JPWO2008099612A1 - 真空運搬システム - Google Patents

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Abstract

【課題】 本発明は,持ち運び可能な真空運搬システムを提供することを目的とする。【解決手段】 上記課題は,ケーシング(1)と前記ケーシング(1)内に設けられる陽極(2)と, 前記ケーシング(1)内壁に固定され,前記陽極(2)の外周に設置される陰極(3)と,前記陰極(3)の外周を囲うように設置される磁石(4)と,前記ケーシング(1)を他の装置と接続するための接続部(5)と,を具備するイオンポンプ(6)を具備する真空運搬システムにより解決される。【選択図】 図8

Description

本発明は,3次元磁場を導入することで,持ち運びができるほど小型化したイオンポンプ装置を用いた真空運搬システムなどに関する。
ナノテクノロジーや超精密計測技術が発展するにともない,超高真空技術が重要視されている。半導体表面は,気体分子により表面が汚染されやすい。一方,半導体を10−7Pa以下程度の超高真空に維持することで,クリーンな半導体表面を維持することができる。そして,超高真空を維持するために,イオンポンプなどのポンプが用いられる。
従来のイオンポンプでは,たとえば,特開平9−27294号公報の図4(A)及び図4(B)に示されるように,平板状の永久磁石が直方体形状の容器をはさんで並行に向き合うように配置されていた。このため,磁場が1方向的なものとなり,イオンポンプ内のスペースを有効に活用できなかった。
このような問題を解決するため,特開平9−27294号公報(下記特許文献1)の請求項1には,「円筒形のケーシング内に同軸状に円筒陽極と,その外周に円筒陰極とが配置され,前記円筒形のケーシング内に,前記円筒陰極と陽極及びケーシングの各円筒面間の半径方向の電場発生手段と,前記円筒陽極及び陰極の軸と平行な磁場発生手段とを備えたことを特徴とするイオンポンプ」が開示されている。
また,特開2001−332209号公報(下記特許文献2)の請求項1には,「真空チャンバ内にアノード電極とカソード電極を設け,両電極間に高電圧を印加して電子を磁場の作用で螺旋運動させ,螺旋運動している電子に残留気体分子が衝突してイオン化され,カソード電極をスパッタして,アノード電極表面などに吸着することにより排気するように構成したスパッタイオンポンプにおいて,真空チャンバ壁の筒状部分を凹凸横断面形状となるように形成し,この凹凸横断面形状の筒状部分の外側の各凹部にそれぞれ同一形状,同一特性の永久磁石を同一磁極方向に向けて設け,凹凸横断面形状の筒状部分の内側の各凹部にはそれぞれ筒状のアノード電極を真空チャンバ壁から離間して設け,真空チャンバ壁の筒状部分をカソード電極として構成し,真空チャンバ内には,周囲に排気孔を備えた筒状の磁気シールド部材を,上記複数の永久磁石及び上記複数のアノード電極と同心状に配置し,また上記複数の永久磁石及び上記複数のアノード電極をそれぞれ軸対称で等間隔に配列したことを特徴とするスパッタイオンポンプ」が開示されている。
しかしながら,このようなイオンポンプは,電極間を絶縁するため,セラミックスなどの絶縁物を多く用いる必要があった。このため,セラミックスなどからガスが発生し,真空度を下げるという問題があった。また,このようなイオンポンプは,強度が十分ではないという問題があった。
また,このようなイオンポンプは大きくて重く,また消費電力も大きいので一度設置してしまうと,容易には移動できないという問題があった。そこで,イオンポンプを稼動させ,試料が置かれる雰囲気を真空に維持しつつ試料を運搬できる真空運搬システムが望まれる。
一般に真空装置は,備え付け型のものでオーダーメードに製造する。真空チャンバ内において試料を搭載するための試料台が設けられるものがある。試料台は,製造メーカごとに異なっている。そこで,真空運搬システムを開発したとしても,運搬した試料を様々な真空チャンバの試料台に渡すことができないという問題が生じうる。
特開平9−27294号公報 特開2001−332209号公報
本発明は,持ち運び可能な真空運搬システムを提供することを目的とする。
本発明は,様々な真空チャンバにおいて試料の受け渡しをすることができる持ち運び可能な真空運搬システムを提供することを目的とする。
本発明は,基本的には,イオンポンプのケーシングを陰極として用い,その外周にリング状の永久磁石を複数連続して設置することで,3次元的な磁場を得ることができ,しかも小型化を達成できるという知見に基づくものである。また,そのようなイオンポンプを用いれば,試料室を真空に維持できる運搬可能な真空運搬システムを得ることができるという知見に基づくものである。
本発明の第1の側面は,真空運搬システム(22)に関する。このシステムは,試料を収容するための試料室(11)と,試料室(11)の内部を真空にするためのイオンポンプ(6)とを含む。そして,試料室(11)は,他の装置と接続するためのゲート部(14)と,イオンポンプ(6)と接続するための接続部(15)とを含む。イオンポンプ(6)は,ケーシング(1)と,第1の電極(2)と,第2の電極(3)と,磁石(4)と,接続部(5)とを含む。そして,第1の電極は,ケーシング(1)の内部に設けられる。第2の電極(3)は,ケーシング(1)の内壁に固定され,第1の電極(2)の外周に設置される。第2の電極(3)は,第1の電極(2)と極性が異なる。磁石(4)は,第2の電極(3)の外周を囲うように設置される。接続部(5)は,ケーシング(1)を他の装置と接続するための機構を含む。
この真空運搬システムを用いれば,収容ケースに試料室及びイオンポンプを収容した状態で運搬できるので,試料室に収容した試料を真空環境におきつつ簡便に運搬できることとなる。
本発明の第1の側面の好ましい態様は,収容ケース(21)をさらに含む。この収容ケースは,試料室(11)及びイオンポンプ(6)を収容する。この収容ケース(21)は,収容ケースの枠体(23)と,収容部(24)とを含む。収容部(24)は,枠体(23)内部に設けられる。収容部(24)は,試料室及びイオンポンプの形状に相当する空隙を含む。そして,この空隙に,試料室及びイオンポンプを設置できる。
本発明の真空運搬システムは,イオンポンプが接続されている。したがって,通常であれば,真空運搬システムをアタッシュケースなどにいれて運搬しようとは思わない。しかしながら,本発明の真空運搬システムは,小型化できる。よって,この態様のシステムは,試料室やイオンポンプを収容ケース(21)に入れて,運搬できる。これにより,試料室を真空に維持しつつ,容易に運搬できることとなる。
本発明の第1の側面の好ましい態様は,イオンポンプが,ケーシング(1)と,第1の電極(2)と,第2の電極(3)と,複数の円筒状磁石(4)と,接続部(5)とを具備する。そして,第1の電極(2)は,ケーシング(1)の内側に設けられる。第2の電極(3)は,ケーシング(1)の内壁に固定される。また,第2の電極(3)は,第1の電極(2)の外周に設置される。そして,第1の電極と第2の電極とは極性が異なる。円筒状磁石(4)は,第2の電極(3)の外周を囲うように設置される。この磁石は,ケーシング(1)の外に設けられても良い。接続部(5)は,ケーシング(1)を他の装置と接続するための機構である。複数の円筒状磁石(4)は,第2の電極(3)の外周を囲うように設置される。複数の円筒状磁石(4)は,ケーシング(1)の中心軸方向に空間を空けて並んで配置される。
このイオンポンプは,第2の電極(たとえば陰極)をケーシング内壁に固定し,第2の電極を第1の電極(たとえば陽極)の外周に設置する。そして,このイオンポンプは,複数の円筒状磁石(4)を第2の電極(3)の外周を囲うように設置する。これにより,3次元的な磁場を得ることができ,しかも小型化を達成できる。なお,好ましいイオンポンプの例は,ケーシング内壁又はケーシング側壁が第2の電極を兼ねるものである。このようにすることで,さらなる小型化を達成できる。なお,本発明のイオンポンプは,持ち運び可能なものであることが好ましいので,電源として,電池を用いるものが好ましい。電池からの直流電圧を,適宜変換器を用いて更に高圧の直流電圧又は交流電圧に変換して用いればよい。
本発明において,円筒状磁石(4)は,ケーシングの中心軸方向に空間を空けて並んだ複数の円筒状磁石であることが好ましい。
磁石は一般に重量が大きい。この態様のイオンポンプでは,ひとつの円筒状の磁石を用いるのではなく,複数個の円筒状磁石に分割し,所定のスペースをあけてそれらを設置する。これにより,イオンポンプを軽くすることができるとともに,効率的な磁場を得ることができる。さらには形状加工に手間のかかる大型磁石ではなく,形状加工の容易な小型磁石を複数用いることにより,ポンプケーシングの形状や大きさに対する加工上の困難さが大きく改善される。
本発明の第1の側面の好ましい態様は,磁石の移動機構を有するものである。移動機構(14)は,複数の円筒状磁石を,ケーシング(1)の長手方向へ向けて移動する。このような移動機構(14)を有することで,磁場の集中する部位を変化させることができる。これにより,システムの劣化を防止できるとともに,システムの効率を上げることができる。この構成は,先に説明したいずれのイオンポンプにおいても採用できる。なお,移動機構は,磁石の移動を手動で行うものであっても良い。
本発明の第1の側面の好ましい態様は,円筒状磁石が,ケーシング(1)から取り外しできるものに関する。このように円筒状磁石を取り除くことができるので,生産性が向上し,メンテナンスが容易になる。
本発明の第1の側面の好ましい態様は,複数の円筒状磁石は,隣接する円筒状磁石の面が同じ極性を有する面となるように構成される。隣接する磁石の間には,さらに磁性材料挿入される場合も含む。この磁性材料は,隣接する面からケーシング(1)の中心軸方向へ向かう磁極が強くなるように配置される。このように隣接する磁石の間に磁性材料が置かれるので,磁束の空間分布を整え,電極方向への磁束進入を促進することができる。このような磁性材料として,永久磁石,電磁石,軟鉄,鉄,フェライトなど,磁束整流効果を有するものがあげられる。この構成は,先に説明したいずれのイオンポンプにおいても採用できる。
このように磁石間にさらに磁性材料を配置することで,ケーシング内に形成される磁場をより強化することができる。これにより,システムの効率を上げることができる。
本発明の第1の側面の好ましい態様は,ケーシング(1)は,第2の電極(3)である。すなわち,本発明に用いられる,好ましいイオンポンプは,ケーシング自体を第2の電極(3)として用いる。具体的には,ケーシングとして表面にチタンが蒸着されたアルミニウムからなるものを用いる。このケーシングは,第2の電極(3)として機能する。この構成は,先に説明したいずれのイオンポンプにおいても採用できる。このようにすることで,イオンポンプを軽くすることができるとともに,構造をシンプルにして,小さくすることもできる。
本発明の第1の側面の好ましい態様は,イオンポンプを構成する各要素が棒状又は円筒状のものである。すなわち,ケーシング(1)が,円筒状である。そして,第1の電極(2)は,ケーシングの中心軸上に設けられる棒状電極であるか,又はケーシングと同心円状の円筒状の電極である。第2の電極(3)は,ケーシングと同心円状の円筒状の電極である。円筒状磁石(4)は,ケーシングと同心円状の円筒状である。この構成は,先に説明したいずれのイオンポンプにおいても採用できる。
このように,同心円状に各要素が設置されるので,効率よくイオン等を発生させ気体を捕捉できる。
本発明の第1の側面の好ましい態様は,第1の電極(2)の一端がケーシングに固定されたイオンポンプを用いるものに関する。この構成は,先に説明したいずれのイオンポンプにおいても採用できる。
通常のイオンポンプなどでは,第2の電極と第1の電極とを絶縁するため,セラミックスなどが多く用いられる。この態様のイオンポンプでは,第1の電極をケーシングに固定するので,イオンポンプを稼動している際にも,第1の電極が振れて第2の電極と接触する事態を効果的に防止できる。そのためセラミックスなどの絶縁物を多用する必要が無くなり,効率的に真空度を上げることができることとなる。
本発明の第1の側面の好ましい態様は,第1の電極(2)の一端がケーシングに固定される。そして,ケーシングに固定された一端と逆側の領域には,スペーサ(8)が設けられる。スペーサは,第1の電極(2)をケーシングに固定する。この構成は,先に説明したいずれのイオンポンプにおいても採用できる。
通常のイオンポンプなどでは,第2の電極と第1の電極とを絶縁するため,セラミックスなどが絶縁物として多く用いられる。この態様のイオンポンプでは,第1の電極をケーシングに固定するので,イオンポンプを稼動している際にも,第1の電極が振れて第2の電極と接触する事態を効果的に防止できる。そのためセラミックスなどの絶縁物を多用する必要が無くなり,効率的に真空度を上げることができることとなる。また,スペーサにより,第1の電極がさらに強固に固定されるので,イオンポンプが稼動していても,第1の電極が振れて第2の電極と接触する事態を更に効果的に防止できる。
本発明の第1の側面の好ましい態様は,前記試料室(11)は,試料を搭載するための試料基板(31)を具備し,前記試料基板(41)は,複数種類の試料台(43)を搭載するための試料据付ステージ(42)を,試料室(11)の長手方向に一列に複数有する上記いずれかに記載の真空運搬システム(22)である。
このように複数種類の試料台(43)を搭載するための試料据付ステージ(42)を具備する試料基板(31)を有するので,真空チャンバによって試料台が異なっていても,運搬した試料を新しい真空チャンバ内で用いることが可能となる。
本発明の第1の側面の好ましい態様は,前記試料基板(41)は,前記複数種類の試料台(43)を重ねて配置するための試料台配置移送部と,前記試料台配置移送部により重ねて配置された複数の試料台(43)を固定するための固定機構と,を具備する上記いずれかに記載の真空運搬システム(22)である。
このように,試料台を重ねて設置できるので,様々な種類の真空チャンバに試料を運搬できることとなる。
本発明の第1の側面の好ましい態様は,試料室(11)が,試料基板(41)を駆動する駆動機構(51)を含む。そして,この駆動機構は,試料基板(41)を試料室(11)の内部から外部へ移動することができる。さらに,この駆動機構は,試料基板(41)を試料室(11)の外部から内部へ移動することもできる。この駆動機構(51)として,マグネットカップリング式の駆動機構が好ましい。
このように駆動機構を有するシステムは,試料基板を容易に試料室の内から外へ移動することができ,また,試料基板を容易に試料室の外から内へ移動することができる。
本発明によれば,持ち運び可能な真空運搬システムを提供することができる。
本発明によれば,様々な真空チャンバにおいて試料の受け渡しをすることができる持ち運び可能な真空運搬システムを提供することができる。
図1は,本発明において用いられるイオンポンプを説明するための概略図である。図1(a)は,ケーシングが第2の電極を兼ねるものの断面図を示す。図1(b)は,外面から,ケージング(1),円筒状磁石(4),第2の電極(3)が設けられるものの断面図を示す。図1(c)は,ケージングの形状が磁石を収容するための凹凸を有しており,その凹凸内に磁石が設置されるものの断面図を示す。 図2は,イオンポンプ内の第1の電極の状況を示す図である。 図3は,移動機構を有するイオンポンプの概念図である。 図4は,固定された外部磁石を有するイオンポンプにおいて,外部磁石による磁場を示す概念図である。 図5は,固定された外部磁石を有するイオンポンプにおいて,外部磁石による磁場の集中する箇所を示す概念図である。 図6は,移動機構を用いて磁石を移動した後の外部磁石による磁場を示す概念図である。 図7は,隣接する磁石間に磁性材料を含むイオンポンプにおける,外部磁石による磁場を示す概念図である。 図8は,本発明の真空運搬装置を説明するための概念図である。図8(a)は背面図を示し,図8(b)は側面図を示す。 図9は,実際に製造した真空運搬装置を示す図面に替わる写真である。 図10は,試料が搭載された試料基板の例を示す概念図である。図10(a)は,全ての試料据付ステージにそれぞれの試料台が搭載されたものを示し,図10(b)は試料台のひとつが他の試料台に搭載されたものの例を示す。図10(c)は,重ねられた試料台を固定した様子を示す。 図11は,移動機構の例を示す図である。図11(a)は,移動軸が縮小している状態を示し,図11(b)は移動軸が伸びた状態を示す。 図12は,マグネットカップリング式の駆動機構の例を示す図である。 図13は,試料基板を用いて試料を運搬する工程を説明するための概念図である。 図14は,収容ケースの例を示す,図面に代わる写真である。 図15は,本発明の真空運搬装置を示す図面に代わる写真である。 図16は,真空運搬装置を,収容ケース内に収容した例を示す図面に代わる写真である。 図17は,実施例における真空運搬システムを実際に持ち運ぶ際の例を示す図面に代わる写真である。
1 ケーシング
2 陽極
3 陰極
4 磁石
5 接続部
6 イオンポンプ
以下,本発明を実施するための最良の形態について説明する。本発明の真空運搬システムは,試料を収容するための試料室(11)と,前記試料室内を真空にするためのイオンポンプ(6)と,前記試料室及びイオンポンプを収容する収容ケース(21)と,を備えた持ち運び可能な真空運搬システム(22)である。
1 イオンポンプ
図1は,本発明のイオンポンプを説明するための概略図である。図1(a)は,ケーシングが第2の電極を兼ねるものの断面図を示す。図1(b)は,外面から,ケージング(1),円筒状磁石(4),第2の電極(3)が設けられるものの断面図を示す。図1(c)は,ケージングの形状が磁石を収容するための凹凸を有しており,その凹凸内に磁石が設置されるものの断面図を示す。図1に示されるように,本発明の第1の側面に係るイオンポンプは,ケーシング(1)と,第1の電極(2)と,第2の電極(3)と,円筒状磁石(4)と,接続部(5)とを具備するイオンポンプ(6)に関する。第1の電極(2)は,ケーシング(1)の内側に設けられる。第2の電極(3)は,ケーシング(1)の内壁に固定される。また,第2の電極(3)は,第1の電極(2)の外周に設置される。そして,第1の電極と第2の電極とは極性が異なる。すなわち,第1の電極と第2の電極の一方が陽極で残りが陰極である。円筒状磁石(4)は,第2の電極(3)の外周を囲うように設置される。この磁石は,ケーシング(1)の外に設けられても良い。接続部(5)は,ケーシング(1)を他の装置と接続するための機構である。
このイオンポンプは,第2の電極をケーシングの内壁に固定する。また,このイオンポンプは,第2の電極を第1の電極の外周に設置する。さらに,円筒状磁石(4)が,第2の電極(3)の外周を囲う。これにより,このイオンポンプは,3次元的な磁場を得ることができ,しかも小型化を達成できる。なお,好ましいイオンポンプは,ケーシングの内壁又はケーシングの側壁が第2の電極を兼ねるものである。なお,本発明のイオンポンプは,持ち運び可能なものであることが好ましい。このため,電源として,電池を用いたイオンポンプが好ましい。このイオンポンプは,電池からの直流電圧を,適宜変換器を用いて更に高圧の直流電圧又は交流電圧に変換して用いればよい。
本発明の好ましいイオンポンプは,ケーシング(1)が,円筒状である。そして,第1の電極(2)はケーシングの中心軸上に設けられる棒状電極であるか,又はケーシングと同心円状の円筒状の電極である。そして,第2の電極(3)はケーシングと同心円状の円筒状の電極である。また,円筒状磁石(4)はケーシングと同心円状の円筒状である。このように,同心円状に各要素が設置されるので,効率よくイオン等を発生させ気体を捕捉できる。以下,本発明のイオンポンプを構成する各要素について説明する。
ケーシング(1)
ケーシングは,イオンポンプの枠体である。この枠体内に,各種電極などが形成されていればよい。なお,磁石は通常ケーシング内に設けられるが,ケーシング外に設けられても構わない。なお,ケーシングの材質として,アルミニウム,チタン,又はステンレスなど公知のものを用いることができる。これらの中では,表面にチタンが蒸着されたアルミニウムが好ましい。表面にチタンが蒸着されたアルミニウムからなるケーシングは,ケーシング内壁そのものを第2の電極として用いることできる。このようにすることで,イオンポンプを軽くすることができるとともに,構造をシンプルにして,小さくすることもできる。もっとも,第2の電極とケーシングとが,たとえば,同心円状に設けられ,それらの隙間に複数の磁石が設けられるとともに,それら複数の磁石間に第2の電極とケーシングとを接続する第2の電極固定部が設けられてもよい。そのようにすることで,第2の電極を効果的にケーシングと固定することができる。
第1の電極(2)
第1の電極に用いられる材質として,公知のものを適宜採用することができる。第1の電極(2)はケーシングの中心軸上に設けられる棒状電極であるか,又はケーシングと同心円状の円筒状の電極であるものが好ましい。第1の電極は,たとえば,陽極であるが,陰極であっても構わない。また,第1の電極の極性を変えることができるような極性制御装置を具備するものは本発明の好ましい態様である。
図2は,イオンポンプ内の第1の電極の状況を示す図である。図2に示されるように,好ましいイオンポンプは,第1の電極(2)の一端がケーシング(1)に固定される。図2において,第1の電極の一端は,点線で示される領域においてケージング端面に固定されている。そして,第1の電極(2)のうち,ケーシングに固定される一端と逆側の領域には,スペーサ(8)が設けられる。スペーサを介して第1の電極がケーシングに固定される。第1の電極(2)をケーシングに固定するためのスペーサは,第1の電極のうちケーシングに固定されていない方の部分をケーシング又は第2の電極と固定するためのものである。これにより,第1の電極の先端が振れることを防止することができる。具体的なスペーサは,第1の電極をハブとした場合の車輪のスポークのように第1の電極から複数の線状のスペーサが第2の電極又はケーシングまで伸びるものがあげられる。
通常のイオンポンプでは,第2の電極と第1の電極とを絶縁するため,セラミックスなどが用いられる。本発明の好ましいイオンポンプは,第1の電極をケーシングに固定する。これにより,イオンポンプが稼働している際に外部から振動や衝撃が加えられた場合にも,第1の電極が振れて第2の電極と接触する事態を防止できる。そのため,このイオンポンプは,セラミックスなどの絶縁物を用いる必要が無くなり,効率的に真空度を上げることができることとなる。また,このイオンポンプは,スペーサにより,第1の電極がさらに強固に固定されるので,イオンポンプが稼動していても,第1の電極が振れて第2の電極と接触する事態を効果的に防止できる。
第2の電極(3)
第1の電極に用いられる材質として,公知のものを適宜採用することができる。第2の電極(3)は,ケーシングと同心円状の円筒状の電極であるものが好ましい。第2の電極は,第1の電極と極性が異なる。すなわち,第1の電極が陽極の場合,第2の電極は陰極である。
円筒状磁石(4)
本発明では円筒状磁石(4)として,ケーシングの中心軸方向に空間を空けて並んだ複数の円筒状磁石を用いる。本発明では,リング状の永久磁石を複数並べたものを用いることが好ましい。このリング状の永久磁石は,それぞれ同一の幅を有するものであることが好ましい。また,リング状の永久磁石は,等間隔に配置されることが好ましい。この態様のイオンポンプでは,ひとつの円筒状の磁石を用いるのではなく,複数個の円筒状磁石に分割し,所定のスペースをあけてそれらを設置するので,イオンポンプを軽くすることができるとともに,効率的な磁場を得ることができる。なお,永久磁石の代わりに電磁石を用いても良い。
本発明の第1の側面の好ましい態様は,図3に示されるように,複数の円筒状磁石を,ケーシング(1)の長手方向へ向けて移動する移動機構(14)をさらに有する,上記いずれかに記載のイオンポンプに関する。このような移動機構(14)を有することで,磁場の集中する部位を変化させることができるので,システムの劣化を防止できるとともに,システムの効率を上げることができる。なお,移動機構は,磁石の移動を手動で行うものであっても良い。
本発明の第1の側面の好ましい態様は,円筒状磁石が,ケーシング(1)から取り外しできるものに関する。このように円筒状磁石を取り除くことができるので,生産性が向上し,メンテナンスが容易になる。
図3は,移動機構を有するイオンポンプの概念図である。すなわち,この態様のイオンポンプは,磁場が強かった位置から磁場が弱かった位置へと磁石を移動させるための移動機構を有する。これにより,磁石を移動前の状態(4a)から移動後の状態(4b)へと磁石を移動させることができる。具体的には,複数の円筒状磁石を一体化させるとともに,一体化した複数の円筒状磁石がスライドできるように設置しておく。そして,複数の円筒状磁石にアクチュエータを接続する。アクチュエータは制御部に接続されている。そして,制御部が円筒状磁石を移動させるようアクチュエータに指令を出す。すると,アクチュエータは,円筒状の磁石を所定量動かす。このようにして,円筒状磁石を所定量動かすことができる。
図4は,固定された外部磁石を有するイオンポンプにおいて,外部磁石による磁場を示す概念図である。図中,磁場が符号21で示されている。図4に示されるように,外部磁石が固定された場合,磁場がケーシング内部のみならず,ケーシング外部へ漏れ出すことになる。
図5は,固定された外部磁石を有するイオンポンプにおいて,外部磁石による磁場の集中する箇所を示す概念図である。図5に示されるように,固定された外部磁石を有するイオンポンプでは,符号22で示される部位に磁場が集中する。すなわち,固定された外部磁石を有するイオンポンプでは,ゲッター面が集中しており,真空効率が早く低下する。また,ゲッター面が集中するため,このイオンポンプは,早く劣化するおそれがある。
図6は,移動機構を用いて磁石を移動した後の外部磁石による磁場を示す概念図である。図6に示されるように,移動機構を用いることで,磁場の集中する位置をずらすことができる。これにより,分子が付着していない面に分子を吸着することができ,吸着効率を上げることができる。移動機構の例は,先に説明したとおり,複数の円筒状磁石間を接続しておき,アクチュエータを用いて永久磁石に力を加え,複数の円筒状磁石の位置を変化させるものである。
本発明の第1の側面の好ましい態様は,複数の円筒状磁石は,隣接する円筒状磁石の面が同じ極性を有する面となるように構成される。そして,この態様のイオンポンプは,複数の円筒状磁石のうち隣接する磁石の間に,さらに磁性材料を含む。その磁性材料は,隣接する面から前記ケーシング(1)の中心軸方向へ向かう磁極が強くなるように配置される。このように隣接する磁石の間に磁性材料が置かれるので,磁束の空間分布を整え,電極方向への磁束進入を促進することができる。このような磁性材料として,永久磁石,電磁石,軟鉄,鉄,フェライトなど,磁束整流効果を有するものがあげられる。
図7は,隣接する磁石間に磁性材料を含むイオンポンプにおける,外部磁石による磁場を示す概念図である。図7は,磁性材料として磁石を用いたものの例である。図7に示されるように,このイオンポンプは,外部円筒状磁石(4)の間にさらに磁石を配置することで,ケーシング内に形成される磁場をより強化することができる。これにより,システムの効率を上げることができる。このような磁石間の磁石は,円筒状の磁石であってもよい。
たとえば,隣接する円筒状磁石(4)がN極を向け合って配置されているとする。この場合,円筒状磁石の間には,N極の磁場が形成される。この隣接した円筒状磁石の間であって,それらの磁石の上方に,新たな磁石を設置する。この円筒状磁石の間の磁石(24)は,下方向がN極を向くように設置される。このようにすることで,隣接する円筒状磁石(4)が形成するN極の磁場を強化することができる。この円筒状磁石の間の磁石も,円筒状又はリング状であることが好ましい。このリング状の磁石は,隣接する円筒状磁石の間に設けられ,かつ,円筒状磁石よりも直径が大きなものが好ましい。
接続部(5)
接続部(5)は,ケーシングを他の装置と接続するための部位である。「他の装置」として,真空チャンバや試料室などの真空状態にする対象があげられる。具体的な接続部(5)として,フランジがあげられる。
イオンポンプ(6)
イオンポンプの動作原理は公知である。イオンポンプの動作原理を,以下簡単に説明する。イオンポンプの第2の電極−第1の電極間に数kV程度の電圧を印加すると,第2の電極から一次電子が放出される。第2の電極から放射された一次電子は,第1の電極に引きつけられつつ,永久磁石から与えられる磁場の影響を受けるため,旋回して長い螺旋運動を描き,第1の電極に至る。この途中で,一時電子は中性のガス分子と電離衝突を起こして,多数の正イオンと二次電子を生成する。生成した二次電子は更に螺旋運動を行って,他のガス分子と衝突して正イオンと電子を生成する。そして,各イオンなどは電極に吸着される。
本発明の第1の側面に係るイオンポンプは,上記の構成のほか,イオンポンプに用いられる公知の構成を適宜採用することができる。たとえば,適宜,加熱装置や冷却装置などが取り付けられていてもよい。冷却装置により冷却を行うことで,ガスの補修効率を向上させることができる。一方,加熱装置で各電極を加熱することで,真空状態を維持することにより電極に捕捉されたガスを放出することができる。
2 真空運搬装置
図8は,本発明の真空運搬装置を説明するための概念図である。図8(a)は背面図を示し,図8(b)は側面図を示す。図8に示されるように,本発明の第2の側面に係る真空運搬装置(33)は,試料室(31)と,イオンポンプ(6)とを含む。試料室(31)は,試料を出し入れするとともに,他の装置と接続可能なゲート部(34)と,イオンポンプと接続するための接続部(35)を含む。そして,イオンポンプ(6)として,先に説明したイオンポンプを適宜利用することができる。なお,図中符号36は電源(電池)を示し,符号37はビューポートを示す。
この真空運搬装置を用いれば,試料室に収容した試料を真空環境におきつつ運搬できることとなる。すなわち,「持ち運び可能な真空運搬装置」とは,イオンポンプを稼動させた状態のまま,移動させることができる運搬装置を意味する。なお,真空運搬装置におけるイオンポンプとして,先に説明したイオンポンプ及びこれらから自明なイオンポンプを適宜用いることができる。このような効率的で小型なイオンポンプを用いることで,本発明の真空運搬装置は,軽量化できる。
試料室(31)には,たとえば試料台が設けられ,試料が固定されている。また,試料は,移動できるようにされていても良い。そして,その試料のおかれる雰囲気が,イオンポンプにより真空状態に維持される。試料室は,真空チャンバなどがあげられる。ゲート部(34)の例としては,ゲートバルブがあげられる。これにより,真空状態を維持することや,試料室を開閉することができ,また試料室内の真空状態を維持したまま他の真空装置と接続することができる。接続部(35)は,試料室内の真空状態を維持しつつイオンポンプと接続できるものであれば特に限定されない。電源(36)として,公知の電池を適宜用いることができる。ビューポート(37)は,任意のものである。ビューポートによりチャンバ内の様子を見ることができる。また,ビューポート(37)を用いて観察実験を行うことができる。さらに,フィードスルー(電流導入端子)を設置することで,抵抗測定を行うことができ,またサンプルを加熱できる。
なお,特に図示しないが,リング状の磁石の間に管口を設け,その管口と他の真空チャンバなどの真空にする対象系とを接続し,それら複数の対象系を真空状態に維持するものであってもよい。このような構成を採用することで,複数の対象を容易に真空に維持できることとなる。特に,超高真空に維持する必要のない複数の対象系を運搬する際に,効果的にこのようなシステムを用いることができることとなる。
図9は,試料基板の例を示す概念図である。図9に示されるように,好ましい試料基板(41)は,試料据付ステージ(42)を,試料室(11)の長手方向に一列に複数有する。試料据付ステージ(42a,42b,42c)は,試料台を搭載するためのものである。図9に示されるように,たとえば,試料据付ステージ(42)は,試料台の形状に合わせた窪みによって形成することができる。すると,試料据付ステージ(42)に対応する試料台が,試料据付ステージ(42)上に置かれると,その窪みにはまる。このようにして,試料台が固定される。これにより,試料を運搬する際に,試料台が移動する事態を効果的に防止できる。
このように複数種類の試料台を搭載するための試料据付ステージ(42)を具備する試料基板(31)を有するので,真空チャンバによって試料台が異なっていても,運搬した試料を新しい真空チャンバ内で用いることができる。
図10は,試料が搭載された試料基板の例を示す概念図である。図10(a)は,全ての試料据付ステージにそれぞれの試料台が搭載されたものを示し,図10(b)は試料台のひとつが他の試料台に搭載されたものの例を示す。図10(c)は,重ねられた試料台を固定した様子を示す。図10に示されるように,本発明の好ましい態様は,試料基板(41)が,試料据付ステージ(42)を,試料室(11)の長手方向に一列に複数有する。
このように複数種類の試料台(43)を搭載するための試料据付ステージ(42)を具備する試料基板(41)を有するので,真空チャンバによって試料台が異なっていても,運搬した試料を新しい真空チャンバ内で用いることができることとなる。
本発明の好ましい態様は,試料室が,試料台配置移送部と,固定機構とを含むものである。試料台配置移送部は,複数種類の試料台(43)を重ねて配置するための機構を含む。そして,固定機構は,試料台配置移送部により重ねて配置された複数の試料台(43)を固定するための機構を含む。たとえば,試料室は,その天井部分にレールが設けられている。そして,試料台配置移送部は,レールに沿って移動できる。試料台配置移送部は,昇降機構(44)を含む。昇降機構は,たとえば,2本の伸縮できるアームを含む。そして,2本のアームの先端には,横方向に移動できる把持部(45)が設けられている。または,2本のアームの先端には,下方に移動できる把持部(45)が設けられている。そして,昇降機構は,把持部を天井から試料台へ移動できる。また,昇降機構は,把持部を試料台の位置から天井付近へ移動できる。
ある試料台Aを他の試料台Bに搭載する場合は,たとえば,以下のようにすればよい。まず,試料台配置移送部が,試料台Aの上部に移動する。そして,試料台配置移送部の昇降機構が,試料台Aへ向けて下へ移動する。昇降機構の2本のアームが試料台Aの側面まで移動する。その後,2本のアームのそれぞれから,試料台Aへ向けて把持部が出される。2つの把持部は,試料台Aを把持する。昇降機構は,試料台Aを把持した状態で,上方へ移動する。試料台配置移送部は,試料台Aを把持したまま,レールに沿って移動する。試料台配置移送部が,試料台Bの上方へ移動する。その後,試料台配置移送部は,昇降機構を試料台Bへ向けて下のほうへ移動させる。昇降機構は,試料台Bの上方へ試料台Aを搭載する。昇降機構は,把持部を試料台Aから外す。そして,昇降機構は,天井付近へ移動する。
図10(c)は,重ねられた試料台を固定した様子を示す。すなわち,本発明の好ましい態様は,重ねられた試料台を固定するものである。具体的には,昇降機構(44)が,試料台Bの上方へ試料台Aを搭載した後に,把持部(45)が試料台A又は試料台Bを押さえればよい。たとえば,一端天井付近へ移動した昇降機構が,2本のアームの間隔を試料台Aの幅より広く,試料台Bの幅より狭く調整する。この状態で,昇降機構が,試料台Bへ向けて下方へ移動する。そして,試料台Bの付近まで昇降機構が下がる。この後,昇降機構から把持部(45)が下の方へ出される。この把持部は,試料台Bを上方から押し付ける。このようにして,試料台Bを固定できる。なお,アームの間隔を試料台Aより狭くすることで,試料台Aを上から押し付けることもできる。さらに,昇降機構自体が,試料台A又は試料台Bを押し付けるようにしてもよい。このようにして,重ねられた試料台を固定できる。なお,この固定機構は,重ねられた試料台だけではなく,各試料台を固定するために用いられても良い。
このように,試料台を重ねて設置できるので,様々な種類の真空チャンバに試料を運搬できる。
図11は,移動機構の例を示す図である。すなわち,本発明の好ましい態様は,試料室(11)が,試料基板(41)を駆動する駆動機構(51)を含む。駆動機構は,真空系において,試料基板を移動できるものであれば,特に限定されない。そして,この駆動機構は,試料基板(41)を試料室(11)の内部から外部へ移動することができる。さらに,この駆動機構は,試料基板(41)を試料室(11)の外部から内部へ移動することもできる。
図11に示される駆動機構(51)は,伸縮できる移動軸(52)が,試料基板(41)に取り付けられている。図11(a)は,移動軸が縮小している状態を示し,図11(b)は移動軸が伸びた状態を示す。駆動機構として,この移動軸(52)自体が,何らかのアクチュエータにより駆動されてもよい。この場合,アクチュエータに伸縮するよう指令を送ることで,試料基板を移動できる。また,図11に示されるように,移動軸(52)を中心として,折れ曲がった足(53,54)が設けられたものであっても良い。この足(53,54)を伸ばすことで,移動軸(52)を伸ばすことができる。これにより,試料基板(41)を移動することができる。なお,上記とは別の駆動機構(51)として,マグネットカップリング式の駆動機構が好ましい。マグネットカップリング式の駆動機構として,公知のものを適宜採用できる。
図12は,マグネットカップリング式の駆動機構の例を示す図である。この駆動機構(51)は,ロッド(61),チューブ(62),内部移動体(63),及び外部移動体(64)を含む。そして,ロッド(61)は,試料基板(41)へ動力を伝えることができるように,試料基板(41)と接続されている。なお,ロッド(61)は,試料基板と直接接続されても良い。また,ロッド(61)は,軸を介して試料基板と接続されても良い。図12に示されるように,内部移動体(63)は,マグネット(65)とヨーク(66)とを交互に積層した本体部(67)を有する。内部移動体の外径は,チューブの内径よりわずかに小さい。一方,外部移動体(64)は,マグネット(68)とヨーク(69)とを交互に積層した本体部(70)を有する。外部移動体の内径は,チューブの外径よりわずかに大きい。外部移動体は,アクチュエータ(71)と接続されている。そして,アクチュエータ(71)が駆動信号を受けると,外部移動体(64)は,チューブの外周面にそって移動する。すると,内部移動体(63)も移動する。内部移動体(63)が移動すると,ロッドが移動する。ロッドが移動すると,試料基板が移動する。このようにアクチュエータ(71)を駆動することで,試料基板を移動させることができる。
図13は,試料基板を用いて試料を運搬する工程を説明するための概念図である。図13では,真空チャンバAで加工された試料を,別の真空チャンバBへと輸送する例を示す。そして,真空チャンバAに用いられる試料台(43b)と,真空チャンバBに用いられる試料台(43a)とは異なっている。
まず,試料室(11)のゲートバルブが開かれており,真空チャンバAと試料室(11)とは,同一の雰囲気に置かれている。もっとも,ゲートバルブが閉じられていて,真空チャンバAと試料室(11)とは,別の真空系とされてもよい。
真空チャンバA内の試料台(43b)上で試料に所定の加工が施される。その試料は,試料台(43b)とともに真空チャンバA内で試料基板(41)の試料据付ステージ(42)へと移送される。この際の試料据付ステージ(42)は,試料台(43b)にフィットしたものであり,他の場所へ真空運搬システムを輸送する間中,試料台は固定されている。次に,試料は,試料台(43b)とともに,別の試料台(43a)上へ搭載される。
試料室(11)のゲートバルブが閉じられている場合は,ゲートバルブを開ける。そして,試料基板(41)を,試料室(11)へと移動する。その後,試料室(11)のゲートバルブを閉じる。その後,真空チャンバAと試料室(11)とを分離する。分離された試料室(11)はイオンポンプで真空を保ちつつ,収容ケースに収容され,チャンバBが存在する別の箇所へと輸送される。
チャンバB内を超高真空状態としたのち,試料室(11)と真空チャンバBとを接続する。その後,試料室(11)のゲートバルブを開く。これにより,試料室(11)と真空チャンバBとを開通させる。そして,試料基板(41)を真空チャンバB内へ移送する。その後,試料基板(41)から,試料台(43a)を移送して,試料台(43a)上の試料に適宜加工を施す。
3 収容ケース
図14は,収容ケースの例を示す,図面に代わる写真である。図14に示されるように,収容ケース(21)は,収容ケースの枠体(23)と,前記枠体内部に設けられ,前記試料室及び前記イオンポンプの形状に相当する空隙が設けられ,前記空隙に前記試料室及び前記イオンポンプを設置できる収容部(24)と,を具備する。
収容ケースの枠体(23)
収容ケースの枠体(23)として,公知の枠体を適宜採用できる。本発明の真空運搬システムは,空輸などにより長距離の輸送を行うことが好ましいため,枠体として,アルミニウム,ジュラルミンなどのものがあげられる。枠体の大きさは,航空機に手荷物として持ち運ぶことができる程度の大きさが好ましい。
収容部
収容部は,前記試料室及び前記イオンポンプの形状に相当する空隙が設けられ,前記空隙に前記試料室及び前記イオンポンプを設置できるものであれば特に限定されない。
本発明のイオンポンプおよび真空運搬装置のプロトタイプを製造した。図15は,本発明の真空運搬装置を示す図面に代わる写真である。
このイオンポンプでは,陰極を兼ねるケーシングの外周にリング状の永久磁石が5個等間隔で設置されている。この真空運搬装置では,酸化アルミニウム膜を有するアルミニウムで枠体を形成した。また,別の真空運搬装置として,酸化チタン膜を有するチタンで枠体を形成した。ゲートバルブとして,1.42”ルーティングポートを有する2.75”ゲートバルブを用いた。サンプルロックとして,ベローを有するアップダウンクランプを用いた。電源は電池を用いた。また,試料室内の真空度を測定するための真空計を設置した。
この真空運搬装置は,試料として,最大直径35mmのものを設置できた。また,内部圧力は1×10−6Pa以下の高真空を達成できた。連続して真空を維持しても15時間の連続稼動を維持できた。全重量は10kg程度であった。
図16は,真空運搬装置を,収容ケース内に収容した例を示す図面に代わる写真である。図16に示されるように,収容ケースには前記試料室及び前記イオンポンプの形状に相当する空隙が設けられるので,前記試料室及び前記イオンポンプを収容することができ,しかも輸送中の揺れを少なくすることができる。なお,収容部に衝撃吸収ゲル層を設け,空隙部を取り囲むなど,揺れを防止する手段を適宜用いてもよい。
図17は,実施例における真空運搬システムを実際に持ち運ぶ際の例を示す図面に代わる写真である。図17に示されるとおり,手荷物として運搬できる程度の重量と大きさを有する真空運搬システムを得ることができた。
本発明のイオンポンプおよび真空運搬装置は,小型でかつ軽量なので,真空装置産業において好適に利用されうる。
本発明の真空運搬システムは,実験サンプルや試料などを真空状態を維持したまま運搬できるので,運送業においても好適に利用できる。
【0005】
電圧又は交流電圧に変換して用いればよい。
[0018]
本発明において,円筒状磁石(4)は,ケーシングの中心軸方向に空間を空けて並んだ複数の円筒状磁石であることが好ましい。
[0019]
磁石は一般に重量が大きい。この態様のイオンポンプでは,ひとつの円筒状の磁石を用いるのではなく,複数個の円筒状磁石に分割し,所定のスペースをあけてそれらを設置する。これにより,イオンポンプを軽くすることができるとともに,効率的な磁場を得ることができる。さらには形状加工に手間のかかる大型磁石ではなく,形状加工の容易な小型磁石を複数用いることにより,ポンプケーシングの形状や大きさに対する加工上の困難さが大きく改善される。
[0020]
本発明の第1の側面の好ましい態様は,磁石の移動機構を有するものである。移動機構(14)は,複数の円筒状磁石を,ケーシング(1)の長手方向へ向けて移動する。このような移動機構(14)を有することで,磁場の集中する部位を変化させることができる。これにより,システムの劣化を防止できるとともに,システムの効率を上げることができる。この構成は,先に説明したいずれのイオンポンプにおいても採用できる。なお,移動機構は,磁石の移動を手動で行うものであっても良い。
[0021]
本発明の第1の側面の好ましい態様は,円筒状磁石が,ケーシング(1)から取り外しできるものに関する。このように円筒状磁石を取り除くことができるので,生産性が向上し,メンテナンスが容易になる。
[0022]
本発明の第1の側面の好ましい態様は,複数の円筒状磁石は,隣接する円筒状磁石の面が同じ極性を有する面となるように構成される。隣接する磁石の間には,さらに磁性材料挿入される場合も含む。この磁性材料は,隣接する面からケーシング(1)の中心軸方向へ向かう磁場が強くなるように配置される。このように隣接する磁石の間に磁性材料が置かれるので,磁束の空間分布を整え,電極方向への磁束進入を促進することができる。このような磁性材料として,永久磁石,電磁石,軟鉄,鉄,フェライトなど,磁束整流効果を有するものがあげられる。この構成は,先に説明したいずれのイオン
【0007】
ためセラミックスなどの絶縁物を多用する必要が無くなり,効率的に真空度を上げることができることとなる。
[0029]
本発明の第1の側面の好ましい態様は,第1の電極(2)の一端がケーシングに固定される。そして,ケーシングに固定された一端と逆側の領域には,スペーサ(8)が設けられる。スペーサは,第1の電極(2)をケーシングに固定する。この構成は,先に説明したいずれのイオンポンプにおいても採用できる。
[0030]
通常のイオンポンプなどでは,第2の電極と第1の電極とを絶縁するため,セラミックスなどが絶縁物として多く用いられる。この態様のイオンポンプでは,第1の電極をケーシングに固定するので,イオンポンプを稼動している際にも,第1の電極が振れて第2の電極と接触する事態を効果的に防止できる。そのためセラミックスなどの絶縁物を多用する必要が無くなり,効率的に真空度を上げることができることとなる。また,スペーサにより,第1の電極がさらに強固に固定されるので,イオンポンプが稼動していても,第1の電極が振れて第2の電極と接触する事態を更に効果的に防止できる。
[0031]
本発明の第1の側面の好ましい態様は,前記試料室(11)は,試料を搭載するための試料基板(41)を具備し,前記試料基板(41)は,複数種類の試料台(43)を搭載するための試料据付ステージ(42)を,試料室(11)の長手方向に一列に複数有する上記いずれかに記載の真空運搬システム(22)である。
[0032]
このように複数種類の試料台(43)を搭載するための試料据付ステージ(42)を具備する試料基板(41)を有するので,真空チャンバによって試料台が異なっていても,運搬した試料を新しい真空チャンバ内で用いることが可能となる。
[0033]
本発明の第1の側面の好ましい態様は,前記試料基板(41)は,前記複数種類の試料台(43)を重ねて配置するための試料台配置移送部と,前記試料台配置移送部により重ねて配置された複数の試料台(43)を固定するための固定機構と,を具備する上記いずれかに記載の真空運搬システム(22
【0015】
に磁性材料を含む。その磁性材料は,隣接する面から前記ケーシング(1)の中心軸方向へ向かう磁場が強くなるように配置される。このように隣接する磁石の間に磁性材料が置かれるので,磁束の空間分布を整え,電極方向への磁束進入を促進することができる。このような磁性材料として,永久磁石,電磁石,軟鉄,鉄,フェライトなど,磁束整流効果を有するものがあげられる。
[0058]
図7は,隣接する磁石間に磁性材料を含むイオンポンプにおける,外部磁石による磁場を示す概念図である。図7は,磁性材料として磁石を用いたものの例である。図7に示されるように,このイオンポンプは,外部円筒状磁石(4)の間にさらに磁石を配置することで,ケーシング内に形成される磁場をより強化することができる。これにより,システムの効率を上げることができる。このような磁石間の磁石は,円筒状の磁石であってもよい。
[0059]
たとえば,隣接する円筒状磁石(4)がN極を向け合って配置されているとする。この場合,円筒状磁石の間には,N極の磁場が形成される。この隣接した円筒状磁石の間であって,それらの磁石の上方に,新たな磁石を設置する。この円筒状磁石の間の磁石(24)は,下方向がN極を向くように設置される。このようにすることで,隣接する円筒状磁石(4)が形成するN極の磁場を強化することができる。この円筒状磁石の間の磁石も,円筒状又はリング状であることが好ましい。このリング状の磁石は,隣接する円筒状磁石の間に設けられ,かつ,円筒状磁石よりも直径が大きなものが好ましい。
[0060]
接続部(5)
接続部(5)は,ケーシングを他の装置と接続するための部位である。「他の装置」として,真空チャンバや試料室などの真空状態にする対象があげられる。具体的な接続部(5)として,フランジがあげられる。
[0061]
イオンポンプ(6)
イオンポンプの動作原理は公知である。イオンポンプの動作原理を,以下簡単に説明する。イオンポンプの第2の電極−第1の電極間に数kV程度の
【0018】
が移動する事態を効果的に防止できる。
[0068]
このように複数種類の試料台を搭載するための試料据付ステージ(42)を具備する試料基板(41)を有するので,真空チャンバによって試料台が異なっていても,運搬した試料を新しい真空チャンバ内で用いることができる。
[0069]
図10は,試料が搭載された試料基板の例を示す概念図である。図10(a)は,全ての試料据付ステージにそれぞれの試料台が搭載されたものを示し,図10(b)は試料台のひとつが他の試料台に搭載されたものの例を示す。図10(c)は,重ねられた試料台を固定した様子を示す。図10に示されるように,本発明の好ましい態様は,試料基板(41)が,試料据付ステージ(42)を,試料室(11)の長手方向に一列に複数有する。
[0070]
このように複数種類の試料台(43)を搭載するための試料据付ステージ(42)を具備する試料基板(41)を有するので,真空チャンバによって試料台が異なっていても,運搬した試料を新しい真空チャンバ内で用いることができることとなる。
[0071]
本発明の好ましい態様は,試料室が,試料台配置移送部と,固定機構とを含むものである。試料台配置移送部は,複数種類の試料台(43)を重ねて配置するための機構を含む。そして,固定機構は,試料台配置移送部により重ねて配置された複数の試料台(43)を固定するための機構を含む。たとえば,試料室は,その天井部分にレールが設けられている。そして,試料台配置移送部は,レールに沿って移動できる。試料台配置移送部は,昇降機構(44)を含む。昇降機構は,たとえば,2本の伸縮できるアームを含む。そして,2本のアームの先端には,横方向に移動できる把持部(45)が設けられている。または,2本のアームの先端には,下方に移動できる把持部(45)が設けられている。そして,昇降機構は,把持部を天井から試料台へ移動できる。また,昇降機構は,把持部を試料台の位置から天井付近へ移動できる。
[0072]
ある試料台Aを他の試料台Bに搭載する場合は,たとえば,以下のように

Claims (16)

  1. 試料を収容するための試料室(11)と,前記試料室(11)の内部を真空にするためのイオンポンプ(6)とを含む,持ち運びできる真空運搬システム(22)であって,

    前記試料室(11)は,
    他の装置と接続するためのゲート部(14)と,
    前記イオンポンプ(6)と接続するための,イオンポンプとの接続部(15)とを含み,

    前記イオンポンプ(6)は,
    ケーシング(1)と,
    前記ケーシング(1)の内部に設けられる第1の電極(2)と,
    前記ケーシング(1)の内壁に固定され,前記第1の電極(2)の外周に設置される第2の電極(3)であって,前記第1の電極(2)と前記第2の電極とは極性が異なるものと,
    前記第2の電極(3)の外周を囲うように設置される磁石(4)と,
    前記ケーシング(1)を他の装置と接続するための接続部(5)と,
    を含む,

    真空運搬システム。
  2. 請求項1に記載の真空運搬システム(22)であって,
    前記試料室(11)及び前記イオンポンプ(6)を収容する収容ケース(21)をさらに含み,

    前記収容ケース(21)は,
    収容ケースの枠体(23)と,
    前記枠体内部に設けられた収容部(24)であって,前記試料室及び前記イオンポンプの形状に相当する空隙を含み,前記空隙に前記試料室及び前記イオンポンプを設置できる,
    システム。
  3. 請求項1に記載の真空運搬システム(22)であって,

    前記磁石(4)は,
    前記第2の電極(3)の外周を囲うように設置される複数の円筒状磁石(4)であって,前記ケーシング(1)の中心軸方向に空間を空けて並んだものである,
    システム。
  4. 請求項3に記載の真空運搬システム(22)であって,
    前記複数の円筒状磁石を移動するための移動機構(14)をさらに含み,
    前記移動機構(14)は,前記複数の円筒状磁石を前記ケーシング(1)の長手方向へ向けて移動させる,
    システム。
  5. 請求項4に記載の真空運搬システム(22)であって,
    前記円筒状磁石(4)は,前記ケーシング(1)から取り外しできる,
    システム。
  6. 請求項3に記載の真空運搬システム(22)であって,
    前記複数の円筒状磁石は,
    隣接する円筒状磁石の面が同じ極性を有する面となるように構成される,
    システム。
  7. 請求項6に記載の真空運搬システム(22)であって,
    前記複数の円筒状磁石のうち隣接する磁石の間に,さらに磁性材料を含み,
    前記磁性材料は,前記隣接する面から前記ケーシング(1)の中心軸方向へ向かう磁極が強くなるように配置される,
    システム。
  8. 請求項3に記載の真空運搬システム(22)であって,
    前記ケーシング(1)は,前記第2の電極(3)である,システム。
  9. 請求項3に記載の真空運搬システム(22)であって,
    前記ケーシング(1)は,表面にチタンが蒸着されたアルミニウムからなり,前記第2の電極(3)として機能する,システム。
  10. 請求項3に記載の真空運搬システム(22)であって,
    前記ケーシング(1)は,円筒状であり,
    前記第1の電極(2)は,前記ケーシング(1)の中心軸上に設けられる棒状電極であるか,又は前記ケーシング(1)と同心円状の円筒状の電極であり,
    前記第2の電極(3)は,前記ケーシング(1)と同心円状の円筒状の電極であり,
    前記円筒状磁石(4)は,前記ケーシング(1)と同心円状の円筒状である,
    システム。
  11. 請求項3に記載の真空運搬システム(22)であって,
    前記第1の電極(2)は,その一端がケーシング(1)に固定される,
    システム。
  12. 請求項3に記載の真空運搬システム(22)であって,
    前記第1の電極(2)は,その一端がケーシング(1)に固定され,ケーシング(1)に固定される一端と逆側の領域には,前記第1の電極(2)を前記ケーシング(1)に固定するためのスペーサ(8)が設けられる,
    システム。
  13. 請求項1に記載の真空運搬システム(22)であって,
    前記試料室(11)は,試料を搭載するための試料基板(41)を具備し,
    前記試料基板(41)は,複数種類の試料台(43)を搭載するための試料据付ステージ(42)を,試料室(11)の長手方向に一列に複数有する,
    システム。
  14. 請求項1に記載の真空運搬システム(22)であって,
    前記試料室(11)は,
    前記複数種類の試料台(43)を重ねて配置するための試料台配置移送部と,
    前記試料台配置移送部により重ねて配置された複数の試料台(43)を固定するための固定機構と,
    を具備する,
    システム。
  15. 請求項1に記載の真空運搬システム(22)であって,
    前記試料室(11)は,
    前記試料基板(41)を駆動する駆動機構(51)を有し,

    前記駆動機構は,前記試料基板(41)を前記試料室(11)の内部から外部へ移動するとともに,前記試料基板(41)を前記試料室(11)の外部から内部へ移動することができる,
    システム。
  16. 前記駆動機構(51)は,
    マグネットカップリング式の駆動機構である,
    請求項15に記載のシステム。
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