向が例えば、導光板16の主面16bに垂直な方向であるとした場合、偏向溝16dの反射面の法線はレーザ光12光の偏光面と同一面上にあるため、偏向溝16dでの反射の前後において偏光が保持され、導光板16からは偏光の揃った光が出射する。また、その後の多重反射の間にも、偏光は、保持されるので、出射光20は、偏光の揃った光となり、図7(b)における左右方向の偏光で出射する。
なお、導光板16に入射するレーザ光の偏光を主面16bに平行としても偏光を保持することが可能であり、この場合は、図7(b)における上下方向の偏光で出射光20は、出射する。
反射型カラーフィルタ17を出射した出射光20は、直線偏光で入射側偏光板46に入射する。このとき、出射光20の偏光方向と入射側偏光板46の透過軸とが一致するように構成しておくと、出射光20の大部分が入射側偏光板46を透過するので、高い光利用効率が得られる。
液晶パネル41の入射側偏光板46から高効率で入射した出射光20は、画素45の各サブピクセル45R、45G及び45Bに入射し、液晶層43で変調され、各サブピクセルの吸収型カラーフィルタに入射する。
このとき、出射光20は、各サブピクセル45R、45G及び45Bに対応して配置された反射型カラーフィルタ17の各フィルタ17R、17G及び17Bによって、R光、G光、B光に分離される。分離されたR光20R、G光20G及びB光20Bは、それぞれ液晶パネル41に対して略垂直に入射するので、対応するサブピクセル45R、45G、45Bにそれぞれ効率よく入射する。
ここで、波長分離を行わない従来の構成では、画素45に到達した光のうち、各波長に対応するサブピクセル45R、45G及び45Bに入射する確率は、1/3である。そして、所定のサブピクセルに入射しなかった光は、吸収型カラーフィルタで吸収されるので、各サブピクセルから出射する光量は、入射した光の1/3以下となる。
一方、本実施の形態の構成では、各サブピクセル45R、45G及び45Bのそれぞれに所定の波長の光の大部分を導くことができるので、従来の構成と比べると2〜3倍の透過率が得られる。
各サブピクセル45R、45G及び45Bから出射した出射光20は、出射側偏光板47から前記出射側偏光板47の表面に対して略垂直に出射し、拡散シート48により拡散され、視野角の広い画像が表示される。
このとき、出射光20は、液晶層43を略垂直に通過し、液晶パネル41の画像表示面で視野角を広げる構成としているので、斜め方向から見ても正面と同等の高いコントラストが得られる。
以上に説明したように本実施の形態では、面状照明装置10から偏光の揃った光を出射させることにより、液晶パネル41の透過率を向上させることができる。
また、本実施の形態によれば、液晶パネル41に入射する光の偏光方向を揃えるための入射側偏光板46を省略することもできるので、消費電力が低く、かつ、低コストの液晶表示装置を実現できる。
さらに、面状照明装置10においてフィルタ17R、17G及び17Bごとに波長分離するとともに、各サブピクセル45R、45G及び45Bにそれぞれ所定の波長の光を入射させることができるので、液晶パネル41内部の吸収型カラーフィルタにおけるロスを低減できる。
また、液晶パネル41において吸収型カラーフィルタを省略することもできるので、さらに消費電力が低く、かつ低コストの液晶表示装置を実現できる。
そして、光源としてレーザ光源11a〜11cを用いることにより、色再現範囲が広く高輝度で、かつ、輝度ムラが少ない薄型の液晶表示装置が実現できる。さらに、斜め方向から見ても高いコントラストが得られる。
なお、本実施の形態では、導光板16から略垂直に出射光20を出射する構成としたが、出射光20の出射角のばらつきが大きいと、液晶パネル41の各サブピクセル45R、45G及び45Bに所定の波長の光が入射する割合が低下する。
このような場合には、図9に示す液晶表示装置50のように、液晶パネル41と導光板16との間にレンズアレイ51を設けることができる。このようにすれば、出射光20をコリメートすることができ、あるいは出射光20を各サブピクセル45R、45G及び45Bに集光できるため、液晶パネル41の透過率を向上させることができる。
あるいは、反射型カラーフィルタ17と液晶パネル41の画素45との距離が近づくように構成しても、各サブピクセル45R、45G及び45Bへの入射効率を高めることができる。例えば、図10に示すように、反射型カラーフィルタ17を液晶パネル41のガラス基板42に形成することができる。
図10は、本発明の実施の形態2に係る他の液晶表示装置の概略構成を示す図であり、(a)は、液晶表示装置60の概略構成を示す断面図であり、(b)は、液晶表示装置70の概略構成を示す断面図である。
図10(a)に示すように、液晶表示装置60では、反射型カラーフィルタ17を液晶パネル41のガラス基板42の導光板16側の面に形成することにより、液晶パネル41の入射側偏光板46(図8参照)を省略している。ガラス基板42は、ガラス基板44と同質の材料からなる。
このように構成すると、液晶パネル41の透過率が向上するだけでなく、反射型カラーフィルタ17の各フィルタ17R、17G及び17Bと、液晶パネル41の各サブピクセル45R、45G及び45Bとの相対的な位置が熱膨張などでずれるのを抑制することができるため、信頼性の高い液晶表示装置が実現できる。
また、図10(b)に示すように、液晶表示装置70では、反射型カラーフィルタ17を液晶パネル41のガラス基板42の液晶層43側の面に形成することにより、液晶パネル41の入射側偏光板46(図8参照)を省略している。ガラス基板42は、ガラス基板44と同質の材料からなる。
このように構成すると、上述のように、各フィルタ17R、17G及び17Bと各サブピクセル45R、45G及び45Bとの相対的な位置が熱膨張などですれるのを抑制することができるため、信頼性が向上する。
さらに、液晶表示装置70では、前記液晶表示装置60と比較して反射型カラーフィルタ17と、画素45との間の距離を短くすることにより、反射型カラーフィルタ17で分離した光をほぼすべて所定のサブピクセル45R、45G及び45bに入射させることができるため、より消費電力の低い液晶表示装置を実現することができる。
なお、図10(a)及び図10(b)に示した構成では、液晶パネル41において入射側の偏光板を設けない構成としているが、導光板16に入射するレーザ光12の偏光にばらつきがある場合、あるいは、導光板16の複屈折等により、リサイクル反射を繰り返す間に偏光が回転してしまう場合には、液晶パネル41に入射する光の消光比が低下して、コントラストの低下を招く可能性がある。
このような場合には、リサイクルシート18を特定の偏光成分のみ反射させる偏光反射シートとすることにより、コントラストの高い高画質の画像を表示することができる。
また、本実施の形態では、反射型カラーフィルタ17の各フィルタ17R、17G及び17Bが並ぶ方向に導光板16にレーザ光12を入射させる構成としたが、反射型カラーフィルタ17のストライプ状に並んだ各フィルタの長手方向にレーザ光12を入射させる構成としてもよい。
図11は、本発明の実施の形態2に係る液晶表示装置80の概略構成を示す図であり、(a)は、液晶表示装置の構成全体を模式的に示す斜視図、(b)は、液晶表示装置の平面図をそれぞれ示している。
図11において、図7に示した構成と異なるのは、導光板16に入射させるレーザ光12の方向のみである。この実施形態では、導光板16の側面16aの法線に対して図8(b)の左右方向に数度傾いた光軸に沿ってレーザ光12を導光板16に入射させるようになっている。
本実施の形態では、導光板16に入射したレーザ光12を偏向溝16dで略垂直に立ち上げる構成としている。導光板16の主面16bと略平行となるように導光板16に入射したレーザ光12は、偏向溝16dでの反射時に多少回折されて僅かに広がりながら導光板16内を進行していくため、出射光20の出射角は、レーザ光12の導光板16への入射方向について多少ばらつくことになる。
そのため、図8に示すような、反射型カラーフィルタ17と液晶パネル41の画素45とが離れて配置された構成では、液晶パネル41の各サブピクセル45R、45G及び45Bに所定の波長の光が入射する割合が低下する。
しかし、図11に示すような構成とすると、反射型カラーフィルタ17を出射する出射光20R、20G及び20Bの出射角は、レーザ光12の導光板16内の進行方向(図11(b)の上下方向)ではばらつくが、それと直交する方向(図11(b)左右方向)では平行度の高い光とすることができる。
つまり、各サブピクセル45R、45G及び45Bに到達した出射光20は、同色のサブピクセルが延びる方向にのみ広がっているため、所定のサブピクセルに効率よく出射光20を入射させることができ、さらに消費電力の低い液晶表示装置が実現できる。
また、レーザ光12を導光板16へ数度傾けて入射させるので、導光板16から出射したレーザ光12が、反射型カラーフィルタ17で反射し、リサイクルシート18で反射した後に、再び反射型カラーフィルタ17に戻る際に、前回と同じフィルタ17R、17G及び17Bに戻らないように構成できる。
したがって、少ないリサイクル回数で波長分離を行い出射させることができる。これにより、リサイクル反射中に失われる僅かな効率ロスも抑制し、極めて消費電力の低い液晶表示装置が実現できる。
また、レーザ光12を反射型カラーフィルタの各フィルタ17R、17G及び17Bの長手方向に平行に入射させる場合には、リサイクル回数を増やすことができるため、より均一な光を出射させることができる。
(実施の形態3)
図12は、本発明の実施の形態3に係る液晶表示装置90を示す概略構成図であり、(a)は、液晶表示装置の断面図、(b)は、(a)の構造シート及び拡散シートの斜視図をそれぞれ示している。
なお、図12(b)においては、構造シート及び拡散シートは、それぞれの構成を理解しやすくするために分離して示されているが、実際の構成では構造シートと拡散シートとが密着して配置されている。
図12に示す本実施の形態3の液晶表示装置90は、出射側偏光板47と拡散シート92の間に構造シート91が挿入されている点、及びブラックストライプ92aを設けている点で図8に示した液晶表示装置40と異なる。図12において、前記図8の液晶表示装置40と同様の構成について、同じ符号を付し説明を省略する。
図12(a)及び図12(b)に示すように、構造シート91は、画素45のRサブピクセル45R、Gサブピクセル45G及びBサブピクセル45Bのそれぞれの位置に対応して配置された複数のテーパー状の微小導光体91aを有している。
また、拡散シート92は、構造シート91の微小導光体91aの上面部に対応する領域以外の部分に設けられ、外光を吸収するブラックストライプ92aを備えている。
このように構成すると、液晶パネル41から出射した出射光20は、構造シート91の微小導光体91aに入射する。微小導光体91aに入射した光の一部は、この微小導光体91aの側面で全反射して進路を曲げられ、拡散シート92でさらに効果的に拡散されて視野角の広い画像出力93として液晶表示装置90から出力される。
拡散シート92のみで拡散させる場合、広視野角を得るために高いヘーズが必要であり、このような構成では、外光の反射により明所でのコントラストの低下、いわゆる白浮きの課題を有していた。
一方、本実施の形態に係る液晶表示装置90では、微小導光体91aを通すことにより拡散させているので、拡散シート92のヘーズは、小さくてもよく、外光の大部分をブラックストライプ92aで吸収させることができる。
したがって、前記液晶表示装置90によれば、明所でのコントラストが良く、高輝度で視野角が広い画像を表示できる液晶表示装置を実現することができる。
なお、図12に示した微小導光体91aは、映像出射面に平行な断面が長方形となる形状のものであるが、微小導光体91aへの入射面を隙間なく配置できる構成であれば、他の形でもよく、例えば、断面が三角形や六角形の微小導光体91aとすることもできる。
また、微小導光体91aの出射面付近の断面を円形とすると、拡散する方向の偏りを低減することができる。
また、構造シート91は、テーパー状の微小導光体を配列する代わりに、テーパー状の穴を多数形成した構成とすることもできる。この場合、テーパ穴の側面で出射光20が反射するように構成すると、本実施の形態と同様な効果が得られる。
また、本実施の形態において、微小導光体91aの形状をテーパー形状としたが、略平行に入射する光を大きく拡散させるとともに、出射側で入射側より小さい領域に絞り込める形状であれば、前記微小導光体91aと同様の効果が得られる。
図13は、本発明の実施の形態3に係る他の液晶表示装置100を示す概略構成図であり、(a)は、液晶表示装置の断面図、(b)は、(a)の構造シート及び拡散シートの斜視図をそれぞれ示している。
図13に係る液晶表示装置100は、図12に示す構造シート91が構造シート94に置換されている点で、図12の液晶表示装置90と異なる。
図13(a)及び図13(b)において、構造シート94は、ボールレンズで構成された複数の微小導光体94aが配列された構成とされている。
拡散シート92は、構造シート94の微小導光体94aの上面部に対応する領域以外の部分に外光を吸収するブラックストライプ92aが設けられている。
また、微小導光体94aのボールレンズは、拡散シート92と接する出射面近傍で集光するように構成されている。
このように構成しても、液晶パネル81から出射した光を広く拡散させるとともに、外光の反射を抑えることができる。
なお、図12及び図13に示した本実施の形態では、各サブピクセル45R、45G及び45Bに対応して微小導光体91a、94aを設ける構成としているが、1つのサブピクセルに対して微小導光体を複数設けてもよい。このようにすれば、視野角分布のばらつきをさらに低減することができる。
また、微小導光体の内部にさらに拡散ビーズを含有するなど、微小導光体で十分に拡散するように構成した場合、拡散シート92に代えて、拡散のない透明なシートを配設することもできる。このように構成すると、さらに白浮きが抑えられて明所コントラストが向上する。
また、本実施の形態において、画素45で各サブピクセルから出射した出射光20R、20G、20Bは、それぞれ対応する微小導光体91aに入射することとしているが、各サブピクセルから出射する際の出射角にばらつきがある場合には、出射光20の一部の光は、隣のサブピクセルに対応する微小導光体に入射して画像のボケを生じさせる。
この場合、出射光20の出射角のばらつきを抑えるとともに、出射側のガラス基板44及び出射側偏光板47を薄くすることにより、画像のボケを低減し、高画質な液晶表示装置を実現することができる。
具体的に、例えば、各サブピクセル45R、45G及び45Bの幅Pを200μm、出射光20のガラス基板44内の角度のばらつきφを±10°とし、出射側偏光板47の出射面での出射光20の広がりを3P(片側のはみ出し幅P)まで許容できるとすると、画素45から出射側偏光板47の出射面までの厚みLは、1.1mm以下であることが望ましい。この関係は、以下のように表すことができる。
L<P/Tanφ
また、出射光20の出射角ばらつきは、導光板16の偏向溝16dで立ち上げる際に生じるが、ガラス基板44の屈折率を導光板16の屈折率よりも大きくすることにより、見かけ上ガラス基板44内の出射光20のばらつきを小さくして、画像のボケを低減することもできる。
(実施の形態4)
本発明の実施の形態4に係る面状照明装置では、実施の形態1〜3で示した面状照明装置及び液晶表示装置に用いられる反射型カラーフィルタの具体構成を示す。
本実施の形態に係る反射型カラーフィルタは、微細な周期構造を有し、特定の波長の光を共鳴により選択的に強く反射する回折格子で構成されている。
このような回折格子は、サブ波長格子とも呼ばれ、入射する光の波長以下の間隔の格子で構成された周期構造により高次回折光が発生しないように構成されている。
そして、格子形状に見合った特定の波長の光が前記周期構造に入射すると、内部で多重反射による共鳴が起き、前記特定の波長の光が選択的に強く反射される。
図14は、実施の形態4に係るサブ波長格子の具体的な設計例を示す説明図であり、例としてG光を反射する機能をもつ光学層105の構造の断面図を示している。
図14に示すサブ波長格子は、基板106と、基板106上に設けられた光学層105とを備えている。
光学層105は、前記基板106上に設けられた導波層105bと、この導波層105b上に周期Λで突設された回折格子層105aとを備えている。
例えば、周期Λ=365nm、格子幅a/周期Λ=0.5、格子高さb=200nm、導波層105bの厚さc=100nm、光学層105の屈折率n1=1.73、基板106の屈折率n2=1.4としたとき、TE偏光107でレーザ光12を入射させると、波長535nmのG光12Gのみが共鳴反射することが、RCWA法を用いたシミュレーション等で確認できる。
このような1次元格子形状による共鳴反射の反射率は、偏光方向に依存し、TE偏光で光を入射させた場合に高くなる。また、共鳴反射が生じる波長幅は、狭いため、レーザ光のように単一波長の光を用いる方が高い反射率が得られる。
また、共鳴反射を起こす波長は、周期構造を形成する材質、形状又は屈折率により変えることが可能である。本実施の形態では、周期構造の格子周期Λを変えることにより、R光、G光、B光のそれぞれを共鳴反射させるためのサブ波長格子をそれぞれ構成している。
図15は、本発明の実施の形態4に係る面状照明装置110の概略構成を示す図であり、(a)は、面状照明装置の断面図、(b)は、反射型カラーフィルタの構造を模式的に示す断面図をそれぞれ示している。
本実施の形態において実施の形態1〜3と異なるのは、反射型カラーフィルタ117のみであり、その他の構成要素は同じであるため、同じ符号で示し説明を省略する。
図15(a)及び図15(b)に示すように、本実施の形態4に係る面状照明装置110は、導光板16の主面16b上にサブ波長格子を積層して構成された反射型カラーフィルタ117を備えている。
反射型カラーフィルタ117は、導光板16の主面16b上に積層された3層の光学層114(114R、114G、114B)を備えている。
各光学層114には、それぞれサブミクロン周期の微細な格子形状からなる周期構造112(112R、112G、112B)が形成された領域と、前記周期構造112が形成されていない開口部113(113R、113G、113B)の領域とを有している。
また、導光板16に入射するレーザ光12は、主面16bに平行な偏光方向111とされている。
周期構造112R、112G及び112Bは、それぞれ異なる波長の光を共鳴反射するように周期の異なる格子形状で構成されている。
具体的に、周期構造112Rは、レーザ光12に含まれるR光12Rを共鳴反射する。周期構造112Gは、レーザ光12に含まれるG光12Gを共鳴反射する。周期構造112Bは、レーザ光12に含まれるB光12Bを共鳴反射する。
また、入射光であるレーザ光12の偏光方向111は、周期構造112の凹溝の長手方向に沿った方向の偏光(TE偏光)とされている。
開口部113は、全ての波長の光を透過させる。したがって、開口部113と、周期構造112R及び112Gとを積層することにより、B光20Bのみを出射させるフィルタ117Bを構成することができる。また、開口部113と、周期構造112R及び112Bとを積層することにより、G光20Bのみを出射させるフィルタ117Gを構成することができる。さらに、開口部113と、周期構造112G及び11Bとを積層することにより、R光20Rを出射させるフィルタ117Rを構成することができる。
反射型カラーフィルタ117のフィルタ117R、117G、117Bは、互いに隣接するように配置されている。
このように構成された面状照明装置110は、実施の形態1及び2と同様に構成された光源(図示せず)から出射されたレーザ光12が、偏光方向111の偏光で導光板16に入射する。
導光板16に入射したレーザ光12は、対向面16cに形成された偏向溝16dで反射して、主面16bに略垂直な光として主面16bから出射し、反射型カラーフィルタ117に到達する。
反射型カラーフィルタ117に到達したレーザ光12は、反射型カラーフィルタ17とリサイクルシート18との間で反射を繰り返す間に、反射型カラーフィルタ117の各フィルタ117R、117G及び117Bのそれぞれから対応する波長の光が出射光20として出射する。
次に、反射型カラーフィルタ117の動作を詳しく説明する。図15(b)に示すように、導光板16から出射したレーザ光12は、最初に反射型カラーフィルタ117の光学層114Bに入射する。
光学層114Bには、例えば波長445nmのB光12Bのみが共鳴反射するように、例えば周期300nmの格子形状からなる周期構造112Bと、開口部113Bとが形成されている。したがって、周期構造112BでB光12Bが反射するとともにR光12R及びG光12Gが透過し、開口部113Bに入射した光は、すべて透過する。
同様に、次の光学層114Gには、例えば波長535nmのG光12Gのみが共鳴反射するように、例えば周期365nmの格子形状からなる周期構造112Gと、開口部113Bとが形成されている。したがって、周期構造112GでG光12Gが反射するとともにR光12R及びB光12Bが透過し、開口部113Bに入射した光は、すべて透過する。
さらに、その次の光学層114Rには、例えば波長640nmのR光12Rのみが共鳴反射するように、例えば周期445nmの格子形状からなる周期構造112Rと、開口部113Rとが形成されている。したがって、周期構造112RでR光12Rが反射するとともにG光12G及びB光12Bが透過し、開口部113Rに入射した光は、すべて透過する。
つまり、レーザ光12がフィルタ117Bに入射すると、レーザ光12R、12G及び12Bの全てが開口部113Bを透過するとともに、レーザ光12R及び12Gが光学層114G、114Rで反射し、B光12Bのみが出射する。
また、レーザ光12がフィルタ117Gに入射すると、光学層114BでB光12Bが反射するとともに、R光12R及び12G光が開口部113Gを透過し、光学層114RでR光12Rが反射されてG光12Gのみが出射する。
さらに、レーザ光12がフィルタ117Rに入射すると、光学層114BでB光12Bが反射するとともに、光学層114GでG光12Gが反射するので、R光12Rのみが出射する。
したがって、このような構成とすることにより、レーザ光12をR光12R、G光12G及びB光12Bに分離し、それぞれ所定の領域117R、117G、117Bから効率よく出射させることができる。これにより、効率よく波長分離を行える面状照明装置が実現できる。
また、面状照明装置110を液晶表示装置のバックライトとして利用した場合、液晶パネルの入射側の偏光板の透過軸と、周期構造112の格子の長手方向とを一致させることにより、偏光板でのロスが低減でき、極めて消費電力の低い液晶表示装置を実現することができる。
ここで、開口部113R、113G、113Bの幅を同一、もしくは光源の光量に対応した一定の比率とすると、反射型カラーフィルタ117を透過する光は混色されて白色となるが、開口部113R、113G及び113Bの幅の比率を局所的に変えることにより、反射型カラーフィルタ117から出射された光の混色により生じる色を所望の色とすることができる。
さらに、R光12R、G光12G及びB光12Bを反射する領域も加えると、任意の輝度分布や色分布を表示することができる面状照明装置を実現することができる。したがって、鮮やかな色彩を表示する薄型の看板等に応用できる。
また、面状照明装置がもともと有している輝度ムラや色ムラを補正して均一な照明を作り出すこともできるので、液晶ディスプレイ用のバックライトとしても有用である。
なお、図15に示す例では、開口部113R、113G、113Bを互いに重ならないように配置するとともに、独立したフィルタ117R、117G及び117Bからそれぞれ出射光20R、20B及び20Bを出射することによりフルカラーを表示するように構成しているが、開口部113R、113G、113Bを重ねて、同じ領域内で混色するように構成してもよい。
また、反射型カラーフィルタ117のような積層構造は、例えば特開2007−69443に開示されているナノインプリントを用いた方法により作製することが可能であり、精度が良く、量産性に優れ、低コストで作製できる。
図16は、本発明の実施の形態4に係る他の面状照明装置120の概略構成を示す図であり、(a)は、面状照明装置の断面図、(b)は、反射型カラーフィルタの構造を模式的に示す断面図をそれぞれ示している。
本実施の形態において図15に示した構成と異なるのは、反射型カラーフィルタ127のみであり、その他の構成要素は同じであるため、同じ符号で示し説明を省略する。
図16(a)及び図16(b)において、反射型カラーフィルタ127は、光学層124を備えている。光学層124は、互いに積層された2つの光学層124a及び124bを有している。
各光学層124a及び124bは、それぞれサブミクロン周期の微細な格子形状からなる周期構造112を有している。また、光学層124a、124bには、それぞれ少なくとも3種の異なる周期の周期構造112R、112G、112Bが形成されている。
そして、各光学層124a及び124bは、異なる周期構造112R、112G及び112Bが重なるように互いに積層され、このように2種類の周期構造が重ねられた領域がフィルタ127R、127G、127Bを構成している。
具体的に、フィルタ127Rに対応する光学層124a上の領域には、周期構造112Bが形成され、光学層124b上の領域には周期構造112Gが形成されている。
フィルタ127Gに対応する光学層124a上の領域には、周期構造112Rが形成され、光学層124b上の領域には、周期構造112Bが形成されている。
フィルタ127Bに対応する光学層124a上の領域には、周期構造112Gが形成され、光学層124b上の領域には、周期構造112Rが形成されている。
また、周期構造112(112R、112G、112B)は、それぞれ特定波長の入射光と共鳴反射するように構成されている。
フィルタ127Rは、G光12G及びB光12Bを反射するとともに、残りのR光12Rのみを透過させる。
フィルタ127Gは、R光12R及びB光12Bを反射するとともに、残りのG光12Gのみを透過させる。
フィルタ127Bは、R光12R及びG光12Gを反射するとともに、残りのB光12Bのみを透過させる。
すなわち、図15に示した構成と同じ光学的な機能を持つ反射型カラーフィルタ127を、図15に示す構成よりも1層少ない構成で実現することができる。そのため、工数が削減でき、低コスト化が図れる。
また、この構成では、フィルタ127R、127G、127Bの幅の比率を変えることにより、特定の色を表示することが可能となる。ただし、図15に示す構成と異なり、R光、G光、B光のすべてを反射できる領域が形成できないため、黒表示はできない。
なお、図16(b)に示した反射型カラーフィルタ127は、サブミクロン周期の周期構造112を積層した構造としたが、周期構造が対面するように2つの光学層を積層する構成、あるいは、同一の基板の両側に周期構造を形成する構成としても、同様な機能を持つ反射型カラーフィルタが実現できる。
図17は、図16に示した反射型カラーフィルタ127の他の構成を模式的に示した断面図であり、(a)は、周期構造が対面する構造の断面図、(b)は、周期構造が基板の両側に配置された構造の断面図をそれぞれ示している。
図17(a)のように構成すると、種類の異なる周期構造同士が対面するように各光学層124a及び124bを位置合わせすることが必要となるが、それぞれの周期構造を単層で製作できるので、ロール工法などの利用により大面積化が容易になる。
また、図17(b)のように構成すると、ロール工法を利用して基板の両面に同時に周期構造を形成することが可能になり、工数が削減でき、大面積化にも対応できる。
なお、図15〜図17に示した実施の形態では、導光板16に偏光の揃った光を入射させる構成としたが、導光板16への入射光をランダム偏光とし、導光板16と反射型カラーフィルタとの間に偏光反射シートを配置することにより、反射型カラーフィルタへの入射光がTE偏光となるように構成してもよい。このように構成すれば、光源にLEDを用いることが可能であり、設計の自由度が向上する。
なお、図15〜図17に示した反射型カラーフィルタの各光学層の周期構造は、R、G、Bの各フィルタ領域が並ぶ方向に、屈折率の異なる部分が並ぶ格子構造としていたが、各フィルタ領域が並ぶ方向と直交する方向に格子が周期的に並ぶ構造としてもよく、上面からみて2次元的に格子が周期的に並ぶ構造としても良い。
図18は、実施の形態4に係る反射型カラーフィルタの周期構造の構成例を示した概略図であり、(a)は、別の1次元格子の平面図、(b)は、2次元格子の平面図をそれぞれ示している。
図18(a)に示す反射型カラーフィルタ137の光学層134には、各フィルタ137R、137G及び137Bが並ぶ方向と直交する方向に固有の周期で格子が並ぶ周期構造132R、132G、132Bが形成されている。
また、この反射型カラーフィルタ137に入射する光は、偏光が方向131(各フィルタ137R、137G及び137Bが延びる方向)となるように構成されている。
なお、サブ波長格子が図18(a)のような1次元格子で構成される場合には、光が入射する方向により共鳴反射を起こす入射角の範囲にも大きな差がある。
一般には、格子形状に沿った方向(図18の左右方向)から入射する光に対しては、共鳴反射を起こす入射角度の範囲は広く、それと直交する方向から入射する場合には有効な入射角の範囲は狭い。
この狭い方の有効な入射角範囲は構成にもよるが数度程度であるため、導光板の構成に合わせて格子の方向を適切に設定する必要がある。具体的に、図15(a)に示す面状照明装置110では、導光板16から出射するレーザ光12の出射角ばらつきは、図中左右方向が偏向溝16dでの回折等の影響で大きく、それと直交する方向では小さく抑えることができる。
このような構成では、図18(a)のように入射光のばらつきの大きい方向に延びる格子を形成することにより、共鳴反射を生じさせることができる光の入射角のばらつきの範囲を広げることができるので、光の利用効率を向上させることができる。
また、図18(b)に示す反射型カラーフィルタ147の光学層144には、各フィルタ147R、147G、147B内に2次元的な格子構造からなる周期構造142R、142G、142Bが形成されている。
このように構成すると、各フィルタ147R、147G及び147Bにおける共鳴反射についての入射光の偏光方向の依存性及び入射方向の依存性が小さくなるため、反射型カラーフィルタを配置する場所の自由度が向上する。
例えば、液晶パネル内部の吸収型カラーフィルタは、液晶層で偏光が変調された光が入射するため、1次元のサブ波長格子で構成された偏光依存性のあるフィルタを用いると光の利用効率が低下するが、図18(b)に示した偏光方向の依存性の小さい構造とすることにより、このような場所に配置することができる。
なお、本実施の形態4では、回折格子層105a(図14参照)が間欠的に並ぶ格子形状からなる周期構造を有する反射型カラーフィルタについて例示したが、屈折率の異なる部分が周期的に並ぶ構成であれば、格子形状に限定されることはない。つまり、前記周期構造を屈折率分布により構成した場合においても、本実施の形態4と同様の効果を得ることができる。
また、本実施の形態4では、矩形の回折格子層105aが並ぶ格子形状について説明したが、矩形に限定されることはなく、例えば、三角形、台形等の回折格子層を採用することもできる。
(実施の形態5)
本発明の実施の形態5に係る面状照明装置では、実施の形態1〜3で示した面状照明装置及び液晶表示装置に用いられる反射型カラーフィルタの具体構成を示す。
本実施の形態の反射型カラーフィルタは、屈折率の異なる二種類の薄膜を反射対象となる光の波長の1/4程度の周期で交互に積層した周期構造を有している。この周期構造により、反射型カラーフィルタには、前記反射対象となる光の存在が許されないフォトニックバンドギャップが形成されている。
さらに、反射型カラーフィルタは、前記周期構造の周期を乱す欠陥層が一部に設けられていることによって、反射帯域中に特定の波長の光のみを透過させるようになっている。
つまり、本実施の形態に係る反射型カラーフィルタは、いわゆるフォトニック結晶技術を用いた積層型干渉フィルタである。
図19は、本発明の実施の形態5に係る面状照明装置150の概略構成を示す図であり、(a)は、面状照明装置の断面図、(b)は、反射型カラーフィルタの構造を模式的に示す断面図をそれぞれ示している。
本実施の形態において実施の形態1〜4と異なるのは反射型カラーフィルタ157のみであり、その他の構成要素は同じであるため、同じ符号で示し説明を省略する。
図19(a)及び図19(b)に示すように、本実施の形態5に係る面状照明装置150は、導光板16の主面16b上に多層膜154で構成された反射型カラーフィルタ157を備えている。
多層膜154は、屈折率の異なる二種類の薄膜を周期的に積層して構成されている。また、多層膜154は、フィルタ157R、157G及び157Bごとに厚みの異なる欠陥層154aを有し、各フィルタ領域157R、157G、157Bから欠陥層154aの厚みに応じた特定の波長の光のみが透過するように構成されている。
ここで、多層膜154の膜構造は、必要とする光学仕様に応じていくつかの適した構造が考えられる。そこで、特定波長に対して高い透過率を持つとともに、それ以外の波長に対して高い反射率を実現できる膜構造の例を図20に示す。
図20は、実施の形態5に係る反射型カラーフィルタ157の3つの構造例及びその特性を示した説明図であり、(a)、(c)及び(e)は、反射型カラーフィルタの概略構造図、(b)、(d)及び(f)は、それぞれ(a)、(c)及び(e)の各構造の分光特性をそれぞれ示している。
なお、図20(b)、(d)及び(f)の分光特性において、縦軸が透過率を表わし、横軸が透過光の波長を表している。また、本実施の形態に係る反射型カラーフィルタは、可視光の波長帯で吸収が少なくなり、透過しない光を実質的に反射するように構成されている。したがって、例えば透過率5%は、反射率95%を意味する。
図20(a)の構造において、反射型カラーフィルタ157は、低屈折率材料(例えば二酸化珪素(SiO2))で構成された低屈折率層221a、221b、223a及び223bと、高屈折率材料(例えば二酸化チタン(TiO2))で構成された高屈折率層222a、222b、224a及び224bと、高屈折率材料で構成された欠陥層225とを積層した構成とされている。
各フィルタ157R、157G、157Bの領域の膜構造は、それぞれ欠陥層225を中心として対称となるように構成されている。
欠陥層225を除く各層221a、221b、222a、222b、223a、223b、224a及び224bの厚みは、それぞれ物理膜厚に屈折率を乗じて得られる光学膜厚が設定波長(例えば535nm)の1/4に略等しくなるように構成されており、各フィルタ157R、157G、157Bの領域において、同じ膜厚となるように構成されている。
一方、欠陥層225は、各フィルタ157R、157G、157Bの領域において、それぞれ異なる厚みを持ち、特定の波長の光が透過するように設定されている。
また、図20(c)の構造において、反射型カラーフィルタ157は、5層膜238と、5層膜239と、これら5層膜238と5層膜239との間に設けられ、各5層膜238及び239を接続する接続層237とを備えている。
5層膜238は、低屈折率材料からなる低屈折率層231a、231bと、高屈折率材料からなる高屈折率層232a、232bと、高屈折率材料からなる欠陥層233とを積層した構成を有する。
5層膜239は、前記5層膜238と同様の構成を有している。具体的に、5層膜239は、低屈折率材料からなる低屈折率層234a、234bと、高屈折率材料からなる高屈折率層235a、235bと、高屈折率材料からなる欠陥層236とを積層した構成を有する。
この構造においても、5層膜238、239の欠陥層233、236を除く各層231a、231b、232a、232b、234a、234b、235a及び235bの厚みは、各フィルタ157R、157G、157Bの領域で同じ厚みであり、それぞれの物理膜圧に屈折率を乗じて得られる光学膜厚が設定波長の1/4となるように構成されている。
また、各5層膜238、239の膜構造は、欠陥層233、236を中心として、それぞれ対称に構成されている。
図20(e)の構造において、反射型カラーフィルタ157は、3層膜251と、3層膜252と、3層膜253と、3層膜251と3層膜252との間に設けられ、3層膜251、252を接続する接続層247と、3層膜252と3層膜253との間に設けられ、3層膜252、253を接続する接続層248とを備えている。
3層膜251は、高屈折率材料からなる高屈折率層241a、241bと、低屈折率材料からなる欠陥層242とを積層して構成されている。
3層膜252は、高屈折率材料からなる高屈折率層243a、243bと、低屈折率材料からなる欠陥層244とを積層して構成されている。
3層膜253は、高屈折率材料からなる高屈折率層245a、245bと、低屈折率材料からなる欠陥層246とを積層して構成されている。
この構造においても、3層膜251、252、253の欠陥層242、244、246を除く各層241a、241b、243a、243b、245a及び245bの厚みは、各フィルタ157R、157G、157Bの領域で同じ厚みであり、それぞれの物理膜圧に屈折率を乗じて得られる光学膜厚が設定波長の1/4となるように構成されている。
また、各3層膜251、252及び253の膜構造は、それぞれ欠陥層242、244、246を中心として、それぞれ対称に構成されている。
この構造において、欠陥層242と246の光学厚みは同じであるが、欠陥層242、246に対して欠陥層244の厚みは必ずしも一致していなくてもよい。
つまり、理論上は、欠陥層242、244及び246の厚みを一致させることが特定波長の光の透過率を最大とするための条件となるが、実際に欠陥層242、244及び246の厚みを一致させると、反射波長帯域の一部の波長について透過率が若干低下する傾向がある。そして、欠陥層244の厚みを欠陥層242、246の厚みに対し若干変化させることにより、前記透過率の低下を抑制できることが確認されているため、このように設定することが好ましい。
図20(a)、(c)及び(e)に示した反射型カラーフィルタ157の特徴は、各フィルタ157R、157G、157Bの領域においてそれぞれ厚みの異なる欠陥層の両側に、高屈折率層あるいは低屈折率層を積層し、欠陥層を中心に対称な構造となるように膜構造を構成していることである。
また、反射型カラーフィルタ157の特徴は、高屈折率層及び低屈折率層の光学厚みを設定波長の1/4に略等しくすることである。
さらに、反射型カラーフィルタ157の特徴は、同様の構造の多層膜を、接続層を介して複数連結して構成することである。
なお、図20(c)及び(e)に示した構造において、接続層237、247及び248の光学厚みも設定波長に対して1/4波長であることが望ましい。
また、低屈折率材料の一例として二酸化珪素を例示し、高屈折率材料の一例として二酸化チタンを例示しているが、これらに限定されるものでなく、屈折率差の大きな材料であれば他の材料でも良い。
屈折率差は、反射型カラーフィルタ157の反射帯域の幅に影響する。各フィルタにおいて所定の波長以外の光を反射させるためには、各フィルタを構成する各層の屈折率の最大値と最小値との差が概ね0.6以上であることが必要である。
図20(b)、(d)及び(f)は、それぞれ図20(a)、(c)及び(e)に示した構造の分光特性を示している。
図20(b)、(d)及び(f)中、分光特性220r、230r及び240rは、R光フィルタ157Rの分光特性を示し、分光特性220g、230g及び240gは、G光フィルタ157Gの分光特性を示し、分光特性220b、230b及び240bは、B光フィルタ157Bの分光特性を示している。
図20(b)、(d)及び(f)に示すように、図20(a)、(c)及び(e)の各構造について以下のことが分かる。
R光フィルタ157R(分光特性220r、230r、240r)は、R光(波長640nm)を透過するとともに、G光(波長535nm)及びB光(波長445nm)を反射する特性を有している。
G光フィルタ157G(分光特性220g、230g、240g)は、G光(波長535nm)を透過するとともに、R光(波長640nm)及びB光(波長445nm)を反射する特性を有している。
B光フィルタ157B(分光特性220b、230b、240b)は、B光(波長445nm)を透過するとともに、R光(波長640nm)及びG光(波長535nm)を反射する特性を有している。
次に、このように構成された本実施の形態5の面状照明装置150の動作について具体的に説明する。反射型カラーフィルタ157は、図20(a)、図20(c)又は図20(e)に示した構造で構成されている。
図19および図20に示した本実施の形態の面状照明装置150では、実施の形態1及び2と同様に構成された光源(図示せず)から出射されたレーザ光12を、導光板16に対し略平行に入射させる。
導光板16に入射したレーザ光12は、導光板16の対向面16cに形成された偏向溝16dで反射して、主面16bに対し略垂直な方向に偏向された上で、主面16bから出射し、反射型カラーフィルタ157に到達する。
反射型カラーフィルタ157に到達したレーザ光12は、反射型カラーフィルタ157とリサイクルシート18との間で反射を繰り返す間に、反射型カラーフィルタ157の各フィルタ157R、157G及び157Bにより波長分離された出射光20として出射する。
前記面状照明装置150によれば、導光板16に入射したレーザ光12を反射型カラーフィルタ157のフィルタ157R、157G及び157Bごとに波長を分離して出射させることができ、さらに反射型カラーフィルタ157で反射した光も無駄なくリサイクルして均一に出射させることができる。
したがって、波長分離が可能で、消費電力の低い薄型の面状照明装置を実現することができる。このような面状照明装置を液晶パネルと組み合わせることにより、非常に消費電力の低い薄型の液晶表示装置を実現できる。
ここで、図20のように構成した反射型カラーフィルタ157は、各層の光学膜厚の誤差及びレーザ光12の入射角等により透過光の波長帯域がずれる傾向がある。
したがって、図20(b)に示すように、R光、G光、B光のそれぞれについて透過する光の波長幅の狭い図20(a)の構造は、各層の光学膜厚の誤差及びレーザ光12の入射角の誤差が小さく、光源の波長誤差も小さい場合に用いることが好ましい。
一方、光源の波長あるいは光学膜厚の誤差が大きい、あるいは、入射角度にばらつきがある場合には、図20(c)あるいは図20(e)の構造が適している。これらの構造は、透過波長帯の幅が広いので、透過波長がずれても効率への影響が小さい。
通常、図20(a)の構造で欠陥層以外の層数を増やすと、透過波長の波長幅は狭くなる。一方、欠陥層以外の層数を減らすと透過波長の波長幅は広がるが、透過波長以外の透過率が上がり、リサイクルされる光の効率が低下する。
図20(c)及び(e)の構造は、中央に欠陥層を配置した対称な構造の2又は3の多層膜を接続層を挟んで連結することにより、所定の波長での高い透過率とそれ以外の波長での高い反射率とを両立しながら、透過波長の波長幅を広げて誤差に強い構成を実現している。
ここで、図20(c)及び(e)の構造は、全体としても対称な構造となっていることが望ましい。
すなわち、多層膜を2つ連結する図20(c)の構造では、2つの5層膜238及び239に含まれる欠陥層233及び236は、同じ光学厚みとなるように構成することが好ましい。
また、多層膜を3つ連結する図20(e)の構造では、両側の多層膜251及び253の欠陥層242及び246を同じ光学厚みとし、中央の多層膜252の欠陥層244の厚みは、欠陥層242及び246と同じでなくてもよい。
このように全体として対称な構成とすることにより、多層膜を複数連結しても所定の波長の透過率を高く設定することができる。
図21は、図20(c)に示した膜構造の対称性の影響を示した説明図であり、(a)は、G光フィルタの膜構造を示した断面図、(b)は、G光フィルタの分光特性をそれぞれ示している。
図21(a)及び図21(b)において、分光特性261は、G光フィルタ157Gの膜構造が接続層237を中心に対称な場合、すなわち、欠陥層233と欠陥層236との光学厚みが等しい場合の特性を示している。
また、分光特性262は、欠陥層233と欠陥層236との光学厚みが5%ずれた場合の特性を示している。
図21(b)から分かるように、2つの欠陥層233と欠陥層236との光学厚みが一致している方が所定の波長において高い透過率が得られる。
なお、欠陥層は、高屈折率材料で構成しても、低屈折率材料で構成してもよい。ただし、欠陥層を高屈折率の材料で構成すると、入射角に対する分光特性の波長のずれを小さくすることができるので、反射型カラーフィルタ157へのレーザ光12の入射角のばらつきが大きい場合には、欠陥層を高屈折率材料で構成するのが望ましい。
また、欠陥層の形成には3種類の厚みを形成するために2回のエッチングを行う等、多くの工数が必要となる。このため、欠陥層を含む多層膜を多数連結した構成とすると、非常に多くの工数が必要となる。このような場合は、各フィルタ157R、157G及び157Bの領域ごとにマスクして領域ごとにスパッタ等で成膜していくことによりエッチング工程を減らすことができる。
実施の形態4、5で説明した本発明の実施の形態の反射型カラーフィルタは、周期的な屈折率分布による反射、及び、周期構造の中に欠陥をつくることにより特定波長が透過することを利用したものである。
このような屈折率分布により所望の分光特性が得られるように構成したフォトニック結晶は、本発明の実施の形態に示したもの以外にも多数あり、このようなフォトニック結晶を利用した反射型カラーフィルタを用いても、本発明と同様な効果が得られる。
なお、本発明の実施の形態1〜5に示した全ての構成は、どのように組み合わせてもよく、それぞれ本発明固有の効果を発揮する。また、本発明の主旨を逸脱しない範囲で様々な変更を行うことができ、同様の効果が得られることは言うまでもない。
以上のように、本発明は、液晶パネルの各画素にRGB光を分離して導く新たな構成を提案し、従来の構成と比較して光の利用効率が高く、かつ、消費電力の低い薄型の液晶表示装置を実現することができる。
具体的に、本発明に係る波長分離装置は、フォトニック結晶構造を利用した反射型のカラーフィルタを用いて導光板出射光をフィルタ領域ごとに波長選択して出射させるとともに、反射型カラーフィルタで反射した光をリサイクルすることにより、導光板に入射した光の大部分をフィルタ領域ごとに波長分離することができる。
なお、上述した具体的実施形態には以下の構成を有する発明が主に含まれている。
本発明の一局面に係る波長分離装置は、側面から入射した光を一方の主面から出射する導光板と、前記主面から出射された光の光路と交差するように配置され、分光特性の異なる少なくとも2種類のフィルタ領域を有する反射型カラーフィルタと、前記導光板を挟んで前記反射型カラーフィルタと反対側に配置されたリサイクル部と、を備え、前記導光板に入射した光のうち、前記反射型カラーフィルタで反射した光が前記導光板を経由して前記リサイクル部で反射して、再び前記反射型カラーフィルタに戻る。
本発明によれば、導光板に入射した光のうち、反射型カラーフィルタで反射した光が導光板を経由して上記リサイクル部で反射して、再び上記反射型カラーフィルタに戻すことができるので、上記導光板に入射した光をフィルタ領域で効率よく波長分離することができる。さらに、本発明では、光を多重反射させた後、出射させるのでムラのない均一な光を出射させることができる薄型の波長分離装置を実現することができる。
したがって、前記波長分離装置とレーザ光源とを組み合わせた面状照明装置を、液晶表示装置のバックライトとして用いるとともに、波長分離したそれぞれの光を液晶パネルの対応する画素に導くことにより、消費電力が極めて低く、かつ輝度ムラの少ない薄型の液晶表示装置を実現することができる。
前記波長分離装置において、前記反射型カラーフィルタは、分光特性の異なる2種類の第1フィルタ領域及び第2フィルタ領域を有し、前記リサイクル部は、前記第1フィルタ領域で反射した光が前記第2フィルタ領域に向けて反射するように構成されていることが好ましい。
前記構成によれば、反射型カラーフィルタのフィルタ領域に入射した光のうち、第1フィルタ領域の透過波長に合致しない光を第2フィルタ領域に導くことができるので、導光板に入射した光を無駄なくリサイクルして波長分離を行うことができる。
前記波長分離装置において、前記導光板の一方の主面と対向する対向面は、前記導光板の側面から入射した光を前記一方の主面に向けて偏向する偏向溝と、前記反射型カラーフィルタで反射した光を透過させる平面部とを有し、前記平面部を通過した光は、前記リサイクル部で反射して再び前記平面部から導光板に入射し、前記一方の主面から出射することが好ましい。
前記構成によれば、導光板の底面に偏向溝を成形することにより、導光板の側面から入射した光を導光板の一方の主面に偏向することができるので、低コストの導光板を実現できる。
前記波長分離装置において、前記リサイクル部の反射面、前記導光板の前記平面部及び前記反射型カラーフィルタの少なくとも1つは、前記導光板の前記一方の主面に対して傾斜していることが好ましい。
前記構成によれば、導光板に入射した光が、反射型カラーフィルタとリサイクルシートの間で反射を繰り返しながら均一に広げられるので、面内における均一性の高い出射光が得られる。
前記波長分離装置において、前記リサイクル部は、反射シートで構成されていることが好ましい。
前記構成によれば、簡単な構成を用いて入射光のリサイクルをすることができるので、低コスト化を図ることができる。
前記波長分離装置において、前記リサイクル部は、偏光反射シートで構成されていることが好ましい。
前記構成によれば、リサイクル部と反射型カラーフィルタの間で反射を繰り返す間に偏光が回転しても、所定の偏向成分の光のみを出射させることができる。
前記波長分離装置において、前記リサイクル部は、前記導光板の前記一方の主面に対して傾斜した複数の反射面を有することが好ましい。
前記構成によれば、より効率よく光をリサイクルすることができる。
前記波長分離装置において、前記反射型カラーフィルタは、反射対象となる光の波長以下の間隔で屈折率が周期的に変化する周期構造を有していることが好ましい。
前記構成によれば、所定の波長の光の透過率が高く、かつ、前記所定の波長以外の光の反射率も高い反射型カラーフィルタを実現することができるので、光利用効率の高い波長分離装置を実現することができる。
前記波長分離装置において、前記反射型カラーフィルタは、前記導光板の主面からの光の出射方向に積層された少なくとも3層の光学層を有し、前記少なくとも3層の光学層は、前記周期構造が形成された反射領域と、全波長の光を透過する透過領域とをそれぞれ有し、前記周期構造は、各光学層ごとに異なる波長帯域の光を反射するように各光学層ごとに異なる周期に設定され、前記反射型カラーフィルタには、1つの前記透過領域と少なくとも2つの前記反射領域とが積層された領域として、分光特性の異なる3種類の前記フィルタ領域が形成されていることが好ましい。
前記構成によれば、高い光利用効率で波長の異なる3の光をフィルタ領域ごとに分離して出射させることができる。
前記波長分離装置において、前記反射型カラーフィルタは、前記導光板の主面からの光の出射方向に積層された少なくとも2層の光学層を有し、前記少なくとも2層の光学層は、波長の異なる少なくとも3種類の光を反射するために周期の異なる少なくとも3種類の周期構造をそれぞれ有し、前記反射型カラーフィルタには、前記少なくとも3種類の周期構造のうちの1種類を除く少なくとも2種類の周期構造が積層された領域として、分光特性の異なる3種類の前記フィルタ領域が形成されていることが好ましい。
前記構成によれば、高い光利用効率で波長の異なる3の光をフィルタ領域ごとに分離して出射させることができる。さらに、前記構成によれば、光学層の層数を減らせるので、工数が削減でき、低コスト化を図ることができる。
前記波長分離装置において、前記反射型カラーフィルタには、前記周期構造が所定の方向に延びる1次元格子が形成された領域として前記フィルタ領域が形成され、前記1次元格子に偏光の揃った光がTE偏光で入射することが好ましい。
前記構成によれば、1次元格子による共鳴反射を効率的に機能させることができる。
前記波長分離装置において、前記反射型カラーフィルタには、前記周期構造が互いに直交する2方向に並ぶ2次元格子が形成された領域として前記フィルタ領域が形成されていることが好ましい。
前記構成によれば、反射型カラーフィルタによる共鳴反射について、入射光の偏光依存性が無くなるため、反射型カラーフィルタを配置する場所の自由度が向上する。例えば、前記波長分離装置を液晶パネルのバックライトとして利用する場合、液晶パネル内の吸収型カラーフィルタの代わりに前記反射型カラーフィルタを用いることができ、光利用効率の向上および低コスト化を図ることができる。
前記波長分離装置において、前記反射型カラーフィルタは、屈折率の異なる少なくとも2種類の薄膜を積層した構成を有することが好ましい。
前記構成によれば、特定の波長の光の透過率が高く、前記特定の波長以外の光の反射率も高い反射型カラーフィルタを実現することができるので、光利用効率の高い波長分離装置を得ることができる。したがって、前記波長分離装置を用いることにより、低消費電力の面状照明装置及び液晶表示装置を実現することができる。
前記波長分離装置において、前記反射型カラーフィルタは、所定の屈折率よりも大きな屈折率を有する薄膜と、前記所定の屈折率以下の屈折率を有する薄膜とが交互に積層した積層構造を有し、前記積層構造を構成する複数の薄膜のうちの1つであり、前記フィルタ領域ごとに膜厚がそれぞれ異なる欠陥層と、前記積層構造を構成する複数の薄膜のうちの少なくとも2つの薄膜であり、前記欠陥層の両側に少なくとも1層ずつ積層されるとともに、前記フィルタ領域における膜厚がそれぞれ等しい被覆層とを備えていることが好ましい。
前記構成によれば、特定の波長の光を透過させるとともに前記特定の波長の光以外の光を反射するバンドパス特性を有する誘電体多層膜の反射型カラーフィルタを比較的少ない層数で実現することができ、量産性に優れる。
前記波長分離装置において、前記欠陥層と、前記欠陥層の両側にそれぞれ少なくとも1層積層された前記被覆層とをそれぞれ有する少なくとも2つの多層膜と、前記積層構造を構成する複数の薄膜のうちの少なくとも1つの薄膜であり、前記少なくとも2つの多層膜の間に設けられるとともに、前記フィルタ領域ごとに膜厚がそれぞれ等しい接続層とを備え、前記少なくとも2つの多層膜は、それぞれ前記欠陥層を中心として膜の構造が対称とされていることが好ましい。
前記構成によれば、比較的少ない層数で透過波長帯の広い反射型カラーフィルタを形成することができる。これにより、光学膜厚の誤差、入射角の誤差又は光源の波長誤差が生じても、効率が大きく変わらない波長分離構造を実現することができる。
前記多層膜は、前記所定の屈折率以下の屈折率を有する前記欠陥層と、前記欠陥層の両側にそれぞれ積層される前記被覆層とを有する3層膜からなり、前記積層構造は、3つの前記3層膜と、前記3層膜のそれぞれの間に配置された2つの前記接続層とからなる11層構造であることが好ましい。
前記構成によれば、光学膜厚の誤差、入射角の誤差又は光源の波長誤差が生じても、効率が大きく変わらない波長分離構造を実現することができる。
前記波長分離装置において、前記多層膜は、前記所定の屈折率よりも大きな屈折率を有する前記欠陥層と、前記欠陥層の両側にそれぞれ2層ずつ積層された前記被覆層とを有する5層膜からなり、前記積層構造は、2つの前記5層膜と、前記5層膜の間に配置された1つの前記接続層とからなる11層構造であることが好ましい。
前記構成によれば、光学膜厚の誤差、入射角の誤差又は光源の波長誤差の影響を抑制しつつ、欠陥層を増やすことによる工数の大幅な増加も抑えたバランスのよい波長分離構造が実現できる。
前記波長分離装置において、2つの前記5層膜のそれぞれに含まれる欠陥層は、前記フィルタ領域において互いに略等しい光学膜厚を有することが好ましい。
前記構成によれば、所定の波長帯における透過率の低下を抑制することができる。
前記波長分離装置において、前記各フィルタ領域の反射波長帯域の略中心の波長を設定波長λとしたとき、前記接続層の光学膜厚がλ/4であることが好ましい。
前記構成によれば、特定の波長帯域の光に対して高い透過率が得られるとともに、前記特定の波長帯域以外の波長帯の光について高い反射率を得ることができる。
前記波長分離装置において、前記各フィルタ領域の反射波長帯域の略中心の波長を設定波長λとしたとき、前記被覆層の光学膜厚がλ/4であることが好ましい。
前記構成によれば、特定の波長帯の光に対して高い透過率が得られるとともに、前記特定の波長帯以外の波長帯の光について高い反射率を得ることができる。
前記波長分離装置において、前記欠陥層は、前記所定の屈折率よりも高い屈折率を有する材料からなることが好ましい。
前記構成によれば、反射型カラーフィルタに対する光の入射角に依存して分光効率が変化するのを緩和することができる。
前記波長分離装置において、前記積層構造を構成する複数の薄膜のうち、屈折率の最も大きな薄膜と屈折率の最も小さな薄膜との間の屈折率差は、0.6以上であることが好ましい。
前記構成によれば、各フィルタ領域において反射する光の反射帯域を広げることが出来るため、各フィルタ領域において不要な波長の光が漏れて効率のロスとなるのを低減することができる。
前記波長分離装置において、前記反射型カラーフィルタは、前記導光板の前記一方の主面上に形成されていることが好ましい。
前記構成によれば、薄型で量産性のある波長分離装置を実現することができる。
前記波長分離装置において、前記反射型カラーフィルタは、赤色光、緑色光又は青色光の何れか1色の光を透過し、かつ、前記1色の光以外の光を反射する分光特性を有する3種類の前記フィルタ領域を有し、前記反射型カラーフィルタには、分光特性の異なる前記フィルタ領域が隣接して配置されていることが好ましい。
前記構成によれば、赤色光、緑色光又は青色光の混色により任意の色の光を出射することができる。
前記波長分離装置において、前記反射型カラーフィルタに占める前記フィルタ領域の面積の比率は、前記分光特性ごとに局所的に異なる比率に設定され、前記反射型カラーフィルタの出射面には、特定の色分布が表示されることが好ましい。
前記構成によれば、反射型カラーフィルタの出射面に任意の色分布を表示することができるため、例えば、前記波長分離装置を看板などの静止画のバックライト照明に用いた場合、光の利用効率が高く、かつ、消費電力の低いバックライト照明を実現することができる。
前記反射型カラーフィルタに占める前記フィルタ領域の面積の比率は、前記分光特性ごとに局所的に異なる比率に設定されていることが好ましい。
前記構成によれば、輝度ムラ、色ムラの少ない均一な光を出射させることができる。
前記波長分離装置において、前記反射型カラーフィルタには、前記異なる分光特性が特定の順序で並ぶように前記フィルタ領域が配列され、前記反射型カラーフィルタと前記リサイクル部の反射面との間の距離は、前記各フィルタ領域の幅と、前記反射型カラーフィルタに対する前記導光板の主面から出射された光の入射角との関数で決まることが好ましい。
前記構成によれば、反射型カラーフィルタで反射したリサイクル光を所定のフィルタ領域まで容易に導いて出射させることができるので、リサイクル部での反射回数を減らすことにより、反射型カラーフィルタとリサイクル部との間で反射を繰り返す間に失われる光量を低減することができるためさらに光利用効率を高めることができる。
前記波長分離装置において、前記導光板と前記反射型カラーフィルタとの間に配置された偏光反射シートをさらに備えていることが好ましい。
前記構成によれば、リサイクル部と反射型カラーフィルタの間で反射を繰り返す間に偏光が回転しても、所定の偏向成分の光のみを出射させることができる。したがって、前記波長分離装置を、例えば液晶パネルのバックライトとして利用する場合、波長分離装置から液晶パネルに所定の偏光成分の光のみが出射するので、液晶パネルの入射側の偏光板を省略してもコントラストの低下が生じない。これにより低コスト化を図ることができる。
本発明の他の局面に係る面状照明装置は、少なくとも3つの異なる波長の光を出射する光源と、前記波長分離装置とを備え、前記光源から出射された光は、前記導光板の前記側面から入射する。
本発明によれば、消費電力を抑えつつ波長分離が可能な面状照明装置を実現することができる。
前記面状照明装置において、前記光源は、赤色、緑色及び青色のレーザ光をそれぞれ出射するレーザ光源を有し、各波長の前記レーザ光は、それぞれ同じ偏光方向で前記導光板に入射することが好ましい。
前記構成によれば、偏光方向の揃った3色の光を出射する面状照明装置を実現することができる。前記面状照明装置を液晶表示装置に用いた場合、液晶パネルに対する光の透過率を向上することができる。また、前記面状照明装置では、単一波長の光を出射するレーザ光源を用いているため、透過する波長幅の狭い反射型カラーフィルタを用いても、高い効率でフィルタ領域にレーザ光を透過させることができる。さらに、レーザ光を使用しているので、前記面状照明装置を液晶表示装置のバックライトとして利用した場合、色再現性にも優れた液晶表示装置を実現できる。
前記面状照明装置において、前記反射型カラーフィルタは、分光特性の異なる少なくとも3種類のフィルタ領域を有し、前記分光特性の異なる3種類のフィルタ領域は、それぞれ所定の第1方向に延びるとともに前記第1方向と直交する第2方向に並んでストライプ状に配列されており、前記光源から出射された光は、前記第1方向に沿って前記導光板の側面に入射することが好ましい。
前記構成によれば、反射型カラーフィルタから出射される出射光の平行度は、各フィルタ領域が並ぶ方向について向上する。したがって、前記面状照明装置を液晶表示装置のバックライトとして利用した場合、反射型カラーフィルタから出射された光を、より効率よく所定のサブピクセルに入射させることができ、消費電力の低い液晶表示装置を実現することができる。
前記面状照明装置において、前記光源から出射された光は、前記3種類のフィルタ領域の第1方向に対して数度傾けた光路に沿って前記導光板に入射することが好ましい。
前記構成によれば、反射型カラーフィルタで反射するとともに前記リサイクル部で反射して戻ってきた光が前記反射型カラーフィルタに再度入射するのを抑制することができるので、少ないリサイクル回数で波長分離を行い出射させることができる。これにより、リサイクル反射中に失われる僅かな効率ロスも抑制し、極めて低消費電力の面状照明装置を実現することができる。
本発明の他の局面に係る液晶表示装置は、特定波長の光を透過させる複数のサブピクセルを有する液晶パネルと、前記液晶パネルを背面側から照明するバックライト照明装置を備え、前記バックライト照明装置として前記面状照明装置を用いている。
本発明によれば、輝度ムラのない画像を表示することができるとともに、消費電力が低く、かつ、量産性の高い薄型の液晶表示装置を実現することができる。
本発明の他の局面に係る液晶表示装置は、少なくとも3つの異なる波長の光を出射する光源と、前記光源からの光を波長分離する波長分離装置と、前記波長分離装置から出射された光が背面側から入射する液晶パネルとを備え、前記液晶パネルは、特定波長の光を透過させる複数のサブピクセルと、前記複数のサブピクセルと前記導光板との間に設けられた内側偏光板とを有し、前記反射型カラーフィルタの一次元格子の伸長方向に沿った軸と、前記内側偏光板の透過軸とは、同一平面上に位置する。
本発明によれば、輝度ムラのない画像を表示することができるとともに、消費電力が低く、かつ、量産性の高い薄型の液晶表示装置を実現することができる。さらに、本発明によれば、液晶表示パネルの内側偏光板での効率のロスを低減でき、光利用効率の高い液晶表示装置を実現することができる。
前記液晶表示装置において、前記1次元格子の伸長方向が、前記反射型カラーフィルタにおけるすべての光学層において一致していることが好ましい。
前記構成によれば、前記光源から出射された光を全ての光学層にTE偏光で入射させることができるので、光利用効率を向上することができる。
前記液晶表示装置において、前記複数のサブピクセルは、赤色、緑色及び青色の光をそれぞれ個別に透過させるRGBサブピクセルを有し、前記面状照明装置は、前記RGBサブピクセルに対して対応する色の光がそれぞれ略垂直に入射するように、前記光源から出射された光を赤色、緑色及び青色の光に波長分離して出射することが好ましい。
前記構成によれば、波長分離された赤色、緑色及び青色の光を、液晶パネルのRGBサブピクセルに効率よく導くことができるため、消費電力の低い液晶表示装置を実現することができる。また、前記構成では、液晶パネルのRGBサブピクセルを垂直に光が透過するため、コントラストを高めることができる。
前記液晶表示装置において、前記液晶パネルは、第1のガラス基板を有し、前記反射型カラーフィルタは、前記ガラス基板と同材質からなる第2のガラス基板上に形成されていることが好ましい。
前記構成によれば、液晶パネルの各サブピクセルの位置と、反射型カラーフィルタの各フィルタ領域の位置とが、熱膨張によりずれるのを抑制することができる。
前記液晶表示装置において、前記第2のガラス基板は、前記導光板を構成し、前記反射型カラーフィルタは、前記導光板の一方の主面上に形成され、前記導光板は、前記反射型カラーフィルタが形成された面と対向する対向面に設けられた樹脂製の偏向部をさらに備え、前記偏向部は、前記導光板の側面から入射した光を前記一方の主面に向けて偏向することが好ましい。
前記構成によれば、液晶パネルの各サブピクセルの位置と、反射型カラーフィルタの各フィルタ領域の位置とが、熱膨張によりずれるのを抑制することができるだけでなく、反射型カラーフィルタを形成するための第2のガラス基板を導光板としても兼用できるので、薄型に構成できる。
前記液晶表示装置において、前記液晶パネルは、前記複数のサブピクセルと前記導光板との間に設けられた内側ガラス基板を備え、前記反射型カラーフィルタは、前記内側ガラス基板と前記導光板との間に設けられていることが好ましい。
前記構成によれば、反射型カラーフィルタを形成することのみを目的とするガラス基板を省略することができるので、コストの低減を図ることができる。
前記液晶表示装置において、前記液晶パネルは、前記複数のサブピクセルと前記導光板との間に設けられた内側ガラス基板を備え、前記反射型カラーフィルタは、前記内側ガラス基板と前記サブピクセルとの間に設けられていることが好ましい。
前記構成によれば、反射型カラーフィルタを形成することのみを目的とするガラス基板を省略することができる。さらに、前記構成によれば、反射型カラーフィルタと各サブピクセルとを近接させることができるので、波長分離した光をより効率よく各サブピクセルに入射させることができる。
前記液晶表示装置において、前記液晶パネルは、前記複数のサブピクセルから出射される光を拡散するための拡散シートをさらに備えていることが好ましい。
前記構成によれば、高輝度で視野角が広い画像を表示できるので、斜め方向からみたコントラストの高い液晶表示装置を実現することができる。
前記液晶表示装置において、前記液晶パネルは、前記複数のサブピクセルから出射される光を拡散するためのテーパー状の微小導光体が形成された構造シートをさらに備えていることが好ましい。
前記構成によれば、輝度ムラが少なく視野角が広い画像を表示できるとともに、明所コントラストのよい液晶表示装置が実現できる。
前記液晶表示装置において、前記液晶パネルは、前記複数のサブピクセルから出射される光を拡散するための球状の微小導光体が形成された構造シートをさらに備えていることが好ましい。
前記構成によれば、輝度ムラが少なく視野角が広い画像を表示できるとともに、明所コントラストのよい液晶表示装置が実現できる。
前記液晶表示装置において、前記液晶パネルは、前記複数のサブピクセルを挟んで前記導光板と反対側に設けられた外側ガラス基板と、前記外側ガラス基板の前記サブピクセルとは反対側の表面に設けられた外側偏光板とを備え、前記外側ガラス基板と前記外側偏光板との厚みの和Lは、前記外側ガラス基板内の出射光の角度ばらつき角度φと、前記複数のサブピクセルの幅Pとの関数で決まる厚み以下であり、かつ、L<P/Tanφを満たすように構成されていることが好ましい。
前記構成によれば、前記各サブピクセルから出射された光を拡散させる構成において、各サブピクセルから出射される光の出射角にばらつきがある場合であっても、前記液晶パネルに表示される画像のボケを抑制することができる。
前記液晶表示装置において、前記液晶パネルは、前記複数のサブピクセルを挟んで前記導光板と反対側に設けられた外側ガラス基板を備え、前記外側ガラス基板の屈折率は、前記導光板の屈折率よりも大きいことが好ましい。
前記構成によれば、外側ガラス基板の屈折率が導光板の屈折率よりも大きくされているため、導光板からの光の出射角にばらつきがある場合であっても、外側ガラス基板からの光の出射角のばらつきを見かけ上小さくすることができ、画像のボケを抑制することができる。
本発明によれば、導光板に入射したレーザ光を液晶パネルの各画素に輝度ムラなく均一に入射させることができるので、消費電力が低く薄型の波長分離装置、面状照明装置及び液晶表示装置を簡単な構成で実現でき、有用である。
また、本発明によれば、量産性のある面状照明装置を実現することができるとともに、色再現性がよく高輝度で視野角が広い液晶表示装置を実現することができ、有用である。
本発明は、液晶テレビや背面照明型の看板などの非自発光型表示装置に用いられる波長分離装置と、これを用いるとともにレーザ光源を使用した高輝度の面状照明装置並びに液晶表示装置に関する。
液晶表示装置は、液晶分子の配向による電気光学効果を利用して背面から照射される光の透過量を制御することにより画像を表示する方式を採用している。一般的な液晶表示装置は、蛍光表示管などにより構成されるバックライトユニットと呼ばれる面状の照明装置を有する。
近年、このような液晶表示装置は、大画面化が進み、50型サイズ以上のテレビジョン用のディスプレイ装置も実用化されてきている。しかしながら、大型化に伴い消費電力も増加することから、液晶表示装置には、低消費電力化を実現する技術開発が望まれているとともに、設置する室内での占有空間をできるだけ少なくするために薄型化も強く望まれている。
低消費電力化及び薄型化に対応するため、光源として発光効率の良い発光ダイオード(以下、LEDとする)やレーザを使用することが検討されている。そして、LEDを光源とする面状照明装置及びこれを用いた液晶表示装置は、すでに実用化されている。
例えば、特許文献1には、導光板の側面に回折光学素子を形成して、その側面からLED光を入射し、導光板の一方の主面に形成された傾斜した反射板によりこのLED光を立ち上げてもう一方の主面側に配置したプリズムシートを介して輝度ムラの少ない出射光を出射する構成が示されている。
また、低消費電力を実現させるため、従来5%程度しかない液晶パネルの透過率を向上させる検討もされている。液晶パネルにおいて透過率を低下させている大きな要因として、偏光板及びカラーフィルタが挙げられる。通常、無偏光の白色光を液晶パネルに入射させると、偏光板で透過光量が1/2になり、カラーフィルタで各フィルタ領域において赤色光(R光)、緑色光(G光)、青色光(B光)の何れか1色の光が選択されて前記フィルタ領域を透過するので、透過する光の光量は、さらにその1/3以下になる。
偏光板での透過率を向上させる方法として、液晶パネルとバックライトユニットの間に偏光反射シートを挿入する構成が実用化されている。具体的に、前記偏光反射シートは、必要な偏光成分を透過させ、不要な偏光成分を反射させる。そして、偏光反射シートにより反射した光の偏光を回転させることにより有効な偏光成分に変換してリサイクルするようになっている。
また、カラーフィルタでの透過率を向上させる方法として、例えば、特許文献2、3、4には、回折格子等の波長分離手段によりR光、G光、B光に分離した照射光を、液晶パネルの所定の画素に効率よく集光させる液晶表示装置が提案されている。
また、特許文献5には、導光板内部に形成された波長選択性の干渉フィルタ型のミラーにより、R光、G光、B光の波長分離を行い、これらR光、G光、B光を液晶パネルの所定の画素に効率よく導く構成が提案されている。
その他、カラーフィルタ自体の改良も検討されており、従来の吸収型のカラーフィルタとは異なる構造のカラーフィルタが提案されている。例えば、特許文献6では、干渉フィルタの膜構造において一部の膜厚を領域ごとに変え、領域ごとに異なる分光特性となるように構成したカラーフィルタが提案されている。このカラーフィルタにより色再現性が向上するとしている。
また、特許文献7では、サブ波長格子を用いたカラーフィルタが提案されている。このサブ波長格子とは、光の波長より細かい周期構造の回折格子であり、このような周期構造に光が入射すると、ある特定の波長だけが共鳴して強く反射するという現象が知られている。ナノスケール(nmスケール)の微小な凹凸のあるモールド(鋳型)を被加工材料に押し付ける製作方法(ナノインプリント)を用いることにより、サブ波長格子が形成された薄型で大面積のカラーフィルタを安価かつ高スループットで作製できるとしている。
特開2006−185891号公報
特開2000−241812号公報
特開平9−113903号公報
特開平10−253955号公報
特開2006−12722号公報
特開2008−170979号公報
特開2007−41555号公報
しかしながら、前記従来の構成では、消費電力を削減する具体的な構成が示されていない、あるいは、効果が不十分である。
特許文献1では、LEDを用いることにより光源の効率は改善しているが、液晶パネルの透過率を改善する構成については具体的な構成が示されていない。
また、特許文献2、3、4には、回折を用いて波長分離を行い、液晶パネルの各画素に光を導く構成が示されているが、それぞれ効率を十分に高めることができず、さらなる効率向上が困難である。
具体的に、特許文献2、3では、R光、G光、B光を数度程度の回折角差で分離するためには、格子ピッチを波長の数倍程度まで縮める必要があり、そのように構成すると、回折効率を十分に高めることが困難となる。
また、特許文献4では、体積ホログラムを用いているため、所定の角度差で波長分離が可能であるが、体積ホログラムへの入射角が限定されるため、導光板から出射する光の効率が低下する。
また、特許文献5は、波長分離を行うミラーを導光板の内部に形成する構成が示されているが、このような構造の導光板は、製造が困難であり、高コストとなることが懸念される。
また、特許文献6及び7に記載のカラーフィルタは、従来の吸収型のカラーフィルタの代わりに用いられているだけであり、光利用効率が大きく変わるものではない。どちらも反射型のカラーフィルタとして作用するが、この反射光を有効に利用する構成が示されていない。
本発明は、従来の構成と比較して光の利用効率が高く、かつ、消費電力の低い薄型の波長分離装置、これを用いた面状照明装置及びこれを用いた液晶表示装置を提供することを目的としている。
本発明の一局面に係る波長分離装置は、側面から入射した光を一方の主面から出射する導光板と、前記主面から出射された光の光路と交差するように配置され、分光特性の異なる少なくとも2種類のフィルタ領域を有する反射型カラーフィルタと、前記導光板を挟んで前記反射型カラーフィルタと反対側に配置されたリサイクル部と、を備え、前記導光板に入射した光のうち、前記反射型カラーフィルタで反射した光が前記導光板を経由して前記リサイクル部で反射して、再び前記反射型カラーフィルタに戻る。
本発明の他の局面に係る面状照明装置は、少なくとも3つの異なる波長の光を出射する光源と、前記波長分離装置とを備え、前記光源から出射された光は、前記導光板の前記側面から入射する。
本発明の他の局面に係る液晶表示装置は、特定波長の光を透過させる複数のサブピクセルを有する液晶パネルと、前記液晶パネルを背面側から照明するバックライト照明装置を備え、前記バックライト照明装置として前記面状照明装置を用いている。
本発明の他の局面に係る液晶表示装置は、少なくとも3つの異なる波長の光を出射する光源と、前記光源からの光を波長分離する請求項11に記載の波長分離装置と、前記波長分離装置から出射された光が背面側から入射する液晶パネルとを備え、前記液晶パネルは、特定波長の光を透過させる複数のサブピクセルと、前記複数のサブピクセルと前記導光板との間に設けられた内側偏光板とを有し、前記反射型カラーフィルタの一次元格子の伸長方向に沿った軸と、前記内側偏光板の透過軸とは、同一平面上に位置する。
本発明によれば、光の利用効率が高く、かつ、消費電力の低い薄型の波長分離装置、これを用いた面状照明装置及びこれを用いた液晶表示装置を提供することができる。
本発明によれば、光の利用効率が高く、かつ、消費電力の低い薄型の波長分離装置、これを用いた面状照明装置及びこれを用いた液晶表示装置を提供することができる。
図1は、本発明の実施の形態1に係る面状照明装置の概略構成を示す図であり、(a)は、面状照明装置の構成全体を模式的に示す斜視図、(b)は、面状照明装置の平面図、(c)は、(b)におけるIC−IC線断面図をそれぞれ示している。
図2は、図1の偏向棒を拡大して示す側面図である。
図3は、図1(c)の一部を拡大して示す図である。
図4は、実施の形態1の面状照明装置のリサイクル部の他の形態を示した概略断面図であり、(a)は、くさび型の反射構造体を用いた構成例、(b)は、多段型の反射構造体を用いた構成例、(c)は、多段型の反射構造体に偏向溝を設けた構成例をそれぞれ示している。
図5は、実施の形態1に係る他の面状照明装置の概略構成を示す図であり、(a)は、面状照明装置の全体の斜視図、(b)は、面状照明装置の全体の平面図をそれぞれ示している。
図6は、実施の形態1に係る導光板として2次元フォトニック結晶を用いた面状照明装置の概略構成図であり、(a)は、面状照明装置の平面図、(b)は、上面から見た(a)のVIB部の拡大斜視図、(c)は、(b)におけるVIC−VIC線断面図をそれぞれ示している。
図7は、実施の形態2に係る液晶表示装置を示す概略構成図であり、(a)は、液晶表示装置の構成全体を模式的に示す斜視図、(b)は、液晶表示装置の平面図をそれぞれ示している。
図8は、実施の形態2に係る液晶表示装置の断面図を示す概略図であり、図7(b)におけるVIIIA−VIIIA線断面図を示している。
図9は、実施の形態2に係る液晶表示装置の概略構成を示す断面図である。
図10は、実施の形態2に係る他の液晶表示装置の概略構成を示す図であり、(a)は、液晶表示装置の概略構成を示す断面図であり、(b)は、液晶表示装置の概略構成を示す断面図である。
図11は、実施の形態2に係る液晶表示装置の概略構成を示す図であり、(a)は、液晶表示装置の構成全体を模式的に示す斜視図、(b)は、液晶表示装置の平面図をそれぞれ示している。
図12は、実施の形態3に係る液晶表示装置を示す概略構成図であり、(a)は、液晶表示装置の断面図、(b)は、(a)の構造シート及び拡散シートの斜視図をそれぞれ示している。
図13は、実施の形態3に係る他の液晶表示装置を示す概略構成図であり、(a)は、液晶表示装置の断面図、(b)は、(a)の構造シート及び拡散シートの斜視図をそれぞれ示している。
図14は、実施の形態4に係るサブ波長格子の具体的な設計例を示す説明図である。
図15は、実施の形態4に係る面状照明装置の概略構成を示す図であり、(a)は、面状照明装置の断面図、(b)は、反射型カラーフィルタの構造を模式的に示す断面図をそれぞれ示している。
図16は、実施の形態4に係る他の面状照明装置の概略構成を示す図であり、(a)は、面状照明装置の断面図、(b)は、反射型カラーフィルタの構造を模式的に示す断面図をそれぞれ示している。
図17は、図16に示した反射型カラーフィルタの他の構成を模式的に示した断面図であり、(a)は、周期構造が対面する構造の断面図、(b)は、周期構造が基板の両側に配置された構造の断面図をそれぞれ示している。
図18は、実施の形態4に係る反射型カラーフィルタの周期構造の構成例を示した概略図であり、(a)は、1次元格子の平面図、(b)は、2次元格子の平面図をそれぞれ示している。
図19は、実施の形態5に係る面状照明装置の概略構成を示す図であり、(a)は、面状照明装置の断面図、(b)は、反射型カラーフィルタの構造を模式的に示す断面図をそれぞれ示している。
図20は、実施の形態5に係る反射型カラーフィルタ157の3つの構造例及びその特性を示した説明図であり、(a)、(c)及び(e)は、反射型カラーフィルタの概略構造図、(b)、(d)及び(f)は、それぞれ(a)、(c)及び(e)の各構造の分光特性をそれぞれ示している。
図21は、図20(c)に示した膜構造の対称性の影響を示した説明図であり、(a)は、G光フィルタの膜構造を示した断面図、(b)は、G光フィルタの分光特性をそれぞれ示している。
以下の実施の形態は、本発明を具体化した一例であって、本発明の技術的範囲を限定する性格のものではない。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、同じ要素には同じ符号を付しており、説明を省略する場合がある。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1に係る面状照明装置の概略構成を示す図であり、(a)は、面状照明装置の構成全体を模式的に示す斜視図、(b)は、面状照明装置の平面図、(c)は、(b)におけるIC−IC線断面図をそれぞれ示している。
なお、図1(a)及び(b)においては、面状照明装置の各部分は、それぞれの構成を理解しやすくするために分離して示されているが、実際の構成においては、図示しないベースプレート上や縁枠内などに設置して全体として一体的に固定されている。
また、反射型カラーフィルタ17は、構成を理解しやすくするために導光板16と分離して示しているが、実際は図1(c)に示すように、導光板16の主面16b上に形成されている。
図1(a)及び(b)に示すように、実施の形態1に係る面状照明装置10は、赤色レーザ光(以下、R光とする)、緑色レーザ光(以下G光とする)、及び青色レーザ光(以下、B光とする)を出射するレーザ光源11と、レーザ光源11から出射されるR光、G光およびB光をまとめてレーザ光12とするダイクロイックミラー13と、ミラー14と、レーザ光12を線状の平行光に変換して出射する導光棒15と、導光棒15から出射したレーザ光12を側面16aから入射し、一方の主面16bから出射する導光板16と、導光板16の主面16b上に配置された反射型カラーフィルタ17と、導光板16の主面16bの対向面16cに隣接して配置された高反射率の反射シートで構成されたリサイクルシート18と、レーザ光源11に接続された制御部19と、を備えて構成されている。
レーザ光源11は、R光を出射する赤色レーザ光源(以下、R光源とする)11aと、G光を出射する緑色レーザ光源(以下、G光源とする)11bと、及び、B光を出射する青色レーザ光源(以下、B光源とする)11cとを備えている。
ここで、各光源11a、11b、11cには、コリメートレンズがそれぞれ含まれ、各光源11a、11b、11cからは平行光が出射する。このR光源11a及びB光源11cとしては、例えば、波長640nmのR光及び波長445nmのB光を出射する高出力半導体レーザが用いられ、G光源11bとしては、波長535nmのG光を出射する半導体レーザ励起の高出力SHGレーザが用いられている。
また、導光棒15は、光が出射する側面に対して略45°傾斜した傾斜面を有する複数の偏向溝15aが形成され、導光棒15に入射した光を全反射により略90°偏向するように構成されている。
具体的に、各偏向溝15aの深さ寸法は、図2に示すように、レーザ光12の伝播方向の手前から奥に向かうに従い深く設定されている。したがって、手前側の偏向溝15aで反射されなかったレーザ光12は、前記偏向溝15aよりも奥に配置された何れかの偏向溝15aで反射する。
また、図1(c)に示すように導光板16の対向面16cには、主面16bに対して略45°傾斜した傾斜面を有する複数の偏向溝16dが形成されている。偏向溝16dは、側面16aから導光板16に入射した光を全反射させて、主面16bに向けて偏向するように構成されている。
また、反射型カラーフィルタ17は、分光特性の異なる3つのフィルタ領域として、R光フィルタ17Rと、G光フィルタ17Gと、B光フィルタ17Bとを有している。
具体的に、R光フィルタ17Rは、R光を透過し、かつ、G光及びB光を反射する。G光フィルタ17Gは、G光を透過し、かつ、R光及びB光を反射する。B光フィルタ17Bは、B光を透過し、かつ、R光及びG光を反射する。この反射型カラーフィルタ17は、導光板16の主面16b上に一体に形成されていてもよい。
なお、反射型カラーフィルタの具体構成は、実施の形態4および5に詳しく示すため、本実施の形態では説明を省略する。
次に、このように構成された本実施の形態1の面状照明装置10の動作について具体的に説明する。
図1に示すように、R光源11a、G光源11b及びB光源11cは、コリメートされたR光、G光及びB光をそれぞれ出射する。これらR光、G光及びB光は、ダイクロイックミラー13によりレーザ光12としてまとめられ、ミラー14を介して導光棒15に入射する。導光棒15に入射したレーザ光12は、単位面積当たりの光量が均一になるように複数の偏向溝15aで反射して、前記導光棒15から出射する。
導光棒15から出射したレーザ光12は、導光板16の側面16aから主面16bと略平行な方向に入射し、導光板16の対向面16cに形成された偏向溝16dで全反射して主面16bに向かって偏向される。この主面16bから出射したレーザ光12は、反射型カラーフィルタ17に入射する。
反射型カラーフィルタ17に入射したレーザ光12のうち、R光20RがR光フィルタ17Rを透過し、G光20GがG光フィルタ17Gを透過し、B光20BがB光フィルタ17Bを透過して、これら以外の光は、反射する。以下、反射型カラーフィルタ17を透過したR光20R、G光20G及びB光20Bを出射光20と総称する。
反射型カラーフィルタ17で反射したレーザ光12は、導光板16を通過し、リサイクルシート18で反射して、再び導光板16を通過して反射型カラーフィルタ17に戻る。このように反射型カラーフィルタ17に戻った光のうち、所定のフィルタ17R、17G及び17Bに入射した対応する色の光のみがフィルタ17R、17G及び17Bを透過して、それ以外の光は、反射する。
反射型カラーフィルタ17で再び反射した光は、反射型カラーフィルタ17とリサイクルシート18の間で反射を繰り返す間に、R光フィルタ17R、G光フィルタ17G及びB光フィルタ17Bにより波長分離された出射光20として出射する。
したがって、前記面状照明装置10のような構成とすることにより、導光板16に入射したレーザ光12を反射型カラーフィルタ17のフィルタ17R、17G及び17Bごとに波長分離して出射させることができるとともに、反射型カラーフィルタ17で反射した光も無駄なくリサイクルしてフィルタ17R、17G及び17Bごとに均一に出射させることができる。これにより、波長分離可能で、かつ、消費電力の低い薄型の面状照明装置を実現することができる。
また、面状照明装置10において、R光、G光、B光のすべてを反射するミラー領域を反射型カラーフィルタ17に設け、各フィルタ17R、17G、17Bとミラー領域の幅との比率を部分的に異なるものに設定する、つまり反射型カラーフィルタ17に占める各フィルタ17R、17G及び17Bの面積を局所的に異なるものとすることにより、任意の輝度分布及び色分布を実現することができる。このように構成すると、消費電力が非常に低く高い色再現性で静止画像を照明することができるので、看板照明等に適した面状照明装置を実現することができる。
また、導光板16の特性として、光が入射する側面16aからの距離に応じた輝度ムラや、導光板での吸収等による色ムラを有する場合がある。そこで、この色ムラを低減するように各フィルタ17R、17G及び17Bの幅を設定することにより、出射面全体で均一でムラの無い面状照明装置を実現することができる。さらに、この面状照明装置を液晶パネルと組み合わせ、各フィルタ17R、17G及び17Bを液晶パネルの各画素に対応させて配置することにより、消費電力が非常に低い薄型の液晶表示装置を実現できる。
なお、本実施の形態では、導光板16の偏向溝16dにより偏向されるレーザ光12の偏向方向は、導光板16の主面16bに直交する方向に対して僅かに傾いている。これにより、レーザ光12は、反射型カラーフィルタ17とリサイクルシート18との間で反射を繰り返すたびに、反射型カラーフィルタ17の異なる位置に導かれることになる。したがって、前記面状照明装置10によれば、レーザ光12を各フィルタ17R、17G及び17Bに次々に入射することが可能となり、レーザ光12をリサイクルしながら無駄なく波長分離を行うことができる。
ここで、導光板16の偏向溝16dで偏向する角度、リサイクルシート18の反射面の傾斜角、および、導光板16の厚みを適切に設定すると、所定のフィルタ(例えばR光フィルタ17R)で反射した光の大部分を、前回とは異なるフィルタ(例えばG光フィルタ17G又はB光フィルタ17B)に導くことができる。
具体的には、図3に示すように、例えば、レーザ光12の反射型カラーフィルタ17への入射角θ1を1.3°、レーザ光12がフィルタ領域で反射され、リサイクルシート18で反射されて反射型カラーフィルタ17に再入射するときの入射角θ2を0.7°、各フィルタ17R、17G及び17Bの幅Pを200μm、とした場合、導光板16の厚みLを5.7mm程度とすることにより、反射型カラーフィルタ17で反射したレーザ光12を前回とは異なるフィルタに導くことができる。この関係は、以下の式によって示される。
L=m×P/(Tanθ1+Tanθ2) (mは3の倍数以外の整数)
このような構成とすることにより、少ないリサイクル回数で効率よく波長分離して出射させることができるので、低コストで、かつ、消費電力の低い面状照明装置を実現することができる。
なお、上記の関係式のmの値を3の倍数に近づけた場合、リサイクル回数を増やすことができる。このように構成すると、反射型カラーフィルタ17とリサイクルシート18との間でレーザ光12を複数回反射させることができるので、面状照明装置から出射する光の均一性を向上させることができる。
また、本実施の形態では、リサイクルシート18の反射面を反射型カラーフィルタ17に対して傾けている。そのため、レーザ光12が反射型カラーフィルタ17とリサイクルシート18との間で反射される度に、レーザ光12の反射型カラーフィルタ17への入射角が垂直に近づき、レーザ光12がリサイクル反射をさらに繰り返すと、レーザ光12は、当初とは反対側に傾いた方向から反射型カラーフィルタ17に入射するとともに、導光板16に入射した方向とは逆の方向(側面16aに近づく方向)に伝搬する。
したがって、前記構成によれば、レーザ光12を反射型カラーフィルタ17とリサイクルシート18との間で反射させて導光板16の主面に沿って広げることにより、出射光20の面内均一性を高めることができる。さらに、出射光20を反射型カラーフィルタ17に対して略垂直な方向に出射させることにより、出射光20の出射角ばらつきも小さくすることができるので、略平行な光を出射する面状照明装置を実現できる。なお、プリズムシートや拡散シートを用いて視野角を調整すれば、良好な輝度の角度分布を実現できる。
あるいは、本実施の形態では、リサイクルシート18の反射面を、導光板16の主面16bに対して傾斜した平面としたが、この傾斜面は、曲面の一部であってもよく、拡散面のように構成してもよい。
また、本実施の形態では、リサイクルシート18に傾斜面を設けた構成について説明したが、前記導光板16の対向面16cあるいは、反射型カラーフィルタ17を前記導光板16の主面16bに対して傾斜した傾斜面に形成してもよい。
このように構成すると、反射型カラーフィルタ17とリサイクルシート18との間でレーザ光12が反射を繰り返す度に、反射型カラーフィルタ17に対するレーザ光12の入射方向及び入射角が変わることにより、レーザ光12が均一に広がるとともに、反射型カラーフィルタ17からのレーザ光12の出射角も広い範囲に広がるため、均一な輝度分布で拡散光を出射する面状照明装置を実現できる。
また、本実施の形態では、リサイクル部として、リサイクルシート18を用いた構成を示したが、このリサイクル部は、底面に反射コートを有する反射構造体を用いてもよい。
図4は、実施の形態1に係る面状照明装置10のリサイクル部の他の形態を示した概略断面図であり、(a)は、くさび型の反射構造体を用いた構成例、(b)は、多段型の反射構造体を用いた構成例、(c)は、多段型の反射構造体に偏向溝を設けた構成例をそれぞれ示している。
図4において、図1(c)と異なるのは、導光板16の対向面16cが主面16bと略平行に形成されている点、図4(c)において偏向溝16dが導光板16に形成されていない点、及びリサイクルシート18とは異なるリサイクルシート(反射構造体21〜23)を採用している点であり、その他の構成要素は同じ符号を付し、説明を省略する。
図4(a)において、導光板16は、平板で構成され、対向面16cに偏向溝16dが形成されている。また、導光板16の対向面16cには、透明な基材で構成されたくさび形の反射構造体21が隣接して配置されている。
反射構造体21の導光板16と反対側の面は、前記反射型カラーフィルタ17で反射したレーザ光12を反射する反射面21aとされている。このように導光板16の対向面16cに反射構造体21を取り付けた構成とすれば、偏向溝16dを反射構造体21によって封止できるので、偏向溝16d内に埃が付着すること等を抑制することができる。
図4(b)は、図4(a)の反射構造体21の代わりに多段構造の反射構造体22を用いた構成を示している。反射構造体22の導光板16と反対側の面は、反射型カラーフィルタ17で反射したレーザ光12を反射する反射面22aとされている。このように構成すると、リサイクル部をくさび型形状とする場合と比較して、最も厚い部分の厚み寸法を小さくすることができるとともに、反射面22aの傾斜角を自由に設定できるため、設計の自由度が向上する。
図4(c)は、平板の導光板の対向面16cに隣接して配置された多段の反射構造体23を示している。反射構造体23の導光板16と反対側の面には、反射型カラーフィルタ17で反射したレーザ光12を反射する反射面23aと、この反射面23aに隣接する偏向溝23bとが形成されている。
偏向溝23bは、導光板16に入射したレーザ光12を主面16bに向けて偏向するように構成されている。このように構成すると、面状照明装置を薄型に構成することができるとともに、設計の自由度を向上することができる。
また、図4(c)に示す実施の形態では、導光板16が平板であるため、反射構造体21〜23を樹脂で構成するとともに導光板16をガラス基板で構成することができる。
ここで、ガラス基板上に反射型カラーフィルタ17を形成することにより、熱膨張による各フィルタ17R、17G及び17Bの位置ずれを小さく抑えることができるので、位置ずれ精度の厳しい、例えば、大画面の面状照明装置に適している。特に、面状照明装置を液晶パネルと組み合わせる場合には、反射型カラーフィルタ17に用いられるガラス基板と、液晶パネルに用いられるガラス基板との熱膨張率とを一致させることにより、各カラーフィルタ17R、17G及び17Bと液晶パネルのサブピクセルとの相対的な位置ずれを小さくすることができる。
なお、図1及び図4では、反射型カラーフィルタ17の各フィルタ17R、17G及び17Bと、導光板16の偏向溝16dとが対応して配置されている状態を示しているが、これらの配置は、必ずしも対応している必要はない。
ところで、図1に示した本実施の形態では、レーザ光源を用いる構成としたが、光源にLEDを用いることもできる。
図5は、本発明の実施の形態1に係る他の面状照明装置の概略構成を示す図であり、(a)は、面状照明装置の全体の斜視図、(b)は、面状照明装置の全体の平面図をそれぞれ示している。図1と同じ構成要素には同じ符号を付して、その説明を省略する。
図5(a)及び図5(b)に示すように、面状照明装置30は、LED光源31と、LED光源31から出射するR光、G光およびB光をコリメートするコリメートレンズ32と、LED光源から照射された照射光33を側面16aから入射させ、主面16bから出射する導光板16と、導光板16の主面16b上に配置された反射型カラーフィルタ17と、導光板16の主面16bの対向面16cに隣接して配置されたリサイクルシート18とを備えて構成されている。
LED光源31は、R光を出射する赤色LED31aと、G光を出射する緑色LED31bと、B光を出射する青色LED31cとを備えている。
このように構成された面状照明装置30において、赤色LED31a、緑色LED31b及び青色LED31cから出射された照射光33は、各LED31a〜31cごとにコリメートされた上で導光板16に入射する。
導光板16に入射した光は、図1に示した構成と同様に、反射型カラーフィルタ17とリサイクルシート18との間で反射を繰り返す間に各フィルタ17R、17G及び17Bにより波長分離された出射光20として反射型カラーフィルタ17から出射する。
このように、光源としてLED光源31を用いても、LED光源31からの照射光33を無駄なくリサイクルして波長分離することができるため、消費電力が低い薄型の面状照明装置を実現することができる。さらに、LEDを多数並べて線状の光源とすることにより、導光棒のような線状の光に変換するための光学系が不要となるので、コストの低減を図ることができる。
また、LED光源を用いる別の構成として、LEDを平面上に多数配列して面状の照明装置とする構成としてもよい。このように構成すると、いわゆるローカルディミング技術を利用できるので、さらに光利用効率を向上させることができる。
なお、本実施の形態に示した反射型カラーフィルタはR光、G光、B光の3色の光を波長分離する構成であるが、3種類のフィルタ17R、17G及び17Bを持つ必要はなく、少なくとも2種類のフィルタ領域を有することにより、3波長の光を出射する面状照明装置を構成することができる。
例えば、2種類のフィルタ領域を有する反射型カラーフィルタと、蛍光材料とを組合せることにより、異なる3波長の光を別々の領域から出射させる構成ができる。具体的には、B光を含む2波長の光を出射する光源を採用し、反射型カラーフィルタにより分離されたB光の一部が透過する領域に蛍光材料を配置して、前記B光の一部を波長変換する。これにより、B光と、B光が波長変換された光と、反射型カラーフィルタでB光と分離された光源からの光との3つの光を分離して出射させることができる。
あるいは、2種類のフィルタ領域を有する反射型カラーフィルタと、他の分離手段を組み合わせると、光源から出射する3波長以上の光を分離する構成とすることができる。
また、2波長の光及びその混色によって表示が可能な用途において、2波長の光を出射する光源と、2種類のフィルタ領域とを有する反射型カラーフィルタを用いた構成とすることができる。
以上のような構成では、反射型カラーフィルタのフィルタ領域が2種類でよいため、構造が簡略化され、製造の工数を削減することができる。例えば、微細な周期構造で特定波長のみを共鳴反射させるサブ波長格子を用いて反射型カラーフィルタを構成する場合には、3波長を分離する場合は2層以上積層する必要があるが、2波長分離の場合は1層で構成でき、工数を削減することができる。
また、一部の膜厚をフィルタ領域ごとに変えて、領域ごとに異なる分光特性を実現する干渉フィルタによって、反射型カラーフィルタを構成する場合には、フィルタ領域ごとに膜厚を変えるためにスパッタとエッチングとを繰り返す工程が必要となる。このとき、3種類のフィルタ領域を作製する場合は、3段の段差をつけるためにエッチングが2回必要となるが、2種類のフィルタ領域を作製する場合は、段差が2段で済むため、1回のエッチングを行えばよく、工数を削減することができる。
また、本実施の形態では、導光板16に側面16aから線状の光を入射させる構成としたが、導光板の側面の一カ所から光を入射させる構成としてもよい。このような構成は、例えば、前記導光棒15と導光板16とを一体に形成することにより実現できる。
また、導光板の側面の一カ所から光を入射させる構成としては、屈折率が異なる材料を2次元的に周期配列させたフォトニック結晶を用いて構成することもできる。
図6は、本発明の実施の形態1に係る導光板として2次元フォトニック結晶を用いた面状照明装置200の概略構成図であり、(a)は、面状照明装置の平面図、(b)は、上面から見た(a)のVIB部の拡大斜視図、(c)は、(a)におけるVIC−VIC線断面図をそれぞれ示している。
なお、図6(a)では、構成を理解しやすくするために反射型カラーフィルタ17の図示を省略している。
図6に示す面状照明装置200は、面内方向の大きさに比べて厚さが十分に薄いスラブ状の導光板201と、導光板201の一方の主面(図6の上面)201b上に設けられた反射型カラーフィルタ17と、導光板201の他方の主面(図6の下面)に設けられた反射構造体205とを備えている。
導光板201は、導光板201の本体とは屈折率の異なる異屈折率部202が周期的に配列された領域と、部分的に異屈折率部の数を増やす、あるいは、減らすことにより周期構造を崩した欠陥部分を有している。
この異屈折率部202が周期的に配列された領域では、フォトニックバンドギャップが形成され、特定波長の光が存在できないため、導光板201に特定の波長の光を入射させると、欠陥部分の近傍にのみ光が存在することになる。したがって、欠陥部分を線状に構成した場合、この線状の欠陥部203は、導波路となる。また、点状に形成された点欠陥204は、その周囲に存在できない光を集めて導光板201の主面201bと垂直な方向に光を出射する出射部となる。
なお、異屈折率部202は、導光板201の本体に貫通穴を開けることにより、容易に構成できる。
この構成において、導光板201の入射面201aからレーザ光12が入射すると、レーザ光12は、線状欠陥203で構成された導波路により導光板201の隅々にまで伝搬するとともに、線状欠陥203の周辺に点在する点欠陥204を介して導光板201の主面201bから前記主面201bと略垂直な方向に出射する。
導光板201から出射したレーザ光12は、反射型カラーフィルタ17と反射構造体205の反射面205cとの間で反射を繰り返し、やがて所定のフィルタ17R、17G及び17Bを透過して、面状照明装置200から出射する。
図6(c)に示すように、反射構造体205の反射面205cを例えば円筒面とすると、レーザ光12が反射構造体205の内部で均一に広がるとともに、出射光20を主面201bに対して略垂直に出射させることができる。
このように構成しても、各フィルタ17R、17G及び17Bごとに効率よく波長分離可能な面状照明装置が実現できる。また、この構成では、導光板を非常に薄く構成できるので、さらに薄型の面状照明装置が実現できる。
(実施の形態2)
図7は、本発明の実施の形態2に係る液晶表示装置を示す概略構成図であり、(a)は、液晶表示装置の構成全体を模式的に示す斜視図、(b)は、液晶表示装置の平面図をそれぞれ示している。
なお、図7(a)及び図7(b)においては、面状照明装置の各部分は、それぞれの構成を理解しやすくするために分離して示されているが、実際の構成においては、図示しないベースプレート上や縁枠内などに設置して全体として一体的に固定されている。
図7(a)及び図7(b)に示すように、本実施の形態2に係る液晶表示装置40は、液晶パネル41と、この液晶パネル41を背面側から照明するためのバックライト照明装置、例えば実施の形態1で説明した面状照明装置10と、拡散シート48(図8参照)とを備えている。
また、図8は、実施の形態2に係る液晶表示装置40の断面図を示す概略図であり、図7(b)におけるVIIIA−VIIIA線から見た断面図を示している。図8に示すように、拡散シート48は、液晶パネル41の出射面に隣接して配置されている。
この構成において、本実施の形態に係る面状照明装置10では、レーザ光源11から出射するR光、G光およびB光は、導光板16の主面16bに対して平行あるいは垂直となる偏光方向に揃えられた状態で、導光板16に入射するように構成されている。
また、導光板16の偏向溝16dは、側面16aと平行となる方向(図8の紙面と直交する方向)に延びて設けられており、主面16bと略平行となる方向に入射したレーザ光12を前記主面16bに向けて略垂直に立ち上げるように構成されている。
また、図8に示すように、液晶パネル41は、2枚のガラス基板42、44と、ガラス基板42、44の間に設けられた液晶層43と、ガラス基板42、44の一方に形成されたTFT(thin film transistor:図示せず)と、前記液晶層43と反対側のガラス基板42の表面に設けられた入射側偏光板46と、前記液晶層43と反対側のガラス基板44の表面に設けられた出射側偏光板47とを備えている。
この液晶パネル41は、透過型又は半透過型の構成とされている。具体的に、液晶パネル41は、Rサブピクセル45R、Gサブピクセル45G及びBサブピクセル45Bを1つの画素45とする多数の画素を備えている。各サブピクセル45R、45G及び45Bは、それぞれR光、G光、B光のいずれか1色の光を透過し、それ以外の波長の光を吸収する吸収型のカラーフィルタを備えている。
ここで、液晶パネル41の各サブピクセル45R、45G、45Bと、反射型カラーフィルタ17の各フィルタ17R、17G、17Bの領域とは、それぞれ対応して配置されている。具体的に、各サブピクセル45R、45G、45Bは、R、G、Bの順で横方向に繰り返されるように配列されるとともに、同色のサブピクセルがそれぞれ縦に並ぶように配列されている。一方、反射型カラーフィルタ17の各フィルタ17R、17G、17Bの領域は、縦方向に延びるとともに、各サブピクセル45R、45G、45Bと同じ色の順序、かつ、同じ間隔で横方向に配列され、ストライプ状に形成されている。
拡散シート48は、表面に形成された凹凸形状、又はマイクロレンズアレイにより、各サブピクセル45R、45G及び45Bから出射された光を拡散させる。また、拡散シート48は、拡散シート48の内部に設けられた拡散ビーズによる屈折又は反射によって光を拡散させるように構成することもできる。
このように構成された液晶表示装置40において、偏光方向が揃えられた状態でR光源11a、G光源11b及びB光源11cから出射されたR光、G光及びB光は、光源ごとにコリメートされ、ダイクロイックミラー13によりレーザ光12としてまとめられる。
レーザ光12は、ミラー14を介して導光棒15に入射し、偏光を保持したまま、複数の偏向溝15aにより導光板16の側面16aに対して略垂直となる方向に出射して、前記側面16aから導光板16に入射する。導光板16に入射したレーザ光12は、対向面16cに形成された偏向溝16dにおいて導光板16の主面16bと略垂直となる方向に反射して、主面16bから出射し、反射型カラーフィルタ17に到達する。
反射型カラーフィルタ17に到達したレーザ光12は、反射型カラーフィルタ17とリサイクルシート18との間で反射を繰り返す間に、反射型カラーフィルタ17の各フィルタ17R、17G及び17Bのうちの対応するフィルタを透過して、出射光20として出射する。
ここで、導光板16に入射するレーザ光12の偏光方向が例えば、導光板16の主面16bに垂直な方向であるとした場合、偏向溝16dの反射面の法線はレーザ光12光の偏光面と同一面上にあるため、偏向溝16dでの反射の前後において偏光が保持され、導光板16からは偏光の揃った光が出射する。また、その後の多重反射の間にも、偏光は、保持されるので、出射光20は、偏光の揃った光となり、図7(b)における左右方向の偏光で出射する。
なお、導光板16に入射するレーザ光の偏光を主面16bに平行としても偏光を保持することが可能であり、この場合は、図7(b)における上下方向の偏光で出射光20は、出射する。
反射型カラーフィルタ17を出射した出射光20は、直線偏光で入射側偏光板46に入射する。このとき、出射光20の偏光方向と入射側偏光板46の透過軸とが一致するように構成しておくと、出射光20の大部分が入射側偏光板46を透過するので、高い光利用効率が得られる。
液晶パネル41の入射側偏光板46から高効率で入射した出射光20は、画素45の各サブピクセル45R、45G及び45Bに入射し、液晶層43で変調され、各サブピクセルの吸収型カラーフィルタに入射する。
このとき、出射光20は、各サブピクセル45R、45G及び45Bに対応して配置された反射型カラーフィルタ17の各フィルタ17R、17G及び17Bによって、R光、G光、B光に分離される。分離されたR光20R、G光20G及びB光20Bは、それぞれ液晶パネル41に対して略垂直に入射するので、対応するサブピクセル45R、45G、45Bにそれぞれ効率よく入射する。
ここで、波長分離を行わない従来の構成では、画素45に到達した光のうち、各波長に対応するサブピクセル45R、45G及び45Bに入射する確率は、1/3である。そして、所定のサブピクセルに入射しなかった光は、吸収型カラーフィルタで吸収されるので、各サブピクセルから出射する光量は、入射した光の1/3以下となる。
一方、本実施の形態の構成では、各サブピクセル45R、45G及び45Bのそれぞれに所定の波長の光の大部分を導くことができるので、従来の構成と比べると2〜3倍の透過率が得られる。
各サブピクセル45R、45G及び45Bから出射した出射光20は、出射側偏光板47から前記出射側偏光板47の表面に対して略垂直に出射し、拡散シート48により拡散され、視野角の広い画像が表示される。
このとき、出射光20は、液晶層43を略垂直に通過し、液晶パネル41の画像表示面で視野角を広げる構成としているので、斜め方向から見ても正面と同等の高いコントラストが得られる。
以上に説明したように本実施の形態では、面状照明装置10から偏光の揃った光を出射させることにより、液晶パネル41の透過率を向上させることができる。
また、本実施の形態によれば、液晶パネル41に入射する光の偏光方向を揃えるための入射側偏光板46を省略することもできるので、消費電力が低く、かつ、低コストの液晶表示装置を実現できる。
さらに、面状照明装置10においてフィルタ17R、17G及び17Bごとに波長分離するとともに、各サブピクセル45R、45G及び45Bにそれぞれ所定の波長の光を入射させることができるので、液晶パネル41内部の吸収型カラーフィルタにおけるロスを低減できる。
また、液晶パネル41において吸収型カラーフィルタを省略することもできるので、さらに消費電力が低く、かつ低コストの液晶表示装置を実現できる。
そして、光源としてレーザ光源11a〜11cを用いることにより、色再現範囲が広く高輝度で、かつ、輝度ムラが少ない薄型の液晶表示装置が実現できる。さらに、斜め方向から見ても高いコントラストが得られる。
なお、本実施の形態では、導光板16から略垂直に出射光20を出射する構成としたが、出射光20の出射角のばらつきが大きいと、液晶パネル41の各サブピクセル45R、45G及び45Bに所定の波長の光が入射する割合が低下する。
このような場合には、図9に示す液晶表示装置50のように、液晶パネル41と導光板16との間にレンズアレイ51を設けることができる。このようにすれば、出射光20をコリメートすることができ、あるいは出射光20を各サブピクセル45R、45G及び45Bに集光できるため、液晶パネル41の透過率を向上させることができる。
あるいは、反射型カラーフィルタ17と液晶パネル41の画素45との距離が近づくように構成しても、各サブピクセル45R、45G及び45Bへの入射効率を高めることができる。例えば、図10に示すように、反射型カラーフィルタ17を液晶パネル41のガラス基板42に形成することができる。
図10は、本発明の実施の形態2に係る他の液晶表示装置の概略構成を示す図であり、(a)は、液晶表示装置60の概略構成を示す断面図であり、(b)は、液晶表示装置70の概略構成を示す断面図である。
図10(a)に示すように、液晶表示装置60では、反射型カラーフィルタ17を液晶パネル41のガラス基板42の導光板16側の面に形成することにより、液晶パネル41の入射側偏光板46(図8参照)を省略している。ガラス基板42は、ガラス基板44と同質の材料からなる。
このように構成すると、液晶パネル41の透過率が向上するだけでなく、反射型カラーフィルタ17の各フィルタ17R、17G及び17Bと、液晶パネル41の各サブピクセル45R、45G及び45Bとの相対的な位置が熱膨張などでずれるのを抑制することができるため、信頼性の高い液晶表示装置が実現できる。
また、図10(b)に示すように、液晶表示装置70では、反射型カラーフィルタ17を液晶パネル41のガラス基板42の液晶層43側の面に形成することにより、液晶パネル41の入射側偏光板46(図8参照)を省略している。ガラス基板42は、ガラス基板44と同質の材料からなる。
このように構成すると、上述のように、各フィルタ17R、17G及び17Bと各サブピクセル45R、45G及び45Bとの相対的な位置が熱膨張などですれるのを抑制することができるため、信頼性が向上する。
さらに、液晶表示装置70では、前記液晶表示装置60と比較して反射型カラーフィルタ17と、画素45との間の距離を短くすることにより、反射型カラーフィルタ17で分離した光をほぼすべて所定のサブピクセル45R、45G及び45bに入射させることができるため、より消費電力の低い液晶表示装置を実現することができる。
なお、図10(a)及び図10(b)に示した構成では、液晶パネル41において入射側の偏光板を設けない構成としているが、導光板16に入射するレーザ光12の偏光にばらつきがある場合、あるいは、導光板16の複屈折等により、リサイクル反射を繰り返す間に偏光が回転してしまう場合には、液晶パネル41に入射する光の消光比が低下して、コントラストの低下を招く可能性がある。
このような場合には、リサイクルシート18を特定の偏光成分のみ反射させる偏光反射シートとすることにより、コントラストの高い高画質の画像を表示することができる。
また、本実施の形態では、反射型カラーフィルタ17の各フィルタ17R、17G及び17Bが並ぶ方向に導光板16にレーザ光12を入射させる構成としたが、反射型カラーフィルタ17のストライプ状に並んだ各フィルタの長手方向にレーザ光12を入射させる構成としてもよい。
図11は、本発明の実施の形態2に係る液晶表示装置80の概略構成を示す図であり、(a)は、液晶表示装置の構成全体を模式的に示す斜視図、(b)は、液晶表示装置の平面図をそれぞれ示している。
図11において、図7に示した構成と異なるのは、導光板16に入射させるレーザ光12の方向のみである。この実施形態では、導光板16の側面16aの法線に対して図11(b)の左右方向に数度傾いた光軸に沿ってレーザ光12を導光板16に入射させるようになっている。
本実施の形態では、導光板16に入射したレーザ光12を偏向溝16dで略垂直に立ち上げる構成としている。導光板16の主面16bと略平行となるように導光板16に入射したレーザ光12は、偏向溝16dでの反射時に多少回折されて僅かに広がりながら導光板16内を進行していくため、出射光20の出射角は、レーザ光12の導光板16への入射方向について多少ばらつくことになる。
そのため、図8に示すような、反射型カラーフィルタ17と液晶パネル41の画素45とが離れて配置された構成では、液晶パネル41の各サブピクセル45R、45G及び45Bに所定の波長の光が入射する割合が低下する。
しかし、図11に示すような構成とすると、反射型カラーフィルタ17を出射する出射光20R、20G及び20Bの出射角は、レーザ光12の導光板16内の進行方向(図11(b)の上下方向)ではばらつくが、それと直交する方向(図11(b)左右方向)では平行度の高い光とすることができる。
つまり、各サブピクセル45R、45G及び45Bに到達した出射光20は、同色のサブピクセルが延びる方向にのみ広がっているため、所定のサブピクセルに効率よく出射光20を入射させることができ、さらに消費電力の低い液晶表示装置が実現できる。
また、レーザ光12を導光板16へ数度傾けて入射させるので、導光板16から出射したレーザ光12が、反射型カラーフィルタ17で反射し、リサイクルシート18で反射した後に、再び反射型カラーフィルタ17に戻る際に、前回と同じフィルタ17R、17G及び17Bに戻らないように構成できる。
したがって、少ないリサイクル回数で波長分離を行い出射させることができる。これにより、リサイクル反射中に失われる僅かな効率ロスも抑制し、極めて消費電力の低い液晶表示装置が実現できる。
また、レーザ光12を反射型カラーフィルタの各フィルタ17R、17G及び17Bの長手方向に平行に入射させる場合には、リサイクル回数を増やすことができるため、より均一な光を出射させることができる。
(実施の形態3)
図12は、本発明の実施の形態3に係る液晶表示装置90を示す概略構成図であり、(a)は、液晶表示装置の断面図、(b)は、(a)の構造シート及び拡散シートの斜視図をそれぞれ示している。
なお、図12(b)においては、構造シート及び拡散シートは、それぞれの構成を理解しやすくするために分離して示されているが、実際の構成では構造シートと拡散シートとが密着して配置されている。
図12に示す本実施の形態3の液晶表示装置90は、出射側偏光板47と拡散シート92の間に構造シート91が挿入されている点、及びブラックストライプ92aを設けている点で図8に示した液晶表示装置40と異なる。図12において、前記図8の液晶表示装置40と同様の構成について、同じ符号を付し説明を省略する。
図12(a)及び図12(b)に示すように、構造シート91は、画素45のRサブピクセル45R、Gサブピクセル45G及びBサブピクセル45Bのそれぞれの位置に対応して配置された複数のテーパー状の微小導光体91aを有している。
また、拡散シート92は、構造シート91の微小導光体91aの上面部に対応する領域以外の部分に設けられ、外光を吸収するブラックストライプ92aを備えている。
このように構成すると、液晶パネル41から出射した出射光20は、構造シート91の微小導光体91aに入射する。微小導光体91aに入射した光の一部は、この微小導光体91aの側面で全反射して進路を曲げられ、拡散シート92でさらに効果的に拡散されて視野角の広い画像出力93として液晶表示装置90から出力される。
拡散シート92のみで拡散させる場合、広視野角を得るために高いヘーズが必要であり、このような構成では、外光の反射により明所でのコントラストの低下、いわゆる白浮きの課題を有していた。
一方、本実施の形態に係る液晶表示装置90では、微小導光体91aを通すことにより拡散させているので、拡散シート92のヘーズは、小さくてもよく、外光の大部分をブラックストライプ92aで吸収させることができる。
したがって、前記液晶表示装置90によれば、明所でのコントラストが良く、高輝度で視野角が広い画像を表示できる液晶表示装置を実現することができる。
なお、図12に示した微小導光体91aは、映像出射面に平行な断面が長方形となる形状のものであるが、微小導光体91aへの入射面を隙間なく配置できる構成であれば、他の形でもよく、例えば、断面が三角形や六角形の微小導光体91aとすることもできる。
また、微小導光体91aの出射面付近の断面を円形とすると、拡散する方向の偏りを低減することができる。
また、構造シート91は、テーパー状の微小導光体を配列する代わりに、テーパー状の穴を多数形成した構成とすることもできる。この場合、テーパ穴の側面で出射光20が反射するように構成すると、本実施の形態と同様な効果が得られる。
また、本実施の形態において、微小導光体91aの形状をテーパー形状としたが、略平行に入射する光を大きく拡散させるとともに、出射側で入射側より小さい領域に絞り込める形状であれば、前記微小導光体91aと同様の効果が得られる。
図13は、本発明の実施の形態3に係る他の液晶表示装置100を示す概略構成図であり、(a)は、液晶表示装置の断面図、(b)は、(a)の構造シート及び拡散シートの斜視図をそれぞれ示している。
図13に係る液晶表示装置100は、図12に示す構造シート91が構造シート94に置換されている点で、図12の液晶表示装置90と異なる。
図13(a)及び図13(b)において、構造シート94は、ボールレンズで構成された複数の微小導光体94aが配列された構成とされている。
拡散シート92は、構造シート94の微小導光体94aの上面部に対応する領域以外の部分に外光を吸収するブラックストライプ92aが設けられている。
また、微小導光体94aのボールレンズは、拡散シート92と接する出射面近傍で集光するように構成されている。
このように構成しても、液晶パネル81から出射した光を広く拡散させるとともに、外光の反射を抑えることができる。
なお、図12及び図13に示した本実施の形態では、各サブピクセル45R、45G及び45Bに対応して微小導光体91a、94aを設ける構成としているが、1つのサブピクセルに対して微小導光体を複数設けてもよい。このようにすれば、視野角分布のばらつきをさらに低減することができる。
また、微小導光体の内部にさらに拡散ビーズを含有するなど、微小導光体で十分に拡散するように構成した場合、拡散シート92に代えて、拡散のない透明なシートを配設することもできる。このように構成すると、さらに白浮きが抑えられて明所コントラストが向上する。
また、本実施の形態において、画素45で各サブピクセルから出射した出射光20R、20G、20Bは、それぞれ対応する微小導光体91aに入射することとしているが、各サブピクセルから出射する際の出射角にばらつきがある場合には、出射光20の一部の光は、隣のサブピクセルに対応する微小導光体に入射して画像のボケを生じさせる。
この場合、出射光20の出射角のばらつきを抑えるとともに、出射側のガラス基板44及び出射側偏光板47を薄くすることにより、画像のボケを低減し、高画質な液晶表示装置を実現することができる。
具体的に、例えば、各サブピクセル45R、45G及び45Bの幅Pを200μm、出射光20のガラス基板44内の角度のばらつきφを±10°とし、出射側偏光板47の出射面での出射光20の広がりを3P(片側のはみ出し幅P)まで許容できるとすると、画素45から出射側偏光板47の出射面までの厚みLは、1.1mm以下であることが望ましい。この関係は、以下のように表すことができる。
L<P/Tanφ
また、出射光20の出射角ばらつきは、導光板16の偏向溝16dで立ち上げる際に生じるが、ガラス基板44の屈折率を導光板16の屈折率よりも大きくすることにより、見かけ上ガラス基板44内の出射光20のばらつきを小さくして、画像のボケを低減することもできる。
(実施の形態4)
本発明の実施の形態4に係る面状照明装置では、実施の形態1〜3で示した面状照明装置及び液晶表示装置に用いられる反射型カラーフィルタの具体構成を示す。
本実施の形態に係る反射型カラーフィルタは、微細な周期構造を有し、特定の波長の光を共鳴により選択的に強く反射する回折格子で構成されている。
このような回折格子は、サブ波長格子とも呼ばれ、入射する光の波長以下の間隔の格子で構成された周期構造により高次回折光が発生しないように構成されている。
そして、格子形状に見合った特定の波長の光が前記周期構造に入射すると、内部で多重反射による共鳴が起き、前記特定の波長の光が選択的に強く反射される。
図14は、実施の形態4に係るサブ波長格子の具体的な設計例を示す説明図であり、例としてG光を反射する機能をもつ光学層105の構造の断面図を示している。
図14に示すサブ波長格子は、基板106と、基板106上に設けられた光学層105とを備えている。
光学層105は、前記基板106上に設けられた導波層105bと、この導波層105b上に周期Λで突設された回折格子層105aとを備えている。
例えば、周期Λ=365nm、格子幅a/周期Λ=0.5、格子高さb=200nm、導波層105bの厚さc=100nm、光学層105の屈折率n1=1.73、基板106の屈折率n2=1.4としたとき、TE偏光107でレーザ光12を入射させると、波長535nmのG光12Gのみが共鳴反射することが、RCWA法を用いたシミュレーション等で確認できる。
このような1次元格子形状による共鳴反射の反射率は、偏光方向に依存し、TE偏光で光を入射させた場合に高くなる。また、共鳴反射が生じる波長幅は、狭いため、レーザ光のように単一波長の光を用いる方が高い反射率が得られる。
また、共鳴反射を起こす波長は、周期構造を形成する材質、形状又は屈折率により変えることが可能である。本実施の形態では、周期構造の格子周期Λを変えることにより、R光、G光、B光のそれぞれを共鳴反射させるためのサブ波長格子をそれぞれ構成している。
図15は、本発明の実施の形態4に係る面状照明装置110の概略構成を示す図であり、(a)は、面状照明装置の断面図、(b)は、反射型カラーフィルタの構造を模式的に示す断面図をそれぞれ示している。
本実施の形態において実施の形態1〜3と異なるのは、反射型カラーフィルタ117のみであり、その他の構成要素は同じであるため、同じ符号で示し説明を省略する。
図15(a)及び図15(b)に示すように、本実施の形態4に係る面状照明装置110は、導光板16の主面16b上にサブ波長格子を積層して構成された反射型カラーフィルタ117を備えている。
反射型カラーフィルタ117は、導光板16の主面16b上に積層された3層の光学層114(114R、114G、114B)を備えている。
各光学層114には、それぞれサブミクロン周期の微細な格子形状からなる周期構造112(112R、112G、112B)が形成された領域と、前記周期構造112が形成されていない開口部113(113R、113G、113B)の領域とを有している。
また、導光板16に入射するレーザ光12は、主面16bに平行な偏光方向111とされている。
周期構造112R、112G及び112Bは、それぞれ異なる波長の光を共鳴反射するように周期の異なる格子形状で構成されている。
具体的に、周期構造112Rは、レーザ光12に含まれるR光12Rを共鳴反射する。周期構造112Gは、レーザ光12に含まれるG光12Gを共鳴反射する。周期構造112Bは、レーザ光12に含まれるB光12Bを共鳴反射する。
また、入射光であるレーザ光12の偏光方向111は、周期構造112の凹溝の長手方向に沿った方向の偏光(TE偏光)とされている。
開口部113は、全ての波長の光を透過させる。したがって、開口部113と、周期構造112R及び112Gとを積層することにより、B光20Bのみを出射させるフィルタ117Bを構成することができる。また、開口部113と、周期構造112R及び112Bとを積層することにより、G光20Gのみを出射させるフィルタ117Gを構成することができる。さらに、開口部113と、周期構造112G及び11Bとを積層することにより、R光20Rを出射させるフィルタ117Rを構成することができる。
反射型カラーフィルタ117のフィルタ117R、117G、117Bは、互いに隣接するように配置されている。
このように構成された面状照明装置110は、実施の形態1及び2と同様に構成された光源(図示せず)から出射されたレーザ光12が、偏光方向111の偏光で導光板16に入射する。
導光板16に入射したレーザ光12は、対向面16cに形成された偏向溝16dで反射して、主面16bに略垂直な光として主面16bから出射し、反射型カラーフィルタ117に到達する。
反射型カラーフィルタ117に到達したレーザ光12は、反射型カラーフィルタ17とリサイクルシート18との間で反射を繰り返す間に、反射型カラーフィルタ117の各フィルタ117R、117G及び117Bのそれぞれから対応する波長の光が出射光20として出射する。
次に、反射型カラーフィルタ117の動作を詳しく説明する。図15(b)に示すように、導光板16から出射したレーザ光12は、最初に反射型カラーフィルタ117の光学層114Bに入射する。
光学層114Bには、例えば波長445nmのB光12Bのみが共鳴反射するように、例えば周期300nmの格子形状からなる周期構造112Bと、開口部113Bとが形成されている。したがって、周期構造112BでB光12Bが反射するとともにR光12R及びG光12Gが透過し、開口部113Bに入射した光は、すべて透過する。
同様に、次の光学層114Gには、例えば波長535nmのG光12Gのみが共鳴反射するように、例えば周期365nmの格子形状からなる周期構造112Gと、開口部113Gとが形成されている。したがって、周期構造112GでG光12Gが反射するとともにR光12R及びB光12Bが透過し、開口部113Gに入射した光は、すべて透過する。
さらに、その次の光学層114Rには、例えば波長640nmのR光12Rのみが共鳴反射するように、例えば周期445nmの格子形状からなる周期構造112Rと、開口部113Rとが形成されている。したがって、周期構造112RでR光12Rが反射するとともにG光12G及びB光12Bが透過し、開口部113Rに入射した光は、すべて透過する。
つまり、レーザ光12がフィルタ117Bに入射すると、レーザ光12R、12G及び12Bの全てが開口部113Bを透過するとともに、レーザ光12R及び12Gが光学層114G、114Rで反射し、B光12Bのみが出射する。
また、レーザ光12がフィルタ117Gに入射すると、光学層114BでB光12Bが反射するとともに、R光12R及び12G光が開口部113Gを透過し、光学層114RでR光12Rが反射されてG光12Gのみが出射する。
さらに、レーザ光12がフィルタ117Rに入射すると、光学層114BでB光12Bが反射するとともに、光学層114GでG光12Gが反射するので、R光12Rのみが出射する。
したがって、このような構成とすることにより、レーザ光12をR光12R、G光12G及びB光12Bに分離し、それぞれ所定の領域117R、117G、117Bから効率よく出射させることができる。これにより、効率よく波長分離を行える面状照明装置が実現できる。
また、面状照明装置110を液晶表示装置のバックライトとして利用した場合、液晶パネルの入射側の偏光板の透過軸と、周期構造112の格子の長手方向とを一致させることにより、偏光板でのロスが低減でき、極めて消費電力の低い液晶表示装置を実現することができる。
ここで、開口部113R、113G、113Bの幅を同一、もしくは光源の光量に対応した一定の比率とすると、反射型カラーフィルタ117を透過する光は混色されて白色となるが、開口部113R、113G及び113Bの幅の比率を局所的に変えることにより、反射型カラーフィルタ117から出射された光の混色により生じる色を所望の色とすることができる。
さらに、R光12R、G光12G及びB光12Bを反射する領域も加えると、任意の輝度分布や色分布を表示することができる面状照明装置を実現することができる。したがって、鮮やかな色彩を表示する薄型の看板等に応用できる。
また、面状照明装置がもともと有している輝度ムラや色ムラを補正して均一な照明を作り出すこともできるので、液晶ディスプレイ用のバックライトとしても有用である。
なお、図15に示す例では、開口部113R、113G、113Bを互いに重ならないように配置するとともに、独立したフィルタ117R、117G及び117Bからそれぞれ出射光20R、20B及び20Bを出射することによりフルカラーを表示するように構成しているが、開口部113R、113G、113Bを重ねて、同じ領域内で混色するように構成してもよい。
また、反射型カラーフィルタ117のような積層構造は、例えば特開2007−69443に開示されているナノインプリントを用いた方法により作製することが可能であり、精度が良く、量産性に優れ、低コストで作製できる。
図16は、本発明の実施の形態4に係る他の面状照明装置120の概略構成を示す図であり、(a)は、面状照明装置の断面図、(b)は、反射型カラーフィルタの構造を模式的に示す断面図をそれぞれ示している。
本実施の形態において図15に示した構成と異なるのは、反射型カラーフィルタ127のみであり、その他の構成要素は同じであるため、同じ符号で示し説明を省略する。
図16(a)及び図16(b)において、反射型カラーフィルタ127は、光学層124を備えている。光学層124は、互いに積層された2つの光学層124a及び124bを有している。
各光学層124a及び124bは、それぞれサブミクロン周期の微細な格子形状からなる周期構造112を有している。また、光学層124a、124bには、それぞれ少なくとも3種の異なる周期の周期構造112R、112G、112Bが形成されている。
そして、各光学層124a及び124bは、異なる周期構造112R、112G及び112Bが重なるように互いに積層され、このように2種類の周期構造が重ねられた領域がフィルタ127R、127G、127Bを構成している。
具体的に、フィルタ127Rに対応する光学層124a上の領域には、周期構造112Bが形成され、光学層124b上の領域には周期構造112Gが形成されている。
フィルタ127Gに対応する光学層124a上の領域には、周期構造112Rが形成され、光学層124b上の領域には、周期構造112Bが形成されている。
フィルタ127Bに対応する光学層124a上の領域には、周期構造112Gが形成され、光学層124b上の領域には、周期構造112Rが形成されている。
また、周期構造112(112R、112G、112B)は、それぞれ特定波長の入射光と共鳴反射するように構成されている。
フィルタ127Rは、G光12G及びB光12Bを反射するとともに、残りのR光12Rのみを透過させる。
フィルタ127Gは、R光12R及びB光12Bを反射するとともに、残りのG光12Gのみを透過させる。
フィルタ127Bは、R光12R及びG光12Gを反射するとともに、残りのB光12Bのみを透過させる。
すなわち、図15に示した構成と同じ光学的な機能を持つ反射型カラーフィルタ127を、図15に示す構成よりも1層少ない構成で実現することができる。そのため、工数が削減でき、低コスト化が図れる。
また、この構成では、フィルタ127R、127G、127Bの幅の比率を変えることにより、特定の色を表示することが可能となる。ただし、図15に示す構成と異なり、R光、G光、B光のすべてを反射できる領域が形成できないため、黒表示はできない。
なお、図16(b)に示した反射型カラーフィルタ127は、サブミクロン周期の周期構造112を積層した構造としたが、周期構造が対面するように2つの光学層を積層する構成、あるいは、同一の基板の両側に周期構造を形成する構成としても、同様な機能を持つ反射型カラーフィルタが実現できる。
図17は、図16に示した反射型カラーフィルタ127の他の構成を模式的に示した断面図であり、(a)は、周期構造が対面する構造の断面図、(b)は、周期構造が基板の両側に配置された構造の断面図をそれぞれ示している。
図17(a)のように構成すると、種類の異なる周期構造同士が対面するように各光学層124a及び124bを位置合わせすることが必要となるが、それぞれの周期構造を単層で製作できるので、ロール工法などの利用により大面積化が容易になる。
また、図17(b)のように構成すると、ロール工法を利用して基板の両面に同時に周期構造を形成することが可能になり、工数が削減でき、大面積化にも対応できる。
なお、図15〜図17に示した実施の形態では、導光板16に偏光の揃った光を入射させる構成としたが、導光板16への入射光をランダム偏光とし、導光板16と反射型カラーフィルタとの間に偏光反射シートを配置することにより、反射型カラーフィルタへの入射光がTE偏光となるように構成してもよい。このように構成すれば、光源にLEDを用いることが可能であり、設計の自由度が向上する。
なお、図15〜図17に示した反射型カラーフィルタの各光学層の周期構造は、R、G、Bの各フィルタ領域が並ぶ方向に、屈折率の異なる部分が並ぶ格子構造としていたが、各フィルタ領域が並ぶ方向と直交する方向に格子が周期的に並ぶ構造としてもよく、上面からみて2次元的に格子が周期的に並ぶ構造としても良い。
図18は、実施の形態4に係る反射型カラーフィルタの周期構造の構成例を示した概略図であり、(a)は、別の1次元格子の平面図、(b)は、2次元格子の平面図をそれぞれ示している。
図18(a)に示す反射型カラーフィルタ137の光学層134には、各フィルタ137R、137G及び137Bが並ぶ方向と直交する方向に固有の周期で格子が並ぶ周期構造132R、132G、132Bが形成されている。
また、この反射型カラーフィルタ137に入射する光は、偏光が方向131(各フィルタ137R、137G及び137Bが延びる方向)となるように構成されている。
なお、サブ波長格子が図18(a)のような1次元格子で構成される場合には、光が入射する方向により共鳴反射を起こす入射角の範囲にも大きな差がある。
一般には、格子形状に沿った方向(図18の左右方向)から入射する光に対しては、共鳴反射を起こす入射角度の範囲は広く、それと直交する方向から入射する場合には有効な入射角の範囲は狭い。
この狭い方の有効な入射角範囲は構成にもよるが数度程度であるため、導光板の構成に合わせて格子の方向を適切に設定する必要がある。具体的に、図15(a)に示す面状照明装置110では、導光板16から出射するレーザ光12の出射角ばらつきは、図中左右方向が偏向溝16dでの回折等の影響で大きく、それと直交する方向では小さく抑えることができる。
このような構成では、図18(a)のように入射光のばらつきの大きい方向に延びる格子を形成することにより、共鳴反射を生じさせることができる光の入射角のばらつきの範囲を広げることができるので、光の利用効率を向上させることができる。
また、図18(b)に示す反射型カラーフィルタ147の光学層144には、各フィルタ147R、147G、147B内に2次元的な格子構造からなる周期構造142R、142G、142Bが形成されている。
このように構成すると、各フィルタ147R、147G及び147Bにおける共鳴反射についての入射光の偏光方向の依存性及び入射方向の依存性が小さくなるため、反射型カラーフィルタを配置する場所の自由度が向上する。
例えば、液晶パネル内部の吸収型カラーフィルタは、液晶層で偏光が変調された光が入射するため、1次元のサブ波長格子で構成された偏光依存性のあるフィルタを用いると光の利用効率が低下するが、図18(b)に示した偏光方向の依存性の小さい構造とすることにより、このような場所に配置することができる。
なお、本実施の形態4では、回折格子層105a(図14参照)が間欠的に並ぶ格子形状からなる周期構造を有する反射型カラーフィルタについて例示したが、屈折率の異なる部分が周期的に並ぶ構成であれば、格子形状に限定されることはない。つまり、前記周期構造を屈折率分布により構成した場合においても、本実施の形態4と同様の効果を得ることができる。
また、本実施の形態4では、矩形の回折格子層105aが並ぶ格子形状について説明したが、矩形に限定されることはなく、例えば、三角形、台形等の回折格子層を採用することもできる。
(実施の形態5)
本発明の実施の形態5に係る面状照明装置では、実施の形態1〜3で示した面状照明装置及び液晶表示装置に用いられる反射型カラーフィルタの具体構成を示す。
本実施の形態の反射型カラーフィルタは、屈折率の異なる二種類の薄膜を反射対象となる光の波長の1/4程度の周期で交互に積層した周期構造を有している。この周期構造により、反射型カラーフィルタには、前記反射対象となる光の存在が許されないフォトニックバンドギャップが形成されている。
さらに、反射型カラーフィルタは、前記周期構造の周期を乱す欠陥層が一部に設けられていることによって、反射帯域中に特定の波長の光のみを透過させるようになっている。
つまり、本実施の形態に係る反射型カラーフィルタは、いわゆるフォトニック結晶技術を用いた積層型干渉フィルタである。
図19は、本発明の実施の形態5に係る面状照明装置150の概略構成を示す図であり、(a)は、面状照明装置の断面図、(b)は、反射型カラーフィルタの構造を模式的に示す断面図をそれぞれ示している。
本実施の形態において実施の形態1〜4と異なるのは反射型カラーフィルタ157のみであり、その他の構成要素は同じであるため、同じ符号で示し説明を省略する。
図19(a)及び図19(b)に示すように、本実施の形態5に係る面状照明装置150は、導光板16の主面16b上に多層膜154で構成された反射型カラーフィルタ157を備えている。
多層膜154は、屈折率の異なる二種類の薄膜を周期的に積層して構成されている。また、多層膜154は、フィルタ157R、157G及び157Bごとに厚みの異なる欠陥層154aを有し、各フィルタ領域157R、157G、157Bから欠陥層154aの厚みに応じた特定の波長の光のみが透過するように構成されている。
ここで、多層膜154の膜構造は、必要とする光学仕様に応じていくつかの適した構造が考えられる。そこで、特定波長に対して高い透過率を持つとともに、それ以外の波長に対して高い反射率を実現できる膜構造の例を図20に示す。
図20は、実施の形態5に係る反射型カラーフィルタ157の3つの構造例及びその特性を示した説明図であり、(a)、(c)及び(e)は、反射型カラーフィルタの概略構造図、(b)、(d)及び(f)は、それぞれ(a)、(c)及び(e)の各構造の分光特性をそれぞれ示している。
なお、図20(b)、(d)及び(f)の分光特性において、縦軸が透過率を表わし、横軸が透過光の波長を表している。また、本実施の形態に係る反射型カラーフィルタは、可視光の波長帯で吸収が少なくなり、透過しない光を実質的に反射するように構成されている。したがって、例えば透過率5%は、反射率95%を意味する。
図20(a)の構造において、反射型カラーフィルタ157は、低屈折率材料(例えば二酸化珪素(SiO2))で構成された低屈折率層221a、221b、223a及び223bと、高屈折率材料(例えば二酸化チタン(TiO2))で構成された高屈折率層222a、222b、224a及び224bと、高屈折率材料で構成された欠陥層225とを積層した構成とされている。
各フィルタ157R、157G、157Bの領域の膜構造は、それぞれ欠陥層225を中心として対称となるように構成されている。
欠陥層225を除く各層221a、221b、222a、222b、223a、223b、224a及び224bの厚みは、それぞれ物理膜厚に屈折率を乗じて得られる光学膜厚が設定波長(例えば535nm)の1/4に略等しくなるように構成されており、各フィルタ157R、157G、157Bの領域において、同じ膜厚となるように構成されている。
一方、欠陥層225は、各フィルタ157R、157G、157Bの領域において、それぞれ異なる厚みを持ち、特定の波長の光が透過するように設定されている。
また、図20(c)の構造において、反射型カラーフィルタ157は、5層膜238と、5層膜239と、これら5層膜238と5層膜239との間に設けられ、各5層膜238及び239を接続する接続層237とを備えている。
5層膜238は、低屈折率材料からなる低屈折率層231a、231bと、高屈折率材料からなる高屈折率層232a、232bと、高屈折率材料からなる欠陥層233とを積層した構成を有する。
5層膜239は、前記5層膜238と同様の構成を有している。具体的に、5層膜239は、低屈折率材料からなる低屈折率層234a、234bと、高屈折率材料からなる高屈折率層235a、235bと、高屈折率材料からなる欠陥層236とを積層した構成を有する。
この構造においても、5層膜238、239の欠陥層233、236を除く各層231a、231b、232a、232b、234a、234b、235a及び235bの厚みは、各フィルタ157R、157G、157Bの領域で同じ厚みであり、それぞれの物理膜圧に屈折率を乗じて得られる光学膜厚が設定波長の1/4となるように構成されている。
また、各5層膜238、239の膜構造は、欠陥層233、236を中心として、それぞれ対称に構成されている。
図20(e)の構造において、反射型カラーフィルタ157は、3層膜251と、3層膜252と、3層膜253と、3層膜251と3層膜252との間に設けられ、3層膜251、252を接続する接続層247と、3層膜252と3層膜253との間に設けられ、3層膜252、253を接続する接続層248とを備えている。
3層膜251は、高屈折率材料からなる高屈折率層241a、241bと、低屈折率材料からなる欠陥層242とを積層して構成されている。
3層膜252は、高屈折率材料からなる高屈折率層243a、243bと、低屈折率材料からなる欠陥層244とを積層して構成されている。
3層膜253は、高屈折率材料からなる高屈折率層245a、245bと、低屈折率材料からなる欠陥層246とを積層して構成されている。
この構造においても、3層膜251、252、253の欠陥層242、244、246を除く各層241a、241b、243a、243b、245a及び245bの厚みは、各フィルタ157R、157G、157Bの領域で同じ厚みであり、それぞれの物理膜圧に屈折率を乗じて得られる光学膜厚が設定波長の1/4となるように構成されている。
また、各3層膜251、252及び253の膜構造は、それぞれ欠陥層242、244、246を中心として、それぞれ対称に構成されている。
この構造において、欠陥層242と246の光学厚みは同じであるが、欠陥層242、246に対して欠陥層244の厚みは必ずしも一致していなくてもよい。
つまり、理論上は、欠陥層242、244及び246の厚みを一致させることが特定波長の光の透過率を最大とするための条件となるが、実際に欠陥層242、244及び246の厚みを一致させると、反射波長帯域の一部の波長について透過率が若干低下する傾向がある。そして、欠陥層244の厚みを欠陥層242、246の厚みに対し若干変化させることにより、前記透過率の低下を抑制できることが確認されているため、このように設定することが好ましい。
図20(a)、(c)及び(e)に示した反射型カラーフィルタ157の特徴は、各フィルタ157R、157G、157Bの領域においてそれぞれ厚みの異なる欠陥層の両側に、高屈折率層あるいは低屈折率層を積層し、欠陥層を中心に対称な構造となるように膜構造を構成していることである。
また、反射型カラーフィルタ157の特徴は、高屈折率層及び低屈折率層の光学厚みを設定波長の1/4に略等しくすることである。
さらに、反射型カラーフィルタ157の特徴は、同様の構造の多層膜を、接続層を介して複数連結して構成することである。
なお、図20(c)及び(e)に示した構造において、接続層237、247及び248の光学厚みも設定波長に対して1/4波長であることが望ましい。
また、低屈折率材料の一例として二酸化珪素を例示し、高屈折率材料の一例として二酸化チタンを例示しているが、これらに限定されるものでなく、屈折率差の大きな材料であれば他の材料でも良い。
屈折率差は、反射型カラーフィルタ157の反射帯域の幅に影響する。各フィルタにおいて所定の波長以外の光を反射させるためには、各フィルタを構成する各層の屈折率の最大値と最小値との差が概ね0.6以上であることが必要である。
図20(b)、(d)及び(f)は、それぞれ図20(a)、(c)及び(e)に示した構造の分光特性を示している。
図20(b)、(d)及び(f)中、分光特性220r、230r及び240rは、R光フィルタ157Rの分光特性を示し、分光特性220g、230g及び240gは、G光フィルタ157Gの分光特性を示し、分光特性220b、230b及び240bは、B光フィルタ157Bの分光特性を示している。
図20(b)、(d)及び(f)に示すように、図20(a)、(c)及び(e)の各構造について以下のことが分かる。
R光フィルタ157R(分光特性220r、230r、240r)は、R光(波長640nm)を透過するとともに、G光(波長535nm)及びB光(波長445nm)を反射する特性を有している。
G光フィルタ157G(分光特性220g、230g、240g)は、G光(波長535nm)を透過するとともに、R光(波長640nm)及びB光(波長445nm)を反射する特性を有している。
B光フィルタ157B(分光特性220b、230b、240b)は、B光(波長445nm)を透過するとともに、R光(波長640nm)及びG光(波長535nm)を反射する特性を有している。
次に、このように構成された本実施の形態5の面状照明装置150の動作について具体的に説明する。反射型カラーフィルタ157は、図20(a)、図20(c)又は図20(e)に示した構造で構成されている。
図19および図20に示した本実施の形態の面状照明装置150では、実施の形態1及び2と同様に構成された光源(図示せず)から出射されたレーザ光12を、導光板16に対し略平行に入射させる。
導光板16に入射したレーザ光12は、導光板16の対向面16cに形成された偏向溝16dで反射して、主面16bに対し略垂直な方向に偏向された上で、主面16bから出射し、反射型カラーフィルタ157に到達する。
反射型カラーフィルタ157に到達したレーザ光12は、反射型カラーフィルタ157とリサイクルシート18との間で反射を繰り返す間に、反射型カラーフィルタ157の各フィルタ157R、157G及び157Bにより波長分離された出射光20として出射する。
前記面状照明装置150によれば、導光板16に入射したレーザ光12を反射型カラーフィルタ157のフィルタ157R、157G及び157Bごとに波長を分離して出射させることができ、さらに反射型カラーフィルタ157で反射した光も無駄なくリサイクルして均一に出射させることができる。
したがって、波長分離が可能で、消費電力の低い薄型の面状照明装置を実現することができる。このような面状照明装置を液晶パネルと組み合わせることにより、非常に消費電力の低い薄型の液晶表示装置を実現できる。
ここで、図20のように構成した反射型カラーフィルタ157は、各層の光学膜厚の誤差及びレーザ光12の入射角等により透過光の波長帯域がずれる傾向がある。
したがって、図20(b)に示すように、R光、G光、B光のそれぞれについて透過する光の波長幅の狭い図20(a)の構造は、各層の光学膜厚の誤差及びレーザ光12の入射角の誤差が小さく、光源の波長誤差も小さい場合に用いることが好ましい。
一方、光源の波長あるいは光学膜厚の誤差が大きい、あるいは、入射角度にばらつきがある場合には、図20(c)あるいは図20(e)の構造が適している。これらの構造は、透過波長帯の幅が広いので、透過波長がずれても効率への影響が小さい。
通常、図20(a)の構造で欠陥層以外の層数を増やすと、透過波長の波長幅は狭くなる。一方、欠陥層以外の層数を減らすと透過波長の波長幅は広がるが、透過波長以外の透過率が上がり、リサイクルされる光の効率が低下する。
図20(c)及び(e)の構造は、中央に欠陥層を配置した対称な構造の2又は3の多層膜を接続層を挟んで連結することにより、所定の波長での高い透過率とそれ以外の波長での高い反射率とを両立しながら、透過波長の波長幅を広げて誤差に強い構成を実現している。
ここで、図20(c)及び(e)の構造は、全体としても対称な構造となっていることが望ましい。
すなわち、多層膜を2つ連結する図20(c)の構造では、2つの5層膜238及び239に含まれる欠陥層233及び236は、同じ光学厚みとなるように構成することが好ましい。
また、多層膜を3つ連結する図20(e)の構造では、両側の多層膜251及び253の欠陥層242及び246を同じ光学厚みとし、中央の多層膜252の欠陥層244の厚みは、欠陥層242及び246と同じでなくてもよい。
このように全体として対称な構成とすることにより、多層膜を複数連結しても所定の波長の透過率を高く設定することができる。
図21は、図20(c)に示した膜構造の対称性の影響を示した説明図であり、(a)は、G光フィルタの膜構造を示した断面図、(b)は、G光フィルタの分光特性をそれぞれ示している。
図21(a)及び図21(b)において、分光特性261は、G光フィルタ157Gの膜構造が接続層237を中心に対称な場合、すなわち、欠陥層233と欠陥層236との光学厚みが等しい場合の特性を示している。
また、分光特性262は、欠陥層233と欠陥層236との光学厚みが5%ずれた場合の特性を示している。
図21(b)から分かるように、2つの欠陥層233と欠陥層236との光学厚みが一致している方が所定の波長において高い透過率が得られる。
なお、欠陥層は、高屈折率材料で構成しても、低屈折率材料で構成してもよい。ただし、欠陥層を高屈折率の材料で構成すると、入射角に対する分光特性の波長のずれを小さくすることができるので、反射型カラーフィルタ157へのレーザ光12の入射角のばらつきが大きい場合には、欠陥層を高屈折率材料で構成するのが望ましい。
また、欠陥層の形成には3種類の厚みを形成するために2回のエッチングを行う等、多くの工数が必要となる。このため、欠陥層を含む多層膜を多数連結した構成とすると、非常に多くの工数が必要となる。このような場合は、各フィルタ157R、157G及び157Bの領域ごとにマスクして領域ごとにスパッタ等で成膜していくことによりエッチング工程を減らすことができる。
実施の形態4、5で説明した本発明の実施の形態の反射型カラーフィルタは、周期的な屈折率分布による反射、及び、周期構造の中に欠陥をつくることにより特定波長が透過することを利用したものである。
このような屈折率分布により所望の分光特性が得られるように構成したフォトニック結晶は、本発明の実施の形態に示したもの以外にも多数あり、このようなフォトニック結晶を利用した反射型カラーフィルタを用いても、本発明と同様な効果が得られる。
なお、本発明の実施の形態1〜5に示した全ての構成は、どのように組み合わせてもよく、それぞれ本発明固有の効果を発揮する。また、本発明の主旨を逸脱しない範囲で様々な変更を行うことができ、同様の効果が得られることは言うまでもない。
以上のように、本発明は、液晶パネルの各画素にRGB光を分離して導く新たな構成を提案し、従来の構成と比較して光の利用効率が高く、かつ、消費電力の低い薄型の液晶表示装置を実現することができる。
具体的に、本発明に係る波長分離装置は、フォトニック結晶構造を利用した反射型のカラーフィルタを用いて導光板出射光をフィルタ領域ごとに波長選択して出射させるとともに、反射型カラーフィルタで反射した光をリサイクルすることにより、導光板に入射した光の大部分をフィルタ領域ごとに波長分離することができる。
なお、上述した具体的実施形態には以下の構成を有する発明が主に含まれている。
本発明の一局面に係る波長分離装置は、側面から入射した光を一方の主面から出射する導光板と、前記主面から出射された光の光路と交差するように配置され、分光特性の異なる少なくとも2種類のフィルタ領域を有する反射型カラーフィルタと、前記導光板を挟んで前記反射型カラーフィルタと反対側に配置されたリサイクル部と、を備え、前記導光板に入射した光のうち、前記反射型カラーフィルタで反射した光が前記導光板を経由して前記リサイクル部で反射して、再び前記反射型カラーフィルタに戻る。
本発明によれば、導光板に入射した光のうち、反射型カラーフィルタで反射した光が導光板を経由して上記リサイクル部で反射して、再び上記反射型カラーフィルタに戻すことができるので、上記導光板に入射した光をフィルタ領域で効率よく波長分離することができる。さらに、本発明では、光を多重反射させた後、出射させるのでムラのない均一な光を出射させることができる薄型の波長分離装置を実現することができる。
したがって、前記波長分離装置とレーザ光源とを組み合わせた面状照明装置を、液晶表示装置のバックライトとして用いるとともに、波長分離したそれぞれの光を液晶パネルの対応する画素に導くことにより、消費電力が極めて低く、かつ輝度ムラの少ない薄型の液晶表示装置を実現することができる。
前記波長分離装置において、前記反射型カラーフィルタは、分光特性の異なる2種類の第1フィルタ領域及び第2フィルタ領域を有し、前記リサイクル部は、前記第1フィルタ領域で反射した光が前記第2フィルタ領域に向けて反射するように構成されていることが好ましい。
前記構成によれば、反射型カラーフィルタのフィルタ領域に入射した光のうち、第1フィルタ領域の透過波長に合致しない光を第2フィルタ領域に導くことができるので、導光板に入射した光を無駄なくリサイクルして波長分離を行うことができる。
前記波長分離装置において、前記導光板の一方の主面と対向する対向面は、前記導光板の側面から入射した光を前記一方の主面に向けて偏向する偏向溝と、前記反射型カラーフィルタで反射した光を透過させる平面部とを有し、前記平面部を通過した光は、前記リサイクル部で反射して再び前記平面部から導光板に入射し、前記一方の主面から出射することが好ましい。
前記構成によれば、導光板の底面に偏向溝を成形することにより、導光板の側面から入射した光を導光板の一方の主面に偏向することができるので、低コストの導光板を実現できる。
前記波長分離装置において、前記リサイクル部の反射面、前記導光板の前記平面部及び前記反射型カラーフィルタの少なくとも1つは、前記導光板の前記一方の主面に対して傾斜していることが好ましい。
前記構成によれば、導光板に入射した光が、反射型カラーフィルタとリサイクルシートの間で反射を繰り返しながら均一に広げられるので、面内における均一性の高い出射光が得られる。
前記波長分離装置において、前記リサイクル部は、反射シートで構成されていることが好ましい。
前記構成によれば、簡単な構成を用いて入射光のリサイクルをすることができるので、低コスト化を図ることができる。
前記波長分離装置において、前記リサイクル部は、偏光反射シートで構成されていることが好ましい。
前記構成によれば、リサイクル部と反射型カラーフィルタの間で反射を繰り返す間に偏光が回転しても、所定の偏向成分の光のみを出射させることができる。
前記波長分離装置において、前記リサイクル部は、前記導光板の前記一方の主面に対して傾斜した複数の反射面を有することが好ましい。
前記構成によれば、より効率よく光をリサイクルすることができる。
前記波長分離装置において、前記反射型カラーフィルタは、反射対象となる光の波長以下の間隔で屈折率が周期的に変化する周期構造を有していることが好ましい。
前記構成によれば、所定の波長の光の透過率が高く、かつ、前記所定の波長以外の光の反射率も高い反射型カラーフィルタを実現することができるので、光利用効率の高い波長分離装置を実現することができる。
前記波長分離装置において、前記反射型カラーフィルタは、前記導光板の主面からの光の出射方向に積層された少なくとも3層の光学層を有し、前記少なくとも3層の光学層は、前記周期構造が形成された反射領域と、全波長の光を透過する透過領域とをそれぞれ有し、前記周期構造は、各光学層ごとに異なる波長帯域の光を反射するように各光学層ごとに異なる周期に設定され、前記反射型カラーフィルタには、1つの前記透過領域と少なくとも2つの前記反射領域とが積層された領域として、分光特性の異なる3種類の前記フィルタ領域が形成されていることが好ましい。
前記構成によれば、高い光利用効率で波長の異なる3の光をフィルタ領域ごとに分離して出射させることができる。
前記波長分離装置において、前記反射型カラーフィルタは、前記導光板の主面からの光の出射方向に積層された少なくとも2層の光学層を有し、前記少なくとも2層の光学層は、波長の異なる少なくとも3種類の光を反射するために周期の異なる少なくとも3種類の周期構造をそれぞれ有し、前記反射型カラーフィルタには、前記少なくとも3種類の周期構造のうちの1種類を除く少なくとも2種類の周期構造が積層された領域として、分光特性の異なる3種類の前記フィルタ領域が形成されていることが好ましい。
前記構成によれば、高い光利用効率で波長の異なる3の光をフィルタ領域ごとに分離して出射させることができる。さらに、前記構成によれば、光学層の層数を減らせるので、工数が削減でき、低コスト化を図ることができる。
前記波長分離装置において、前記反射型カラーフィルタには、前記周期構造が所定の方向に延びる1次元格子が形成された領域として前記フィルタ領域が形成され、前記1次元格子に偏光の揃った光がTE偏光で入射することが好ましい。
前記構成によれば、1次元格子による共鳴反射を効率的に機能させることができる。
前記波長分離装置において、前記反射型カラーフィルタには、前記周期構造が互いに直交する2方向に並ぶ2次元格子が形成された領域として前記フィルタ領域が形成されていることが好ましい。
前記構成によれば、反射型カラーフィルタによる共鳴反射について、入射光の偏光依存性が無くなるため、反射型カラーフィルタを配置する場所の自由度が向上する。例えば、前記波長分離装置を液晶パネルのバックライトとして利用する場合、液晶パネル内の吸収型カラーフィルタの代わりに前記反射型カラーフィルタを用いることができ、光利用効率の向上および低コスト化を図ることができる。
前記波長分離装置において、前記反射型カラーフィルタは、屈折率の異なる少なくとも2種類の薄膜を積層した構成を有することが好ましい。
前記構成によれば、特定の波長の光の透過率が高く、前記特定の波長以外の光の反射率も高い反射型カラーフィルタを実現することができるので、光利用効率の高い波長分離装置を得ることができる。したがって、前記波長分離装置を用いることにより、低消費電力の面状照明装置及び液晶表示装置を実現することができる。
前記波長分離装置において、前記反射型カラーフィルタは、所定の屈折率よりも大きな屈折率を有する薄膜と、前記所定の屈折率以下の屈折率を有する薄膜とが交互に積層した積層構造を有し、前記積層構造を構成する複数の薄膜のうちの1つであり、前記フィルタ領域ごとに膜厚がそれぞれ異なる欠陥層と、前記積層構造を構成する複数の薄膜のうちの少なくとも2つの薄膜であり、前記欠陥層の両側に少なくとも1層ずつ積層されるとともに、前記フィルタ領域における膜厚がそれぞれ等しい被覆層とを備えていることが好ましい。
前記構成によれば、特定の波長の光を透過させるとともに前記特定の波長の光以外の光を反射するバンドパス特性を有する誘電体多層膜の反射型カラーフィルタを比較的少ない層数で実現することができ、量産性に優れる。
前記波長分離装置において、前記欠陥層と、前記欠陥層の両側にそれぞれ少なくとも1層積層された前記被覆層とをそれぞれ有する少なくとも2つの多層膜と、前記積層構造を構成する複数の薄膜のうちの少なくとも1つの薄膜であり、前記少なくとも2つの多層膜の間に設けられるとともに、前記フィルタ領域ごとに膜厚がそれぞれ等しい接続層とを備え、前記少なくとも2つの多層膜は、それぞれ前記欠陥層を中心として膜の構造が対称とされていることが好ましい。
前記構成によれば、比較的少ない層数で透過波長帯の広い反射型カラーフィルタを形成することができる。これにより、光学膜厚の誤差、入射角の誤差又は光源の波長誤差が生じても、効率が大きく変わらない波長分離構造を実現することができる。
前記多層膜は、前記所定の屈折率以下の屈折率を有する前記欠陥層と、前記欠陥層の両側にそれぞれ積層される前記被覆層とを有する3層膜からなり、前記積層構造は、3つの前記3層膜と、前記3層膜のそれぞれの間に配置された2つの前記接続層とからなる11層構造であることが好ましい。
前記構成によれば、光学膜厚の誤差、入射角の誤差又は光源の波長誤差が生じても、効率が大きく変わらない波長分離構造を実現することができる。
前記波長分離装置において、前記多層膜は、前記所定の屈折率よりも大きな屈折率を有する前記欠陥層と、前記欠陥層の両側にそれぞれ2層ずつ積層された前記被覆層とを有する5層膜からなり、前記積層構造は、2つの前記5層膜と、前記5層膜の間に配置された1つの前記接続層とからなる11層構造であることが好ましい。
前記構成によれば、光学膜厚の誤差、入射角の誤差又は光源の波長誤差の影響を抑制しつつ、欠陥層を増やすことによる工数の大幅な増加も抑えたバランスのよい波長分離構造が実現できる。
前記波長分離装置において、2つの前記5層膜のそれぞれに含まれる欠陥層は、前記フィルタ領域において互いに略等しい光学膜厚を有することが好ましい。
前記構成によれば、所定の波長帯における透過率の低下を抑制することができる。
前記波長分離装置において、前記各フィルタ領域の反射波長帯域の略中心の波長を設定波長λとしたとき、前記接続層の光学膜厚がλ/4であることが好ましい。
前記構成によれば、特定の波長帯域の光に対して高い透過率が得られるとともに、前記特定の波長帯域以外の波長帯の光について高い反射率を得ることができる。
前記波長分離装置において、前記各フィルタ領域の反射波長帯域の略中心の波長を設定波長λとしたとき、前記被覆層の光学膜厚がλ/4であることが好ましい。
前記構成によれば、特定の波長帯の光に対して高い透過率が得られるとともに、前記特定の波長帯以外の波長帯の光について高い反射率を得ることができる。
前記波長分離装置において、前記欠陥層は、前記所定の屈折率よりも高い屈折率を有する材料からなることが好ましい。
前記構成によれば、反射型カラーフィルタに対する光の入射角に依存して分光効率が変化するのを緩和することができる。
前記波長分離装置において、前記積層構造を構成する複数の薄膜のうち、屈折率の最も大きな薄膜と屈折率の最も小さな薄膜との間の屈折率差は、0.6以上であることが好ましい。
前記構成によれば、各フィルタ領域において反射する光の反射帯域を広げることが出来るため、各フィルタ領域において不要な波長の光が漏れて効率のロスとなるのを低減することができる。
前記波長分離装置において、前記反射型カラーフィルタは、前記導光板の前記一方の主面上に形成されていることが好ましい。
前記構成によれば、薄型で量産性のある波長分離装置を実現することができる。
前記波長分離装置において、前記反射型カラーフィルタは、赤色光、緑色光又は青色光の何れか1色の光を透過し、かつ、前記1色の光以外の光を反射する分光特性を有する3種類の前記フィルタ領域を有し、前記反射型カラーフィルタには、分光特性の異なる前記フィルタ領域が隣接して配置されていることが好ましい。
前記構成によれば、赤色光、緑色光又は青色光の混色により任意の色の光を出射することができる。
前記波長分離装置において、前記反射型カラーフィルタに占める前記フィルタ領域の面積の比率は、前記分光特性ごとに局所的に異なる比率に設定され、前記反射型カラーフィルタの出射面には、特定の色分布が表示されることが好ましい。
前記構成によれば、反射型カラーフィルタの出射面に任意の色分布を表示することができるため、例えば、前記波長分離装置を看板などの静止画のバックライト照明に用いた場合、光の利用効率が高く、かつ、消費電力の低いバックライト照明を実現することができる。
前記反射型カラーフィルタに占める前記フィルタ領域の面積の比率は、前記分光特性ごとに局所的に異なる比率に設定されていることが好ましい。
前記構成によれば、輝度ムラ、色ムラの少ない均一な光を出射させることができる。
前記波長分離装置において、前記反射型カラーフィルタには、前記異なる分光特性が特定の順序で並ぶように前記フィルタ領域が配列され、前記反射型カラーフィルタと前記リサイクル部の反射面との間の距離は、前記各フィルタ領域の幅と、前記反射型カラーフィルタに対する前記導光板の主面から出射された光の入射角との関数で決まることが好ましい。
前記構成によれば、反射型カラーフィルタで反射したリサイクル光を所定のフィルタ領域まで容易に導いて出射させることができるので、リサイクル部での反射回数を減らすことにより、反射型カラーフィルタとリサイクル部との間で反射を繰り返す間に失われる光量を低減することができるためさらに光利用効率を高めることができる。
前記波長分離装置において、前記導光板と前記反射型カラーフィルタとの間に配置された偏光反射シートをさらに備えていることが好ましい。
前記構成によれば、リサイクル部と反射型カラーフィルタの間で反射を繰り返す間に偏光が回転しても、所定の偏向成分の光のみを出射させることができる。したがって、前記波長分離装置を、例えば液晶パネルのバックライトとして利用する場合、波長分離装置から液晶パネルに所定の偏光成分の光のみが出射するので、液晶パネルの入射側の偏光板を省略してもコントラストの低下が生じない。これにより低コスト化を図ることができる。
本発明の他の局面に係る面状照明装置は、少なくとも3つの異なる波長の光を出射する光源と、前記波長分離装置とを備え、前記光源から出射された光は、前記導光板の前記側面から入射する。
本発明によれば、消費電力を抑えつつ波長分離が可能な面状照明装置を実現することができる。
前記面状照明装置において、前記光源は、赤色、緑色及び青色のレーザ光をそれぞれ出射するレーザ光源を有し、各波長の前記レーザ光は、それぞれ同じ偏光方向で前記導光板に入射することが好ましい。
前記構成によれば、偏光方向の揃った3色の光を出射する面状照明装置を実現することができる。前記面状照明装置を液晶表示装置に用いた場合、液晶パネルに対する光の透過率を向上することができる。また、前記面状照明装置では、単一波長の光を出射するレーザ光源を用いているため、透過する波長幅の狭い反射型カラーフィルタを用いても、高い効率でフィルタ領域にレーザ光を透過させることができる。さらに、レーザ光を使用しているので、前記面状照明装置を液晶表示装置のバックライトとして利用した場合、色再現性にも優れた液晶表示装置を実現できる。
前記面状照明装置において、前記反射型カラーフィルタは、分光特性の異なる少なくとも3種類のフィルタ領域を有し、前記分光特性の異なる3種類のフィルタ領域は、それぞれ所定の第1方向に延びるとともに前記第1方向と直交する第2方向に並んでストライプ状に配列されており、前記光源から出射された光は、前記第1方向に沿って前記導光板の側面に入射することが好ましい。
前記構成によれば、反射型カラーフィルタから出射される出射光の平行度は、各フィルタ領域が並ぶ方向について向上する。したがって、前記面状照明装置を液晶表示装置のバックライトとして利用した場合、反射型カラーフィルタから出射された光を、より効率よく所定のサブピクセルに入射させることができ、消費電力の低い液晶表示装置を実現することができる。
前記面状照明装置において、前記光源から出射された光は、前記3種類のフィルタ領域の第1方向に対して数度傾けた光路に沿って前記導光板に入射することが好ましい。
前記構成によれば、反射型カラーフィルタで反射するとともに前記リサイクル部で反射して戻ってきた光が前記反射型カラーフィルタに再度入射するのを抑制することができるので、少ないリサイクル回数で波長分離を行い出射させることができる。これにより、リサイクル反射中に失われる僅かな効率ロスも抑制し、極めて低消費電力の面状照明装置を実現することができる。
本発明の他の局面に係る液晶表示装置は、特定波長の光を透過させる複数のサブピクセルを有する液晶パネルと、前記液晶パネルを背面側から照明するバックライト照明装置を備え、前記バックライト照明装置として前記面状照明装置を用いている。
本発明によれば、輝度ムラのない画像を表示することができるとともに、消費電力が低く、かつ、量産性の高い薄型の液晶表示装置を実現することができる。
本発明の他の局面に係る液晶表示装置は、少なくとも3つの異なる波長の光を出射する光源と、前記光源からの光を波長分離する波長分離装置と、前記波長分離装置から出射された光が背面側から入射する液晶パネルとを備え、前記液晶パネルは、特定波長の光を透過させる複数のサブピクセルと、前記複数のサブピクセルと前記導光板との間に設けられた内側偏光板とを有し、前記反射型カラーフィルタの一次元格子の伸長方向に沿った軸と、前記内側偏光板の透過軸とは、同一平面上に位置する。
本発明によれば、輝度ムラのない画像を表示することができるとともに、消費電力が低く、かつ、量産性の高い薄型の液晶表示装置を実現することができる。さらに、本発明によれば、液晶表示パネルの内側偏光板での効率のロスを低減でき、光利用効率の高い液晶表示装置を実現することができる。
前記液晶表示装置において、前記1次元格子の伸長方向が、前記反射型カラーフィルタにおけるすべての光学層において一致していることが好ましい。
前記構成によれば、前記光源から出射された光を全ての光学層にTE偏光で入射させることができるので、光利用効率を向上することができる。
前記液晶表示装置において、前記複数のサブピクセルは、赤色、緑色及び青色の光をそれぞれ個別に透過させるRGBサブピクセルを有し、前記面状照明装置は、前記RGBサブピクセルに対して対応する色の光がそれぞれ略垂直に入射するように、前記光源から出射された光を赤色、緑色及び青色の光に波長分離して出射することが好ましい。
前記構成によれば、波長分離された赤色、緑色及び青色の光を、液晶パネルのRGBサブピクセルに効率よく導くことができるため、消費電力の低い液晶表示装置を実現することができる。また、前記構成では、液晶パネルのRGBサブピクセルを垂直に光が透過するため、コントラストを高めることができる。
前記液晶表示装置において、前記液晶パネルは、第1のガラス基板を有し、前記反射型カラーフィルタは、前記ガラス基板と同材質からなる第2のガラス基板上に形成されていることが好ましい。
前記構成によれば、液晶パネルの各サブピクセルの位置と、反射型カラーフィルタの各フィルタ領域の位置とが、熱膨張によりずれるのを抑制することができる。
前記液晶表示装置において、前記第2のガラス基板は、前記導光板を構成し、前記反射型カラーフィルタは、前記導光板の一方の主面上に形成され、前記導光板は、前記反射型カラーフィルタが形成された面と対向する対向面に設けられた樹脂製の偏向部をさらに備え、前記偏向部は、前記導光板の側面から入射した光を前記一方の主面に向けて偏向することが好ましい。
前記構成によれば、液晶パネルの各サブピクセルの位置と、反射型カラーフィルタの各フィルタ領域の位置とが、熱膨張によりずれるのを抑制することができるだけでなく、反射型カラーフィルタを形成するための第2のガラス基板を導光板としても兼用できるので、薄型に構成できる。
前記液晶表示装置において、前記液晶パネルは、前記複数のサブピクセルと前記導光板との間に設けられた内側ガラス基板を備え、前記反射型カラーフィルタは、前記内側ガラス基板と前記導光板との間に設けられていることが好ましい。
前記構成によれば、反射型カラーフィルタを形成することのみを目的とするガラス基板を省略することができるので、コストの低減を図ることができる。
前記液晶表示装置において、前記液晶パネルは、前記複数のサブピクセルと前記導光板との間に設けられた内側ガラス基板を備え、前記反射型カラーフィルタは、前記内側ガラス基板と前記サブピクセルとの間に設けられていることが好ましい。
前記構成によれば、反射型カラーフィルタを形成することのみを目的とするガラス基板を省略することができる。さらに、前記構成によれば、反射型カラーフィルタと各サブピクセルとを近接させることができるので、波長分離した光をより効率よく各サブピクセルに入射させることができる。
前記液晶表示装置において、前記液晶パネルは、前記複数のサブピクセルから出射される光を拡散するための拡散シートをさらに備えていることが好ましい。
前記構成によれば、高輝度で視野角が広い画像を表示できるので、斜め方向からみたコントラストの高い液晶表示装置を実現することができる。
前記液晶表示装置において、前記液晶パネルは、前記複数のサブピクセルから出射される光を拡散するためのテーパー状の微小導光体が形成された構造シートをさらに備えていることが好ましい。
前記構成によれば、輝度ムラが少なく視野角が広い画像を表示できるとともに、明所コントラストのよい液晶表示装置が実現できる。
前記液晶表示装置において、前記液晶パネルは、前記複数のサブピクセルから出射される光を拡散するための球状の微小導光体が形成された構造シートをさらに備えていることが好ましい。
前記構成によれば、輝度ムラが少なく視野角が広い画像を表示できるとともに、明所コントラストのよい液晶表示装置が実現できる。
前記液晶表示装置において、前記液晶パネルは、前記複数のサブピクセルを挟んで前記導光板と反対側に設けられた外側ガラス基板と、前記外側ガラス基板の前記サブピクセルとは反対側の表面に設けられた外側偏光板とを備え、前記外側ガラス基板と前記外側偏光板との厚みの和Lは、前記外側ガラス基板内の出射光の角度ばらつき角度φと、前記複数のサブピクセルの幅Pとの関数で決まる厚み以下であり、かつ、L<P/Tanφを満たすように構成されていることが好ましい。
前記構成によれば、前記各サブピクセルから出射された光を拡散させる構成において、各サブピクセルから出射される光の出射角にばらつきがある場合であっても、前記液晶パネルに表示される画像のボケを抑制することができる。
前記液晶表示装置において、前記液晶パネルは、前記複数のサブピクセルを挟んで前記導光板と反対側に設けられた外側ガラス基板を備え、前記外側ガラス基板の屈折率は、前記導光板の屈折率よりも大きいことが好ましい。
前記構成によれば、外側ガラス基板の屈折率が導光板の屈折率よりも大きくされているため、導光板からの光の出射角にばらつきがある場合であっても、外側ガラス基板からの光の出射角のばらつきを見かけ上小さくすることができ、画像のボケを抑制することができる。
本発明によれば、導光板に入射したレーザ光を液晶パネルの各画素に輝度ムラなく均一に入射させることができるので、消費電力が低く薄型の波長分離装置、面状照明装置及び液晶表示装置を簡単な構成で実現でき、有用である。
また、本発明によれば、量産性のある面状照明装置を実現することができるとともに、色再現性がよく高輝度で視野角が広い液晶表示装置を実現することができ、有用である。