JP2020095774A - 空芯型サイクロトロン - Google Patents

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Abstract

【課題】内部のメンテナンス性の向上を図ることが可能な空芯型サイクロトロンを提供する。【解決手段】空芯型サイクロトロン1は、中心軸線Cの周りを巻回し、中心軸線Cの沿った軸方向において対向して配置され、荷電粒子を加速するための磁場を発生させる一対のメインコイル10と、軸方向に交差する径方向においてメインコイル10の内側に配置され、中心軸線C周りの周方向において強弱のある磁場を形成するセクターコイル20と、荷電粒子を加速させる電場を形成するRF電極(加速電極)70と、一対のメインコイル10を収容する第1真空容器30と、セクターコイル20を収容する第2真空容器40と、RF電極(加速電極)70を収容する第3真空容器90と、を備え、第1真空容器30と第2真空容器40とは互いに分離されている。【選択図】図1

Description

本発明は、空芯型サイクロトロンに関する。
荷電粒子を加速して荷電粒子線を出射するサイクロトロンとして、例えば特許文献1に記載されているような空芯型サイクロトロンが知られている。この空芯型サイクロトロンは、鉄芯を用いずにコイルで磁場を生成するものであり、一対のメインコイルユニット、及びその内部に収まる一対のスパイラルセクターコイルユニットを含むコイルシステムと、荷電粒子の所定の周回周期(回転周波数)に同期して加速用のインパルス磁場を付与する加速電極と、を有している。コイルシステム及び加速電極はカバーの内部に配置されており、カバーの内部は真空ポンプによって真空状態となる。
特開2011−258427号公報
特許文献1に記載の空芯型サイクロトロンにおいては、一対のメインコイルと一対のセクターコイル(スパイラルセクターコイルユニット)と加速電極とが1つの真空容器(カバー)内に共に配置されている。しかしながら、このようなスパイラルセクターコイルユニット及び加速電極が1つの真空容器内に共に配置された一体構造においては、加速電極のメンテナンスを行う際には、真空容器の内部全体を大気開放する必要がある。そして、メンテナンスが完了した後には、真空容器の内部を真空引きするだけでなく、大気開放された際に大気に触れることで昇温したスパイラスセクターコイルユニットを冷却する必要がある。スパイラルセクターコイルユニットが超伝導状態となるまで冷却を行うには数日又は数週間もの長い日数を要し、その間は空芯型サイクロトロンを稼働させることができなくなってしまう。したがって、空芯型サイクロトロン内部のメンテナンス性を向上させ、空芯型サイクロトロンの稼働効率の向上を図ることが要請されている。
本発明は、このような課題を解決するためになされたものであり、内部のメンテナンス性を向上させ、稼働効率の向上を図ることが可能な空芯型サイクロトロンを提供することを目的とする。
上記の課題を解決するために、本発明の一形態に係る空芯型サイクロトロンは、中心軸線の周りを巻回し、中心軸線に沿った軸方向において対向して配置され、荷電粒子を加速するための磁場を発生させる一対のメインコイルと、軸方向に交差する径方向においてメインコイルの内側に配置され、中心軸線周りの周方向において強弱のある磁場を形成するセクターコイルと、荷電粒子を加速させる電場を形成する加速電極と、一対のメインコイルを収容する第1真空容器と、セクターコイルを収容する第2真空容器と、加速電極を収容する第3真空容器と、を備え、第1真空容器と第2真空容器とは互いに分離されている。
本発明の一形態に係る空芯型サイクロトロンにおいては、一対のメインコイルを収容する第1真空容器と、セクターコイルを収容する第2真空容器とを備えており、第1真空容器と第2真空容器とは互いに分離されている。これにより、第1真空容器又は第2真空容器の一方を移動させることにより、第1真空容器及び第2真空容器の真空状態を保ったまま、第3真空容器の内部へ容易にアクセスすることができる。したがって、空芯型サイクロトロン内部のメンテナンス性を向上させ、稼働効率の向上を図ることができる。
一形態においては、第1真空容器及び第2真空容器の組み合わせにより、第3真空容器が形成されていてもよい。この構成によれば、加速空間用の第3真空容器を別途設ける必要がないので、空芯型サイクロトロンの構造を簡略化することができる。
一形態においては、第1真空容器に、第2真空容器の位置決めを行うための位置決め部が設けられていてもよい。この構成によれば、第1真空容器と第2真空容器との位置決めを容易に行うことができる。
本発明によれば、内部のメンテナンス性を向上させ、稼働効率の向上を図ることが可能な空芯型サイクロトロンが提供される。
本発明の一実施形態に係る空芯型サイクロトロンの一部を概略的に示す断面図である。 図1に示される空芯型サイクロトロンのメンテナンス方法を説明するための図である。 メインコイルの支持構造の変形例を概略的に示す図である。 位置決め部の変形例を概略的に示す図である。
以下、図面を参照して種々の実施形態について詳細に説明する。なお、各図面において同一又は相当の部分に対しては同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
図1を参照して、本発明の一実施形態に係る空芯型サイクロトロンについて説明する。空芯型サイクロトロンは、鉄芯を用いずにコイルによって荷電粒子を加速する磁場を発生させるサイクロトロンである。図1は、本発明の一実施形態に係る空芯型サイクロトロンの一部を概略的に示す断面図である。なお、図1に示される空芯型サイクロトロン1は、中心軸線Cに対して対称であるので、図1においては一方側の構造のみ示し、他方側の構造は省略している。なお、本明細書中では、「軸方向」、「径方向」、及び「周方向」を用いて説明する場合がある。ここで、「軸方向」とは、中心軸線Cに沿った方向である。「径方向」とは、中心軸線Cに交差(直交)する方向である。「周方向」とは、中心軸線C周りの方向である。また、「軸方向において内側」とは、RF電極70(後述)に近い側を示し、「軸方向において外側」とは、RF電極70から遠い側を示すものとする。さらに、「径方向の内側」とは、中心軸線Cに近い側を示し、「径方向の外側」とは、中心軸線から遠い側を示すものとする。空芯型サイクロトロン1は、イオン源装置にて生成された荷電粒子を加速して荷電粒子線を出射する加速器である。空芯型サイクロトロン1は、例えば荷電粒子線治療用、又はRI製造用の加速器として用いられる。
図1に示されるように、空芯型サイクロトロン1は、中心軸線Cの周りを巻回し、荷電粒子を加速するための磁場を発生させる一対のメインコイル10(メインコイル10A,10B)と、セクターコイル20と、一対のメインコイル10を収容する第1真空容器30と、セクターコイル20を収容する第2真空容器40と、第1真空容器30内に配置され、一対のメインコイル10の双方を支持するメインコイル支持部材11と、を備えている。また、空芯型サイクロトロン1は、一対のセンターコイル50(センターコイル50A,50B)と、負イオン等の荷電粒子を生成するイオン源装置60と、RF電極(加速電極)70と、アース板80と、第3真空容器90と、を有している。空芯型サイクロトロン1においては、第1真空容器30及び第2真空容器40の組み合わせにより荷電粒子が加速される加速空間G用の第3真空容器90が形成されている。
一対のメインコイル10A,10Bは第1真空容器30内に収容され、中心軸線Cに沿った軸方向において互いに対向して配置されている。メインコイル10A,10Bは、中心軸線Cを中心とした円環状の超伝導コイルである。メインコイル10A,10Bは、電源装置(不図示)から電力が供給されることにより、荷電粒子を加速するための等時性を有する磁場を加速空間Gに発生させる。なお、ここで「等時性」とは、円周軌道の半径の大きさに関係なく一周にかかる時間が等しいことである。このような等時性を有する磁場を形成することにより、荷電粒子を継続的に加速することが可能である。メインコイル10A,10Bの巻き線部分は、超伝導線材によって構成されている。超伝導線材としては、例えば、酸化物超伝導体(例えばBi2223、Bi2212、Y123)、MgB等の高温超伝導線材を用いることができる。なお、超伝導線材として低温超伝導線材を用いてもよい。
メインコイル10Aとメインコイル10Bとの間には、メインコイル支持部材11が設けられている。メインコイル支持部材11は、メインコイル10A,10Bが互いに引き合うように作用する電磁力に抗するための部材であり、第1真空容器30内に設けられている。メインコイル支持部材11は、例えばSUS等の金属材料によって構成されている。
一対のメインコイル10A,10Bは、荷重支持体12によって第1真空容器30内において支持されている。荷重支持体12は、中心軸線Cに沿った軸方向における荷重を支持する荷重支持体12A、軸方向における荷重を支持する荷重支持体12B、及び径方向における荷重を支持する荷重支持体12Cを含む。荷重支持体12A及び荷重支持体12Bは、軸方向におけるメインコイル10の両端側に配置されている。より具体的には、荷重支持体12Aは、軸方向においてメインコイル10Aと第1真空容器30との間に配置されている。荷重支持体12Bは、軸方向においてメインコイル10Aと第1真空容器30との間に配置されている。荷重支持体12A,12Bは、例えば円筒状の部材であり、メインコイル10の周方向に沿って延びるように設けられている。また、荷重支持体12A,12Bは、円柱状部材であってもよい。この場合、荷重支持体12A,12Bは、周方向沿って互いに離間するように複数設けられる。荷重支持体12Cは、径方向において、メインコイル支持部材11の外側と第1真空容器30との間に配置されている。荷重支持体12Cは、例えばストラップ型の部材であり、メインコイル支持部材11及び第1真空容器30に設けられたアンカー等を介して一対のメインコイル10A,10Bを支持している。荷重支持体12A,12B,12Cは、例えばFRP(Fiber Reinforced Plastics)等の断熱性に優れた材料によって構成されている。
セクターコイル20は、軸方向において互いに対向する一対のセクターコイルユニット20A,20Bを有している。セクターコイルユニット20A,20Bのそれぞれは、メインコイル10の周方向において互いに等間隔となるように配置される複数のコイルを含んでいる。セクターコイルユニット20Aは、軸方向においてメインコイル10A側に配置され、セクターコイルユニット20Bは、軸方向においてメインコイル10B側に配置されている。また、セクターコイルユニット20Aは、径方向においてメインコイル10Aの内側に配置されており、セクターコイルユニット20Bは、径方向においてメインコイル10Bの内側に配置されている。セクターコイルユニット20A,20Bに含まれるそれぞれのコイルは、例えば、湾曲した扇形に沿うように巻いた空芯のコイルである。セクターコイルユニット20A,20Bに含まれる各コイルの超伝導線材としては、メインコイル10と同様に、例えば、酸化物超伝導体、MgB等の高温超伝導線材を用いることができる。セクターコイル20は、電源装置(不図示)から電力が供給されることによって磁場を発生させる。これにより、軸方向において対向するセクターコイルに挟まれた空間において局所的に磁場が強くなり、中心軸線C周りの周方向において強弱のある磁場を加速空間Gに形成する。
一対のセンターコイル50A,50Bは、軸方向において互いに対向して配置されている円環状の超伝導コイルである。センターコイル50Aは、径方向においてメインコイル10Aの内側、且つ、軸方向においてセクターコイルユニット20Aの外側に配置されている。また、センターコイル50Aは、後述の第2真空容器40A内に収容されている。センターコイル50Bは、径方向においてメインコイル10Bの内側、且つ、軸方向においてセクターコイルユニット20Bの外側に配置されている。また、センターコイル50Bは、後述の第2真空容器40B内に収容されている。センターコイル50A,50Bは、電源装置(不図示)から電力が供給されることによって磁場を発生し、メインコイル10及びセクターコイル20と共に荷電粒子を加速するための磁場を形成する。
第1真空容器30は、一対のメインコイル10を収容する真空容器である。第1真空容器30は、例えば円環筒状である。第1真空容器30には、第2真空容器40との位置決めを行うための位置決め部31が設けられている。位置決め部31は、第1真空容器30の内周壁面から径方向における内側に突出するように形成されている。なお、以降の説明では、第1真空容器30の内周壁面のうち、軸方向において位置決め部31より外側に位置する部分を壁面32aと称し、軸方向において位置決め部31より内側に位置する部分を壁面32bと称する。また、第1真空容器30は、位置決め部31を構成する壁面31a,31b,31cを有している。壁面31a、31bは、軸方向における位置決め部31の両端に位置し、互いに平行となるように対向する平面を形成している。壁面31cは、径方向内側に位置し、中心軸線Cを中心とする周面を形成している。これらの壁面は、例えば、上側から下側へ向かって壁面32a,31a,31c,31b,32bの順に連続している。第1真空容器30には真空ポンプ(不図示)が接続されており、第1真空容器30内を真空にすることが可能である。また、第1真空容器30には、メインコイル10を冷却するための冷凍機(不図示)が接続されている。冷凍機は、例えば、GM冷凍機(Gifford-McMhon cooler)であり、メインコイル10を例えば4Kに冷却することができる。なお、冷凍機はGM冷凍機に限定されず、例えばスターリング冷凍機を始めその他の冷凍機でもよい。
第2真空容器40は、セクターコイルユニット20A及びセンターコイル50Aを収容する第2真空容器40Aと、セクターコイルユニット20B及びセンターコイル50Bを収容する第2真空容器40Bと、を含んでいる。第2真空容器40A,40Bは、例えば円環筒状である。第2真空容器40A,40Bの外径は、例えば第1真空容器30の内径(位置決め部31を除く)よりも径が小さい。第2真空容器40Aと第2真空容器40Bとは、互いに分離されており、軸方向において離間して配置されている。第2真空容器40Aの壁面のうち、径方向外側に位置する周面を壁面41aと称し、軸方向において内側に位置する平面を壁面42aと称する。第2真空容器40Bの壁面のうち、径方向外側に位置する周面を壁面41bと称し、軸方向において内側に位置する平面を壁面42bと称する。壁面42aと壁面42bとは、加速空間Gを挟んで互いに平行に対向している。第2真空容器40A及び第2真空容器40Bのそれぞれには、第1真空容器30と同様に真空ポンプ(不図示)が接続されており、第2真空容器40A,40B内を独立して真空にすることが可能である。また、第2真空容器40Aには、セクターコイルユニット20A及びセンターコイル50Aを冷却するための冷凍機(不図示)が接続されている。第2真空容器40Bには、セクターコイルユニット20B及びセンターコイル50Bを冷却するための冷凍機(不図示)が接続されている。
第1真空容器30と第2真空容器40は、第1真空容器30に設けられた位置決め部31において互いに組み合わされている。より具体的には、第1真空容器30と第2真空容器40は、軸方向における第1真空容器30の位置決め部31の両端側に、第2真空容器40A及び第2真空容器40Bがそれぞれ当接又は近接するように組み合わされている。これにより、第1真空容器30の壁面32aが第2真空容器40Aの壁面41aと径方向において平行に対向し、第1真空容器30の壁面31aが第2真空容器40Aの壁面42aの一部と軸方向において平行に対向した状態となる。また、第1真空容器30の壁面32bが第2真空容器40Bの壁面41bと径方向において平行に対向し、第1真空容器30の壁面31bが第2真空容器40Bの壁面42bの一部と軸方向において平行に対向した状態となる。位置決め部31と第2真空容器40A,40Bとの間、すなわち、壁面31aと壁面42aとの間、及び、壁面31bと壁面42bとの間には、例えばOリング等のシール部材Sが設けられている。このような第1真空容器30及び第2真空容器40A,40Bの組み合わせにより、壁面42a,31c,42bによって荷電粒子が加速される加速空間G用の第3真空容器90が形成されている。
なお、第1真空容器30と第2真空容器40は、互いに分離されている。ここで「分離されている」とは、機械的に切り離し可能であることをいう。また、第1真空容器30と第2真空容器40は、互いに独立している。ここで、「独立している」とは、第1真空容器30と第2真空容器40とが空間的に接続されず、個別に真空状態を形成可能であることをいう。
第3真空容器90の内部には、イオン源装置60の荷電粒子出射部と、RF電極70と、アース板80とが配置されている。RF電極70は径方向に沿って延びる一対の金属板を有しており、一対の金属板は機械的且つ電気的に互いに接続されている。RF電極70は、第3真空容器90内に複数設けられており、例えば、周方向において互いの間の距離が均等になるように離間して配置されている。RF電極70は、高周波が付与されることにより、荷電粒子を加速させる電場を形成する。RF電極70が形成する電場と、メインコイル10、セクターコイル20、及びセンターコイル50が形成する磁場との作用により、荷電粒子は加速空間G内(RF電極70の一対の金属板の間)において水平な渦巻き状の周回軌道を描きながら加速される。RF電極70は、柱状のステム(不図示)を介してアース板80と構造的につながっている。アース板80は、第3真空容器90を形成する壁面42a,31c,42bに沿うように設けられている。また、RF電極70及びアース板80のぞれぞれは、軸方向において分離可能に構成されている(図2参照)。RF電極70の分離部及びアース板80の分離部には、例えばコンタクトフィンガーが設けられており、電気的な接続が確保されている。
次に、図2を参照して空芯型サイクロトロン1のメンテナンス方法について説明する。図2は、図1に示される空芯型サイクロトロンのメンテナンス方法を説明するための図である。前述したように、第1真空容器30と第2真空容器40とは互いに分離されている。したがって、図2に示されるように、第2真空容器40A,40Bのどちらか一方を軸方向に沿って移動させることにより、作業者Pが空芯型サイクロトロン1の内部(加速空間G)に容易にアクセスすることが可能である。また、第1真空容器30と第2真空容器40とが互いに独立していることにより、RF電極70等のメンテナンス時においても第1真空容器30及び第2真空容器40を大気圧に解放する必要が無い。したがって、真空引き及びコイル等の冷却を再度行う必要が無く、空芯型サイクロトロン1のメンテナンス性を向上させて、稼働効率の向上を図ることが可能である。
以上説明したように、空芯型サイクロトロン1においては、一対のメインコイル10A,10Bを収容する第1真空容器30と、セクターコイル20を収容する第2真空容器40とを備えており、第1真空容器30と第2真空容器40とは互いに分離されている。これにより、第2真空容器40を移動させることにより、第1真空容器30及び第2真空容器40の真空状態を保ったまま、第3真空容器90の内部へ容易にアクセスすることができる。したがって、空芯型サイクロトロン1内部のメンテナンス性を向上させ、稼働効率の向上を図ることができる。
また、空芯型サイクロトロン1においては、第1真空容器30及び第2真空容器40の組み合わせにより、加速空間G用の第3真空容器90が形成されている。これにより、加速空間G用の第3真空容器90を別途設ける必要がないので、空芯型サイクロトロン1の構造を簡略化することができる。
また、空芯型サイクロトロン1においては、第1真空容器30に、第2真空容器40の位置決めを行うための位置決め部31が設けられている。これにより、第1真空容器30と第2真空容器40との位置決めを容易に行うことができる。
また、空芯型サイクロトロン1においては、メインコイル支持部材11が第1真空容器30内に設けられている。メインコイル10A,10Bが同一の真空容器(第1真空容器30)内に収容されていることにより、メインコイル支持部材11もメインコイル10A,10Bと同一の真空容器内(第1真空容器30)に設けることができる。これにより、メインコイル支持部材11もメインコイル10A,10Bと同様に冷却されるので、熱伝導率を考慮することなく、強度の観点からメインコイル支持部材11の材質を選定することが可能となる。メインコイル支持部材11がメインコイル10A,10Bと同一の第1真空容器30内に設けられていない場合には、外部から第1真空容器30への入熱を抑制するために、例えばFRP等の熱伝導率が小さい材質をメインコイル支持部材11に用いる必要がある。これに対し、本実施形態のように、メインコイル支持部材11も第1真空容器30内に設けることにより、例えばSUS等といった熱伝導率は大きいが、強度が高い材質をメインコイル支持部材11に用いることが可能となる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記の実施形態に限定されることなく種々の変形態様を採用可能である。例えば、前述の実施形態においては、荷重支持体12A、12Bは円筒状であったが、荷重支持体12A、12Bの形状は特に限定されない。例えば、図3に示されるように、荷重支持体12A、12Bは、荷重支持体12Cと同様にストラップ型の部材であってもよい。
また、前述の実施形態では、第1真空容器30に位置決め部31が設けられていたが、位置決め部31の構成は特に限定されず、任意に変更可能である。例えば、図4に示されるように、第1真空容器30ではなく、第2真空容器40に位置決め部31を設けてもよい。この場合、位置決め部31は、第2真空容器40A及び第2真空容器40Bのそれぞれに設けられる。また、位置決め部31は、例えば、第2真空容器40A,40Bの径方向における外側に突出するように設けられる。なお、図4は模式図であり、第1真空容器30,第2真空容器40、及び第3真空容器90の内部の構成は省略している。
また、前述の実施形態では、第1真空容器30、第2真空容器40A、及び第2真空容器40Bのそれぞれが互いに分離され、且つ独立していたが、第2真空容器40A又は第2真空容器40Bのどちらか一方のみが第1真空容器30と互いに分離され、且つ独立していてもよい。例えば、第2真空容器40Bは第1真空容器30一体に構成されていてもよい。この場合においても、第2真空容器40Aを軸方向に沿って移動させることにより、空芯型サイクロトロン1の内部(加速空間G)に容易にアクセスすることが可能である。
また、前述の実施形態では、第1真空容器30及び第2真空容器40A,40Bの組み合わせにより第3真空容器90が形成されていたが、更に別の真空容器を設け、これを第3真空容器90としてもよい。
1…空芯型サイクロトロン、10…メインコイル、11…メインコイル支持部材、12…荷重支持体、20…セクターコイル、20A,20B…セクターコイルユニット、30…第1真空容器、31…位置決め部、31a,31b,31c,32a,32b,41a,41b,42a,42b…壁面、40…第2真空容器、50…センターコイル、60…イオン源装置、70…RF電極(加速電極)、80…アース板、90…第3真空容器、C…中心軸線、G…加速空間、P…作業者、S…シール部材。

Claims (3)

  1. 中心軸線の周りを巻回し、前記中心軸線に沿った軸方向において対向して配置され、荷電粒子を加速するための磁場を発生させる一対のメインコイルと、
    前記軸方向に交差する径方向において前記メインコイルの内側に配置され、前記中心軸線周りの周方向において強弱のある磁場を形成するセクターコイルと、
    前記荷電粒子を加速させる電場を形成する加速電極と、
    一対の前記メインコイルを収容する第1真空容器と、
    前記セクターコイルを収容する第2真空容器と、
    前記加速電極を収容する第3真空容器と、を備え、
    前記第1真空容器と前記第2真空容器とは互いに分離されている、空芯型サイクロトロン。
  2. 前記第1真空容器及び前記第2真空容器の組み合せにより、前記第3真空容器が形成されている、請求項1に記載の空芯型サイクロトロン。
  3. 前記第1真空容器に、前記第2真空容器の位置決めを行うための位置決め部が設けられている、請求項1又は2に記載の空芯型サイクロトロン。
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