JP2003342058A - 薄膜磁気ヘッド用セラミックス基板材料 - Google Patents

薄膜磁気ヘッド用セラミックス基板材料

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泰典 廣岡
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 第2相を構成する粒子の硬度およびイオンビ
ームエッチング速度と第1相を構成する粒子の硬度およ
びイオンビームエッチング速度とをほぼ同じにすること
によって、優れた加工性を備える薄膜磁気ヘッド用セラ
ミックス基板材料を提供する。 【解決手段】 本発明の薄膜磁気ヘッド用セラミックス
基板材料は、24〜75mol%の第1相および残部の
第2相を含む。前記第1相はAl23からなる。前記第
2相は、組成式(MaM’b)(Cxyz)(Mは、N
b、Cr、Mo、W、VおよびTaのなかから選ばれる
少なくとも一種の元素、M’は、Ti、ZrおよびHf
のなかから選ばれる少なくとも一種の元素、a+b=
1、b≦0.2、x+y+z=1、0.5≦x≦0.9
95、0.005≦y≦0.30、0≦z≦0.20)
で表される化合物からなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ハードディスクド
ライブ装置の薄膜磁気ヘッドスライダーに用いられる薄
膜磁気ヘッド用セラミックス基板材料に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、通信・情報技術分野の発展に伴っ
て、コンピュータで扱える情報量が飛躍的に増大してき
ている。特に、従来ではアナログ信号としてのみ扱うこ
とが可能であった音声や音楽、画像などの情報もデジタ
ル信号に変換してパーソナルコンピュータで処理できる
ようになってきている。このような音楽や画像などのマ
ルチメディアデータは、多くの情報を含むため、パーソ
ナルコンピュータなどに用いられる情報記録装置の容量
を大きくすることが求められている。
【0003】ハードディスクドライブ装置は、パーソナ
ルコンピュータなどに従来より用いられている典型的な
情報記録装置である。上述した要求に応えるため、ハー
ドディスクドライブの容量をより大きくし、また、装置
を小型化することが求められている。
【0004】このようなハードディスクドライブ装置の
薄膜磁気ヘッド用セラミックス基板の材料として、Al
23−TiC系のセラミックス焼結体(以下、AlTi
Cと略す)が知られている。AlTiCは、Al23
第1相とし、TiCを第2相として含んでおり、電気伝
導性に優れ、精密加工にも適している。このため、従来
のハードディスクドライブ装置の薄膜磁気ヘッドにはほ
とんどすべてAlTiCが用いられている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上述したようにハード
ディスクドライブ装置を小型化する要求が高まるにつれ
て、薄膜磁気ヘッド用セラミックス基板を従来よりも高
精度に加工する必要が生じている。しかしながら、Al
TiCはAl23セラミックスとTiCセラミックスの
混合体であるため、2つのセラミックスの性質の違いに
より、種々の問題が生じる。
【0006】具体的には、AlTiCにおいて、TiC
粒子のビッカース硬度Hvは2400以上であるのに対
して、Al23粒子のビッカース硬度Hvは2000で
あり、2つの粒子の硬度差は大きい。このため、AlT
iC基板を研磨すると、Al 23粒子のほうがTiC粒
子よりも多く研磨されてしまい、AlTiC基板の表面
において、TiC粒子とAl23粒子との間に段差が生
じる。この段差は平均面粗さで5nm以下であり、従来
のハードディスクドライブ装置に用いられる薄膜磁気ヘ
ッド用セラミックス基板では、問題とならない値であっ
た。
【0007】しかし、ハードディスクドライブ装置の小
型化にともなって、薄膜磁気ヘッドがディスクから浮上
する高さも小さくなり、薄膜磁気ヘッドのスライダーの
エアーベアリングサーフェイス(ABS)の面粗さも、
さらに高品位のものが要求されるようになってきてい
る。特に3.5インチのハードディスクドライブ装置に
おいてガラス基板が磁気記録媒体のディスクに採用され
るようになり、ディスクの回転数も10000回転/分
を超えるようになってきた。このため、AlTiC基板
の平均面粗さをさらに小さくする必要が生じている。
【0008】また、図3(a)に示すように、薄膜磁気
ヘッド20は、AlTiC基板21、Al23膜22、
読み出しあるいは書き込み素子23、およびAl23
24を積層して形成される。薄膜磁気ヘッド20を作製
する際、ABS面となる面25は、まず研磨によって平
坦になるよう仕上げられる。面25には、AlTiC基
板21とAl23膜22、24と素子23とが露出して
いるため、面25を研磨する際に、これらの要素におい
て硬度の違いが問題となる。具体的には、AlTiC基
板11のAl23およびTiCのビッカース硬度Hvは
それぞれ2000および2400であり、Al23膜お
よび素子23(金属)のビッカース硬度Hvは700〜
900および100〜300である。
【0009】このため、面25においてもっとも広い面
積を占め、ABS面の主要な構成となるAlTiC基板
11(特にTiC)の研磨量が最適となるように面25
を研磨すると、TiCより硬度の小さいAl23膜2
2、24および素子23が研磨されすぎてしまう。その
結果、図3(b)に示すように、平坦であるべき面25
において、Al23膜22および24の部分は、AlT
iC基板21の部分に比べて一段低くなり、素子23の
部分はそれよりさらに低くなってしまう。一般に、この
段差はポールチップリセッション(以下、「PTR」と
略す)と呼ばれる。このPTRの発生によって、磁気ヘ
ッドと磁気記録媒体との間の余分な空隙が形成されてし
まい、ハードディスクドライブの小型化の妨げとなる。
この際、AlTiC基板11中のAl23もTiCより
多く研磨されるため、AlTiC基板11の表面の粗さ
も上述した程度の値となる。
【0010】また、研磨を行った後、薄膜磁気ヘッド2
0の面25には、ABSの形状に加工するためのイオン
ビームエッチング等のドライエッチングが施される。ド
ライエッチングにおいては、化学種の違いによってエッ
チング速度が異なるため、面25には、Al23、Ti
C、および素子23を構成する金属という3つの異なる
化学種が存在する。AlTiC基板21およびAl23
膜22、24のAl23は、イオンビームエッチングに
おいては同じエッチング速度を有する。
【0011】一般に、ドライエッチングにおいて、エッ
チング速度の異なる2つの化学種のエッチング量は、エ
ッチング条件を適切に選択、調整することによって制御
することが可能である。しかし、エッチング速度の異な
る3つの化学種のエッチング量を制御することは、現在
考えられる通常の方法では非常に困難である。したがっ
て、面25をイオンビームによりエッチングする場合に
も、化学種の違いによるエッチング量の違いが必然的に
生じてしまう。例えば、AlTiC基板21のAl23
粒子およびTiC粒子のエッチング量を等しくしようと
エッチング条件を調節した場合、素子23のエッチング
量を適切な値にすることは困難である。また、Al23
粒子および素子23のエッチング量を等しくしようとエ
ッチング条件を調節した場合、TiC粒子のエッチング
量を適切な値にすることは困難である。
【0012】この問題を解決する1つの方法として、薄
膜磁気ヘッド20の基板の材料を、AlTiCのような
複合材料から単相材料へ変更することが考えられる。例
えば、ZrO2、SiCといったセラミックス材料やC
VD−SiC、サファイア、Si単結晶を薄膜磁気ヘッ
ド20用の基板として用いることが検討されている。
【0013】しかし、単結晶材料は劈開性を有している
ため、精密な加工が要求される薄膜磁気ヘッドには適し
ていない。また、他のセラミックス材料は、単相材料で
あることによるエッチングの均一性を備えるものの、薄
膜磁気ヘッドとして必要な他の物性条件を満たさない。
例えば、ZrO2は、単相材料であるため、均一なエッ
チングが得られ、硬度も小さいという点で薄膜磁気ヘッ
ド用セラミックス基板の材料としてAlTiCよりも優
れている。しかし、熱伝導率が非常に悪く、ヘッドの磁
気特性に悪影響を与えるほどであり、また、電気抵抗も
高すぎる。特に、電気抵抗が小さく、適当な熱膨張率お
よび熱伝導率を備えた安価な単相セラミックス材料は知
られていない。
【0014】本発明は、上記課題の少なくとも1つを解
決するためになされたものであって、その目的とすると
ころは、薄膜磁気ヘッド用セラミックス基板に適した加
工性を備える薄膜磁気ヘッド用セラミックス基板材料を
提供する。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明の薄膜磁気ヘッド
用セラミックス基板材料は、24〜75mol%の第1
相および残部の第2相を含む。前記第1相はAl23
らなる。前記第2相は、組成式(MaM’b)(Cxy
z)(Mは、Nb、Cr、Mo、W、VおよびTaのな
かから選ばれる少なくとも一種の元素、M’は、Ti、
ZrおよびHfのなかから選ばれる少なくとも一種の元
素、a+b=1、b≦0.2、x+y+z=1、0.5
≦x≦0.995、0.005≦y≦0.30、0≦z
≦0.20)で表される化合物からなる。
【0016】また、本発明の他の薄膜磁気ヘッド用セラ
ミックス基板材料は、24〜75mol%の第1相およ
び残部の第2相を含む。前記第1相はAl23からな
る。前記第2相は、組成式(M’’cM’’’d)(Cx
yz)(M’’は、Nb、Cr、MoおよびWのなか
から選ばれる少なくとも一種の元素、M’’’は、V、
Ta、Ti、ZrおよびHfのなかから選ばれる少なく
とも一種の元素、c+d=1、d≦0.8、x+y+z
=1、0.5≦x≦0.8、0.2≦y≦0.30、0
≦z≦0.10)で表される化合物からなる。
【0017】ある好ましい実施形態において、前記第2
相を構成する粒子のビッカース硬度は、前記第1相を構
成する粒子のビッカース硬度の±5%の範囲にある。
【0018】ある好ましい実施形態において、前記第2
相を構成する粒子のイオンビームエッチング速度は、前
記第1相を構成する粒子のイオンビームエッチング速度
の±20%の範囲にある。
【0019】ある好ましい実施形態において、前記M’
は、Nb、Cr、MoおよびWのなかから選ばれる少な
くとも一種の元素である。
【0020】ある好ましい実施形態において、薄膜磁気
ヘッド用セラミックス基板材料は、前記第1相および前
記第2相の合計に対して、0〜2.0mol%の第1の
添加剤となるMg、Ca、ZrおよびCrの酸化物のな
かから選ばれる少なくとも一種と、前記第1相および前
記第2相の合計に対して、0〜2.0mol%の第2の
添加剤となる希土類元素の酸化物から選ばれる少なくと
も一種とを更に含み、前記第1の添加剤および前記第2
の添加剤の合計は、前記第1相および前記第2相の合計
に対して、0〜3.0mol%の範囲である。
【0021】ある好ましい実施形態において、前記第1
の添加剤および前記第2の添加剤は、それぞれ単独の酸
化物、それらの複合酸化物、または、前記第1相との複
合酸化物として存在している。
【0022】ある好ましい実施形態において、前記薄膜
磁気ヘッド用セラミックス基板材料の平均結晶粒径は
0.3〜1.5μmである。
【0023】また、本発明の他の薄膜磁気ヘッド用セラ
ミックス基板材料は、24〜75mol%の第1相とな
るAl23と、残部が第2相とからなる薄膜磁気ヘッド
用セラミックス基板材料であって、前記第2相を構成す
る粒子のビッカース硬度は、前記第1相を構成する粒子
のビッカース硬度の±5%の範囲にあり、前記第2相を
構成する粒子のイオンビームエッチング速度は、前記第
1相を構成する粒子のイオンビームエッチング速度の±
20%の範囲にある。
【0024】本発明の薄膜磁気ヘッド用セラミックス基
板は、上記いずれかの薄膜磁気ヘッド用セラミックス基
板材料からなる。
【0025】本発明の薄膜磁気ヘッドスライダーは、上
記いずれかの薄膜磁気ヘッド用セラミックス基板材料か
らなる基板と、前記基板に保持された書き込み素子およ
び読み出し素子とを備える。
【0026】本発明のハードディスクドライブ装置は、
上記薄膜磁気ヘッドスライダーを備える。
【0027】
【発明の実施の形態】本願発明者は、AlTiCセラミ
ックスの第2相であるTiCの炭酸窒化物を他の材料に
置き換えるか、あるいは、TiCに他の材料を固溶させ
ることによって、第2相の硬度をAl23と同程度以下
に低下させることができることを見出した。これによっ
て、Al23と第2相とからなるセラミックス全体にお
いて、硬度を均一にすると共に、全体の硬度を低下させ
て、薄膜磁気ヘッドのAl23膜と読み出しまたは書き
込み素子を構成する金属との硬度差も小さくすることが
できる。好ましくは、第2相の粒子のビッカース硬度
は、Al23粒子のビッカース硬度の±5%の範囲内に
ある。
【0028】また、同様にして、第2相およびAl23
のイオンエッチングにおけるエッチング速度をおおよそ
等しくできることを見出した。これによって、Al23
と第2相とからなる混合セラミックスであるにもかかわ
らず、ドライエッチングに対しては1つの化学種からな
るセラミックスのように、全体を均一にエッチングする
ことができるようになる。好ましくは、第2相の粒子の
エッチング速度は、Al23粒子のエッチング速度の±
20%の範囲内にある。
【0029】上述のセラミックス粒子のビッカース硬度
は、物理的な性質に関連しているのに対して、セラミッ
クス粒子のイオンエッチング速度は化学的な性質に関連
している。一般に、物質の物理的な性質と化学的な性質
との間に直接的な関連はないことが多いが、本願発明者
は、これら2つの性質を同時に満たすことのできる組成
範囲が第2相に存在することを見出した。
【0030】したがって、Al23粒子と上述の2つの
性質を備える第2相とを含むセラミックスからなる薄膜
磁気ヘッド用セラミックス基板は、より精密な加工に適
しており、小型で高い記録密度を有するハードディスク
ドライブ装置を実現することができる。
【0031】従来より、AlTiC基板において、Ti
Cの炭酸窒化物の一部を他の材料に置き換えることは知
られていた。しかし、従来技術は、Tiの等価で置換可
能な他の元素として、種々の元素が用いられているに過
ぎず、構成粒子の硬度を制御する目的や構成粒子のイオ
ンエッチング速度を制御する目的でTiを他の元素に置
き換えることはなされていなかった。
【0032】なお、本願明細書において、複合セラミッ
クスを構成している2つ以上の相のそれぞれの粒子の硬
度に言及しているが、これらの粒子の硬度は、通常のビ
ッカース、ヌープ、ブリネルなどの硬度を測定する方法
では測定できない。これらの方法は、1個の粒子の硬度
ではなく、数百〜数万個の粒子からなる集合の平均的な
硬度の値を求めるものである。本発明では、粒子1個の
硬度を求めるために、マイクロインデンテーション法を
用いた。そして、マイクロインデンテーション法による
硬度Hをビッカース硬度Hvに換算している。マイクロ
インデンテーション法による計測方法や、ビッカース硬
度への換算については、後述する実験例において説明す
る。
【0033】以下、本発明による薄膜磁気ヘッド用セラ
ミックス基板材料を詳細に説明する。本発明の薄膜磁気
ヘッド用セラミックス基板材料は第1相と第2相とを含
み、第2相を構成する化合物の組成には2つの条件が存
在する。
【0034】第1の条件では、本発明の薄膜磁気ヘッド
用セラミックス基板材料は、第1相である24〜75m
ol%のAl23と、残部が組成式(MaM’b)(Cx
y z)で表される化合物からなる第2相とを含む。
【0035】ここで、Mは、Nb、Cr、Mo、W、V
およびTaのなかから選ばれる少なくとも一種の元素で
あり、M’は、Ti、ZrおよびHfのなかから選ばれ
る少なくとも一種の元素である。また、上記組成式の組
成比は、a+b=1、b≦0.2、x+y+z=1、
0.5≦x≦0.995、0.005≦y≦0.30、
0≦z≦0.20を満たす。
【0036】Ti、Zr、V、Hf、Nb、Ta、C
r、WおよびMoの炭酸窒化物のビッカース硬度はそれ
ぞれ、2400、2300、1900、2300、15
50、1400、1750、1350および1700程
度である。このうち、Al23のビッカース硬度(20
00〜2100)より小さいものは、V、Nb、Ta、
Cr、WおよびMoの炭酸窒化物である。これらの元素
からなる集合をグループAと呼ぶ。また、Al23のビ
ッカース硬度より大きいものは、Ti、ZrおよびHf
の炭酸窒化物である。これらの元素からなる集合をグル
ープBと呼ぶ。
【0037】これらの9つの元素の炭酸窒化物は任意の
割合で互いに固溶し合い、ひとつの相をつくる。また、
グループAおよびグループBからそれぞれ選ばれる元素
の炭酸窒化物の固溶体は、混合した炭酸窒化物のそれぞ
れの硬度の平均的な値となる硬度を備え、その値は混合
する金属炭酸窒化物の割合によって変化することを確認
した。例えば、Tiの炭酸窒化物およびNbの炭酸窒化
物の硬度はそれぞれ2400および1550であり、T
iの炭酸窒化物に対してNbの炭酸窒化物の量を増やし
ていくと、2つの炭酸窒化物の固溶体の硬度は小さくな
っていく。
【0038】したがって、グループAおよびグループB
からそれぞれ選ばれる1つまたは複数の元素の炭酸窒化
物を選択し、その混合割合を調節することにより所望の
ビッカース硬度を備えた固溶体を得ることができる。
【0039】本発明では、AlTiCセラミックスの第
2相であるTiCを他の材料に置き換えるか、あるい
は、TiCに他の材料を固溶させることによって、第2
相の硬度をAl23と同程度以下に低下させることにあ
る。
【0040】このためには、M:M’は8:2以上であ
ることが好ましい。つまり、組成式(MaM’b)(Cx
yz)において、a+b=1かつb≦0.2であるこ
とが好ましい。M:M’が8:2未満であれば、アルミ
ナよりも硬度が大きくなってしまうので、好ましくな
い。M:M’の比は大きいほうが好ましく、具体的には
9:1以上、すなわち、a+b=1かつb≦0.1であ
ることがより好ましい。
【0041】組成式(MaM’b)(Cxyz)のx、
y、zの値は、x+y+z=1、0.5≦x≦0.99
5、0.005≦y≦0.30、0≦z≦0.20を満
たすことが好ましい。xは炭素の含有比率を規定し、x
が0.995よりも大きくなると、著しく粒子が脱粒し
てしまう。また、xが0.5未満である場合には、薄膜
磁気ヘッドと磁気記録媒体とのトライボロジー特性が劣
化する。炭素の含有比率xは、0.7≦x≦0.9を満
たしていることがより好ましい。
【0042】酸素の含有比率yは、正確に制御される必
要である。yが0.3を超えると、切断抵抗が高くなり
すぎてしまう。また、yが0.005より小さい場合、
結合促進効果が十分ではなく、低温焼結性が悪くなる。
その結果、平均結晶粒径が大きくなってしまう。切断抵
抗を小さくし、平均結晶粒径を小さくするためには、y
は0.02≦y≦0.12を満たすことがより好まし
い。
【0043】窒素の含有比率zは、粒成長を抑制するの
ために重要な要素である。zが0.2よりも大きいと、
窒素が切断用のダイアモンド砥石と反応して切断抵抗を
著しく大きくしてしまう。
【0044】Al23と組成式(MaM’b)(Cxy
z)で示される第2相との混合比率は磁気記録媒体との
トライボロジー特性に関係する。24〜75mol%の
Al 23に対して、第2相が残部(76〜25mol
%)を占めることが好ましい。Al23が75mol%
を超えると、Al23の結晶粒子成長を抑制する効果が
少なく、Al23粒子が粗大化する可能性があるため好
ましくない。また、Al 23が23mol%未満である
場合には、緻密な焼結体を得ることが困難となり、塵埃
をトラップするポアが焼結体中に増えてしまうので好ま
しくない。Al23の結晶粒子成長を抑え、より緻密な
焼結体を得るためには、40〜60mol%のAl23
に対して、第2相が残部(60〜40mol%)を占め
ることがより好ましい。
【0045】第2の条件では、第2相は、組成式
(M’’cM’’’d)(Cxyz)で表される化合物
からなる。第2の条件を満たしていても第2相の硬度を
Al23と同程度以下に低下させることができる。第2
の条件では、M’’は、Nb、Cr、MoおよびWのな
かから選ばれる少なくとも一種の元素であり、M’’’
は、V、Ta、Ti、ZrおよびHfのなかから選ばれ
る少なくとも一種の元素である。また、上記組成式の組
成比は、c+d=1、d≦0.8、x+y+z=1、
0.6≦x≦0.8、0.2≦y≦0.3、0≦z≦
0.10を満たす。
【0046】第2の条件では、C、OおよびNの組成比
を最適に選択することによって、M’’’として選ばれ
る金属の含有量が多くても、第2相のビッカース硬度H
vをAl23の値の±5%以内の範囲にすることができ
る。
【0047】炭素の含有比率xが0.8を超えると、第
2相のビッカース硬度HvがAl23の値より5%以上
大きくなってしまうので好ましくない。一方、xが0.
5未満である場合には、第1の条件と同様、トライボロ
ジー特性が劣化する。炭素の含有比率xは、0.6≦x
≦0.7を満たしていることがより好ましい。
【0048】また、酸素の含有比率yが0.3を超える
と、切断抵抗が高くなりすぎてしまう。一方、yが0.
2より小さい場合、第2相のビッカース硬度HvがAl
23の値より5%以上大きくなってしまうので好ましく
ない。より好ましいyの範囲は、0.23≦y≦0.2
6である。
【0049】窒素の含有比率zが、0.1より大きくな
ると、第2相のビッカース硬度HvがAl23の値より
5%以上大きくなってしまうので好ましくない。窒素の
含有比率zは、0≦z≦0.05を満たしていることが
より好ましい。
【0050】Al23と組成式(M’’cM’’’d
(Cxyz)で表される第2相との混合比率の好まし
い値は第1の条件と同じである。つまり、24〜75m
ol%のAl23に対して、第2相が残部(76〜25
mol%)を占めることが好ましく、40〜60mol
%のAl23に対して、第2相が残部(60〜40mo
l%)を占めることがより好ましい。
【0051】上述の第1の条件または第2の条件による
組成を備えた薄膜磁気ヘッド用セラミックス基板材料に
添加剤を加え、平均結晶粒径を調節し、また、焼結性を
改善してもよい。具体的には、第1相および第2相によ
って構成材料の100%を占める薄膜磁気ヘッド用セラ
ミックス基板材料に対して、Mg、Ca、Zr、および
Crの酸化物からなる第1の添加剤のグループから選ば
れる少なくとも一種を0〜2.0mol%を添加し、希
土類元素の酸化物からなる第2の添加剤を0〜2.0m
ol%添加してもよい。ここで、第2の添加剤はCe、
Y、Eu、Dy、Yb等である。また、第1の添加剤お
よび第2の添加剤の合計は0〜3.0mol%であるこ
とが好ましい。さらに、第1の添加剤を0.01〜1.
0mol%添加し、第2の添加剤を0.03〜0.8m
ol%添加することがより好ましく、第1の添加剤およ
び第2の添加剤の合計は、0.01〜1.03mol%
であることがより好ましい。
【0052】第1の添加剤は第1相であるAl23の粒
成長を抑制する効果を有する。しかし、添加量が2mo
l%を超えると、ドライエッチング特性が著しく悪化す
るため好ましくない。第2の添加剤は、焼結を促進させ
る焼結助材として働き、添加量が少なくても効果があ
る。第2の添加剤の添加量が2mol%を超えると、第
1の添加剤と同様、ドライエッチング特性が著しく悪化
する。第1の添加剤を0.01〜1.0mol%添加
し、第2の添加剤を0.03〜0.8mol%添加する
ことにより、それぞれの添加効果が顕著に現れる。
【0053】また、第2相においてNb、Cr、V、M
o、WおよびTaの炭酸窒化物中、酸素の量が多い(x
>0.2)場合には、第1および第2の添加剤を添加し
なくても焼結させることができる。
【0054】第1の添加剤および第2の添加剤は、出発
原料として酸化物の形で薄膜磁気ヘッド用セラミックス
基板材料に混合することが好ましい。しかし、第1の添
加剤および第2の添加剤を水酸化物、炭酸塩、有機塩も
しくは無機塩の形で材料に混合し、焼結用原料粉末の製
造工程あるいは焼結工程中に酸化物となる成分であれ
ば、上記効果を奏する。第1の添加剤および第2の添加
剤は、薄膜磁気ヘッド用セラミックス基板材料では、そ
れぞれ単独の酸化物、それらの複合酸化物、または、第
1相との複合酸化物として存在している。
【0055】次に第1の条件および第2の条件を備えた
薄膜磁気ヘッド用セラミックス基板材料のイオンエッチ
ング速度について説明する。
【0056】従来のAlTiCセラミックスの場合、A
23のイオンビームエッチング速度は12.5nm/
分であり、TiCのイオンビームエッチング速度は9n
m/分であった。Al23のイオンビームエッチング速
度が、TiCのイオンビームエッチング速度よりも約3
8%も大きいため、AlTiCセラミックスの表面をイ
オンビームエッチングによって均一にエッチングしよう
としても、Al23粒子が速く削れてしまう。その結
果、従来のAlTiCセラミックスをイオンビームによ
ってエッチングした場合、その表面の面粗さは悪かっ
た。
【0057】本発明の薄膜磁気ヘッド用セラミックス基
板材料では、第2相を構成する粒子が、Al23のイオ
ンビームエッチング速度と同程度のイオンビームエッチ
ング速度を備えるように第2相の材料を選択する。イオ
ンビームエッチング速度が比較的速く、Al23のイオ
ンビームエッチング速度に近いものとしては、W、N
b、Mo、Crの炭酸窒化物が上げられる。したがっ
て、これらの金属の炭酸窒化物を主成分とし、その成分
に固溶する他の物質を用いてエッチング速度を調整する
ことによって、第2相のイオンビームエッチング速度を
第1相であるAl23のイオンビームエッチング速度と
ほぼ同じ値にすることできる。これによって、薄膜磁気
ヘッド用セラミックス基板材料において、粒子によるイ
オンエッチング速度差がなく、材料全体が均一にエッチ
ングされ、表面の面粗さを小さくすることができる。第
1相と第2相とのイオンビームエッチング速度の差は4
0%程度であれば、現在用いられるハードディスクドラ
イブ装置に適した薄膜磁気ヘッド用セラミックス基板材
料が得られる。しかし、高密度のハードディスクドライ
ブ装置に適した薄膜磁気ヘッド用セラミックス基板材料
としては、第1相と第2相とのイオンビームエッチング
速度の差は20%以内が好ましく、10%以内であるこ
とがより好ましい。通常、ヘッドを製造する場合の最大
エッチング深さは、0.1〜0.8μmである。
【0058】焼結した薄膜磁気ヘッド用セラミックス基
板材料の平均粒径は0.3〜1.5μmの範囲であるこ
とが好ましい。平均粒径は小さいほうが基板表面の面粗
さを小さくできるので好ましいが、平均粒径が0.3μ
mより小さくなると、薄膜磁気ヘッドと磁気記録媒体と
が接触したときに、薄膜磁気ヘッド用セラミックス基板
から粒子が脱落して、ヘッドクラッシュしてしまう可能
性がある。また、平均粒径が1.5μmを超えると、薄
膜磁気ヘッド用セラミックス基板を切断加工する際、チ
ッピングが大きくなってしまう。平均粒径は、0.3〜
1.0μmの範囲にあることがより好ましい。
【0059】(実験例)表1に示す割合で第1相、第2
相および添加剤を含む試料番号1〜15の実施例および
試料番号16〜23の比較例を作製した。試料の製造手
順は以下のとおりである。
【0060】
【表1】
【0061】まず、第1相として純度が99.95%以
上であり、平均粒子径が0.6μm、最大粒子径が3.
0μm以下のα−Al23粉末を用意した。また、表1
に示す比率で第2相の構成元素を含むように、炭化物、
酸化物および窒化物粉末を混合し、真空、不活性または
非酸化性雰囲気下で混合物を500〜1500℃で熱処
理をした。その後、合成粉をボールミル等によって平均
結晶粒子径が1.5μm以下で最大粒子径が3μm以下
となるように粉砕し第2相を調整した。
【0062】添加剤には、純度が99%以上である平均
結晶粒子径が1.5μm以下の粉末を使用した。
【0063】第1相および第2相は熱処理前に混合して
もよい。
【0064】これらの調整原料を、表1に示す割合で混
合した。混合した調整原料を不純物の混入がないように
手段を講じたボールミル機や強力な粉砕機を用いて平均
粒子径が1.0μm以下であり、最大粒子径が2μm以
下になるように湿式粉砕し、粉砕メディアの欠片が混入
しないように、5μmのフィルタを通した。なお、湿式
粉砕では、第1相よりも第2相の粉砕速度が速いため、
第2相が微紛化し、混合物はスラリー状になる。その
後、得られたスラリーをスラリー噴霧造粒機などを用い
て成分の分離が発生しないよう短時間で乾燥、整粒し、
焼結用原料粉末を得た。
【0065】得られた焼結用混合粉を、所定の寸法を有
する金型でプレス成形し、板状の圧粉体を作製した。こ
れを表2に示す非酸化性雰囲気の条件において、熱間プ
レス(HP)あるいは熱間静水圧プレス(HIP)によ
って焼結し、試料番号1〜24の焼結体を得た。焼結体
はいずれも相対密度99%以上であり、添加剤であるM
g等の金属元素および希土類元素が過剰に偏在すること
による偏析もなく、良好な焼結体が得られた。
【0066】
【表2】
【0067】得られた焼結体の第2相の硬度は、マイク
ロインデンテーション装置(Hysitron社製)に
よって求めた。この装置は、焼結体中の1個の粒子の硬
度を測定できるが、ビッカース法により求めた硬度Hv
とは異なる値となる。このため、マイクロインデンテー
ションにより求めた硬度Hをビッカース硬度Hvに換算
した。まず、ホットプレスによるAl23、通常の方法
により焼結させたAl 23、Al23膜およびSiC膜
の硬度をマイクロインデンテーション法およびビッカー
ス法により求めた。図1に示すように、マイクロインデ
ンテーションにより求めた硬度Hとビッカース硬度Hv
とは比例している。測定結果から、相関式はHv(Kg
f/mm2)=70.657×H(GPa)となる。こ
の相関式を用いて、試料1〜24中の第2相のビッカー
ス硬度Hvを求めた。
【0068】また、第2相のイオンビームエッチングの
エッチング速度は、加速電圧500V、電流密度0.6
5mA/cm2およびArガス圧0.013Paの条件
にて、1μmエッチングを行い、その際のエッチング深
さを触針式段差計によって計測した。第1相であるAl
23のエッチング速度を12.5nm/分として、第1
相とのエッチング速度比も求めた。表3に測定結果を示
す。
【0069】
【表3】
【0070】表2に示すように、試料番号1〜15の実
施例において、第2相のビッカース硬度Hvはいずれも
2000以下の値になっており、第1相であるAl23
のビッカース硬度Hv(2000〜2100)よりも小
さくなっている。このように、組成を調整することによ
って第2相のビッカース硬度Hvを自由に調整できる。
例えば試料番号3、8および15の実施例のように、第
2相のビッカース硬度Hvを第1相であるAl23のビ
ッカース硬度Hvとほぼ同じにすることもできる。ま
た、第2相のエッチング速度もおおよそAl23のエッ
チング速度の±20%以内になっている。特に、Mある
いはM’’として、Nb、Cr、WおよびMoを選択し
た場合には、第2相のエッチング速度はAl23のエッ
チング速度の±10%以内になっている。
【0071】一方、試料番号16の比較例では第2相の
配合比率が多すぎるため、ポアが多く生じている。試料
番号17の比較例では、逆に第2相の配合比率が少なす
ぎるため、第1相であるAl23粒子が粗大化してしま
っている。
【0072】試料番号18および21の比較例ではM’
であるTiの添加量bが0.2を超えているため、ビッ
カース硬度Hvが2300になってしまっている。ま
た、試料番号19および20の比較例では、それぞれ、
OおよびNの添加量yおよびzが多すぎるため、切断抵
抗が大きくなりすぎている。
【0073】試料番号22の比較例では、添加剤の添加
量が多すぎるため、イオンビームエッチングのエッチン
グ速度が著しく小さくなってしまい、エッチング特性が
悪くなっている。また、試料番号23の比較例では、C
の添加量xが多すぎるため、ビッカース硬度Hvが23
50になってしまっている。
【0074】このように、本発明によれば、薄膜磁気ヘ
ッド用セラミックス基板材料において第2相の硬度を第
1相であるAl23と同程度にすることができる。ま
た、第2相のイオンビームエッチング速度を第1相と同
程度にすることができる。したがって、本発明による薄
膜磁気ヘッド用セラミックス基板材料は、第1相および
第2相を含む複合セラミックスであるにもかかわらず、
単一組織のセラミックスであるかのように均一に物理的
な研磨およびイオンビームエッチングを行うことができ
る。その結果、本発明による薄膜磁気ヘッド用セラミッ
クス基板材料を非常に滑らかな表面加工が求められる記
録密度の高いハードディスクドライブ装置の薄膜磁気ヘ
ッド用セラミックス基板に好適に用いることができる。
【0075】また、本発明の薄膜磁気ヘッド用セラミッ
クス基板材料は、電気抵抗が小さく、適当な熱膨張率お
よび熱伝導率を備えていることを確認した。これは、本
発明による基板材料の第1相はAlTiCと同じAl2
3であり、加えて第2相がAlTiCに含まれるTi
Cと同様の導電性を示し、かつ熱膨張係数および熱伝導
率もTiCと大きく異ならないからである。
【0076】本発明の効果を確認するために、試料番号
3に示す組成を備えた薄膜磁気ヘッド用セラミックス基
板材料を用いて基板を作製し、薄膜磁気ヘッドスライダ
ーを作製した。図2に示すように、試料番号3に示す組
成の薄膜磁気ヘッド用セラミックス基板12上にAl2
3膜13を形成し、書き込み素子14、コイル15お
よび読み出し素子16を形成した後、書き込み素子1
4、コイル15および読み出し素子16を覆うようにA
23膜13’を形成した。基板12をポリッシングに
より平坦化したあと、イオンビームドライエッチングに
よりABSを形成し、ジンバル10に取り付けて、薄膜
磁気ヘッドスライダー11を完成させた。基板12をポ
リッシングにより平坦化したあとの薄膜磁気ヘッドスラ
イダー11の面11aにおいて、基板12の表面粗さは
1.0nm(Ra)であった。また、従来の基板に含ま
れていたTiCほど硬い粒子が存在しないため、面11
aにおいて、PTRによって生じる段差は従来よりも小
さくすることが出来た。これは、基板12において第1
相と第2相との硬度の差を小さくできたことおよび、基
板12全体として硬度を小さくすることができたため、
基板12と書き込み素子14、あるいは読み出し素子1
6を構成する金属との硬度差を従来より小さくできたか
らである。
【0077】更に、ABSを形成するためのイオンビー
ムエッチングの際、基板12における第2相のイオンビ
ームエッチング速度は第1相のイオンビームエッチング
の速度とほぼ等しい。また、Al23膜13および1
3’のイオンビームエッチング速度も基板12の第1相
に等しい。つまり、基板12とAl23膜13および1
3’とはひとつの化学種として扱える。このため、AB
S面を形成するにあたって、面11aにおけるイオンビ
ームエッチング速度の異なる化学種は、素子14および
15を構成する金属と基板12等の2つとなり、エッチ
ングの条件を適切に制御することによって、2つの化学
種のエッチング量を調節することができた。
【0078】このようにして作製された磁気ヘッドスラ
イダーを用い、公知の技術によってハードディスドライ
ブ装置を作製することができる。これによって、記録密
度の高いハードディスクドライブ装置を実現することが
できる。
【0079】
【発明の効果】本発明によれば、第1相および第2相を
含む薄膜磁気ヘッド用セラミックス基板材料において、
第2相の硬度をAl23からなる第1相の硬度と同程度
にすることが出来る。また、第2相のイオンビームエッ
チング速度をAl23からなる第1相のイオンビームエ
ッチング速度と同程度にすることが出来る。したがっ
て、第1相および第2相を含む複合セラミックスである
にもかかわらず、単一のセラミックスであるかのように
均一に物理的な研磨およびイオンビームエッチングを行
うことができる。また、本発明による薄膜磁気ヘッド用
セラミックス基板材料を非常に滑らかな表面加工が求め
られる記録密度の高いハードディスクドライブ装置の薄
膜磁気ヘッド用セラミックス基板に好適に用いることが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】マイクロインデンテーション法による硬度
(H)とビッカース法による硬度(Hv)との相関を示
すグラフである。
【図2】本発明による薄膜磁気ヘッド用セラミックス基
板材料を用いた磁気ヘッド11スライダーの構造を示す
図である。
【図3】(a)および(b)は、従来の磁気ヘッドの製
造工程を説明する模式図である。
【符号の説明】
11 薄膜磁気ヘッドスライダー 12 基板 13、13’、22、24 Al23膜13 14 書き込み素子 15 読み出し素子 21 AlTiC基板 23 素子
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 廣岡 泰典 大阪府三島郡島本町江川2丁目15番17号 住友特殊金属株式会社山崎製作所内 (72)発明者 味冨 晋三 佐賀県三養基郡基山町大字園部3173番地2 日本タングステン株式会社生産技術部内 Fターム(参考) 4G030 AA08 AA11 AA12 AA14 AA16 AA17 AA18 AA19 AA20 AA21 AA22 AA23 AA24 AA45 AA49 BA13 BA19 CA01 GA03 GA04 GA05 GA08 GA11 GA22 GA24 GA29 5D033 BA52 CA00

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 24〜75mol%の第1相および残部
    の第2相を含む薄膜磁気ヘッド用セラミックス基板材料
    であって、 前記第1相はAl23からなり、 前記第2相は、組成式(MaM’b)(Cxyz)(M
    は、Nb、Cr、Mo、W、VおよびTaのなかから選
    ばれる少なくとも一種の元素、M’は、Ti、Zrおよ
    びHfのなかから選ばれる少なくとも一種の元素、a+
    b=1、b≦0.2、x+y+z=1、0.5≦x≦
    0.995、0.005≦y≦0.30、0≦z≦0.
    20)で表される化合物からなる薄膜磁気ヘッド用セラ
    ミックス基板材料。
  2. 【請求項2】 24〜75mol%の第1相および残部
    の第2相を含む薄膜磁気ヘッド用セラミックス基板材料
    であって、 前記第1相はAl23からなり、 前記第2相は、組成式(M’’cM’’’d)(Cxy
    z)(M’’は、Nb、Cr、MoおよびWのなかから
    選ばれる少なくとも一種の元素、M’’’は、V、T
    a、Ti、ZrおよびHfのなかから選ばれる少なくと
    も一種の元素、c+d=1、d≦0.8、x+y+z=
    1、0.5≦x≦0.8、0.2≦y≦0.30、0≦
    z≦0.10)で表される第2相となる化合物からなる
    薄膜磁気ヘッド用セラミックス基板材料。
  3. 【請求項3】 前記第2相を構成する粒子のビッカース
    硬度は、前記第1相を構成する粒子のビッカース硬度の
    ±5%の範囲にある請求項1または2に記載の薄膜磁気
    ヘッド用セラミックス基板材料。
  4. 【請求項4】 前記第2相を構成する粒子のイオンビー
    ムエッチング速度は、前記第1相を構成する粒子のイオ
    ンビームエッチング速度の±20%の範囲にある請求項
    1から3のいずれかに記載の薄膜磁気ヘッド用セラミッ
    クス基板材料。
  5. 【請求項5】 前記M’は、Nb、Cr、MoおよびW
    のなかから選ばれる少なくとも一種の元素である請求項
    1に記載の薄膜磁気ヘッド用セラミックス基板材料。
  6. 【請求項6】 前記第1相および前記第2相の合計に対
    して、0〜2.0mol%の第1の添加剤となるMg、
    Ca、ZrおよびCrの酸化物のなかから選ばれる少な
    くとも一種と、 前記第1相および前記第2相の合計に対して、0〜2.
    0mol%の第2の添加剤となる希土類元素の酸化物か
    ら選ばれる少なくとも一種と、を更に含み、前記第1の
    添加剤および前記第2の添加剤の合計は、前記第1相お
    よび前記第2相の合計に対して、0〜3.0mol%の
    範囲である請求項1から5のいずれかに記載の薄膜磁気
    ヘッド用セラミックス基板材料。
  7. 【請求項7】 前記第1の添加剤および前記第2の添加
    剤は、それぞれ単独の酸化物、それらの複合酸化物、ま
    たは、前記第1相との複合酸化物として存在している請
    求項6に記載の薄膜磁気ヘッド用セラミックス基板材
    料。
  8. 【請求項8】 前記薄膜磁気ヘッド用セラミックス基板
    材料の平均結晶粒径は0.3〜1.5μmである請求項
    1から7のいずれかに記載の薄膜磁気ヘッド用セラミッ
    クス基板材料。
  9. 【請求項9】 24〜75mol%の第1相となるAl
    23と、 残部が第2相とからなる薄膜磁気ヘッド用セラミックス
    基板材料であって、 前記第2相を構成する粒子のビッカース硬度は、前記第
    1相を構成する粒子のビッカース硬度の±5%の範囲に
    あり、 前記第2相を構成する粒子のイオンビームエッチング速
    度は、前記第1相を構成する粒子のイオンビームエッチ
    ング速度の±20%の範囲にある薄膜磁気ヘッド用セラ
    ミックス基板材料。
  10. 【請求項10】 請求項1から9のいずれかに記載の薄
    膜磁気ヘッド用セラミックス基板材料からなる基板。
  11. 【請求項11】 請求項1から9のいずれかに記載の薄
    膜磁気ヘッド用セラミックス基板材料からなる基板と、
    前記基板に保持された書き込み素子および読み出し素子
    とを備えた薄膜磁気ヘッドスライダー。
  12. 【請求項12】 請求項10に記載の薄膜磁気ヘッドス
    ライダーを備えたハードディスクドライブ装置。
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