JPWO2008090880A1 - 光ファイバケーブル - Google Patents

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Abstract

本発明の目的は、クマゼミの産卵行動に起因する光ファイバの損傷による伝送損失増加を確実に防ぐことのできる光ファイバケーブルを提供することにある。少なくとも光ファイバ心線1とテンションメンバー6、6とこれら光ファイバ心線1とテンションメンバー6、6とを一括被覆してなるシース3とを有する光ファイバケーブルにおいて、シース3のショアD硬度が55以上であり、光ファイバ心線1の表面とシース3の外表面までの最小距離LがL>0.3mmであることを特徴とする。また、シース3の表面の摩擦係数が0.45以下であり、シース3のショアD硬度が57以上であることを特徴とする。さらに、所定の難燃性組成物(P)をシース材料として用いたことを特徴とする。

Description

本発明は、シース内部に光ファイバ心線とテンションメンバーとを有する光ファイバケーブルに関するものである。
従来から、例えば、ガラス光ファイバの外周に紫外線硬化性樹脂あるいは熱硬化性樹脂等からなる被覆を有する、いわゆる光ファイバ心線を用意し、この光ファイバ心線と一対のテンションメンバーと、さらに支持線とを所定位置に位置決めしながら、一括被覆を施してシースを形成した光ファイバケーブルが種々製造され、使用されている。そのような光ファイバコードもしくはケーブルとして、例えば、図8に示すようなものがあり、しばしばドロップケーブルと称される。
ドロップケーブルとしての光ファイバケーブル41は1つ或いは複数の単心光ファイバ心線や光ファイバテープ心線等の光ファイバ42と、鋼線、アラミド樹脂等からなるテンションメンバー43、43’、支持線44を、首部45を有するシース46で一括被覆して構成される。場合によっては、シース46を破壊して内部の光ファイバ42等を取り出す際の便宜のため、シース46上にはノッチ47を設けることもある。また、従来の光ファイバケーブルでは、難燃特性を保持するため、シース材料にエチレン−(メタ)アクリル共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸アルキル共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体から選ばれる1種類以上の樹脂を主体とする難燃ポリオレフィンを使用するのが一般的である(例えば、特許文献1〜3参照。)。
ところでこれらの光ファイバケーブルが架空布設された場合、経時的に原因不明の特性劣化が発生することがあった。近年になって漸くこの原因が夏季に発生するセミ、特にクマゼミの光ファイバケーブルへの産卵行動に起因することがわかってきた。
具体的には、クマゼミが架空に布設された光ファイバケーブルを木の幹や枝と誤って、シースに産卵管を突き刺し、内部に産卵する行動が原因である、というものである。このようにシースに産卵管が差し込まれると、産卵管で光ファイバが損傷したり、あるいは、開けられた孔から雨水等の水分がケーブル内部に侵入し易くなる。そしてこのように水分がケーブル内に侵入すると、この水分が原因となって光ファイバ心線に伝送損失増加をもたらす危険性が急激に高まる。
そこで、例えば、特許文献4に記載されているように、シースにより被覆された光ファイバ心線の少なくとも一部を覆うように、シースの内部または外表面に防護テープを配置せしめた光ファイバケーブルが提案されている。このような光ファイバケーブルを用いれば、仮にクマゼミがシースに産卵管を突き刺しても、産卵管の先が防護テープにより遮られ、内部の光ファイバ心線までは届かず、前述した危険、すなわち、光ファイバ心線の損傷や侵入した水分による伝送損失増加の危険性を低下せしめることができる。
特開2001−337255号公報 特開2001−166188号公報 特開2001−208942号公報 特開2006−313314号公報
しかしながら、この種の光ファイバケーブルにおいても、防護テープを避けて産卵管が斜めに突き刺されることがあり、光ファイバ心線を損傷せしめることがあった。これにより、光ファイバの伝送損失増加を招く危険性があった。
上記問題に鑑み、本発明の目的は、クマゼミの産卵行動に起因する光ファイバの損傷による伝送損失増加を確実に防ぐことのできる光ファイバケーブルを提供することにある。
上記目的を達成すべく本発明の光ファイバケーブルの第1の側面は、少なくとも光ファイバ心線とテンションメンバーとこれら光ファイバ心線とテンションメンバーとを一括被覆してなるシースとを有する光ファイバケーブルにおいて、シースのショアD硬度が55以上であり、光ファイバ心線とシースの外表面までの最小距離LがL>0.3mmであることを特徴とするものである。
実験結果によれば、本発明の第1の側面に係る光ファイバケーブルの如く、シースのショアD硬度が55以上であり、光ファイバ心線の表面とシースの外表面までの最小距離LがL>0.3mmであれば、クマゼミの産卵行動に伴う光ファイバの損傷をほぼ完全に防止することができる。すなわち、シースのショアD硬度が大きい分、クマゼミの産卵管がシースに刺さり難い。それ故、光ファイバ心線の表面とシースの外表面までの最小距離Lが、クマゼミの産卵管の平均長さ約12mmよりも短い長さを含むL>0.3mmであっても、クマゼミの産卵行動に伴う光ファイバの損傷をほぼ完全に防止することができる。
また本発明の第2の側面に係る光ファイバケーブルは、少なくとも光ファイバ心線とテンションメンバーとこれら光ファイバ心線とテンションメンバーとを一括被覆してなるシースとを有する光ファイバケーブルにおいて、シースのショアD硬度が57以上であり、光ファイバ心線の表面とシースの外表面までの最小距離LがL>0.2mmであることを特徴とするものである。
実験結果によれば、本発明の第2の側面に係る光ファイバケーブルの如く、シースのショアD硬度が57以上であり、光ファイバ心線表面とシースの外表面までの最小距離LがL>0.2mmであれば、クマゼミの産卵行動に伴う光ファイバの損傷をほぼ完全に防止することができる。すなわち、請求項1記載のものよりもシースのショアD硬度が大きい分、クマゼミの産卵管がシースにより刺さり難くなる。それ故、光ファイバ心線の表面とシースの外表面までの最小距離LがL>0.2mmであっても、クマゼミの産卵行動に伴う光ファイバの損傷をほぼ完全に防止することができる。
上記目的を達成すべく本発明の第3の側面に係る光ファイバケーブルは、少なくとも光ファイバ心線とテンションメンバーとこれら光ファイバ心線とテンションメンバーとを一括被覆してなるシースとを有する光ファイバケーブルにおいて、シース表面の摩擦係数が0.45以下であり、シースのショアD硬度が57以上であることを特徴とするものである。
本発明の第3の側面に係る光ファイバケーブルにおいて、シースのショアD硬度が62以上となるように構成することも可能である。このようにしてなる光ファイバケーブルによれば、クマゼミはシースの表面の摩擦係数が小さいためケーブルによりとまり難く、しかもシースが硬いため産卵管の刺し込みがより一層困難になる。その結果、クマゼミの産卵行動に起因する光ファイバの損傷による伝送損失増加の危険性を、より一層確実に低減させることができる。
本発明の第3の側面に係る光ファイバケーブルによれば、シース表面の摩擦係数が小さいため、ケーブル表面が極めて滑り易くなっている。そのためクマゼミがケーブル表面、すなわちシース表面にとまり難くなって、産卵行動を起こし難くなる。また、仮に、クマゼミがこのケーブルにとまっても、シースが硬いために産卵管を刺し難い。その結果、クマゼミがこの光ファイバケーブルに産卵管を刺し込む機会が減り、もってシース内部の光ファイバ心線が産卵管によって刺されて損傷したり、産卵管で形成された穴から雨水等の水分が侵入して光ファイバが伝送損失増加を起こす危険性を大幅に低減させることができる。
また、本発明の第4の側面に係る光ファイバケーブルは、少なくとも光ファイバ心線とテンションメンバーとこれら光ファイバ心線とテンションメンバーとを一括被覆してなるシースとを有する光ファイバケーブルにおいて、シース表面の摩擦係数が0.47以下であり、シースのショアD硬度が62以上であることを特徴としている。
本発明の第4の側面に係る光ファイバケーブルによれば、シース表面の摩擦係数が第3の側面に係る光ファイバケーブルのものよりも大きくなっている分、クマゼミはケーブルにとまり易くなっている。しかしながら、シースの方はより硬くなっているために、仮にクマゼミがケーブルに多少とまり易くなっても、ケーブルへの産卵管の刺し込みはより難しくなる。その結果、クマゼミの産卵行動に起因する光ファイバの損傷や、伝送損失増加の危険性をより一層確実に低減させることができる。
上記目的を達成すべく本発明の第5の側面に係る光ファイバコードもしくはケーブルは、(a)エチレン・α−オレフィン共重合体90〜50質量%、(b)ポリプロピレン樹脂5〜40質量%、並びに(c−1)不飽和カルボン酸またはその誘導体で変性されたポリオレフィンおよび/または(c−2)エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体0〜20質量%、(d)スチレン系エラストマー0〜30質量%、および(e−1) エチレン酢酸ビニル共重合体および/または(e−2)エチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体0〜40質量%からなる熱可塑性樹脂(A)100質量部に対し、(B)金属水和物60〜150重量部、(C)赤燐10質量部以下を含有させた難燃性組成物(P)で光ファイバの外側に被覆することを特徴とする。また、赤燐の平均粒径が3〜9μmであることを特徴とする。さらにまた、難燃性組成物(P)中に(f)カーボンが熱可塑性樹脂(A)100質量部に対して10質量部以下含有されていることを特徴とする。
本発明の第5の側面に係る光ファイバコードもしくはケーブルにおいて、赤燐の平均粒径が3〜9μmとなるように構成することも可能である。本発明の第5の側面に係る光ファイバコードもしくはケーブルにおいて、難燃性組成物(P)中に(f)カーボンが熱可塑性樹脂(A)100質量部に対して10質量部以下含有されるように構成することも可能である。
上記目的を達成すべく本発明の第6の側面に係る光ファイバコードもしくはケーブルは、(a)ポリエチレン樹脂90〜50質量%、(b−1)不飽和カルボン酸またはその誘導体で変性されたポリオレフィンおよび/または(b−2)エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体5〜30質量%、並びに(c)ポリプロピレン樹脂0〜40質量%、(d)スチレン系エラストマー0〜30質量%、および(e−1) エチレン酢酸ビニル共重合体および/または(e−2)エチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体0〜40質量%からなる熱可塑性樹脂(A)100質量部に対し、(B)金属水和物60〜150重量部、(C)赤燐10質量部以下を含有させた難燃性組成物(P)で光ファイバの外側に被覆したことを特徴とする。また、赤燐の平均粒径が3〜9μmであることを特徴とする。さらにまた、難燃性組成物(P)中に(f)カーボンが熱可塑性樹脂(A)100質量部に対して10質量部以下含有されていることを特徴とする。
本発明の第6の側面に係る光ファイバコードもしくはケーブルにおいて、赤燐の平均粒径が3〜9μmとなるように構成することも可能である。本発明の第6の側面に係る光ファイバコードもしくはケーブルにおいて、難燃性組成物(P)中に(f)カーボンが熱可塑性樹脂(A)100質量部に対して10質量部以下含有されるように構成することも可能である。
以上のようにしてなる本発明によれば、ケーブル長手方向全長に亘ってクマゼミの産卵行動に起因する光ファイバの損傷による伝送損失増加を確実に防ぐことのできる光ファイバケーブルを提供することができる。
本発明の光ファイバケーブルの実施例を示す横断面図である。 本発明の光ファイバケーブルの実施例の変形態様を示す横断面図である。 本発明の光ファイバケーブルの実施例の変形態様を示す横断面図である。 本発明の光ファイバケーブルの実施例の変形態様を示す横断面図である。 図1に示す光ファイバケーブルにおいて、シースの表面の摩擦係数及びショアD硬度と光ファイバ心線に及ぼすクマゼミによる損傷数の関係を示すグラフである。 シースの表面の摩擦係数を測定する方法を示す概略図である。 本発明の光ファイバケーブルの実施例の試作例を示す概略断面図である。 従来の光ファイバケーブルの概略断面図である。
符号の説明
1 光ファイバ心線
2 光ファイバテープ心線
3 シース
6 テンションメンバー
7 切欠
8 支持線
15、20 光ファイバケーブル
31 本発明の光ファイバケーブル
32 4心テープ線
33 テンションメンバー
34 支持線
35 首部
36 シース
37 ノッチ
以下に図を用いて本発明の光ファイバケーブルを詳細に説明する。図1は、本発明の光ファイバケーブルの一実施例を示す横断面図である。図1に示すように、本発明の光ファイバケーブルは、例えば、1本のガラス光ファイバの外周に、紫外線硬化性樹脂あるいは熱硬化性樹脂等からなる樹脂被覆を有する、いわゆる光ファイバ心線1を1本配し、これに、例えば、ノンハロゲン難燃性ポリオレフィン、より具体的にはノンハロゲン難燃性ポリエチレン等からなるシース3を施したものである。
尚、図1において、符号6、6は光ファイバ心線1の両側(図1にあっては上下方向)に、光ファイバ心線1と所定間隔を置いて、しかもその中心が光ファイバ心線1の中心と略同一平面上に位置するように位置決めされた、例えば、アラミド繊維束あるいは強化繊維としてアラミド繊維を用いたFRPからなる外径0.5mm程度のテンションメンバーである。このテンションメンバー6、6は機械的強度に劣る光ファイバが、その長手方向に外力を受けた場合、これを保護するために用いられている。因みに、図1では光ファイバ心線1の中心から各テンションメンバー6、6の各中心までの間隔はほぼ等しくなって
いる。
また、符号7、7はシース3の対向する外表面両面に必要に応じて設けた切欠である。この切欠7を設けておくと、ケーブル布設の際、シース3を容易に切り裂くことができ、内部の光ファイバ心線1を簡単に取り出せ、便利である。
また、符号8は必要により設けたFRPや亜鉛メッキ鋼線等からなる、例えば、外径1.2mmの支持線で、図1に示す光ファイバケーブルの場合、支持線8の中心は、光ファイバ心線1、テンションメンバー6、6の各中心と略同一平面上に存在するように位置決めされている。このような光ファイバケーブルは、いわゆる自己支持型の光ファイバケーブルと呼ばれているものである。因みに、極めて短い距離間に布設されるようなケーブルにあっては、支持線8のない光ファイバケーブルとすることもできる。
尚、支持線8のない光ファイバケーブルの寸法は、長辺方向が3.1mm程度、短辺方向が2.0mm程度である。
図1に示す本発明の光ファイバケーブルの実施例の、第一の仕様例の特徴は、シース3のショアD硬度と、光ファイバ心線1の表面とシース3の外表面までの最小距離Lの値を下記のように限定した点にある。すなわち、クマゼミの産卵行動を阻止するために、シース3のショアD硬度を55以上にして、仮にシース表面にクマゼミがとまっても産卵管をシース3に刺し込み難くし、しかも光ファイバ心線1の表面とシース3の外表面までの最小距離LをL>0.3mmにして、仮にクマゼミがシース3に産卵管を刺し込んでも、シース3が硬くて、0.3mm以上はシース3内に食い込まないことを以下に示す実験で見出した点に特徴がある。同時に、前記シースのショアD硬度を57以上にし、光ファイバ心線1の表面とシース3の外表面までの最小距離LをL>0.2mmしても、仮にクマゼミがシース3に産卵管を刺し込んでも、シース3がより一層硬いがために、0.2mm以上はシース3内に食い込まず、光ファイバに損傷を与えないことも見出した。以下に実験内容を説明する。
この実験では、まず、13cm長に切断した図1に示すような断面構造の光ファイバケーブルを2本を1組にして、総数40本20組を用意した。1回の実験では1組2本の光ファイバケーブルをクマゼミと共に容器内に放置し、1日経過後、各ショアD硬度とLとを有するケーブル毎に、ケーブルに残されたクマゼミの産卵行動に伴う傷(以下、産卵傷という)の数、その深さの最大値及び平均値、そして光ファイバへの損傷の有無を調べた。その結果を表1に示す。
Figure 2008090880
表1でいうLは、図1に示すLであって、具体的には図1に示す光ファイバケーブルの切欠7の底と光ファイバ心線1の表面までの最小距離を示している。表1の、例えば、シースのショアD硬度と、産卵傷の深さの最大値の値から、シース3のショアD硬度を55以上にして、しかも光ファイバ心線1の表面とシース3の外表面までの最小距離LをL>0.3mmにするか、シース3のショアD硬度を57以上にし、かつ光ファイバ心線1の表面とシース3の外表面までの最小距離LをL>0.2mmすれば、表1の右端の欄に示すように、光ファイバへの損傷をなくすることができる。
尚、このようにしてなる図1に示す本発明の光ファイバケーブルにあっては、シース3の内部に防護テープを配置した従来の光ファイバケーブルと比較して、防護テープを用いる必要がない分だけ製造性が向上する。また、防護テープは外部からその位置が確認できないため、ケーブル長手方向全長に亘って信頼性を保証することが難しい問題もある。それに対して本発明の光ファイバケーブルでは、クマゼミの産卵行動をケーブル長手方向全長に亘って確実に阻止できる。尚、前述したショアD硬度は、JIS K7215(プラスチックのデュロメータ硬さ試験方法)に準じて測定した値である。
図1に示す本発明の光ファイバケーブルの実施例の、第一の仕様例の変形態様を、図2〜図4を用いて説明する。図2に示すものは、対向する切欠7、7が光ファイバ心線1の中心を挟んで正反対の位置にある図1に示す光ファイバケーブルと異なり、光ファイバ心線1の中心に対して互い違いになっている点に特徴がある。因みに、このケーブルの場合、光ファイバ心線1の表面とシース3の外表面までの最小距離Lは、切欠7の先端部(底)と光ファイバ心線1の表面までの距離を指す。このような切欠にすると、光ファイバ心線1の表面とシース3の外表面までの最小距離Lを確保しながら、切欠7を深くすることができ、シース3を分割し易く光ファイバ心線1を取り出し易い、という利点がある。このケーブルでもシース3のショアD硬度を55以上にして、しかも光ファイバ心線1の表面とシース3の外表面までの最小距離LをL>0.3mmにするか、シース3のショアD硬度を57以上にし、かつ光ファイバ心線1の表面とシース3の外表面までの最小距離LをL>0.2mmすれば、クマゼミの産卵行動による光ファイバへの損傷をなくすることができる。
図3に示すものは、支持線8のシースの形状を、断面矩形にしてある点及び切欠7が形成されていない点に特徴がある。それ以外の点、すなわち、シース3のショアD硬度の値や光ファイバ心線1とシース3の外表面までの最小距離Lの値は、ともに前述した図1、図2の光ファイバケーブルと同じ範囲に設定してある。それ故、その効果も前述した図1や図2に示す光ファイバケーブルと同じである。尚、このケーブルの場合、切欠7が存在しないので、光ファイバ心線1の表面とシース3の外表面までの最小距離がLとなる。図3に示す光ファイバケーブルの場合、支持線8側とケーブル本体側の側面が平面状であるためドラムに巻き易いという利点もある。
図4に示す光ファイバケーブルは、光ファイバ心線1として、図1〜図3に示す単心型の光ファイバ心線1に換えて、光ファイバ心線を複数本平面状に並行に並べこれに一括樹脂被覆を施した、いわゆる光ファイバテープ心線2を用いている点にある。それ以外は、シース3のショアD硬度や光ファイバ心線1とシース3の外表面までの最小距離Lの値は、図1に示すものと同様の範囲内にあって、その効果も実質同じである。尚、図1〜図4では、光ファイバ心線1または光ファイバテープ心線2を1本のみ使用しているが、必要により複数本にすることもできる。
以上説明したように、従来の光ファイバケーブルがシース3内に埋没していて外部から見えず、しかもケーブル長手方向に捩じれやその位置、姿勢の制御が難しい防護テープを用いているのに対して、本発明の光ファイバケーブルは、製造上、ケーブル長手方向の制御が容易なシース3のショアD硬度や光ファイバ心線1とシース3の外表面までの最小距離Lの値を規定している。そのためクマゼミの産卵行動に対する防御効果を、ケーブル長手方向全長に亘って容易に、かつ確実に得ることができる。
ところで、シース3のショアD硬度を規定の範囲内に調節するには、例えば、ノンハロゲン難燃性ポリエチレンにポリプロピレンを配合し、その配合比を調整する等の方法がある。因みに、ポリプロピレンの配合比を多くすることで、シース3のショアD硬度を大きくすることができる。シース3のショアD硬度は、製造性やケーブルの取り扱い性を考慮すれば、70以下が好ましい。また、光ファイバ心線1の表面とシース3の外表面までの最小距離Lが大きければ大きい程、クマゼミが産卵行動をしても、光ファイバ心線1への影響を少なくできるが、その分ケーブル外径が大きくなって重量も重くなってしまう問題が生じる。従って、最小距離Lは一般的にL<1.6mmにするのが好ましい。
以下、図1に示す本発明の光ファイバケーブルの実施例の、第二の仕様例を説明する。本発明の光ファイバケーブルの第二の仕様例の特徴は、シース3の表面の摩擦係数やシース3のショアD硬度を下記に示すように規定した点にある。具体的には、クマゼミの産卵行動を阻止するために、シース3の表面の摩擦係数を0.45以下にして、シース3の表面にクマゼミがとまり難くした点、かつシース3のショアD硬度を57以上にして、仮にシース表面にクマゼミがとまっても産卵管をシース3に刺し込み難くした点にある。もしくは、シース3の表面の摩擦係数を0.47以下にして、かつシース3のショアD硬度を62以上にした点にある。第二の仕様例においては、最小距離Lを0.25mmとして実験を行った。なお、一般的にはLを0.2mm未満としてケーブルを製造すると、ケーブルの長手方向の一部でシースが割れたり、心線とシースが剥離する恐れがあるので0.2mmがLのとりうる最低値となる。
さらにはこれらよりもより確実にクマゼミの産卵行動を阻止するために、シース3の表面の摩擦係数を0.45以下にすると共にシース3のショアD硬度を62以上にした点に特徴がある。このようにすると、クマゼミはシース3の表面上でより滑り易く、それ故、よりとまり難くなる。また万が一ケーブル表面にとまることができても、シース3はより硬くなっているため、産卵管の刺し込みはさらに一層困難になる。その結果、クマゼミの産卵行動に起因する光ファイバ損傷や、伝送損失増加の危険性をケーブル長手方向全長に亘って、より一層確実に低減させることができる。
尚、このようにしてなる図1に示す本発明の光ファイバケーブルにあっては、シース3の内部に防護テープを配置した従来の光ファイバケーブルと比較して、防護テープを用いる必要がない分だけ製造性が向上する。また、防護テープは外部からその位置が確認できないため、ケーブル長手方向全長に亘って信頼性を保証することが難しい問題もある。それに対して本発明の光ファイバケーブルでは、クマゼミの産卵行動をケーブル長手方向全長に亘って確実に阻止できる。
以下に、シース3の表面の摩擦係数値や、シース3のショアD硬度を前述したように決定した根拠を詳細に示す。図5は縦軸にシース3の表面の摩擦係数(図5では単に摩擦係数と表示している)を取り、横軸にシース3のショアD硬度(図5では単にショアD硬度と表示している)を取り、シース3の表面の摩擦係数とシース3のショアD硬度とが、クマゼミの産卵行動にどのような影響を与えるのかを調べた結果を示している。図5において、黒色の三角印11はクマゼミの産卵管に刺されて、光ファイバ心線に多数の損傷が見られたものを、白丸14はその損傷がわずかしか発見できなかったものを、そして黒丸12、13及び15は損傷が全く観察されなかったものを示している。また、図中において各マークに付与されている数字は、後述する表2に記載のサンプル名を示している。各サンプルに係る数値を表2に示す。尚、表2における右端の損傷の欄において、×は多数の損傷が見られたものを、△は損傷がわずかしか発見できなかったものを、そして○は損傷が全く観察されなかったものをそれぞれ示している。
Figure 2008090880
ところで、シース3の表面の摩擦係数は図6に示す方法で求めた。具体的には、ベース10上に図1に示す光ファイバケーブルの支持線部を切り落とした150mm長の光ファイバケーブル15を2本隣接して並行に並べ、この上に摩擦係数を測定する試料である300mm長の光ファイバケーブル20を、やはり支持線部を切り落とした状態で俵積みした。この試料用(測定サンプル)光ファイバケーブル20上に、前述した150mm長の光ファイバケーブル15、15を図6のようにさらに俵積みした。その後、ベース10上に垂直に立設させた複数本のスライドガイド11によってガイドしながら上下にスライド
する抑え板12をベース10と平行に載せた。光ファイバケーブル15、20は同じものを使用した。
しかる後、抑え板12上に錘13で一定の荷重19.6Nを矢印方向に加えた。この状態で試料用の光ファイバケーブル20を100mm/minの速度で手前方向に引き抜き、その引き抜き力の大きさを錘13の荷重19.6Nで除して、シース3の表面の摩擦係数を測定した。尚、試験環境は、温度23±2℃、湿度50±10%である。ところで光ファイバケーブル15、20は、試験が1回完了する毎に交換した。一方、シース3のショアD硬度はJIS K7215(プラスチックのデュロメータ硬さ試験方法)に規定する測定方法により求めた。
図5において、黒丸13が示すように、シース3の表面の摩擦係数が0.34以下であり、かつシース3のショアD硬度が57以上、あるいは黒丸12が示すように、シース3の表面の摩擦係数が0.47以下であり、かつシース3のショアD硬度が62以上、あるいは黒丸15が示すように、シース3の表面の摩擦係数が0.45以下であり、かつシース3のショアD硬度が57以上であると、クマゼミによる光ファイバ心線1の損傷が全く見られない。それ故、シース3の表面の摩擦係数を0.34以下とし、かつシース3のショアD硬度を57以上にすれば、あるいは、シース3の表面の摩擦係数を0.47以下とし、かつシース3のショアD硬度を62以上にすれば、あるいは、シース3の表面の摩擦係数を0.45以下とし、かつシース3のショアD硬度を57以上とすれば、クマゼミの産卵行動に伴う光ファイバ心線1への悪影響を防止できることがわかる。
さらにより確実な範囲として、図5における2つの黒丸12、13及び15から判断して、シース3のショアD硬度を62以上にするとともに、その表面の摩擦係数を0.34以下又は0.45以下にすれば、一層確実にクマゼミによる光ファイバ心線1の損傷被害を完全に防止することができる。
図1に示す本発明の光ファイバケーブルの実施例の、第2の仕様例の変形態様を、図2〜図4を用いて説明する。なお、これらの変形態様においても、最小距離Lを0.25mmとして実験を行った。図2に示すケーブルでも、シース3の表面の摩擦係数を0.34以下にし、かつシース3のショアD硬度を57以上、あるいはシース3の表面の摩擦係数を0.47以下にして、かつシース3のショアD硬度を62以上、あるいは、シース3の表面の摩擦係数を0.45以下とし、かつシース3のショアD硬度を57以上にすると、クマゼミによる光ファイバ心線1の損傷が全く見られない。また、この効果をより確実にすべく、シース3のショアD硬度を62以上にするとともに、その表面の摩擦係数を0.34以下又は0.45以下にすれば、一層確実にクマゼミによる光ファイバ心線1の損傷被害を防止することができ好ましい。
図3に示すケーブルについても、シース3の表面の摩擦係数値やシース3のショアD硬度の値、及びその効果も含め、前述した図1、図2に示す光ファイバケーブルと同様である。図3に示す光ファイバケーブルの場合、支持線8側とケーブル本体側の厚さや、その側面が本体側と面一であることからドラムに巻き易いという利点もある。
図4に示す光ファイバケーブルは、光ファイバ心線として、図1、図2及び図3に示す単心型の光ファイバ心線1に換えて、光ファイバ心線を複数本平面状に並行に並べこれに一括樹脂被覆を施した、いわゆる光ファイバテープ心線2を用いている。それ以外は、図1とシース3のショアD硬度や表面の摩擦係数、さらにはその効果を含め実質同じである。尚、図1〜図4では、光ファイバ心線1または光ファイバテープ心線2を1本のみ使用しているが、必要により複数本にすることもできる。
以上説明したように、従来の光ファイバケーブルがシース3内に埋没していて外部から見えない防護テープを用いているのに対して、本発明の光ファイバケーブルは、防護テープを用いていないため、製造が容易であり、また、クマゼミの産卵行動に対する防御効果をケーブル長手方向全長に亘って確実に得ることができる。
尚、シース3の表面の摩擦係数を規定の範囲内に調節するには、シース3の材料に添加する、例えば、脂肪酸アミド系滑剤、具体的には、エルカ酸アミドあるいはオレイン酸アミド等の滑剤の添加量を変えればよく、これらを多く添加することで、シース3の表面の摩擦係数を小さくすることができる。因みに、シース3の表面の摩擦係数は、製造性やケーブルの取り扱い性を考慮すれば0.2以上が好ましい。また、シース3のショアD硬度を調節するには、例えば、ノンハロゲン難燃性のポリエチレンとこれよりも硬いポリプロピレンを加え、両者の配合比を調整する等の方法があり、ポリプロピレンの配合比を多くすることでシース3のショアD硬度を大きくすることができる。シース3のショアD硬度は、製造性やケーブルの取り扱い性を考慮すれば、70以下が好ましい。
(試作例1)
以下、図7を用いて、上記実施例の第一の試作例を説明する。本発明の光ファイバケーブル31は4心テープ心線32と、φ1.2mmの鋼線からなる支持線34、φ0.5mmのアラミドFRPからなる2本のテンションメンバー33、33’を有し、首部35を有するシース36で一括被覆して構成されている。支持線を除くシース36の長辺は3.8mm、短辺が2.0mm、首部35が長さ0.2mm、厚さ0.2mm、支持線を覆うシース36の外径が2.0mm、光ファイバケーブル31全体の高さが6.0mmである。またシース36を破壊して内部の4心テープ心線32等を取り出す際の便宜のため、シース36上にはノッチ7を設けてある。尚、シース36の材料は優れた難燃性、低摩擦性、耐摩耗性を有するために、後述の難燃性組成物で形成される。本発明の光ファイバコードもしくはケーブルの大きさ、形状については特に制限はなく、用途に応じて適宜定められる。
以下、上記実施例の第一の試作例としての光ファイバコードもしくはケーブルのシース材料として使用する難燃性組成物(P)の各成分について説明する。(a)エチレン・α−オレフィン共重合体 エチレン・α−オレフィン共重合体は、エチレンと炭素数4〜12のα−オレフィンとの共重合体が好ましく、α−オレフィンの具体例としては、1−ブテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン等が挙げられる。エチレン・α−オレフィン共重合体としては、LLDPE(直鎖状低密度ポリエチレン)、LDPE(低密度ポリエチレン)、VLDPE(超低密度ポリエチレン)、EBR(エチレン−ブタジエンゴム)、及びシングルサイト触媒存在下に合成されたエチレン・α−オレフィン共重合体等が挙げられる。このなかでも、シングルサイト触媒存在下に合成されたエチレン・α−オレフィン共重合体が好ましい。エチレン・α−オレフィン共重合体の密度は、0.940g/cm以下が好ましく、さらに好ましくは0.930g/cm以下、特に好ましいのは0.928g/cm以下である。この密度の下限には特に制限はないが、0.875g/cm以上が好ましい。また、エチレン・α−オレフィン共重合体としては、メルトフローインデックス(ASTM D−1238)が0.5〜30g/10分のものが好ましい。本発明におけるエチレン・α−オレフィン共重合体は、シングルサイト触媒の存在下に合成されるものや通常の直鎖型低密度ポリエチレンや超低密度ポリエチレン等が挙げられるが、中でもシングルサイト触媒の存在下に合成されるものが好ましく、その製法としては特開平6−306121号公報や特表平7−500622号公報等に記載されている公知の方法を用いることができる。シングルサイト触媒は、重点活性点が単一であり、高い重合活性を有するものであり、メタロセン触媒、カミンスキー触媒とも呼ばれており、この触媒を用いて合成したエチレン・α−オレフィン共重合体は、分子量分布と組成分布が狭いという特徴がある。このようなシングルサイト触媒存在下に合成されたエチレン・α−オレフィン共重合体が、高い引張強度、引裂速度、衝撃強度等を有することから、金属水和物を高充填する必要があるノンハロゲン難燃材料(光ファイバケーブルの被覆材料)に使用した場合、高充填された金属水和物による機械特性の低下を小さくすることができるという利点がある。反面、シングルサイト触媒を用いて合成したエチレン・α−オレフィン共重合体を用いる場合、通常のエチレン・α−オレフィン共重合体を用いる場合と比べて、溶融粘度の上昇や溶融張力の低下がおこり、成形加工性に問題が生ずる。この点については、シングルサイト触媒として非対称な触媒を用いて長鎖分岐を導入し(Constrained Geometory Catalystic Technology)、または合成の際に2つの重合槽を連結することで分子量分布に2つのピークを作る(Advanced Performance Terpolymer)ことで、その成形加工性を改良したものもある。本発明において用いられるシングルサイト触媒の存在下に合成されたエチレン・α−オレフィン共重合体としては、前記成形加工性を改良したものが好ましく、このようなものとしてはDow Chemical社から、「AFFINITY」「ENGAGE」(商品名)が、日本ポリエチレン社から「カーネル」(商品名)、三井住友ポリオレフィン社から「エボリュー」(商品名)、宇部丸善ポリエチレン社からは「ユメリット」(商品名)が上市されている。本発明においてエチレン・α−オレフィン共重合体の含有量は、前記熱可塑性樹脂(A)中90〜50質量%であり、80〜50質量%であることが好ましい。
(b)ポリプロピレン樹脂
本発明に用いることのできるポリプロピレン樹脂としては、ホモポリプロピレン、エチレン・プロピレンランダム共重合体、エチレン・プロピレンブロック共重合体や、プロピレンと他の少量のα−オレフィン(例えば、1−ブテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン等)との共重合体、プロピレンとエチレンプロピレンの共重合体(TPO)が挙げられる。ここでエチレン・プロピレンランダム共重合体はエチレン成分含量が1〜4質量%程度のものをいい、エチレン・プロピレンブロック共重合体はエチレン成分含量が5〜20質量%程度のものをいう。前記ポリプロピレン樹脂の含有量は、前記熱可塑性樹脂(A)中5〜40質量%であり、10〜35質量%であることが好ましい。
(c−1)不飽和カルボン酸またはその誘導体で変性されたポリオレフィン、(c−2)エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体
本発明における「不飽和カルボン酸またはその誘導体(以下、これらを併せて不飽和カルボン酸等ともいう)で変性されたポリオレフィン」とは、ポリオレフィンを不飽和カルボン酸またはその誘導体で変性することにより、グラフト重合した樹脂をいう。不飽和カルボン酸としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、イタコン酸、フマル酸等が挙げられ、不飽和カルボン酸の誘導体としては、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、マレイン酸モノエステル、マレイン酸ジエステル、無水マレイン酸、イタコン酸モノエステル、イタコン酸ジエステル、無水イタコン酸、フマル酸モノエステル、フマル酸ジエステル、無水フマル酸などが挙げられる。ポリオレフィンとしては、ポリエチレン(直鎖状ポリエチレン、超低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン)、ポリプロピレン(ホモポリプロピレン、プロピレン−エチレンランダム共重合体、プロピレン−エチレンブロック共重合体や、プロピレンと他の少量のα−オレフィン(例えば、1−ブテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン等)との共重合体)、エチレンとαオレフィンとの共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体、スチレン系共重合体等が挙げられる。ポリオレフィンの変性は、例えば、ポリオレフィンと不飽和カルボン酸等を有機パーオキサイドの存在下に加熱、混練することにより行うことができる。不飽和カルボン酸等による変性量は、0.5〜15質量%であることが好ましい。不飽和カルボン酸等により変性されたポリオレフィンとしては、具体的には例えば、ポリボンド(商品名、クロンプトン(株)製)、アドテックス(商品名、日本ポリエチレン(株)製)、アドマー(商品名、三井化学(株)製)、クレイトン(商品名、JSRクレイトン(株)製)などが挙げられる。本発明におけるエチレン−(メタ)アクリル酸共重合体とは、例えば、エチレン−アクリル酸共重合体やエチレン−メタクリル酸共重合体が挙げられる。具体的には、例えば、ニュクレル(商品名、三井デュポンポリケミカル(株)製)が挙げられる。本発明において(c−1)成分および/または(c−2)成分は、何れか1種を使用しても、2種以上を併用してもよい。本発明において、(c−1)成分および(c−2)成分は、後述する水酸化マグネシウムと成形時に化学的に結合することにより、高い難燃性、機械特性、耐摩耗性を得ることができる。前記すぐれた効果は、アクリル酸もしくはメタクリル酸で変性されたポリオレフィンやエチレン(メタ)アクリル酸共重合体を使用したときに特に顕著である。よって本発明においては、(c−1)および/または(c−2)成分として、アクリル酸もしくはメタクリル酸で変性されたポリオレフィンやエチレン(メタ)アクリル酸共重合体を使用するか、併用したほうが好ましい。
本発明において、(c−1)成分および/または(c−2)成分の含有量は、前記熱可塑性樹脂(A)中0〜20質量%であり、0〜15質量%が好ましい。この量が多すぎると著しく伸びが大幅に低下する。
(d)スチレン系エラストマー
スチレン系エラストマー
本発明におけるスチレン系エラストマーとしては、スチレンの重合体ブロックSと共役ジエン化合物を主体とする重合体ブロックBの少なくとも1個とからなるブロック共重合体又はランダム共重合体さらにはこれらを水素添加して得られるもの、あるいはこれらの混合物であり、例えば、S−B−S、B−S−B−S、S−B−S−B−S、Sm1−Bn1−Sm2−Bn2・・などの構造を有するビニル芳香族化合物‐共役ジエン化合物の共重合体あるいは、これらの水素添加されたもの等を挙げることができる。
これらの共役ジエン化合物としては、例えば、ブタジエン、イソプレン、1,3−ペンタジエン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエンなどのうちから1種または2種以上が選ばれ、中でもブタジエン、イソプレンおよびこれらの組合せが好ましい。上記スチレン系エラストマーの具体例としては、HSBR(水素化スチレンブタジエンエラストマー)、SBS(スチレン−ブタジエン−スチレンブロックコポリマー)、SIS(スチレン−イソプレン−スチレンブロックコポリマー)、SEBS(スチレン−エチレン・ブタジエン−スチレンブロックコポリマー)、SEPS(スチレン−エチレン・プロピレン−スチレンブロックコポリマー)等を挙げられ、それらを変性したものを用いてもよい。不飽和カルボン酸で変性されたスチレン系共重合体としては、たとえば、クレイトン1901FG(クレイトンポリマージャパン(株)製)をあげることができる。本発明において、(d)成分の含有量は、前記熱可塑性樹脂(A)中0〜30質量%であり、0〜15質量%が好ましい。
(e−1)エチレン酢酸ビニル共重合体、(e−2)エチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体
エチレン−酢酸ビニル共重合体は、エチレンと酢酸ビニルを共重合させたものが使用でき、例えば、エバフレックス(商品名、三井デュポンポリケミカル(株)製)、ウルトラセン(商品名、東ソー(株)製)などが挙げられる。また、エチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体とは、例えばエチレン−エチルアクリレート共重合体(EEA)、エチレン−メチルアクリレート共重合体(EMA)、エチレン−ブチルアクリレート共重合体(EBA)、エチレンーメタクリル酸メチル共重合体(EMMA)などが挙げられる。具体的には例えば、NUC(商品名 日本ユニカ−(株)製)などが挙げられる。
(B)金属水和物
本発明に用いられる難燃性組成物(P)における金属水和物としては、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム等が挙げられ、難燃性の面から水酸化マグネシウムが好ましい。本発明においては、通常市販されている水酸化マグネシウムを使用することが可能である。本発明において、水酸化マグネシウムは、無処理のままでも、表面処理を施されていてもよい。表面処理としてはたとえば、脂肪酸処理、リン酸処理、チタネート処理、シランカップリング剤による処理などが挙げられる。樹脂成分(A)との反応性の点から、本発明においては、無処理のものか、シランカップリング剤を用いたものを使用するのが好ましい。本発明におけるシランカップリング剤は末端にビニル基、メタクロキシ基、グリシジル基、アミノ基を有するものが好ましい。具体的にはたとえば、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、メルカプトプロピルトリメトキシシラン、メルカプトプロピルトリエトキシシラン、アミノプロピルトリエトキシシラン、アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリプロピルメチルジメトキシシラン、N−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリプロピルトリメトキシシラン等が挙げられる。中でもビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン等が好ましい。シランカップリング剤による表面処理の方法としては、通常使用される方法で処理を行うことが可能であるが、たとえば、表面処理をしていない水酸化マグネシウムをあらかじめドライブレンドしたり、湿式処理を行ったり、混練り時にシランカップリング剤をブレンドすることなどにより得ることが可能である。使用するシランカップリング剤の配合量は、表面処理するに十分な量が適宜加えられるが、具体的には水酸化マグネシウムに対し0.1〜2.5質量%、好ましくは0.2〜1.8質量%、さらに好ましくは0.3〜1.0質量%である。また、すでにシランカップリング剤処理をおこなった水酸化マグネシウム入手することも可能である。シランカップリング剤で表面処理された水酸化マグネシウムとしては、具体的には、キスマ5L、キスマ5N、キスマ5P(いずれも商品名、協和化学(株)製)などがあげられる。また、無処理の水酸化マグネシウムとしては、たとえばキスマ5(商品名、協和化学(株))、マグニフィンH5(商品名、アルベマール(株))などがあげられる。本発明においては、水酸化マグネシウムをシランカップリング剤で処理をする場合には、いずれか1種のシランカップリング剤のみでも、2種以上を併用してもよい。本発明においては、表面処理を行っていない水酸化マグネシウムや、表面処理を行った水酸化マグネシウムをそれぞれ単独で使用しても、併用してもよい。異なる表面処理を行った水酸化マグネシウムを併用することも可能である。
本発明における水酸化マグネシウム等の金属水和物の配合量は、樹脂成分100質量部に対し60〜150質量部であり、好ましくは70〜140質量部、さらに好ましくは90〜120質量部である。配合量が少なすぎると、難燃性に問題があり、多すぎると伸びが低下したり、力学的強度が著しく低下したり、低温脆性が低下する問題がある。
(C)赤燐
高い難燃性を保持するために、難燃性組成物(P)に赤燐を含有させることが好ましい。赤燐としては、粉末状のものが分散性に優れ、機械物性や難燃性が良好である。また、赤燐は、粉末状のままではなく、無機、有機コートしたものも使用される。尚、本発明に使用される赤燐としては平均粒径が3〜9μmの赤燐があげられる。赤燐が9μmより大きいと外観及び力学的強度が著しく低下し、また3μmより小さいと混練り工程が著しく困難となる。この赤燐の含有量は熱可塑性樹脂(A)100質量部に対し、0〜10質量部が好ましい。この量が多すぎると力学特性が低下する。
本発明で用いられる難燃性組成物(P)には、必要に応じスズ酸亜鉛、ヒドロキシスズ酸亜鉛及びホウ酸亜鉛から選ばれる少なくとも1種を配合させ、さらに難燃性を向上することも可能である。本発明で用いるホウ酸亜鉛、ヒドロキシスズ酸亜鉛、スズ酸亜鉛は平均粒子径が5μm以下が好ましく、3μm以下がさらに好ましい。本発明で用いることのできるホウ酸亜鉛として、具体的には例えば、アルカネックスFRC−500(2ZnO/3B ・3.5HO)、FRC−600(いずれも商品名、水澤化学(株)製)などが挙げられる。また、スズ酸亜鉛(ZnSnO)、ヒドロキシスズ酸亜鉛(ZnSn(OH))として、アルカネックスZS、アルカネックスZHS(いずれも商品名、水澤化学(株)製)などが挙げられる。本発明においてホウ酸亜鉛、スズ酸亜鉛またはヒドロキシスズ酸亜鉛の含有量は、熱可塑性樹脂(A)100質量部に対して2〜20質量部が好ましく、3〜20質量部であることがより好ましい。その量が少なすぎると難燃性向上の効果が発現せず、多すぎると力学的強度、特に伸びが低下し、コードもしくはケーブルとしたときの外観が悪くなる。
本発明に用いられる難燃性組成物(P)には、一般的に使用されている各種の添加剤、例えば、酸化防止剤、金属不活性剤、難燃(助)剤、充填剤、滑剤などを本発明の目的を損なわない範囲で適宜含有させることができる。前記酸化防止剤としては、4,4’−ジオクチル・ジフェニルアミン、N,N’−ジフェニル−p−フェニレンジアミン、2,2,4−トリメチル−1,2−ジヒドロキノリンの重合物などのアミン系酸化防止剤、ペンタエリスリチル−テトラキス(3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート)、オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン等のフェノール系酸化防止剤、ビス(2−メチル−4−(3−n−アルキルチオプロピオニルオキシ)−5−t−ブチルフェニル)スルフィド、2−メルカプトベンゾイミダゾールおよびその亜鉛塩、ペンタエリスリトール−テトラキス(3−ラウリル−チオプロピオネート)などのイオウ系酸化防止剤などが挙げられる。金属不活性剤としては、N,N’−ビス(3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニル)ヒドラジン、3−(N−サリチロイル)アミノ−1,2,4−トリアゾール、2,2’−オキサミドビス−(エチル3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート)などが挙げられる。難燃(助)剤、充填剤としては、カーボン、クレー、酸化亜鉛、酸化錫、酸化チタン、酸化マグネシウム、酸化モリブデン、三酸化アンチモン、シリコーン化合物、石英、タルク、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、ホワイトカーボンなどが挙げられる。特にカーボン(ブラック)は耐光性を向上させる効果もある。滑剤としては、炭化水素系、脂肪酸系、脂肪酸アミド系、エステル系、アルコール系、金属石けん系などが挙げられ、なかでも、ワックスE、ワックスOP(いずれも商品名、Hoechst社製)などの内部滑性と外部滑性を同時に示すエステル系、アルコール系、金属石けん系などが挙げられる。
本発明の光ファイバコード及びケーブルで使用する難燃性組成物は、上記の各成分を、二軸混練押出機、バンバリーミキサー、ニーダー、ロールなど、通常用いられる混練装置で溶融混練して得ることができる。
以下、第一の試作例についてさらに具体的に詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、組成を示す「部」は特に記載がない場合、質量部を示す。
(試作例、比較例)
表3に第一の試作例および表4に比較例の樹脂組成物の各成分の含有量を示す。表3には、樹脂組成物の各成分含有量を変化させた場合の、本発明の原理に従った第一の試作例1乃至7が示されている。
まず、下記表3、4に示す各成分を室温(23±2℃)にてドライブレンドし、バンバリーミキサーを用いて溶融混練して、各難燃性樹脂組成物を製造した。次に、押出被覆装置を用いて、4心テープ心線、Φ1.2mmの鋼線からなる支持線、Φ0.5mmのアラミドFRPからなる2本のテンションメンバー上に、予め溶融混練した難燃性樹脂組成物を押出法により被覆して、各々ケーブルを製造した。支持線を除くシースの長辺は3.8mm、短辺が2.0mm、首部が長さ0.2mm、厚さ0.2mm、支持線を覆うシースの外径が2.0mm、光ファイバケーブル全体の高さが6.0mmである。得られたケーブルに対して、以下の評価を行った。
○引張試験
被覆した難燃性樹脂組成物をロールプレスした1.0mmのシートよりJIS K 6723に基づくダンベル3号形試験片を作成して引張試験を行った。標線間20mm、引張速度200mm/分で試験を行った。伸び300%以上、引張り強さ4.9MPa以上が必要である。
○硬度
被覆した難燃性樹脂組成物をロールプレスしたシートを用いてJIS K 7215に基づくタイプDデュロメーター硬さ(以下ショアD硬度と称す)を測定した。クマゼミが万が一ケーブル(シース)表面にとまっても、シースが硬いため産卵管を刺し難くなるためにはショアD硬度57以上が好ましい。
○低摩擦性
JIS K 7125に基づき、動摩擦係数を測定した。相手材料は同一のシース材料を使用した。クマゼミがケーブル(シース)表面にとまり難くなり、産卵行動を起こし難くなるためには動摩擦係数が0.45以下が好ましい。
○難燃性
JIS C 3005に規定される60度傾斜燃焼試験を行い、合否を確認した。
○外観
外観は、押出後の表面外観を目視で確認・評価し、外観が良好であったものを○、表面に肌荒れが発生した等で外観が悪く製品レベルでないものを×で示した。
尚、各成分としては、下記のものを使用した。
(01)メタロセン触媒ポリエチレン(密度:926kg/m
商品名:ユメリット2525F 製造元:宇部丸善ポリエチレン社
(02)メタロセン触媒ポリエチレン(密度:913kg/m
商品名:ユメリット1540F 製造元:宇部丸善ポリエチレン社
(03)ランダムポリプロピレン(R−PP)
商品名:PB22A 製造元:サンアロマー(株)
(04)マレイン酸変性ポリプロピレン系リアクター熱可塑性オレフィン(TPO)
キャタロイQ300F(製造元:サンアロマー(株))のアクリル酸変性品
マレイン酸変性量:1.7質量%
(05)マレイン酸変性ポリエチレン
商品名:L−6100M 製造元:日本ポリエチレン(株)
マレイン酸変性量1質量%
(06)エチレン−メタクリル酸共重合体
商品名:ニュクレルN1207C 製造元:三井デュポンポリケミカル(株)
メタクリル酸含有量:12質量%
(07)マレイン酸変性スチレン系エラストマー
商品名:クレイトン1901FG 製造元:クレイトンポリマージャパン(株)
マレイン酸変性量:1.7質量%
(08)エチレン−エチルアクリレート共重合体
商品名:NUC−6510 製造元:日本ユニカー(株)
(09)脂肪酸処理水酸化マグネシウムシラン処理水酸化マグネシウム
(10)シラン処理水酸化マグネシウム
(11)赤燐
商品名:ヒシガードLP−F 製造元:日本化学工業(株)
平均粒径5μm
(12)赤燐
商品名:ノーバエクセル140 製造元:燐化学工業(株)
平均粒径30μm
(13)カーボン
商品名:旭カーボン#70 製造元:旭カーボン(株)
各材料の配合量および、評価結果を表3および表4に示す。
Figure 2008090880
Figure 2008090880
表3および4から明らかなように、本発明の光ファイバケーブルである表3に示す本発明の原理に従った第一の試作例1から7は、いずれの評価項目においても良好な結果が得られている。
対して、(a)成分を配合していない比較例1のケーブルでは、硬度および低摩擦性に問題があり、(a)成分の配合量が本発明の範囲を外れている比較例2では、低摩擦性、硬度に問題がある。また、(b)成分を配合していない比較例3は硬度を満足できず、本発明の範囲より多すぎる比較例4は、伸び、低摩擦性を満足しない。水酸化マグネシウムの配合量が本発明の範囲よりも少ない比較例5は、硬度、難燃性が不合格となり、逆に多すぎる比較例6は、伸び、低摩擦性、外観が劣る結果となる。また、平均粒径が本発明の範囲より大きすぎる赤燐を使用した比較例7では、低摩擦性、外観が劣る結果となる。以上の説明したように、本発明の光ファイバコード及びケーブルによれば、シース表面の動摩擦係数が小さいため、ケーブル表面が極めて滑り易くなっている。そのためクマゼミがケーブル表面、すなわちシース表面にとまり難くなって、産卵行動を起こし難くなる。その結果、クマゼミがこの光ファイバケーブルに産卵管を刺し込む機会が減り、もってシース内部の光ファイバ心線が産卵管によって刺されて損傷したり、産卵管で形成された穴から雨水等の水分が侵入して光ファイバが伝送損失増加を起こす危険性を大幅に低減させることができる。
また、仮にクマゼミがこのケーブルにとまっても、シースが硬いため産卵管を刺し難い。その結果、クマゼミがこの光ファイバケーブルに産卵管を刺し込む機会も減り、それ故、シース内部の光ファイバ心線が産卵管によって刺されて損傷し、産卵管で形成された穴から水分がケーブル内部に侵入して光ファイバが伝送損失増加を起こす危険性を大幅に減らすことができる。また、本発明の光ファイバコード及びケーブルは、ノンハロゲン難燃材料で構成されており、埋立や燃焼等の廃棄時において、有害な重金属化合物の流出や、多量の煙、有害ガスの発生が無い。
(試作例2)
以下、上記実施例の第二の試作例である光ファイバコードもしくはケーブルのシース材料として使用する難燃性組成物(P)の各成分について説明する。
(a)ポリエチレン樹脂
ポリエチレン樹脂は、HDPE(高密度ポリエチレン)、LLDPE(直鎖状低密度ポリエチレン)、LDPE(低密度ポリエチレン)、VLDPE(超低密度ポリエチレン)等が好ましく、特に密度は限定されないが、通常、0.900g/cm 以上、0.960g/cm 以下である。特に、シングルサイト触媒存在下に合成されたものが好ましく、メルトフローインデックス(ASTM D−1238)が0.5〜30g/10分のものが好ましく、その製法としては特開平6−306121号公報や特表平7−500622号公報等に記載されている公知の方法を用いることができる。本発明において用いられるポリエチレン樹脂としては、例えば、ノバテックHE122R(商品名、日本ポリエチレン(株)製)、ハイゼックス5305E(商品名、宇部丸善ポリエチレン(株)製)、UE320(商品名、日本ポリエチレン(株)製)等がある。本発明においてポリエチレン樹脂の含有量は、前記熱可塑性樹脂(A)中90〜50質量%であり、80〜50質量%であることが好ましい。
(b−1)不飽和カルボン酸またはその誘導体で変性されたポリオレフィン、(b−2)エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体
本発明における「不飽和カルボン酸またはその誘導体(以下、これらを併せて不飽和カルボン酸等ともいう)で変性されたポリオレフィン」とは、ポリオレフィンを不飽和カルボン酸またはその誘導体で変性することにより、グラフト重合した樹脂をいう。不飽和カルボン酸としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、イタコン酸、フマル酸等が挙げられ、不飽和カルボン酸の誘導体としては、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、マレイン酸モノエステル、マレイン酸ジエステル、無水マレイン酸、イタコン酸モノエステル、イタコン酸ジエステル、無水イタコン酸、フマル酸モノエステル、フマル酸ジエステル、無水フマル酸などが挙げられる。ポリオレフィンとしては、ポリエチレン(直鎖状ポリエチレン、超低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン)、ポリプロピレン(ホモポリプロピレン、プロピレン−エチレンランダム共重合体、プロピレン−エチレンブロック共重合体や、プロピレンと他の少量のα−オレフィン(例えば、1−ブテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン等)との共重合体)、エチレンとαオレフィンとの共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体、スチレン系共重合体等が挙げられる。ポリオレフィンの変性は、例えば、ポリオレフィンと不飽和カルボン酸等を有機パーオキサイドの存在下に加熱、混練することにより行うことができる。不飽和カルボン酸等による変性量は、0.5〜15質量%であることが好ましい。不飽和カルボン酸等により変性されたポリオレフィンとしては、具体的には例えば、ポリボンド(商品名、クロンプトン(株)製)、アドテックス(商品名、日本ポリエチレン(株)製)、アドマー(商品名、三井化学(株)製)、クレイトン(商品名、JSRクレイトン(株)製)などが挙げられる。本発明におけるエチレン−(メタ)アクリル酸共重合体とは、例えば、エチレン−アクリル酸共重合体やエチレン−メタクリル酸共重合体が挙げられる。具体的には、例えば、ニュクレル(商品名、三井デュポンポリケミカル(株)製)が挙げられる。本発明において(b−1)成分および/または(b−2)成分は、何れか1種を使用しても、2種以上を併用してもよい。本発明において、(b−1)成分および(b−2)成分は、後述する水酸化マグネシウムと成形時に化学的に結合することにより、高い難燃性、機械特性、耐摩耗性を得ることができる。前記すぐれた効果は、アクリル酸もしくはメタクリル酸で変性されたポリオレフィンやエチレン(メタ)アクリル酸共重合体を使用したときに特に顕著である。よって本発明においては、(b−1)および/または(b−2)成分として、アクリル酸もしくはメタクリル酸で変性されたポリオレフィンやエチレン(メタ)アクリル酸共重合体を使用するか、併用したほうが好ましい。本発明において、(b−1)成分および/または(b−2)成分の含有量は、前記熱可塑性樹脂(A)中5〜30質量%であり、5〜25質量%が好ましい。この量が多すぎると著しく伸びが大幅に低下する。
(c)ポリプロピレン樹脂
本発明に用いることのできるポリプロピレン樹脂としては、ホモポリプロピレン、エチレン・プロピレンランダム共重合体、エチレン・プロピレンブロック共重合体や、プロピレンと他の少量のα−オレフィン(例えば、1−ブテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン等)との共重合体、プロピレンとエチレンプロピレンの共重合体(TPO)が挙げられる。ここでエチレン・プロピレンランダム共重合体はエチレン成分含量が1〜4質量%程度のものをいい、エチレン・プロピレンブロック共重合体はエチレン成分含量が5〜20質量%程度のものをいう。前記ポリプロピレン樹脂の含有量は、前記熱可塑性樹脂(A)中0〜40質量%であり、0〜35質量%であることが好ましい。
(d)スチレン系エラストマー
スチレン系エラストマー
本発明におけるスチレン系エラストマーとしては、スチレンの重合体ブロックSと共役ジエン化合物を主体とする重合体ブロックBの少なくとも1個とからなるブロック共重合体又はランダム共重合体さらにはこれらを水素添加して得られるもの、あるいはこれらの混合物であり、例えば、S−B−S、B−S−B−S、S−B−S−B−S、Sm1−Bn1−Sm2−Bn2・・などの構造を有するビニル芳香族化合物‐共役ジエン化合物の共重合体あるいは、これらの水素添加されたもの等を挙げることができる。
これらの共役ジエン化合物としては、例えば、ブタジエン、イソプレン、1,3−ペンタジエン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエンなどのうちから1種または2種以上が選ばれ、中でもブタジエン、イソプレンおよびこれらの組合せが好ましい。上記スチレン系エラストマーの具体例としては、HSBR(水素化スチレンブタジエンエラストマー)、SBS(スチレン−ブタジエン−スチレンブロックコポリマー)、SIS(スチレン−イソプレン−スチレンブロックコポリマー)、SEBS(スチレン−エチレン・ブタジエン−スチレンブロックコポリマー)、SEPS(スチレン−エチレン・プロピレン−スチレンブロックコポリマー)等を挙げられ、それらを変性したものを用いてもよい。不飽和カルボン酸で変性されたスチレン系共重合体としては、たとえば、クレイトン1901FG(クレイトンポリマージャパン(株)製)をあげることができる。本発明において、(d)成分の含有量は、前記熱可塑性樹脂(A)中0〜30質量%であり、0〜15質量%が好ましい。
(e−1)エチレン酢酸ビニル共重合体、(e−2)エチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体
エチレン−酢酸ビニル共重合体は、エチレンと酢酸ビニルを共重合させたものが使用でき、例えば、エバフレックス(商品名、三井デュポンポリケミカル(株)製)、ウルトラセン(商品名、東ソー(株)製)などが挙げられる。また、エチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体とは、例えばエチレン−エチルアクリレート共重合体(EEA)、エチレン−メチルアクリレート共重合体(EMA)、エチレン−ブチルアクリレート共重合体(EBA)、エチレンーメタクリル酸メチル共重合体(EMMA)などが挙げられる。具体的には例えば、NUC(商品名 日本ユニカ−(株)製)などが挙げられる。本発明において、(e)成分の含有量は、前記熱可塑性樹脂(A)中0〜40質量%が好ましい。
(B)金属水和物
本発明に用いられる難燃性組成物(P)における金属水和物としては、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム等が挙げられ、難燃性の面から水酸化マグネシウムが好ましい。本発明においては、通常市販されている水酸化マグネシウムを使用することが可能である。本発明において、水酸化マグネシウムは、無処理のままでも、表面処理を施されていてもよい。表面処理としてはたとえば、脂肪酸処理、リン酸処理、チタネート処理、シランカップリング剤による処理などが挙げられる。樹脂成分(A)との反応性の点から、本発明においては、無処理のものか、シランカップリング剤を用いたものを使用するのが好ましい。本発明におけるシランカップリング剤は末端にビニル基、メタクロキシ基、グリシジル基、アミノ基を有するものが好ましい。具体的にはたとえば、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、メルカプトプロピルトリメトキシシラン、メルカプトプロピルトリエトキシシラン、アミノプロピルトリエトキシシラン、アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリプロピルメチルジメトキシシラン、N−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリプロピルトリメトキシシラン等が挙げられる。中でもビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン等が好ましい。シランカップリング剤による表面処理の方法としては、通常使用される方法で処理を行うことが可能であるが、たとえば、表面処理をしていない水酸化マグネシウムをあらかじめドライブレンドしたり、湿式処理を行ったり、混練り時にシランカップリング剤をブレンドすることなどにより得ることが可能である。使用するシランカップリング剤の配合量は、表面処理するに十分な量が適宜加えられるが、具体的には水酸化マグネシウムに対し0.1〜2.5質量%、好ましくは0.2〜1.8質量%、さらに好ましくは0.3〜1.0質量%である。また、すでにシランカップリング剤処理をおこなった水酸化マグネシウム入手することも可能である。シランカップリング剤で表面処理された水酸化マグネシウムとしては、具体的には、キスマ5L、キスマ5N、キスマ5P(いずれも商品名、協和化学(株)製)などがあげられる。また、無処理の水酸化マグネシウムとしては、たとえばキスマ5(商品名、協和化学(株))、マグニフィンH5(商品名、アルベマール(株))などがあげられる。本発明においては、水酸化マグネシウムをシランカップリング剤で処理をする場合には、いずれか1種のシランカップリング剤のみでも、2種以上を併用してもよい。本発明においては、表面処理を行っていない水酸化マグネシウムや、表面処理を行った水酸化マグネシウムをそれぞれ単独で使用しても、併用してもよい。異なる表面処理を行った水酸化マグネシウムを併用することも可能である。本発明における水酸化マグネシウム等の金属水和物の配合量は、樹脂成分100質量部に対し60〜150質量部であり、好ましくは70〜140質量部、さらに好ましくは90〜120質量部である。配合量が少なすぎると、難燃性に問題があり、多すぎると伸びが低下したり、力学的強度が著しく低下したり、低温脆性が低下する問題がある。
(C)赤燐
高い難燃性を保持するために、難燃性組成物(P)に赤燐を含有させることが好ましい。赤燐としては、粉末状のものが分散性に優れ、機械物性や難燃性が良好である。また、赤燐は、粉末状のままではなく、無機、有機コートしたものも使用される。尚、本発明に使用される赤燐としては平均粒径が3〜9μmの赤燐があげられる。赤燐が9μmより大きいと外観及び力学的強度が著しく低下し、また3μmより小さいと混練り工程が著しく困難となる。この赤燐の含有量は熱可塑性樹脂(A)100質量部に対し、0〜10質量部が好ましい。この量が多すぎると力学特性が低下する。
本発明で用いられる難燃性組成物(P)には、必要に応じスズ酸亜鉛、ヒドロキシスズ酸亜鉛及びホウ酸亜鉛から選ばれる少なくとも1種を配合させ、さらに難燃性を向上することも可能である。本発明で用いるホウ酸亜鉛、ヒドロキシスズ酸亜鉛、スズ酸亜鉛は平均粒子径が5μm以下が好ましく、3μm以下がさらに好ましい。本発明で用いることのできるホウ酸亜鉛として、具体的には例えば、アルカネックスFRC−500(2ZnO/3B ・3.5HO)、FRC−600(いずれも商品名、水澤化学(株)製)などが挙げられる。また、スズ酸亜鉛(ZnSnO)、ヒドロキシスズ酸亜鉛(ZnSn(OH))として、アルカネックスZS、アルカネックスZHS(いずれも商品名、水澤化学(株)製)などが挙げられる。本発明においてホウ酸亜鉛、スズ酸亜鉛またはヒドロキシスズ酸亜鉛の含有量は、熱可塑性樹脂(A)100質量部に対して2〜20質量部が好ましく、3〜20質量部であることがより好ましい。その量が少なすぎると難燃性向上の効果が発現せず、多すぎると力学的強度、特に伸びが低下し、コードもしくはケーブルとしたときの外観が悪くなる。
本発明に用いられる難燃性組成物(P)には、一般的に使用されている各種の添加剤、例えば、酸化防止剤、金属不活性剤、難燃(助)剤、充填剤、滑剤などを本発明の目的を損なわない範囲で適宜含有させることができる。前記酸化防止剤としては、4,4’−ジオクチル・ジフェニルアミン、N,N’−ジフェニル−p−フェニレンジアミン、2,2,4−トリメチル−1,2−ジヒドロキノリンの重合物などのアミン系酸化防止剤、ペンタエリスリチル−テトラキス(3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート)、オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン等のフェノール系酸化防止剤、ビス(2−メチル−4−(3−n−アルキルチオプロピオニルオキシ)−5−t−ブチルフェニル)スルフィド、2−メルカプトベンゾイミダゾールおよびその亜鉛塩、ペンタエリスリトール−テトラキス(3−ラウリル−チオプロピオネート)などのイオウ系酸化防止剤などが挙げられる。金属不活性剤としては、N,N’−ビス(3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニル)ヒドラジン、3−(N−サリチロイル)アミノ−1,2,4−トリアゾール、2,2’−オキサミドビス−(エチル3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート)などが挙げられる。難燃(助)剤、充填剤としては、カーボン、クレー、酸化亜鉛、酸化錫、酸化チタン、酸化マグネシウム、酸化モリブデン、三酸化アンチモン、シリコーン化合物、石英、タルク、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、ホワイトカーボンなどが挙げられる。特にカーボン(ブラック)は耐光性を向上させる効果もある。滑剤としては、炭化水素系、脂肪酸系、脂肪酸アミド系、エステル系、アルコール系、金属石けん系などが挙げられ、なかでも、ワックスE、ワックスOP(いずれも商品名、Hoechst社製)などの内部滑性と外部滑性を同時に示すエステル系、アルコール系、金属石けん系などが挙げられる。
本発明の光ファイバコード及びケーブルで使用する難燃性組成物は、上記の各成分を、二軸混練押出機、バンバリーミキサー、ニーダー、ロールなど、通常用いられる混練装置で溶融混練して得ることができる。
以下、本発明を第二の試作例についてさらに具体的且つ詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、組成を示す「部」は特に記載がない場合、質量部を示す。
(試作例、比較例)
表5に第二の試作例の樹脂組成物の各成分の含有量を、および表6に比較例の樹脂組成物の各成分の含有量を示す。表5には、樹脂組成物の各成分含有量を変化させた場合の、本発明の原理に従った第二の試作例1乃至7が示されている。
まず、下記表5、6に示す各成分を室温(23±2℃)にてドライブレンドし、バンバリーミキサーを用いて溶融混練して、各難燃性樹脂組成物を製造した。次に、押出被覆装置を用いて、4心テープ心線、φ1.2mmの鋼線からなる支持線、φ0.5mmのアラミドFRPからなる2本のテンションメンバー上に、予め溶融混練した難燃性樹脂組成物を押出法により被覆して、各々ケーブルを製造した。支持線を除くシースの長辺は3.8mm、短辺が2.0mm、首部が長さ0.2mm、厚さ0.2mm、支持線を覆うシースの外径が2.0mm、光ファイバケーブル全体の高さが6.0mmである。得られたケーブルに対して、以下の評価を行った。
○引張試験
被覆した難燃性樹脂組成物をロールプレスした1.0mmのシートよりJIS K 6723に基づくダンベル3号形試験片を作成して引張試験を行った。標線間20mm、引張速度200mm/分で試験を行った。伸び300%以上、引張り強さ4.9MPa以上が必要である。
○硬度
被覆した難燃性樹脂組成物をロールプレスしたシートを用いてJIS K 7215に基づくタイプDデュロメーター硬さ(以下ショアD硬度と称す)を測定した。クマゼミが万が一ケーブル(シース)表面にとまっても、シースが硬いため産卵管を刺し難くなるためにはショアD硬度57以上が好ましい。
○低摩擦性
JIS K 7125に基づき、動摩擦係数を測定した。相手材料は同一のシース材料を使用した。クマゼミがケーブル(シース)表面にとまり難くなり、産卵行動を起こし難くなるためには動摩擦係数が0.45以下が好ましい。
○難燃性
JIS C 3005に規定される60度傾斜燃焼試験を行い、合否を確認した。
○外観
外観は、押出後の表面外観を目視で確認・評価し、外観が良好であったものを○、表面に肌荒れが発生した等で外観が悪く製品レベルでないものを×で示した。
尚、各成分としては、下記のものを使用した。
(01)高密度ポリエチレン(密度:938kg/m
商品名:ノバテックHE122R 製造元:日本ポリエチレン(株)
(02)高密度ポリエチレン(密度:951kg/m
商品名:ハイゼックス5305E 製造元:宇部丸善ポリエチレン(株)
(03)直鎖状低密度ポリエチレン(密度:922kg/m
商品名:UE320 製造元:日本ポリエチレン(株)
(04)マレイン酸変性ポリエチレン
商品名:L−6100M 製造元:日本ポリエチレン(株)
マレイン酸変性量1質量%
(05)エチレン−メタクリル酸共重合体
商品名:ニュクレルN1207C 製造元:三井デュポンポリケミカル(株)
メタクリル酸含有量:12質量%
(06)ランダムポリプロピレン(R−PP)
商品名:PB22A 製造元:サンアロマー(株)
(07)マレイン酸変性スチレン系エラストマー
商品名:クレイトン1901FG 製造元:クレイトンポリマージャパン(株)
マレイン酸変性量:1.7質量%
(08)エチレン−エチルアクリレート共重合体
商品名:NUC−6510 製造元:日本ユニカー(株)
(09)脂肪酸処理水酸化マグネシウムシラン処理水酸化マグネシウム
(10)シラン処理水酸化マグネシウム
(11)赤燐
商品名:ヒシガードLP−F 製造元:日本化学工業(株)
平均粒径5μm
(12)赤燐
商品名:ノーバエクセル140 製造元:燐化学工業(株)
平均粒径30μm
(13)カーボン
商品名:旭カーボン#70 製造元:旭カーボン(株)
各材料の配合量および、評価結果を表5および表6に示す。
Figure 2008090880
Figure 2008090880
表5および6から明らかなように、本発明の光ファイバケーブルである表5に示す本発明の原理に従った第二の試作例1から7は、いずれの評価項目においても良好な結果が得られている。対して、(a)成分を配合していない比較例1のケーブルでは、硬度および低摩擦性に問題があり、(a)成分の配合量が本発明の範囲を外れている比較例2では、低摩擦性、硬度に問題がある。また、(b)成分を配合していない比較例3は硬度を満足できず、本発明の範囲より多すぎる比較例4は、伸び、低摩擦性を満足しない。水酸化マグネシウムの配合量が本発明の範囲よりも少ない比較例5は、硬度、難燃性が不合格となり、逆に多すぎる比較例6は、伸び、低摩擦性、外観が劣る結果となる。また、平均粒径が本発明の範囲より大きすぎる赤燐を使用した比較例7では、低摩擦性、外観が劣る結果となる。以上の説明したように、本発明の光ファイバコード及びケーブルによれば、シース表面の動摩擦係数が小さいため、ケーブル表面が極めて滑り易くなっている。そのためクマゼミがケーブル表面、すなわちシース表面にとまり難くなって、産卵行動を起こし難くなる。その結果、クマゼミがこの光ファイバケーブルに産卵管を刺し込む機会が減り、もってシース内部の光ファイバ心線が産卵管によって刺されて損傷したり、産卵管で形成された穴から雨水等の水分が侵入して光ファイバが伝送損失増加を起こす危険性を大幅に低減させることができる。
また、仮にクマゼミがこのケーブルにとまっても、シースが硬いため産卵管を刺し難い。その結果、クマゼミがこの光ファイバケーブルに産卵管を刺し込む機会も減り、それ故、シース内部の光ファイバ心線が産卵管によって刺されて損傷し、産卵管で形成された穴から水分がケーブル内部に侵入して光ファイバが伝送損失増加を起こす危険性を大幅に減らすことができる。また、本発明の光ファイバコード及びケーブルは、ノンハロゲン難燃材料で構成されており、埋立や燃焼等の廃棄時において、有害な重金属化合物の流出や、多量の煙、有害ガスの発生が無い。
以上に述べたように、本発明によれば、クマゼミの産卵行動に起因する光ファイバの損傷による伝送損失増加を確実に防ぐことのできる光ファイバケーブルを提供することができる。

Claims (11)

  1. 少なくとも光ファイバ心線とテンションメンバーとこれら光ファイバ心線とテンションメンバーとを一括被覆してなるシースとを有する光ファイバケーブルにおいて、前記シースのショアD硬度が55以上であり、前記光ファイバ心線の表面と前記シースの外表面までの最小距離LがL>0.3mmであることを特徴とする光ファイバケーブル。
  2. 少なくとも光ファイバ心線とテンションメンバーとこれら光ファイバ心線とテンションメンバーとを一括被覆してなるシースとを有する光ファイバケーブルにおいて、前記シースのショアD硬度が57以上であり、前記光ファイバ心線の表面と前記シースの外表面までの最小距離LがL>0.2mmであることを特徴とする光ファイバケーブル。
  3. 少なくとも光ファイバ心線とテンションメンバーとこれら光ファイバ心線とテンションメンバーとを一括被覆してなるシースとを有する光ファイバケーブルにおいて、前記シース表面の摩擦係数が0.45以下であり、前記シースのショアD硬度が57以上であることを特徴とする光ファイバケーブル。
  4. 少なくとも光ファイバ心線とテンションメンバーとこれら光ファイバ心線とテンションメンバーとを一括被覆してなるシースとを有する光ファイバケーブルにおいて、前記シース表面の摩擦係数が0.47以下であり、前記シースのショアD硬度が62以上であることを特徴とする光ファイバケーブル。
  5. 前記シースのショアD硬度が62以上であることを特徴とする請求項3記載の光ファイバケーブル。
  6. (a)エチレン・α-オレフィン共重合体90〜50質量%、(b)ポリプロピレン樹脂5〜40質量%、並びに(c−1)不飽和カルボン酸またはその誘導体で変性されたポリオレフィンおよび/または(c−2)エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体0〜20質量%、(d)スチレン系エラストマー0〜30質量%、および(e−1) エチレン酢酸ビニル共重合体および/または(e−2)エチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体0〜40質量%からなる熱可塑性樹脂(A)100質量部に対し、(B)金属水和物60〜150重量部、(C)赤燐10質量部以下を含有させた難燃性組成物(P)で光ファイバの外側に被覆した光ファイバコードもしくはケーブル。
  7. 前記赤燐の平均粒径が3〜9μmであることを特徴とする請求項6に記載の光ファイバコードもしくは光ケーブル。
  8. 前記難燃性組成物(P)中に(f)カーボンが熱可塑性樹脂(A)100質量部に対して10質量部以下含有されていることを特徴とする請求項6または7に記載の光ファイバコードもしくはケーブル。
  9. (a)ポリエチレン樹脂90〜50質量%、(b−1)不飽和カルボン酸またはその誘導体で変性されたポリオレフィンおよび/または(b−2)エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体5〜30質量%、並びに、(c)ポリプロピレン樹脂0〜40質量%、(d)スチレン系エラストマー0〜30質量%、および(e−1) エチレン酢酸ビニル共重合体および/または(e−2)エチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体0〜40質量%からなる熱可塑性樹脂(A)100質量部に対し、(B)金属水和物60〜150重量部、(C)赤燐10質量部以下を含有させた難燃性組成物(P)で光ファイバの外側に被覆した光ファイバコードもしくはケーブル。
  10. 前記赤燐の平均粒径が3〜9μmであることを特徴とする請求項9に記載の光ファイバコードもしくは光ケーブル。
  11. 前記難燃性組成物(P)中に(f)カーボンが熱可塑性樹脂(A)100質量部に対して10質量部以下含有されていることを特徴とする請求項9または10に記載の光ファイバコードもしくはケーブル。
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