JP4132963B2 - 1次元フォトニック結晶を用いた光学素子およびそれを用いた分光装置 - Google Patents

1次元フォトニック結晶を用いた光学素子およびそれを用いた分光装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光通信システム、光計測機器等に用いられる光学素子、特に波長分散素子に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
屈折率の異なる誘電体を、光の波長程度の周期で並べた構造を有するフォトニック結晶には、
・フォトニックバンドギャップによる光の閉じ込め
・特異なバンド構造による非常に大きな波長分散
・伝播光の群速度異常
といった特性があることはよく知られており、このような特性を利用した数多くの光学素子が提案されている。
【0003】
フォトニック結晶は、周期構造を有する方向の数によって、
・1次元フォトニック結晶
・2次元フォトニック結晶
・3次元フォトニック結晶
に分類することができる。もっとも簡単な1次元フォトニック結晶としては、たとえば平行平面基板に2種類の薄膜(SiO2とTiO2など)を交互に積層した誘電体多層膜フィルタがあり、すでに実用化している。上記構造は周期方向にフォトニックバンドギャップを有するため、特定の波長域の入射光のみを反射するはたらきがある。また、斜め入射光に対するフォトニックバンドギャップの波長域が偏光方向によって異なることから、偏光分離フィルタとして機能させることもできる。
【0004】
1次元フォトニック結晶は製作しやすいという大きな長所がある反面、上記のフィルタ以外にフォトニック結晶としての特性を生かす方法が少ないことから、2次元、3次元結晶ほどは研究されてこなかった。しかし、1次元結晶は、上記の「フォトニックバンドギャップによる光の閉じ込め」の機能は2次元、3次元結晶に劣るものの、「特異なバンド構造による非常に大きな波長分散」あるいは「伝播光の群速度異常」といった特性を利用することは充分可能であり、その手段として多層膜層の端面、すなわち多層構造が露出している面を、光入射面もしくは光出射面として使用した例がある。
【0005】
たとえば傾いた多層膜層の断面に入射する光線の方向の理論的な解析が示され(Applied Physics B、39巻、p.231、1986年)、また、構造性複屈折による偏光分離をねらいとし、多層膜層の屈折率がTE,THの偏光によって大きく異なる性質(いわゆる構造性複屈折)を利用して、複屈折材料と同様の偏光分離効果を得たことが開示されている(Optics Letters、15巻、9号、p.516、1990年)。さらに周期的多層膜層の第1フォトニックバンドの形状がバンドギャップ近傍で直線状となることから、非常に大きい分散(スーパープリズム効果)が得られるとした報告もある("International Workshop on Photonic and Electromagnetic Crystal Structures" Technical Digest, F1-3)。
【0006】
2次元フォトニック結晶としては、フォトリソグラフィー技術を応用して、基板上の薄膜に空気孔を並べた構造が良く研究されている。空気孔の配列に線状欠陥をつくれば、その部分を光導波路とすることができる。
【0007】
3次元フォトニック結晶では、全方向にわたるフォトニックバンドギャップを実現すると立体的な導波路が実現できることから、1mm角程度の素子中に多くの光学素子を組み込むことができるものと期待されている。
【0008】
フォトニック結晶を利用した分光素子はス-パープリズムとも呼ばれ、通常のプリズムや回折格子と比較して非常に大きい波長分散が得られている。たとえば、3次元フォトニック結晶を用いて波長差1%あたりの角度分散が数10度にも及ぶ、との実験結果が報告されている(Physical Review B、58巻、16号、p.R10096、1998年)。波長分散が大きい材料は、たとえば波長多重通信(WDM)における波長の異なる信号をよりわける分光素子として用いると、装置全体を非常に小型化することができる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、フォトニック結晶を実用的な分光素子として利用するには、いくつかの問題点がある。
平行な光束は、回折現象によってある程度の広がり角を生じ、その広がりは光束が細くなるほど大きくなる。したがって、波長分解能の高い分光素子とするためには光束は太いことが望ましい。逆に考えると、波長による角度差の大きい分光素子であっても光束が細ければ高い分解能を発揮できないことになる。
【0010】
太い光束を確保するためには、素子のサイズもある程度大きいものとしなければならず、また素子中を伝播する光の光路長も必然的に長くなる。ところが、2次元、3次元のフォトニック結晶の場合は大きい素子の製作が困難であり、また素子中での光の減衰も大きい値であることが多い。したがって、実用的な分光素子とすることは難しい。
【0011】
本発明はこのような問題点を解決するためになされたもので、波長分散の大きい分光素子を提供することを目的とする。さらにこの分光素子を用いた小型の分光装置を提供することも目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明では、プリズム状に加工した1次元フォトニック結晶(周期構造多層膜)の、周期性がない方向に光を入射させ、高次バンドによる波動を伝播させることによって波長分散の大きい分光素子を得る。周期的多層膜の作製方法は既に確立されており、大面積のものを量産することができる。
【0013】
上記作用は、以下の手段により達成される。
本発明の1次元フォトニック結晶を用いた光学素子は、多層構造体により構成され、この多層構造体はその少なくとも一部分が一定周期を有する1次元フォトニック結晶とみなせる周期構造体である。この多層構造体の層面と略垂直な2端面のうち1つを光入射面、他を光出射面とする。この光入射面に対して光出射面が傾斜角を有しており、光入射面に入射する入射光、前記多層構造体中の伝播光、および前記光出射面から出射する出射光の進行する方向を、いずれも周期構造体の周期方向と垂直をなすようにする。
上記の構造の光学素子は周期構造多層膜をプリズム状に加工することによって実現する。
【0014】
上記の光入射面に近接もしくは当接して位相変調手段を設けることが望ましい。入射光をフォトニック結晶と同じ周期と方向の位相変調を与えることにより、特定の高次バンド光のみを伝播させることができる。
この場合、さらに光出射面に近接もしくは当接して位相変調手段を設けることが望ましい。これによって伝搬した高次バンド項を平面波として出射させることができる。
【0015】
また、多層構造体の片側もしくは両側の層面に平行な表面に反射層を設けることが望ましい。この反射層は周期的多層膜によって実現できる。反射層の形成により、光学素子内を伝搬する光が光出射面以外の面から出射して損失が生じるのを防止することができる。
【0016】
なお、周期構造部分を伝播する光は、低次側から2番目の結合性フォトニックバンドに属する波動として伝播するものを用いるのが望ましい。
【0017】
上記の光学素子を用いた分光装置は、この光学素子と、その光入射面に多波長光信号を入射させる光入射光学系と、光学素子から出射される分光された信号光を波長別に弁別する光出射光学系とから構成する。光入射光学系は、入射光を平行光に変換するコリメート手段を有することが望ましい。これによって広い幅をもった入射光を得ることができ、分光装置の角度分解能を向上させることができる。
【0018】
光入射光学系は、多波長信号光を導波する線状光導波路もしくは光ファイバと、その光出射端に入射端が接続し、光学素子の光入射面に出射端が接続したスラブ状光導波路と、スラブ状光導波路中にあって伝搬光を平行光に変換する集光素子とから構成するのが望ましい。
【0019】
また光出射光学系は、前記光学素子が出射する分波された複数の信号光をそれぞれ複数の光伝搬手段に結合する光結合手段を有することが望ましい。とくに光学素子の光出射面に入射端が接続されたスラブ状光導波路と、その出射端に接続された複数の線状光導波路もしくは光ファイバと、スラブ状光導波路中にあって伝搬光を前記複数の線状光導波路もしくは光ファイバに結合する集光素子とから構成するのが望ましい。
【0020】
集光素子は、スラブ状光導波路中に屈折率が異なる部分をレンズ状に設けた導波路レンズ、回折レンズ、または光学素子の光入射面または光出射面とスラブ状光導波路との境界面を曲面とした構造とする。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について具体的に説明する。
図1は、本発明の基本構造をなす周期的多層膜層を模式的に示した断面図である。基板2の表面に周期的多層膜層1を形成する。多層膜は、例えば厚さtAの物質A(屈折率nA)と厚さtBの物質B(屈折率nB)を交互に積み重ねた周期a=(tA+tB)の構造とする。多層膜層1の表面は空気と接しているものとする。
【0022】
図1における周期的多層膜の端面1aから真空中の波長λ0の入射光束3を入射させたとき、この光が多層膜内でどのように伝搬するかを解析すると、一定条件においてこの周期的多層膜はいわゆるフォトニック結晶として作用し、伝搬光4に特異な効果を発現させることがわかる。
【0023】
フォトニック結晶内を伝播する光の特性は、フォトニックバンドを計算し図示することにより知ることができる。バンド計算の方法は、たとえば、"Photonic Crystals", Princeton University Press (1995) あるいは、Physical Review B
44巻、16号、p.8565、1991年、などの文献に詳しく述べられている。
【0024】
図1に示す周期的多層膜はY方向(積層方向)には無限に続く周期構造を有し、XおよびZ方向(層面の広がる方向)には無限に広がっているものと仮定する。図2、図3は、
nA=1.44(tA=0.5a)
nB=2.18(tB=0.5a)
の層を交互に重ねた周期aの多層構造体について、Z軸方向(X軸方向も同じ)における平面波法によるバンド計算の結果を、TE偏光(図2)及びTM偏光(図3)の第1〜第3バンドについて示したものである。ここで、TE偏光は電場の向きがX軸方向である偏光を、TM偏光は磁場の向きがX軸方向である偏光をそれぞれ表わす。
【0025】
図2、図3の横軸はZ軸方向の波数ベクトルkzの大きさであり、縦軸は規格化周波数
ωa/2πc
である。ここで、ωは入射する光の角振動数、aは構造の周期、cは真空中での光速である。規格化周波数は、真空中の入射光波長λ0を用いて、a/λ0とも表わすことができるので、以下ではa/λ0と記述する。Z軸方向には周期性がないので、図2、図3の横軸にはブリルアンゾーンの境界が存在せず、どこまでも広がっている。
【0026】
図2に示すように、入射光の真空中の波長がλAの場合、フォトニック結晶内では最低次の第1バンドに対応する波数ベクトルkA1が存在する。換言すると、波長
λA1=2π/kA1
の波動としてフォトニック結晶内をZ軸方向に伝播する(以下、第1バンド光と呼ぶ)。
【0027】
ところが、入射光の真空中の波長がλBの場合には、第1、第3バンドに対応する波数ベクトルkB1、kB3が存在する。ここで、第2バンドはZ軸方向の伝播に関して「非結合性」であるため無視される。したがって、波長λB1=2π/kB1の第1バンド光、および波長λB3=2π/kB3の波動がそれぞれフォトニック結晶内をZ軸方向に伝播する。図2における第3バンドのような、第1バンドではない結合性バンドを、以下では一般的に「高次伝播バンド」と呼ぶ。通常、第2バンドと第3バンドのうち片方は結合性、もう片方は非結合性であり、第1バンドは結合性である。なお、非結合性バンドについての理論は、以下の文献に詳しく記述されている。
K.Sakoda “Optical Properties of Photonic Crystals” Springer-Verlag (2001).
【0028】
ここで、真空中での波長(λA、λBなど)を、対応するフォトニック結晶中の波長 (λA1、λB3など)で除した数値を「実効屈折率」と定義する。図2から理解できるように、第1バンド光のa/λ0(縦軸)とkz(横軸)はほぼ比例するため、実効屈折率もλ0の変化に対してほとんど不変である。しかし、高次伝播バンド光は実効屈折率がλ0 により大きく変化し、図2、図3より明らかなように実効屈折率が1未満になることもある。
【0029】
図4は三角プリズム構造の1次元フォトニック結晶20を示している。光束を入出射させる端面1a、1bはいずれも周期的多層膜層1の層面に垂直、すなわち周期方向(Y軸方向)に平行であるが、両端面は互いに所定の角度を有している。この端面1aに、斜めに平面波の入射光束3を入射させると、実効屈折率に応じた屈折が発生する。第1バンド光は通常の均質媒体と同程度の波長分散しか起こさないのに対して、高次伝播バンド光は前述したように実効屈折率が入射波長により大きく変化するため、非常に大きい波長分散を示す。これは、いわゆるスーパープリズム効果の一種であるといえる。
【0030】
しかし、図4の構成により高次伝播バンド光のプリズム効果を利用するためには、いくつかの問題点がある。
図2、図3から明らかなように、高次伝播バンド光が伝播する場合には必ず第1バンド光も伝播している。第1バンド光は、高次伝播バンド光を利用する場合にはエネルギーの損失であり、入射光の利用効率を大きく低下させてしまうのみならず、迷光として素子のS/N比を低下させる原因ともなる。
【0031】
また、図4の出射側端面1bにはY軸方向の周期構造が露出しており、また高次伝播バンド光自体もY軸方向に強度と位相の周期性を有するため、出射光はいろいろな次数の回折光が混在したものとなり、単純な平面波と違って取り扱いが困難である。
【0032】
さらに、高次伝播バンド光の実効屈折率がプリズムの上下に接する媒体の屈折率よりも小さくなると、屈折により伝播光が媒体側に漏れてしまう。特に、高次伝播バンド光の実効屈折率が1未満になると、媒体を空気としても漏れを防ぐことができなくなる。
【0033】
ところで、本発明者らの研究によって、入射光に位相変調を加えることにより、1次元フォトニック結晶内に特定の高次伝播バンド光のみ伝播させることが可能であることが明らかとなった。
【0034】
図5及び図6は、物質AとBを重ね合わせた1次元フォトニック結晶(周期a)内での、Z軸方向における伝播光の電場の強さを模式的に表わしたものである。電場の山は実線、谷は点線で表わし、線の太さは振幅の大きさを表わすものとする。
【0035】
第1バンド光は、図5に示すように電場の振幅は媒体A(5a)内と媒体B(5b)内で異なるものの、電場の山と谷はそれぞれZ軸と垂直な平面となるので、平面波に近い伝播となる。
しかし、高次伝播バンド光は、たとえば図6に示すように電場振幅が0となる「節」が生じ、1周期は2つの領域に分割される。隣り合う領域では波動の位相が半波長ずれているため、山と谷が入れ違いに現われる。このように1周期あたり2個の節が生じるのは第2もしくは第3バンドの場合であり、さらに高次のバンドによる伝播光では1周期内の節の数がさらに増えて、1周期内での半波長ズレが何回も起こるようになる。
従って、複数のバンドがともに関与する波長(たとえば図2のλB)の入射光に対する伝播光は両者が重なって、複雑な電場パターンを示すことになる。
【0036】
ところで、図7に示すように、Y軸方向に周期aでおおよそ半波長差を生じる位相変調手段6を設けて平面波7を入射させると、図6における高次結合バンド光に類似した電場パターンを空間8に作ることができる。ここに1次元フォトニック結晶の端面を置くと、第1バンドによる伝播光は発生せず、高次伝播バンド光のみが生じることが、本発明者らのシミュレーションにより明らかとなった。以上の結果を一般化すると、
「周期aの多層膜層に対して、同じ方向に周期aを有する適当な位相変調波を入射させると、特定のバンドに属する伝播光のみを得ることができる」
ということになる。また、光路を逆に考えると、特定のバンドに属する伝播光が多層膜層1の端面から出射された後に、適当な位相変調手段6を設置することにより、平面波9に戻すこともできることがわかる(図8参照)。
【0037】
以下、位相変調手段の条件について具体的に説明する。
最も簡便な位相変調手段は、周期的多層膜層と同じ周期を有する位相格子である。たとえば、図9に示すように位相格子を設置すれば良い。本発明者らのシミュレーションによると、位相変調手段の構造(図9における厚さtC 、tD 、L,Gの値など)は、周期的多層膜の特性、すなわち各層の厚さ比率と屈折率、などに合わせて最適化する必要がある(後述する計算例参照)。また、位相変調と多層膜の周期は同調させる必要があるので、
A+tB=tC+tD
媒体Aと媒体CのY方向中心は一致
媒体Bと媒体DのY方向中心は一致
の各条件を満たすようにする。
【0038】
位相格子と周期的多層膜の間隔Gも伝播光に影響するので最適な範囲を選ばなくてはならない。また、多層膜の周期aが真空中の光の波長λ0と同程度以下の場合は、両者の間隔を屈折率の大きい媒体で満たすことにより、位相変調波を伝播しやすくすることが望ましい。
【0039】
実際に本発明を実施するにあたっては、周期的多層膜の端面近くに溝を形成して多層膜の一部をそのまま位相格子として用いる方法が考えられる。この場合は、位相格子の厚さと溝の幅を調整して特定の高次伝播バンド光のみが伝播するようにしなくてはならない。もちろん、溝は空気層としても良いし、均一媒体で満たしても良い。
【0040】
位相変調波をつくるためには、複数の波面の干渉を用いる方法もある。図10に示すように、互いにコヒーレントな2つの平面波7a、7bを交叉させると、干渉により位相変調波に類似した波動とすることができる。Y軸方向の周期は交叉する角度によって調整できる。
【0041】
また、図11のように第3の平面波7cを加えれば、多層膜層によりよく適合するように位相変調波を細かく調整することも可能となる。実際に3波を調整するのは困難なので、図10のように2波の干渉を用いるのが簡便であることは明らかである。その場合には、周期的多層膜層1の構造を調整して、2波の干渉波と1次元フォトニック結晶の高次伝播バンド光の伝播条件をマッチングさせることが望ましい。
【0042】
上述したように、高次伝播バンド光の実効屈折率が多層膜層の上下に接する媒体の屈折率よりも小さくなると、屈折による伝播光の漏れが発生する。特に、高次結合バンド光の実効屈折率が1以下になると、媒体を空気としても漏れを防ぐことができなくなる。
【0043】
伝播光の逃げ出しを防いで閉じ込めるためには、たとえば図12に示すように、1次元フォトニック結晶(多層膜層)1の上下に金属膜などの反射層10を設ければ良い。しかし、反射層による多層膜強度の低下や反射率の不足による減衰等の問題がある場合は、図13に示すように、周期あるいは構造の異なる1次元フォトニック結晶(多層膜層)11により閉じ込めを実現することができる。
【0044】
図14は、同じ厚さの2層(屈折率は1.00および1.44)を交互に重ねた1次元フォトニック結晶のバンド図を、2種類の周期(周期aおよび周期a’=0.434a)について同じスケールで2次元的に示したものである。縦はY軸方向で上下の境界線は中心から±π/a、もしくは±π/a’の範囲(第1ブリルアンゾーン)を表わす。横はZ軸方向(X軸方向も同じ)であり、周期性がない方向なのでブリルアンゾーンの境界線は存在せず、図の両端は計算した範囲を示す便宜的なものである。ブリルアンゾーン内での位置はフォトニック結晶内での波数ベクトルを、等高線状の曲線は特定の規格化周波数a/λ0(もしくはa’/λ0)に対応するバンドを意味する。ちなみに、図2、図3はこの様なバンド図の一部(Z軸の正の部分)のみを取り出して1次元的に表記したものである。
【0045】
図14の(A)では、周期aの1次元フォトニック結晶について、波長、
λ0=0.725a(a/λ0=1.38)
に対応するバンドを太線で、Z軸方向の伝播光を表わす波数ベクトルを矢印で表示してある。また、図12(B)には、同じ波長、
λ0=0.725a(a’/λ0=0.60)
に対応するバンドを太線で示している。
【0046】
図14は、(A)の高次伝播バンド光の波数ベクトルに対応する(Z成分が同じとなる)バンドが(B)には存在しないことを示している。すなわち、周期aの結晶中の高次伝播バンド光は周期a’のフォトニック結晶側に出ていくことができない。したがって、このような条件を満たす周期a’を選んで伝播光用のフォトニック結晶(周期a)の両側に設置すれば、閉じ込めを実現することができる(図13参照)。
【0047】
閉じ込め用1次元フォトニック結晶の材料や膜厚比率は、伝播用1次元フォトニック結晶と異なったものであってもかまわないが、多層膜製作の手間を考えれば同じ材料を用いて周期を小さくすることが望ましい。もちろん、使用する波長域において伝播光の波数ベクトルに対応するバンドが存在しないことは、バンド計算によって確認して設計する必要がある。
【0048】
なお、図14においては、(A)の第1バンド光に対応するバンドも(B)側に存在しないが、周期a’や膜構造を調整すれば、「第1バンド伝播光は逃がし、高次伝播バンド光は閉じ込める」という条件とすることもできるので、第1バンド伝播光を途中で完全に排除することもできる。
【0049】
バンド図による閉じ込めの判定は、無限周期構造を前提としたものであるから、閉じ込め用1次元フォトニック結晶の周期数がたとえば3周期くらいであると、閉じ込めが不充分となり伝播光が外部に漏れてしまうことがある。もちろん、不必要に周期数を多くすることはコストと多層膜の耐久性や精度の点から好ましくない。実際に必要な最低限の周期数は、実験や電磁波シミュレーションにより決定することが望ましい。
【0050】
以上を総合して、本発明による分光素子の1例を模式的に示したのが図15である。三角プリズム形状の1次元フォトニック結晶20の2端面を光入射端面1a、光出射端面1bとする。入射端面および出射端面の近傍には溝12が設けてあり、フォトニック結晶の一部を利用した位相格子(位相変調手段)6により特定の高次伝播バンド光のみによる伝播と、出射光9の平面波への変換を行なう。伝播部分の両側は周期あるいは構成の異なる1次元フォトニック結晶(多層膜層)11で挟まれており、伝播光のY軸方向の閉じ込めを行なう。
【0051】
以下、本発明の満たすべき条件をさらに具体的に説明する。
図2、図3には示していないが、第4以上のバンドも第2、第3バンドと同様に大きい波長分散を示す。しかし伝播光のバンドが高次になるに従って、Y軸方向の1周期あたりに存在する波動の「節」が増えるので、位相変調のパターンがより複雑になる。従って、1周期あたりに2個の節がある第2もしくは第3バンドを高次伝播バンドとして利用することが最も望ましい。もちろん「非結合性」バンドは利用できないので、望ましいバンドは「最低次から2番目の結合性バンド」ということになる。前述したように、第1バンドは結合性である。
【0052】
また、高次伝播バンドによる伝播光ではいわゆる「フォトニック結晶における群速度異常」が生じるため、非線型効果の増強作用を起こすことなどが期待されている。本発明では群速度異常がほとんど起こらない第1バンド光にエネルギーを取られることがないので、たとえば多層膜中に非線型物質を含ませることによってより大きい非線型増強効果を得ることができる(日本光学会第27回冬季講習会資料、41〜53頁、2001年)。
【0053】
図1の周期的多層膜層はX軸方向とY軸方向の構造に大きな違いがあるため、偏光方向により実効屈折率は異なる値となる。これは、図2(TE偏光)と図3(TM偏光)のグラフが異なることからも明らかである。従って、本発明による分光素子には偏光分離の作用があり、たとえば波長による分光と偏光分離を同時に行なう、といった利用の仕方も可能である。このため、回折格子と偏光分離素子の組合せによる機能を単一の素子で実現でき、光システムを単純化することもできる。
【0054】
逆に、偏光モードによる差をなくすためには、修正用の複屈折素子を光路の途中に設置することが考えられる。複屈折素子としては、複屈折結晶、構造性複屈折素子、フォトニック結晶などを用いることができる。
【0055】
本発明に用いる多層膜層の材料としては、使用波長域における透明性が確保できるものであれば特に限定はないが、一般的に多層膜の材料として用いられていて耐久性や製膜コストの点で優れたシリカ、シリコン、酸化チタン、酸化タンタル、酸化ニオブ、フッ化マグネシウムなどが適する材料である。上記材料は、スパッタリング、真空蒸着、イオンアシスト蒸着、プラズマCVDなどの良く知られた方法により、容易に多層膜とすることができる。
【0056】
多層膜材料の屈折率比は大きくなるほど、波長分散なども大きくなる傾向があるので、そのような特性が必要な用途に対しては高屈折率材料と低屈折率材料を組合せることが望ましい。実用的に実現できる屈折率比は、たとえば低屈折率材料として空気(屈折率1)、高屈折率材料としてInSb(屈折率n=4.21)を用いると4以上にすることができる(「微小光学ハンドブック」224頁、朝倉書店、1995年、参照)。
【0057】
多層膜材料の屈折率比が小さくなると、偏光方向による特性の違いが小さくなる傾向があるので、偏波無依存を実現するためには屈折率比の小さい組合せも有用である。ただし、屈折率比があまり小さくなると変調作用が弱くなり、期待される作用が発揮されないこともあるので、屈折率比として1.2以上確保することが望ましい。
【0058】
多層膜層の端面近傍に設ける溝は、多層膜を積層した後に、
レジスト層塗布→パターニング→エッチング→レジスト層の除去
といった一般的な方法によりつくることができる。溝部分の低屈折率材料としては、空気もしくは真空を利用することもできるし、その他の媒体を充填してもよい。充填する物質としては、有機樹脂、ゾル状態のガラス、溶融状態の半導体材料などを用いることができる。ゾル状態のガラスはゲル化した後に加熱して透明なガラスとすることができる。
【0059】
材料を適切に選定すれば、本発明の作用は通常使用される200nm〜20μm程度の波長範囲で発揮される。
【0060】
Y軸方向1周期内における多層膜の構造は、物理的厚さの等しい2層とするのが最も単純であるが、(1)2層の膜厚比を変える、(2)3層以上とする、(3)膜材質を3種以上とする、といった手段により平均屈折率やバンド構造の調整を行ない、分散特性や偏光特性、入射光の利用効率の改善などに役立てることも可能である。
また、多層膜を構成する各層が、連続的に屈折率が変化するものであっても、屈折率差が確保されていれば特性はほとんど同じとなる。
【0061】
多層膜層の基板の材質には特に限定はなく、ソーダライムガラス、光学ガラス、シリカ、シリコン、あるいはガリウム砒素などの化合物半導体などが適する材料である。温度特性などの限定が小さければ、プラスチック材料でも良い。
基板を用いず、多層膜層だけから構成される、いわゆるエアーブリッジ構造としてもよい。
【0062】
[応用例:分波/合波素子]
図16は、本発明を応用した分波素子の模式図である。基板2上に形成した第1の線状光導波路14aからスラブ状光導波路13aに、多波長の信号光を含む入力光(入射光束)3を導入する。この図の構造の場合には、線状光導波路14aの始端に光ファイバなどを接続するのが実際的であるが、スラブ状光導波路13aの端面に直接光ファイバ等を接続してもよい。信号光はスラブ状光導波路13a内を平面状に広がるので、スラブ状光導波路内に設けた凸レンズ部分15aにより略平行光束とする。凸レンズ部分15aは、たとえばスラブ状光導波路13aの一部を、より高屈折率の材質に置き換えることによって実現することができる。ここで、より低屈折率の材料を凹レンズ状としても、同様な集光作用が得られる。
【0063】
信号光は、スラブ状光導波路と同じ平面層内で、三角プリズム構造の1次元フォトニック結晶(周期的多層膜層)20に斜めに入射する。周期的多層膜層1の入射側端面の近くには溝12が設けてあり、溝の外側の部分は位相格子6として機能する。信号光は位相格子6の変調作用を受けてから溝12を通って周期的多層膜層1の本体に入射するので、多層膜層内では高次結合バンド光として伝播する。図には示していないが、多層膜層の両側は周期を変えた層とすることによって、上下の閉じ込めを行なう。高次伝播バンド光は波長分散が非常に大きいので、プリズム形状の多層膜層を通過した信号光は波長別の光束となって出射される。
【0064】
ここで、多層膜層の出射側端面にも入射側と同様な溝12を設けているので、高次伝播バンド光は平面波に変換されて第2のスラブ状光導波路13bに入射する。第2のスラブ状光導波路13bにも凸レンズ部分15bが設けてあるので、信号光16は波長別に集光して、線状光導波路14bの終端より光ファイバ等に出力される。
図16は分波素子の例であるが、入力側と出力側を入れかえると合波素子として用いることもできる。
【0065】
凸レンズ部分15a、15bの集光作用は、他の方法によっても達成できる。たとえば、
・スラブ状導波路中に回折レンズを設ける
・多層構造体とスラブ導波路の境界面を曲面としてレンズ作用を持たせる(図17)
といった方法がある。
【0066】
[計算例]
(1)屈折光のシミュレーション
位相格子と組合せた1次元フォトニック結晶プリズム内部の伝播について、FDTD(Finite Difference Time Domain)法による電磁波シミュレーションを行なった。使用したソフトウェアは日本総研製のJMAGである。
【0067】
計算モデルを図18に示す。1次元フォトニック結晶は均質の媒体AとBを交互に重ね合わせた構造(図18では1周期だけ表記)であり、周期をa、それぞれの厚さをtA、tB、屈折率をnA、nBとする。プリズムの2側面は、距離Lだけ離して幅Gの溝を設置し、位相格子とする。溝部分の屈折率はnGである。
【0068】
プリズムの頂角はθpであり、片側の側面から波長λ0の連続的平面波を入射させる。入射光束の幅はW、入射角はθ0とする。また、プリズムの外側は屈折率nSの空間である。計算範囲はY軸方向の1周期であるが、周期境界条件を設定しているので、Y軸方向の無限周期構造と等価である。以下の計算例、比較例では、長さはすべて周期aを基準として規格化している。
【0069】
(2)Y軸方向閉じ込めのシミュレーション
図13のように周期や構成の異なる1次元フォトニック結晶によるY軸方向の閉じ込めを行なう場合についてのシミュレーションも実施した。周期的多層膜部分の計算モデルは図18と同様であるが、入射角θ0は0である。また、1次元フォトニック結晶はX軸、Z軸方向について均質なので、シミュレーションはYZ平面について行なえば充分である。
【0070】
(3)位相格子の幅と溝幅の補正
本発明の位相格子は、おおよそ半波長の光路長差を生じる厚さとすることが望ましいが、具体的な数値は溝部分の厚さと屈折率も含めて、電磁波シミュレーションにより最適化する必要がある。最適化は、たとえば以下の手順で行なう。
【0071】
▲1▼入射角θ0を0として、図19(a)に示す構造のYZ平面内のシミュレーションを行ない、最適値L0およびG0を決定する。
▲2▼屈折率1の領域からの一般的な入射角θ0の場合についての最適値L’は、L0の値から換算する。換算式は、図19(b)に示す関係式より、両方の光路長差が等しいとして、すなわち
0(nB−nA)= P2+P3−P1
とおいて式を変形すると、
L’=L0(nB−nA)/{(nB 2−sin2θ00.5−(nA 2−sin2θ00.5
である。G’の換算式は簡単に、
G’=G0{1−(sinθ0/nG20.5
である。
【0072】
[計算例1−1]
以下の条件で、1次元フォトニック結晶に斜め入射する光束の屈折光についてシミュレーションを実施した。位相格子を設けていない場合である。
(周期構造体) 周期:a
(媒体A) 厚さ:tA=0.5a 屈折率:nA=1.00
(媒体B) 厚さ:tB=0.5a 屈折率:nB=1.44
(周辺の空間) 屈折率:nS=1.00
(入射光) 波長:λ0=0.725a(a/λ0=1.38)
偏光:TE偏光(電場の向きがX軸方向)
光束の幅:W=5.66a
入射角:θ0=30°
【0073】
ここで、上記条件による1次元フォトニック結晶のバンド図(TE偏光)を図20に示す。図20より、a/λ0=1.38に対応する値として
第1バンドの有効屈折率:neff=1.36
高次伝播バンド(第3バンド)の有効屈折率:neff=0.87
であることがわかる。これらの有効屈折率値を用いて、上記プリズム構造における屈折光の向きを屈折の法則により計算して図示したものが図21aである。
【0074】
FDTDシミュレーション結果として、「媒体Aの中央をなす平面」と「媒体Bの中央をなす平面」における電場の強度分布を図21b、図21cに示す。屈折率の低い媒体Aでは高次伝播バンドによる波長の長い波動、屈折率の高い媒体Bでは第1バンドによる波長の短い波動がそれぞれ優位を占めているので、両方の伝播光の向きを比較することができる。
それぞれのバンドによる伝播光の向きは、実効屈折率から計算した屈折角(図21a)と良く一致していることがわかる。
【0075】
[計算例1−2]
計算例1−1に対応する条件により、Y軸方向閉じ込めのシミュレーションを実施した。
導波用1次元フォトニック結晶の構造と入射光の波長、偏光は計算例1−1と同じである。位相格子と溝部分の厚さは、入射角:θ0=0として最適化した値である。
【0076】
(位相格子) 厚さ:L=0.803a
(溝) 幅:G=1.075a、屈折率:nG=1.00
また、閉じ込め部分の構造は以下の通りである。
(閉じ込め層) 周期:a’=0.434a
各層の屈折率と厚さ比率は導波部分と等しい。
(周辺の空間) 屈折率:nS=1.00
(入射光) 光束のY軸方向幅:2W’=16a
導波部分を20周期とし、その上下を各10周期の閉じ込め層としたが、中心対称なので計算を実施したのは上半分のみである。
【0077】
Y軸方向閉じ込めシミュレーションの結果(電場の強度分布)を図22に示す。導波用1次元フォトニック結晶部分の高次バンドによる伝播光は、Y軸方向に閉じ込められて外部には漏れていかないことがわかる。
【0078】
[計算例1−3]
計算例1−2とほぼ同じであるが、閉じ込め層の周期のみ異なっている。
(閉じ込め部分) 周期:a’=0.905a
Y軸方向閉じ込めシミュレーションの結果(電場の強度分布)を図23に示す。導波用1次元フォトニック結晶部分の高次バンドによる伝播光は、Y軸方向に閉じ込められて外部には漏れていかないことがわかる。
【0079】
[計算例2−1]
計算例1−1の条件から、入射光の波長を変えた場合である。
(入射光) 波長:λ0=1.0a(a/λ0=1.00)
上記条件による1次元フォトニック結晶のバンド図(TE偏光)は図20に示されている。図20より、a/λ0=1.00に対応する値として、
第1バンドの有効屈折率:neff=1.30
高次伝播バンド(第3バンド)の有効屈折率:neff=0.60
であることがわかる。これらの有効屈折率値を用いて、上記プリズム構造における屈折光の向きを屈折の法則により計算して図示したものが図24aである。
【0080】
FDTDシミュレーション結果として、「媒体Aの中央をなす平面」と「媒体Bの中央をなす平面」における電場の強度分布を図24b、図24cに示す。それぞれのバンドによる伝播光の向きは、有効屈折率から計算した屈折角(図24a)と良く一致していることがわかる。第1バンド光の屈折角がほとんど変わらないのに対して、高次伝播光の屈折角は計算例1−1と比べると非常に大きく変化している。
【0081】
[計算例2−2]
計算例1−1の条件から、入射光の波長を変えた場合である。
(入射光) 波長:λ0=1.25a(a/λ0=0.80)
上記条件による1次元フォトニック結晶のバンド図(TE偏光)は図20に示されている。図20より、a/λ0=0.80に対応する値として、
第1バンドの有効屈折率:neff=1.30
高次伝播バンド(第3バンド):なし
であることがわかる。これらの有効屈折率値を用いて、上記プリズム構造における屈折光の向きをスネルの法則により計算して図示したものが図25aである。
【0082】
FDTDシミュレーション結果として、「媒体Aの中央をなす平面」と「媒体Bの中央をなす平面」における電場の強度分布を図25b、図25cに示す。この波長に対しては高次伝播バンド光が存在しないので、どちらの層でも第1バンド光しか現われない。
【0083】
[計算例3−1]
計算例1−1の構成に対して、溝構造による位相格子を入射端面、出射端面それぞれに形成したものである。
Figure 0004132963
【0084】
FDTDシミュレーション結果として、「媒体Aの中央をなす平面」と「媒体Bの中央をなす平面」における電場の強度分布を図26a、図26bに示す。どちらの層でも、1次元フォトニック結晶部分はほとんど高次伝播バンド光のみが伝播し、出射光は平面波に近いものとなっていることがわかる。
図26aより、出射光の方向角は、8.5°である。
【0085】
[計算例3−2]
計算例3−1の波長のみを変えたものである。
(入射光) 波長:λ0=0.760a(a/λ0=1.32)
偏光:TE偏光(電場の向きがX軸方向)
FDTDシミュレーション結果として、「媒体Aの中央をなす平面」と「媒体Bの中央をなす平面」における電場の強度分布を図27a、図27b に示す。どちらの層でも、1次元フォトニック結晶部分はほとんど高次伝播バンド光のみが伝播し、出射光は平面波に近いものとなっていることがわかる。
図27aより、出射光の方向角は、13.0°である。
【0086】
計算例3−1と3−2より、本発明における三角プリズム構造により、広い波長域にわたって大きい波長分散と良好な平面波状の出射光を得られることがわかる。
【0087】
[計算例4−1]
溝構造による位相格子を入射端面、出射端面にそれぞれ形成したものである。
Figure 0004132963
【0088】
FDTDシミュレーション結果として、「媒体Aの中央をなす平面」と「媒体Bの中央をなす平面」における電場の強度分布を図28a、図28bに示す。どちらの層でも、1次元フォトニック結晶部分は大部分が高次伝播バンド光のみが伝播し、出射光は平面波に近いものとなっていることがわかる。
図28aより、出射光の方向角は、3.0°である。
【0089】
[計算例4−2]
計算例4−1の波長のみを変えたものである。
Figure 0004132963
FDTDシミュレーション結果として、「媒体Aの中央をなす平面」と「媒体Bの中央をなす平面」における電場の強度分布を図29a、図29bに示す。どちらの層でも、1次元フォトニック結晶部分はほとんど高次伝播バンド光のみが伝播し、出射光は平面波に近いものとなっていることがわかる。
図29aより、出射光の方向角は、15.0°である。
【0090】
[計算例4−3]
計算例4−1の波長のみを変えたものである。
Figure 0004132963
FDTDシミュレーション結果として、「媒体Aの中央をなす平面」と「媒体Bの中央をなす平面」における電場の強度分布を図30a、図30bに示す。どちらの層でも、1次元フォトニック結晶部分はほとんど高次伝播バンド光のみが伝播し、出射光は平面波に近いものとなっていることがわかる。
図30aより、出射光の方向角は、31.0°である。
【0091】
[計算例4−4]
計算例4−1の波長のみを変えたものである。
Figure 0004132963
FDTDシミュレーション結果として、「媒体Aの中央をなす平面」と「媒体Bの中央をなす平面」における電場の強度分布を図31a、図31bに示す。この波長に対しては高次伝播バンド光が存在しないので、どちらの層でも第1バンド光しか現われない。
【0092】
計算例4−1、4−2、4−3より、本発明における三角プリズム構造により、広い波長域にわたって大きい波長分散と良好な平面波状の出射光を得られることがわかる。
【0093】
[計算例5−1]
計算例4−3に対応する条件により、Y軸方向閉じ込めのシミュレーションを実施した。
導波用1次元フォトニック結晶の構造と入射光の波長、偏光は計算例4−3と同じである。位相格子と溝部分の厚さは、入射角θ0=0として最適化した値である。
【0094】
(位相格子) 厚さ:L=0.622a
(溝) 幅:G=0.800a 屈折率:nG=2.00
また、閉じ込め部分の構造は以下の通りである。
(閉じ込め層) 周期:a’=0.540a
各層の屈折率と厚さ比率は導波部分と同じである。
(周辺の空間) 屈折率:nS=1.00
(入射光) 光束のY軸方向幅:2W’=20a
導波部分を20周期とし、その上下を各10周期の閉じ込め層としたが、中心対称なので計算を実施したのは上半分のみである。
【0095】
Y軸方向閉じ込めシミュレーションの結果(電場の強度分布)を図32に示す。導波用1次元フォトニック結晶部分の高次バンドによる伝播光は、Y軸方向に閉じ込められて外部には漏れていかないことがわかる。
【0096】
[計算例5−2]
計算例5−1とほぼ同じであるが、閉じ込め層の周期のみ異なっている。
(閉じ込め層) 周期:a’=1.08a
Y軸方向閉じ込めシミュレーションの結果(電場の強度分布)を図33に示す。導波用1次元フォトニック結晶部分の高次バンドによる伝播光は、Y軸方向に閉じ込められて外部には漏れていかないことがわかる。
【0097】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、多層構造体からの屈折光が良好な指向性をもち、その方向が大きな波長依存性をもつことを利用して、装置を大型化することなく高分解能の分光装置、偏光分離装置を実現することができる。多層構造の製作は既存の技術を用いて比較的安価に量産することができるので、これらの光学素子の低価格化を図ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 周期的多層膜層内の光の伝播を示す模式図である。
【図2】 周期的多層膜のフォトニックバンド構造(TE偏光)を示す図である。
【図3】 周期的多層膜のフォトニックバンド構造(TM偏光)を示す図である。
【図4】 三角プリズム構造の1次元フォトニック結晶における光の屈折の様子を示す図である。
【図5】 第1バンド伝播光の電場を示す模式図である。
【図6】 高次結合バンド伝播光の電場を示す模式図である。
【図7】 位相格子を設けた周期的多層膜層内伝播光を示す模式図である。
【図8】 入射側と出射側の両方に位相格子を設けた場合を示す模式図である。
【図9】 入射側に位相格子を設置した構成の各部パラメータの説明図である。
【図10】 2個の平面波による干渉波を入射光として用いた場合の模式図である。
【図11】 3個の平面波による干渉波を入射光として用いた場合の模式図である。
【図12】 多層膜層の両側に反射層を設けた構造を示す模式図である。
【図13】 多層膜層の両側に反射層として他の多層膜層を設けた構造を示す模式図である。
【図14】 閉じ込め用の1次元フォトニック結晶のバンド条件を説明する図である。
【図15】 本発明の三角プリズム構造の1次元フォトニック結晶を用いた分光素子の概念図である。
【図16】 本発明の三角プリズム形状の1次元フォトニック結晶を用いた導波路型分波/合波素子を示す模式図である。
【図17】 1次元フォトニック結晶とスラブ導波路の境界面を曲面とした例である。
【図18】 三角プリズム形状の1次元フォトニック結晶を用いた分光素子の計算例の条件の説明図である。
【図19】 斜め入射時の位相格子の厚さの換算方法を説明する図である。
【図20】 1次元フォトニック結晶のバンド図と実効屈折率を示す図である。
【図21】 1次元フォトニック結晶による斜め入射光に対する屈折光の電磁波シミュレーション結果を示す図である(位相格子を設けていない場合)。
【図22】 Y軸方向閉じ込めに関する電磁波シミュレーションの結果を示す図である(位相格子を設けていない場合)。
【図23】 Y軸方向閉じ込めに関する他の電磁波シミュレーションの結果を示す図である(位相格子を設けていない場合)。
【図24】 1次元フォトニック結晶による斜め入射光に対する屈折光の他の電磁波シミュレーション結果を示す図である(位相格子を設けていない場合)。
【図25】 1次元フォトニック結晶による斜め入射光に対する屈折光の他の電磁波シミュレーション結果を示す図である(位相格子を設けていない場合)。
【図26】 1次元フォトニック結晶による斜め入射光に対する屈折光の電磁波シミュレーション結果を示す図である(位相格子を設けた場合)。
【図27】 1次元フォトニック結晶による斜め入射光に対する屈折光の他の電磁波シミュレーション結果を示す図である(位相格子を設けた場合)。
【図28】 1次元フォトニック結晶による斜め入射光に対する屈折光の他の電磁波シミュレーション結果を示す図である(位相格子を設けた場合)。
【図29】 1次元フォトニック結晶による斜め入射光に対する屈折光の他の電磁波シミュレーション結果を示す図である(位相格子を設けた場合)。
【図30】 1次元フォトニック結晶による斜め入射光に対する屈折光の他の電磁波シミュレーション結果を示す図である(位相格子を設けた場合)。
【図31】 1次元フォトニック結晶による斜め入射光に対する屈折光の他の電磁波シミュレーション結果を示す図である(位相格子を設けた場合)。
【図32】 Y軸方向閉じ込めに関する他の電磁波シミュレーションの結果を示す図である(位相格子を設けた場合)。
【図33】 Y軸方向閉じ込めに関する他の電磁波シミュレーションの結果を示す図である(位相格子を設けた場合)。
【符号の説明】
1 多層膜層
1a 入射端面
1b 出射端面
2 基板
3 入射光束
4 伝搬光
5a 媒体A
5b 媒体B
6 位相変調手段
7、7a、7b、7c、9 平面波
8 空間
10 反射層
11 多層膜層
12 溝
13a、13b スラブ状光導波路
14a、14b 線状光導波路
15a、15b 凸レンズ部分
16 分波された信号光
20 三角プリズム構造1次元フォトニック結晶

Claims (14)

  1. 多層構造体により構成され、該多層構造体はその少なくとも一部分が一定周期を有する1次元フォトニック結晶とみなせる周期構造体であり、該多層構造体の層面と略垂直な2端面のうち1つを光入射面、他を光出射面とする光学素子において、
    前記光入射面に対して光出射面が傾斜角を有しており、光入射面に入射する入射光、前記多層構造体中の伝播光、および前記光出射面から出射する出射光の進行する方向が、前記周期構造体の周期方向と垂直をなしていることを特徴とする1次元フォトニック結晶を用いた光学素子。
  2. 前記光入射面に近接もしくは当接して位相変調手段が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の1次元フォトニック結晶を用いた光学素子。
  3. 前記光出射面に近接もしくは当接して位相変調手段が設けられていることを特徴とする請求項2に記載の1次元フォトニック結晶を用いた光学素子。
  4. 前記多層構造体の片側もしくは両側の層面に平行な表面に反射層を設けたことを特徴とする請求項1、2または3に記載の1次元フォトニック結晶を用いた光学素子。
  5. 前記反射層が周期的多層膜であることを特徴とする請求項4に記載の1次元フォトニック結晶を用いた光学素子。
  6. 前記周期構造部分を伝播する電磁波は、低次側から2番目の結合性フォトニックバンドに属する波動として伝播することを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の1次元フォトニック結晶を用いた光学素子。
  7. 請求項1〜6のいずれか一項に記載の1次元フォトニック結晶を用いた光学素子と、該光学素子の光入射面に、多波長光信号を入射させる光入射光学系と、該光学素子から出射される分光された信号光を波長別に弁別する光出射光学系から構成されることを特徴とする分光装置。
  8. 前記光入射光学系が、入射光を平行光に変換するコリメート手段を有することを特徴とする請求項7に記載の分光装置。
  9. 前記光入射光学系が、多波長信号光を導波する線状光導波路もしくは光ファイバと、該線状光導波路もしくは光ファイバの光出射端に入射端が接続し、前記光学素子の光入射面に出射端が接続したスラブ状光導波路と、該スラブ状光導波路中にあって伝搬光を平行光に変換する集光素子と、を有することを特徴とする請求項8に記載の分光装置。
  10. 前記光出射光学系が、前記光学素子が出射する分波された複数の信号光をそれぞれ複数の光伝搬手段に結合する光結合手段を有することを特徴とする請求項7に記載の分光装置。
  11. 前記光出射光学系が、前記光学素子の光出射面に入射端が接続されたスラブ状光導波路と、該スラブ状光導波路の出射端に接続された複数の線状光導波路もしくは光ファイバと、該スラブ状光導波路中にあって伝搬光を前記複数の線状光導波路もしくは光ファイバに結合する集光素子と、を有することを特徴とする請求項10に記載の分光装置。
  12. 前記集光素子が、前記スラブ状光導波路中に屈折率が異なる部分をレンズ状に設けた導波路レンズであることを特徴とする請求項9または11に記載の分光装置。
  13. 前記集光素子が、前記スラブ状光導波路中に設けた回折レンズであることを特徴と請求項9または11に記載の分光装置。
  14. 前記集光素子が、前記光学素子の光入射面または光出射面とスラブ状光導波路との境界面を曲面とした構造であることを特徴とする請求項9または11に記載の分光装置。
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