JP4653213B2 - 光ファイバケーブル - Google Patents

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Description

本発明は、光ファイバケーブルに関するものである。
光ファイバ心線は、一般的に石英ガラス等からなるガラス光ファイバの外周に紫外線硬化性樹脂あるいは熱硬化性樹脂等からなる軟質層と硬質層の2層構造からなる被覆が施されている。ガラス光ファイバと接触する軟質層(以下、一次被覆層という)は比較的ヤング率の低い軟質の樹脂からなり、これはバッファ層(応力緩和層)として機能する。その外周に位置する硬質層(以下、二次被覆層という)は、比較的ヤング率の高い硬質の樹脂からなり、これは保護層として機能する。さらに必要に応じて二次被覆層の外周に識別用の極めて薄い着色層が施される場合もある。
一般的に、一次被覆層には被覆後そのヤング率が3MPa以下、二次被覆層にはヤング率が500MPa以上になる樹脂が用いられている。
この光ファイバ心線と、この光ファイバ心線の片側または両側に光ファイバ心線と並行に設ける少なくとも1本のテンションメンバとを一体的に被覆するようにシースを施した光ファイバケーブルが種々製造され、使用されている。また、このような光ファイバケーブルを架空布設する場合は、通常、シースが被覆された支持線が光ファイバケーブルの長手方向に添えられる。
ところで、これらの光ファイバケーブルが架空布設された場合、経時的に原因不明の特性劣化が発生することがあった。近年になってこの原因が夏季に発生するセミ、特にクマゼミの光ファイバケーブルへの産卵行動に起因することがわかってきた。
具体的には、クマゼミが架空に布設された光ファイバケーブルを木の幹や枝と誤って、そのシースに産卵管を突き刺し、内部に産卵する行動が原因である、というものである。
このようにシースに産卵管が刺し込まれると、内部の光ファイバにこれが刺さって光ファイバが傷つき、断線することがある。
そこで、例えば、特許文献1に記載されているように、シース表面の光ファイバ心線を挟んだほぼ対角の位置に先端が光ファイバの近傍に達するスリット状ノッチを設ける方法や、特許文献2に記載されているようにシース表面に低摩擦・高強度樹脂組成物層を形成する方法など、セミの産卵行動等による光ファイバの断線を防止する様々な方法が提案されている。
特開2006−163337号公報 特開2007−101586号公報
しかしながら、これらの光ファイバケーブルを使用していても、セミの産卵行動に伴う光ファイバの被害を完全に防ぐことはできなかった。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、セミの産卵行動等に伴って発生する光ファイバの断線の可能性をより低減させることのできる光ファイバケーブルを提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る光ファイバケーブルは、光ファイバ心線と、該光ファイバ心線の片側または両側に前記光ファイバ心線と並行に配置されたテンションメンバと、前記光ファイバ心線と前記テンションメンバとを一体的に被覆するシースと、を有する光ファイバケーブルにおいて、少なくとも前記シースの表面と前記光ファイバ心線との間であって、前記テンションメンバがない部分には、降伏点時の応力が12MPa以上であり、かつショアD硬度が30以上62以下である高分子材料があることを特徴とする。
このようにしてなる本発明の光ファイバケーブルによれば、セミが産卵管をシースに押し当てる圧力(応力)よりもシースを形成する高分子材料の降伏点時の応力が大きいため、セミの産卵管を押し当てられても弾性領域を保持することができ、初期の摩耗性を保持することができる。これにより、セミの産卵行動等により光ファイバが断線する可能性を低減することができる。
また、本発明に係る光ファイバケーブルは、上記の発明において、前記高分子樹脂が、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、紫外線硬化型樹脂のいずれかからることを特徴とする。
また、本発明に係る光ファイバケーブルは、上記の発明において、前記高分子材料は0.3%モデュラスが50MPa以上であることを特徴とする。
このようにしてなる本発明の光ファイバケーブルによれば、セミの産卵時の光ファイバ心線のロス変動を小さく抑えることができる。
また、本発明に係る光ファイバケーブルは、上記の発明において、前記高分子材料は引張強度が5MPa以上20MPa以下であるとを特徴とする。
このようにしてなる本発明の光ファイバケーブルによれば、引張強度が20MPa以下であるので、常温環境下だけでなく−20℃程度の低温環境下においても光ファイバケーブルから光ファイバ心線を容易に取り出すことができ、さらに、引張強度が5MPa以上であるので、光ファイバケーブルを敷設する際にシースが損傷してしまう等の問題が生じにくい。
またこのようにしてなる本発明の光ファイバケーブルによれば、ショアD硬度が62以下であるので、常温環境下だけでなく−20℃程度の低温環境下においても光ファイバケーブルにニッパなどで切り込みを入れたときに亀裂が伝わりにくい。したがって、低温環境下においても良好な支持線の分離作業ができる。さらに、ショアD硬度が30以上であるので、光ファイバケーブルを敷設する際にシースが損傷してしまう等の問題が生じにくい。
本発明によれば、セミの産卵行動等に伴って発生する光ファイバの断線の可能性をより低減させることのできる光ファイバケーブルを実現できるという効果を奏する。
以下に図を用いて本発明の光ファイバケーブルを詳細に説明する。図1は、本発明の光ファイバケーブル10の一実施形態例を示す横断面図である。
図1に示すように、本発明の光ファイバケーブル10は、その中心部に1本の光ファイバ心線1を有している。この光ファイバ心線1は、例えば、ガラス光ファイバの外周に、紫外線硬化性樹脂あるいは熱硬化性樹脂等からなる一次被覆層及びこの一次被覆層上に施した二次被覆層、必要ならさらに二次被覆層の外周に識別用の極めて薄い着色層を有し、一般的には外径250μmである。光ファイバ心線の種類としては、例えば、ITU−T(International Telecommunication Union Telecommunication Standard Sector)G.652で規定される通常シングルモードファイバ(SMF)を用いることができる。
光ファイバ心線1の両側には、おおよそ光ファイバ心線1の中心とその中心が同一平面上に位置するように一対のテンションメンバ2、2が配置されている。このテンションメンバ2の材質は、例えば、アラミド繊維束、あるいは強化繊維としてアラミド繊維を用いた繊維強化プラスチック(以下単にFRPという)からなっている。
この光ファイバ心線1と一対のテンションメンバ2、2を覆うようにシース3が施されている。このシース3は、高分子材料からなり、例えば、ポリオレフィン、ポリウレタン等の熱可塑性樹脂や、不飽和ポリエステル樹脂、シリコーン樹脂などの熱硬化性樹脂や、ウレタンアクリレートやポリエステルアクリレートを主成分とした紫外線硬化型樹脂等を用いることができる。
このシース3の外表面には光ファイバ心線1を取り出す際、このシース3を容易に裂くことができるように、光ファイバ心線1にその先端が向くように切欠4が形成されている。この切欠4はケーブル長手方向に沿って連続して形成されている。
さらには光ファイバ心線1と一対のテンションメンバ2、2とその中心がほぼ同一平面上に位置するように支持線5が配置されており、これら光ファイバ心線1、テンションメンバ2、2及び支持線5に対して一体的にシース3が被覆されている。
ここで、支持線5は、例えば、FRP線や亜鉛メッキ鋼線等からなるものであり、このように支持線5を有する光ファイバケーブル10は、自己支持型光ファイバケーブルと呼ばれている。
尚、テンションメンバ2、2及び支持線5とも、ケーブル長手方向全長に亘って光ファイバ心線1と並行に配置されている。
光ファイバケーブル10は、向かって右側の光ファイバ心線1を有するケーブル本体部と、支持線5を内蔵している支持線部とが連結部9を介してシース3により一体化されており、ケーブル本体部(図1における連結部9よりも右側部分)の外径は、例えば、長径×短径が約3.1mm×約2.0mmとなっている。
シース3を形成する高分子材料は、降伏点時の応力が12MPa以上である。
シース3に降伏点時の応力より大きな応力がかけられると塑性領域(弾性領域を超え、変形が元には戻らず残留する領域)に移行し、耐磨耗性が初期状態よりも劣化する。したがって、セミが産卵管をシース3に押し当て、降伏点時以上の応力がかけられた状態では、シース3は産卵管の往復回転運動によって簡単に磨耗してしまう。
一方、シース3を形成する高分子材料として降伏点時の応力が大きいものを用いると、セミの産卵管を押し当てられても弾性領域を保持することができ、初期の摩耗性を保持することができる。これにより、セミの産卵行動等により光ファイバが断線する可能性を低減することができる。
なお、ここでいう降伏点時の応力とは、23℃におけるJIS K7113に規定される「引張降伏強さ」を意味する。
図1に示す光ファイバケーブル10を用いて、降伏点時の応力とセミの産卵行動に伴う傷(以下、産卵傷という)の深さの関係調べた。
まず、13cm長に切断した光ファイバケーブル10を2本を1組にして、総数40本20組を用意した。1回の実験では1組2本の光ファイバケーブルをクマゼミと共に幅200mm、奥行き200mm、高さ300mmの容器内に放置し、24時間経過後、光ファイバケーブルに残された産卵傷の平均深さを調べた。結果を図2に示す。
図2に示すように、降伏点時の応力が大きいほど産卵傷の平均深さが浅く、降伏点時の応力が12MPa以上の高分子材料を用いれば産卵傷の平均深さを0.3mm以下に抑えることが可能であり、降伏点時の応力が13MPa以上の高分子材料を用いれば産卵傷の平均深さを0.25mm以下に抑えることが可能である。
特に降伏点時の応力が12MPaより小さい領域では産卵損傷も急激に深くなる傾向が見られることから、降伏点時の応力を12MPa以上とすることで、セミの産卵管が光ファイバ心線に到達する頻度を効果的に低減できる。
なお、高分子材料として熱可塑性樹脂を用いた場合、降伏点時の応力は、結晶ポリオレフィンの配合量を大きくすることによって大きくすることができる。
また、心線取り出し作業性の観点からは、降伏点時の応力が20MPa以下の高分子材料を用いることが好ましい。
また、シース3を形成する高分子材料は、0.3%モデュラスが50MPa以上であることが好ましい。
セミの産卵時において、産卵管が突き刺さったときの力が内部の光ファイバ心線まで作用し、光ファイバ心線が曲げられることによりロス変動が発生する。
このロス変動は、産卵時に一時的に光ファイバ心線の伝送損失が増加するものであるが、変動が大きい(1dBを超える)場合は光瞬断に達する可能性があり、また元の伝送損失に戻らない場合もある。なお、ロス変動が一時的にでも0.2dBを超えると通信障害などの問題が生じることがある。
なお、ここでいう0.3%モデュラスとは、JIS K7113に規定されるものであり、23℃における0.3%伸びたときの引張り弾性率を意味する。
図1に示す光ファイバケーブル10を用いて、0.3%モデュラスとセミの産卵時のロス変動の関係調べた。
図3に示すように長さ3mの光ファイバケーブル10をクマゼミを収容した幅200mm、奥行き200mm、高さ300mmの容器21内にはわせ、光ファイバケーブルの両端にそれぞれ波長1550nmの光源22と、OE変換器23/デジタルオシロスコープ24を接続し、産卵時に発生するロス変動を調べた。測定間隔は1msecとした。結果を図4に示す。
図4に示すように、高分子材料の0.3%モデュラスが小さいとロス変動は大きくなる。これは、0.3%モデュラスが小さい高分子材料ほど、光ファイバ心線が曲げられやすいためと考えられる。0.3%モデュラスを50MPa以上とすることで、セミの産卵時のロス変動を0.2dB以下に抑えることができ、0.3%モデュラスを90MPa以上とすることで、セミの産卵時のロス変動を0.1dB以下に抑えることができる。
特に0.3%モデュラスが50MPaより小さい領域ではセミの産卵時のロス変動が急激に大きくなることから、0.3%モデュラスを50MPa以上とすることで、セミの産卵時のロス変動を効果的に低減できる。
なお、高分子材料として熱可塑性樹脂を用いた場合、0.3%モデュラスは、たとえば、ベースポリエチレンに配合するポリプロピレンの配合比や難燃材として添加する水酸化マグネシウムの添加量を増加させることによって大きくすることができる。
また、支持線を取り外した状態での固定曲げ配線のしやすさの観点からは、0.3%モデュラスが800MPa以下の高分子材料を用いることが好ましい。
また、シース3を形成する高分子材料は、引張強度が5MPa以上20MPa以下であることが好ましい。
引張強度を20MPa以下とすることで、常温環境下だけでなく−20℃程度の低温環境下においても光ファイバケーブルから光ファイバ心線を容易に取り出すことができ、さらに、引張強度を5MPa以上とすることで、光ファイバケーブルを敷設する際にシースが損傷してしまう等の問題が生じにくい。
なお、ここでいう引張強度とは、23℃におけるJIS K7113に規定される「引張応力」を意味する。
高分子材料として熱可塑性樹脂を用いた場合、引張強度は、たとえば、ベースポリエチレンに配合するポリプロピレンの配合比や難燃材として添加する水酸化マグネシウムの添加量を変化させることによって調整することができる。
また、シース3を形成する高分子材料は、ショアD硬度が30以上62以下であることが好ましい。
ショアD硬度を62以下とすることで、常温環境下だけでなく−20℃程度の低温環境下においても光ファイバケーブルにニッパなどで切り込みを入れたときに亀裂が伝わりにくい。したがって、低温環境下においても良好な支持線の分離作業ができる。さらに、ショアD硬度を30以上とすることで、光ファイバケーブルを敷設する際にシースが損傷してしまう等の問題が生じにくい。
なお、ここでいうショアD硬度とは、JIS K7215 タイプDに規定されるものであり、23℃におけるものである。
なお、高分子材料として熱可塑性樹脂を用いた場合、ショアD硬度は、たとえば、ベースポリエチレンに配合するポリプロピレンの配合比を変えることで変化させることによって調整することができる。
[実施例]
ベースとなるポリオレフィン材料の種類(密度)や配合する樹脂や難燃材の種類・配合量を調整することで、降伏点時の応力、0.3%モデュラス、引張強度、ショアDを変化させた熱可塑性樹脂を用いてシース3を形成し、図1と同様の光ファイバケーブル10を製造した。これらを用いて、産卵傷の平均深さ、産卵時のロス変動、−20℃環境下での取り出し性、常温下での取り出し性、−20℃環境下での支持線分離性、常温下での支持線分離性を評価した。
なお、産卵傷の平均深さ、産卵時のロス変動の評価方法は、前述した方法と同様である。また、引張強度の測定は、23℃においてJIS K7113準拠の方法で2号ダンベルを用いて行った。
−20℃環境下での取り出し性、常温下での取り出し性は、光ファイバケーブル10の支持線部を取りケーブル本体部のみの状態とし、端末よりニッパで10mm切り込みを入れる。その後光ファイバケーブルを手で左右に切り裂いたとき、問題なく切り裂けた場合を○、10mmの切り込みでは裂くのが非常に困難で、切り込みを100mm入れれば裂ける場合を△、切り込みを100mm入れても切り裂けない場合を×とした。
−20℃環境下での支持線分離性、常温下での支持線分離性は、光ファイバケーブル10の連結部9にニッパで切り込みを入れ支持線部を分離したとき、問題なく支持線部を分離できたものを○、亀裂が生じるが、ケーブル本体部には亀裂が及ばなかったものを△、亀裂がケーブル本体部まで及んだものを×とした。
結果を表1に示す。
Figure 0004653213
表1に示すように降伏点時の応力が12MPa以上であれば、産卵傷の平均深さが0.3mm以下であり、セミの産卵管が光ファイバ心線に到達する頻度を低減できた。
また、0.3%モデュラスを50MPa以上とすることで、セミの産卵行動によるロス変動を0.2dB以下に抑えることができた。
さらに、引張強度を20MPa以下、常温環境下だけでなく−20℃程度の低温環境下においても光ファイバケーブルから光ファイバ心線を容易に取り出すことができた。
また、ショアD硬度を62以下とすることで、良好な支持線部の分離性が得られた。
図5は、本発明の光ファイバケーブル10の別の実施形態例を示す横断面図である。図5に示す光ファイバケーブル30は、図1に示したものと異なり、光ファイバ心線1と一対のテンションメンバ2、2を覆うように内層シース31が施され、その外周に外層シース32が施されている。内層シース31は一般的にシースに用いられる難燃ポリオレフィン等の熱可塑性樹脂からなり、外層シース32は、降伏点時の応力が12MPa以上である高分子材料からなる。このような光ファイバケーブル30においても外層シース32により、セミの産卵行動等に伴って発生する光ファイバの断線の可能性をより低減させることができる。
図6は、本発明の光ファイバケーブル10の別の実施形態例を示す横断面図である。図6に示す光ファイバケーブル40は、図1に示したものと異なり、光ファイバ心線1と一対のテンションメンバ2、2を覆うように内層シース41が施され、その外周に外層シース42が施されている。外層シース42は一般的にシースに用いられる難燃ポリオレフィン等の熱可塑性樹脂からなり、内層シース41は、降伏点時の応力が12MPa以上である高分子材料からなる。このような光ファイバケーブル40においても内層シース41により、セミの産卵行動等に伴って発生する光ファイバの断線の可能性をより低減させることができる。また、外層シース42が一般的に用いられている難燃ポリオレフィンからなるため、従来の光ファイバケーブルと同様に取り扱うことができ、敷設や配線が容易である。
図7は、本発明の光ファイバケーブル10の別の実施形態例を示す横断面図である。図7に示す光ファイバケーブル50は、図1に示したものと異なり、光ファイバ心線1のみを覆うように内層シース51が施され、その外周に外層シース52が施されている。外層シース52は一般的にシースに用いられる難燃ポリオレフィン等の熱可塑性樹脂からなり、内層シース51は、降伏点時の応力が12MPa以上である高分子材料からなる。このような光ファイバケーブル50においても内層シース51により、セミの産卵行動等に伴って発生する光ファイバの断線の可能性をより低減させることができる。また、外層シース52が一般的に用いられている難燃ポリオレフィンからなるため、従来の光ファイバケーブルと同様に取り扱うことができ、敷設や配線が容易である。
図8は、本発明の光ファイバケーブル10の別の実施形態例を示す横断面図である。図8に示す光ファイバケーブル60の特徴は、図1に示したものと異なり、光ファイバ心線1とテンションメンバ3とによって形成される平面に略直角する方向(図8、上下方向)に、光ファイバ心線1から所定間隔を有して光ファイバ心線1を挟むように、ケーブル長手方向に並行配置された断面長方形の内層シース61,61と、光ファイバ心線1と一対のテンションメンバ2、2と、内層シース61,61とを覆うよう施された外層シース62からなる。このような光ファイバケーブル60においても内層シース61により、セミの産卵行動等に伴って発生する光ファイバの断線の可能性をより低減させることができる。また、外層シース62が一般的に用いられている難燃ポリオレフィンからなるため、従来の光ファイバケーブルと同様に取り扱うことができ、敷設や配線が容易である。
本発明に係る光ファイバケーブルの一実施形態例を示す横断面図である。 本発明に係る光ファイバケーブルの降伏点時の応力とセミの産卵行動に伴う産卵傷の深さの関係を示す図である。 本発明に係る光ファイバケーブルのセミの産卵時のロス変動を調べる方法を示す模式図である。 本発明に係る光ファイバケーブルの0.3%モデュラスとセミの産卵時のロス変動の関係を示す図である。 本発明に係る光ファイバケーブルの別の一実施形態例を示す横断面図である。 本発明に係る光ファイバケーブルの別の一実施形態例を示す横断面図である。 本発明に係る光ファイバケーブルの別の一実施形態例を示す横断面図である。 本発明に係る光ファイバケーブルの別の一実施形態例を示す横断面図である。
符号の説明
1 光ファイバ心線
2 テンションメンバ
3 シース
4 切欠
5 支持線
9 連結部
10 光ファイバケーブル
31、41、51、61 内層シース
32、42、52、62 外層シース

Claims (4)

  1. 光ファイバ心線と、該光ファイバ心線の片側または両側に前記光ファイバ心線と平行に配置されたテンションメンバと、前記光ファイバ心線と前記テンションメンバとを一体的に被覆するシースと、を有する光ファイバケーブルにおいて、少なくとも前記シースの表面と前記光ファイバ心線との間であって、前記テンションメンバがない部分には、降伏点時の応力が12MPa以上であり、かつショアD硬度が30以上62以下である高分子材料があることを特徴とする光ファイバケーブル。
  2. 前記高分子材料は、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、紫外線硬化型樹脂のいずれかからることを特徴とする請求項1に記載の光ファイバケーブル。
  3. 前記高分子材料は0.3%モデュラスが50MPa以上であることを特徴とする請求項1または2に記載の光ファイバケーブル。
  4. 前記高分子材料は引張強度が5MPa以上20MPa以下であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1に記載の光ファイバケーブル。
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