JP3933523B2 - 薄膜磁気ヘッド用セラミックス基板材料 - Google Patents

薄膜磁気ヘッド用セラミックス基板材料 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ハードディスクドライブ装置の薄膜磁気ヘッドスライダーに用いられる薄膜磁気ヘッド用セラミックス基板材料に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、通信・情報技術分野の発展に伴って、コンピュータで扱える情報量が飛躍的に増大してきている。特に、従来ではアナログ信号としてのみ扱うことが可能であった音声や音楽、画像などの情報もデジタル信号に変換してパーソナルコンピュータで処理できるようになってきている。このような音楽や画像などのマルチメディアデータは、多くの情報を含むため、パーソナルコンピュータなどに用いられる情報記録装置の容量を大きくすることが求められている。
【0003】
ハードディスクドライブ装置は、パーソナルコンピュータなどに従来より用いられている典型的な情報記録装置である。上述した要求に応えるため、ハードディスクドライブの容量をより大きくし、また、装置を小型化することが求められている。
【0004】
このようなハードディスクドライブ装置の薄膜磁気ヘッド用セラミックス基板の材料として、Al23−TiC系のセラミックス焼結体(以下、AlTiCと略す)が知られている。AlTiCは、Al23を第1相とし、TiCを第2相として含んでおり、電気伝導性に優れ、精密加工にも適している。このため、従来のハードディスクドライブ装置の薄膜磁気ヘッドにはほとんどすべてAlTiCが用いられている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上述したようにハードディスクドライブ装置を小型化する要求が高まるにつれて、薄膜磁気ヘッド用セラミックス基板を従来よりも高精度に加工する必要が生じている。しかしながら、AlTiCはAl23セラミックスとTiCセラミックスの混合体であるため、2つのセラミックスの性質の違いにより、種々の問題が生じる。
【0006】
具体的には、AlTiCにおいて、TiC粒子のビッカース硬度Hvは2400以上であるのに対して、Al23粒子のビッカース硬度Hvは2000であり、2つの粒子の硬度差は大きい。このため、AlTiC基板を研磨すると、Al23粒子のほうがTiC粒子よりも多く研磨されてしまい、AlTiC基板の表面において、TiC粒子とAl23粒子との間に段差が生じる。この段差は平均面粗さで5nm以下であり、従来のハードディスクドライブ装置に用いられる薄膜磁気ヘッド用セラミックス基板では、問題とならない値であった。
【0007】
しかし、ハードディスクドライブ装置の小型化にともなって、薄膜磁気ヘッドがディスクから浮上する高さも小さくなり、薄膜磁気ヘッドのスライダーのエアーベアリングサーフェイス(ABS)の面粗さも、さらに高品位のものが要求されるようになってきている。特に3.5インチのハードディスクドライブ装置においてガラス基板が磁気記録媒体のディスクに採用されるようになり、ディスクの回転数も10000回転/分を超えるようになってきた。このため、AlTiC基板の平均面粗さをさらに小さくする必要が生じている。
【0008】
また、図3(a)に示すように、薄膜磁気ヘッド20は、AlTiC基板21、Al23膜22、読み出しあるいは書き込み素子23、およびAl23膜24を積層して形成される。薄膜磁気ヘッド20を作製する際、ABS面となる面25は、まず研磨によって平坦になるよう仕上げられる。面25には、AlTiC基板21とAl23膜22、24と素子23とが露出しているため、面25を研磨する際に、これらの要素において硬度の違いが問題となる。具体的には、AlTiC基板11のAl23およびTiCのビッカース硬度Hvはそれぞれ2000および2400であり、Al23膜および素子23(金属)のビッカース硬度Hvは700〜900および100〜300である。
【0009】
このため、面25においてもっとも広い面積を占め、ABS面の主要な構成となるAlTiC基板11(特にTiC)の研磨量が最適となるように面25を研磨すると、TiCより硬度の小さいAl23膜22、24および素子23が研磨されすぎてしまう。その結果、図3(b)に示すように、平坦であるべき面25において、Al23膜22および24の部分は、AlTiC基板21の部分に比べて一段低くなり、素子23の部分はそれよりさらに低くなってしまう。一般に、この段差はポールチップリセッション(以下、「PTR」と略す)と呼ばれる。このPTRの発生によって、磁気ヘッドと磁気記録媒体との間の余分な空隙が形成されてしまい、ハードディスクドライブの小型化の妨げとなる。この際、AlTiC基板11中のAl23もTiCより多く研磨されるため、AlTiC基板11の表面の粗さも上述した程度の値となる。
【0010】
また、研磨を行った後、薄膜磁気ヘッド20の面25には、ABSの形状に加工するためのイオンビームエッチング等のドライエッチングが施される。ドライエッチングにおいては、化学種の違いによってエッチング速度が異なるため、面25には、Al23、TiC、および素子23を構成する金属という3つの異なる化学種が存在する。AlTiC基板21およびAl23膜22、24のAl23は、イオンビームエッチングにおいては同じエッチング速度を有する。
【0011】
一般に、ドライエッチングにおいて、エッチング速度の異なる2つの化学種のエッチング量は、エッチング条件を適切に選択、調整することによって制御することが可能である。しかし、エッチング速度の異なる3つの化学種のエッチング量を制御することは、現在考えられる通常の方法では非常に困難である。したがって、面25をイオンビームによりエッチングする場合にも、化学種の違いによるエッチング量の違いが必然的に生じてしまう。例えば、AlTiC基板21のAl23粒子およびTiC粒子のエッチング量を等しくしようとエッチング条件を調節した場合、素子23のエッチング量を適切な値にすることは困難である。また、Al23粒子および素子23のエッチング量を等しくしようとエッチング条件を調節した場合、TiC粒子のエッチング量を適切な値にすることは困難である。
【0012】
この問題を解決する1つの方法として、薄膜磁気ヘッド20の基板の材料を、AlTiCのような複合材料から単相材料へ変更することが考えられる。例えば、ZrO2、SiCといったセラミックス材料やCVD−SiC、サファイア、Si単結晶を薄膜磁気ヘッド20用の基板として用いることが検討されている。
【0013】
しかし、単結晶材料は劈開性を有しているため、精密な加工が要求される薄膜磁気ヘッドには適していない。また、他のセラミックス材料は、単相材料であることによるエッチングの均一性を備えるものの、薄膜磁気ヘッドとして必要な他の物性条件を満たさない。例えば、ZrO2は、単相材料であるため、均一なエッチングが得られ、硬度も小さいという点で薄膜磁気ヘッド用セラミックス基板の材料としてAlTiCよりも優れている。しかし、熱伝導率が非常に悪く、ヘッドの磁気特性に悪影響を与えるほどであり、また、電気抵抗も高すぎる。特に、電気抵抗が小さく、適当な熱膨張率および熱伝導率を備えた安価な単相セラミックス材料は知られていない。
【0014】
本発明は、上記課題の少なくとも1つを解決するためになされたものであって、その目的とするところは、薄膜磁気ヘッド用セラミックス基板に適した加工性を備える薄膜磁気ヘッド用セラミックス基板材料を提供する。
【0015】
【課題を解決するための手段】
本発明の薄膜磁気ヘッド用セラミックス基板材料は、24〜75mol%の第1相および残部の第2相を含む。前記第1相はAl23からなる。前記第2相は、組成式(MaM’b)(Cxyz)(Mは、Nb、Cr、Mo、WおよびVのなかから選ばれる少なくとも一種の元素、M’は、ZrおよびHfのなかから選ばれる少なくとも一種の元素、a+b=1、b≦0.2、x+y+z=1、0.5≦x≦0.995、0.005≦y≦0.30、0≦z≦0.20)で表される化合物からなる。
【0016】
また、本発明の他の薄膜磁気ヘッド用セラミックス基板材料は、24〜75mol%の第1相および残部の第2相を含む。前記第1相はAl23からなる。前記第2相は、組成式(M’’cM’’’d)(Cxyz)(M’’は、Nb、CrおよびMoのなかから選ばれる少なくとも一種の元素、M’’’は、V、ZrおよびHfのなかから選ばれる少なくとも一種の元素、c+d=1、d≦0.8、x+y+z=1、0.5≦x≦0.8、0.2≦y≦0.30、0≦z≦0.10)で表される化合物からなる。
【0017】
ある好ましい実施形態において、前記第2相を構成する粒子のビッカース硬度は、前記第1相を構成する粒子のビッカース硬度の±5%の範囲にある。
【0018】
ある好ましい実施形態において、前記第2相を構成する粒子のイオンビームエッチング速度は、前記第1相を構成する粒子のイオンビームエッチング速度の±20%の範囲にある。
【0019】
ある好ましい実施形態において、前記M’は、Nb、Cr、MoおよびWのなかから選ばれる少なくとも一種の元素である。
【0020】
ある好ましい実施形態において、薄膜磁気ヘッド用セラミックス基板材料は、前記第1相および前記第2相の合計に対して、0〜2.0mol%の第1の添加剤となるMg、Ca、ZrおよびCrの酸化物のなかから選ばれる少なくとも一種と、前記第1相および前記第2相の合計に対して、0〜2.0mol%の第2の添加剤となる希土類元素の酸化物から選ばれる少なくとも一種とを更に含み、前記第1の添加剤および前記第2の添加剤の合計は、前記第1相および前記第2相の合計に対して、0〜3.0mol%の範囲である。
【0021】
ある好ましい実施形態において、前記第1の添加剤および前記第2の添加剤は、それぞれ単独の酸化物、それらの複合酸化物、または、前記第1相との複合酸化物として存在している。
【0022】
ある好ましい実施形態において、前記薄膜磁気ヘッド用セラミックス基板材料の平均結晶粒径は0.3〜1.5μmである。
【0023】
また、本発明の他の薄膜磁気ヘッド用セラミックス基板材料は、24〜75mol%の第1相となるAl23と、残部が第2相とからなる薄膜磁気ヘッド用セラミックス基板材料であって、前記第2相を構成する粒子のビッカース硬度は、前記第1相を構成する粒子のビッカース硬度の±5%の範囲にあり、前記第2相を構成する粒子のイオンビームエッチング速度は、前記第1相を構成する粒子のイオンビームエッチング速度の±20%の範囲にある。
【0024】
本発明の薄膜磁気ヘッド用セラミックス基板は、上記いずれかの薄膜磁気ヘッド用セラミックス基板材料からなる。
【0025】
本発明の薄膜磁気ヘッドスライダーは、上記いずれかの薄膜磁気ヘッド用セラミックス基板材料からなる基板と、前記基板に保持された書き込み素子および読み出し素子とを備える。
【0026】
本発明のハードディスクドライブ装置は、上記薄膜磁気ヘッドスライダーを備える。
【0027】
【発明の実施の形態】
本願発明者は、AlTiCセラミックスの第2相であるTiCの炭酸窒化物を他の材料に置き換えることによって、第2相の硬度をAl23と同程度以下に低下させることができることを見出した。これによって、Al23と第2相とからなるセラミックス全体において、硬度を均一にすると共に、全体の硬度を低下させて、薄膜磁気ヘッドのAl23膜と読み出しまたは書き込み素子を構成する金属との硬度差も小さくすることができる。好ましくは、第2相の粒子のビッカース硬度は、Al23粒子のビッカース硬度の±5%の範囲内にある。
【0028】
また、同様にして、第2相およびAl23のイオンエッチングにおけるエッチング速度をおおよそ等しくできることを見出した。これによって、Al23と第2相とからなる混合セラミックスであるにもかかわらず、ドライエッチングに対しては1つの化学種からなるセラミックスのように、全体を均一にエッチングすることができるようになる。好ましくは、第2相の粒子のエッチング速度は、Al23粒子のエッチング速度の±20%の範囲内にある。
【0029】
上述のセラミックス粒子のビッカース硬度は、物理的な性質に関連しているのに対して、セラミックス粒子のイオンエッチング速度は化学的な性質に関連している。一般に、物質の物理的な性質と化学的な性質との間に直接的な関連はないことが多いが、本願発明者は、これら2つの性質を同時に満たすことのできる組成範囲が第2相に存在することを見出した。
【0030】
したがって、Al23粒子と上述の2つの性質を備える第2相とを含むセラミックスからなる薄膜磁気ヘッド用セラミックス基板は、より精密な加工に適しており、小型で高い記録密度を有するハードディスクドライブ装置を実現することができる。
【0031】
従来より、AlTiC基板において、TiCの炭酸窒化物の一部を他の材料に置き換えることは知られていた。しかし、従来技術は、Tiの等価で置換可能な他の元素として、種々の元素が用いられているに過ぎず、構成粒子の硬度を制御する目的や構成粒子のイオンエッチング速度を制御する目的でTiを他の元素に置き換えることはなされていなかった。
【0032】
なお、本願明細書において、複合セラミックスを構成している2つ以上の相のそれぞれの粒子の硬度に言及しているが、これらの粒子の硬度は、通常のビッカース、ヌープ、ブリネルなどの硬度を測定する方法では測定できない。これらの方法は、1個の粒子の硬度ではなく、数百〜数万個の粒子からなる集合の平均的な硬度の値を求めるものである。本発明では、粒子1個の硬度を求めるために、マイクロインデンテーション法を用いた。そして、マイクロインデンテーション法による硬度Hをビッカース硬度Hvに換算している。マイクロインデンテーション法による計測方法や、ビッカース硬度への換算については、後述する実験例において説明する。
【0033】
以下、本発明による薄膜磁気ヘッド用セラミックス基板材料を詳細に説明する。本発明の薄膜磁気ヘッド用セラミックス基板材料は第1相と第2相とを含み、第2相を構成する化合物の組成には2つの条件が存在する。
【0034】
第1の条件では、本発明の薄膜磁気ヘッド用セラミックス基板材料は、第1相である24〜75mol%のAl23と、残部が組成式(MaM’b)(Cxyz)で表される化合物からなる第2相とを含む。
【0035】
ここで、Mは、Nb、Cr、Mo、WおよびVのなかから選ばれる少なくとも一種の元素であり、M’は、ZrおよびHfのなかから選ばれる少なくとも一種の元素である。また、上記組成式の組成比は、a+b=1、b≦0.2、x+y+z=1、0.5≦x≦0.995、0.005≦y≦0.30、0≦z≦0.20を満たす。
【0036】
Zr、V、Hf、Nb、Cr、WおよびMoの炭酸窒化物のビッカース硬度はそれぞれ、2300、1900、2300、1550、1750、1350および1700程度である。このうち、Al23のビッカース硬度(2000〜2100)より小さいものは、V、Nb、Cr、WおよびMoの炭酸窒化物である。これらの元素からなる集合をグループAと呼ぶ。また、Al23のビッカース硬度より大きいものは、ZrおよびHfの炭酸窒化物である。これらの元素からなる集合をグループBと呼ぶ。
【0037】
これらの9つの元素の炭酸窒化物は任意の割合で互いに固溶し合い、ひとつの相をつくる。また、グループAおよびグループBからそれぞれ選ばれる元素の炭酸窒化物の固溶体は、混合した炭酸窒化物のそれぞれのビッカース硬度の平均的な値となる硬度を備え、その値は混合する金属炭酸窒化物の割合によって変化することを確認した
【0038】
したがって、グループAおよびグループBからそれぞれ選ばれる1つまたは複数の元素の炭酸窒化物を選択し、その混合割合を調節することにより所望のビッカース硬度を備えた固溶体を得ることができる。
【0039】
本発明では、AlTiCセラミックスの第2相であるTiCを他の材料に置き換えることによって、第2相の硬度をAl23と同程度以下に低下させることにある。
【0040】
このためには、M:M’は8:2以上であることが好ましい。つまり、組成式(MaM’b)(Cxyz)において、a+b=1かつb≦0.2であることが好ましい。M:M’が8:2未満であれば、アルミナよりも硬度が大きくなってしまうので、好ましくない。M:M’の比は大きいほうが好ましく、具体的には9:1以上、すなわち、a+b=1かつb≦0.1であることがより好ましい。
【0041】
組成式(MaM’b)(Cxyz)のx、y、zの値は、x+y+z=1、0.5≦x≦0.995、0.005≦y≦0.30、0≦z≦0.20を満たすことが好ましい。xは炭素の含有比率を規定し、xが0.995よりも大きくなると、著しく粒子が脱粒してしまう。また、xが0.5未満である場合には、薄膜磁気ヘッドと磁気記録媒体とのトライボロジー特性が劣化する。炭素の含有比率xは、0.7≦x≦0.9を満たしていることがより好ましい。
【0042】
酸素の含有比率yは、正確に制御される必要である。yが0.3を超えると、切断抵抗が高くなりすぎてしまう。また、yが0.005より小さい場合、結合促進効果が十分ではなく、低温焼結性が悪くなる。その結果、平均結晶粒径が大きくなってしまう。切断抵抗を小さくし、平均結晶粒径を小さくするためには、yは0.02≦y≦0.12を満たすことがより好ましい。
【0043】
窒素の含有比率zは、粒成長を抑制するのために重要な要素である。zが0.2よりも大きいと、窒素が切断用のダイアモンド砥石と反応して切断抵抗を著しく大きくしてしまう。
【0044】
Al23と組成式(MaM’b)(Cxyz)で示される第2相との混合比率は磁気記録媒体とのトライボロジー特性に関係する。24〜75mol%のAl23に対して、第2相が残部(76〜25mol%)を占めることが好ましい。Al23が75mol%を超えると、Al23の結晶粒子成長を抑制する効果が少なく、Al23粒子が粗大化する可能性があるため好ましくない。また、Al23が23mol%未満である場合には、緻密な焼結体を得ることが困難となり、塵埃をトラップするポアが焼結体中に増えてしまうので好ましくない。Al23の結晶粒子成長を抑え、より緻密な焼結体を得るためには、40〜60mol%のAl23に対して、第2相が残部(60〜40mol%)を占めることがより好ましい。
【0045】
第2の条件では、第2相は、組成式(M’’cM’’’d)(Cxyz)で表される化合物からなる。第2の条件を満たしていても第2相の硬度をAl23と同程度以下に低下させることができる。第2の条件では、M’’は、Nb、CrおよびMoのなかから選ばれる少なくとも一種の元素であり、M’’’は、V、ZrおよびHfのなかから選ばれる少なくとも一種の元素である。また、上記組成式の組成比は、c+d=1、d≦0.8、x+y+z=1、0.6≦x≦0.8、0.2≦y≦0.3、0≦z≦0.10を満たす。
【0046】
第2の条件では、C、OおよびNの組成比を最適に選択することによって、M’’’として選ばれる金属の含有量が多くても、第2相のビッカース硬度HvをAl23の値の±5%以内の範囲にすることができる。
【0047】
炭素の含有比率xが0.8を超えると、第2相のビッカース硬度HvがAl23の値より5%以上大きくなってしまうので好ましくない。一方、xが0.5未満である場合には、第1の条件と同様、トライボロジー特性が劣化する。炭素の含有比率xは、0.6≦x≦0.7を満たしていることがより好ましい。
【0048】
また、酸素の含有比率yが0.3を超えると、切断抵抗が高くなりすぎてしまう。一方、yが0.2より小さい場合、第2相のビッカース硬度HvがAl23の値より5%以上大きくなってしまうので好ましくない。より好ましいyの範囲は、0.23≦y≦0.26である。
【0049】
窒素の含有比率zが、0.1より大きくなると、第2相のビッカース硬度HvがAl23の値より5%以上大きくなってしまうので好ましくない。窒素の含有比率zは、0≦z≦0.05を満たしていることがより好ましい。
【0050】
Al23と組成式(M’’cM’’’d)(Cxyz)で表される第2相との混合比率の好ましい値は第1の条件と同じである。つまり、24〜75mol%のAl23に対して、第2相が残部(76〜25mol%)を占めることが好ましく、40〜60mol%のAl23に対して、第2相が残部(60〜40mol%)を占めることがより好ましい。
【0051】
上述の第1の条件または第2の条件による組成を備えた薄膜磁気ヘッド用セラミックス基板材料に添加剤を加え、平均結晶粒径を調節し、また、焼結性を改善してもよい。具体的には、第1相および第2相によって構成材料の100%を占める薄膜磁気ヘッド用セラミックス基板材料に対して、Mg、Ca、Zr、およびCrの酸化物からなる第1の添加剤のグループから選ばれる少なくとも一種を0〜2.0mol%を添加し、希土類元素の酸化物からなる第2の添加剤を0〜2.0mol%添加してもよい。ここで、第2の添加剤はCe、Y、Eu、Dy、Yb等である。また、第1の添加剤および第2の添加剤の合計は0〜3.0mol%であることが好ましい。さらに、第1の添加剤を0.01〜1.0mol%添加し、第2の添加剤を0.03〜0.8mol%添加することがより好ましく、第1の添加剤および第2の添加剤の合計は、0.01〜1.03mol%であることがより好ましい。
【0052】
第1の添加剤は第1相であるAl23の粒成長を抑制する効果を有する。しかし、添加量が2mol%を超えると、ドライエッチング特性が著しく悪化するため好ましくない。第2の添加剤は、焼結を促進させる焼結助材として働き、添加量が少なくても効果がある。第2の添加剤の添加量が2mol%を超えると、第1の添加剤と同様、ドライエッチング特性が著しく悪化する。第1の添加剤を0.01〜1.0mol%添加し、第2の添加剤を0.03〜0.8mol%添加することにより、それぞれの添加効果が顕著に現れる。
【0053】
また、第2相においてNb、Cr、V、MoおよびWの炭酸窒化物中、酸素の量が多い(x>0.2)場合には、第1および第2の添加剤を添加しなくても焼結させることができる。
【0054】
第1の添加剤および第2の添加剤は、出発原料として酸化物の形で薄膜磁気ヘッド用セラミックス基板材料に混合することが好ましい。しかし、第1の添加剤および第2の添加剤を水酸化物、炭酸塩、有機塩もしくは無機塩の形で材料に混合し、焼結用原料粉末の製造工程あるいは焼結工程中に酸化物となる成分であれば、上記効果を奏する。第1の添加剤および第2の添加剤は、薄膜磁気ヘッド用セラミックス基板材料では、それぞれ単独の酸化物、それらの複合酸化物、または、第1相との複合酸化物として存在している。
【0055】
次に第1の条件および第2の条件を備えた薄膜磁気ヘッド用セラミックス基板材料のイオンエッチング速度について説明する。
【0056】
従来のAlTiCセラミックスの場合、Al23のイオンビームエッチング速度は12.5nm/分であり、TiCのイオンビームエッチング速度は9nm/分であった。Al23のイオンビームエッチング速度が、TiCのイオンビームエッチング速度よりも約38%も大きいため、AlTiCセラミックスの表面をイオンビームエッチングによって均一にエッチングしようとしても、Al23粒子が速く削れてしまう。その結果、従来のAlTiCセラミックスをイオンビームによってエッチングした場合、その表面の面粗さは悪かった。
【0057】
本発明の薄膜磁気ヘッド用セラミックス基板材料では、第2相を構成する粒子が、Al23のイオンビームエッチング速度と同程度のイオンビームエッチング速度を備えるように第2相の材料を選択する。イオンビームエッチング速度が比較的速く、Al23のイオンビームエッチング速度に近いものとしては、W、Nb、Mo、Crの炭酸窒化物が上げられる。したがって、これらの金属の炭酸窒化物を主成分とし、その成分に固溶する他の物質を用いてエッチング速度を調整することによって、第2相のイオンビームエッチング速度を第1相であるAl23のイオンビームエッチング速度とほぼ同じ値にすることできる。これによって、薄膜磁気ヘッド用セラミックス基板材料において、粒子によるイオンエッチング速度差がなく、材料全体が均一にエッチングされ、表面の面粗さを小さくすることができる。第1相と第2相とのイオンビームエッチング速度の差は40%程度であれば、現在用いられるハードディスクドライブ装置に適した薄膜磁気ヘッド用セラミックス基板材料が得られる。しかし、高密度のハードディスクドライブ装置に適した薄膜磁気ヘッド用セラミックス基板材料としては、第1相と第2相とのイオンビームエッチング速度の差は20%以内が好ましく、10%以内であることがより好ましい。通常、ヘッドを製造する場合の最大エッチング深さは、0.1〜0.8μmである。
【0058】
焼結した薄膜磁気ヘッド用セラミックス基板材料の平均粒径は0.3〜1.5μmの範囲であることが好ましい。平均粒径は小さいほうが基板表面の面粗さを小さくできるので好ましいが、平均粒径が0.3μmより小さくなると、薄膜磁気ヘッドと磁気記録媒体とが接触したときに、薄膜磁気ヘッド用セラミックス基板から粒子が脱落して、ヘッドクラッシュしてしまう可能性がある。また、平均粒径が1.5μmを超えると、薄膜磁気ヘッド用セラミックス基板を切断加工する際、チッピングが大きくなってしまう。平均粒径は、0.3〜1.0μmの範囲にあることがより好ましい。
【0059】
(実験例)
表1に示す割合で第1相、第2相および添加剤を含む試料番号1〜15の実施例および試料番号16〜23の比較例を作製した。試料の製造手順は以下のとおりである。
【0060】
【表1】
Figure 0003933523
【0061】
まず、第1相として純度が99.95%以上であり、平均粒子径が0.6μm、最大粒子径が3.0μm以下のα−Al23粉末を用意した。
また、表1に示す比率で第2相の構成元素を含むように、炭化物、酸化物および窒化物粉末を混合し、真空、不活性または非酸化性雰囲気下で混合物を500〜1500℃で熱処理をした。その後、合成粉をボールミル等によって平均結晶粒子径が1.5μm以下で最大粒子径が3μm以下となるように粉砕し第2相を調整した。
【0062】
添加剤には、純度が99%以上である平均結晶粒子径が1.5μm以下の粉末を使用した。
【0063】
第1相および第2相は熱処理前に混合してもよい。
【0064】
これらの調整原料を、表1に示す割合で混合した。混合した調整原料を不純物の混入がないように手段を講じたボールミル機や強力な粉砕機を用いて平均粒子径が1.0μm以下であり、最大粒子径が2μm以下になるように湿式粉砕し、粉砕メディアの欠片が混入しないように、5μmのフィルタを通した。なお、湿式粉砕では、第1相よりも第2相の粉砕速度が速いため、第2相が微紛化し、混合物はスラリー状になる。その後、得られたスラリーをスラリー噴霧造粒機などを用いて成分の分離が発生しないよう短時間で乾燥、整粒し、焼結用原料粉末を得た。
【0065】
得られた焼結用混合粉を、所定の寸法を有する金型でプレス成形し、板状の圧粉体を作製した。これを表2に示す非酸化性雰囲気の条件において、熱間プレス(HP)あるいは熱間静水圧プレス(HIP)によって焼結し、試料番号1〜24の焼結体を得た。焼結体はいずれも相対密度99%以上であり、添加剤であるMg等の金属元素および希土類元素が過剰に偏在することによる偏析もなく、良好な焼結体が得られた。
【0066】
【表2】
Figure 0003933523
【0067】
得られた焼結体の第2相の硬度は、マイクロインデンテーション装置(Hysitron社製)によって求めた。この装置は、焼結体中の1個の粒子の硬度を測定できるが、ビッカース法により求めた硬度Hvとは異なる値となる。このため、マイクロインデンテーションにより求めた硬度Hをビッカース硬度Hvに換算した。まず、ホットプレスによるAl23、通常の方法により焼結させたAl23、Al23膜およびSiC膜の硬度をマイクロインデンテーション法およびビッカース法により求めた。図1に示すように、マイクロインデンテーションにより求めた硬度Hとビッカース硬度Hvとは比例している。測定結果から、相関式はHv(Kgf/mm2)=70.657×H(GPa)となる。この相関式を用いて、試料1〜24中の第2相のビッカース硬度Hvを求めた。
【0068】
また、第2相のイオンビームエッチングのエッチング速度は、加速電圧500V、電流密度0.65mA/cm2およびArガス圧0.013Paの条件にて、1μmエッチングを行い、その際のエッチング深さを触針式段差計によって計測した。第1相であるAl23のエッチング速度を12.5nm/分として、第1相とのエッチング速度比も求めた。表3に測定結果を示す。
【0069】
【表3】
Figure 0003933523
【0070】
表2に示すように、試料番号1、3、8〜10、13および14の実施例において、第2相のビッカース硬度Hvはいずれも2000以下の値になっており、第1相であるAl23のビッカース硬度Hv(2000〜2100)よりも小さくなっている。このように、組成を調整することによって第2相のビッカース硬度Hvを自由に調整できる。例えば試料番号3、8および15の実施例のように、第2相のビッカース硬度Hvを第1相であるAl23のビッカース硬度Hvとほぼ同じにすることもできる。また、第2相のエッチング速度もおおよそAl23のエッチング速度の±20%以内になっている。特に、MあるいはM’’として、Nb、Cr、WおよびMoを選択した場合には、第2相のエッチング速度はAl23のエッチング速度の±10%以内になっている。
【0071】
一方、試料番号16の比較例では第2相の配合比率が多すぎるため、ポアが多く生じている。試料番号17の比較例では、逆に第2相の配合比率が少なすぎるため、第1相であるAl23粒子が粗大化してしまっている。
【0072】
試料番号18および21の比較例ではM’であるTiの添加量bが0.2を超えているため、ビッカース硬度Hvが2300になってしまっている。また、試料番号19および20の比較例では、それぞれ、OおよびNの添加量yおよびzが多すぎるため、切断抵抗が大きくなりすぎている。
【0073】
試料番号22の比較例では、添加剤の添加量が多すぎるため、イオンビームエッチングのエッチング速度が著しく小さくなってしまい、エッチング特性が悪くなっている。また、試料番号23の比較例では、Cの添加量xが多すぎるため、ビッカース硬度Hvが2350になってしまっている。
【0074】
このように、本発明によれば、薄膜磁気ヘッド用セラミックス基板材料において第2相の硬度を第1相であるAl23と同程度にすることができる。また、第2相のイオンビームエッチング速度を第1相と同程度にすることができる。したがって、本発明による薄膜磁気ヘッド用セラミックス基板材料は、第1相および第2相を含む複合セラミックスであるにもかかわらず、単一組織のセラミックスであるかのように均一に物理的な研磨およびイオンビームエッチングを行うことができる。その結果、本発明による薄膜磁気ヘッド用セラミックス基板材料を非常に滑らかな表面加工が求められる記録密度の高いハードディスクドライブ装置の薄膜磁気ヘッド用セラミックス基板に好適に用いることができる。
【0075】
また、本発明の薄膜磁気ヘッド用セラミックス基板材料は、電気抵抗が小さく、適当な熱膨張率および熱伝導率を備えていることを確認した。これは、本発明による基板材料の第1相はAlTiCと同じAl23であり、加えて第2相がAlTiCに含まれるTiCと同様の導電性を示し、かつ熱膨張係数および熱伝導率もTiCと大きく異ならないからである。
【0076】
本発明の効果を確認するために、試料番号3に示す組成を備えた薄膜磁気ヘッド用セラミックス基板材料を用いて基板を作製し、薄膜磁気ヘッドスライダーを作製した。図2に示すように、試料番号3に示す組成の薄膜磁気ヘッド用セラミックス基板12上にAl23膜13を形成し、書き込み素子14、コイル15および読み出し素子16を形成した後、書き込み素子14、コイル15および読み出し素子16を覆うようにAl23膜13’を形成した。基板12をポリッシングにより平坦化したあと、イオンビームドライエッチングによりABSを形成し、ジンバル10に取り付けて、薄膜磁気ヘッドスライダー11を完成させた。基板12をポリッシングにより平坦化したあとの薄膜磁気ヘッドスライダー11の面11aにおいて、基板12の表面粗さは1.0nm(Ra)であった。また、従来の基板に含まれていたTiCほど硬い粒子が存在しないため、面11aにおいて、PTRによって生じる段差は従来よりも小さくすることが出来た。これは、基板12において第1相と第2相との硬度の差を小さくできたことおよび、基板12全体として硬度を小さくすることができたため、基板12と書き込み素子14、あるいは読み出し素子16を構成する金属との硬度差を従来より小さくできたからである。
【0077】
更に、ABSを形成するためのイオンビームエッチングの際、基板12における第2相のイオンビームエッチング速度は第1相のイオンビームエッチングの速度とほぼ等しい。また、Al23膜13および13’のイオンビームエッチング速度も基板12の第1相に等しい。つまり、基板12とAl23膜13および13’とはひとつの化学種として扱える。このため、ABS面を形成するにあたって、面11aにおけるイオンビームエッチング速度の異なる化学種は、素子14および15を構成する金属と基板12等の2つとなり、エッチングの条件を適切に制御することによって、2つの化学種のエッチング量を調節することができた。
【0078】
このようにして作製された磁気ヘッドスライダーを用い、公知の技術によってハードディスドライブ装置を作製することができる。これによって、記録密度の高いハードディスクドライブ装置を実現することができる。
【0079】
【発明の効果】
本発明によれば、第1相および第2相を含む薄膜磁気ヘッド用セラミックス基板材料において、第2相の硬度をAl23からなる第1相の硬度と同程度にすることが出来る。また、第2相のイオンビームエッチング速度をAl23からなる第1相のイオンビームエッチング速度と同程度にすることが出来る。したがって、第1相および第2相を含む複合セラミックスであるにもかかわらず、単一のセラミックスであるかのように均一に物理的な研磨およびイオンビームエッチングを行うことができる。また、本発明による薄膜磁気ヘッド用セラミックス基板材料を非常に滑らかな表面加工が求められる記録密度の高いハードディスクドライブ装置の薄膜磁気ヘッド用セラミックス基板に好適に用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】マイクロインデンテーション法による硬度(H)とビッカース法による硬度(Hv)との相関を示すグラフである。
【図2】本発明による薄膜磁気ヘッド用セラミックス基板材料を用いた磁気ヘッド11スライダーの構造を示す図である。
【図3】(a)および(b)は、従来の磁気ヘッドの製造工程を説明する模式図である。
【符号の説明】
11 薄膜磁気ヘッドスライダー
12 基板
13、13’、22、24 Al23膜13
14 書き込み素子
15 読み出し素子
21 AlTiC基板
23 素子

Claims (11)

  1. 24〜75mol%の第1相および残部の第2相を含む薄膜磁気ヘッド用セラミックス基板材料であって、
    前記第1相はAl23からなり、
    前記第2相は、組成式(MaM’b)(Cxyz)(Mは、Nb、Cr、Mo、WおよびVのなかから選ばれる少なくとも一種の元素、M’は、ZrおよびHfのなかから選ばれる少なくとも一種の元素、a+b=1、0<b≦0.2、x+y+z=1、0.5≦x≦0.995、0.005≦y≦0.30、0≦z≦0.20)で表される化合物からなる薄膜磁気ヘッド用セラミックス基板材料。
  2. 24〜75mol%の第1相および残部の第2相を含む薄膜磁気ヘッド用セラミックス基板材料であって、
    前記第1相はAl23からなり、
    前記第2相は、組成式(M’’cM’’’d)(Cxyz)(M’’は、Nb、CrおよびMoのなかから選ばれる少なくとも一種の元素、M’’’は、V、ZrおよびHfのなかから選ばれる少なくとも一種の元素、c+d=1、d≦0.8、x+y+z=1、0.5≦x≦0.8、0.2≦y≦0.30、0≦z≦0.10)で表される第2相となる化合物からなる薄膜磁気ヘッド用セラミックス基板材料。
  3. 前記第2相を構成する粒子のビッカース硬度は、前記第1相を構成する粒子のビッカース硬度の±5%の範囲にある請求項1または2に記載の薄膜磁気ヘッド用セラミックス基板材料。
  4. 前記第2相を構成する粒子のイオンビームエッチング速度は、前記第1相を構成する粒子のイオンビームエッチング速度の±20%の範囲にある請求項1から3のいずれかに記載の薄膜磁気ヘッド用セラミックス基板材料。
  5. 前記は、Nb、Cr、MoおよびWのなかから選ばれる少なくとも一種の元素である請求項1に記載の薄膜磁気ヘッド用セラミックス基板材料。
  6. 前記第1相および前記第2相の合計に対して、0〜2.0mol%の第1の添加剤となるMg、Ca、ZrおよびCrの酸化物のなかから選ばれる少なくとも一種と、
    前記第1相および前記第2相の合計に対して、0〜2.0mol%の第2の添加剤となる希土類元素の酸化物から選ばれる少なくとも一種と、
    を更に含み、前記第1の添加剤および前記第2の添加剤の合計は、前記第1相および前記第2相の合計に対して、0〜3.0mol%の範囲である請求項1から5のいずれかに記載の薄膜磁気ヘッド用セラミックス基板材料。
  7. 前記第1の添加剤および前記第2の添加剤は、それぞれ単独の酸化物、それらの複合酸化物、または、前記第1相との複合酸化物として存在している請求項6に記載の薄膜磁気ヘッド用セラミックス基板材料。
  8. 前記薄膜磁気ヘッド用セラミックス基板材料の平均結晶粒径は0.3〜1.5μmである請求項1から7のいずれかに記載の薄膜磁気ヘッド用セラミックス基板材料。
  9. 請求項1からのいずれかに記載の薄膜磁気ヘッド用セラミックス基板材料からなる基板。
  10. 請求項1からのいずれかに記載の薄膜磁気ヘッド用セラミックス基板材料からなる基板と、前記基板に保持された書き込み素子および読み出し素子とを備えた薄膜磁気ヘッドスライダー。
  11. 請求項10に記載の薄膜磁気ヘッドスライダーを備えたハードディスクドライブ装置。
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