JP2020134738A - 光学素子および画像表示装置 - Google Patents

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洋一 尾形
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Abstract

【課題】回折格子を用いても広い角度に光を照射することが可能な光学素子および画像表示装置を提供する。【解決手段】主面(11b)と、主面(11b)に対して垂直な複数の側面(11a,11c)と、主面(11b)に対向する裏面(11d)とを有する導光部(11)と、主面(11b)上に形成された回折格子部(12)を備え、裏面(11d)は主面(11b)に対して角度δΘだけ傾斜している光学素子(10)。【選択図】図1

Description

本発明は、光学素子および画像表示装置に関し、特に回折格子を用いた光学素子および画像表示装置に関する。
従来から、車両内に各種情報を表示する装置として、アイコンを点灯表示する計器盤が用いられている。また、表示する情報量の増加とともに、計器盤に画像表示装置を埋め込むことや、計器盤全体を画像表示装置で構成することも提案されている。
しかし、計器盤は車両のフロントガラスより下方に位置しているため、計器盤に表示された情報を運転者が視認するには、運転中に視線を下方に移動させる必要があるため好ましくない。そこで、フロントガラスに画像を投影して、運転者が車両の前方を視認したときに情報を読み取れるようにするヘッドアップディスプレイ(以下、HUD:Head Up Display)も提案されている(例えば、特許文献1を参照)。このようなHUDでは、フロントガラスの広い範囲に画像を投影するための光学装置が必要であり、光学装置の小型化および軽量化が望まれている。
一方で、小型の光学装置を用いて光を投影する画像表示装置としては、メガネ形状をしたヘッドマウント型のHUDが知られている(例えば、特許文献2を参照)。ヘッドマウント型のHUDでは、光源から照射された光を視認者の眼に直接照射して、視認者の網膜に画像を投影している。
図9は、従来技術のヘッドマウント型HUDに用いられる光学素子の構造を示す模式図である。ヘッドマウント型HUD内には、導波路部1と、回折格子部2と、反射膜3a,3bとを備えた光学素子が収容されている。導波路部1には、傾斜端面1aと裏面1bと表面1cが形成されており、内部に回折格子部2が設けられている。また、裏面1bと表面1cには反射膜3a,3bが形成されている。回折格子部2は、導波路部1とは屈折率が異なる材料で構成され、所定間隔で凹凸が形成されたブレーズドグレーティングである。
図9に示したように、光源部(図示省略)から照射された入射光Linは、導波路部1に入射した後に傾斜端面1aで反射される。傾斜端面1aで反射された入射光Linは導波路部1内を進み、裏面1bと表面1cの反射膜3a,3bで繰り返し反射されて回折格子部2に到達する。回折格子部2に到達した光は、回折格子部2の回折条件によって決まる方向に出射光Loutとして照射される。ここで、回折格子部2の回折条件は、光の波長と回折格子部2のピッチ、導波路部1と回折格子部2の屈折率差、回折格子部2に光が到達する角度などによって決定される。
特開2018−118669号公報 特表2018−528446号公報
上述したように、ヘッドマウント型HUDに用いられる光学素子では、光の出射方向が回折格子部2の回折条件によって決まるため、出射光Loutの拡がり角度は小さくなる。このように拡がり角度の小さい出射光Loutは、網膜のような小さい領域への画像投影には適しているが、車両用HUDのように広い領域に対して光を拡大して画像投影することは困難であった。
そこで本発明は、上記従来の問題点に鑑みなされたものであり、回折格子を用いても広い角度に光を照射することが可能な光学素子および画像表示装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の光学素子は、主面と、前記主面に対して垂直な複数の側面と、前記主面に対向する裏面とを有する導光部と、前記主面上に形成された回折格子部を備え、前記裏面は、前記主面に対して角度δΘだけ傾斜していることを特徴とする。
このような本発明の光学素子では、主面に対して裏面が角度δΘだけ傾斜しているため、主面と側面と裏面で繰り返し反射された光の経路が変化し、回折格子部に到達する光の位置と入射角度が異なるものとなる。これにより、回折格子部から複数の角度方向に対して光が取り出され、広い角度に光を照射することが可能となる。
また、本発明の一態様では、前記複数の側面は、少なくとも第1側面と、前記第1側面に対して角度δθだけ傾斜して対向する対向側面を有する。
また、本発明の一態様では、前記側面および裏面には、反射膜が形成されている。
また、本発明の一態様では、前記側面に形成された前記反射膜の一つには、入射開口部が形成されている。
また、本発明の一態様では、前記入射開口部を覆うようにプリズムが配置され、前記プリズムと前記反射膜との間には間隙が設けられている。
また、本発明の一態様では、前記回折格子部は、前記導光部とは屈折率が異なる誘電体で構成されている。
また、本発明の画像表示装置は、上記何れか一つに記載の光学素子と、前記光学素子に対して光を照射する光源部を備え、前記側面の一つを介して前記主面に対して、前記光源部から光を照射することを特徴とする。
本発明では、回折格子を用いても広い角度に光を照射することが可能な光学素子および画像表示装置を提供することができる。
第1実施形態における光学素子10の構造と光路を示す模式図である。 回折格子部12に垂直に入射した光のシミュレーション結果を示す図であり、図2(a)は出射光の電場分布を示し、図2(b)は回折格子部12内外での光の電場分布を示している。 回折格子部12に垂直に入射した光のシミュレーション結果を示す図であり、図3(a)は回折格子部12内での電場の虚部を示し、図3(b)は回折格子部12内外での電場を示している。 回折格子部12に斜めに入射した光のシミュレーション結果を示す図であり、図4(a)は出射光の電場分布を示し、図4(b)は回折格子部12内外での光の電場分布を示している。 回折格子部12に斜めに入射した光のシミュレーション結果を示す図であり、図5(a)は回折格子部12内での電場の虚部を示し、図5(b)は回折格子部12内外での電場を示している。 回折格子部12内での電場の角度依存性を示すグラフである。 第2実施形態における光学素子20の構造を示す模式図である。 光学素子20の光路を示す模式図であり、図8(a)は側面方向から見た図であり、図8(b)は上面から見た図である。 従来技術のヘッドマウント型HUDに用いられる光学素子の構造を示す模式図である。
(第1実施形態)
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。各図面に示される同一または同等の構成要素、部材、処理には、同一の符号を付すものとし、適宜重複した説明は省略する。図1は、本実施形態における光学素子10の構造と光路を示す模式図である。図1に示すように光学素子10は、導光部11と、回折格子部12と、反射膜13と、プリズム14と、間隙15を備えている。なお図1は、光学素子10の構造を模式的に示したものであり、図中の寸法や角度は光学素子10における実寸を示すものではない。
導光部11は、光を透過する材料で構成された略板状の部分であり、側面11aと、主面11bと、側面11cと、裏面11dを備えている。導光部11のサイズは限定されないが、例えば幅d=10mm、厚さt=2mm程度の大きさが挙げられる。導光部11を構成する材料は限定されないが、例えばSiOを主成分とする屈折率1.5程度のガラスを用いることが好ましい。
側面11aは、光学素子10の外部に配置された光源からの光が入射する平坦面であり、主面11bに対して略垂直に形成されている。主面11bは、表面に回折格子部12が形成される平坦面であり、裏面11dに対向している。側面11cは、側面11aに対向する平坦面であり、主面11bに対して略垂直に形成されている。裏面11dは、主面11bに対向する平坦面であり、主面11bに対して角度δΘだけ傾斜して形成されている。角度δΘの範囲は1度以上5度以下が好ましい。図1では光の入射面である側面11a側が厚くなるように裏面11dが傾斜した例を示しているが、側面11c側が厚くなるように裏面11dが傾斜するとしてもよい。
回折格子部12は、主面11b上に形成された略板状の部分であり、導光部11とは屈折率が異なる材料で構成されている。回折格子部12の表面には、複数の凸部12aと凹部12bが周期的に形成されており、回折格子を構成している。図1では図示を省略しているが、回折格子部12の凸部12aと凹部12bは、それぞれ紙面の奥行方向にストライプ状に延伸して形成されている。
回折格子部12を構成する材料は限定されないが、導光部11との屈折率差が大きな材料を用いることが好ましく、例えばTiOを主成分とする屈折率2.5程度の誘電体を用いることが好ましい。回折格子部12のサイズは特に限定されないが、面内方向にも光を導波できる厚さを有することが好ましい。回折格子部12は公知の方法で形成することができ、例えばナノインプリント技術、EBL(Electron Beam Lithography)技術等を用いることができる。
反射膜13は、側面11a,11cと裏面11dを覆うように形成された反射率の高い膜である。反射膜13には、側面11aの一部に入射開口部13aが形成されており、入射開口部13aを介して導光部11に対して光を入射可能とされている。反射膜13を構成する材料は限定されないが、銀等の高反射率金属を蒸着して形成することが好ましい。
プリズム14は、側面11aの近傍に配置され断面三角形状の光学要素であり、反射膜13に形成された入射開口部13aを覆うように配置されている。また、反射膜13とプリズム14との間には間隙15が設けられており、反射膜13とプリズム14との間に空気層が介在している。プリズム14を構成する材料は限定されないが、光源からの光を効率よく導光部11に入射させるためには、プリズム14と導光部11の屈折率を同程度にすることが好ましく、導光部11と同じ材料を用いることが好ましい。
間隙15は、側面11aに形成された反射膜13とプリズム14との間に設けられた空間である。間隙15の幅は、光の波長程度であることが好ましい。図1に示した例では間隙15に空気層が介在しているが、プリズム14と導光部11との光結合効率を向上させるために、導光部11と屈折率が近い透明な接触液を間隙15に充填するとしてもよい。また、図1では反射膜13と間隙15を空けてプリズム14を配置した例を示したが、間隙15を設けず両者を接触させるとしてもよい。また、光学散乱の影響による光結合効率の低下が許容範囲である場合には、プリズム14を用いずに入射開口部13aから導光部11に光を直接入射させるとしてもよい。
次に、図1を用いて光学素子10における光路について説明する。図示しない光源からは、光学素子10に向けてレーザ光が照射される。ここでレーザ光は位相が揃ったコヒーレントな光であり、コリメートレンズ等によってコリメート光として照射される。コリメート光はプリズム14の一面に入射し、プリズム14内部を透過して間隙15側の面から間隙15に抜ける。ここでコリメート光はプリズム14に対して略垂直に入射される。
プリズム14を通過したコリメート光は、間隙15および入射開口部13aを介して導光部11の側面11aに対して斜めに入射する。ここで、間隙15の幅を波長と同程度とすることで、プリズム14と間隙15の界面や間隙15と導光部11の界面での光反射を低減して、コリメート光を高効率で導光部11内に取り込むことができる。
側面11aから入射したコリメート光は、導光部11内部を進行する入射光L1として回折格子部12に入射角Φで入射する。導光部11と回折格子部12の界面では、入射光L1の一部は回折格子部12内に入射し、一部が反射光として導光部11内に反射される。入射光L1のうち回折格子部12内を進行する光は、導光部11と回折格子部12の屈折率に応じて進行角度が変化し、凸部12aと凹部12bによる回折条件を満たす出射角度θd1方向に出射光LO1として出射される。また、回折格子部12内に取り込まれた光は、屈折率と入射角Φを適切に選択することで空気との界面での漏れ全反射の条件を満たすことができ、回折格子部12内で繰り返し反射されて回折格子部12内を伝搬する。
入射光L1のうち導光部11と回折格子部12の界面で反射された光は、導光部11内を進行して側面11c、裏面11dおよび側面11aで反射されて再び主面11bに到達し、再入射光L2として回折格子部12に入射する。ここで、裏面11dは主面11bに対して角度δΘだけ傾斜しているため、側面11aに到達する光の反射位置は入射開口部13aとは異なるものとなる。また、側面11aで反射されて主面11bに進行する再入射光L2は、入射光L1とはδΘだけ進行角度が異なり非平行である。したがって、再入射光L2が回折格子部12に入射する位置と角度は入射光L1とは異なるものとなる。
導光部11と回折格子部12の界面に入射した再入射光L2も、入射光L1と同様に一部は回折格子部12内に入射し、一部が反射光として導光部11内に反射される。また、回折格子部12内部を進行する再入射光L2は、回折条件を満たす出射角度θd2方向に出射光LO2として出射される。このとき、再入射光L2が回折格子部12に入射する際の入射角は入射光L1とはδΘだけ異なっているため、回折条件は入射光L1と再入射光L2で異なっており、出射角度θd1とθd2は異なるものとなる。
以下同様に、再入射光L2のうち導光部11と回折格子部12の界面で反射された光は、導光部11内を進行して再び側面11c、裏面11dおよび側面11aで反射される。このように、コリメート光は導光部11内で繰り返し反射されて主面11bに到達するが、裏面11dで反射された回数に応じて主面11bへの入射角と位置が異なるものとなる。これにより、繰り返し反射で回折格子部12に取り込まれた光の回折条件は、裏面11dで反射された回数に応じて異なるものとなり、出射角度もそれぞれ異なるものとなる。
以上に述べたように、導光部11に斜めに入射した光は、傾斜した裏面11dでの反射によって回折条件が変化し、回折格子部12の表面から複数の出射角度で取り出されるため、光学素子10から広い角度に光を照射することが可能となる。また、光学素子10に対してコリメート光を照射する光源部と、光学素子10から照射された光を投影するスクリーン等を備えることで、投影距離に応じて画像を拡大できる画像表示装置を構成できる。ここでスクリーンとしては、非透過型の白色スクリーンや透過型のガラスでもよく、例えば車両のフロントガラスを用いることができる。
図2〜図4は、導光部11から回折格子部12への光の進行と取出しについて、シミュレーションをした結果を示す図である。シミュレーションにはFDTD(Finite Difference Time Domain)法を用い、シミュレーション条件としては導光部11の屈折率を1.54とし、回折格子部12の屈折率を2.52とし、空気の屈折率を1.00とした。また、凸部12aと凹部12bのピッチは696nmとし、凸部12aの幅を230nmとし、凸部12aの高さを210nmとし、導光部11の主面11bから凸部12aの上面までの厚さを788nmとした。また、入射光L1を直径2μmのコヒーレント光とし、波長を852nmとした。
図2は、回折格子部12に垂直に入射した光のシミュレーション結果を示す図であり、図2(a)は出射光の電場分布を示し、図2(b)は回折格子部12内外での光の電場分布を示している。図3は、回折格子部12に垂直に入射した光のシミュレーション結果を示す図であり、図3(a)は回折格子部12内での電場の虚部を示し、図3(b)は回折格子部12内外での電場を示している。図2(b)および図3(b)では、凸部12aと凹部12bの形状を白線の凹凸で示しており、入射光L1の入射位置と角度を白抜きの矢印で示している。入射光L1の入射位置はx=0で、入射角度は0度である。
図2(a)に示したグラフは、回折格子部12外であるz=1.59μm位置での回折光強度を示しており、0次光、1次光、2次光が出射することがわかる。
図3(a)に示したグラフは、回折格子部12内であるz=0.70μm位置での電場の虚部を示しており、図中の太い破線は入射したコリメート光の直径を示している。図2および図3に示したように、回折格子部12に垂直に入射した光では、透過光が出射するだけであり、回折格子部12の面内方向への光の拡がりがほとんどないことがわかる。
図4は、回折格子部12に斜めに入射した光のシミュレーション結果を示す図であり、図4(a)は出射光の電場分布を示し、図4(b)は回折格子部12内外での光の電場分布を示している。
図5は、回折格子部12に斜めに入射した光のシミュレーション結果を示す図であり、図5(a)は回折格子部12内での電場の虚部を示し、図5(b)は回折格子部12内外での電場を示している。図4(b)および図5(b)では、凸部12aと凹部12bの形状を白線の凹凸で示しており、入射光L1の入射位置と角度を白抜きの矢印で示している。入射光L1の入射位置はx=0で、入射角度は−62.3度である。
図4(a)に示したグラフは、回折格子部12外であるz=1.59μm位置での回折光強度を示しており、0次光、1次光、2次光の他にも複数の光が出射することがわかる。
図5(a)に示したグラフは、回折格子部12内であるz=0.70μm位置での電場の虚部を示しており、図中の太い破線はコリメート光の直径を示している。図4および図5に示したように、回折格子部12に斜めに入射した光では、コリメート光の直径よりも広い範囲に回折格子部12の面内方向に光が分布し、回折格子部12において光を出射できる領域も拡がっていることがわかる。
したがって、回折格子部12に斜めに入射した光は、入射光L1の直径よりも広い範囲から外部に出射され、かつ上述したように繰り返し反射によって出射光の拡がり角度が大きくなるため、光学素子10からより広い範囲に光を照射することが可能となる。
図6は、回折格子部12内での電場の角度依存性を示すグラフである。図6に示すようにコリメート光の入射角によって回折格子部12の面内方向における広がりが異なっている。したがって、回折格子部12への入射角を調整することで、光学素子10における光出射の領域を制御して、所望の配光分布を設計することができる。
上述したように、本実施形態の光学素子10では、主面11bに対して裏面11dが角度δΘだけ傾斜しているため、主面11bと側面11a,11cと裏面11dで繰り返し反射された光の経路が変化し、回折格子部12に到達する光の位置と入射角度が異なるものとなる。これにより、回折格子部12から複数の角度方向に対して光が取り出され、広い角度に光を照射することが可能となる。
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態について説明する。第1実施形態と重複する内容は説明を省略する。
図7は、本実施形態における光学素子20の構造を示す模式図である。図7に示すように光学素子20は、導光部21と、回折格子部22を備えている。回折格子部22の上面には、凸部22aと凹部22bが周期的に形成されている。図7では反射膜13およびプリズム14の図示を省略しているが、第1実施形態と同様に反射膜13およびプリズム14を備えるとしてもよい。
凸部22aと凹部22bは、それぞれ直線状に延伸して形成されているが、導光部21の何れの側面に対しても平行ではなく、光学素子20に入射される光に対して略垂直となるように形成されている。また、導光部21は、直方体から一つの側面と底面が削られた形状をなしており、主面と底面は非平行であり、一対の対向する側面も非平行とされている。
図8は、光学素子20の光路を示す模式図であり、図8(a)は側面方向から見た図であり、図8(b)は上面から見た図である。図8(a)(b)に示すように、導光部21は側面21aと、主面21bと、側面21c1,21c2と、裏面21dを備えている。
側面21aは、光学素子10の外部に配置された光源からの光が入射する平坦面であり、主面21bに対して略垂直に形成されている。主面21bは、表面に回折格子部12が形成される平坦面であり、裏面21dに対向している。側面21c1は、側面21aに直交する平坦面であり、主面21bに対して略垂直に形成されている。裏面21dは、主面21bに対向する平坦面であり、主面21bに対して角度δΘだけ傾斜して形成されている。角度δΘの範囲は1度以上5度以下が好ましい。側面21c2は、側面21c1に対向する平坦面であり、側面21c1に対して角度δθだけ傾斜して形成されている。側面21c1は本発明における第1側面に相当し、側面21c2は本発明における対向側面に相当している。ここで、側面21c1および側面21c2は第1実施形態と同様に反射膜が形成されているが、図8では図示を省略している。
次に、図8を用いて光学素子20における光路について説明する。図示しない光源からは、光学素子20に向けてコリメート光が照射される。コリメート光は側面21aにプリズム14を介して入射し、導光部21内部を進行する入射光L1として点P1で回折格子部22に入射角Φで入射する。入射光L1の一部は回折格子部22内を伝搬し、図1での説明と同様に回折条件を満たす出射角度θd1方向に出射光LO1として出射される。
入射光L1のうち導光部21と回折格子部22の界面で反射された光は、導光部21内を進行して側面21c1、裏面21dおよび側面21c2で反射されて再び主面21bに到達し、再入射光L2として点P2で回折格子部22に入射する。再入射光L2の一部は、回折格子部22内を伝搬し、回折条件を満たす出射角度θd2方向に出射光LO2として出射される。以下、同様に導光部21内での繰り返し反射と、回折格子部22内での伝搬および光出射が生じ、点P3からは出射角度θd3方向に出射光LO3が出射される。
ここで、裏面21dは主面21bに対して角度δΘだけ傾斜し、側面21c2は側面21c2に対して角度δθだけ傾斜しているため、入射光L1、再入射光L2および再々入射光L3が回折格子部22に入射する位置と角度はそれぞれ異なっている。これにより、点P1,P2,P3での回折条件はそれぞれ異なるものとなり、出射光LO1,LO2,LO3の出射角度θd1,θd2,θd3は異なるものとなる。
以上に述べたように、導光部21に斜めに入射した光は、傾斜した裏面21dと側面21c2での反射によって回折条件が変化し、回折格子部22の表面から複数の出射角度で取り出されるため、光学素子20から広い角度に光を射出することが可能となる。回折格子部22内での面内方向への光の拡がりと、出射光の取出し範囲の拡大についても、第1実施形態と同様である。
また図8(a)(b)に示したように光学素子20では、側面21c2が側面21c1に対して傾斜しているため、導光部21内での入射光L1、再入射光L2および再々入射光L3は三次元的な螺旋状に進行する。したがって、回折格子部22の面内方向において、点P1,P2,P3の互いの間隔を広くすることができ、入射光L1、再入射光L2および再々入射光L3の回折格子部22内での干渉を抑制することができる。
以上に述べたように、本実施形態の光学素子20でも、主面21bに対して裏面21dが角度δΘだけ傾斜し、側面21c1に対して側面21c2が角度δθだけ傾斜しているため、主面21bと側面21c1,21c2と裏面21dで繰り返し反射された光の経路が変化し、回折格子部22に到達する光の位置と入射角度が異なるものとなる。これにより、回折格子部22から複数の角度方向に対して光が取り出され、広い角度に光を照射することが可能となる。
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
10,20…光学素子
11,21…導光部
11a,11c、21a,21c1,21c2…側面
11b,21b…主面
11d,21d…裏面
12,22…回折格子部
12a,22a…凸部
12b,22b…凹部
13…反射膜
13a…入射開口部
14…プリズム
15…間隙
L1…入射光
L2…再入射光
L3…再々入射光
LO1,LO2,LO3…出射光

Claims (7)

  1. 主面と、前記主面に対して垂直な複数の側面と、前記主面に対向する裏面とを有する導光部と、
    前記主面上に形成された回折格子部を備え、
    前記裏面は、前記主面に対して角度δΘだけ傾斜していることを特徴とする光学素子。
  2. 請求項1に記載の光学素子であって、
    前記複数の側面は、少なくとも第1側面と、前記第1側面に対して角度δθだけ傾斜して対向する対向側面を有することを特徴とする光学素子。
  3. 請求項1または2に記載の光学素子であって、
    前記側面および裏面には、反射膜が形成されていることを特徴とする光学素子。
  4. 請求項3に記載の光学素子であって、
    前記側面に形成された前記反射膜の一つには、入射開口部が形成されていることを特徴とする光学素子。
  5. 請求項4に記載の光学素子であって、
    前記入射開口部を覆うようにプリズムが配置され、
    前記プリズムと前記反射膜との間には間隙が設けられていることを特徴とする光学素子。
  6. 請求項1から5の何れか一つに記載の光学素子であって、
    前記回折格子部は、前記導光部とは屈折率が異なる誘電体で構成されていることを特徴とする光学素子。
  7. 請求項1から6の何れか一つに記載の光学素子と、
    前記光学素子に対して光を照射する光源部を備え、
    前記側面の一つを介して前記主面に対して、前記光源部から光を照射することを特徴とする画像表示装置。
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