JP4012807B2 - 難燃性光ファイバコードおよび製造方法 - Google Patents

難燃性光ファイバコードおよび製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、機械的特性に優れかつ高度な難燃性を有する光ファイバコード並びにその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
光ファイバコードは、光機器類の内・外配線に使用されるもので、ポリアミド樹脂等がコーティングされた光ファイバ心線上に、アラミッド繊維等からなる高抗張力繊維を縦添え集合し、その上に塩化ビニル樹脂等を押出し被覆して製造されている。このような光ファイバコードは、難燃性を有し機械的特性等も好ましいものであるが、前記塩化ビニル樹脂は燃焼の際に有害なハロゲンガス等を発生する問題がある。このため塩化ビニル樹脂に代えてノンハロゲンである難燃性のオレフィン樹脂を用いることが提案されている。しかしながらこの難燃性オレフィン系樹脂には、多量の水酸化マグネシウム等の無機金属水和物が添加されるので、引張り強度や伸び等の機械的特性が損なわれ、特に前記光ファイバコードが細径化されてくると曲癖がつき易くなり、その結果伝送損失が増加する等の問題がある。そこで前記無機金属水和物からなる難燃剤に代わる難燃剤やその他の難燃剤と併用して、前記無機金属水和物の添加量を減らす試みも行われているが、難燃性の向上はあまり見られず、また難燃剤によっては前記難燃性オレフィン系樹脂が着色されたりする問題もある。さらにまた前記の難燃性オレフィン系樹脂は、流動性の点から押出加工性等が必ずしも良くない。このような技術に関しては、特許文献1として光ファイバ心線被覆を難燃化するものが知られているが、このように前記被覆に大量の難燃剤を添加すると、柔軟性(可とう性)等の機械的特性を低下させる問題がある。そこでこのような問題がなく、また製造上の問題も少なく、好ましくはノンハロゲンの難燃性が付与された、難燃性光ファイバコードが求められている。
【0003】
【特許文献1】
特開2001−221935号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
よって本発明が解決しようとする課題は、高難燃性を有し、好ましくはノンハロゲンの高難燃性を有し、強度や柔軟性(可とう性)等の機械的特性に優れ、また製造方法も比較的簡単であり、また光ファイバコードの細径化にも十分対応できる難燃性光ファイバコードとその製造方法を提供することを目的とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
前記解決しようとする課題は、請求項1に記載されるように、光ファイバ心線或いは光ファイバテープ心線上に、順次高抗張力繊維からなる繊維緩衝層、プラスチックシースを設けた光ファイバコードにおいて、少なくとも前記繊維緩衝層は、粉末状のノンハロゲン難燃剤が前記高抗張力繊維1メートル(m)当たり1〜3グラム(g)付着されている難燃化処理が施されている難燃性光ファイバコードとすることによって、解決される。また請求項2に記載されるように、請求項1に記載の難燃性光ファイバコードにおいて、前記繊維緩衝層上に粉末状のノンハロゲン難燃剤からなる難燃剤層が形成された難燃性光ファイバコードとすることによって、解決される。
【0006】
さらに、請求項3に記載されるように、前記プラスチックシースが、ノンハロゲンの難燃性樹脂組成物からなるプラスチックシースである請求項1または2に記載の難燃性光ファイバコードとすることによって、解決される。また、請求項4に記載されるように、前記プラスチックシースが、ベースポリマー100重量部に対して金属水和物が50〜120重量部添加されたノンハロゲンの難燃性樹脂組成物からなり、かつ前記シースの厚さが0.3〜0.4mmである請求項3に記載の難燃性光ファイバコードとすることによって、解決される。
【0007】
さらにまた請求項6に記載される、請求項1〜5のいずれかに記載の難燃性光ファイバコードが、UL規格1581のVW−1の垂直燃焼試験に合格し、かつ伝送損失増加量が0.1dB以下である、難燃性光ファイバコードとすることによって、解決される。
【0008】
また、請求項7に記載される、請求項1〜6のいずれかに記載の難燃性光ファイバコードの製造方法であって、走行している光ファイバ心線或いは光ファイバテープ心線上に高抗張力繊維を縦添え集合して繊維緩衝層を形成し、次いでこれを粉末状のノンハロゲン難燃剤が充填された塗布槽中を通過させて、少なくとも前記繊維緩衝層上に前記ノンハロゲン難燃剤を付着して難燃剤層を形成した後、押出機によりプラスチックシースを被覆する難燃性光ファイバコードの製造方法とすることによって、解決される。また、請求項8に記載される、前記粉末状のノンハロゲン難燃剤が充填された塗布槽を振動させる、請求項7に記載の難燃性光ファイバコードの製造方法とすることによって、解決される。
【0009】
また、請求項9に記載される、請求項1〜6のいずれかに記載の難燃性光ファイバコードの製造方法であって、走行している光ファイバ心線或いは光ファイバテープ心線上に、高抗張力繊維を縦添え集合して繊維緩衝層を形成し、前記粉末状のノンハロゲン難燃剤が懸濁状態に充填された付着槽中を通過させて、少なくとも前記繊維緩衝層上に前記難燃剤を付着させ、つづいて加熱炉を通過させて乾燥させる、難燃性光ファイバコードの製造方法とすることによって、解決される。
【0010】
さらに請求項10に記載される、請求項1〜6のいずれかに記載の難燃性光ファイバコードの製造方法であって、走行している光ファイバ心線或いは光ファイバテープ心線上に、予め粉末状のノンハロゲン難燃剤によって難燃化処理された高抗張力繊維を、縦添え集合して繊維緩衝層を形成し、次いで押出機によりプラスチックシースを被覆する、難燃性光ファイバコードの製造方法とすることによって、解決される。
【0011】
また請求項11に記載される、請求項7〜10に記載される難燃性光ファイバコードの製造方法において、粉末状のノンハロゲン難燃剤の平均粒径が、1μm以下である、難燃性光ファイバコードの製造方法とすることによって、解決される。
【0012】
さらにまた請求項12に記載されるように、光ファイバ心線或いは光ファイバテープ心線上に、順次高抗張力繊維からなる繊維緩衝層、プラスチックシースを設けた光ファイバコードにおいて、少なくとも前記高坑張力繊維は、溶液状のノンハロゲン難燃剤によって難燃化処理されている、請求項1〜6のいずれかに記載の難燃性光ファイバコードとすることによって、解決される。
【0013】
また請求項13に記載されるように、請求項1〜6のいずれかに記載の難燃性光ファイバコードの製造方法であって、走行している光ファイバ心線或いは光ファイバテープ心線上に、高抗張力繊維を縦添え集合して繊維緩衝層を形成し、次いでこれを溶液状のノンハロゲン難燃剤が充填された塗布槽中を通過させて、少なくとも前記繊維緩衝層上に前記難燃剤を塗布させ、つづいて加熱炉を通過させて乾燥させた後に、押出機によりプラスチックシースを被覆する、難燃性光ファイバコードの製造方法とすることによって、解決される。
【0014】
さらに請求項14に記載される、請求項1〜6のいずれかに記載の難燃性光ファイバコードの製造方法であって、走行している光ファイバ心線或いは光ファイバテープ心線上に、高抗張力繊維を縦添え集合して繊維緩衝層を形成し、次いでノンハロゲンの難燃剤を含む溶液を噴霧して、少なくとも前記繊維緩衝層上に前記難燃剤を塗布させ、つづいて加熱炉を通過させて乾燥させた後に、押出機によりプラスチックシースを被覆する、難燃性光ファイバコードの製造方法とすることによって、解決される。
【0015】
さらにまた、請求項15に記載されるような、請求項1〜6のいずれかに記載の難燃性光ファイバコードの製造方法であって、走行している光ファイバ心線或いは光ファイバテープ心線上に、予め溶液状のノンハロゲン難燃剤によって、難燃化処理された高抗張力繊維を縦添え集合して繊維緩衝層を形成し、つづいて押出機によりプラスチックシースを被覆する、難燃性光ファイバコードの製造方法とすることによって、解決される。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下に本発明を詳細に説明する。請求項1に記載されるように、光ファイバ心線或いは光ファイバテープ心線上に、順次高抗張力繊維からなる繊維緩衝層、プラスチックシースを設けた光ファイバコードにおいて、少なくとも前記繊維緩衝層は、粉末状のノンハロゲン難燃剤が前記高抗張力繊維1メートル(m)当たり1〜3グラム(g)付着されている難燃化処理が施されている難燃性光ファイバコードとしたので、ノンハロゲンの高難燃性を有し、強度や柔軟性(可とう性)等の機械的特性に優れた、難燃性の光ファイバコードを得ることができる。当然にこの難燃性光ファイバコードは、燃焼した場合にもハロゲン化合物ガス等の発生がないものである。すなわちこの発明の難燃性光ファイバコードは、光ファイバ心線の被覆層を難燃化して難燃性を得るものではなく、光ファイバ心線上に施される高抗張力繊維からなる繊維緩衝層を高度に難燃化して、ノンハロゲンの難燃性と優れた機械的特性を得ることを、基本的な構成とするものである。このような構成とすることによって、前記光ファイバ心線上の被覆層は、プラスチック本来の機械的特性を維持できることとなり、難燃性光ファイバコードとした場合にも、優れた機械的特性のものとすることができる。そして、前記高抗張力繊維の難燃化は、粉末状のノンハロゲン難燃剤を用いて行われる。また難燃化は、後述する種々の方法によって行うことができるが、基本的には前記高抗張力繊維に十分に塗布、付着(保持)させることが好ましく、また繊維緩衝層を形成した時に、その内部にも前記ノンハロゲン難燃剤が保持されるようにすることが好ましい。そして、粉末状のノンハロゲン難燃剤は、前記高抗張力繊維1メートル(m)当たり1〜3グラム(g)付着させるのが、目的とする難燃性と伝送損失増加量が0.1dB以下となって望ましい。以下に詳細に説明する。
【0017】
すなわち請求項2に記載されるように、前記難燃化処理が、少なくとも前記繊維緩衝層上に、粉末状のノンハロゲン難燃剤からなる難燃剤層が形成された、請求項1に記載の難燃性光ファイバコードとすることによって、前述の難燃性光ファイバコードと同様な特性のものを得ることができる。すなわち前記粉末状の難燃剤として、ノンハロゲンのものを用いているので、前記難燃性光ファイバコードもノンハロゲンでかつ高度の難燃性を有するものとすることができる。また本発明では前記光ファイバ心線の被覆層は必ずしも難燃化する必要がないので、光ファイバコードは柔軟性(可とう性)等の機械的特性を低下させることも少なくなる。さらに前記ノンハロゲンの難燃剤は、粉末状の難燃剤を用いて前記繊維緩衝層上に塗布(付着)することによって形成するので、プラスチック等に混練した場合に比較して、燃焼時にはその難燃剤の効果をより発現し易くなると考えられるので、高難燃性の光ファイバコードが得られる。
【0018】
図1を用いて難燃性光ファイバコード1について説明すると、2は光ファイバ心線で、通常光ファイバ上に紫外線硬化型樹脂、ポリアミド樹脂、シリコーン樹脂やポリオレフィン系樹脂が被覆されている。本発明においては、この被覆層を難燃化する必要はない。このことは、得られる光ファイバコードの機械的特性を低下させることがないので、柔軟性(可とう性)等に優れたものとすることができることになる。3は、光ファイバ心線2上に設けられたアラミッド繊維(商品名:ケブラー、トワロン等)やPBO(商品名:ザイロン等)等の高抗張力繊維を縦添え集合した、繊維緩衝層3である。例えば、0.9mmφの光ファイバ単心線上に、ケブラー繊維1140dを4本が縦添え集合して設けられるものである。4は、少なくとも前記繊維緩衝層3上に形成された、粉末状のノンハロゲン難燃剤からなる難燃剤層である。そしてこの難燃剤層4は、粉末状のノンハロゲン難燃剤を塗布(付着)する等して形成するので、前記繊維緩衝層3の表面のみならず、前記繊維間或いは前記光ファイバ心線2上にも施されることになる。このような状態に施されると、前記難燃剤層4はその難燃性がより効果的に発揮されることになる。
【0019】
そして前記粉末状のノンハロゲン難燃剤としては、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム等の無機金属水和物の微粉末、ポリ燐酸アンモニウム、赤燐やメラミンシアヌレート、メラミン粉末等の窒素系難燃剤の微粉末が用いられる。中でも燃焼時に分解して水を放出し、吸熱反応によって難燃性を発現する水酸化マグネシウムのような無機金属水和物が、好ましい。そしてこの粉末状のノンハロゲン難燃剤は、前記塗布(付着)のみならず後述する種々の方法により、少なくとも前記繊維緩衝層3上に設けることによって、難燃剤層4として機能させることが出来るようになる。そしてこの難燃剤層4を、前記繊維緩衝層3全体により均一に或いは前記繊維間や前記心線上にも確実に施すために、前記粉末状の難燃剤としては、後述する平均粒径のものを用いるのが好ましい。
【0020】
5は、難燃剤層4の上に被覆されるプラスチックシースである。このプラスチックシース5としては、通常熱可塑性のポリマー樹脂が用いられる。例えばエチレン・酢酸ビニル共重合体、エチレン・アクリルゴム共重合体、エチレン・エチルアクリレート共重合体等のポリオレフィン系の共重合体が単独で或いは混合物として、またポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂やポリブチレンテレフタレート(PBT)等が、押出し被覆されて形成される。そして本発明の難燃性光ファイバコード1においては、このプラスチックシース5を前記金属水和物の大量の添加により高度に難燃化する必要もないので、プラスチックシース5としての本来の特性を維持させることができ、例えば引張り強度(MPa)を10MPa以上、伸び(%)が100%以上のものとすることができる。また本発明では、前述の機械的特性を低下させないように、難燃化を酸素指数(OI)で39〜55程度の範囲で行なうのが好ましい。そして前記難燃剤層4は、基本的に前記繊維緩衝層3とプラスチックシース5の間に保持されて形成されるので、これらが燃焼時には、プラスチック中に混練した場合と比較して、例えば無機金属水和物の場合では、熱分解による水の発生がよりスムースに行われ、難燃性の効果が高くなるものと考えられる。そしてこのように構成された難燃性光ファイバコード1は、UL規格1581の垂直燃焼試験VW−1に合格する難燃性を有するものとなる。
【0021】
つぎに図2を用いて、他の難燃性光ファイバコード1を、簡単に説明する。図2(A)は、前述と同様に光ファイバ心線2が単心の場合であり、図2(B)は、多心の光ファイバテープ心線22とした場合である。図2(A)の場合について説明すると、1は難燃性光ファイバコード、2は光ファイバ心線で通常光ファイバ素線上に紫外線硬化型樹脂、ポリアミド樹脂、シリコーン樹脂やポリオレフィン系樹脂が被覆されている。本発明においては、これらの被覆層の難燃化は行わなくてよい。このことは、得られる光ファイバコードの機械的特性等を低下させることがなくなるので好ましいものとなる。3は、光ファイバ心線2上に設けられたアラミッド繊維(商品名:ケブラー、トワロン等)やPBO(商品名:ザイロン等)等の高抗張力繊維を縦添え集合した、繊維緩衝層3である。例えば、0.9mmφの光ファイバ単心線上に、ケブラー繊維1140dを4本縦添え集合して設けられるものである。そしてこの高抗張力繊維は、予め或いは光ファイバコード1を製造するときに、難燃化処理される。このことよって、粉末状や溶液状のノンハロゲン難燃剤44が、前記繊維緩衝層3に対して、層状に塗布(付着)されて形成されるのみならず、含浸、分散された状態で難燃化されていることになる。そして、ここでの難燃化に用いるノンハロゲン難燃剤は、前述のように水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム等の無機金属水和物の微粉末、レゾルシノールジフォスフェート等の燐酸エステル、ポリ燐酸アンモニウム、赤燐やメラミンシアヌレート、メラミン粉末等の窒素系難燃剤が、粉末としてそのまま、或いは懸濁状態で、さらには溶液状として用いられる。そして前記金属水和物の難燃剤の場合は、前記高抗張力繊維に対して1〜3g/m付着(含浸)されていることが好ましい。また、前記繊維緩衝層3上に被覆されるプラスチックシース5としては、前述の材料と同一のものである。以上単心の難燃性光ファイバコードについて述べたが、光ファイバ素線を複数本撚合わせたり、縦添え集合した構造のものや、図2(B)に示す、光ファイバ心線を一列に並べた光ファイバテープ心線構造の難燃性光ファイバコードも同様に効果がある。そして、以上のような構造の難燃性光ファイバコードは、請求項10に記載されるように、UL規格1581のVW−1の垂直燃焼試験に合格し、かつ伝送損失増加量が0.1dB以下である難燃性光ファイバコードとすることができる。
【0022】
【実施例】
以下に実験例を示して、本発明の効果を述べる。下記に記載する7種類の試料を作製し、UL規格1581の垂直燃焼試験VW−1を実施して、その難燃性を確認した。試料は全て2mmφ光ファイバ単心コードとしたものを用い、この試料10本について前記垂直燃焼試験VW−1を行った。試料1本について5回の着火を行い、それぞれ着火後1分以内に自己消火したものが10本全てであった場合を、合格とした。結果を表1に示した。
【0023】
実験例1:0.9mmφの光ファイバ単心線上にケブラー繊維(1140d×4本)を縦添え集合し、その上に酸素指数(OI)39のノンハロゲン難燃性樹脂組成物(水酸化マグネシウムを配合して難燃化したエチレン・酢酸ビニル共重合体)シースを押出し被覆して、2mmφの難燃性光ファイバコードを作製して試料とした。
【0024】
実験例2:水酸化マグネシウムを添加して難燃化した被覆層を設けた0.9mmφの光ファイバ単心線上にケブラー繊維(1140d×4本)を縦添え集合し、その上にOI39のノンハロゲン難燃性樹脂組成物(水酸化マグネシウムを配合して難燃化した、エチレン・酢酸ビニル共重合体組成物)シースを押出し被覆して、2mmφの難燃性光ファイバコードを作製して試料とした。
【0025】
実験例3:0.9mmφの光ファイバ単心線上にケブラー繊維(1140d×4本)を縦添え集合し、その上にOI53のノンハロゲン難燃性樹脂組成物(エチレン・酢酸ビニル共重合体とエチレン・アクリルゴム共重合体の混合物に水酸化マグネシウムを配合した組成物)シースを押出し被覆して、2mmφの難燃性光ファイバコードを作製して試料とした。
【0026】
実験例4:水酸化マグネシウムを配合して難燃化した被覆層を設けた0.9mmφの光ファイバ単心線上にケブラー繊維(1140d×4本)を縦添え集合し、その上にOI53のノンハロゲン難燃性樹脂(エチレン・酢酸ビニル共重合体とエチレン・アクリルゴムの混合物に水酸化マグネシウムを配合した難燃性樹脂組成物)シースを押出被覆して、2mmφの難燃性光ファイバコードを作製して試料とした。
【0027】
実験例5:0.9mmφの光ファイバ単心線上にケブラー繊維(1140d×4本)を縦添え集合した繊維緩衝槽層上に平均粒径0.8μmの水酸化マグネシウムからなる難燃剤層を形成し、その上にOI39のノンハロゲン難燃性樹脂(エチレン・酢酸ビニル共重合体に水酸化マグネシウムを配合した難燃性樹脂組成物)シースを押出被覆して、2mmφの難燃性光ファイバコードを作製して試料とした。
【0028】
実験例6:0.9mmφの光ファイバ単心線上にケブラー繊維(1140d×4本)を縦添え集合した繊維緩衝層上に平均粒径0.8μmの水酸化マグネシウムからなる難燃剤層を形成し、その上にOI39のノンハロゲン難燃性樹脂(エチレン・酢酸ビニル共重合体とエチレン・アクリルゴム共重合体の混合物に水酸化マグネシウムを配合した難燃性樹脂組成物)のシースを押出被覆して、2mmφの難燃性光ファイバコードを作製して試料とした。
【0029】
実験例7:0.9mmφの光ファイバ単心線上にケブラー繊維(1140d×4本)を縦添え集合した繊維緩衝層上に平均粒径0.8μmの水酸化マグネシウムからなる難燃剤層を形成し、その上にOI53のノンハロゲン難燃性樹脂(エチレン・酢酸ビニル共重合体とエチレン・アクリルゴム共重合体の混合物に水酸化マグネシウムを配合した難燃性樹脂組成物)シースを押出被覆して、2mmφの難燃性光ファイバコードを作製して試料とした。
【0030】
【表1】
Figure 0004012807
【0031】
表1から明らかな如く、UL規格1581の垂直燃焼試験VW−1に10本の試料が合格するものは、実験例5〜7として示した構造の難燃性光ファイバコードのみであり、実験例1〜4に示す構造では合格しなかった。このように本発明の難燃性光ファイバコードの構造においては、同じ難燃剤を用いた場合でもより高い難燃性を有するのは、例えば水酸化マグネシウムを難燃剤として用いた場合に、この難燃剤を樹脂等に混合した場合よりも前記難燃剤が難燃性をより発現するからと思われる。すなわち、燃焼により発生した水分が吸熱反応を効率よく起こして消火作用が行われていると考えられる。これに対し、実験例1や3のようにシース材料のみを難燃化する構造のものは、例えば実験例3のようにシース材料の酸素指数(OI)を高くするだけでは、10本中30%程度が合格するに止まっている。またシース材料と併せて光ファイバ心線の被覆層も難燃化した実施例2並びに4においても、シース材料のOIが39程度の実験例2では、全く合格するものがなく、OIを53に高めた実験例4においても10本中の合格数は40%程度であった。そしてさらにこのような構造のものは、難燃剤の多量の添加により機械的特性の低下があり、光ファイバコードとして問題が生じるものであった。これに対して本発明の難燃性光ファイバコードは、前述のように引張り強度(MPa)や伸び(%)等の機械的特性にも優れ、高度な難燃性の光ファイバコードとして十分な特性を有するものである。
【0032】
そして前記難燃性光ファイバコード1は、請求項に記載するように、プラスチックシース5そのものをノンハロゲンの難燃性とすることによって、前記繊維緩衝層3における粉末状のノンハロゲンの難燃性と合わせて、前記光ファイバコード1全体もノンハロゲンの難燃性のものとなり、UL規格1581の垂直燃焼試験VW−1に合格する難燃性を有するものとなる。また柔軟性等の機械的特性にも優れたものとなる。しかも、この難燃性光ファイバコード1にはハロゲン元素が含まれないので、この難燃性光ファイバコード類を焼却処理してもダイオキシンに代表される有害なハロゲンガスを発生することがなく、環境問題等も生じないものとすることができる。
【0033】
さらに、前記繊維緩衝層3のノンハロゲンの難燃性との兼ね合いで、前記プラスチックシース5のシース厚さを自由に選択できるので、請求項6に記載されるように、UL規格1581のVW−1の垂直燃焼試験に合格する難燃性となると共に、伝送損失の増加量も、0.1dB以下とすることができることになる。そして、前記難燃性光ファイバコードは、引張り強度や柔軟性(可とう性)等の機械的特性を低下させることもなく、このコード類を焼却処理しても、ダイオキシンに代表される有害なハロゲンガスを発生することがなく、環境問題等も生じないものである。より具体的な難燃性光ファイバコードの構造としては、請求項4に記載するように、前記プラスチックシースが、ベースポリマー100重量部に対して金属水和物が50〜120重量部添加されたノンハロゲンの難燃性樹脂組成物からなり、かつ前記シースの厚さが0.3〜0.4mmである請求項3に記載の難燃性光ファイバコードとする。このような構造の難燃性光ファイバコードは、後述する表2に記載されるように、UL規格1581のVW−1の垂直燃焼試験に合格する難燃性が得られると共に、伝送損失の増加量も、0.1dB以下とすることができる。
【0034】
以下の実験結果に基づいて説明する。すなわち、表2に記載される外径2mmの各種単心光ファイバコードを用いて実験した。この光ファイバコードは、外径0.9mmの光ファイバ心線に、予め水酸化マグネシウム微粉末を付着させたアラミド繊維を集合縦添えし、この上に水酸化マグネシウムを添加したEEA(エチレンーエチルアクリレート共重合体)をシースとして、被覆したものである。このような各種試料を用いて、前記高抗張力繊維中の難燃剤量(g/m)、難燃性については、前記試料10本について前記垂直燃焼試験VW−1を行い、着火後1分以内に自己消火したものが10本全てであった場合を、合格とした。また耐側圧特性を、IEC794−1 Crushに従って測定した。すなわち、側圧幅100mm、側圧荷重980Nにおける伝送損失増加量を、波長1.55μmでOTDR(光パルス検出器)を用いて測定し、増加量が0.1dB未満を合格とした。
【0035】
【表2】
Figure 0004012807
【0036】
結果は、表2から明らかなとおり、高抗張力繊維に無機金属水和物粉末からなる難燃剤を1g/m以上付着させたものを用いることによって、プラスチックシース中の前記金属水和物粉末からなる難燃剤の量を、ベースポリマー100重量部に対して120重量部までの添加量に低減させることが可能であることがわかる。そしてこのような構造の難燃性光ファイバコードは、UL規格1581のVW−1の垂直燃焼試験に合格する難燃性と、耐側圧特性が伝送損失増加量として0.1dB以下とすることができることがわかる。また、前記のようにシース材料中の前記難燃剤の添加量を低減することができたことにより、強度や柔軟性の機械的特性に優れたものであった。より詳細には、実験例8に示すような無機金属水和物微粉末の難燃剤を250重量部配合したシース材料を使用しようすると、垂直燃焼試験には合格する難燃性を有するが、耐側圧特性が不合格すなわち伝送損失増加量が0.1dBを超えてしまい、実用上好ましくないものとなる。また、実験例9のように前記難燃剤量が120重量部のシース材料では、高抗張力繊維の難燃剤付着量が0.5重量部では、難燃性が不十分であることも解る。さらに実験例15に見られるように、シース材料中の前記難燃剤量が50重量部になると、高抗張力繊維への前記難燃剤量が3g/mであっても、シース厚さを0.2mmと薄くすると、耐側圧特性が不合格となることがわかる。
【0037】
このような前述の実験結果から、請求項3に記載される発明のように、前記粉末状のノンハロゲン難燃剤による難燃化処理が、前記高抗張力繊維1メートル(m)当たり、前記粉末状のノンハロゲン難燃剤が1グラム(g)以上付着されている、請求項1または2のいずれかに記載の難燃性光ファイバコードとすることが、好ましいことがわかる。すなわち、表2から前記高抗張力繊維の難燃化を、粉末状のノンハロゲン難燃剤の付着量として、前記高抗張力繊維1mあたり1g以上付着する必要がある。これは付着量が、0.5g/mのものでは、UL規格1581のVW−1の垂直燃焼試験に合格する難燃性が、得られないためである。このように特定された、難燃性光ファイバコードとすることによって、ノンハロゲンの高難燃性と伝送損失の増加量を小さなものとでき、さらには機械的特性にも優れたものであり、燃焼時には有害なハロゲンガス等を発生することもない。
【0038】
また、前記粉末状のノンハロゲン難燃剤としては、請求項5に記載されるような、平均粒径が1μm以下のものを用いることが好ましい。すなわち本発明の難燃性光ファイバコードでは、前述のように粉末状のノンハロゲン難燃剤を、高抗張力繊維であるアラミッド繊維等からなる、縦添え集合された繊維緩衝層3上に少なくとも施すものであるから、この粉末状のノンハロゲン難燃剤が、前記繊維緩衝層上全体に均一に施されることはもちろんのこと、前記アラミッド繊維間や前記光ファイバ心線上等にも施されることが好ましい。そのため前記難燃剤の平均粒径は、ある程度小さい方が良いと考えられるが、各種の実験結果から前記粉末状のノンハロゲン難燃剤の平均粒径は、1μm以下のものを使用するのが良いことが判った。この程度のものを用いれば、ほぼ均一に繊維緩衝層3全体を覆うことができ、また前記高抗張力繊維間或いは前記光ファイバ心線2上にも、十分に前記難燃剤が施されていることが判明した。このような平均粒径の粉末状のノンハロゲン難燃剤を用いて、難燃剤層4を形成した難燃性光ファイバコードは、その難燃性としてUL規格1581の垂直燃焼試験VW−1に確実に合格するものとなる。
【0039】
つぎに、前記の難燃性光ファイバコードの製造方法について説明する。すなわち、請求項7に記載されるように、請求項1〜6のいずれかに記載の難燃性光ファイバコードの製造方法であって、走行している光ファイバ心線或いは光ファイバテープ心線上に高抗張力繊維を縦添え集合して繊維緩衝層を形成し、次いでこれを粉末状のノンハロゲン難燃剤が充填された塗布槽中を通過させて、少なくとも前記繊維緩衝層上に、前記ノンハロゲン難燃剤を付着して難燃剤層を形成した後、押出機によりプラスチックシースを被覆する、難燃性光ファイバコードの製造方法とすること、さらに請求項8に記載されるように、前記粉末状のノンハロゲン難燃剤が充填された塗布槽を、振動させる、難燃性光ファイバコードの製造方法とすることによって、達成できる。このような製造方法とすることによって、前記難燃剤層4は少なくとも前記繊維緩衝層3上に均一にかつ全体に形成することができる。さらには前記塗布槽を振動させることによって、前記粉末状のノンハロゲン難燃剤は前記繊維緩衝層3上のみならず、前記繊維間並びに前記光ファイバ心線2上にも前記難燃剤が施されるようになる。しかもその製造方法は大掛かりな装置を必要とせず、プラスチック材料に難燃剤を混練するものと比較しても、コストダウンに貢献することができる。
【0040】
図3を用いて説明する。光ファイバ心線2は、左方から走行されてくるものとする。この光ファイバ心線2には、アラミッド繊維等の高抗張力繊維6がやはり左方から送出され、案内ガイド7を通して光ファイバ心線2上に縦添えされ集合ダイス8で集合されて、繊維緩衝層3が形成される。ついでこの繊維緩衝層3が形成された光ファイバ心線2は、粉末状のノンハロゲン難燃剤9が充填された塗布槽10に導入される。そしてこの塗布槽10を通過させることによって、前記繊維緩衝層3上に粉末状の難燃剤9、例えば平均粒径0.8μm程度の水酸化マグネシウム微粉末が付着され、難燃剤層4が形成される。このとき前記塗布槽10は、図3の矢印(↑↓)で示したように上下方向への振動を与えることによって、前記難燃剤層4を均一かつ前記繊維間や前記心線上にも形成し易くすることができる。ついでこのような難燃剤層4が形成された光ファイバ心線2は、図示しない押出機に順じ送り込まれて、プラスチックシース5が被覆され難燃性光ファイバコード1が製造される。なお前記プラスチックシース5は、通常前記OI値で39〜55程度に難燃化された熱可塑性プラスチックが用いられる。
【0041】
前記難燃剤層4の形成についてより説明すると、前述のように粉末状のノンハロゲン難燃剤を充填した塗布槽10を、上下に振動させることによって難燃剤層4を形成する場合以外の方法として、例えば粉末状のノンハロゲン難燃剤9そのものを、塗布槽10の中で回転、上下、左右に流動させたり、前記粉末状のノンハロゲン難燃剤9をノズル等により前記繊維緩衝層3に吹き付けたり、さらには、有機溶剤で懸濁液状にしたものを塗布した後、溶剤を乾燥除去させる等の方法でも形成することも可能である。さらに前記難燃剤層4は、前記繊維緩衝層3上のみでなく前記光ファイバ心線2上にも別個の塗布槽を用いて同様に形成させることもできる。すなわち、前記塗布槽10と同様な塗布槽を、光ファイバ心線2に高抗張力繊維6が縦添え集合されるより前の位置に設けて、付着させるようにすれば良い。このように難燃剤層4が前記繊維緩衝層3と光ファイバ心線2の2個所に形成された難燃性光ファイバコード1は、より難燃性を向上させたものとすることができる。さらにまた、前記高抗張力繊維6そのものが難燃化処理されたものを用いることも可能である。このように種々の形態が考えられるが、本発明においては少なくとも前記繊維緩衝層3上に粉末状のノンハロゲン難燃剤層4が設けられることが基本である。
【0042】
さらに他の難燃性光ファイバコードの製造方法として、請求項9に記載されるように、請求項1〜6のいずれかに記載の難燃性光ファイバコードの製造方法であって、高抗張力繊維の難燃化処理を、前記粉末状のノンハロゲン難燃剤が懸濁状態に充填された付着槽中を通過させて、少なくとも前記繊維緩衝層上に前記難燃剤を付着させ、つづいて加熱炉を通過させて乾燥させる、難燃性光ファイバコードの製造方法とすることによって、具体的には、例えば水酸化マグネシウム等の無機金属水和物微粉末を、エチルアルコール等によって懸濁状態とし、これ等を充填した付着槽を通過させて、前記難燃剤を前記高抗張力繊維6に付着する。ついで、前記難燃剤が付着された光ファイバ心線2は、例えば加熱炉を通過させて、難燃剤を乾燥すると同時に高抗張力繊維に固定して難燃剤層等を形成する、難燃化処理を行うものである。このような製造方法によっても、粉末状のノンハロゲン難燃剤を、高抗張力繊維に付着させた難燃性の光ファイバコードを、製造することができる。そして、このようにして得られた難燃性光ファイバコードは、難燃性としてUL規格1581の垂直燃焼試験VW−1に確実に合格し、耐側圧特性が伝送損失増加量として0.1dB以下とすることができる。
【0043】
また請求項10に記載されるように、請求項1〜6のいずれかに記載の難燃性光ファイバコードの製造方法であって、走行している光ファイバ心線或いは光ファイバテープ心線上に、予め粉末状のノンハロゲン難燃剤によって難燃化処理された高抗張力繊維を、縦添え集合して繊維緩衝層を形成し、次いで押出機によりプラスチックシースを被覆する、難燃性光ファイバコードの製造方法とすることによっても、得ることができる。このような製造方法によれば、従来の製造装置をそのまま使用することが可能なので、実用的な製造方法となる。そして、予め高抗張力繊維を難燃化する方法としては、前記のように粉末状のノンハロゲン難燃剤を懸濁状態で充填された塗布(付着)槽中を通過させて、前記繊維緩衝層上に前記難燃剤を塗布(付着)させ、つづいて加熱(乾燥)炉を通過させて乾燥させることによって、さらには、粉末状の難燃剤が充填された塗布槽中を通過させて、少なくとも前記繊維緩衝層上に難燃剤を塗布(付着)させた後に、これをボビン等に巻取って保存しておいても良い。また、走行している光ファイバ心線或いは光ファイバテープ心線上に、高抗張力繊維を縦添え集合して繊維緩衝層を形成し、次いでこれをアルコール等によって懸濁状態とした、粉末状のノンハロゲン難燃剤が充填された塗布(付着)槽中を通過させて、少なくとも前記繊維緩衝層上に前記難燃剤を塗布(付着)させ、つづいてこれをボビンに巻取った後、乾燥させる高抗張力繊維の難燃化方法とすることによって、この上にプラスチックシースを施せば、難燃性光ファイバコードとすることができることになる。よって製造ラインには、難燃化処理装置を新たに設置する必要がなくなる。そして、得られた難燃性光ファイバコードは、UL規格1581のVW−1の垂直燃焼試験に合格し、耐側圧特性が伝送損失増加量として0.1dB以下とすることができる。
【0044】
そして、以上の難燃性光ファイバコードの製造方法においても、請求項11に記載されるように、粉末状のノンハロゲン難燃剤の平均粒径が、1μm以下である難燃性光ファイバコードの製造方法とすることが好ましい。すなわち、前述したように粉末状のノンハロゲン難燃剤を、高抗張力繊維であるアラミッド繊維等からなる縦添え集合された繊維緩衝層3上に少なくとも施すものであるから、この難燃剤が繊維緩衝層3上全体に、均一に施されることはもちろんのこと、前記アラミッド繊維間や前記光ファイバ心線上等にも施されることが好ましい。そのため前記難燃剤の平均粒径は、ある程度小さい方が良いと考えられるが、各種の実験結果から前記粉末状のノンハロゲン難燃剤の平均粒径は、1μm以下のものを使用するのが良いことが判った。この程度のものを用いれば、ほぼ均一に繊維緩衝層3全体を覆うことができ、また前記高抗張力繊維間或いは前記光ファイバ心線2上にも、十分に前記難燃剤が施されるためである。
【0045】
つぎに、本発明の他の形態である難燃性光ファイバコードやその製造方法等について説明する。まず難燃性光ファイバコードに関する発明は、請求項12に記載されるように、光ファイバ心線或いは光ファイバテープ心線上に、順次高抗張力繊維からなる繊維緩衝層、プラスチックシースを設けた光ファイバコードにおいて、少なくとも前記高坑張力繊維は、溶液状のノンハロゲン難燃剤によって難燃化処理されている、請求項1〜6のいずれかに記載の難燃性光ファイバコードとすることによって、ノンハロゲンの高難燃性を有し、強度や柔軟性(可とう性)等の機械的特性に優れ、また製造方法も比較的簡単であり、また光ファイバコードの細径化にも十分対応できる難燃性光ファイバコードとすることができる。すなわち、図1や図2に記載される本発明の難燃性光ファイバコードを、前述の粉末状のノンハロゲン難燃剤を用いた場合と同様に得ることができる。そして得られた難燃性光ファイバコードの特性は、UL規格1581のVW−1の垂直燃焼試験に合格する難燃性と、耐側圧特性が伝送損失増加量として0.1dB以下となるものである。
【0046】
具体的に述べると、光ファイバ心線は、通常光ファイバ上に紫外線硬化型樹脂、ポリアミド樹脂、シリコーン樹脂やポリオレフィン系樹脂が被覆されている。本発明においては、この被覆層を難燃化する必要はない。このことは、得られる光ファイバコードの機械的特性を低下させることがないので、柔軟性(可とう性)等に優れたものとすることができることになる。そして前記光ファイバ心線上には、アラミッド繊維(商品名:ケブラー、トワロン等)やPBO(商品名:ザイロン等)等の高抗張力繊維を縦添え集合した、繊維緩衝層が設けられる。例えば、0.9mmφの光ファイバ単心線上に、ケブラー繊維1140dを4本が縦添え集合して設けられるものである。そして少なくとも前記高抗張力繊維は、溶液状のノンハロゲン難燃剤によって、難燃化されているものである。具体的には、図2(a)や(b)の44で示されるように、ノンハロゲン難燃剤が付着、含浸されて形成されている。このような溶液化できるノンハロゲン難燃剤としては、ポリ燐酸アンモニウム、レゾルシノールジホスフェートのような燐酸エステル、赤燐やメラミンシアヌレート、メラミン粉末等の窒素系難燃剤が、用いられる。中でも、レゾルシノールジホスフェートのように、水溶性のものが好ましい。またプラスチックシースとしては、通常熱可塑性のポリマー樹脂が用いられる。例えばエチレン・酢酸ビニル共重合体、エチレン・アクリルゴム共重合体、エチレン・エチルアクリレート共重合体等のポリオレフィン系樹脂が単独で或いは混合物として、またポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂やポリブチレンテレフタレート(PBT)等が押出し被覆されて形成される。そして本発明の難燃性光ファイバコードにおいては、このプラスチックシースを前記金属水和物の大量の添加により高度に難燃化する必要がないので、プラスチックシースとしての本来の特性を維持させることができ、例えば引張り強度(MPa)を10MPa以上、伸び(%)が100%以上のものとすることができる。また本発明では前述の機械的特性を低下させないように、難燃化を酸素指数(OI)で39〜55程度の範囲で行なうのことも好ましい。そしてこのように構成された難燃性光ファイバコード1は、UL規格1581の垂直燃焼試験VW−1に合格する難燃性と耐側圧特性が伝送損失増加量として0.1dB以下とすることができる。
【0047】
つぎに、前記の難燃性光ファイバコードの製造方法について、説明する。すなわち請求項13に記載されるように、請求項1〜6のいずれかに記載の難燃性光ファイバコードの製造方法であって、走行している光ファイバ心線或いは光ファイバテープ心線上に、高抗張力繊維を縦添え集合して繊維緩衝層を形成し、次いでこれを溶液状のノンハロゲン難燃剤が充填された塗布槽中を通過させて、少なくとも前記繊維緩衝層上に前記難燃剤を塗布させ、つづいて加熱炉を通過させて乾燥させた後に、押出機によりプラスチックシースを被覆する難燃性光ファイバコードの製造方法とすることによって、前述した特性を有する難燃性光ファイバコードを得ることができる。
【0048】
図4を用いて説明すると、例えば光ファイバ心線2は、左方から走行されてくるものとする。この光ファイバ心線2には、アラミッド繊維やポリパラフェニレンベンズビスオキサザール(PBO)繊維等の高抗張力繊維6がやはり左方から送出され、案内ガイド7を通して光ファイバ心線2上に縦添えされ集合ダイス8で集合されて、繊維緩衝層3が形成される。ついでこの繊維緩衝層3が形成された光ファイバ心線2は、例えばレゾルシノールジホスフェートの水溶液からなる難燃剤11を充填した塗布槽10を通過させて、難燃剤を前記高抗張力繊維6に塗布する。ついで、前記難燃剤が付着された光ファイバ心線2は、例えば12で示されるような加熱炉を通過させて、難燃剤を乾燥すると同時に高抗張力繊維に固定されて、難燃化処理される。
【0049】
ついで、このような難燃剤層が形成された光ファイバ心線2は、図示しない押出機に順じ送り込まれて、プラスチックシース5が被覆され難燃性光ファイバコード1が製造される。なお前記プラスチックシース5は、通常前記と同様の難燃剤によって、難燃化された熱可塑性プラスチックが用いられる。このような製造方法とすることによって、大型の装置を新たに設置することなく、高難燃性やノンハロゲンの高難燃性の繊維緩衝層3を得ることが可能となる。そして得られた難燃性光ファイバコードは、UL規格1581のVW−1の垂直燃焼試験に合格し、かつ伝送損失増加量が0.1dB以下であると同時に、強度や柔軟性等の機械的特性に優れた難燃性光ファイバコードである。
【0050】
さらに他の製造方法として、請求項14に記載されるように、請求項1〜6のいずれかに記載の難燃性光ファイバコードの製造方法であって、走行している光ファイバ心線或いは光ファイバテープ心線上に、高抗張力繊維を縦添え集合して繊維緩衝層を形成し、次いでノンハロゲンの難燃剤を含む溶液を噴霧して、少なくとも前記繊維緩衝層上に前記難燃剤を塗布させ、つづいて加熱炉を通過させて乾燥させた後に、押出機によりプラスチックシースを被覆する、難燃性光ファイバコードの製造方法とすることによって、前述した特性を有する難燃性光ファイバコードを得ることができる。
【0051】
図5を用いて説明すると、例えば光ファイバ心線2は、左方から走行されてくるものとする。この光ファイバ心線2には、アラミッド繊維やポリパラフェニレンベンズビスオキサザール(PBO)繊維等の高抗張力繊維6がやはり左方から送出され、案内ガイド7を通して光ファイバ心線2上に縦添えされ集合ダイス8で集合されて、繊維緩衝層3が形成される。ついでこの繊維緩衝層3が形成された光ファイバ心線2は、例えばレゾルシノールジホスフェートのような燐酸エステル系の難燃剤の水溶液を噴霧する噴霧室13へ導入される。この噴霧室13には、少なくとも2箇所(この製造方法では、上下2箇所とした。)にノズル14が設置され、前記難燃剤を貯めておく貯蔵室15からホース16等によって連結されされ、エアーによって前記ノズル14から難燃剤を噴霧するようになっている。このため、前記難燃剤は溶液として取扱えるものが好ましい。このようにして、前記難燃剤を前記高抗張力繊維6に塗布する。ついで、前記難燃剤が塗布された光ファイバ心線2は、例えば12で示されるような加熱炉を通過させて、前記難燃剤を乾燥すると同時に高抗張力繊維に固定して、難燃剤層等を形成する。
【0052】
ついで、このような難燃剤層が形成された光ファイバ心線2は、図示しない押出機に順じ送り込まれて、プラスチックシース5が被覆され難燃性光ファイバコード1が製造される。なお前記プラスチックシース5は、通常前記と同様の難燃剤によって、難燃化された熱可塑性プラスチックが用いられる。このような製造方法とすることによって、大型の装置を新たに設置することなく、高難燃性やノンハロゲンの高難燃性の繊維緩衝層3を得ることが可能となる。そして得られた難燃性光ファイバコードは、UL規格1581のVW−1の垂直燃焼試験に合格し、かつ伝送損失増加量が0.1dB以下であると同時に、強度や柔軟性等の機械的特性に優れた難燃性光ファイバコードである。
【0053】
さらにまた請求項15に記載される、請求項1〜6のいずれかに記載の難燃性光ファイバコードの製造方法であって、走行している光ファイバ心線或いは光ファイバテープ心線上に、予め溶液状のノンハロゲン難燃剤によって、難燃化処理された高抗張力繊維を縦添え集合して繊維緩衝層を形成し、つづいて押出機によりプラスチックシースを被覆する、難燃性光ファイバコードの製造方法とすることによって、得ることができる。このような製造方法では、従来の製造装置をそのまま使用することが可能なので、実用的な製造方法である。そして予め高抗張力繊維を難燃化する方法としては、前記のような溶液状態の難燃剤が充填された塗布(付着)槽中を通過させて、前記繊維緩衝層上に前記難燃剤を塗布(付着)させ、つづいて加熱(乾燥)炉を通過させて乾燥させることによって、また前記のように難燃剤を含む溶液を噴霧して、前記繊維緩衝層上に前記難燃剤を塗布(付着)させ、つづいて加熱(乾燥)炉を通過させて乾燥させることによって、さらには粉末状の難燃剤が充填された塗布槽中を通過させて、少なくとも前記繊維緩衝層上に前記ノンハロゲン難燃剤を塗布(付着)させた後、乾燥処理を行い、ボビン等に巻取って保存しておけばよい。このようにして得られた難燃性光ファイバコードは、UL規格1581のVW−1の垂直燃焼試験に合格し、かつ伝送損失増加量が0.1dB以下であると同時に、強度や柔軟性等の機械的特性に優れた難燃性光ファイバコードとすることができる。
【0054】
また、前述の難燃性光ファイバコードの製造方法以外に、予め高抗張力繊維を難燃化しておく方法として、以下のような難燃化方法が考えられる。すなわち、走行している光ファイバ心線或いは光ファイバテープ心線上に、高抗張力繊維を縦添え集合して繊維緩衝層を形成し、次いでこれを難燃剤が溶液状として充填された溶液槽中を通過させて、少なくとも前記繊維緩衝層上に前記難燃剤を塗布(付着)させ、つづいてこれをボビンに巻取った後、乾燥させる高抗張力繊維の難燃化方法や前記難燃剤を含む溶液を噴霧して、少なくとも前記繊維緩衝層上に前記難燃剤を塗布(付着)させ、つづいてこれをボビンに巻取った後、乾燥させる高抗張力繊維の難燃化方法とすることによって、予め難燃化処理された繊維緩衝層を有する光ファイバ心線等とすることができる。このようにして製造された難燃化処理繊維緩衝層を有する光ファイバ心線は、この上にプラスチックシースを施すことによって、難燃性光ファイバコードとすることができることになる。よって製造ラインには、難燃化処理装置を新たに設置する必要がなくなる。そして、得られた難燃性光ファイバコードは、UL規格1581のVW−1の垂直燃焼試験に合格し、かつ伝送損失増加量が0.1dB以下であると同時に、強度や柔軟性等の機械的特性に優れた難燃性光ファイバコードとすることができる。
【0055】
【発明の効果】
本発明は、光ファイバ心線或いは光ファイバテープ心線上に、順次高抗張力繊維からなる繊維緩衝層、プラスチックシースを設けた光ファイバコードにおいて、少なくとも前記繊維緩衝層は、粉末状のノンハロゲン難燃剤によって難燃化処理が施されている難燃性光ファイバコードとしたので、ノンハロゲンの高難燃性を有し、強度や柔軟性(可とう性)等の機械的特性に優れると共に伝送損失増加量が0.1dB以下である光ファイバコードを得ることができる。当然にこの難燃性光ファイバコードは、燃焼した場合にもハロゲン化合物ガス等の発生がないものである。また難燃化は、後述する種々の方法によって行うことができるが、基本的には前記高抗張力繊維に十分に付着(保持)させることが好ましく、また繊維緩衝層を形成した時に、その内部にも前記ノンハロゲン難燃剤が保持されるようにすることが好ましい。また、前記難燃化処理が、少なくとも前記繊維緩衝層上に粉末状のノンハロゲン難燃剤からなる難燃剤層が形成された、難燃性光ファイバコードとすることによって、前述の難燃性光ファイバコードと同様の特性のものを得ることができる。さらに、このように少なくとも前記繊維緩衝層上に粉末状のノンハロゲン難燃剤からなる難燃剤層が形成されたことによって形成するので、プラスチック等に混練した場合に比較して、燃焼時にはその難燃剤の効果をより発現し易くなると考えられるので、高難燃性の光ファイバコードが得られる。光ファイバコードは、UL規格1581の垂直燃焼試験VW−1に合格する高度な難燃性を有し、しかも本発明の難燃性光ファイバコードにおいては、難燃化を光ファイバ心線には行う必要がないので、機械的特性等を損なうことがなく引張り強度(MPa)、伸び(%)も十分な柔軟性(可とう性)と耐側圧、耐曲げ損失性を有する難燃性光ファイバコードが得られることになる。そして得られた前記難燃性光ファイバコードは、ハロゲンフリーのものであり燃焼時に有害なハロゲンガスを発生することもなく、焼却処分を行っても環境問題を生じないものである。
【0056】
また、前記粉末状のノンハロゲン難燃剤による難燃化処理が、前記高抗張力繊維1メートル(m)当たり、前記粉末状のノンハロゲン難燃剤が1〜3グラム(g)付着されている、難燃性光ファイバコードとすることによって、UL規格1581のVW−1の垂直燃焼試験に合格する難燃性と伝送損失増加量が0.1dB以下であると同時に、強度や柔軟性等の機械的特性に優れたものとなる。また、前記粉末状のノンハロゲン難燃剤として、平均粒径が1μm以下のものを用いることによって、前記難燃剤が繊維緩衝層上全体に均一に施されることはもちろんのこと、前記アラミッド繊維間や前記光ファイバ心線上等にも施される。このような平均粒径の粉末状のノンハロゲン難燃剤を用いて、難燃剤層を形成した難燃性光ファイバコードは、その難燃性としてUL規格1581の垂直燃焼試験VW−1に確実に合格し、伝送損失増加量が0.1dB以下であると同時に、強度や柔軟性等の機械的特性にも優れたものとなる。
【0057】
つぎに、走行している光ファイバ心線或いは光ファイバテープ心線上に高抗張力繊維を縦添え集合して繊維緩衝層を形成し、次いでこれを粉末状のノンハロゲン難燃剤が充填された塗布槽中を通過させて、少なくとも前記繊維緩衝層上に前記ノンハロゲン難燃剤を塗布(付着)して難燃剤層を形成した後、押出機によりプラスチックシースを被覆する、難燃性光ファイバコードの製造方法とすること、さらには前記粉末状のノンハロゲン難燃剤が充填された塗布槽を、振動させる難燃性光ファイバコードの製造方法とすることによって、前記難燃剤層は少なくとも前記繊維緩衝層上に均一にかつ全体に形成することができる。さらには前記塗布槽を振動させることによって、前記粉末状のノンハロゲン難燃剤は前記繊維緩衝層上のみならず、前記繊維間並びに前記光ファイバ心線上にも前記難燃剤が施されるようになる。しかもその製造方法は大掛かりな装置を必要とせず、プラスチック材料に難燃剤を混練するものと比較しても、コストダウンに貢献することができる。
【0058】
また走行している光ファイバ心線或いは光ファイバテープ心線上に、予め粉末状のノンハロゲン難燃剤によって難燃化処理された高抗張力繊維を、縦添え集合して繊維緩衝層を形成し、次いで押出機によりプラスチックシースを被覆する、難燃性光ファイバコードの製造方法とすることによっても、得ることができる。このような製造方法によれば、従来の製造装置をそのまま使用することが可能なので、実用的な製造方法となる。
【0059】
また、他の難燃性光ファイバコードに関する発明として、光ファイバ心線或いは光ファイバテープ心線上に、順次高抗張力繊維からなる繊維緩衝層、プラスチックシースを設けた光ファイバコードにおいて、少なくとも前記高坑張力繊維は、溶液状のノンハロゲン難燃剤によって難燃化処理されている、難燃性光ファイバコードとすることによって、ノンハロゲンの高難燃性を有し、強度や柔軟性(可とう性)等の機械的特性に優れ、また製造方法も比較的簡単であり、また光ファイバコードの細径化にも十分対応できる難燃性光ファイバコードとすることができる。すなわち、図1や図2に記載される構造の光ファイバコードを、前述の粉末状のノンハロゲン難燃剤を用いた場合と、同様の特性のものとすることができる。具体的には、UL規格1581のVW−1の垂直燃焼試験に合格する難燃性と、耐側圧特性が伝送損失増加量として0.1dB以下とし、柔軟性等の機械的特性にも優れた、難燃性光ファイバコードとすることができる。
【0060】
さらに、走行している光ファイバ心線或いは光ファイバテープ心線上に、高抗張力繊維を縦添え集合して繊維緩衝層を形成し、次いでこれを溶液状のノンハロゲン難燃剤が充填された塗布槽中を通過させて、少なくとも前記繊維緩衝層上に前記難燃剤を塗布(含浸)させ、つづいて加熱(乾燥)炉を通過させて乾燥させた後に、押出機によりプラスチックシースを被覆する、難燃性光ファイバコードの製造方法とすることによって、さらには、走行している光ファイバ心線或いは光ファイバテープ心線上に、高抗張力繊維を縦添え集合して繊維緩衝層を形成し、次いでこれを溶液状のノンハロゲン難燃剤が充填された塗布槽中を通過させて、少なくとも前記繊維緩衝層上に前記難燃剤を塗布(含浸)させ、つづいて加熱(乾燥)炉を通過させて乾燥させた後に、押出機によりプラスチックシースを被覆する、難燃性光ファイバコードの製造方法とすることによって、前述したように、難燃性としてUL規格1581の垂直燃焼試験VW−1に確実に合格し、伝送損失増加量が0.1dB以下であると同時に、強度や柔軟性等の機械的特性に優れたものとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の難燃性光ファイバコードの、概略断面図である。
【図2】図2(A)は、本発明の単心難燃性光ファイバコードの概略断面図である。図3(B)は、本発明のテープ心線を用いた難燃性光ファイバコードの概略断面図である。
【図3】図3は、本発明の難燃性光ファイバコードの製造方法を示す、概略図である。
【図4】図4は、本発明の難燃性光ファイバコードの製造方法の他の一例を示す、概略図である。
【図5】図5は、本発明の難燃性光ファイバコードの、製造方法のその他の例を示す、概略図である。
【符号の説明】
1 難燃性光ファイバコード
2 光ファイバ心線
3 繊維緩衝層
4 難燃剤層
5 プラスチックシース
6 高抗張力繊維
7 案内ガイド
8 集合ダイス
9 粉末状の難燃剤
10 塗布槽
11 液体状の難燃剤
12 加熱炉
13 噴霧室
14 ノズル
15 貯蔵室
16 ホース
22 光ファイバテープ心線
44 付着された粉末状難燃剤

Claims (15)

  1. 光ファイバ心線或いは光ファイバテープ心線上に、順次高抗張力繊維からなる繊維緩衝層、プラスチックシースを設けた光ファイバコードにおいて、少なくとも前記繊維緩衝層は、粉末状のノンハロゲン難燃剤が前記高抗張力繊維1メートル(m)当たり1〜3グラム(g)付着されている難燃化処理が施されていることを特徴とする、難燃性光ファイバコード。
  2. 請求項1に記載の難燃性光ファイバコードにおいて、前記繊維緩衝層上に粉末状のノンハロゲン難燃剤からなる難燃剤層が形成されたことを特徴とする、難燃性光ファイバコード。
  3. 前記プラスチックシースが、ノンハロゲンの難燃性樹脂組成物からなるプラスチックシースであることを特徴とする、請求項1または2に記載の難燃性光ファイバコード。
  4. 前記プラスチックシースが、ベースポリマー100重量部に対して金属水和物が50〜120重量部添加されたノンハロゲンの難燃性樹脂組成物からなり、かつ前記シースの厚さが0.3〜0.4mmであることを特徴とする、請求項3に記載の難燃性光ファイバコード
  5. 前記粉末状のノンハロゲン難燃剤の平均粒径が1μm以下であることを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載の難燃性光ファイバコード。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載の難燃性光ファイバコードは、UL規格1581のVW−1の垂直燃焼試験に合格し、かつ伝送損失増加量が0.1dB以下であることを特徴とする、難燃性光ファイバコード。
  7. 請求項1〜6のいずれかに記載の難燃性光ファイバコードの製造方法であって、走行している光ファイバ心線或いは光ファイバテープ心線上に高抗張力繊維を縦添え集合して繊維緩衝層を形成し、次いでこれを粉末状のノンハロゲン難燃剤が充填された塗布槽中を通過させて、少なくとも前記繊維緩衝層上に前記ノンハロゲン難燃剤を付着して難燃剤層を形成した後、押出機によりプラスチックシースを被覆することを特徴とする難燃性光ファイバコードの製造方法。
  8. 前記粉末状のノンハロゲン難燃剤が充填された塗布槽を、振動させることを特徴とする、請求項7に記載の難燃性光ファイバコードの製造方法。
  9. 請求項1〜6のいずれかに記載の難燃性光ファイバコードの製造方法であって、走行している光ファイバ心線或いは光ファイバテープ心線上に、高抗張力繊維を縦添え集合して繊維緩衝層を形成し、前記粉末状のノンハロゲン難燃剤が懸濁状態に充填された付着槽中を通過させて、少なくとも前記繊維緩衝層上に前記難燃剤を付着させ、つづいて加熱炉を通過させて乾燥させることを特徴とする、難燃性光ファイバコードの製造方法。
  10. 請求項1〜6のいずれかに記載の難燃性光ファイバコードの製造方法であって、走行している光ファイバ心線或いは光ファイバテープ心線上に、予め粉末状のノンハロゲン難燃剤によって難燃化処理された高抗張力繊維を、縦添え集合して繊維緩衝層を形成し、次いで押出機によりプラスチックシースを被覆することを特徴とする、難燃性光ファイバコードの製造方法。
  11. 請求項7〜10のいずれかに記載される難燃性光ファイバコードの製造方法において、粉末状のノンハロゲン難燃剤の平均粒径が、1μm以下であることを特徴とする、難燃性光ファイバコードの製造方法。
  12. 光ファイバ心線或いは光ファイバテープ心線上に、順次高抗張力繊維からなる繊維緩衝層、プラスチックシースを設けた光ファイバコードにおいて、少なくとも前記高坑張力繊維は、溶液状のノンハロゲン難燃剤によって難燃化処理されていることを特徴とする、請求項1〜6のいずれかに記載の難燃性光ファイバコード。
  13. 請求項1〜6のいずれかに記載の難燃性光ファイバコードの製造方法であって、走行している光ファイバ心線或いは光ファイバテープ心線上に、高抗張力繊維を縦添え集合して繊維緩衝層を形成し、次いでこれを溶液状のノンハロゲン難燃剤が充填された塗布槽中を通過させて、少なくとも前記繊維緩衝層上に前記難燃剤を塗布させ、つづいて加熱炉を通過させて乾燥させた後に、押出機によりプラスチックシースを被覆することを特徴とする、難燃性光ファイバコードの製造方法。
  14. 請求項1〜6のいずれかに記載の難燃性光ファイバコードの製造方法であって、走行している光ファイバ心線或いは光ファイバテープ心線上に、高抗張力繊維を縦添え集合して繊維緩衝層を形成し、次いでノンハロゲンの難燃剤を含む溶液を噴霧して、少なくとも前記繊維緩衝層上に前記難燃剤を塗布させ、つづいて加熱炉を通過させて乾燥させた後に、押出機によりプラスチックシースを被覆することを特徴とする、難燃性光ファイバコードの製造方法。
  15. 請求項1〜6のいずれかに記載の難燃性光ファイバコードの製造方法であって、走行している光ファイバ心線或いは光ファイバテープ心線上に、予め溶液状のノンハロゲン難燃剤によって、難燃化処理された高抗張力繊維を縦添え集合して繊維緩衝層を形成し、つづいて押出機によりプラスチックシースを被覆することを特徴とする、難燃性光ファイバコードの製造方法。
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