JP2007031191A - 磁気ヘッドスライダ用焼結体、磁気ヘッドスライダ、及び、磁気ヘッドスライダ用焼結体の製造方法 - Google Patents

磁気ヘッドスライダ用焼結体、磁気ヘッドスライダ、及び、磁気ヘッドスライダ用焼結体の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 エアベアリング面の段差の低減を図ることができかつ十分な研磨面の平坦性を有する磁気ヘッドスライダ用焼結体、これを用いた磁気ヘッドスライダ、及び磁気ヘッドスライダ用焼結体の製造方法を提供することを目的とする。
【解決手段】 磁気ヘッドスライダ用焼結体は、アルミナ結晶粒、炭化チタン結晶粒、及び炭素結晶粒を含む焼結体であり、焼結体断面中の炭素結晶粒の個数基準の粒径分布において、粒径が100nm超の炭素結晶粒の割合が35%以下である。
【選択図】 図1

Description

本発明は、磁気ヘッドスライダ用焼結体、磁気ヘッドスライダ、及び、磁気ヘッドスライダ用焼結体の製造方法に関する。
薄膜磁気ヘッドを含む磁気ヘッドスライダは、1979年に初めてハードディスク装置に使用されたが、このときの磁気ヘッドスライダは一般にミニスライダ(100%スライダ)と呼ばれている。その後、磁気ヘッドスライダは、ミニスライダの約70%の大きさのマイクロスライダ(70%スライダ)を経て、ミニスライダの約50%の大きさのナノスライダ(50%スライダ)へと小型化が進められてきている。
この磁気ヘッドスライダは、一般に、基板上に薄膜磁気ヘッドを含む積層体を有してなる。このような磁気ヘッドスライダは、基板上に薄膜磁気ヘッドを含む積層体を積層して積層構造体とした後、この積層構造体を積層方向に平行に切断して薄膜磁気ヘッドの露出面を形成し、この露出面をラッピング(研磨)してエアベアリング面とすることにより得られる。
そして、従来の磁気ヘッドスライダにおいては、例えば下記特許文献1に記載されているように、アルミナと炭化チタンとを主成分とする高強度の焼結体、いわゆる、アルティック焼結体等のアルミナ系焼結体が磁気ヘッドスライダの基板として用いている。
特開昭57−82172号公報
現在では、ミニスライダの約30%程の大きさのピコスライダ(30%スライダ)と呼ばれる磁気ヘッドスライダが主流となっており、今後、ハードディスク装置の小型化、低コスト化に伴い磁気ヘッドスライダは更に小型化され、将来的にはミニスライダの約20%程の大きさのフェムトスライダ(20%スライダ)へと移行することが予想されている。
このような磁気ヘッドスライダの小型化に伴い、エアベアリング面を形成する際のラッピング工程において、基板と、基板上に積層した積層体との研磨量の違いにより生じるエアベアリング面の段差を低減することが求められている。また、ラッピング工程により形成された研磨面の表面粗さをより一層低下させることも求められている。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、エアベアリング面の段差の低減を図ることができかつ十分な研磨面の平坦性を有する磁気ヘッドスライダ用焼結体、これを用いた磁気ヘッドスライダ、及び磁気ヘッドスライダ用焼結体の製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らが検討した結果、従来の磁気ヘッドスライダの基板として用いられるアルティック焼結体やアルミナ焼結体等のアルミナ系焼結体の研磨速度は、薄膜磁気ヘッドを含む積層体の研磨速度に比べて極めて低く、これによって、ラッピング時に積層体の研磨量が基板の研磨量にくらべて大きくなりすぎて大きな段差が生じることを見出した。
そして、本発明者らが、従来よりも研磨速度が高くかつ研磨面の平滑性が高いアルミナ系焼結体を探索したところ、アルミナ粉、チタニア粉及び所定の炭素粉分散液を含む所定の組成の成形体を焼成した焼結体が特殊な構造を有し、この焼結体の研磨速度が、従来のアルティック焼結体の研磨速度よりも十分に高くなりかつ研磨面の表面粗さが十分に小さくなることを見出して本発明に想到した。
本発明の磁気ヘッドスライダ用焼結体は、アルミナ結晶粒、炭化チタン結晶粒、及び炭素結晶粒を含み、焼結体断面中の炭素結晶粒の個数基準の粒径分布において、粒径100nm超の炭素結晶粒の割合が35%以下である。
この磁気ヘッドスライダ用焼結体は、従来の磁気ヘッドスライダ用焼結体に用いられるアルティック焼結体等のアルミナ系焼結体に比して研磨速度が高く、また、研磨面の平滑性が高い。
そして、この磁気ヘッドスライダ用焼結体を用いた基板の研磨速度と、薄膜磁気ヘッドを含む積層体の研磨速度と、の差が従来よりも十分に少なくなる。これにより、磁気ヘッドスライダの製造時に、詳しくは、この磁気ヘッドスライダ用焼結体から作られた基板上に薄膜磁気ヘッドを含む積層体を積層して積層構造体とし、この積層構造体における積層方向に平行な断面をラッピングして磁気ヘッドスライダを製造する時に、ラッピングにより形成されるエアベアリング面において積層体と基板との間に段差が生じにくくなる。また、この磁気ヘッドスライダ用焼結体はその研磨面が十分な平滑性を有する。
このような構成の磁気ヘッドスライダ用焼結体が上述の特性を示す理由は明らかでないが、炭素結晶粒が極めて小さい粒径で存在している、すなわち、炭素結晶粒が極めて良好に分散しているので、アルミナ結晶粒等の粒成長が十分に抑制されることが一因と考えられる。また、粗大なカーボン結晶粒が殆ど存在しないため、研磨時にこの粗大なカーボン結晶粒が抜け落ちてできる穴が少ないので研磨面が極めて平滑となるものと考えられる。
ここで、本発明の磁気ヘッドスライダ用焼結体は、具体的には、焼結体中のアルミナの重量を100重量部とした時に焼結体中に炭素を6重量部以下含むことが好ましい。炭素が多すぎると炭素粉を十分に分散させることが困難になる。
また、アルミナの重量を100重量部としたときに炭素を0.5重量部以上含むと好適である。炭素が少なすぎるとアルミナ結晶粒の粒成長の抑制効果が小さくなる傾向がる。
また、アルミナの重量を100重量部としたときに炭化チタンを40〜70重量部含むことが好ましい。
また、焼結体が、さらにチタニアを含んでもよい。この場合には、焼結体は、アルミナの重量を100重量部とした時にチタニアを1〜10重量部含むことが好ましい。チタニアの添加により焼結性が良くなり、十分な強度を実現しやすい。
また、焼結体が、さらに炭化珪素を含んでもよい。この場合には、焼結体は、アルミナの重量を100重量部とした時に炭化珪素を20〜60重量部含むことが好ましい。炭化珪素の添加により熱伝導性が良くなる。
本発明にかかる磁気ヘッドスライダは、焼結体から作られた基板と、基板上に形成された、薄膜磁気ヘッドを含む積層体と、を備え、焼結体は上述の磁気ヘッドスライダ用焼結体である。
本発明にかかる磁気ヘッドスライダ用焼結体の製造方法は、混合工程と、成形工程と、焼結工程とを備える。
混合工程では、アルミナ粉、炭化チタン粉、及び、炭素粉を含む炭素粉分散液を、アルミナ粉の重量を100重量部としたときに炭素粉が6重量部以下含まれるように混合して混合粉を得る。成形工程では、混合粉を成形して成形体を得る。焼結工程では、成形体を非酸化性雰囲気で焼結させる。ここで、炭素粉分散液は、表面に極性基を有する炭素粉を極性溶媒中に分散させたものである。
このような製造方法によると、上述の如く、アルミナ結晶粒、炭化チタン結晶粒、及び炭素結晶粒を含む焼結体であり、焼結体断面中の炭素結晶粒の個数基準の粒径分布において、粒径が100nmを超える炭素結晶粒の割合が35%以上である磁気ヘッドスライダ用焼結体が得られる。
この理由は明らかでないが、例えば、表面に極性基を有する炭素粉を予め極性溶媒中に分散した炭素粉分散液を用いると、混合工程において炭素粉が十分に分散されることがその一因と考えられる。
炭素粉の濃度が6重量部を超えると、炭素粉の分散性が悪くなり、炭素粉同士が凝集した粗大な炭素結晶粒が生成する傾向がある。そのため、焼結体断面中の炭素結晶粒の個数基準の粒径分布において、粒径100nm超の炭素結晶粒の割合が十分に小さくならない。この場合、研磨速度や研磨面の平滑性が十分でない。
炭素粉としては、例えば、カーボンブラック等のナノカーボンが挙げられる。このようなナノカーボンは、10〜50nm程度の一次粒子が強固に凝集して二次粒子を形成したものであり、極性溶媒中には二次粒子が分散することとなる。
ここで、炭素粉分散液中において、炭素粉が二次粒子として分散しており、二次粒子の平均径が150nm以下であることが好ましい。炭素粉分散液中の炭素粉の二次粒子の平均径が150nmを超えると、焼結体断面において、粒径100nm超の炭素結晶粒が増えやすい傾向がある。
また、混合工程において、アルミナ粉の重量を100重量部としたときに炭素粉が0.5重量部以上含まれるように混合を行うことがこのましい。この場合には、十分な研磨速度及び平滑性を得やすい。
また、混合工程において、アルミナ粉の重量を100重量部としたときに炭化チタン粉が40〜70重量部含まれるように混合を行うことが好ましい。
また、炭素粉分散液の極性溶媒として水を用いることができ、この場合には、アルミナ粉、炭化チタン粉、及び炭素粉分散液を有機溶媒中で混合することが好ましい。
これによれば、炭化チタンの不要な酸化を抑制しつつ、好適な混合が可能である。
一方、炭素粉分散液の極性溶媒として有機溶媒を用いることができ、この場合には、アルミナ粉、炭化チタン粉、及び炭素粉分散液を極性溶媒と同一又は異なる有機溶媒中で混合することが好ましい。
この場合にも、炭化チタンの酸化を抑制しつつ良好な混合が可能である。
また、炭素粉の表面に付与される極性基としては、カルボキシル基等が挙げられる。
ここで、成形体が、さらに、チタニア粉を含んでもよく、炭化珪素粉を含んでもよい。
本発明によれば、エアベアリング面の段差が低減されかつ研磨面の平滑性の高い磁気ヘッドスライダを実現することができる。これにより、より小さなサイズの磁気ヘッドスライダを製造でき、さらなる高密度化が可能となる。
以下、添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、図面の説明において、同一または相当要素には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
(磁気ヘッドスライダ用焼結体)
まず、本実施形態に係る磁気ヘッドスライダ用焼結体について説明する。本実施形態に係る磁気ヘッドスライダ用焼結体は、アルミナ(Al)、炭化チタン(TiC)、及び炭素(C)を含む焼結体であり、必要に応じて、チタニア(TiO)及び/又は炭化珪素(SiC)を含む。
ここで、この磁気ヘッドスライダ用焼結体における炭素の濃度は、アルミナの重量を100重量部とした時に6重量部以下、好ましくは、0.5〜6重量部である。また、炭化チタンの濃度は、好ましくは、アルミナの重量を100重量部とした時に40〜70重量部であることが好ましい。また、チタニアを含む場合のチタニアの濃度は、アルミナの重量を100重量部とした時に1〜10重量部であることが好ましい。また、炭化珪素を含む場合の炭化珪素の濃度は、アルミナの重量を100重量部とした時に20〜60重量部であることが好ましい。
続いて、本実施形態にかかる磁気ヘッドスライダ用焼結体1の構造を、図1を参照して説明する。ここで、図1は、本実施形態に係る焼結体の模式断面図を示す。
図1に示すようにアルミナはアルミナ結晶粒110を形成し、炭化チタンは炭化チタン結晶粒120を形成し、炭素は炭素結晶粒130を形成している。また、炭化珪素やチタニアを含む場合には、これらの結晶粒140、150が形成される。
ここで、アルミナ結晶粒110の平均径は、例えば、0.2〜0.6μmである。炭化チタン結晶粒120の平均径は、例えば、0.2〜1μmである。炭素結晶粒120の平均径は、例えば、20〜300nmである。炭化珪素結晶粒140の大きさは、例えば、0.2〜1μmである。
なお、チタニアや炭化珪素を添加した場合、これらの添加濃度によってはこれらが結晶粒界に偏在し、結晶粒を形成しない場合もある。
そして、本発明にかかる焼結体1は、特に、焼結体断面における炭素結晶粒120の平均粒径の個数分布において、100nm超の炭素結晶粒120の割合が35%以下である。
結晶粒の平均径は、例えば以下のようにして求めることができる。まず、焼結体を破断し、その破断面を鏡面加工し、(焼結温度−100)℃で熱エッチングする。その表面を、走査型電子顕微鏡にて3万倍に拡大して撮影し、この写真に放射状に直線を引く。具体的には、縦9mm×横12mmの矩形状の写真に対して、その中心を通るように、縦、横、及び2本の対角線の直線を引く(直線の合計は30mm)。そして、各直線が結晶粒界をよこぎる交点を数え、(直線の総延長(mm))/(交点総数×写真倍率)の演算により、結晶粒の平均径を求めることができる。平均径の個数分布は、例えば、焼結体について12.5×9.375μm四方の断面写真を10枚程度取得すると共に、全断面写真中の各炭素粒の平均径を取得することにより得られる。
なお、この磁気ヘッドスライダ用焼結体は、特性に影響を与えない程度に他の成分を含んでもよい。
このような磁気ヘッドスライダ用焼結体は、研磨速度が従来のアルティックに比して高くなり、また、研磨面の中心線平均粗さRa(JIS B 0601−1982)が従来のアルティックに比して十分に低い。また、研磨面の最大高さRmax(JIS B 0601−1982)も従来のアルティックに比して十分に小さくなる。
(磁気ヘッドスライダ用焼結体の製造方法)
続いて、このような磁気ヘッドスライダ用焼結体の製造方法について説明する。
まず、アルミナ粉、炭化チタン粉、及び、炭素粉分散液、さらに、必要に応じて炭化チタン粉やチタニア粉を用意する。
ここで、原料のアルミナ粉の平均一次粒子径は1μm以下であることが好ましく、200〜600nmであることがより好ましい。
また、炭化チタン粉の平均一次粒子径は3μm以下であることが好ましく、0.2〜1.5μmであることがより好ましい。炭化チタン粉は、炭素を含んでいてもよい。
また、チタニア粉の平均一次粒子径は3μm以下であることが好ましい。また、炭化珪素粉の平均一次粒子径は1μm以下であることが好ましい。
炭素粉分散液は、表面に極性基を付加した炭素粉を極性溶媒中に分散させたものである。炭素粉としては、カーボンブラック等のナノカーボン粒子が挙げられる。ナノカーボン粒子は、粒径10〜50nm程度の一次粒子が強固に凝集して二次粒子を形成している。この場合、極性溶媒中では、炭素粉の二次粒子が分散している。
極性溶媒中で分散する炭素粉の二次粒子の平均径は150nm以下であることが好ましく、特に、50〜130nm程度であることが好ましい。極性溶媒中の炭素粉の二次粒子の平均径は、レーザドップラー式の粒度分布測定器等により容易に測定できる。
極性基としては、例えば、カルボキシル基、カルボニル基、水酸基、エーテル基、イミノ基、スルホン基等の親水基が挙げられる。極性溶媒としては、アルコール(エタノール、IPA、95%変性エタノール等)、アセトン等の有機溶媒や、水が挙げられる。
炭素粉分散液中の炭素粉の濃度は、例えば、5〜40wt%程度である。このような炭素粉分散液は、例えば、東海カーボン社製aqua black等として入手可能である。
そして、アルミナ粉、炭化チタン粉、及び、炭素粉分散液、さらに、必要に応じてチタニア粉、炭化珪素粉を、例えば、エタノール、IPA、95%変性エタノール等の有機溶剤中で混合し、混合粉を得る。
なお、水が存在すると、水と炭化チタンとが化学反応を起こして炭化チタン粉が酸化する懸念があるが、混合溶媒として使用する有機溶媒の量が、炭素粉分散液に由来する水の量よりも十分に多ければ、例えば、(水の体積/有機溶媒の体積)<0.05であれば、特に問題とはならない。
ここでは、混合粉において、アルミナの全重量を100重量部としたときに、炭素粉が6重量部以下となるように炭素粉分散液を添加する。好ましくは、炭素粉が、0.5〜6重量部となるように炭素粉分散液を添加する。
また、炭化チタン粉をアルミナ100重量部に対して好ましくは40〜70重量部添加する。チタニア粉を添加する場合には、チタニア粉を好ましくは1〜10重量部添加する。炭化珪素粉を添加する場合には、炭化珪素粉を好ましくは20〜60重量部添加する。
また、粉の混合は、ボールミルやアトライター中で行うことが好ましい。また、粉の混合は、10〜100時間程度行うことが好ましい。なお、ボールミルやアトライター中の混合メディアとしては、例えば、直径1〜20mm程度の、アルミナボール等を使用することが好ましい。
次に、混合粉をスプレー造粒する。ここでは、例えば、酸素をほとんど含まない窒素やアルゴン等の不活性ガスの、60〜200℃程度の温風中で噴霧乾燥すればよく、これによって、上記の組成の混合粉の造粒物が得られる。ここで、例えば、造粒物の粒径は、50μm〜200μm程度が好ましい。
次に、必要に応じて上述の有機溶剤を添加して造粒物の液体含有量の調節を行い、0.1〜10重量%程度、造粒物中に有機溶剤が含まれるようにする。液体含有量の調節に用いる有機溶剤としては、例えば、エタノール、IPA、95%変性エタノール等の有機溶剤が挙げられ、通常、粉の混合の際に用いた有機溶剤が使用される。なおここでも、水
を溶媒として使用すると、溶媒と炭化チタンとが化学反応を起こして炭化チタン粉が酸化してしまうため、炭化チタン粉を含む場合に水の使用は好ましくない。
次に、この造粒物を所定の型内に充填し、冷間プレスにより一次成形を行って成形体を得る。ここでは、例えば、内径150mmの円板形成用の金属製あるいはカーボン製の型内に造粒物を充填し、例えば、5〜15MPa(約50〜150kgf/cm)程度の圧力で冷間プレスすればよい。
続いて、得られた成形体をホットプレスし焼結体を得る。ここで、例えば、焼成温度を1500〜1750℃、圧力を10〜50MPa(約100〜500kgf/cm)、雰囲気を真空、窒素、アルゴン等の非酸化雰囲気中とする。なお、非酸化性雰囲気とするのは、炭素や炭化チタンの酸化を抑制するためである。また、混合粉体の成形にはカーボン製の型を用いることが好ましい。また、成形体の焼結時間は1〜3時間程度とすることが好ましい。なお、焼結温度を1680〜1700℃とすることが好ましい。
これにより、磁気ヘッドスライダ用焼結体が完成する。ここでは、磁気ヘッドスライダ用焼結体の形状は特に限定されず、例えば、直径6インチ、厚み2.5mmの円板状の基板や、矩形基板とすることができる。
(磁気ヘッドスライダ)
次に、この磁気ヘッドスライダ用焼結体を用いた磁気ヘッドスライダについて図2及び図3を参照して説明する。
本実施形態の磁気ヘッドスライダ11は薄膜磁気ヘッド10を有するものであり、ハードディスクを備えたハードディスク装置(不図示)に搭載されるものである。このハードディスク装置は、高速回転するハードディスクの記録面に、薄膜磁気ヘッド10によって磁気情報を記録及び再生するようになっている。
本発明の実施形態に係る磁気ヘッドスライダ11は略直方体形状をなしている。図5において、磁気ヘッドスライダ11における手前側の面は、ハードディスクの記録面に対向配置される記録媒体対向面であり、エアベアリング面(ABS:Air Bearing Surface)
Sと称される。また、エアベアリング面には、トラック幅方向と直交する方向に11a溝が形成されている。
ハードディスクが回転する際、この回転に伴う空気流によって磁気ヘッドスライダ11が浮上し、エアベアリング面Sはハードディスクの記録面から離隔する。エアベアリング面Sには、DLC(Diamond Like Carbon)等のコーティングを施してもよい。
この磁気ヘッドスライダ11は、上述した磁気ヘッドスライド用焼結体から作られた基板13と、この基板13上に形成されると共に薄膜磁気ヘッド10を含む積層体14とを備えている。より詳しくは、本実施形態では、基板13は直方体形状を有し、基板13の側面上に積層体14が形成されている。
積層体14の上面14aは、磁気ヘッドスライダ11の端面を形成しており、この積層体14の上面14aには薄膜磁気ヘッド10に接続された記録用パッド18a,18b及び再生用パッド19a,19bが取り付けられている。また、薄膜磁気ヘッド10は、積層体14内に設けられており、その一部がエアベアリング面Sから外部に露出している。なお、図3において、積層体14内に埋設されている薄膜磁気ヘッド10を、認識しやすさを考慮して実線で示している。
このような磁気ヘッドスライダ11は、ジンバル12に搭載され、図示しないサスペンションアームに接続されることによりヘッドジンバルアセンブリを構成する。
図3は、磁気ヘッドスライダ11におけるエアベアリング面Sに対して垂直かつトラック幅方向に垂直な方向の概略断面図(図3のII−II概略断面図)である。上述のように、磁気ヘッドスライダ11は、概略矩形板状の基板13と、この基板13の側面上に積層された積層体14とを有している。積層体14は、薄膜磁気ヘッド10と、この薄膜磁気ヘッド10を取り囲むコート層50と、を有している。
薄膜磁気ヘッド10は、基板13に近い側から順に、ハードディスクの磁気情報を読取る読取素子としてのGMR(巨大磁気抵抗効果;Giant Magneto Resistive )素子40と、ハードディスクに磁気情報を書込む書込素子としての誘導型の電磁変換素子60と、を有しており、いわゆる、複合型薄膜磁気ヘッドとなっている。
電磁変換素子60は、いわゆる面内記録方式を採用したものであり、基板13側から順に下部磁極61及び上部磁極64を備えると共に、さらに薄膜コイル70を備えている。
下部磁極61及び上部磁極64のエアベアリング面S側の端部は、エアベアリング面Sに露出しており、下部磁極61及び上部磁極64の各露出部は所定距離離間されていて記録ギャップGを形成している。一方、上部磁極64におけるエアベアリング面Sとは離れた側の端部64Bは下部磁極61に向かって折り曲げられており、この端部64Bは下部磁極61におけるエアベアリング面Sとは離れた側の端部と磁気的に連結している。これにより、上部磁極64と下部磁極61とによってギャップGをはさむ磁気回路が形成される。
薄膜コイル70は、上部磁極64の端部64Bを取り囲むように配置されており、電磁誘導により記録ギャップG間に磁界を発生させ、これによりハードディスクの記録面に磁気情報を記録させる。
GMR素子40は、図示は省略するが多層構造を有してエアベアリング面Sに露出しており、磁気抵抗効果を利用してハードディスクからの磁界の変化を検出し、磁気情報を読み出す。
GMR素子40と電磁変換素子60との間、上部磁極64と下部磁極61との間はそれぞれ絶縁性のコート層50により離間されている。また、薄膜磁気ヘッド10自体もエアベアリング面Sを除いてコート層50に覆われている。コート層50は、主として、アルミナ等の絶縁材料により形成されている。具体的には、通常、スパッタリング等により形成されたアルミナ層が用いられる。このようなアルミナ層は、通常アモルファス構造を有する。
なお、薄膜磁気ヘッド10を面内記録方式ではなく、垂直記録方式としてもよい。また、GMR素子40の代わりに、異方性磁気抵抗効果を利用するAMR(Anisotropy Magneto Resistive)素子、トンネル接合で生じる磁気抵抗効果を利用するTMR(Tunnel-type Magneto Resistive)素子等を利用してもよい。
さらに、コート層50内には、さらに、GMR素子40と電磁変換素子60との間を磁気的に絶縁する磁性層等を含んでもよい。
続いて、以上のような磁気ヘッドスライダ11の製造方法について説明する。
まず、前述のようにして、図4に示すように、上述の磁気ヘッドスライダ用焼結体を円板ウェハ状に形成した基板13を用意する。次に、図5(a)に示すように、この基板13上に、薄膜磁気ヘッド10及びコート層50を含む積層体14を周知の手法によって積層する。ここでは、積層体14中に、薄膜磁気ヘッド10が行列状に多数並ぶように積層体14を形成する。
続いて、積層体14が積層された基板13を所定の形状・大きさに切断する。ここでは、例えば、図6(a)中の点線で示したように切断することにより、図6(b)に示すように、複数の薄膜磁気ヘッド10が一列に並びかつこれらの薄膜磁気ヘッド10が側面100BSにそれぞれ露出するように配置されたバー100Bを形成する。
そして、このバー100Bの側面100BSを研磨してエアベアリング面Sを形成する、いわゆる、ラッピング工程を行う。このラッピング工程では、基板13とその上に積層された積層体14とを、同時にかつ積層方向と交差する方向(図3の矢印Xの方向)に研磨する。
ここで、本実施形態では、基板13が、前述の磁気ヘッドスライダ用焼結体から作られている。したがって、この基板13の研磨速度は、従来のアルティック焼結体等からつくられた基板の研磨速度よりも十分に高くなり、この基板13の研磨速度は薄膜磁気ヘッド10を含む積層体14の研磨速度と同程度となる。
したがって、ラッピングをした場合に、積層体14と、基板13との間での研磨量の差が極めて小さくなり、積層体14と基板13との間の段差D(図6参照)が、従来よりもよりも著しく小さくなる。これにより、例えば、エアベアリング面Sをほぼ平坦な状態にすることができる。具体的には、例えば、段差Dを1.2nm以下にすることができる。
さらに、ラッピング後の研磨面の表面粗さが従来に比して向上する。したがって、エアベアリング面と記録媒体との距離の低減が可能となる。
したがって、フェムトスライダやそれ以下の大きさのスライダを好適に作成することができ、更なる高密度記録化が容易となる。
以下、実施例及び比較例を挙げ、本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。
本実施例では、構成材料の異なる磁気ヘッドスライダ用焼結体を複数製造し、それぞれについて焼結体の微細構造の電子顕微鏡観察、研磨速度の測定、断面における炭素結晶粒の粒径の個数分布、粒径100nm以上の炭素結晶粒の発生率、及び、焼結体を研磨した後の表面粗さRaについて測定した。
(実施例1)
アルミナ粉(平均一次粒径320nm)、炭化チタン粉(平均一次粒径300nm)、炭素粉分散液(表面にカルボキシル基が付加されたカーボンブラック粒子が水中に分散されているものであり水中でのカーボンブラックの体積基準の粒径分布における累積50%粒子径(平均二次粒径)が100nm、カーボンブラック粒子濃度20wt%)を各々所定量秤量し、ボールミル中でIPA(イソプロピルアルコール;沸点82.4℃)と共に30分粉砕して混合し、その後窒素中において、150℃でスプレー造粒し造粒物を得た。
ここで、アルミナ粉、炭化チタン粉、及び、炭素粉分散液は、造粒物中において以下の条件を満たすような濃度で混合された。すなわち、アルミナ粉の重量を100重量部とした時に、炭化チタン粉の重量が56.3重量部、炭素粉(カーボンブラック)の重量が1.6重量部となるようにした。
続いて、得られた造粒物を各々約0.5MPa(50kgf/cm)で一次成形し、その後、ホットプレス法によって真空雰囲気で1時間、焼結温度1680−1700℃、プレス圧力約30MPa(約300kgf/cm2)で焼成し、磁気ヘッドスライダ用焼結体を各実施例について得た。その後、これらを20×20×1.8mm程度の切片にそれぞれ切り出し、0.1μm径のダイアモンド粒子を含むスラリーを用い、片面研磨機を用いてこの切片を研磨した。ここで、研磨条件は、スズ皿の回転数37.5回/min、荷重2550g、オスカーモータ回転数55回/min、研磨時間10分とした。そして、研磨前後の厚みを測定し、厚みの変化を研磨時間で除することにより、研磨速度を取得した。さらに、焼結体の断面について、SEM観察により12.5×9.375μmの視野を100枚撮影し、上述の方法によりカーボン結晶粒の粒径の個数分布を作成した。さらに、研磨後の焼結体表面の表面粗さを表面粗度測定装置により測定した。
(実施例2〜5)
実施例2〜5では、さらに、チタニア粉(平均一次粒径620nm)を混合した。具体的には、アルミナ粉、炭化チタン粉、炭素粉分散液、及び、チタニア粉の配合割合は、実施例2では、アルミナ粉の重量を100重量部とした時に、炭化チタン粉が56.3重量部、炭素粉が0.5重量部、チタニア粉が6.3重量部となるように、実施例3では、アルミナ粉の重量を100重量部とした時に、炭化チタン粉が56.3重量部、炭素粉が重量を0.8重量部、チタニア粉が6.3重量部となるように、実施例4では、アルミナ粉の重量を100重量部とした時に、炭化チタン粉が56.3重量部、炭素粉の重量が1.6重量部、チタニア粉が6.3重量部となるように、実施例5では、アルミナ粉の重量を100重量部とした時に、炭化チタン粉が56.3重量部、炭素粉の重量が4.7重量部、チタニア粉が6.3重量部となるようにする以外は、実施例1と同様にした。
(実施例6)
実施例6では、さらに、炭化珪素粉(平均一次粒径400nm)を混合して成形体を得た。具体的には、アルミナ粉、炭化チタン粉、炭素粉分散液、チタニア粉、及び、炭化珪素粉の配合割合を、アルミナ粉の重量を100重量部とした時に、炭化チタン粉が59.6重量部、炭素粉が5.9重量部、チタニア粉が6.7重量部、炭化珪素粉が40.0重量部とする以外は、実施例1と同様にした。
(比較例1)
比較例1では、炭素粉分散液を添加しない以外は実施例2と同様とした。なお、炭化チタン粉自体には、炭化チタンの重量の0.1%程度の炭素が不可避的に含まれる。
(比較例2,3)
比較例2では、炭素粉として、水中に分散したものでなく、表面が疎水性であり乾燥している通常のカーボンブラック(平均一次粒径14nm)を用いた。具体的には、アルミナ粉、炭化チタン粉、炭素粉、及び、チタニア粉の配合割合を、比較例2では、アルミナ粉の重量を100重量部とした時に、炭化チタン粉が56.3重量部、炭素粉が0.5重量部、チタニア粉が6.3重量部となるように、比較例3では、アルミナ粉の重量を100重量部とした時に、炭化チタン粉が56.3重量部、炭素粉が4.7重量部、チタニア粉が6.3重量部となるように設定する以外は実施例2と同様にした。
(比較例4)
比較例4では、アルミナ粉、炭化チタン粉、炭素粉分散液、及び、チタニア粉の配合割合を、アルミナ粉の重量を100重量部とした時に、炭化チタン粉が56.3重量部、炭素粉が6.3重量部、チタニア粉が6.3重量部となるようにする以外は、実施例2と同様にした。
(比較例5)
比較例5では、炭素粉として、表面が疎水性であり乾燥したカーボンブラック(平均一次粒径14nm)を原料として成形体を得る以外は、実施例6と同様にした。
これらの条件及び結果を、図7に表にして示す。なお、研磨速度は比較例1のアルティックの研磨速度を100とし、各実施例及び比較例の研磨速度を比較例1の研磨速度に対する相対比として表した。ここで、比較例1の研磨速度は、1.7μm/10minであった。
実施例1〜6の如く、表面に極性基が結合されることにより極性溶媒中に炭素粉が分散された炭素粉分散液を、炭素粉の濃度が6重量部以下となるように他の粉と混合して製造した焼結体は、従来のアルティックに比して研磨速度が十分なものとなり、かつ、焼結体の表面粗さも十分に小さいものとなった。
このような実施例の焼結体断面中の炭素結晶粒の粒径の個数分布を調べると、100nm超の割合が、全体の35%以下となっており、このような特性は、比較例には見られないものであった。
一方、炭素粉分散液由来の炭素粉が無い比較例1では、研磨速度が十分でなかった。また、通常の乾燥したカーボンブラックを用いた比較例2,3では、研磨速度を向上させることはできたが表面粗さが十分でなかった。乾燥したカーボンブラックを利用し、かつ炭化珪素を含む比較例6では、研磨速度及び表面粗さ共に十分でなかった。また、炭素粉分散液を用いた場合でも、炭素粉の量が6重量部を超える比較例4では、研磨速度及び表面粗さとも十分ではなかった。
なお、Rmaxについても、実施例3では10nmを超えなかったのに対し、比較例3では20nmを超える部分があった。
図1は、本発明の実施形態に係る磁気ヘッドスライダ用焼結体の断面図の一例である。 図2は、本発明の実施形態に係る磁気ヘッドスライダの斜視図である。 図3は、図1の磁気ヘッドスライダにおけるII−II矢視図である。 図4は、本発明の実施形態に係る磁気ヘッドスライダの製造方法を説明するための斜視図である。 図5(a)、図5(b)は、本発明の実施形態に係る磁気ヘッドスライダの製造方法を説明するための図4に続く斜視図である。 図6は、図6(b)のバーを研磨した状態を示す断面概念図である。 図7は、実施例1〜6及び比較例1〜5の磁気ヘッド用基板の組成及び特性を示す表である。
符号の説明
10…薄膜磁気ヘッド、11…磁気ヘッドスライダ、13…基板(焼結体)、14…積層体、50…コート層、D…段差、S…エアベアリング面。

Claims (16)

  1. アルミナ結晶粒、炭化チタン結晶粒、及び炭素結晶粒を含む焼結体であり、
    前記焼結体断面中の炭素結晶粒の個数基準の粒径分布において、粒径が100nm超の炭素結晶粒の割合が35%以下である磁気ヘッドスライダ用焼結体。
  2. アルミナの重量を100重量部としたときに炭素を6重量部以下含む請求項1に記載の磁気ヘッドスライダ用焼結体。
  3. アルミナの重量を100重量部としたときに炭素を0.5重量部以上含む請求項2に記載の磁気ヘッドスライダ用焼結体。
  4. アルミナの重量を100重量部としたときに炭化チタンを40〜70重量部含む請求項1〜3のいずれかに記載の磁気ヘッドスライダ用焼結体。
  5. さらに、チタニアを含む、請求項1〜4のいずれかに記載の磁気ヘッドスライダ用焼結体。
  6. さらに、炭化珪素を含む、請求項1〜5いずれかに記載の磁気ヘッドスライダ用焼結体。
  7. 焼結体から作られた基板と、前記基板上に形成された、薄膜磁気ヘッドを含む積層体と、を備え、
    前記焼結体は請求項1〜6のいずれかに記載の焼結体である磁気ヘッドスライダ。
  8. アルミナ粉、炭化チタン粉、及び、炭素粉を含む炭素粉分散液を、前記アルミナ粉の重量を100重量部としたときに前記炭素粉が6重量部以下含まれるように混合して混合粉を得る混合工程と、
    前記混合粉を成形して成形体を得る成形工程と、
    前記成形体を非酸化性雰囲気で焼結させる焼結工程と、を備え、
    前記炭素粉分散液は、表面に極性基を有する炭素粉を極性溶媒中に分散させたものである、磁気ヘッドスライダ用焼結体の製造方法。
  9. 前記炭素粉分散液中において、前記炭素粉は二次粒子として分散しており、前記二次粒子の平均径が150nm以下である請求項8に記載の磁気ヘッドスライダ用焼結体の製造方法。
  10. 前記混合工程において、前記アルミナ粉の重量を100重量部としたときに前記炭素粉が0.5重量部以上含まれるように混合を行う請求項8又は9に記載の磁気ヘッドスライダ用焼結体の製造方法。
  11. 前記混合工程において、前記アルミナ粉の重量を100重量部としたときに前記炭化チタン粉が40〜70重量部含まれるように混合を行う請求項8〜10のいずれかに記載の磁気ヘッドスライダ用焼結体の製造方法。
  12. 前記極性溶媒は水であり、前記アルミナ粉、前記炭化チタン粉、及び、前記炭素粉分散液を有機溶媒中で混合する請求項8〜11のいずれかに記載の磁気ヘッドスライダ用焼結体の製造方法。
  13. 前記極性溶媒は有機溶媒であり、前記アルミナ粉、前記炭化チタン粉、及び、前記炭素粉分散液を前記有機溶媒と同一又は異なる有機溶媒中で混合する請求項8〜11のいずれかに記載の磁気ヘッドスライダ用焼結体の製造方法。
  14. 前記極性基はカルボキシル基である、請求項8〜13のいずれかに記載の磁気ヘッドスライダ用焼結体の製造方法。
  15. 前記混合工程では、さらに、チタニア粉を混合する、請求項8〜14のいずれかに記載の磁気ヘッドスライダ用焼結体の製造方法。
  16. 前記混合工程では、さらに、炭化珪素粉を混合する、請求項8〜15のいずれかに記載の磁気ヘッドスライダ用焼結体の製造方法。
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