JP6565496B2 - 導光装置及び虚像表示装置 - Google Patents

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本発明は、頭部に装着して使用するヘッドマウントディスプレイ等に用いられる導光装置及びこれを組み込んだ虚像表示装置に関する。
近年、ヘッドマウントディスプレイのように虚像の形成及び観察を可能にする虚像表示装置として、導光板によって表示素子からの映像光を観察者の瞳に導くとともに導光板越しに外界像の観察を可能にするものが種々提案されている。
例えば、出力用の回折格子を有する第1の板状導波路と、入出力用の一対の回折格子を有する第2の板状導波路と、第1の板状導波路の一端に像光を供給する像供給光源装置とを備える投影表示装置が公知となっている(特許文献1参照)。この投影表示装置では、像供給光源装置からコリメートされた像光が第1の板状導波路内に入射して導波路内で水平方向の射出瞳が拡大され、第1の板状導波路からの出力が第2の板状導波路に入射して導波路内で垂直方向の射出瞳が拡大される。また、この投影表示装置では、第1の板状導波路や第2の板状導波路に3色用の3層のチャンネルを設けることで、カラー表示も可能になっている。
上記特許文献1に記載の手法により、導光板を薄くできる利点はあるが、回折格子すなわち回折素子を用いているので、像光の画角に依存して波長選択性(波長に対する回折効率)のピークがシフトして、画面内の位置に依存する色斑が発生してしまう。
米国特許第8,965,152号明細書
本発明は、色斑の発生を抑えた導光装置及びこれを組み込んだ虚像表示装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明に係る導光装置は、映像光を入射させる入射部と、入射部を介して映像光を導く導光部と、導光部からの映像光を眼の位置(具体的には、眼の配置が予定されている位置)に射出する射出部とを備え、眼前を覆う所定平面に沿った第1方向に関して瞳サイズを拡大し、所定平面に沿って第1方向と交差する第2方向に関して回折光学素子によって瞳サイズを拡大する。なお、第1方向に関しては、具体的には、例えば光線の分割を伴う非連続型の光線処理によって瞳サイズを拡大する。
上記導光装置によれば、第1方向に関して瞳サイズを拡大するとともに第2方向に関して回折光学素子によって瞳サイズを拡大するので、回折光学素子のみで瞳サイズを拡大する場合よりも色斑を低減でき、比較的高輝度での表示が可能になる。なお、第2方向に関しては、回折光学素子によって光学系の厚み等のサイズを小さく抑えることができるので、導光装置を薄型化又は小型化することができる。また、第1方向に関しては、回折光学素子を用いないので第2方向の程度には及ばないとしても、瞳サイズの拡大によって光学系を厚み等のサイズを小さくすることができる。
本発明の具体的な側面では、上記導光装置において、入射部、導光部、及び射出部は、実効的なパワーがゼロの光学要素で構成される。この場合、映像光源側で虚像が形成されることを前提として、導光装置では、映像光を導波させつつも映像光の相対的な角度関係が保持され虚像が維持される。
本発明の別の側面では、入射部には、コリメートされた映像光を入射させる。つまり、映像光は、無限遠の虚像に相当するものとなっている。
本発明のさらに別の側面では、導光部は、入射部側の第1部分と、射出部側の第2部分とを有し、入射部及び第1部分によって、第1方向に関して幾何光学的に瞳サイズを拡大し、第2部分及び射出部によって、第2方向に関して回折を利用して瞳サイズを拡大する。この場合、射出側で回折を利用した瞳サイズの拡大を行うので、眼前に配置される射出部や第2部分といった導光装置の射出側の部品をより薄型化でき、スマートな外観を達成しやすくなる。
本発明のさらに別の側面では、第1部分は、第1方向に延びる導波路状の部材であり、互いに平行で映像光を第2部分に向けるように傾斜している複数のミラーを有する。この場合、第1部分で映像光を導波させつつミラーで映像光を分割することができ、第1方向に関して映像光の射出幅を広げて第2部分に入射させることができる。
本発明のさらに別の側面では、第2部分及び射出部は、回折光学素子を複数組み込んだ導光部材である。複数の回折光学素子を利用して導光部材への映像光の取り込みと導光部材からの映像光の取り出しとを行うことができる。
本発明のさらに別の側面では、導光部材は、導光板と、導光板の入射側に設けられて映像光を射出側に送り込む回折光学素子に相当する第1ホログラム素子と、導光板の射出側に設けられて映像光を眼側に送り出す回折光学素子に相当する第2ホログラム素子とを有する。この場合、映像光を導光板に取り込んだり取り出したりするためにホログラム素子を用いており、高輝度かつ高精度のカラー画像の形成が容易になる。
本発明のさらに別の側面では、第2部分は、眼を覆うように配置され、第1部分は、第2部に対して眼のある側に配置される。この場合、入射側の第1部分を射出側の第2部分の背後に目立たないように配置することが容易になる。
本発明のさらに別の側面では、第2部分は、眼を覆うように配置され、第1部分は、第2部分を挟んで眼の反対側に配置される。この場合、入射側の第1部分が顔面と干渉することが無くなるので、光学的な設計が容易になる。
本発明のさらに別の側面では、第1部分は、眼の上方に配置され、第2部分は、眼の正面に配置される。この場合、入射側の第1部分が上方に配置されるので、入射部に映像光を供給する映像素子等を目尻上方のゆとりが確保された空間に配置できる。さらに外観的には、導光部の第1部分がフレーム的に作用し、導光部の第2部分がめがねレンズ的に作用し、導光装置として眼鏡状の外観を達成しやすくなる。
本発明のさらに別の側面では、虚像の画面の第1方向に関するサイズは、第2方向に関するサイズよりも大きい。このように、回折光学素子によらないで瞳サイズを拡大する第1方向に関する虚像の画面サイズを相対的に大きくすることにより、サイズが大きな第1方向に関して色斑を低減でき、画面全体として色斑が目立たないようにできる。
本発明のさらに別の側面では、第1方向は、装着時の水平方向に対応する。装着時の水平方向は、眼の並ぶ横方向に相当するものであり、比較的視野が広く、画面上で色斑が目立たないことが好ましい。
本発明のさらに別の側面では、射出部の光学系は、射出側の光軸に対して略直交するように配置される。この場合、導光部や射出部の光学設計が容易になる。
本発明のさらに別の側面では、射出部の光学系は、射出側の光軸に対して傾けて配置される。この場合、導光部や射出部の配置を顔面に沿って配置することができ、スマートな外観を達成しやすくなる。
本発明のさらに別の側面では、導光部は、入射部側の第1部分と、射出部側の第2部分とを有し、入射部及び第1部分によって、第1方向に関して回折を利用して瞳サイズを拡大し、第2部分及び射出部によって、第2方向に関して幾何光学的に瞳サイズを拡大する。
本発明のさらに別の側面では、回折光学素子は、反射型のホログラム素子又は透過型のホログラム素子である。反射型のホログラム素子は、映像光を導光部に導入する際に、映像光の入射方向に対し反射方向に回折し導光部に導入する場合に用いられ、透過型のホログラム素子は、映像光を導光部に導入する際に、映像光の入射方向に対し透過方向に回折し導光部に導く場合に用いられる。
上記目的を達成するため、本発明に係る虚像表示装置は、映像光を生じさせる映像素子と、映像光をコリメートする投射レンズと、上述した導光装置とを備える。
上記虚像表示装置によれば、上述した導光装置を用いることにより、観察される映像の色斑を防止し、映像を比較的高輝度にすることができる。
(A)は、第1実施形態に係る虚像表示装置を示す背面図であり、(B)は、虚像表示装置の片側を概念的に説明する断面図であり、(C)は、虚像表示装置の片側を概念的に説明する側面図である。 (A)は、虚像の画面の一例を説明する図であり、(B)及び(C)は、液晶デバイスの表示エリアの一例を説明する図である。 第1導光部材又は第1部分を経ての結像を説明する図である。 (A)及び(B)は、第2導光部材を経ての結像を説明する図であり、特に(A)は、第1ホログラム素子周辺の部分拡大図であり、(B)は、第1ホログラム素子や第2ホログラム素子の機能を説明する図である。 虚像表示装置の動作を概念的に説明する斜視図である。 (A)及び(B)は、第1導光部材等による瞳サイズの拡大を概念的に説明する図である。 第2導光部材等による瞳サイズの拡大を概念的に説明する図である。 (A)〜(C)は、色斑の発生及び抑制を説明する図である。 第2実施形態に係る導光装置を説明する側面図である。 第3実施形態に係る導光装置を説明する側面図である。 第4実施形態に係る導光装置を説明する平面断面図である。 第5実施形態に係る導光装置を説明する平面断面図である。 第6実施形態に係る導光装置を説明する斜視図である。
〔第1実施形態〕
以下、本発明の第1実施形態に係る導光装置を組み込んだ虚像表示装置について説明する。
図1(A)に示す虚像表示装置100は、ヘッドマウントディスプレイに適用されるものであり、画像形成装置10と、導光装置20とを一組として備える。なお、図1(B)は、図1(A)に示す虚像表示装置100のA−A断面に対応する。
虚像表示装置100は、観察者に虚像としてのカラー映像を認識させるとともに、観察者に外界像をシースルーで観察させるものである。虚像表示装置100において、画像形成装置10と導光装置20とは、通常観察者の右眼及び左眼に対応して一組ずつ設けられるが、右眼用と左眼用とでは左右対称であるので、ここでは右眼用のみを示し、左眼用については図示を省略している。
なお、虚像表示装置100は、全体としては、例えば一般の眼鏡のような外観(不図示)を有するものとなっており、画像形成装置10や導光装置20を支持するリム部分38やテンプル部分39を備えている。
画像形成装置10は、映像素子である液晶デバイス11と、結像用の投射レンズ12とを備える。液晶デバイス(映像素子)11は、不図示の光源からの照明光を空間的に変調して、動画像その他の表示対象となるべき映像光GLを形成する。投射レンズ12は、液晶デバイス11上の各点から射出された映像光GLを平行光線とするコリメートレンズである。なお、投射レンズ12は、ガラス又はプラスチックで形成され、1枚に限らず複数枚の構成とすることができる。投射レンズ12は、球面レンズに限らず、非球面レンズ、非軸対称曲面を含む自由曲面レンズ等とすることができる。
導光装置20は、画像形成装置10で形成された虚像に対応する映像光GLを観察者の眼EYに向けて射出するとともに、外界像に対応する外界光OLを実質的にそのまま透過させる。導光装置20は、構造的には、第1方向である装着時の水平方向又は眼EYの並ぶ横方向に関して瞳サイズを拡大する光学部材である第1導光部材31と、第1方向と直交するように交差する第2方向である縦方向に関して瞳サイズを拡大する光学部材である第2導光部材32とで構成される。本実施形態の場合、第1導光部材(第1光学部材)31は、観察者の眼EYの上方位置であって眉の正面方向に配置され、第2導光部材(第2光学部材)32は、眼EYの正面方向に眼EYを覆うように配置されている。ここで、第1導光部材31は、内側にあって、第2導光部材32に対して眼EYのある側に配置される。第1導光部材31と第2導光部材32とは、互いに固定され或いはリム部分38等を介して間接的に固定されている。
導光装置20は、機能的には、映像光を取り込む入射部21と、導光及び瞳拡大のための導光部22と、映像光を取り出すための射出部23とを備える。入射部21、導光部22、及び射出部23は、それぞれがパワーを有しない光学要素のみで構成されている。入射部21は、第1導光部材31において、観察者の眉尻の正面方向に設けられ、射出部23は、第2導光部材32において、眼EYの正面方向に眼EYを覆うように配置されている。
なお、第1導光部材31は、入射部21と第1部分31aとからなり、入射部21と第1部分31aとは、部分的に共通している。また、第2導光部材32は、第2部分32aと射出部23とからなり、第2部分32aと射出部23とは、部分的に共通している。第1導光部材31の第1部分31aと、第2導光部材32の第2部分32aとによって、入射部21と射出部23との間に延在する導光部22が構成される。ここで、第1部分31aは、眼EYの上方に配置され、第2部分32aは、眼EYを覆うように眼EYの正面に配置される。また、第1部分31aは、第2部分32aに対して眼EYのある側に配置されている。つまり、入射側の第1部分31aは、射出側の第2部分32aの背後に目立たないように配置されている。
以上の導光装置20の場合、第1導光部材31によって、つまり入射部21及び第1部分31aによって、横の第1方向に関して虚像を伝達しつつ幾何光学的に瞳サイズの拡大を行い、第2導光部材32によって、つまり第2部分32a及び射出部23によって、縦の第2方向に関して虚像を伝達しつつ回折を利用した瞳サイズの拡大を行う。
ここで、図2(A)に示すように、観察者に観察される虚像の画面PW(つまり投影範囲PR)の第1方向(具体的にはx方向)に関するサイズは、画面PWの第2方向(具体的にはy方向)に関するサイズよりも大きい。これにより、理由は後述するが、サイズが大きな第1方向に関して画面PWの色斑を低減でき、画面PW全体として色斑が目立たないようにすることができる。なお、投射レンズ12によって形成される虚像は、眼EYの並ぶ横の第1方向と、眼EYの並びに直交する縦の第2方向とで、結像倍率が異なっていてもよい。つまり、図2(B)に示すように、液晶デバイス11の表示エリアIAは、図2(A)に示す虚像の画面PWの縦横のアスペクト比と一致させることもできるが、図2(C)に示すように、液晶デバイス11の表示エリアIAは、図2(A)に示す虚像の画面PWの縦横のアスペクト比と相違させること(例えば相対的に横長とすること)もできる。
図1(B)等に戻って、第1導光部材31は、入射部21としてのプリズム部と、第1部分31aとしての角柱状の導光ロッドとを備える。第1導光部材31の前後方向(具体的には±z方向)の厚みは、第1部分31aの箇所において例えば5mm程度にできる。
入射部21は、パワー又は屈折力を有しない光学素子であり、平坦な平面である入射面ISと、同様に平坦な平面である反射面RSとを備える。入射面ISは、後述する第1面S1を延長した面となっている。反射面RSは、表面に金属膜等を形成した非透過性のミラーである。入射部21は、画像形成装置10から入射面ISを介して第1導光部材31に入射した映像光GLを、第1部分31a内に結合する役割を有する。
第1部分31aは、パワー又は屈折力を有しない平坦な平面である第1面S1と、第1面S1と平行に延びる平坦な平面である第2面S2とを有するとともに、映像光GLの伝搬角度を変更する角度変換部31dを有する。第1面S1及び第2面S2は、平面の表面を露出させた光学素子部分であり、所定以上の入射角を有する映像光GLを反射する全反射面である。つまり、第1部分31aにおいて、第1及び第2面S1,S2を含む四角角柱は、第1方向(具体的には−x方向)に延びる導波路状の部材であり、xz断面に関して映像光GLを全反射によって多重反射させつつ第1方向に映像光GLを伝搬させる。この際、映像光GLは、互いに平行な第1及び第2面S1,S2間で全反射されつつ伝搬されるので、角度情報が維持され、平行光線が平行光線のまま伝搬される。角度変換部31dは、半透過性を有する多数のミラー31fを互いに平行に配置した構造を有し、光線の向きを変更しつつ光線を分割する役割を有する。角度変換部31dを構成する多数のミラー31fは、映像光GLを第2部分32aに向けるようにそれぞれ傾斜している。つまり、各ミラー31fの法線は、y軸に対して直交し、x軸及びz軸に対して30°〜60°程度の所定の傾きを有する。角度変換部31dも、パワー又は屈折力を有しない光学素子となっている。角度変換部31dは、回折を実質的に生じさせないようになっている。なお、第2面S2の一部は、第1導光部材31又は第1部分31aを経た映像光GL、つまり角度変換部31dで進行方向が変更された映像光GLを、第2導光部材32又は第2部分32a側に射出する第1結合部C1となっている。
以上から明らかなように、第1導光部材31は、パワー又は屈折力を有しない光学素子のみで構成される。
なお、第1導光部材31を構成する角度変換部31dは、その他の入射部21等とは別に作製され、これらを接合によって一体化することができる。角度変換部31dは、例えば特開2013−210633号公報等に開示の方法によって作製される。第1導光部材31を構成する第1及び第2面S1,S2は、樹脂やガラスからなる本体を露出させたものに限らず、本体をハードコート層で被覆したものとできる。
図3は、第1導光部材31から射出される映像光GLについて説明する図である。なお、この図では、説明の便宜上第2導光部材32の作用を除外しており、映像光GLは、第1導光部材31を射出して本来の眼の反対側に直進している。
第1導光部材31の第1結合部C1を通過して第2導光部材32に入射する映像光GLのうち、図1(B)に示す画像形成装置10の液晶デバイス11の表示エリアIA(図2(A)参照)の各点から射出された映像光GLは、平行光線の状態で第1導光部材31から射出される。この際、眼EYの並ぶ横方向又は装着時の水平方向に対応するxz面内において、第1結合部C1から射出される映像光GLの第1結合部C1又は第2面S2に対する角度θは、表示エリアIA上の横方向D1(図1(A)参照)を反映したものとなっている。つまり、表示エリアIA上の横方向D1の位置が眼EYの等価位置(つまり観察用の瞳(又はアイリング)HI)に入射する映像光GLの光軸AXに対するxz面内での入射角度φに対応したものとなっており、横方向に関して虚像に対応する映像光GLが射出される。具体的には、図1(B)に示す液晶デバイス11の中央からの映像光GL0は、第1導光部材31(最終的には第2導光部材32)から、角度θ0=0で光軸AXに平行な状態で射出される。また、液晶デバイス11の図面右寄り(+x寄り)の位置からの映像光GL1は、第1導光部材31から、光軸AXに対して角度θ1をなす状態で射出される。液晶デバイス11の図面左寄り(−x寄り)の位置からの映像光GL2は、第1導光部材31から、光軸AXに対して角度θ2をなす状態で射出される。この際、多数の半透過性のミラー31fによって角度関係が保持されたままで、第1方向(具体的には±x方向)の光線幅が広がる。つまり、第1導光部材31を経て実効的な射出瞳の幅(瞳サイズ)が広がり、第1方向である眼EYの並ぶ横方向に関して虚像が観察される。この際、第1結合部C1から瞳HIまでの距離LEは、映像光GLの第2導光部材32での標準的な導光距離又は光路長を考慮したものとなっている。つまり、横方向に関して十分な瞳サイズが確保されて映像光GLが効率良く眼EY又は観察用の瞳HIに取り込まれる。
図1(A)〜1(C)に戻って、第2導光部材32は、射出側の光軸AX又はx軸に対して直交するように配置されて、xy面に平行に延びる。ここで、射出側の光軸AXは、虚像表示装置100又は導光装置20を装着した際の観察者の顔の正面方向に対応し、リム部分38の中央を通る対称軸に平行になっている。第2導光部材32は、全体の外観を形成する導光板41と、導光板41の入射側に設けられて映像光GLを射出側に送り込む回折光学素子に相当する第1ホログラム素子42と、導光板41の射出側に設けられて映像光GLを眼EY側に送り出す回折光学素子に相当する第2ホログラム素子43とを有する。第2導光部材32は、2mm程度の厚みに形成できる。
導光板41は、パワー又は屈折力を有しない光学素子であり、眼EYを覆うように眼EYの正面に配置される。導光板41は、高い光透過性を有する樹脂材料により成形された平行平板である。導光板41は、第1ホログラム素子42と協働して導光装置20の第2部分32aを構成する。導光板41は、眼EYのある内側に設けられた第1面S21と、眼EYの反対である外側に設けられた第2面S22とを有し、第1及び第2面S21,S22は、互いに平行である。第1及び第2面S21,S22は、平面である表面を露出させたものであり、所定以上の入射角を有する映像光GLを反射する全反射面であり、結像には特に寄与しない。第1導光部材31から導光板41に入射した映像光GLは、後述する第1ホログラム素子42を経て下方すなわち全体として−y方向に伝搬される。この際、映像光GLは、互いに平行な第1及び第2面S21,S22間で全反射されつつ伝搬されるので、角度情報が維持され、平行光線が平行光線のまま伝搬される。
なお、導光板41の第1面S21のうち上側の一部は、第1導光部材31の第1結合部C1から射出された映像光GLを第2導光部材32側に入射させる第2結合部C2となっている(図4(A)参照)。第1結合部C1と第2結合部C2とは完全に接しておらず、近接している。第1結合部C1の第2面S2と、第2結合部C2の第1面S21との間の隙間GAは、干渉縞を生じさせない程度、つまり1μm又は数μm程度以上確保することが望ましい。
第1ホログラム素子42は、パワー又は屈折力を有しない光学素子である。第1ホログラム素子42は、薄膜状又は薄板状の部材であり、導光板41の第2面S22に貼り合わせるように固定されている。第1ホログラム素子42は、立体的な干渉パターンが形成された反射型の体積ホログラムであり、光学素子として機能させることができる。第1ホログラム素子42は、例えば特開2011−248318号公報等に記載の方法によって製造することができる。なお、第1ホログラム素子42と導光板41とは、互いに隙間無く密着され或いは互いに接着されている。
第2ホログラム素子43は、パワー又は屈折力を有しない光学素子である。第2ホログラム素子43は、薄膜状又は薄板状の部材であり、導光板41の第2面S22に貼り合わせるように固定されている。第2ホログラム素子43は、第1ホログラム素子42と同様に立体的な干渉パターンが形成された反射型の体積ホログラムであり、光学素子として機能させることができる。なお、第2ホログラム素子43と導光板41とは、互いに隙間無く密着され或いは互いに接着されている。
図4(A)は、第1ホログラム素子42の周辺の部分拡大図であり、図4(B)は、第1ホログラム素子42や第2ホログラム素子43の機能を説明する図である。
第1ホログラム素子42は、縦方向に対応するyz面内において、傾斜ミラー142のように機能する。第1導光部材31から導光板41を経て第1ホログラム素子42に入射した映像光GLは、傾斜ミラー142の機能によって導光板41内での導光に適する角度に射出角εが設定された状態で反射されて導光板41内に戻される。この際、第1導光部材31から射出される映像光GLの第2結合部C2又は第1面S21に対する角度η(η0,η3,η4)は、液晶デバイス11に設けられた表示エリアIA上の縦方向D2(図1(C)参照)を反映したものとなっており、第1ホログラム素子42を経てもこれらの相対的な角度関係が維持される。
なお、以上において、説明を簡単にするため、第1面S21又は第2結合部C2での光線の屈折を無視している。ただし、光線の屈折を考慮しても映像光GLの相対的な角度関係が維持される点については影響がない。
導光板41は、映像光GLの進行方向の角度を維持しつつ、第2ホログラム素子43と協働して第2方向つまり眼EYの並ぶ横方向に直交する縦方向に関して光線束の幅つまり実効的な射出瞳の幅(瞳サイズ)を広げる役割を有する。
第2ホログラム素子43は、縦方向に対応するyz面内において、傾斜ミラー143のように機能する。第1ホログラム素子42から導光板41を経て第2ホログラム素子43に入射した映像光GLは、第2ホログラム素子43の傾斜ミラー143の機能によって導光板41からの射出に適する角度となるように反射されて導光板41外に取り出される。この際、第2ホログラム素子43は、映像光GLを構成する光線の相対的な角度関係を維持するものとなっており、第2導光部材32から射出される映像光GLの第1面S21に対する角度η(η0,η1,η2)は、図1(C)に示す液晶デバイス11に設けられた表示エリアIA上の縦方向D2(図1(C)参照)を反映したものとなっている。つまり、表示エリアIA上の縦方向D2の位置が瞳HIに入射する映像光GLの光軸AXに対するy方向での入射角度ζに対応したものとなって縦方向に関して虚像が形成される。具体的には、図1(C)に示す液晶デバイス11の中央からの映像光GL0は、第2導光部材32から、角度η0=0で光軸AXに平行な状態で射出される。また、液晶デバイス11の上下(+y側又は−y側)の位置からの映像光GL3,GL4は、第2導光部材32から光軸AXに対して角度η3,η4をなす状態で射出される。つまり、第2導光部材32により、第2方向である眼EYの並びに直交する縦方向に関して虚像が形成される。
なお、第2ホログラム素子43は、第1ホログラム素子42と対称性を持たせたものとなっており、映像光GLが取り出される角度の波長依存性(色分散)を相殺する関係となっている。
図5は、虚像表示装置100の動作を概念的に説明する図である。画像形成装置10で形成された映像光GLは、コリメートされた状態で入射部21に入射し、第1及び第2面S1,S2、角度変換部31d等を有する第1導光部材31の第1部分31aに導かれ、眼EYの並びに対応する第1方向である横方向に関して瞳サイズが拡大される(光L1参照)。この映像光GLは、直交する前方の−z方向に向きを変更されて第2導光部材32に入射する(光L2参照)。ホログラム素子42,43を有する第2導光部材32に入射した映像光GLは、眼EYの並びに直交する第2方向である縦方向(具体的には−y方向)に伝搬するとともに縦方向に関して瞳サイズが拡大される(光L3参照)。第2導光部材32の射出部23に達した映像光GLは、眼EYのあるz側に射出される(光L4参照)。この際、光L4で示される映像光GLは、横方向及び縦方向に関して十分な視野角を有する虚像となっており、観察者に液晶デバイス11に形成された画像の観察が可能になる。
なお、射出部23は、第2ホログラム素子43の存在する部分であり、第2ホログラム素子43の回折効率にもよるが、外界光OLの透過が可能である。また、第2ホログラム素子43を支持する導光板41も、外界光OLの透過が可能であり、結果的に観察者は、第2導光部材32越しに外界の観察が可能になっている。
図6(A)及び6(B)は、第1導光部材31による瞳サイズの拡大を説明する図である。
図6(A)は、画像形成装置10のみによる虚像の形成を説明する図であり、テレセントリックな構成とした場合、投射レンズ12の後側焦点位置に射出瞳EPが存在する。この射出瞳EPのサイズは、投射レンズ12の直径程度以下であり、本来の射出瞳EPの後方に離れて眼EYを配置する場合、画面のケラレが多くなって画面の中心部しか観察されなくなる。なお、本来の射出瞳EPの位置に眼EYを配置すれば、上記のような問題は生じないが、投射レンズ12を眼EYに近づける配置となって、外界光OLの透視を可能にするめがね状の虚像表示装置100を構成することが困難になる。
図6(B)は、第1導光部材31の作用を概念的に説明する図であり、矢印BBで示す横の第1方向(具体的には±x方向)に画像形成装置10を多数配列したような効果を生じさせる。つまり、本来の射出瞳EPに対応する位置POにおける、光線束の幅が広がって、横の第1方向BBに関して合成した瞳(又はアイリング)HIのサイズ、すなわち実効的な射出瞳の幅(瞳サイズ)を広げることができる。この結果、本来の射出瞳EPの後方に離れて眼EYを配置する場合であっても、複数の画像形成装置10によって形成される虚像を繋ぎ合わせ或いは重畳さることができ、ケラレのない画面の観察が可能になる。なお、図6(B)では、3つの画像形成装置10を図示しているが、実際は多数の画像形成装置10が第1方向に重畳しつつ配列されるのと等価な光学系が実現される。
以上では、第1導光部材31による瞳サイズの実効的な拡大を説明したが、第2導光部材32によって、光学的原理が異なるものの、縦の第2方向(具体的には±y方向)に関しても瞳サイズの実効的な拡大が行われる。
図7は、第2導光部材32による瞳サイズの拡大を概念的に説明する図である。第2導光部材32では、第2ホログラム素子43の各所で画像光の一部を眼EY側に射出させつつ残りを導光板41で導光させる作用が生じ、縦方向の瞳サイズの拡大が達成される。具体的には、例えば導光板41で導光されて第2ホログラム素子43によって最初に回折された画像光GLaは、眼EYの位置よりも高い位置に設定された射出観察用の瞳(又はアイリング)HIaに入射する。また、導光板41で導光されて第2ホログラム素子43に当たって最初は回折されず導光板41の第1面S21で全反射されて再度第2ホログラム素子43に1度入射して回折された画像光GLaは、略眼EYの位置に設定された射出観察用の瞳(又はアイリング)HIbに入射する。また、導光板41で導光されて第2ホログラム素子43に2度入射するが回折されず導光板41の第1面S21で全反射されて再度第2ホログラム素子43に入射して回折された画像光GLcは、眼EYの位置よりも低い位置に設定された射出観察用の瞳(又はアイリング)HIcに入射する。つまり、縦方の第2方向CCに関して、瞳HIa〜HIcを合わせることによって実効的な瞳サイズの拡大が達成される。
以上で説明した実施形態の導光装置20によれば、横の第1方向に関して瞳サイズを拡大し縦の第2方向に関して第1及び第2ホログラム素子(回折光学素子)42,43によって瞳サイズを拡大するので、ホログラム素子のような回折光学素子のみで瞳サイズを拡大する場合よりも色斑を低減でき、比較的高輝度での表示が可能になる。なお、実施形態の導光装置20において、縦の第2方向に関しては、第1及び第2ホログラム素子42,43によって光学系の厚み等のサイズを小さく抑えることができるので、導光装置20を薄型化又は小型化することができる。また、横の第1方向に関しても、第1及び第2ホログラム素子42,43を用いないので縦の第2方向の程度には及ばないとしても、瞳サイズの拡大によって光学系の厚み等のサイズを小さくすることができる。
以下、第1導光部材31によって、第1方向である横方向に関して幾何光学的に瞳サイズを拡大し、第2導光部材32によって、第2方向である縦方向に関して回折又は干渉を利用して瞳サイズを拡大する理由について説明する。
図8(A)は、具体的な実施例について、第2導光部材32による縦方向の像形成に関して、緑色周辺での波長と回折効率との関係を示す。また、図8(B)は、比較例の像形成に関して、緑色周辺での波長と回折効率との関係を示す。各チャートにおいて、横軸は波長を示し、縦軸は回折効率を示す。ここで、導光装置20による投影画面は、縦:横=9:16であるとし、横が縦の1.8倍の長さを有するものとする。図8(A)の実施例の場合、第2導光部材32によって、比較的短い縦方向についてホログラム素子を用いて瞳サイズを拡大しつつ像を形成する場合を示し、図8(B)の比較例の場合、第2導光部材32と同様の部材によって、比較的長い横方向に対応するサイズで瞳サイズを拡大しつつ像を形成する場合を示している。各チャートにおいて、複数の特性曲線は、画面上の縦方向の複数点(両端を含む)における特性を示しており、特性曲線のピーク波長のバラツキ範囲が大きいほど、第2導光部材32による縦方向の像形成に関して、色表示が偏りやすいことを意味する。
図8(A)に示す像形成範囲が狭い実施例の場合、全体としてのピーク波長のバラツキ範囲が8nm程度と比較的小さくなっている。一方、図8(B)に示す像形成範囲が広い比較例の場合、全体としてのピーク波長のバラツキ範囲が20nmを超えて比較的大きくなっている。つまり、投影画面が横長である場合、第2導光部材32によって、第2方向である縦方向(画面が相対的に狭い方向)に関して回折を利用した虚像を形成する方が、第1方向である横方向に関して回折を利用した虚像を形成するよりも、色斑抑制の観点で好ましいことが分かる。
なお、図8(C)は、色度図である。図8(C)中に丸印で示した点は、図8(A)に示す実施例の場合に相当し、瞳サイズ拡大の方向に相対的に小サイズのホログラム素子による緑色のバラツキを示し、図8(C)中に四角印で示した点は、図8(B)に示す比較例の場合に相当し、瞳サイズ拡大の方向に相対的に大サイズのホログラム素子による緑色のバラツキを示す。図からも明らかなように、実施例の緑色のバラツキは、比較例の緑色のバラツキよりも大幅に少なくなっており、三角形によって示される色域の変化が少ないことが分かる。つまり、実施例の場合、投影画面における色斑防止のために色バランスを大きく調整する必要がなく、色の再現範囲も広く確保することができる。
〔第2実施形態〕
以下、本発明の第2実施形態に係る導光装置を組み込んだ虚像表示装置について説明する。なお、第2実施形態に係る導光装置は、第1実施形態に係る導光装置を部分的に変更したものであり、共通部分については説明を省略する。
図9に示すように、本実施形態の導光装置20は、第1ホログラム素子42や第2ホログラム素子43として、反射型ではなく、透過型の体積ホログラムを用いている。この場合、第1ホログラム素子42は、第1導光部材31と導光板41との間に配置される。第1ホログラム素子42は、これを通過する映像光GLの進行方向を導光板41内で全反射しつつ伝搬されるような角度の進行方向を切り換える。第2ホログラム素子43は、導光板41の眼EY側の第1面S21上に貼り付けられる。第2ホログラム素子43は、導光板41内を全反射によって伝搬された映像光GLを導光板41外に通過させて眼EYの方向に送り出す。
なお、以上では、第1ホログラム素子42と第2ホログラム素子43とがともに透過型であるとしたが、第1及び第2ホログラム素子42,43の一方のみを透過型としてもよい。
〔第3実施形態〕
以下、本発明の第3実施形態に係る導光装置を組み込んだ虚像表示装置について説明する。なお、第3実施形態に係る導光装置は、第1実施形態に係る導光装置を部分的に変更したものであり、共通部分については説明を省略する。
図10に示すように、本実施形態の導光装置20では、第1導光部材31は、外側にあって、第2導光部材32を挟んで眼EYの反対側に配置される。このような配置とすることにより、入射側の第1導光部材31や画像形成装置10が顔面と干渉することが無くなるので、光学的な設計が容易になる。
本実施形態の場合、第1ホログラム素子42が反射型で導光板41の眼EY側に配置され、第2ホログラム素子43が反射型で導光板41の眼EYの反対側に配置される。
なお、以上では、第1ホログラム素子42と第2ホログラム素子43とがともに反射型であるとしたが、第1及び第2ホログラム素子42,43のいずれか一方又は双方を透過型としてもよい。
〔第4実施形態〕
以下、本発明の第4実施形態に係る導光装置を組み込んだ虚像表示装置について説明する。なお、第4実施形態に係る導光装置は、第1実施形態に係る導光装置を部分的に変更したものであり、共通部分については説明を省略する。
図11に示すように、本実施形態の導光装置20の場合、第1導光部材31や第2導光部材32が射出側の光軸AX又はx軸に対して垂直ではなく傾けて配置されている。この場合、第1及び第2導光部材31,32を顔の曲線に沿って配置できるが、第2導光部材32の法線が光軸AXに対して傾きを有するものとなるので、詳細は省略するが、第1導光部材31の入射部21を構成する光学面やホログラム素子の特性に修正が加えられる。
〔第5実施形態〕
以下、本発明の第5実施形態に係る導光装置を組み込んだ虚像表示装置について説明する。なお、第5実施形態に係る導光装置は、第1実施形態に係る導光装置を部分的に変更したものであり、共通部分については説明を省略する。
図12に示す導光装置20は、第1導光部材31の角度変換部131dとして、フレネルミラーを用いている。角度変換部(フレネルミラー)131dは、微小ミラー131fを±x方向に多数配列したものであり、各微小ミラー131fは、第1実施形態の角度変換部31dにおけるミラー31fと同様に傾斜している。これらの微小ミラー131fは、映像光GLを第2導光部材32又は第2部分32aに向けるようにそれぞれ傾斜している。つまり、角度変換部(フレネルミラー)131dは、屈折力を有していない。結果的に、多数の微小ミラー131fによって映像光GLの角度関係が保持されたままで、第1方向(具体的には±x方向)に関して映像光GLの光線幅が広がる。ここで、微小ミラー131fは、回折を生じさせないように、100μm以上のパターンとする。
本実施形態の場合、画像形成装置10が非テレセントリックな構成となっており、第1導光部材31内の領域ARで一旦光線束が絞られたものとなっており、角度変換部131d付近で光線束が広がっている。これにより、画像形成装置10から角度変換部131dを離しつつ、角度変換部131dに至るまでの各光線の面S1,S2での反射回数を一致させることができ、画面の輝度の制御が容易になっている。
なお、微小ミラー131fは、表面に金属膜等を形成した非透過性のミラーであるが、半透過性のミラーとすることもできる。
なお、第1導光部材31の入射部21において、第1実施形態の反射面RSに代えてフレネルミラーからなる角度変換部を用いることができる。
〔第6実施形態〕
以下、本発明の第6実施形態に係る導光装置を組み込んだ虚像表示装置について説明する。なお、第6実施形態に係る導光装置は、第1実施形態に係る導光装置を部分的に変更したものであり、共通部分については説明を省略する。
図13に示すように、本実施形態の導光装置20は、第1導光部材131と第2導光部材132とを備え、第1導光部材131(入射部21及び第1部分31aを含む)によって、横の第1方向に関して回折(具体的にはホログラフィー)を利用した瞳サイズの拡大を行う。また、第2導光部材132(第1部分32a及び射出部23を含む)によって、縦の第2方向に関して幾何光学的に瞳サイズの拡大を行う。
具体的には、画像形成装置10で形成された映像光GLは、まず入射部21に入射し、横方向に関して回折作用を有するホログラム素子(不図示)を組み込んだ第1導光部材131の第1部分31aに導かれ、第1方向である眼EYの並ぶ横方向(xz面内)に関して虚像が維持されつつ瞳サイズが拡大される(光L1参照)。この映像光GLは、直交する前方の−z方向に向きを変更されて第2導光部材132に入射する(光L2参照)。縦方向に関して光分割用の多数の透過型のミラー又はフレネルミラー等の幾何光学的素子を組み込んだ第2導光部材132に入射した映像光GLは、第2方向である眼EYの並びに直交する縦方向(具体的には−y方向)に伝搬されるとともに縦方向に関して虚像が維持されつつ瞳サイズが拡大される(光L3参照)。第2導光部材132の射出部23に達した映像光GLは、眼EYのあるz側に射出される(光L4参照)。この際、光L4で示される映像光GLは、横方向及び縦方向に関して実効的に瞳サイズが広がった虚像となっており、観察者に液晶デバイス11に形成された画像の観察が可能になる。
なお、本実施形態の導光装置20では、射出部23が±y方向である縦方向に長い縦長となっており、投影画面もy方向に縦長である。このため、ホログラム素子を組み込んだ第1導光部材131によって短辺側で虚像を形成することになるので、色斑の発生を抑えることができる。
〔その他〕
以上各実施形態に即して本発明を説明したが、本発明は、上記の実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能であり、例えば次のような変形も可能である。
回折型光学素子としては、ホログラム素子に限らず、回折素子を用いることができ、カラー画像を形成する場合、米国特許第8,965,152号に記載のように、導波路内に各色用のチャンネルを設けることができる。
以上の説明では、映像素子として、透過型の液晶デバイス11を用いているが、映像素子としては、透過型の液晶デバイスに限らず種々のものを利用可能である。例えば、反射型の液晶パネルを用いた構成も可能であり、液晶デバイス11に代えてデジタル・マイクロミラー・デバイス等を用いることもできる。また、有機EL、LEDアレイや有機LEDなどに代表される自発光型素子用いた構成も可能である。さらに、レーザー光源とポリゴンミラーその他のスキャナとを組みあわせたレーザスキャナを用いた構成も可能である。
以上の説明では、虚像表示装置100として、右眼及び左眼の双方に対応して一組ずつ画像形成装置10及び導光装置20設ける構成としているが、右眼又は左眼のいずれか一方に対してのみ画像形成装置10と導光装置20とを設け画像を片眼視する構成にしてもよい。
以上の説明では、実施形態の虚像表示装置100がヘッドマウントディスプレイであるとして具体的な説明を行ったが、実施形態の虚像表示装置100は、ヘッドアップディスプレイ、双眼鏡型のハンドヘルドディスプレイ等に適用することもできる。
以上の説明では、画像形成装置10を眼の横方向外側に位置するように形成しているが、図1(A)に示す画像形成装置10及び導光装置20の配置を眼EYの軸(つまりz方向に延びる光軸AX)の周りに90°回転させることができる。つまり、画像形成装置10を眼の上方向に配置し、導光装置20を縦長にして眼EYの正面に配置することができる。
以上では触れていないが、第1導光部材31の外形を画定する外周部のうち上端面や下端面等を黒色塗料塗布面やサンドブラスト加工面とすることができる。さらに、上端面や下端面以外の箇所に黒色塗装塗布やサンドブラスト加工を施してもよい。
10…画像形成装置、 11…液晶デバイス、 12…投射レンズ、 20…導光装置、 21…入射部、 22…導光部、 23…射出部、 31,32,131,132…導光部材、 31a…第1部分、 32a…第2部分、 41…導光板、 42,43…ホログラム素子、 100…虚像表示装置、 AX…光軸、 C1…第1結合部、 C2…第2結合部、 D1…横方向、 D2…縦方向、 EY…眼、 GL…映像光、 GL0,GL1,GL2…映像光、 GL3,GL4…映像光、 HI…瞳、 IA…表示エリア、 IS…入射面、 OL…外界光、 PR…投影範囲、 PW…画面、 S1,S2,S21,S22…面

Claims (14)

  1. 映像光を入射させる入射部と、
    前記入射部を介して映像光を導く導光部と、
    前記導光部からの映像光を眼の位置に射出する射出部とを備え、
    前記導光部は、前記入射部側の第1部分と、前記射出部側の第2部分とを有し、
    前記入射部及び前記第1部分によって、眼前を覆う所定面に沿った第1方向に関して瞳サイズを拡大し、前記第2部分及び前記射出部によって、前記所定面に沿って前記第1方向と交差する第2方向に関して回折光学素子によって瞳サイズを拡大し、
    前記第1方向は、装着時の水平方向に対応し、前記第1部分は、眼の上方に配置され、前記第2部分は、眼の正面に配置される、導光装置。
  2. 前記入射部、前記導光部、及び前記射出部は、実効的なパワーがゼロの光学要素で構成される、請求項1に記載の導光装置。
  3. 前記入射部には、コリメートされた映像光を入射させる、請求項2に記載の導光装置。
  4. 前記入射部及び前記第1部分によって、前記第1方向に関して幾何光学的に瞳サイズを拡大し、前記第2部分及び前記射出部によって、前記第2方向に関して回折を利用して瞳サイズを拡大する、請求項1〜3のいずれか一項に記載の導光装置。
  5. 前記第1部分は、前記第1方向に延びる導波路状の部材であり、互いに平行で映像光を前記第2部分に向くように傾斜している複数のミラーを有する、請求項4に記載の導光装置。
  6. 前記第2部分及び前記射出部は、前記回折光学素子を複数組み込んだ導光部材である、請求項4または5に記載の導光装置。
  7. 前記導光部材は、導光板と、前記導光板の入射側に設けられて映像光を射出側に送り込む前記回折光学素子に相当する第1ホログラム素子と、前記導光板の射出側に設けられて映像光を眼側に送り出す前記回折光学素子に相当する第2ホログラム素子とを有する、請求項6に記載の導光装置。
  8. 前記第1部分は、前記第2部分に対して眼のある側に配置される、請求項2〜7のいずれか一項に記載の導光装置。
  9. 前記第1部分は、前記第2部分を挟んで眼の反対側に配置される、請求項2〜7のいずれか一項に記載の導光装置。
  10. 虚像の画面の前記第1方向に関するサイズは、前記第2方向に関するサイズよりも大きい、請求項1〜のいずれか一項に記載の導光装置。
  11. 前記射出部の光学系は、射出側の光軸に対して略直交するように配置される、請求項1〜1のいずれか一項に記載の導光装置。
  12. 前記射出部の光学系は、射出側の光軸に対して傾けて配置される、請求項1〜1のいずれか一項に記載の導光装置。
  13. 前記回折光学素子は、反射型のホログラム素子又は透過型のホログラム素子である、請求項1〜1のいずれか一項に記載の導光装置。
  14. 映像光を生じさせる映像素子と、映像光をコリメートする投射レンズと、請求項1〜1のいずれか一項に記載の導光装置とを備える虚像表示装置。
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