JP3979097B2 - 光学素子 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、主に光通信システム、光計測機器等に用いられる光学素子に関し、とくにフォトニック結晶を用いた光学素子に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
屈折率の異なる誘電体を、光の波長程度の周期で並べた構造を有するフォトニック結晶には、
(a)フォトニックバンドギャップによる光の閉じ込め
(b)特異なバンド構造による非常に大きな波長分散
(c)伝播光の群速度異常
といった特徴的な性質があることはよく知られており、このような特性を利用した数多くの光学素子が提案あるいは研究されている。
【0003】
フォトニック結晶は、周期構造を有する方向の数によって、1次元、2次元、3次元に分類することができる。最も簡単な1次元フォトニック結晶としては、たとえば平行平面基板に2種類の薄膜(例えば、SiO2とTiO2など)を交互に積層したフィルタがあり、すでに実用化している。上記構造は周期方向にフォトニックバンドギャップを有するため、特定の波長域の入射光のみを反射するはたらきがある。また、斜め入射光に対するフォトニックバンドギャップの波長域が偏光方向によって異なることから、偏光分離フィルタとして機能させることもできる。
【0004】
2次元フォトニック結晶としては、フォトリソグラフィー技術を応用して、基板上の薄膜に空気孔を並べた構造が多く研究されている。空気孔の配列に線状欠陥をつくれば、その部分を光導波路とすることができる。
【0005】
3次元フォトニック結晶では、全方向にわたるフォトニックバンドギャップを実現すると立体的な光導波路が実現できることから、1mm角程度の体積中に多くの光学素子を組み込むことができるものと期待されている。
【0006】
1次元、2次元、3次元のなかで、1次元フォトニック結晶は製作しやすいという大きな長所がある反面、上記のフィルタ以外にフォトニック結晶としての特性を生かす方法が少ないことから、2次元、次元結晶ほどには研究されてこなかった。しかし、1次元結晶は上記(a)の機能は2次元、3次元結晶に劣るものの、(b)、(c)の特性を利用することは充分可能であり、その手段として多層膜層の端面、すなわち多層構造が露出している面を、光入射面もしくは光出射面として使用した例がある。
【0007】
たとえば傾いた多層膜層の断面に入射する光線の方向の理論的な解析が示され(Applied Physics B、39巻、p.231、1986年)、また、構造性複屈折による偏光分離をねらいとし、多層膜層の屈折率がTE,TMの偏光によって大きく異なる性質(いわゆる構造性複屈折)を利用して、複屈折材料と同様の偏光分離効果を得たことが開示されている(Optics Letters 15巻、9号、p.516、1990年)。さらに周期的多層膜層の第1フォトニックバンドの形状がバンドギャップ近傍で直線状となることから、非常に大きい分散(スーパープリズム効果)が得られるとした報告もある("International Workshop on Photonic and Electromagnetic Crystal Structures" Technical Digest, F1-3)。
【0008】
さらに本発明者の研究により、多層膜層の端面に略垂直な入射光を入れると、周期性のない方向に光が伝播して、フォトニック結晶としての特性を引き出すこともできることが明らかになってきた。本発明者の電磁波シミュレーションおよび実験によると、次元フォトニック結晶(周期的多層膜)の端面に単色光の平面波を略垂直に入射させた場合、その光はいくつかのバンドに対応する波動に分かれて多層膜層内を伝播する。多層膜の周期に対して入射光の波長が充分に長い場合には、第1バンドによる波動(以下、第1バンド光と呼ぶ)のみが伝播するが、波長が短くなると第3バンド光、第5バンド光といった高次の波動も順次伝播するようになる。したがって、入射波長にかかわらず、入射光のエネルギーの一部は必ず第1バンド光となって伝播することになる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
このような第3、第5といった高次のバンド光は上記(b)、(c)という特性を有するが、第1バンド光はこのような特性を有さない。したがって、第1バンド光は光学素子としては利用価値のほとんど無い無駄な光であり、入射光の利用効率を低下させるだけではなく、迷光として素子のS/N比を悪くするという問題点を有する。
【0010】
本発明はこのような問題点を解決するためになされたもので、フォトニック結晶内に特定の高次バンド光のみを伝播させる手段を備えた光学素子を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明では、1次元フォトニック結晶の端面への入射光に、フォトニック結晶と同じ周期と方向の位相変調を与えることによりフォトニック結晶内を特定の高次バンド光のみを伝播させる。あるいは、上記フォトニック結晶の端面からの出射光に位相変調を施して平面波に変換する。
【0012】
上記作用は、以下の手段により達成される。
本発明の光学素子は、多層構造体により構成され、一定周期を有する1次元フォトニック結晶とみなせる周期構造体であり、多層構造体の層面と略垂直な端面を光入射面としている。このような構成の光学素子において、多層構造の方向に周期構造体の周期と同一の周期を有する位相変調波を発生する第1位相変調手段を光入射面に当接もしくは近接して配設する。
【0013】
また、上記の光入射面に対向する多層構造体の層面と略垂直な端面を光出射面とし、多層構造体からの出射光を略平面波に変換する第2位相変調手段を前記光出射面に当接もしくは近接して配設する。
【0014】
ここで上記の周期構造体は1次元フォトニック結晶とみなすことができ、位相変調波は、主として周期方向と垂直な周期構造を有さない方向における、最低次ではない単一の結合性フォトニックバンドに属する波動が伝播する。
【0015】
本発明の光学素子には上記の第1位相変調手段により、多層構造体外部からの略平面波が位相変調波に変換されて入射されるが、この位相変調手段は、周期構造体の周期と同一の周期を有する位相格子であるか、もしくは同一周波数の複数の平面波光を互いに干渉させる光学系によって構成される。この位相格子は、周期構造体と一体構成されていることが望ましく、それは多層構造体の光入射端面もしくは光出射端面近傍に形成した溝により分離した多層構造体の一部として形成できる。出射側に配設される第2位相変調手段も同様である。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について具体的に説明する。
図1は、本発明の基本構造をなす周期的多層膜層を模式的に示した断面図である。平行平面基板2(材質は媒体M2とする)の表面に周期的多層膜層1を形成する。多層膜は、例えば厚さtAの物質A(屈折率nA)と厚さtBの物質B(屈折率nB)を交互に積み重ねた周期a(=tA+tB)の構造とする。多層膜層の表面は媒体M1(図1の場合は空気)と接しているものとする。
【0017】
図1における周期的多層膜の端面1aから真空中の波長λ0の光束3を入射させたとき、この光がこの多層膜内でどのように伝搬するかを解析すると、一定条件においてこの周期的多層膜はいわゆるフォトニック結晶として作用し、伝搬する光に特異な効果を発現させることがわかる。
【0018】
フォトニック結晶内を伝播する光の特性は、フォトニックバンドを計算し図示することにより知ることができる。バンド計算の方法は、たとえば、"Photonic Crystals", Princeton University Press (1995) あるいは、Physical Review B 44巻、16号、p.8565、1991年、などに詳しく述べられている。
【0019】
図1に示す周期的多層膜はY方向(積層方向)には無限に続く周期構造を有し、XおよびZ方向(層面の広がる方向)には無限に広がっているものと仮定する。図2、図3は、
nA=1.44(tA=0.5a)
nB=2.18(tB=0.5a)
の層を交互に重ねた周期aの多層構造体について、Z軸方向(X軸方向も同じ)における平面波法によるバンド計算の結果を、TE偏光(図2)及びTM偏光(図3)の第1〜第3バンドについて示したものである。ここで、TE偏光は電場の向きがX軸方向である偏光を、TM偏光は磁場の向きがX軸方向である偏光をそれぞれ表わす。
【0020】
図2、図3の横軸はZ軸方向の波数ベクトルkzの大きさであり、縦軸は規格化周波数
ωa/2πc
である。ここで、ωは入射する光の角周波数、aは構造の周期、cは真空中での光速である。規格化周波数は、真空中の入射光波長λ0を用いて、a/λ0とも表わすことができるので、以下ではa/λ0 と記述する。Z軸方向には周期性がないので、図2、図3の横軸にはブリルアンゾーンの境界が存在せず、どこまでも広がっている。
【0021】
図2に示すように、入射光の真空中の波長がλAの場合、フォトニック結晶内では第1バンドに対応する波数ベクトルkA1が存在する。換言すると、波長
λA1=2π/kA1
の波動としてフォトニック結晶内をZ軸方向に伝播する(以下、第1バンド光と呼ぶ)。
【0022】
ところが、入射光の真空中の波長がλBの場合には、第1、第3バンドに対応する波数ベクトルkB1、kB3が存在する。ここで、第2バンドは「非結合性」であるため無視される。従って、波長λB1=2π/kB1の第1バンド光、および波長λB3=2π/kB3の波動(以下、第3バンド光とする)がそれぞれフォトニック結晶内をZ軸方向に伝播する。なお、非結合性バンドについての理論は、以下の文献に詳しく記述されている。
K.Sakoda “Optical Properties of Photonic Crystals” Springer-Verlag (2001).
【0023】
ここで、真空中での波長(λA、λBなど)を、対応するフォトニック結晶中の波長(λA1、λB3など)で除した数値を「実効屈折率」と定義する。図3から理解できるように、第1バンド光のa/λ0(縦軸)とkz(横軸)はほぼ比例するため、実効屈折率もλ0の変化に対してほとんど不変である。しかし、第3バンド光は実効屈折率がλ0により大きく変化し、図2、図3より明らかなように実効屈折率が1未満になることもある。
【0024】
図4は波長λ0の入射光が周期的多層構造体の端面に垂直入射したときのZ軸方向への第3バンド伝播光(実効屈折率をn3する)と、多層構造体の両側の表面に接する媒体M1(屈折率n1)、M2(屈折率n2)を図示したものである。ここで、n3がn1、n2よりも大きければ、第3バンド伝播光は界面での全反射によって多層膜層の内部に閉じ込めることができ、M1,M2側には出ていかないで多層膜層内を伝播することになる。
【0025】
第1バンド光は通常の均質媒体と同程度の波長分散しか起こさないのに対して、第3バンド光は前述したように実効屈折率が入射波長により大きく変化するため、非常に大きい波長分散を示す。これは、いわゆるスーパープリズム効果の一種である。スーパープリズム効果は、以下の文献等で提唱されている。
Physical Review B、58巻、16号、p.R10096、1998年
【0026】
図2、図3には示していないが、第4以上のバンドも大きい波長分散を示す。しかし、高次のバンドは後述する「節」の数が増えるので、第2、第3といった低次のバンドを利用することが望ましい。しかし、上述したように「非結合性」バンドは利用できないので、望ましいバンドは「最低次から2番目の結合性バンド」であり、図2、図3においては第3バンドがこれに相当する。多層構造によっては第2バンドが相当する場合もある。
【0027】
また、第3バンド伝播光ではいわゆる「フォトニック結晶における群速度異常」が生じるため、非線型効果の増強作用を起こすことなどが期待されている。第1バンドは群速度異常がほとんど起こらないので、この点からも第3バンドの利用が望ましい(日本学会第27回冬季講習会資料 41〜53頁 2001年、参照)
【0028】
また、図1の周期的多層膜層はX軸方向とY軸方向の構造に大きな違いがあるため、偏光方向により実効屈折率は異なる値となる。これは、図2(TE偏光)と図3(TM偏光)のグラフが異なることからも明らかである。したがって、周期的多層膜層の伝播光には偏光分離の作用があり、たとえば波長による分光と偏光分離を同時に行なう、といった利用の仕方も可能である。このため、回折格子と偏光分離素子の組合せによる機能を単一の素子で実現でき、光システムを単純化することもできる。
【0029】
ただし、1次元フォトニック結晶の場合、kzが小さい領域(図2、図3では縦軸に近い領域)における高次バンド(第2以上)のTEとTMの差は非常に小さいので、この領域では実質的に偏光特性を無視することも可能となる。
【0030】
以上述べたように、第3バンド伝播光を利用する光学素子は非常に有用なものである。しかし、図2、図3から明らかなように、第3バンド光が伝播する場合には必ず第1バンド光も伝播している。第1バンド伝播光は上述した「非常に大きい波長分散」、「群速度異常」といった効果がほとんどないので、第3バンド伝播光を利用する場合には単なる損失でしかなく、入射光エネルギーの利用効率を大きく低下させてしまうのみならず、迷光として素子のS/N比を低下させる原因ともなる。
【0031】
ところが、本発明者らの研究によって、入射光に位相変調を加えると周期的多層膜層内を第3バンド光のみ伝播させることが可能であることが明らかとなった。
図5及び図6は、物質AとBを重ね合わせた周期的多層膜(周期a)内での、Z方向における第1バンド伝播光と第3バンド伝播光の電場の強さを模式的に表わしたものである。電場の山は実線、谷は点線で表わし、線の太さは振幅の大きさを表わすものとする。
【0032】
バンド伝播光は、図5に示すように電場の振幅は媒体A内と媒体B内で異なるものの、電場の山と谷はそれぞれZ軸と垂直な平面となるので、平面波に近い伝播となる。
【0033】
しかし、第3バンド伝播光は、図6に示すように電場振幅が0となる「節」が生じ、1周期は2つの領域に分割される。隣り合う領域では波動の位相が半波長ずれているため、山と谷が入れ違いに現われる。図示はしていないが、さらに高次のバンドによる伝播光では1周期内の節の数が増えて、1周期内での半波長ズレが何回も起こるようになる。
【0034】
したがって、第1バンドと第3バンドがともに関与する波長(たとえば図2のλB)の入射光に対する伝播光は両者が重なって、たとえば図14のような複雑な電場パターンを示すことになる。
【0035】
ところで、図7に示すように、Y方向に周期aで半波長差を生じる位相変調手段としての位相格子6に平面波7を入射させると、図6における第3バンド伝播光に類似した電場パターンを空間8に作ることができる。ここに周期的多層膜層の端面を置くと、第1バンド伝播光は発生せず、第3バンド伝播光のみが生じることが、本発明者らのシミュレーションにより明らかとなった。以上の結果を一般化すると、「周期aの多層膜層に対して、同じ方向に周期aを有する適当な位相変調波を入射させると、特定の高次バンドに属する伝播光のみを得ることができる」ということになる。また、光路を逆に考えると、第3バンド伝播光が多層膜層の端面から出射された後に適当な位相変調手段を設置することにより平面波に戻すこともできることがわかる(図8参照)。
【0036】
以下、位相変調手段の条件について具体的に説明する。
最も簡便な位相変調手段は、周期的多層膜層と同じ周期を有する位相格子である。たとえば、図9に示すように位相格子を設置すればよい。本発明者らのシミュレーションによると、位相変調の特性(図9における厚さtC 、tD 、L,Gの値など)は、周期的多層膜の特性、すなわち各層の厚さ比率と屈折率、などに合わせて最適化する必要がある(後述する計算例参照)。また、位相変調と多層膜の周期は同調させる必要があるので、
(1)tA+tB=tC+tD
(2)媒体Aと媒体CのY方向中心が一致している。
(3)媒体Bと媒体DのY方向中心が一致している。
の各条件を満たしていなければならない。
【0037】
位相格子と周期的多層膜の間隔も伝播光に影響するので最適な範囲を選ばなくてはならない。また、多層膜の周期aが真空中の光の波長λ0以下の場合は、両者の間隙を空気層とすると位相格子による±1次回折光が伝播できなくなり、反射光が多くなる。これを防ぐためには、間隙を屈折率の大きい媒体で満たす方法がある。具体的には、
λ0/nG<a
とすればよい。ただしnGは間隙を満たす媒体の屈折率である。
【0038】
実際に本発明を実施するにあたっては、周期的多層膜の端面近くに溝を形成して多層膜の一部をそのまま位相格子として用いる方法が考えられる。この場合は、位相格子の厚さと溝の幅を調整して第3バンド光のみが伝播するようにしなくてはならない。もちろん、溝は空気層としても良いし、均一媒体で満たしても良い。
【0039】
位相変調波をつくるためには、複数の波面の干渉を用いる方法もある。図10に示すように、互いにコヒーレントな2つの平面波を交叉させると、干渉により定常波が発生するので、この定常波部分を位相変調波とすることができる。Y方向の周期は交叉する角度によって調整できる。
【0040】
また、図11のように第3の平面波を加えれば、多層膜層にマッチするよう位相変調波を細かく調整することも可能となる。しかし、実際に3波を調整するのは困難なので、図10のように2波の干渉を用いるのが簡便であることは明らかである。従って、周期的多層膜の構造を調整して、2波の干渉波と多層膜の第3バンド伝播条件をマッチングさせることが望ましい。
【0041】
本発明における多層構造体の周期構造部分は、図1に示すような2種類の物質による構成に限定されない。物質は3種類以上であってもよい。ただし各層の屈折率、厚みが一定の周期をもっている必要がある。周期構造部分は一般的にはm種類(mは自然数)の物質の積層体からなる。1周期を構成する物質1、2、・・・、mの屈折率をn1、n2、・・・,nm、厚さをt1、t2、・・・、tmとする。また使用波長λにおける多層構造体一周期あたりの平均屈折率nMを
nM=(t1・n1+t2・n2+・・・+tn・nm)/a
と定義する。1周期aは、
a=t1+t2+・・・+tm
である。
【0042】
周期構造部分の平均屈折率nM は、概略
a/λ0≦0.5/nM
の範囲では第1バンドしか存在しない(図2、図3参照)。そこで、第2以上のバンドを利用するためには、多層構造の周期aは使用波長λ0に対して
λ0/2nM≦a
の関係を満たす必要がある。周期aが上記条件の範囲よりも小さくなると、第1バンド光しか伝播しないので、多層構造体の特性は平均屈折率を有する均質媒体に近いものとなってしまう。
【0043】
本発明に用いる多層膜層の材料としては、使用波長域における透明性が確保できるものであれば特に限定はないが、一般的に多層膜の材料として用いられていて耐久性や製膜コストの点で優れたシリカ、シリコン、酸化チタン、酸化タンタル、酸化ニオブ、フッ化マグネシウムなどが適する材料である。上記材料は、スパッタリング、真空蒸着、イオンアシスト蒸着、プラズマCVDなどのよく知られた方法により、容易に多層膜とすることができる。
【0044】
多層膜材料の屈折率比は大きくなるほど、波長分散なども大きくなる傾向があるので、そのような特性が必要な用途に対しては高屈折率材料と低屈折率材料を組合せることが望ましい。実用的に実現できる屈折率比は、たとえば低屈折率材料として空気(屈折率1)、高屈折率材料としてInSb(屈折率n=4.21)を用いると4以上にすることができる(「微小光学ハンドブック」224頁、朝倉書店 1995年、参照)。
【0045】
多層膜材料の屈折率比が小さくなると、偏光方向による特性の違いが小さくなる傾向があるので、偏波無依存を実現するためには屈折率比の小さい組合せも有用である。ただし、屈折率比があまり小さくなると変調作用が弱くなり、期待される作用が発揮されないこともあるので、屈折率比として1.2以上確保することが望ましい。
【0046】
多層膜層の端面近傍に設ける溝は、多層膜を積層した後に、
レジスト層塗布→パターニング→エッチング→レジスト層の除去
といった一般的な方法により作製することができ、溝部分の空気もしくは真空を低屈折率材料として利用することもできるし、溝部分に媒体を充填してもよい。充填する物質としては、有機樹脂、ゾル状態のガラス、溶融状態の半導体材料などを用いることができる。ゾル状態のガラスはゲル化した後に加熱して透明なガラスとすることができる。
【0047】
材料を適切に選定すれば、本発明の作用は通常使用される200nm〜20μm程度の波長範囲で発揮される。
【0048】
1周期内における多層膜の構造は、物理的厚さの等しい2層とするのが最も単純であるが、(1)2層の膜厚比を変える、(2)3層以上とする、(3)膜材質を3種以上とする、といった手段により平均屈折率やバンド構造の調整を行ない、分散特性や偏光特性、入射光の利用効率の改善などに役立てることも可能である。
また、多層膜を構成する各層が、連続的に屈折率が変化するものであっても、屈折率差が確保されていれば特性はほとんど同じとなる。
【0049】
多層膜層の基板の材質は、伝播光の漏れ発生しない屈折率の範囲の材料であれば特に限定はなく、ソーダライムガラス、光学ガラス、シリカ、シリコン、あるいはガリウム砒素などの化合物半導体などが適する材料である。温度特性などの限定が小さければ、プラスチック材料でも良い。
基板を用いず、多層膜層だけから構成される、いわゆるエアーブリッジ構造としてもよい。
【0050】
位相格子と組合せた1次元フォトニック結晶内部の伝播を、有限要素法によりシミュレーションした結果を以下に列挙する。使用したソフトウェアは日本総合研究所製のJMAGである。
【0051】
計算モデルは図9に示すものである。1次元フォトニック結晶は均質の媒体Aと媒体Bを交互に重ね合わせた構造であり、周期をa、それぞれの厚さをtA・a、tB・a、屈折率をnA、nBとする。フォトニック結晶の垂直断面から距離Gだけ離して位相格子を設置する。フォトニック結晶と位相格子の間隔は、屈折率nGの均質媒体で満たされている。
【0052】
媒体Cと媒体Dから構成される位相格子の周期はフォトニック結晶と同じであり、媒体Cと媒体Dの厚さはtC・a及びtD・a、屈折率はnCおよびnDであり、Z軸方向の長さはLとする。
位相格子の左側は屈折率nSの空間であり、ここから真空中の波長λ0の平面波(直線偏光波)を垂直入射させる。
なお図9における位相格子を出射側にも設けた場合、計算モデルは図12に示すものとなる。
【0053】
[計算例1]
図9の構造について、以下の条件での電磁波シミュレーションを実施した。以下の計算例、比較例では、長さはすべて周期aを基準として規格化している。
(周期) a
(媒体A) 厚さ tA = 0.50a 屈折率 nA = 1.44
(媒体B) 厚さ tB = 0.50a 屈折率 nB = 1.00
(媒体C) 厚さ tC = 0.50a 屈折率 nC = 1.44
(媒体D) 厚さ tD = 0.50a 屈折率 nD = 1.00
(位相格子の厚さ)L = 0.803a
(間隔) G = 1.00a nG = 1.00
(空間) nS = 1.00
(真空中の波長) λ0 = 0.7072a TE偏光(電場の向きがX軸方向)
ただし、計算は有限な領域で行ない、多層膜層1および位相格子6の厚さは11周期、入射光7の幅は8周期とした。
【0054】
シミュレーション結果として、電場の強度分布を図13に示す。周期性の乱れる上端部と下端部を除いて、電場は節のある波動(上述した第3バンド伝播光)となって伝播している。
【0055】
[比較計算例1]
比較のために、計算例1の構成から位相格子を除いた場合の電磁波シミュレーションを実施した。
電場の強度分布を図14に示す。図13と比較すると、第3バンド光と重なって周期の短い第1バンド光も伝播していることがわかる。
【0056】
[計算例2]
Y軸方向に無限に広がる図12の構造について、以下の条件での電磁波シミュレーションを実施した。
(周期) a
(媒体A) 厚さ tA = 0.50a 屈折率 nA = 1.44
(媒体B) 厚さ tB = 0.50a 屈折率 nB = 1.00
(媒体C) 厚さ tC = 0.50a 屈折率 nC = 1.44
(媒体D) 厚さ tD = 0.50a 屈折率 nD = 1.00
(位相格子の厚さ)L = 0.803a
(間隔) G = 1.132a nG = 1.00
(空間) nS = 1.00
(真空中の波長) λ0 = 0.7072a TE偏光(電場の向きがX軸方向)
また、多層膜層1の出射側には、入射側と同じ位相格子6を逆順に設置した。
【0057】
シミュレーション結果として、電場の強度分布を図15に示す。多層膜層1中の伝播光の電場は節のある波動(第3バンド伝播光)であり、出射側では位相格子により再び平面波15に変換されていることがわかる。
【0058】
[計算例3]
Y軸方向に無限に広がる図12の構造について、以下の条件での電磁波シミュレーションを実施した。
(周期) a
(媒体A) 厚さ tA = 0.60a 屈折率 nA = 3.48
(媒体B) 厚さ tB = 0.40a 屈折率 nB = 1.44
(媒体C) 厚さ tC = 0.60a 屈折率 nC = 3.48
(媒体D) 厚さ tD = 0.50a 屈折率 nD = 1.44
(位相格子の厚さ)L = 16.44a
(間隔) G = 1.00a nG = 2.00
(空間) nS = 1.00
(真空中の波長) λ0 = 1.722a TE偏光(電場の向きがX軸方向)
また、多層膜層1の出射側には、入射側と同じ位相格子6を逆順に設置した。
【0059】
電場の強度分布を図16に示す。多層膜層1中の伝播光の電場は節のある波動(第3バンド伝播光)であり、出射側では位相格子により再び平面波15に変換されていることがわかる。
【0060】
[計算例4]
Y軸方向に無限に広がる図9の構造について、以下の条件での電磁波シミュレーションを実施した。
本計算例では位相格子を設置せず、入射光16にY軸方向の位相変調をかけた。すなわち、入射光の位相をY軸方向に周期aの正弦波状に変化させ、自由空間20(nS = 1.00)から入射させた(図17参照)。
(周期) a
(媒体A) 厚さ tA = 0.9a 屈折率 nA = 1.44
(媒体B) 厚さ tB = 0.1a 屈折率 nB = 1.00
(空間) nS = 1.00
(真空中の波長) λ0 = 0.707a TE偏光(電場の向きがX軸方向)
電場の強度分布を図17に示す。多層膜層1中の伝播光の電場は節のある波動(第3バンド伝播光)である。
【0061】
[比較計算例2]
計算例4と同じ入射光16を用いて、多層膜層1の厚さ比のみを変えてみたものである。
(周期) a
(媒体A) 厚さ tA = 0.3a 屈折率 nA = 1.44
(媒体B) 厚さ tB = 0.7a 屈折率 nB = 1.00
電場の強度分布を図18に示す。多層膜層1中の伝播光の電場は、媒体A層に周期の短い波動(第1バンド光)が現われている。これは、多層膜層1の特性と入射光16に位相変調のマッチングが不適当な場合の例である。
【0062】
[計算例5]
Y軸方向に有限な図12の構造について、以下の条件での電磁波シミュレーションを実施した。
本計算例では入射側、出射側共に位相格子を設置せず、入射光7を2方向からの平面波とした。図19に示すように、自由空間18中で平面波7が交叉した部分では、計算例4の入射光16と同様なY軸方向位相変調波が形成される。そこで、交叉部分に以下に示す多層膜層1を設置した。
(周期) a
(媒体A) 厚さ tA = 0.9a 屈折率 nA = 1.44
(媒体B) 厚さ tB = 0.1a 屈折率 nB = 1.00
(空間) nS = 1.00
(真空中の波長) λ0 = 0.707a TE偏光(電場の向きがX軸方向)
傾き±45°の平面波を交叉させる
多層膜層1は計算例4と同じものとした。その理由は、正弦波状の位相変調を掛けた入射光16とのマッチングが良いことが、計算例4で実証されているからである。
【0063】
電場の強度分布を図20に示す。入射光7の幅が狭いので多層膜層1の上端部、下端部では波動に乱れがあるものの、中央部での伝播光は節のある波動(第3バンド伝播光)となっている。
また、多層膜層1の右側の出射光は、入射光7と同様な2個の平面波に分離することもわかる。
【0064】
[計算例6]
Y軸方向に無限に広がる図9の構造について、以下の条件での電磁波シミュレーションを実施した。
本計算例では位相格子を設置せず、入射光16にY軸方向の位相変調をかけた。すなわち、入射光16の位相をY軸方向に周期aの正弦波状に変化させ、自由空間20(nS = 1.00)から入射させた(図21参照)。
(周期) a
(媒体A) 厚さ tA = 0.9a 屈折率 nA = 3.48
(媒体B) 厚さ tB = 0.1a 屈折率 nB = 1.44
(空間) nS = 1.00
(真空中の波長) λ0 = 1.722a TE偏光(電場の向きがX軸方向)
電場の強度分布を図21に示す。多層膜層1中の伝播光の電場は節のある波動(第3バンド伝播光)である。
【0065】
[比較計算例3]
計算例6と同じ入射光16を用いて、多層膜層1の厚さ比のみを変えてみたものである。
(周期) a
(媒体A) 厚さ tA = 0.3a 屈折率 nA = 1.44
(媒体B) 厚さ tB = 0.7a 屈折率 nB = 1.00
電場の強度分布を図22に示す。多層膜層1中の伝播光の電場は、媒体A層に周期の短い波動(第1バンド光)が現われている。これは、多層膜層1の特性と入射光16の位相変調のマッチングが不適当な場合の例である。
【0066】
[応用例1:分波/合波素子]
図23は、本発明を応用した分波素子の模式図である。基板2上に形成した第1の線状導波路12からスラブ状導波路11に、多波長の信号光を含む入力光3を導入する。図23の場合では、線状導波路3の始端に光ファイバなどを接続する。ここで、スラブ状導波路11aの端面に直接光ファイバ等を接続してもよい。信号光はスラブ状導波路内を平面状に広がるので、スラブ状導波路内に設けた凸レンズ部分13により略平行光束とする。凸レンズ部分13は、たとえばスラブ状導波路11の一部を、より高屈折率の材質に置き換えることによって実現することができる。ここで、より低屈折率の材料を凹レンズ状としても、同様な集光作用が得られるし、回折レンズを使ってもよい。
【0067】
信号光は、スラブ状導波路と同じ平面層内で、三角プリズム形状の周期的多層膜層1に斜めに入射する。周期的多層膜層1の入射側端面の近くには溝10が設けてあり、溝の外側の部分は位相格子として機能する。信号光は位相格子の変調作用を受けてから溝を通って周期的多層膜層の本体に入射するので、多層膜層内では第3バンド光として伝播する。第3バンド光は波長分散が非常に大きいので、プリズム形状の多層膜層を通過した信号光は、波長別の略平行光束となって出射される。ここで、多層膜層の出射側端面にも入射側と同様な溝10を設けているので、第3バンド伝播光は平面波に変換されて第2のスラブ状導波路11bに入射する。第2のスラブ状導波路11bにも凸レンズ部分が設けてあるので、信号光は波長別に集光して、線状導波路12の終端より光ファイバ等に出力される。
図23は分波素子の例であるが、入力側と出力側を入れかえると合波素子として用いることもできる。
【0068】
[応用例2:分散補償素子]
図24は、本発明を応用した分散補償素子の模式図である。
基板2上に形成した導波路12(均質な材料による)に、光ファイバから分散補償を必要とする信号光を導入する。信号光は導波路から線状の多層膜層導波路1に送りこまれる。ここで、多層膜層導波路1の始端には溝10が設けてあるので多層膜導波路内では第3バンド光のみ伝播する。第3バンド伝播光は、前述したように入射波長によって群速度Vgが大きく変化するので、比較的短距離の多層膜導波路を伝播するうちに分散補償がなされる。
【0069】
分散補償をされた信号光は、多層膜導波路1の終端で溝10により再び平面波15に変換されて、均質材料による導波路12を通って光ファイバ等に接続される。
本応用例によれば、従来長さ数kmの分散補償ファイバで行なっていた分散補償を導波路構造の小形デバイスに置き換えることが可能となる。
【0070】
[応用例3:非線形光学素子]
前述したように、本発明における多層構造体の内部では、群速度の遅い伝播光により非線形光学効果が増強される。従って、
・周期構造部分に、非線形光学作用を示す物質を微粒子状にしてドープする
・周期構造部分の1周期ごとに、非線形光学作用を示す物質を含む薄膜層を設置する
・周期構造部分を形成する物質そのものを、非線形光学作用のあるものとする
などの手段により、従来品よりはるかに非線形光学効果の大きい光学素子を実現することができる。
【0071】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、多層構造体からの屈折光が良好な指向性をもち、その方向が大きな波長依存性をもつことを利用して、装置を大型化することなく高分解能の分光装置、偏光分離装置を実現することができる。多層構造の製作は既存の技術を用いて比較的安価に量産することができるので、これらの光学素子の低価格化を図ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 周期的多層膜層内の光の伝播を示す模式図である。
【図2】 周期的多層膜のフォトニックバンド構造(TE偏光)を示す図である。
【図3】 周期的多層膜のフォトニックバンド構造(TM偏光)を示す図である。
【図4】 2種の均質媒体に挟まれた周期的多層膜内の伝播を示す図である。
【図5】 第1バンド伝播光の電場を示す模式図である。
【図6】 第3バンド伝播光の電場を示す模式図である。
【図7】 位相格子を設けた周期的多層膜層内伝播光を示す模式図である。
【図8】 入射側と出射側の両方に位相格子を設けた場合を示す模式図である。
【図9】 入射側に設置した位相格子の模式図である。
【図10】 2個の平面波による干渉波を入射光として用いた場合の模式図である。
【図11】 3個の平面波による干渉波を入射光として用いた場合の模式図である。
【図12】 入射側および出射側に設置した位相格子の模式図である。
【図13】 計算例1のシミュレーション結果を示す図である。
【図14】 比較計算例1の参考用シミュレーション結果を示す図である。
【図15】 計算例2のシミュレーション結果を示す図である。
【図16】 計算例3のシミュレーション結果を示す図である。
【図17】 計算例4のシミュレーション結果を示す図である。
【図18】 比較計算例4の参考シミュレーション結果を示す図である。
【図19】 交叉する平面波のシミュレーション結果を示す図である。
【図20】 計算例5のシミュレーション結果を示す図である。
【図21】 計算例6のシミュレーション結果を示す図である。
【図22】 比較計算例6の参考シミュレーション結果を示す図である。
【図23】 本発明を応用した分波/合波素子を示す模式図である。
【図24】 本発明を応用した分散補償素子を示す模式図である。
【符号の説明】
1 周期的多層膜層
1a 周期的多層膜層の端面
1b 周期構造部分の表面
2 基板
3 入射光
4 周期的多層膜層内の伝播光
5a 多層膜を構成する物質A
5b 多層膜を構成する物質B
6 位相格子
7 入射光(平面波)
8 位相変調波の存在する空間
9 位相変調された出射光
10 周期的多層膜の端面に設けた溝
11a スラブ状導波路(入射側)
11b スラブ状導波路(出射側)
12 線状導波路
13 スラブ状導波路に設けた凸レンズ
14 波長ごとに分かれた出射光
15 出射光(平面波)
16 位相変調された入射光
18、20 自由空間

Claims (9)

  1. 多層構造体により構成され、該多層構造体は一定周期を有する1次元フォトニック結晶とみなせる周期構造体であり、該多層構造体の層面と略垂直な端面を光入射面とする光学素子において、
    多層構造の積層方向に前記周期構造体の周期と同一の周期を有する位相変調波を発生する第1位相変調手段が、前記光入射面に当接もしくは近接して配設されていることを特徴とする光学素子。
  2. 前記光入射面に対向する前記多層構造体の層面と略垂直な端面を光出射面とし、前記多層構造体からの出射光を略平面波に変換する第2位相変調手段が、前記光出射面に当接もしくは近接して配設されていることを特徴とする請求項1に記載の光学素子。
  3. 前記位相変調波が、1次元フォトニック結晶とみなせる前記周期構造体部分を、主として周期方向と垂直な周期構造を有さない方向における、最低次ではない単一の結合性フォトニックバンドに属する波動が伝播することを特徴とする請求項1または2に記載の光学素子。
  4. 前記第1位相変調手段により、多層構造体外部からの略平面波が前記位相変調波に変換されて入射されることを特徴とする請求項1に記載の光学素子。
  5. 前記第1位相変調手段は、前記周期構造体の周期と同一の周期を有する位相格子であることを特徴とする請求項4に記載の光学素子。
  6. 前記第1位相変調手段が、同一周波数の複数の平面波光を互いに干渉させる光学系であることを特徴とする請求項4に記載の光学素子。
  7. 前記第2位相変調手段は、前記周期構造体の周期と同一の周期を有する位相格子であることを特徴とする請求項2に記載の光学素子。
  8. 前記位相格子が、前記周期構造体と一体構成されていることを特徴とする請求項5または7に記載の光学素子。
  9. 前記位相格子は、前記多層構造体の光入射端面もしくは光出射端面近傍に形成した溝により分離した多層構造体の一部であることを特徴とする請求項8に記載の光学素子。
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