JPWO2009001945A1 - 磁気ヘッド用基板、磁気ヘッドおよび記録媒体駆動装置 - Google Patents

磁気ヘッド用基板、磁気ヘッドおよび記録媒体駆動装置 Download PDF

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Abstract

本発明は、Al2O3が60質量%以上70質量%以下、TiCが30質量%以上40質量%以下の範囲である焼結体からなる磁気ヘッド用基板に関する。磁気ヘッド用基板7,7′は、焼結体の切断面における任意の10μm以上の直線上に存在するTiC結晶粒子の個数の比率が、前記直線上に存在するTiC結晶粒子の個数およびAl2O3結晶粒子の個数の合計に対して55%以上75%以下である。本発明はさらに、前記磁気ヘッド用基板から得られる磁気ヘッド、および前記磁気ヘッドを備えた記録媒体駆動装置に関する。

Description

本発明は、ハードディスクドライブやテープドライブ等の記録媒体駆動装置、これに使用される磁気ヘッド、および磁気ヘッドの基材であるスライダを形成するための磁気ヘッド用基板に関する。
近年、記録媒体へ記録する磁気記録の高密度化は急速に進んでいる。一般に、記録再生用の磁気ヘッドとして、記録媒体上を浮上走行するスライダに電磁変換素子を搭載した磁気ヘッドが使用されている。
磁気ヘッドに用いるスライダは、機械加工性および耐摩耗性に優れていることに加え、記録媒体等に対面して空気により浮力を受ける浮上面の表面平滑性に優れることが要求されている。磁気ヘッドは、一例として以下のような手順で作製することができる。
まず、Al−TiC系セラミックスからなるセラミック基板上に非晶質状のアルミナからなる絶縁膜をスパッタリング法により成膜して、この絶縁膜上に複数の電磁変換素子を形成する。電磁変換素子は、磁気抵抗効果を用いたものであり、たとえばMR(Magnetro Resistive)素子、GMR(Giant Magnetro Resistive)素子、TMR(Tunnel Magnetro Resistive)素子、またはAMR(Anisotropic Magnetro Resistive)素子である。例示した電磁変換素子は、1種または複数種が所望の間隔で絶縁膜上に形成されることにより、スライダに搭載される。
次いで、電磁変換素子が搭載されたセラミック基板をスライシングマシーンやダイシングソーを用いて短冊状に切断する。このとき、短冊状のセラミック基板の厚み方向に平行に切断し、切断面を研磨して鏡面とした後に、イオンミリング加工法や反応性イオンエッチング法によって鏡面の一部を除去する。この後、短冊状に切断されたセラミック基板をチップ状に分割することにより、スライダに電磁変換素子を搭載した磁気ヘッドが得られる。この磁気ヘッドでは、鏡面において除去された部分が流路面となり、鏡面において除去されずに残った部分は浮上面となる。流路面は、空気を通すものであり、記録媒体との間に形成される狭い空間に空気が流入・流出して発生する浮力によって磁気ヘッドが記録媒体と接触しないようになされている。
このような磁気ヘッドが搭載されたハードディスクドライブ等の記録媒体駆動装置は、益々その記録容量を増加させることが望まれ、記録密度をさらに高くすることが求められるようになってきている。この要求に応じようとすれば、磁気ヘッドの記録媒体である磁気ディスクからの浮上高さ(浮上量)は10nm以下と極めて小さくしなければならなくなる。しかしながら、この10nm以下の浮上高さ(浮上量)では、上述のようにして作製された磁気ヘッドは記録媒体に接触しやすく、この接触による衝撃によって磁気ヘッドを構成するスライダの組成物の結晶粒子が脱粒して、磁気ヘッドの特性が劣化するという問題が顕在化している。
そのために、磁気ヘッドを構成するスライダの基材である磁気ヘッド用基板に対しては、その組成物の結晶粒子が容易に脱粒しない材料が求められており、結晶粒子間の結合力の向上、即ち焼結性の向上が要求されている。
このような要求に応じるために、組成物の結晶粒子の微粒化が検討されている。たとえば、アルミナおよび炭化チタンからなる焼結体である磁気ヘッドスライダ用材料では、切断面におけるアルミナ結晶粒および炭化チタン結晶粒の占める面積のうち、結晶粒径が200nm以上350nm以下であるアルミナ結晶粒および炭化チタン結晶粒の占める面積比率が80%以上とされる(たとえば特許文献1参照)。特許文献1の実施例では、アルミナ結晶粒および炭化チタン結晶粒の各平均結晶粒径は、それぞれ0.25〜0.31μmおよび0.25〜0.32μmの範囲が好ましいことが記載されている。
特開2007−4934号公報
しかしながら、炭化チタン結晶粒およびアルミナ結晶粒を含む磁気ヘッドスライダ用材料では、炭化チタン結晶粒の個数比率が低いと、TiC結晶粒子によってAl結晶粒子の粒成長を抑制することが困難となる場合がある。そのため、焼結時にアルミナ結晶粒の異常な粒成長が発生すると、磁気ヘッド用基板を短冊状に切断し、あるいはイオンミリング加工法や反応性イオンエッチング法により流路面を形成したりする加工を施したときに、結晶粒子の脱粒を十分に防ぐことができなくなる。アルミナ結晶粒が異常な粒成長して脱粒すると、発生するチッピングのサイズも大きくなるという問題もある。
本発明は、磁気ヘッド用基板の加工時(切断、トリミングやエッチング)における脱粒、磁気ヘッドにおけるスライダからの脱粒を抑制することを課題としている。
本発明は、アルミナが60質量%以上70質量%以下、炭化チタンが30質量%以上40質量%以下の範囲である焼結体からなる磁気ヘッド用基板に関する。
本発明はさらに、磁気ヘッド用基板をチップ状に分割して形成された焼結体からなるスライダに電磁変換素子を形成した磁気ヘッドに関する。
本発明はさらに、磁気ヘッド用基板をチップ状に分割して形成された焼結体からなるスライダに電磁変換素子を形成した磁気ヘッドと、該磁気ヘッドによって情報の記録および再生を行なう磁気記録層を有する記録媒体と、該記録媒体を駆動させるモータと、を備えている記録媒体駆動装置に関する。
前記焼結体の切断面における任意の10μm以上の直線上に存在する前記炭化チタンの結晶粒子の個数の比率は、前記直線上に存在する前記炭化チタンの結晶粒子の個数および前記アルミナの結晶粒子の個数の合計に対して55%以上75%以下である。
本発明の磁気ヘッド用基板および磁気ヘッドのスライダは、Alが60質量%以上70質量%以下、TiCが30質量%以上40質量%以下の範囲である焼結体からなる。前記磁気ヘッド用基板および前記スライダはさらに、前記焼結体の切断面における任意の10μm以上の直線上に存在するTiC結晶粒子の個数の比率が、前記直線上に存在する前記TiC結晶粒子の個数および前記Al結晶粒子の個数の合計に対して55%以上75%以下である。そのため、TiC結晶粒子は、Al結晶粒子より硬度が高く適度に分散するためにAl結晶粒子の異常な粒成長を抑制するとともに、Al結晶粒子に対してアンカー効果をもたらすものとして作用する。その結果、本発明の磁気ヘッド用基板では、スライシングマシーンやダイシングソーを用いて短冊状に切断し、あるいはイオンミリング加工法や反応性イオンエッチング法により流路面を形成するときに、結晶粒子が脱粒することを抑制することができる。一方、本発明の磁気ヘッドにおいては、浮上しているときにスライダから組成物の結晶粒子が脱粒することを抑制することができるため、脱粒した結晶粒子に起因した記録媒体の損傷を抑制することができる。本発明の磁気ヘッドではさらに、スライダにおけるマイクロクラックの発生を抑制することができ、スライダからの脱粒も有効に防止できる。そのため、本発明は、フェムトスライダやアトスライダ等の小型化されたスライダにも好適に用いることができる。
本発明に係る記録媒体駆動装置の一例を示す平面図である。 図1のII−II線に沿う断面図である。 図1のIII−III線に沿う断面図である。 記録媒体駆動装置における磁気ヘッドの周りを拡大して示した斜視図である。 本発明に係る磁気ヘッドの一例を裏面側から見た全体斜視図である。 図6Aおよび図6Bは、磁気ヘッド用基板の例を示す全体斜視図である。 加圧焼結装置に成形体を配置した状態を示す加圧焼結装置の要部を示す断面図である。 図8は、磁気ヘッド用基板に電磁変換素子を形成する工程を説明するための斜視図である。 図9Aおよび図9Bは、磁気ヘッド用基板を切断して短冊片を得る工程を説明するための斜視図である。 図10Aおよび図10Bは、短冊片から磁気ヘッドを得る工程を説明するための斜視図である。
符号の説明
1 ハードディスクドライブ(記録媒体駆動装置)
2 磁気ヘッド
20 (磁気ヘッドの)電磁変換素子
21 (磁気ヘッドの)スライダ
23 (スライダの)流路面
3A,3B 磁気ディスク(記録媒体)
40 モータ
7,7′ 磁気ヘッド用基板
以下においては、本発明について、図面を参照しつつ具体的に説明する。
図1ないし図3に示したハードディスクドライブ1は、記録媒体駆動装置の一例に相当するものであり、ケース10の内部に、磁気ヘッド2、磁気ディスク3A,3B、および回転駆動機構4を収容したものである。
磁気ヘッド2は、任意のトラックにアクセスし、情報の記録および再生を行なうためのものである。磁気ヘッド2は、アクチュエータ5に対して、サスペンションアーム50を介して支持されており、磁気ディスク3A,3B上を非接触状態で移動するようになっている。より具体的には、磁気ヘッド2は、アクチュエータ5を中心として、磁気ディスク3A,3Bの半径方向に回転可能であるとともに、上下方向に往復移動可能とされている。磁気ヘッド2は、電磁変換素子20およびスライダ21を備えている。
図4および図5に示したように、電磁変換素子20は、磁気抵抗効果を発揮するものであり、たとえばMR(Magnetro Resistive)素子、GMR(Giant Magnetro Resistive)素子、あるいはTMR(Tunnel Magnetro Resistive)素子として構成されている。電磁変換素子20は、スライダ21の端面に設けられた絶縁膜24の表面に形成されている。
スライダ21は、磁気ヘッド2の基材となるものであり、浮上面22および流路面23を備えている。浮上面22は、磁気ディスク3A,3Bに対向する面であり、鏡面として形成されている。磁気ヘッド2を駆動させたときの浮上面22の浮上量は、たとえば10nm以下とされる。流路面23は、磁気ヘッド2を浮上させるための空気を通す流路として機能する。流路面23は、イオンミリング加工法や反応性イオンエッチング法によって浮上面22からの深さが、たとえば1.5〜2.5μmに形成されており、表面における算術平均高さ(Ra)は、たとえば15nm以下(0nmを除く)とされている。
磁気ヘッド2は、スライダ21に形成された流路面23の表面性状により、浮上特性が影響される。表面性状の指標の1つである算術平均高さ(Ra)を基準に考えると、流路面23の算術平均高さ(Ra)が小さいと、流路面23で空気の乱流が発生しにくく浮上特性が安定する。そのため、流路面23における算術平均高さ(Ra)を15nm以下と微小なものにすることで、流路面23での乱流の発生を抑制し、磁気ヘッド2の浮上特性を安定させることができる。
ここで、磁気ヘッド2の浮上特性とは、磁気ヘッド2のローリングおよびピッチングを指す。ローリングとは、図4に矢印θ1に示す方向の浮上特性である。ピッチングとは、図4に矢印θ2に示す方向の浮上特性である。
流路面23の算術平均高さ(Ra)は、原子間力顕微鏡を用いて、JIS B 0601−2001に準拠して測定することができる。ただし、スライダ21(流路面23)の寸法が小さい場合には、測定長は10μmとしてもよい。
図1ないし図3に示した磁気ディスク3A,3Bは、記録媒体の一例に相当するものであり、磁気記録層(図示略)を備えている。これらの磁気ディスク3A,3Bは、貫通孔30A,30Bを有する円板状に形成されている。
回転駆動機構4は、磁気ディスク3A,3Bを回転させるためのものであり、モータ40および回転軸41を備えている。モータ40は、回転軸41に対して回転力を付与するためのものであり、ケース10の底壁11に固定されている。回転軸41は、モータ40により回転させられるものであるとともに、磁気ディスク3A,3Bを支持するためのものである。この回転軸41に対しては、ハブ42が固定されている。ハブ42は、回転軸41とともに回転するものであり、挿入部43およびフランジ部44を有するものである。磁気ディスク3A,3Bは、磁気ディスク3A,3Bの貫通孔30A,30Bが挿入部43に挿入された状態で、スペーサ45,46,47を介して、フランジ部44に積層されている。磁気ディスク3A,3Bはさらに、クランプ49をネジ48によりスペーサ47に固定することにより、ハブ42ひいては回転軸41に固定されている。このような回転駆動機構4では、モータ40により回転軸41を回転させることにより、ハブ42ひいては磁気ディスク3A,3Bが回転させられる。
次に、磁気ヘッド2の製造方法について、図6ないし図10を参照しつつ説明する。
まず、図6Aまたは図6Bに示した磁気ヘッド用基板7,7′を準備する。図6Aに示した磁気ヘッド用基板7は、図6Bに示した円板状の磁気ヘッド用基板7′にオリエンテーションフラット70を形成したものである。オリエンテーションフラット70は、スライダ21に電磁変換素子20を搭載するとき、あるいは磁気ヘッド用基板7を短冊状に切断するときの位置決めに用いられるものである。このオリエンテーションフラット70は、図6Bに示した磁気ヘッド用基板7′の一部をダイシングソーで切除することで形成することができる。もちろん、図6Bに示した磁気ヘッド用基板7′を用いて磁気ヘッド2を形成することもできる。
磁気ヘッド用基板7,7′は、たとえば直径Dが102〜153mm、厚みTが1.2〜2mmの焼結体である。この磁気ヘッド用基板7,7′は、主成分としてアルミナ(Al)の結晶粒子、副成分として炭化チタン(TiC)の結晶粒子を含有する複合焼結体である。
Alは、焼結体(磁気ヘッド用基板7,7′)の機械的特性、耐摩耗性および耐熱性を確保するためのものである。焼結体の機械加工性は、たとえばラップ加工における単位時間当たりの研磨量を測定することにより評価することができる。焼結体におけるAlの含有量は、60質量%以上70質量%以下とされている。
TiCは、焼結体(磁気ヘッド用基板7,7′)の導電性および破壊靱性を調整するものである。焼結体の導電性は、たとえば体積固有抵抗として評価することができる。体積固有抵抗は、JIS C 2141−1992に準拠して測定することができる。焼結体の導電性は、体積固有抵抗として、2×10―1Ω・m以下であることが好ましく、特に2×10―3Ω・m以下であることが好適である。焼結体におけるTiCの含有量は30質量%以上40質量%以下とされている。焼結体におけるTiCの含有量が30質量%以上であると、高い導電性を確保することができる。そのため、磁気ヘッド用基板7,7′を用いて形成した磁気ヘッド2において、電磁変換素子20に電荷が帯電したときに、速やかに電荷を除去することができる。一方、焼結体におけるTiCの含有量が40質量%以下であると、後に説明する焼結工程において、微少な気孔(たとえば直径が100nm〜500nmの気孔)が焼結体の内部に発生することを抑制することができる。そのため、焼結工程後の加工、たとえば切断,イオンミリング加工法,反応性イオンエッチング法を行なうときに結晶粒子が脱粒するのを抑制することができる。
焼結体におけるAlおよびTiCの比率は、蛍光X線分析法またはICP(Inductivity
Coupled Plasma)発光分析法によりAl元素およびTi元素の比率により求めることができる。AlについてはAl元素の比率を酸化物に換算し、TiCについてはTi元素の比率を炭化物に換算することにより求めることができる。
焼結体(磁気ヘッド用基板7,7′)におけるTiC結晶粒子の平均結晶粒径は、0.25μm未満(但し、0μmを除く。)であるのが好ましい。焼結体におけるTiC結晶粒子の平均結晶粒径を0.25μm未満とすれば、Al結晶粒子の異常な粒成長を抑制し、焼結体における結晶粒子の脱粒を抑制することができる。一方、焼結体におけるAl結晶粒子の平均結晶粒径(DA)は、焼結体における脱粒を抑制する観点から、TiC結晶粒子の平均結晶粒径(DT)に対して1倍以上2倍以下であるのが好ましい。
焼結体における脱粒を抑制する観点からはさらに、焼結体(磁気ヘッド用基板7,7′)における結晶粒子は、平均結晶粒径が0.25μm以下(但し、0μmを除く。)、最大結晶粒径が1μm以下(但し、0μmを除く。)であるのが好ましい。
焼結体におけるTiC結晶粒子およびAl結晶粒子の平均結晶粒径、および結晶粒子の最大結晶粒径は、走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて撮影した画像を、画像解析ソフト(たとえば「Image-Pro Plus」;日本ビジュアルサイエンス(株)製)を用いて解析することで求めることができる。
焼結体は、切断面における任意の10μm以上の直線上に存在するTiC結晶粒子の個数の比率が、前記直線上に存在する前記TiC結晶粒子の個数およびAl結晶粒子の個数の合計に対して55%以上75%以下とされている。任意の直線上におけるTiC結晶粒子の個数の比率が55%以上であれば、TiC結晶粒子によってAl結晶粒子の異常な粒成長を抑制できるとともに、焼結体においてAl結晶粒子より硬度が高いTiC結晶粒子が分散することにより、TiC結晶粒子がAl結晶粒子に対して適切にアンカー効果をもたらすものとして作用する。そのため、スライシングマシーンやダイシングソーを用いて磁気ヘッド用基板7,7′を短冊状に切断し、あるいはイオンミリング加工法や反応性イオンエッチング法により流路面75(23)を形成したとしても、結晶粒子の脱粒を抑制することができる。また、断面における任意の直線上でのTiC結晶粒子の個数の比率が55%以上であれば、焼結体(磁気ヘッド用基板7,7′)において高い導電性を維持することもできるため、磁気ヘッド2に電荷が帯電したときに速やかに電荷を除去することができる。一方、断面における任意の直線上でのTiC結晶粒子の個数の比率が75%以下であれば、焼結工程においてAlの焼結が阻害されにくいため、焼結体を緻密化することができる。
ここで、TiC結晶粒子の個数の比率を求めるのに焼結体の切断面における任意の直線の長さを10μm以上としたのは、焼結体における結晶粒子の平均結晶粒径が、たとえば0.25μm以下とされるため、このような範囲の平均粒子径においては、直線の長さが10μm以上であれば、TiC結晶粒子およびAl結晶粒子の個数を精度よく求めることができると考えられるからである。なお、測定の精度を十分に確保しつつ必要以上に手間をかけ過ぎないようにするには、その任意の直線の長さの上限は100μm以下とすることが好適である。
また、任意の10μm以上の長さの直線上に存在するTiC結晶粒子の個数およびAl結晶粒子の個数の合計に対するTiC結晶粒子の個数の比率については、以下のような手順で求めることができる。
まず、磁気ヘッド用基板7,7′の任意の面をダイヤモンド砥粒を用いて研磨加工して鏡面とした後、この面を燐酸により数十秒程度エッチング処理する。次に、走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて、エッチング処理した面から任意の場所を選び、倍率を10,000〜13,000倍程度で撮影して画像(以下、この画像をSEM画像と称す)を得る。得られたSEM画像を、たとえば「Jtrim」というフリーソフトを用いて画像処理する。具体的には、SEM画像をグレースケールに変換し、その後、フィルターによって細かいノイズを除去して、SEM画像よりもコントラストを強調した画像を求める。
次に、コントラストが強調された画像に輝度(明暗)を強調する処理を行なった後に、2値化処理する。この処理によって得られた画像においては、結晶粒子が占める面積を画素数として表示される。なお、2値化処理とは画像の濃度を白か黒の2つの値に変換する処理をいい、たとえばAl結晶粒子は黒色、TiC結晶粒子は白色として処理される。
そして、たとえば「画像から面積」(製作者:赤尾鉄平)というフリーソフトを用いて、表示された画素数からTiC結晶粒子およびAl結晶粒子のそれぞれの占有する面積に変換する。これらの結晶粒子の占有する面積の合計を100μmとし、TiC結晶粒子およびAl結晶粒子の面積をそれぞれ算出する。次に、算出したそれぞれの結晶粒子の面積が占める部分を正方形とみなして、その正方形の一辺の長さを求め、それぞれの平均結晶粒径で除すことでTiC結晶粒子およびAl結晶粒子の個数を求めることができる。そして、得られたそれぞれの結晶粒子の個数をこれらの個数の合計でそれぞれ除することによって、各正方形の一辺に存在するTiC結晶粒子およびAl結晶粒子それぞれの個数を求めることができる。その結果、任意の10μmの直線上に存在するTiC結晶粒子の個数およびAl結晶粒子の個数の合計に対するTiC結晶粒子の個数の比率を算出することができる。なお、任意の10μm以上100μm以下の直線上にあるTiC結晶粒子の比率を求める場合には、このTiC結晶粒子の個数の比率は基本的にはどの場所でも変わらないので、前述の結晶粒子の占有する面積の合計を100μm〜10000μmの範囲に設定すればよい。
焼結体(磁気ヘッド用基板7,7′)はまた、抗折強度については800MPa以上、熱伝導率について19W/(m・k)以上であるのが好ましい。
焼結体(磁気ヘッド用基板7,7′)の抗折強度を800MPa以上とすれば、磁気ヘッド用基板7,7′をチップ状に分割してもマイクロクラックの発生を抑制することができ、マイクロクラックの発生に伴う結晶粒子の脱粒を抑制することができる。そのため、磁気ヘッド用基板7,7′を用いれば、良好なCSS(コンタクト・スタート・ストップ)特性を有する磁気ヘッド2を得ることができる。このようなマイクロクラックの発生に伴う結晶粒子の脱粒の抑制効果は、小型化されたスライダ(たとえばフェムトスライダあるいはアトスライダ)についても有用に発揮することができる。
一方、焼結体(磁気ヘッド用基板7,7′)の熱伝導率を19W/(m・k)以上とすれば、電磁変換素子20から発生した熱を速やかにスライダ21に逃がすことができる。そのため、このような熱伝導性に優れる磁気ヘッド用基板7,7′を用いて磁気ヘッド2を形成すれば、記録媒体に保存された記録が熱破壊されることを抑制することができる。
ここで、抗折強度は、JIS R 1601−1995に準拠して3点曲げ強度で評価することができる。但し、このJIS規格で規定されている試験片を磁気ヘッド用基板7,7′から切り出せない場合には、磁気ヘッド用基板7,7′の厚みTを試験片の厚みとしてもよい。一方、熱伝導率は、JIS R 1611−1997に準拠して測定することができる。
焼結体(磁気ヘッド用基板7,7′)は、平均気孔径については200nm未満であるのが好ましく、焼結体における気孔の面積占有率については0.03%未満であるのが好ましい。
焼結体における気孔の平均気孔径が200nm未満であると、磁気ヘッド用基板7,7′の切断、イオンミリング加工法、反応性イオンエッチング法等の加工において、気孔の周囲に存在する粒子間結合が弱い粒子にクラックが伝播しにくくなる。また、焼結体における気孔の面積占有率が0.03%未満であれば、気孔の存在確率が極めて小さいことから、前述の磁気ヘッド用基板7,7′の加工時に気孔が起点となって発生するルーズクラックを抑制することができる。そのため、焼結体における気孔の平均気孔径を200nm未満とし、あるいは焼結体における気孔の面積占有率を0.03%未満とすれば、結晶粒子の脱粒を低減することができる。
また、気孔は、Al結晶粒子またはTiC結晶粒子の三重点や二面界粒界部にではなく、結晶粒子内部に存在することがより好適であり、気孔が粒子界面または粒子内部に凝集せずに散在することがより好適である。気孔が結晶粒子内部に存在することで、結晶粒子の脱粒の危険性をさらに低減することができる。気孔が凝集せずに散在することで、気孔が起点となって発生するクラックの影響が低減され、脱粒の危険性をさらに低減できることができる。
このような磁気ヘッド用基板7,7′は、たとえば材料粉末を混合・粉砕、造粒して得られる顆粒を用いた加圧焼結により作製される。
材料粉末としては、アルミナ粉末60質量%以上70質量%以下、焼結助剤としてのTiO粉末0.2質量%以上10質量%以下を含有し、残部がTiC粉末であるもの用いられる。このような材料粉末以外には、焼結を促進させて焼結体をより緻密にするために、Yb粉末、Y粉末、およびMgO粉末の少なくとも1種を0.1質量%以上0.6質量%以下加えたものを使用してもよい。材料粉末の混合は、たとえばボールミル、振動ミル、コロイドミル、アトライター、あるいは高速ミキサーを用いて行なわれる。材料粉末の粉砕には、たとえば直径が2.8mm以下の粉砕用ビーズを用いるのが好ましい。これにより、材料粉末の平均粒径が0.5μm以下(但し、0μmを除く。)とされ、焼結体の平均結晶粒径を0.25μm未満にすることができる。
粉砕後の材料粉末の平均粒径は、液相沈降法、遠心沈降光透過法、レーザー回折散乱法あるいはレーザードップラー法等により測定することができる。
顆粒の造粒は、粉砕した材料粉末に、結合剤、分散剤等の成形助剤を添加して均一に混合した後に、公知の造粒機を用いて行なうことができる。造粒機としては、たとえば転動造粒機、噴霧乾燥機、あるいは圧縮造粒機を用いることができる。顆粒は、たとえば平均粒径が100μm以下に形成される。顆粒の平均粒径を100μm以下するのは、粉砕された原料が凝集したり、原料を構成する組成が分離したりするのを防止するためである。
加圧焼結は、たとえば顆粒を所望の形状に成形した成形体を加圧焼結装置内に配置して行なわれる。図7に示したように、加圧焼結装置8においては、成形体80は、たとえば両主面よりカーボン質の離型材81を介して黒鉛製スペーサ82で挟まれた段積み状態で配置される。加圧焼結装置8において、成形体80の周囲には炭素質材料を含む遮蔽材83が配置されている。
加圧焼結装置8において、カーボン質の離型材81を介することによってTiOが焼成工程で還元されて発生する二酸化炭素(CO)が焼結体から容易に排出されるため、磁気ヘッド用基板7,7′の密度のばらつきを制御することができる。
炭素質材料を含む遮蔽材83を成形体80の周囲に配置して加圧焼結すれば、TiC粒子からTiO粒子への変質を防ぎ、機械的特性の優れた磁気ヘッド用基板7,7′とすることができる。
加圧焼結装置8に成形体80を配置した後は、アルゴン、ヘリウム、ネオン、窒素あるいは真空等の雰囲気中で、温度を1400〜1700℃、加圧力を30MPa以上で加圧焼結することによって図6Bに示す円板状の磁気ヘッド用基板7′を得ることができる。また、図6Bに示す円板状の磁気ヘッド用基板7′の一部をダイシングソーで切除することによって、図6Aに示した磁気ヘッド用基板7を形成することができる。
ここで、加圧焼結温度を1400〜1700℃の範囲の温度とすれば、焼結が不十分となることもなく、TiC結晶粒子を適切に分散させつつTiC結晶粉末が必要以上に成長することない。そのため、焼結体における結晶組織が均一化し、TiCが本来備えている機能を十分に発揮させることができる。また、焼結時の加圧力を30MPa以上とすれば、焼結体の緻密化を促進し、磁気ヘッド用基板7,7′として求められる強度を得ることができる。
このようにして得られた焼結体(磁気ヘッド用基板7,7′)は、主成分および副成分がそれぞれAlおよびTiCである複合焼結体となる。このような複合焼結体においては、切断面での任意の10μm以上の直線上に存在するTiC結晶粒子の個数の比率が、直線上に存在するTiC結晶粒子の個数およびAl結晶粒子の個数の合計に対して55%以上75%以下とされている。
ここで、焼結助剤としてTiOを用いれば、このTiOは、焼成工程で焼成雰囲気中に含まれる微量の一酸化炭素(CO)により、反応式(1)に示すようにTiOに還元される。還元されたTiOは、反応式(2)に示すように、TiCに固溶して、新たにTiC(x+y<1、かつx≫y)を生成する。なお、x=0.85〜0.9、y=0.1〜0.15である。
Figure 2009001945
生成したTiCは、TiOの固溶量yに応じて密度が異なり、固溶量yを0.15にすると、焼結体(磁気ヘッド用基板7,7′)の密度が最も大きくなる。
焼結助剤として添加したTiOは、そのほとんどがTiCに変化する。x=0.85〜0.9、y=0.1〜0.15の範囲では、TiCへのTiOの固溶により内部に発生する直径が100〜500nmである気孔の発生を低減することができ、気孔の凝集をも抑制することができる。その結果、焼結体における気孔の平均気孔径を200nm未満とし、焼結体における気孔の面積占有率が0.03%未満とすることができる。
加圧焼結後には、必要に応じて熱間等方加圧焼結(HIP)を行なってもよい。熱間等方加圧焼結(HIP)を行なうことで焼結体(磁気ヘッド用基板7,7′)の抗折強度を容易に800MPa以上にすることができる。
図8に示したように、焼結の終了後は、電磁変換素子72を形成する。電磁変換素子72は、磁気ヘッド用基板7(7′)上に非晶質状のアルミナからなる絶縁膜71をスパッタリング法により成膜した後、絶縁膜71上に形成される。電磁変換素子72は、磁気抵抗効果を用いたMR素子、GMR素子、TMR素子、あるいはAMR素子として形成される。
次に、図9Aに示したように、電磁変換素子72が搭載された磁気ヘッド用基板7(7′)を切断して短冊片73を得る。磁気ヘッド用基板7(7′)の切断は、スライシングマシーンやダイシングソーを用いて行なうことができる。
次に、図9Bに示したように、短冊片73は、スライダ21において浮上面22(図5参照)となるべき面を研磨して鏡面とする。この研磨は、たとえば公知のラップ装置を用いて行なうことができる。
次に、図10Aに示したように、短冊片73の研磨面74に凹部(流路面)75を形成する。凹部75は、磁気ヘッド2を浮上させるための空気を通す流路面23(図5参照)として機能するものである。研磨面74における除去されない鏡面のままの部分は、磁気ヘッド2において磁気記録媒体に対向させられる浮上面22(図5参照)となるものである。
凹部75は、たとえばイオンミリング加工法や反応性イオンエッチング法により、目的とする形状、深さおよび表面粗さに形成される。凹部75の深さは、研磨面74(浮上面22)(図5参照)に対して、たとえば1.5μm以上2.5μm以下とされる。凹部75の表面における算術平均粗さRaは、たとえば15nm以下(0nmを除く)とされる。このような表面粗さに凹部75を形成すれば、磁気ヘッド2における流路面23(図5参照)の平滑性が向上し、空気の流れを適切に制御できるため、磁気ヘッド2の浮上特性を安定化させることができる。
なお、凹部75の算術平均高さ(Ra)を15nm以下にするには、イオンミリング加工法や反応性イオンエッチング法で適宜加工条件を選択すればよい。たとえば、イオンミリング加工法により凹部75を形成する場合には、Arイオンを用いて、加速電圧を600V、ミリングレートを18nm/分として75〜125分間加工すればよい。一方、反応性イオンエッチング法により凹部75を形成する場合には、たとえばArガスおよびCFガスを用いて、それぞれの流量を3.4×10−2Pa・m/sおよび1.7×10−2Pa・m/sとして混合したガス雰囲気中で、このガスの圧力を0.4Paにして加工すればよい。
最後に、図10Bに示したように、凹部75を形成した短冊片73を切断することにより、図5に示したようなチップ状の磁気ヘッド2を得ることができる。
上述した製造方法で得られた磁気ヘッド用基板7,7′および磁気ヘッド2のスライダ21は、焼結体の切断面における任意の10μm以上の直線上に存在するTiC結晶粒子の個数の比率が、直線上に存在するTiC結晶粒子の個数およびAl結晶粒子の個数の合計に対して55%以上75%以下とされる。そのため、磁気ヘッド用基板7,7′をスライシングマシーンやダイシングソーを用いて短冊状に切断し、あるいはイオンミリング加工法や反応性イオンエッチング法により凹部75(流路面23)を形成しても、結晶粒子がほとんど脱粒しなくなる。
磁気ヘッド用基板7,7′により得られる磁気ヘッド2は、記録媒体上を浮上走行しているときに流路面23からの脱粒が抑制されるため、脱粒した結晶粒子によって記録媒体に傷が発生して特性が劣化することを抑制することができる。
以下、本発明の実施例を具体的に説明する。ただし、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
本実施例では、14種類の磁気ヘッド用基板(試料No.1〜14)について、AlおよびTiCの質量比率、導電性、密度、TiC結晶粒子の個数比率、および機械加工性を検討した。
磁気ヘッド用基板は、所定のスラリーを調製して成形体を形成した後に、加圧焼結により作製した。
スラリーは、Al粉末、TiC粉末、TiO粉末、Yb粉末、成形用バインダーおよび分散剤を所定量ビーズミルに投入し、粉砕用ビーズの平均粒径が表1に示す値のものを用いて作製した。スラリー中の原料の粉砕粒径は、JIS Z 8823−2:2004で規定する光透過式遠心沈降法を用いて平均粒径を測定した。原料の粉砕粒径の測定結果は、表1に示した。
成形体は、スラリーを噴霧乾燥法により顆粒とした後に乾式加圧成形することで形成した。
加圧焼結は、得られた成形体を図7に示すように作製すべき試料毎に14段に配置し、真空雰囲気中で温度を1600℃、加圧力を40MPa、昇温レートを10℃/min、保持時間を60minとして加圧焼結した。次いで、熱間等方加圧焼結(HIP)を行ない、直径が152.4mm、厚みが3mmの試料No.1〜14の磁気ヘッド用基板を作製した。
磁気ヘッド用基板における質量比率の測定は、蛍光X線分析装置(「RigakuZSX100e」;理学電機工業(株)製)を用いて行なった。より具体的には、まず、先の蛍光X線分析装置を用いて、磁気ヘッド用基板を構成する元素100質量%(但し、炭素(C)および酸素(O)を除く。)に対するAlおよびTiの各比率を測定した。次いで、Alについては酸化物に、Tiについては炭化物に換算し、各試料におけるAlおよびTiCの質量比率を算出した。質量比率の測定結果については表1に示した。
なお、Ybについては、いずれの試料においても1質量%未満の微量であったため、表1には記載していない。
磁気ヘッド用基板の導電性は、JIS C 2141−1992に準拠して体積固有抵抗として評価した。体積固有抵抗の測定結果については、表1に示した。磁気ヘッド用基板の体積固有抵抗が4×10−1Ω・m以下を合格、4×10−1Ω・mを超えると不合格とした。磁気ヘッド用基板の体積固有抵抗が4×10−1Ω・mを超える場合を不合格としたのは、このような磁気ヘッド用基板から形成した磁気ヘッドでは電磁変換素子に帯電した電荷を速やかに除去することができないためである。
磁気ヘッド用基板の密度は、JIS R 1634−1996に準拠して測定した。密度の測定結果については表1に示した。密度が4.26g/cm以上を合格、4.26g/cm未満を不合格とした。磁気ヘッド用基板の密度が4.26g/cm未満である場合を不合格としたのは、このような磁気ヘッド用基板より磁気ヘッドを形成した場合に凹部(流路面)に気孔が発生しやすくなって、記録媒体上を浮上走行しているときに、気孔の周辺からAl結晶粒子の脱粒のおそれが高くなるからである。
TiC結晶粒子の個数比率は、磁気ヘッド用基板の断面における任意の10μm以上の直線上に存在するTiC結晶粒子の個数およびAl結晶粒子の個数の合計に対するTiC結晶粒子の個数の比率として、以下のような手順で評価した。
まず、磁気ヘッド用基板の表面をダイヤモンド砥粒を用いて研磨加工して鏡面とした後に、この面を燐酸により数十秒程度エッチング処理した。次に、走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて、エッチング処理した面のうちで任意の場所を任意に選び、倍率13,000倍で撮影してSEM画像を得た。得られたSEM画像から「Jtrim」というフリーソフトと「画像から面積」(製作者:赤尾鉄平)というフリーソフトとを用いてそれぞれの結晶粒子の面積を求め、それぞれの結晶粒子の面積を正方形とみなし、その一辺をそれぞれの結晶粒子径を用いて算出することで任意の10μmの直線上にTiC結晶粒子およびAl結晶粒子それぞれの個数を求めた。このような個数の測定結果に基づいて、任意の10μmの直線上に存在するTiC結晶粒子の個数およびAl結晶粒子の個数の合計に対するTiC結晶粒子の個数の比率を求めた。TiC結晶粒子の個数、Al結晶粒子の個数、およびTiC結晶粒子の個数比率の測定結果については、表1に示した。
磁気ヘッド用基板の機械加工性については、チッピングの最大値として評価した。チッピングの最大値は、1つの磁気ヘッド用基板から10本の短冊片を切り出しときのそれぞれの短冊片の切断面を、金属顕微鏡を用いて倍率400倍として測定した。短冊片は、ダイヤモンドブレードを備えたスライシングマシーンを用いて、長さが70mm、幅が3mm、厚みが2mmとして切り出した。
ダイヤモンドブレードとしては、「SD1200」を用いた。磁気ヘッド用基板の切断時において、ダイヤモンドブレードの回転数は10000rpm、送り速度は100mm/分、1回の切り込み量を2mmとした。
チッピングの最大値の測定結果については、表1に示した。短冊片におけるチッピングの最大値が8μm以上を不合格、8μm未満を合格とした。短冊片におけるチッピングの最大値が8μm以上である場合を不合格としたのは、磁気ヘッドの浮上高さのばらつきが発生する恐れがあるためである。
Figure 2009001945
表1に示す通り、試料No.1〜11は、体積固有抵抗が4×10−1Ω・m以下、密度が4.26g/cm以上であることから体積固有抵抗(導電性)および密度については合格基準に達するものであった。ただし、試料No.1〜3,5は、チッピングの最大値が8μm以上であり、機械加工性については合格基準に達するものではなく不合格であった。これは、TiC結晶粒子の個数の比率が55%より低いために、焼成時に異常に粒成長したAl結晶粒子が発生し、磁気ヘッド用基板の切り出し加工時に、このAl結晶粒子が脱粒したものと思われる。
これに対して、試料No.4,6〜11は、チッピングの最大値が8μm未満であるために機械加工性についても合格基準に達するものであった。これらの試料は、TiCが30質量%以上40質量%以下の本発明の範囲内であったため、導電性(体積固有抵抗)および機械加工性(チッピングの最大値)ともに高くなったものと考えられる。試料No.4,6〜11はさらに、切断面における任意の10μm以上の直線上に存在するTiC結晶粒子の個数の比率が55%以上75%以下であり、密度が高く緻密化されており、スライシングマシーンによる切り出しによって発生するチッピングも小さいことが分かる。
本発明の範囲外である試料No.12〜14については、チッピングの最大値が8μm以上であることから合格基準を満たすものではなく機械加工性が不合格であった。
機械加工性が不合格であった試料No.12,13は、TiCが25質量%と30質量%に比べ少ないためにTiC結晶粒子の個数およびAl結晶粒子の個数の合計に対して相対的にTiC結晶粒子の個数が少なかった。そのため、TiC結晶粒子の個数の比率が55%より低くなって焼成のときに異常な粒成長をしたAl結晶粒子が発生して、切り出し加工時にこのAl結晶粒子が脱粒したものと思われる。
機械加工性が不合格であった試料No.14は、TiC結晶粒子の個数の比率が75%より高いことから、焼結工程でAlの焼結が阻害され、緻密化されずにスライシングマシーンによる切り出しによって試料に存在する気孔の周辺からAl結晶粒子の脱粒が発生したものと思われる。
(実施例2)
本実施例では、磁気ヘッド用基板について、TiC結晶粒子の平均結晶粒径と機械加工性との関係を確認した。
磁気ヘッド用基板は、基本的に実施例1と同様の条件で作製した。ただし、本実施例では、実施例1で用いた試料No.8(表1参照)の原料を用いて表2に示すように粉砕時間を異ならせて5種類のスラリーを作製し、これらのスラリーから磁気ヘッド用基板(試料No.15〜19)を作製した。
磁気ヘッド用基板のTiC結晶粒子の平均結晶粒径は、走査型電子顕微鏡(SEM)を用い、倍率を13,000倍にして撮影した5μm×8μmの範囲の画像を、画像解析ソフト(「Image−Pro Plus」;日本ビジュアルサイエンス(株)製)を用いて解析することによって求めた。平均結晶粒径の測定結果については、表2に示した。
磁気ヘッド用基板の機械加工性は、基本的に実施例1と同様にしてチッピングの最大値として評価した。ただし、ダイヤモンドブレードとしては実施例1と同一規格のものを使用したが、ダイヤモンドブレードの送り速度を140mm/分として、実施例1よりも加工条件を厳しく設定した。チッピングの最大値については、切断面における短冊片の長手方向の寸法が最も大きいものを選択し、表2に示した。
Figure 2009001945
表2に示す通り、試料No.15,16は機械加工性が合格基準に達せず不合格であるのに対して、試料No.17〜19は、ダイヤモンドブレードの送り速度を140mm/分として加工条件を厳しくして加工しても、チッピングの最大値は5μmと小さく機械加工性について合格基準に達するものであった。試料No.17〜19は、TiC結晶粒子の平均結晶粒径が0.25μm未満であった。したがって、TiC結晶粒子の平均結晶粒径が0.25μm未満であると、機械加工性に優れることが分かった。
(実施例3)
本実施例では、磁気ヘッド基板について、抗折強度と機械加工性との関係を確認した。
磁気ヘッド用基板は、基本的に実施例1と同様の条件で作製した。ただし、本実施例では、実施例1で用いた試料No.8(表1参照)の原料を用いて、成形体を加圧焼結した後に、表3に示す温度で熱間等方加圧焼結(HIP)を1時間行なうことによって、磁気ヘッド用基板(試料No.20〜22)を作製した。
磁気ヘッド用基板の抗折強度は、JIS R 1601−1995に準拠して3点曲げ強度として測定した。3点曲げ強度の測定結果は表3に示した。
磁気ヘッド用基板の機械加工性は、基本的に実施例1と同様にしてチッピングの最大値として評価した。ただし、ダイヤモンドブレードとしては実施例1と同一規格のものを使用したが、ダイヤモンドブレードの送り速度を180mm/分として、実施例1,2よりも加工条件を厳しく設定した。チッピングの最大値については、切断面における短冊片の長手方向の寸法が最も大きいものを選択し、表3に示した。
Figure 2009001945
表3に示す通り、試料No.21,22は、ダイヤモンドブレードの送り速度が180mm/分と加工条件が厳しくなっても3点曲げ強度が800MPa以上と高いために試料No.20より発生するチッピングの最大値が小さく、脱粒しにくいことが分かる。
(実施例4)
本実施例では、磁気ヘッドについて、凹部(流路面)の算術平均高さ(Ra)と磁気ヘッドの浮上高さのばらつきとの関係を確認した。
磁気ヘッドは、実施例1で用いた試料(No.8)と同一の条件で磁気ヘッド用基板を用いて作製した。磁気ヘッド用基板は、短冊片に切断後に鏡面加工を施し、イオンミリング装置(「AP−MIED型」;日本電子株式会社製)を用いて鏡面の一部を除去することで凹部(流路面)を形成した。イオンミリング加工法については、アルゴンイオンを用いて加速電圧を600Vとし、表4に示す異なるミリングレートで加工することによって、深さが0.2μmになるまで加工して表面粗さが異なるものとした。トリミング後の短冊片は、ダイヤモンドブレードを用いて切断することにより、磁気ヘッド(試料No.23〜25)とした。磁気ヘッドにおけるスライダは、長さが0.85mm、幅が0.7mm、厚みが0.23mmであるフェムトスライダとした。
凹部(流路面)の算術平均高さ(Ra)は、原子間力顕微鏡を用いて、JIS B 0601−2001に準拠して測定した。但し、測定長は10μmとした。
磁気ヘッドの浮上高さ(浮上量)は、フライングハイトテスターにて測定した。このフライングハイトテスターによる測定では、磁気記録層を付けない透明なガラス基板を回転させて磁気ヘッドをガラス基板上で浮上させた。磁気ヘッド2の浮上高さは、ガラス基板の周速12.44mm/sとし、5秒毎に合計10回測定した。磁気ヘッドの浮上高さの測定結果については、10回の測定の平均値と標準偏差として表4に示した。
Figure 2009001945
表4に示す通り、凹部(流路面)の算術平均高さ(Ra)が15nm以下である試料No.23,24の磁気ヘッドは、浮上高さ(浮上量)の平均値を10nm以下と低くすることができ、標準偏差も0.05nm以下と小さく、浮上特性が安定していることが分かる。
(実施例5)
本実施例では、磁気ヘッド用基板について、平均気孔径および気孔の面積占有率と機械加工性との関係を確認した。
磁気ヘッド用基板は、基本的に実施例1と同様の条件で作製した。ただし、本実施例では、実施例1で用いた試料No.9(表1参照)の原料を用いて表5に示すように粉砕粒径を異ならせた7種類のスラリーを作製し、これらのスラリーから磁気ヘッド用基板(試料No.26〜32)を作製した。
平均気孔径および気孔の面積占有率は、焼結体の断面を「クロスセクションポリッシャー」(日本電子(株)製)にて鏡面加工した後に、走査型電子顕微鏡を用いて得られるSEM画像に基づいて測定した。SEM画像は、鏡面加工面における任意の場所を15視野(12.6μm×8.8μm)選び、倍率を10,000倍にして撮影した。
平均気孔径は、得られたSEM画像から全気孔の最大長径を測定し、その平均値を算出した。平均気孔径の測定結果は、表5に示した。
気孔の面積占有率の測定においては、まず得られたSEM画像から「Jtrim」というフリーソフトと「画像から面積」(製作者:赤尾鉄平)を用いて気孔の面積を求め、15視野における気孔の総面積を算出した。さらに、15視野分のSEM画像の総面積(12.6μm×8.8μm×15)に対する気孔の総面積の比率を求め、気孔の面積占有率を演算算出した。気孔の面積占有率の測定結果は、表5に示した。
磁気ヘッド用基板の機械加工性は、基本的に実施例1と同様にしてチッピングの最大値として評価した。ただし、ダイヤモンドブレードは実施例1と同一規格のものを使用したが、実施例2と同様に、ダイヤモンドブレードの送り速度を140mm/分として、実施例1よりも加工条件を厳しく設定した。チッピングの最大値については、切断面における短冊片の長手方向の寸法が最も大きいものを選択し、表5に示した。
Figure 2009001945
表5に示す通り、平均気孔径が200nm未満である試料No.28〜32は、ダイヤモンドブレードの送り速度を140mm/分として加工条件を厳しくしても、チッピングの最大値は6μm以下と小さく機械加工性に優れるものであった。特に、平均気孔径が100nm未満である試料No.31,32では、チッピングの最大値は3μm以下と機械加工性が良好であることが分かる。
気孔の面積占有率が0.03%未満である試料No.28〜32は、チッピングの最大値は6μm以下と小さく機械加工性に優れるものであった。特に、気孔の面積占有率が0.02%未満である試料No.31〜32では、チッピングの最大値は3μm以下と機械加工性が良好であることが分かる。
実施例1〜5の結果から、本発明の磁気ヘッド用基板を用いれば、磁気ヘッドを作るために短冊状に切断加工するときや凹部(流路面)を加工するときに結晶粒子の脱粒を防ぐことができ、チッピングを抑制することができる。そのため、凹部(流路面)の平滑性が向上し、磁気ヘッドの浮上高さも低く、かつ高さのばらつきを小さくできることが確認できた。
本発明の磁気ヘッドを用いて本発明の記録媒体駆動装置を作製すれば、磁気ヘッドの浮上高さを低く抑えられ、しかも浮上高さのばらつきが安定することから、記録密度を高い記録媒体駆動装置となり好適である。

Claims (13)

  1. アルミナが60質量%以上70質量%以下、炭化チタンが30質量%以上40質量%以下の範囲である焼結体からなる磁気ヘッド用基板であって、
    前記焼結体の切断面における任意の10μm以上の直線上に存在する前記炭化チタンの結晶粒子の個数の比率は、前記直線上に存在する前記炭化チタンの結晶粒子の個数および前記アルミナの結晶粒子の個数の合計に対して55%以上75%以下である、磁気ヘッド用基板。
  2. 前記焼結体における前記炭化チタンの結晶粒子は、平均結晶粒径が0.25μm未満(但し、0μmを除く。)である、請求項1に記載の磁気ヘッド用基板。
  3. 前記焼結体における炭化チタンの平均結晶粒径(DT)に対するアルミナの平均結晶粒径(DA)の比(DA/DT)は、1以上2以下である、請求項1に記載の磁気ヘッド用基板。
  4. 前記焼結体における結晶粒子は、平均結晶粒径が0.25μm以下(但し、0μmを除く。)である、請求項1に記載の磁気ヘッド用基板。
  5. 前記焼結体における結晶粒子は、最大結晶粒径が1μm以下(但し、0μmを除く。)である、請求項1に記載の磁気ヘッド用基板。
  6. 前記焼結体における気孔の平均気孔径は、200nm未満である、請求項1に記載の磁気ヘッド用基板。
  7. 前記焼結体における気孔の平均気孔径は、100nm未満である、請求項6に記載の磁気ヘッド用基板。
  8. 前記焼結体における気孔の面積占有率は、0.03%未満である、請求項1に記載の磁気ヘッド用基板。
  9. 前記焼結体における気孔の面積占有率は、0.02%未満である、請求項8に記載の磁気ヘッド用基板。
  10. 前記焼結体における抗折強度は、800MPa以上である、請求項1に記載の磁気ヘッド用基板。
  11. 磁気ヘッド用基板をチップ状に分割してなるスライダに電磁変換素子を形成した磁気ヘッドであって、
    前記磁気ヘッド用基板は、アルミナが60質量%以上70質量%以下、炭化チタンが30質量%以上40質量%以下の範囲である焼結体からなり、かつ、
    前記焼結体の切断面における任意の10μm以上の直線上に存在する前記炭化チタンの結晶粒子の個数の比率は、前記直線上に存在する前記炭化チタンの結晶粒子の個数および前記アルミナの結晶粒子の個数の合計に対して55%以上75%以下である、磁気ヘッド。
  12. 前記スライダは、浮上面と、空気を通す流路面と、を有しており、
    前記流路面は、算術平均高さ(Ra)が15nm以下である、請求項11に記載の磁気ヘッド。
  13. 磁気ヘッド用基板をチップ状に分割してなるスライダに電磁変換素子を形成した磁気ヘッドと、前期磁気ヘッドによって情報の記録および再生を行なう磁気記録層を有する記録媒体と、該記録媒体を駆動させるモータと、を備えている記録媒体駆動装置であって、
    前記磁気ヘッドは、アルミナが60質量%以上70質量%以下、炭化チタンが30質量%以上40質量%以下の範囲である焼結体からなり、かつ、
    前記焼結体の切断面における任意の10μm以上の直線上に存在する前記炭化チタンの結晶粒子の個数の比率は、前記直線上に存在する前記炭化チタンの結晶粒子の個数および前記アルミナの結晶粒子の個数の合計に対して55%以上75%以下である、記録媒体駆動装置。
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