JPH1079308A - 磁気ヘッド用ヘマタイト系材料及びその製造方法 - Google Patents

磁気ヘッド用ヘマタイト系材料及びその製造方法

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JPH1079308A
JPH1079308A JP8252404A JP25240496A JPH1079308A JP H1079308 A JPH1079308 A JP H1079308A JP 8252404 A JP8252404 A JP 8252404A JP 25240496 A JP25240496 A JP 25240496A JP H1079308 A JPH1079308 A JP H1079308A
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sio
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Ryuichi Nagase
隆一 長瀬
Satoru Suzuki
了 鈴木
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    • H01F1/03Magnets or magnetic bodies characterised by the magnetic materials therefor; Selection of materials for their magnetic properties of inorganic materials characterised by their coercivity
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    • H01F1/10Magnets or magnetic bodies characterised by the magnetic materials therefor; Selection of materials for their magnetic properties of inorganic materials characterised by their coercivity of hard-magnetic materials non-metallic substances, e.g. ferrites, e.g. [(Ba,Sr)O(Fe2O3)6] ferrites with hexagonal structure
    • H01F1/11Magnets or magnetic bodies characterised by the magnetic materials therefor; Selection of materials for their magnetic properties of inorganic materials characterised by their coercivity of hard-magnetic materials non-metallic substances, e.g. ferrites, e.g. [(Ba,Sr)O(Fe2O3)6] ferrites with hexagonal structure in the form of particles
    • H01F1/113Magnets or magnetic bodies characterised by the magnetic materials therefor; Selection of materials for their magnetic properties of inorganic materials characterised by their coercivity of hard-magnetic materials non-metallic substances, e.g. ferrites, e.g. [(Ba,Sr)O(Fe2O3)6] ferrites with hexagonal structure in the form of particles in a bonding agent

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 CSS特性に優れ且つ加工性の良好なへマタ
イト(α−Fe2 3)系の磁気へッド用材料及びその製
造方法を提供する。 【解決手段】 主成分Fe2 3 に対してSを0.01
重量%〜0.08重量%含ませることによって、得られ
る焼結体の加工性が向上する。Sを含有するFe2 3
原料粉をSiO2 を含むAl2 3 ボールを用いた湿式
ボールミルにより粉砕し、粉体を焼結することによって
一層加工性に優れた焼結体が得られる。 【効果】 スライダーに加工した際、チッピングが小さ
く、加工性に優れており、しかも優れたCSS特性を維
持している。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、磁気ディスク装置
用スライダー材料及びその製造方法に関し、さらに詳細
には、ハードディスクに対する摩擦摩耗特性が良好な磁
気ディスク装置用のスライダー材料であるへマタイト系
セラミックスの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】磁気ディスク装置(HDD)用磁気ヘッ
ドは、一般に、へッド構造によりモノリシックヘッド、
コンポジットヘッド及び薄膜へッドの3種類に大別され
る。モノリシックヘッドはスライダーとへッドが一体的
な構造を持つのに対して、コンポジットヘッドはスライ
ダーのスリット部に磁気コアをモールドガラス等で接合
した構造を持つ。また、薄膜へッドはスライダー端面に
磁気コアとコイルを薄膜状に形成することによって構成
されている。いずれのタイプの磁気へッドも、スライダ
ーには非磁性のセラミックス材料が用いられている。
【0003】かかる非磁性のセラミックス材料として、
従来、コンポジットヘッドではチタン酸バリウム、チタ
ン酸カルシウム等が、薄膜ヘッドではAl2 3 −Ti
C系セラミックスが使用されていた。しかしながら、そ
れらの基板材料の熱膨張係数は、基板に蒸着される金属
磁性膜材料の熱膨張係数と大きく異なっていたために、
蒸着した金属磁性膜が基板から剥離したり、応力が残留
して基板にクラックが発生することがあった。
【0004】さらに、Al2 3 −TiC系セラミック
スは、磁気へッド用基板の形状に加工しにくいといった
欠点もあった。これらの欠点を解消すべく、出願人ら
は、特開平2−94408号公報において、磁性膜材料
の熱膨脹係数と整合した磁気へッド用基板材料として、
CoO及びNiOあるいはNiOを基本組成とする岩塩
型の非磁性酸化物系セラミックス材料を開示した。
【0005】ところで、近年、記録媒体への高密度化記
録を可能とする磁気へッドの開発が盛んに進められてい
る。例えば、金属磁性膜を非磁性セラミックスで挟み込
んだ積層型へッドが考案されており、高記録密度化とと
もにへッドの小型化も進められている。高記録密度化に
対応した磁気へッドは、磁気ディスク等の磁気記録媒体
が記録装置に装備された状態では、磁気記録媒体とは5
0nm以下の間隔で近接しており、擬コンタクト状態と
も呼ばれている。このため、このような状態で長期問使
用しても十分な摩擦摩耗特性、すなわち、優れたCCS
(Contact-Start-Stop)特性を有する磁気へッド用の基
板材料が要求されている。また、基板材料を加工する際
に、磁気へッド用の基板に微細且つ高精度に加工できる
ことも必要である。このような要望に応える材料とし
て、へマタイト(α−Fe2 3 (本文中、単に「Fe
2 3 」と表す。))が有望視されている。このFe2
3は、磁気へッドコアとなる磁性材料の物性と比較的
近い特性を有するために、磁気へッド用非磁性セラミッ
クス材料として好適である。
【0006】特公平1−22220号(特開昭61−1
46751号)公報は、磁気へッド用スライダー材とし
て、ガラス接合時のガラスとの反応性が良く且つ気泡の
発生が少なく、しかもスライダー材の変色を防止するた
めに、Al2 3 、ZrO2、TiO2 、 CeO2 等を
主成分であるFe2 3 に添加したセラミックスを開示
している。
【0007】また、特開平5−217139号公報で
は、Fe2 3 系材料の加工性の改善を目的として、主
成分であるFe2 3 にSiO2 、CaO、NbO5
CuO、V2 5 、Bi2 3 、 NaOを添加したセラ
ミックスを開示している。
【0008】これらヘマタイト系セラミックス材料の製
造方法について、特公平1−22220号(特開昭61
−146751号)公報は、主成分であるFe2 3
副成分を添加し、ボールミルで湿式混合し、混合物にバ
インダーを添加した後、顆粒を作り、通常の成形方法で
成形した成形体を大気中で1000℃以上の温度で焼成
することによって焼結体を得る方法を開示している。さ
らに、この文献はその実施例においては鋼製のボールミ
ルを使用している。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】ボールミルを使用して
原料粉を混合粉砕する場合、ボールからの不純物の混入
を回避することは極めて困難である。そのため、ボール
の材質は原料粉の主成分と同じ成分を用いることが多
く、Fe2 3 の場合は鋼製のボールが用いられる。ま
た、ボールミル処理時間を短縮して不純物の混入を最低
限に抑えるために、比重が大きく、硬度、靭性が高いイ
ットリア安定化ジルコニア (YTZ)ボールや純度の高
いAl2 3 ボールが用いられることも多い。また、原
料粉は不純物の悪影響を最小限にするため、最初から高
純度であることが望まれている。
【0010】しかしながら、高純度の原料を用い且つ原
料の主成分と同じ材料から構成されたボールを用いてボ
ールミル粉砕した場合であっても、不純物の混入は少な
いが、焼成された焼結体の加工性はチッピングが多く、
スライダー形状を維持するのが困難であるという問題が
あった。
【0011】本発明の目的は、加工性の良好な磁気ヘッ
ド用スライダー材料に適したヘマタイト系セラミック材
料及びその製造方法を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、へマタイ
ト系セラミックス材料の製造方法を、原料及びボールミ
ルに使用するボールの材質という観点から検討したとこ
ろ、Sを含むFe2 3 を原料として用いることにより
上記問題点を解決することができ、さらにSを含むFe
2 3 原料を、SiO2 を含有するAl2 3 ボールで
ボールミル粉砕した粉体を焼成することにより加工性に
極めて優れた焼結体が得られることを見出した。
【0013】本発明の第1の態様に従えば、Fe2 3
を主成分とする磁気へッド用セラミックス材料におい
て、前記Fe2 3 に対してSを0.01重量%〜0.
08重量%含むことを特徴とする磁気へッド用ヘマタイ
ト系材料が提供される。
【0014】Sの含有量は主成分であるFe2 3 に対
して0.01重量%〜0.08重量%である。Sの含有
量がこの範囲内であると、得られる焼結体の加工性が向
上する。S含有量が0.01重量%未満では均一な結晶
組織が得られるが、加工性は不良であり、また、S含有
量が0.08重量%を超えると、焼結体の結晶組織に柱
状結晶が発達し、加工性が悪化する。さらに、結晶組成
及び加工性のバランスを考慮すると、S含有量は0.0
2重量%〜0.06重量%が一層好ましい。
【0015】本発明のFe2 3 を主成分とする磁気へ
ッド用セラミックス材料において、Sに加えて、SiO
2 を0.01重量%〜0.1重量%含むことが好まし
い。SiO2 をかかる範囲で含有させるとさらに加工性
が向上する。SiO2 が0.01重量%未満であると加
工性の改良が見られず、SiO2 が0.1重量%を超え
ると新たな相が発生し易くなるため好ましくない。
【0016】本発明のFe2 3 を主成分とする磁気へ
ッド用セラミックス材料において、Sに加えてあるいは
S及びSiO2 に加えて、さらに、Al2 3 を0.1
重量%〜0.5重量%含むことが好ましい。かかる範囲
でAl2 3 を含むことにより、Sを上記含有量で添加
した場合及びS及びSiO2 を上記含有量で添加した場
合に比べて一層加工性が向上する。Al2 3 が0.1
重量%未満であると加工性の改良が見られず、Al2
3 が0.5重量%を超えると新たな相、特にSiO2
併用する場合にはムライトが発生しやすくなるため好ま
しくない。
【0017】本発明の第2の態様に従えば、Fe2 3
を主成分とする磁気へッド用セラミックス材料の製造方
法において、前記Fe2 3 に対してSを0.01重量
%〜0.08重量%含む原料を焼結することを特徴とす
る磁気へッド用ヘマタイト系材料の製造方法が提供され
る。前記のようにFe2 3 に対してSを0.01重量
%〜0.08重量%含む原料を焼結用の原料粉として用
いて焼結することにより、得られる焼結体の加工性を向
上することができる。Sを添加する手段としては、主成
分であるFe2 3 原料粉に直接Sを添加してよく、あ
るいは予めSが添加されている市販の原料を用いてもよ
い。市販の原料としてはフェライト用酸化鉄が望まし
い。なお、フェライト用酸化鉄はJIS規格により品質
が定められており、1種、2種及び3種があるが、本発
明では上記S含有量を満たすためにJIS規格による1
種または2種の市販の原料を用いるのが好ましい。
【0018】上記の含有量でSを含有するFe2 3
料を湿式ボールミルにより粒度調整して焼成用原料とす
るのが好ましい。焼成には粒度分布が調整された粉体が
必要であり、その調整には湿式ボールミルが簡便である
からである。湿式ボールミルには水、アルコール等を溶
媒として使用することができ、エタノールが好ましい。
【0019】ボールミルに使用するボールは、ボールか
らの不純物の混入を考慮して、通常、原料と同じ元素の
ボール、あるいは比重が大きく且つ硬度及び靭性の高い
ボールが選択される。原料と同じ元素のボールとして、
例えば、鋼製ボールが用いられ、比重が大きく且つ硬度
及び靭性の高いボールとして、イットリア安定化ジルコ
ニア(YTZ)ボールや高純度のアルミナボールが使用
される。従来、これらのボールを使用した場合、混入す
る不純物量はわずかであるが、加工性はあまり改善され
なかった。
【0020】本発明者らは、SiO2 を含むAl2 3
ボールを使用し、ボールミル工程でSを含有するFe2
3 原料に意図的に不純物を混入させることにより、焼
結体の加工性を向上することができることを見出した。
これは、混入不純物が含有Sと低融点化合物を形成し、
一部液相化することで粒界を強化しているためである。
また、SiO2 は粒界に存在し、粒成長を抑制し、加工
性の向上に寄与するためであると考えられる。本発明の
実施例において、高純度Al2 3 ボールを用いてSを
含有するFe2 3 原料を粉砕した場合も良好な加工性
が確認された。
【0021】なお、SiO2 及び/またはAl2 3
加の方法は、原料に別途SiO2 及び/またはAl2
3 を直接添加するものであってもよいが、SiO2 ボー
ル、Al2 3 ボールまたはSiO2 を含むAl2 3
ボールを用いれば、原料の加工と同時に添加物を添加で
き、製造工程を短縮することができるため好適である。
SiO2 及び/またはAl2 3 添加量は、それらの成
分で構成されたボールを用いる場合及びそれらの成分を
直接添加する場合においても前述の通りである。
【0022】なお、SiO2 含有Al2 3 ボールを用
いる場合は、Al2 3 ボールに含まれるSiO2 量は
1重量%〜20重量%に調整するのが好ましい。1重量
%未満では液相化による粒界強化や粒成長抑制の効果は
期待できない。また、20重量%を超えると、Al2
3 とSiO2 の化合物であるムライトが生成し、粉砕効
率や混入不純物が変化するため好ましくない。SiO2
含有Al2 3 ボールにおける一層好ましいSiO2
は、2〜10重量%であり、特に3〜5重量%が好まし
い。
【0023】ボールミルでのSを含有するFe2 3
料の粉砕時間は、不純物の混入量や粒度分布を決定する
ために調整する必要がある。粉砕時間は、一般に、5〜
20時間が望ましい。5時間未満では粉体の粒度調整が
不十分で粗粒が混在し、20時間を超えると混入不純物
量が多くなり低融点化合物による粒界強度の低下が生じ
るため好ましくない。粉砕後の原料の粒度でいうと、メ
ジアン径0.4〜0.5μm、最大粒径が1μm以下に
なるように粉砕するのが好ましい。最大粒径が1μmを
超えると加工性が悪くなる。
【0024】上記原料粉末を、一般的な粉末冶金的な方
法で成形、焼結することができる。成形工程には、粉砕
粉の造粒、成形及び成形体の脱脂操作を含み得る。一般
に、造粒した方が加工性は向上する。造粒にはスプレー
ドライヤー(径20〜50μm)等の手段を用いること
ができる。焼結過程には常圧焼結、加圧焼結、HIP
(Hot Isostatic Press )が含まれる。大気中、又は酸
素中の酸素ガスを含む雰囲気で、1000℃〜1200
℃以下で焼結を行う。1000℃未満では焼結体の密度
が不十分である。1200℃を超えると粒成長が進み、
加工性が低下する。酸化性ガスを含まないとマグネタイ
トが生成し易い。HIPは低酸素雰囲気下で行われマグ
ネタイト相を生成する可能性があるが、密度を向上する
させるには有効な手段である。焼結後の基板の歪みを除
去する等の目的で酸化性ガスを含んだ雰囲気下でのアニ
ール処理をしてもよい。この場合、アニール温度とし
て、300℃〜800℃が好適である。
【0025】焼結後の材料を加工することにより、ハー
ドディスクに対する摩擦・摩耗特性が良好な磁気ヘッド
のスライダーを形成することができる。本発明の材料を
用いた磁気ヘッドとしては、モノリシックヘッド、コン
ポジットヘッド及び薄膜へッドの3種類のいずれの構造
でもよい。
【0026】
【実施例】以下、本発明の磁気へッド用ヘマタイト系材
料及びその製造方法を実施例により具体的に説明する
が、本発明はこれに限定されるものではない。
【0027】〔実施例1〕市販のフェライト用酸化鉄
(同和鉱業製、S含有量0.04重量%)を用意し、エ
タノールを用いた湿式ボールミル中で10時間粉砕し
た。使用したボールはSiO2 を5重量%含むAl2
3 ボールであった。この粉砕粉の比表面積は8m2 /g
であり、粒度分布は粗粒の混在しない粒度の揃ったもの
であった。これを金型で予備成型後、CIP(Cold Iso
static Pressing )処理により56mm×15tに成形
し、成形体を大気中で1100℃の温度にて10時間常
圧焼結した。常圧焼結後、1100℃の温度及び100
MPaの圧力下で、1時間HIP処理した。
【0028】こうして得られた焼結体について、密度、
結晶粒径及び加工性を評価した。密度はアルキメデス法
により求め、相対密度で示した。結晶粒径はインタセプ
ト法による平均粒径と観察視野内での最大粒径を求め、
粒径比(最大粒径/平均粒径)で評価した。加工性はダ
イサー(#2500)での切断面をSEM観察し、相対
評価した。焼結、HIP処理後の相対密度はいずれも9
9%を超え、高密度であることがわかった。結晶粒径と
加工性の観測結果を表1に示す。
【0029】
【表1】
【0030】〔実施例2〕SiO2 を含まない高純度A
2 3 ボールを用いた以外は、実施例1と同様な操作
により焼結体を製造した。得られた焼結体の密度、結晶
粒径及び加工性を実施例1と同様の試験で評価した。結
果を表1に示した。混入不純物はAl2 3 だけが認め
られた。なお、粒度分布は粗粒の混在しない粒度の揃っ
たものであることが判った。表1から、実施例1と比べ
て、高純度Al2 3 ボールを用いて粉砕した方が、混
入不純物は少ないが、粒径比が大きく柱状結晶が発達し
ていることが判る。加工性はいずれも満足なレベルであ
ったが、実施例1の方が良好であった。また、実施例1
及び2で作製した焼結体と市販のヘマタイト材料の加工
性を比較したところ、実施例で作製した焼結体の加工性
は市販品より良好であることが判った。
【0031】次に、SiO2 を5重量%含むAl2 3
ボールで粉砕した粉体から作製した焼結体(実施例1の
焼結体)を機械加工し、CSS特性測定用のダミースラ
イダー(1.9mm×1.6mm×0.4mm)を作製
し、drag試験を行った。drag試験はCSS特性
の加速試験である。磁気記録媒体に市販のAl基板を用
い、荷重3.5g、200rpmでダミースライダーと
磁気記録媒体との接触を繰り返し、一定回数繰り返した
後のダミースライダーの摩擦係数を調べた。なお、測定
は温度23℃、湿度60%に調整された雰囲気で行っ
た。結果を表2に示す。表2には、比較例として市販ヘ
マタイト材料のCSS特性の測定結果を示した。
【0032】
【表2】
【0033】表2から、実施例1の試料の摩擦係数は市
販ヘマタイト材料のものより低く、実施例1の試料のC
SS特性が市販品と同等以上であることがわかる。ま
た、スライダー加工の段階で、チッピングの大きさや数
を比較したが、実施例1及び2を含む本発明の範囲内で
作製した焼結体は市販のヘマタイト材料より大きさ、数
とも優れていることが確認された。
【0034】〔実施例3〕表3に示すS含有量の異なる
酸化鉄原料を用意し、エタノールを用いた湿式ボールミ
ル中で10時間粉砕した。使用したボールは高純度Al
2 3 ボールである。この粉砕粉の比表面積は8〜9m
2 /gで、粒度分布は粗粒の混在しない粒度の揃ったも
のであった。これを金型で予備成型後、CIP処理によ
り55mmφ×15tに成形し、成形体を大気中で11
00℃の温度にて10時間常圧焼結した。常圧焼結後、
1100℃の温度及び100MPaの圧力下で、1時間
HIP処理した。
【0035】こうして得られた焼結体について、密度、
結晶粒径及び加工性を評価した。密度はアルキメデス法
により求め、相対密度で示した。結晶粒径はインタセプ
ト法による平均粒径と観察視野内での最大粒径を求め、
粒径比(最大粒径/平均粒径)で評価した。加工性はダ
イサー(#2500)での切断面をSEM観察し、相対
評価した。焼結、HIP処理後の相対密度はいずれも9
9%を超え、高密度であった。S含有量に対する結晶粒
径と加工性の観測結果を表3に示す。
【0036】
【表3】
【0037】表3に示した結果から、S含有量により粒
径比に差が生じ、加工性に影響することが確認できる。
すなわち、S含有量が0.01〜0.08重量%では粒
径比は2〜3程度で加工性は良好であるが、比較例では
粒径比が大きかったり、加工性が不良であった。
【0038】
【発明の効果】本発明による磁気へッド用ヘマタイト系
材料は良好なCSS特性を示すとともに、加工性に優れ
ている。従って高記録密度化に対応した磁気へッド用の
非磁性基板材料として極めて有効である。また、本発明
の方法により加工性に優れた磁気へッド用ヘマタイト系
材料を製造することができ、特に、SiO2 及び/また
はAl2 3 から構成されたボールを用いて粉砕するこ
とによりそれらの成分が不純物としてSを含むヘマタイ
ト原料中に添加され、一層加工性に優れた磁気へッド用
ヘマタイト系材料を効率よく製造することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 G11B 5/255 G11B 5/60 B 5/60 21/21 101K 21/21 101 C04B 35/26 Z

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 Fe2 3 を主成分とする磁気へッド用
    セラミックス材料において、 前記Fe2 3 に対してSを0.01重量%〜0.08
    重量%含むことを特徴とする磁気へッド用ヘマタイト系
    材料。
  2. 【請求項2】 SiO2 を0.01重量%〜0.1重量
    %含むことを特徴とする請求項1記載の磁気へッド用ヘ
    マタイト系材料。
  3. 【請求項3】 さらに、Al2 3 を0.1重量%〜
    0.5重量%含むことを特徴とする請求項2記載の磁気
    へッド用ヘマタイト系材料。
  4. 【請求項4】 Fe2 3 を主成分とする磁気へッド用
    セラミックス材料の製造方法において、 前記Fe2 3 に対してSを0.01重量%〜0.08
    重量%含む原料を焼結することを特徴とする磁気へッド
    用ヘマタイト系材料の製造方法。
  5. 【請求項5】 上記原料にさらにSiO2 を0.01重
    量%〜0.1重量%含むことを特徴とする請求項4記載
    の磁気へッド用セラミックス材料の製造方法。
  6. 【請求項6】 SiO2 を含むボールを用いて原料粉を
    粉砕することにより0.01重量%〜0.1重量%のS
    iO2 を原料粉末に導入することを特徴とする請求項5
    記載の磁気へッド用セラミックス材料の製造方法。
  7. 【請求項7】 SiO2 及びAl2 3 から構成され且
    つSiO2 含有量が1重量%〜20重量%のボールを用
    いて粉砕することを特徴とする請求項6記載の磁気へッ
    ド用セラミックス材料の製造方法。
  8. 【請求項8】 上記原料にさらにAl2 3 を0.1重
    量%〜0.5重量%含むことを特徴とする請求項4また
    は5記載の磁気へッド用セラミックス材料の製造方法。
  9. 【請求項9】 Al2 3 を含むボールを用いて粉砕す
    ることにより0.1重量%〜0.5重量%のAl2 3
    を原料粉末に導入することを特徴とする請求項8記載の
    磁気へッド用セラミックス材料の製造方法。
  10. 【請求項10】 高純度Al2 3 ボールを用いて粉砕
    することを特徴とする請求項9記載の磁気へッド用セラ
    ミックス材料の製造方法。
JP8252404A 1996-09-03 1996-09-03 磁気ヘッド用ヘマタイト系材料及びその製造方法 Pending JPH1079308A (ja)

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JP8252404A Pending JPH1079308A (ja) 1996-09-03 1996-09-03 磁気ヘッド用ヘマタイト系材料及びその製造方法

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JP5414933B1 (ja) * 2013-06-28 2014-02-12 三石耐火煉瓦株式会社 煉瓦、タイル、床板、天井パネル及び屋根材並びにこれらの製造方法

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