JP2005070770A - 光ファイバケーブル - Google Patents

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Abstract

【課題】 光ファイバケーブルに収容された光ファイバテープ心線の中間後分岐を容易に行うことができる光ファイバケーブルを提供する。
【解決手段】 本発明の光ファイバケーブル1は、チューブ8内に複数の光ファイバテープ心線10が積層されて収容されており、その光ファイバテープ心線10は、光ファイバ11が4本並列され、これらの4本の光ファイバ11の全長及び並列した状態の全周が樹脂の外被12により覆われて一体化されており、光ファイバテープ心線10の厚さの最大値をT(μm)、光ファイバ11の外径をd(μm)としたときに、T≦d+40(μm)である。
【選択図】 図4

Description

本発明は、円筒状の長尺体に光ファイバテープ心線を収容した光ファイバケーブルに関する。
近年、光通信システムの需要が増加するにつれ、光伝送路である光ファイバケーブルを管路や電柱等に敷設することが多くなっている。
管路や電柱等の通信用基幹ルートに敷設される光ファイバケーブルには、チューブ状の長尺体に光ファイバテープ心線を収容したものがある。例えば、ルースチューブ型光ファイバケーブルとして以下のようなものが開示されている(非特許文献1参照)。
図24に示す従来の光ファイバケーブル100は、12心の光ファイバ101を一括被覆した12心光ファイバテープ心線102を6枚撚り合わせながらチューブ103内に収容し、中心の抗張力体104の周囲に4本の前記チューブ103を長手方向に交互に反転するように撚り合わせ、シース105を施している。
12心光ファイバテープ心線102の詳細構造については記載されていないが、通常は外径が250μmに被覆された光ファイバを平行に配置し、その全体を紫外線硬化樹脂にて被覆してテープ状に形成されている。その外径は、例えば厚さが0.3mmから0.4mm程度であり、幅が3.1mm程度である。
Proceedings of the 51st IWCS(International Wire & Cable Symposium) 第22〜第25ページ
ところで、通信用基幹ルートに敷設された上記のような光ファイバケーブルは、例えば、光ファイバを収容局から加入者側のビル等に配線するために、収容された光ファイバテープ心線を引き出して、その中の任意の光ファイバを加入者側の光ファイバと接続することがある。
その際には、まず、敷設されている光ファイバケーブルの任意の箇所からシースを所定の長さだけ剥ぎ取って、所望のチューブを引き出し、さらにチューブの被覆を除去して所望の光ファイバテープ心線を引き出す。そして、引き出した光ファイバテープ心線から所望の光ファイバを分岐させて加入者側の光ファイバと接続する。
既に敷設された光ファイバケーブルは、光信号が伝送されている光ファイバが多く含まれているため、その伝送品質の低下を抑えつつ、活線状態での分岐、いわゆる活線分岐作業を行うことが求められている。そのため、所望の光ファイバを分岐するにあたり、光ファイバテープ心線を切断せずに、引き出した光ファイバテープ心線の中間部分から所望の光ファイバを分岐する、いわゆる中間後分岐と呼ばれる分岐の方法を行う要求が高まってきている。
しかしながら、従来の光ファイバケーブルに収容された光ファイバテープ心線は、複数の光ファイバを覆った樹脂を除去することが困難であり、その中から1本の光ファイバを選び出して中間後分岐させることは難しい状況にあった。
例えば、紙やすりやカンナ状の工具で樹脂を削り取ろうとすると、光ファイバを傷付けたり切断したりしてしまうおそれがある。
このような実情により、従来は中間後分岐ができず、所望の光ファイバを分岐するには、光ファイバテープ心線として一体化された複数の光ファイバの全てを切断し、その切断箇所から単心の光ファイバに分岐させていた。そのため、伝送路として使用中の(すなわち活線の)状態にある光ファイバを含む光ファイバテープ心線の活線分岐作業を行うことができなかった。
また、光ファイバテープ心線を切断してしまうと、その箇所で接続させた光ファイバ以外の、残りの光ファイバを伝送路として用いることができなくなってしまうため、光通信網を構築する際のコストが高くなってしまう。
また、近年、情報通信において高密度の高速信号を長距離伝送することの要求が高まっており、その制限要因となる光ファイバの偏波分散(PMD)の低減が望まれている。しかし、光ファイバテープ心線をチューブ状に収容した光ファイバケーブルでは、テープ心線がチューブの中で撚られていたり、さらにそのチューブが中心の抗張力体の周囲に撚られているため、チューブの中でテープ心線が変形し、光ファイバがテープ樹脂から受ける応力により複屈折率が発生し、PMDが大きくなるという問題がある。
本発明は、光ファイバケーブルに収容された光ファイバテープ心線の中間後分岐を容易に行うことができ、かつPMDを低減した光ファイバケーブルを提供することを目的とする。
上記目的を達成することができる本発明に係る光ファイバケーブルは、ほぼ円筒形の長尺体に1枚または複数枚の光ファイバテープ心線が積層されて収容された光ファイバケーブルであって、光ファイバテープ心線は、光ファイバが複数本並列され、これらの複数本の光ファイバの全長が樹脂により一体化されており、光ファイバテープ心線の厚さの最大値をT(μm)、光ファイバの外径をd(μm)としたときに、T≦d+40(μm)であることを特徴としている。
また、上記目的を達成することができる本発明に係る光ファイバケーブルは、ほぼ円筒形の長尺体に1枚または複数枚の光ファイバテープ心線が積層されて収容された光ファイバケーブルであって、光ファイバテープ心線は、光ファイバが複数本並列され、これらの複数本の光ファイバの全長及び並列した状態の全周が樹脂により覆われて一体化されており、光ファイバテープ心線の厚さの最大値をT(μm)、光ファイバの外径をd(μm)としたときに、T≦d+40(μm)であることを特徴としている。
このような構成の光ファイバケーブルによれば、複数本の光ファイバを一体化している樹脂の厚さが従来に比べて薄いため、中間後分岐作業を容易に行うことができる。
そのため、光ファイバテープ心線に含まれる、中間後分岐させた以外の光ファイバを、さらに他の箇所で光ファイバケーブルから引き出して接続することが可能となり、光ファイバケーブルに収容された多数の光ファイバを有効に活用することができる。
また、本発明に係る光ファイバケーブルにおいて、光ファイバテープ心線は、隣接した少なくとも2本の光ファイバ同士が互いに接触して配置されていることが好ましい。もしくは、光ファイバテープ心線は、隣接した光ファイバ同士が、互いに接触しておらず、かつ、10μm以下の間隔を有して配置されていることが好ましい。
また、本発明に係る光ファイバケーブルにおいて、光ファイバテープ心線は、T≧d+1(μm)であることが好ましい。
また、本発明に係る光ファイバケーブルにおいて、光ファイバテープ心線の樹脂には、隣接する光ファイバの間の窪みに応じた凹部が形成されていることが好ましい。
また、本発明に係る光ファイバケーブルにおいて、光ファイバテープ心線は、T≦d+30(μm)であることが好ましい。
また、本発明に係る光ファイバケーブルにおいて、光ファイバテープ心線は、凹部の深さをY(μm)としたときに、(T−d)/2Y≦4.0であることが好ましい。
また、本発明に係る光ファイバケーブルにおいて、光ファイバテープ心線は、凹部における光ファイバテープ心線の厚さをg(μm)としたときに、g≦dであることが好ましい。もしくは、g≦0.8dであることが好ましい。
また、本発明に係る光ファイバケーブルにおいて、光ファイバテープ心線の樹脂に隣接する光ファイバの間の窪みに応じた凹部が形成されている場合には、光ファイバテープ心線に含まれる光ファイバの並列ピッチをP(μm)、光ファイバテープ心線に含まれる光ファイバの数の1/2以下である0を含む自然数をmとしたときに、複数枚の光ファイバテープ心線が、隣接した光ファイバテープ心線に対して、光ファイバテープ心線の幅方向にm×P+P/2(μm)だけずれて積層されていることが好ましい。その際、前記mが0であることが好ましく、さらに、複数枚の光ファイバテープ心線が、隣接した光ファイバテープ心線に対して幅方向に順次交互にずれて積層されていることがより好ましい。
また、このような本発明に係る光ファイバケーブルにおいて、積層された前記光ファイバテープ心線からなるテープ心線積層体の断面視における外接円が、当該光ファイバテープ心線において前記凹部が形成されていない光ファイバテープ心線からなるテープ心線積層体の外接円より小さくなるように、前記光ファイバテープ心線が配置されていることがより好ましい。これにより、光ファイバテープ心線を収容する長尺体の径を小さくできるため、光ファイバケーブルの外径を小さくすることができる。そして、光ファイバケーブルを構成する部材を軽減することもできるとともに、光ファイバケーブルの剛性が小さくなって小径に曲げやすくなる。そのため、光ファイバケーブルの取り扱い性が向上する。
また、本発明に係る光ファイバケーブルにおいて、光ファイバテープ心線の樹脂に隣接する光ファイバの間の窪みに応じた凹部が形成されている場合には、光ファイバテープ心線に含まれる光ファイバの並列ピッチをP(μm)、光ファイバテープ心線の幅をW(μm)、光ファイバテープ心線の積層枚数をn、隣接する光ファイバテープ心線同士のオーバーラップ長さをz(μm)とすると、光ファイバテープ心線の積層枚数nが偶数のときは下記の式(1)を満足し、nが奇数のときは下記の式(2)を満足することが好ましい。
(n−1)z{(n−1)z−2nT}+WP+P2/4≦0 ・・・(1)
z≦2nT/(n−1) ・・・(2)
このように、式(1)または式(2)を満足するように光ファイバテープ心線の積層枚数、光ファイバの並列ピッチ、光ファイバテープ心線の幅などを選定すると、汎用的な光ファイバテープ心線を用いた場合よりも光ファイバテープ心線をコンパクトに収容することができる。
また、本発明に係る光ファイバケーブルにおいて、光ファイバテープ心線は、T≦d+25(μm)であることが好ましい。
また、本発明に係る光ファイバケーブルにおいて、光ファイバテープ心線は、その横断面内における、隣接する2本の光ファイバの各中心を結ぶ直線に垂直で、かつ2本の光ファイバの各中心をそれぞれ通る2本の直線で区画される内側の領域で、ヤング率をE、断面積をSとしたときに、光ファイバのES積の和に対する、樹脂のES積の比が、0.026以下であることが好ましい。もしくは、このES積の比が、0.020以下であることが好ましい。
また、本発明に係る光ファイバケーブルにおいて、光ファイバテープ心線は、光ファイバ1本あたりの光ファイバと樹脂との密着力が0.025(gf)から0.25(gf)の範囲内であることが好ましい。
また、本発明に係る光ファイバケーブルにおいて、光ファイバテープ心線は、樹脂の降伏点応力が20(MPa)から45(MPa)の範囲内であることが好ましい。
また、本発明に係る光ファイバケーブルにおいて、ほぼ円筒状の長尺体内に収容された光ファイバテープ心線は油状充填物とともに収容されていることが望ましい。その場合、収容された全ての光ファイバにおける、波長1.26(μm)から1.65(μm)の範囲内の何れかの波長のリンク偏波モード分散が、0.05(ps/km1/2)以下であることが好ましい。
また、本発明に係る光ファイバケーブルにおいて、ほぼ円筒状の長尺体内に収容された光ファイバテープ心線は繊維状フィラーとともに収容されていることが好ましい。または、光ファイバテープ心線が収容されたほぼ円筒形の長尺体が抗張力体を中心として、長手方向で、交互に反転しながら撚られていることが好ましい。もしくは、光ファイバテープ心線が収容されたほぼ円筒形の長尺体が抗張力体を中心として、長手方向で、一方向に撚られていることが好ましい。
上記のほぼ円筒状の長尺体内に収容された光ファイバテープ心線が繊維状フィラーで覆われている光ファイバケーブル、光ファイバテープ心線が収容されたほぼ円筒形の長尺体が抗張力体を中心として、長手方向で、交互に反転しながら撚られている光ファイバケーブル、光ファイバテープ心線が収容されたほぼ円筒形の長尺体が抗張力体を中心として、長手方向で、一方向に撚られている光ファイバケーブルの何れかの場合、収容された全ての光ファイバにおける、波長1.26(μm)から1.65(μm)の範囲内の何れかの波長のリンク偏波モード分散が、0.2(ps/km1/2)以下であることが好ましい。もしくは、このリンク偏波モード分散が、0.1(ps/km1/2)以下であることが好ましい。
また、本発明に係る光ファイバケーブルにおいて、光ファイバは、波長1.55μmにおけるピーターマン−I(Petermann−I)の定義によるモードフィールド径が10μm以下であることが好ましい。もしくは、このモードフィールド径が8μm以下であることが好ましい。
また、本発明に係る光ファイバケーブルにおいて、光ファイバテープ心線は、光ファイバを分岐するときの損失増加が1.0(dB)以下であることが好ましい。もしくは、光ファイバを分岐するときの損失増加が0.5(dB)以下であることが好ましい。
また、本発明に係る光ファイバケーブルにおいて、積層された前記光ファイバテープ心線同士の接触状態が、ケーブル長手方向の線接触であることが好ましい。これにより、光ファイバテープ心線同士が相互に固着されにくくなり、光ファイバテープ心線同士が適度に滑るため、タルクなどの滑剤を光ファイバテープ心線に塗布する必要がなくなる。
本発明にかかる光ファイバテープ心線を内臓したチューブ型光ファイバケーブルによれば、収容された光ファイバテープ心線の中間後分岐を容易に行うことができ、かつPMDの低減を図ることができる。
以下、本発明に係る光ファイバケーブルの実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図1は本発明の第1実施形態にかかる光ファイバケーブルであって、(A)は断面図、(B)は側面図である。図1(A)に示すように、このルースチューブ型光ファイバケーブル1では、外径約250μmの光ファイバを例えば4本並列させて、紫外線硬化型樹脂でテープ状に被覆して4心の光ファイバテープ心線10を形成している。この4心の光ファイバテープ心線10は、幅1.1mmで厚さ0.27mmであり、これらを4枚積層して積層体9を形成している。この積層体9を、ピッチ1000mmで一方向に撚りを加えながらポリブチレンテレフタレート(PBT)からなる外径2.6mmで内径1.8mmのプラスチック製のチューブ8に収容する。プラスチック製のチューブ8の内部には油状のジェリー7が充填されている。
図1(B)に示すように、チューブ8を6本束ねてピッチ500mmで周期的に反転部、中間部、移行部を繰り返して捻回(SZ撚り)しながら、例えば外径2.6mmのG−FRPからなる抗張力体6が中心となるように、この抗張力体6の周囲に巻き付ける。これをナイロン紐5で押さえ巻きした後、さらに不織布の押さえ巻き4を巻きつけて(図1(A)参照)、その外側にポリエチレンの厚さ1.5mmのシース(外被)3を設けてある。従って、この光ファイバケーブル1は、心数96心で、外径10mmとなる。また、押さえ巻き4の内側には、吸水材2が充填されている。
光ファイバケーブル1は、チューブ8が撚られている方向が周期的に反転しているため、シース3や押さえ巻き4を任意の箇所で除去して、プラスチックチューブ8の反転部から光ファイバテープ心線10を容易に取り出すことができる。そのため、SZ撚りのルースチューブ型光ファイバケーブル1は、中間後分岐に適した構造である。このルースチューブ型光ファイバケーブルではSZ撚りで説明したが、SZ撚りに限定することなく、例えば、一方向撚りのルースチューブ型光ファイバケーブルにも適用可能である。
ここで、チューブ8に収容されている光ファイバテープ心線10の態様について説明する。
図2は、光ファイバテープ心線10を示す断面図である。この光ファイバテープ心線10は、複数本(ここでは一例として4本用いている)の光ファイバ11を並列し、これら並列している光ファイバ11の外周の全体にわたり、かつ、光ファイバ11の全長にわたって樹脂である外被12により一体的に覆ったものである。
また、図2には、隣接する光ファイバ同士が全て接触した光ファイバテープ心線を示したが、光ファイバ同士が接触せず離れているものであってもよい。ここで、接触していないとは光ファイバテープ心線に含まれる少なくとも2本の光ファイバが接触していないことをいう。光ファイバテープ心線に含まれる光ファイバ同士が接触している場合と接触していない場合とを比較すると、接触している方が光ファイバテープ心線を分岐することが容易である。光ファイバ同士が接触していると、外被を形成する光ファイバ間の樹脂が連続していない箇所をきっかけとして、例えば樹脂をブラシで擦るだけで光ファイバ間の樹脂を破壊させることができ、複数の光ファイバを一体化している樹脂を光ファイバから除去することができる。
光ファイバ心線同士が接触しない場合には、光ファイバ心線の間隔が10μm以下であることが好ましい。間隔が10μm以下であれば、外被を形成する樹脂が光ファイバの間に入る量が多くないので、樹脂の破壊が起こりやすく、樹脂が光ファイバ間で連続していない場合とほぼ同程度の外被の除去性が得られ、分岐が容易である。
また、この光ファイバテープ心線10は、光ファイバ11が全長にわたって樹脂の外被12によって覆われているため、任意の箇所で外被12を破壊または除去して、どの箇所からでも容易に単心に分岐できる構造である。
また、光ファイバ11は、コア13aとクラッド13bからなるガラスファイバ13と、このガラスファイバ13の外周を一次保護被覆14で覆い、さらに、保護被覆14の外周を二次保護被覆15により被覆した構成となっている。また、二次保護被覆15の外周に厚さ1μmから10μm程度の着色層が形成されていても良い。また、ガラスファイバ13の周囲に薄膜状のカーボン層がコーティングされていても良い。なお、光ファイバ11は、ITU−T(International Telecommunication Union -Telecommunication standardization sector : 国際電気通信連合・電気通信標準化部門)により定められたG652に準拠するものであることが好ましい。
本発明に適用可能なガラスファイバ13としては、コアと複数層のクラッドからなるガラスファイバ等、いかなる屈折率分布を有するガラスファイバも適用可能である。
また、ガラスファイバ13としては、波長1.55μmにおけるPetermann−Iの定義によるモードフィールド径(MFD:Mode Field Diameter)が10μm以下であることが好ましい。さらに、モードフィールド径が8μm以下であるとより好ましい。
モードフィールド径を小さくすると、マイクロベンド損失や曲げ損失(マクロベンド損失)を小さくすることができる。したがって、チューブ内で光ファイバテープ心線10が受ける外力による、伝送損失の増加を抑えることができる。また、小さい曲げ半径で光ファイバ11を曲げても伝送損失の増加が少ないため、活線分岐しやすい。
この光ファイバテープ心線10では、並列した4本の光ファイバ11の外周に形成された外被12として、紫外線硬化樹脂を用いている。紫外線硬化型樹脂以外の外被12としては、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂等も使用することができる。
本実施形態の光ファイバテープ心線10は、外被12の厚さが従来用いられていた光ファイバテープ心線より薄く形成されている。なお、外被12の厚さtは、光ファイバテープ心線10の厚さの最大値をT(μm)、光ファイバ11の外径をd(μm)としたときに、t=(T−d)/2で求めることができ、光ファイバテープ心線10は、T≦d+40(μm)となるように、すなわち、外被12の厚さtが20μm以下となるように外被12の厚さが設定されている。外被12が薄い光ファイバテープ心線10を用いると、従来のルースチューブ型光ファイバケーブルが有していた高い収納密度がさらに向上するとともに機械特性を確保しつつ、中間部からの光ファイバテープ心線の取り出しが極めて容易な光ファイバケーブル1を低コストで得ることができる。
このように、光ファイバテープ心線10は、外被12の厚さtが薄いため、作業者による手作業、あるいは、分岐工具により、外被12に亀裂や剥がれを発生させて外被12を容易に剥がし始めることができる。そのため、光ファイバテープ心線10から外被12を剥がして光ファイバ11を分岐させやすい。すなわち、光ファイバテープ心線10は、中間後分岐作業がしやすい構造となっている。
上述の中間後分岐について、分岐方法の一例を説明する。図3(A)に示すように、光ファイバテープ心線10を、分岐工具60の上ベース61および下ベース62で挟み、これらの上下ベース61,62に立設した線材63を光ファイバテープ心線10の外被12に近づけていく。図3(B)はそのときの断面図を示している。さらに、分岐工具60を光ファイバテープ心線10に押し付けると、図3(C)に示すように、線材63は撓み、この撓んだ線材63の先端の角が光ファイバテープ心線10の外被12と強く接触する。
分岐工具60を押し付けた状態で、分岐工具60を光ファイバテープ心線10の長手方向(図3(C)でみて左右方向)へ相対的に移動させ、つまり、分岐工具60で光ファイバテープ心線10をこすると、線材63の先端で外被12に傷を付けたり剥いだりして光ファイバ11を分岐する。その際、分岐工具60、光ファイバテープ心線10のいずれか、或いは、両方を移動させてもよい。
線材63は、可撓性を有するため、光ファイバテープ心線10の外被12に押し当てたときに、線材63が反って、線材63の先端の角が外被12にあたる。この状態で、分岐工具60または光ファイバテープ心線10を動かすと線材63(可撓性部材)が外被12に傷を与えたり、あるいは、外被12を剥がしたりする。分岐工具60で光ファイバテープ心線10をこすることを繰り返していくと、光ファイバ11と外被12との界面に剥離が発生する。さらにこの作業を繰り返すと、光ファイバ11の中心軸の上部あるいは下部の外被12が削れ、亀裂が発生し、その後、外被12に亀裂が進展して、外被12が剥がれる。
このようにして光ファイバテープ心線10の外被12が破壊され、各光ファイバに分岐される。
可撓性の線材63を光ファイバテープ心線に押し付ける力を調整すれば、分岐時の光信号の伝送損失変動量が1.0dB以下、分岐作業の仕方によっては0.5dB以下となり、活線を含む光ファイバテープ心線であっても、当該活線の光伝送を遮断させることなく分岐することができる。
ここで、外被12の厚さtの違いによる中間後分岐の作業性とそのときの活線ロス増の関係を表1に示す。また、表1には、光ファイバケーブル1中に収容された状態での偏波モード分散(ルースチューブケーブルPMD)と、光ファイバの一体化の強度を示す分離試験の結果を示している。なお、表1に示す光ファイバテープ心線の光ファイバの外径dは250μmである。また、外被12を構成する樹脂のヤング率は900MPaである。
Figure 2005070770
なお、表1に示す外被の厚さt=0.0の光ファイバテープ心線とは、樹脂が全ての光ファイバの全体を覆っていないものである。そのような光ファイバテープ心線の一例を図4に示す。
図4に示す光ファイバテープ心線10aは、隣接する光ファイバ11が、全長にわたって樹脂12aによって一体化されている。この樹脂12aは、光ファイバ11の間の窪みを埋めるように形成されており、隣接する光ファイバ11同士を接着している。また、光ファイバテープ心線10aの厚さが、光ファイバ11の外径dより大きくならないように図られている。そのため、この場合の光ファイバテープ心線10aの厚さTは、光ファイバ11の外径dと等しくなっている。
表1に示す中間後分岐性とは、光ファイバテープ心線の中間部分を各光ファイバに分岐するときに、伝送損失の増加が1.0dB以下として分岐することの容易さを示している。本明細書中における評価基準としては、◎は平均2分以内に分岐できることを示し、○は平均2分を超え3分以内に分岐できることを示し、△は平均3分を超え5分以内に分岐できることを示す。また、×は平均5分を超える分岐作業時間がかかってしまうことを示す。
なお、分岐時の伝送損失の増加が1.0dB以下ということは活線分岐できるということである。
ここで、中間後分岐性の試験について説明する。
まず、図5(A)に示すように、光ファイバテープ心線10を例えば1m程度の長さだけ外被を残し、その一方側で1番心の光ファイバ11aに波長1.55μmの光を入射するための光源20を接続し、他方側の光ファイバ11aに受光器21とストレージオシロスコープ22を接続する。この状態で、光源20から1番心の光ファイバ11aに波長1.55μmの光を入射する。入射された光は、光ファイバ11aの他方側へ伝わり、受光器21により受光される。受光された光は、ストレージオシロスコープ22によりその受光量が適時観察される。
そして、光源20からの光の入射を行っている状態で、図5(B)に示すように、光ファイバテープ心線10を中間後分岐する。すなわち、1番心の光ファイバ11aが活線の状態で光ファイバテープ心線10を単心に分岐する(活線分岐)。このとき、中間後分岐による伝送損失の増加量がストレージオシロスコープ22により計測される。
なお、中間後分岐する長さは、50cmとした。また、中間後分岐する方法は、図3を参照して説明した上記の手順によるものである。
表1に示す光ファイバテープ心線のうち、中間後分岐性が◎,○または△となっているものは、テープ厚さTが290μm以下のもの、すなわちT≦d+40(μm)以下のものである。これらは、いずれも分岐時の伝送損失の増加を1.0dB以下として5分間以内に中間後分岐可能である。つまり、5分以内に活線分岐可能である。
これに対して、テープ厚さTが光ファイバの外径dより40μmを超える、従来用いられていた外被の厚い光ファイバテープ心線は、中間後分岐性が×であり、分岐時の伝送損失の増加分が1.0dBを超えるか、分岐できたとしても5分を超える所要時間を必要とするものであり、現実的に活線分岐できなかった。
表1に示す活線ロス増は、中間後分岐の作業中に発生する伝送損失の増加量である。本明細書中における評価基準としては、◎は分岐作業中に伝送損失が0.1dBを超えて増加しないことを示し、○は分岐作業中に伝送損失が0.5dBを超えて増加しないことを示し、△は分岐作業中に伝送損失が1.0dBを超えて増加しないことを示す。また、×は分岐作業中に伝送損失の増加値が1.0dBを超えてしまうことを示す。
表1に示す光ファイバテープ心線のうち、活線ロス増が○または△となっているものは、テープ厚さTが290μm以下のもの、すなわちT≦d+40(μm)のものである。これらは、いずれも分岐時の伝送損失の増加を1.0dB以下として活線の光ファイバテープ心線を中間後分岐することが可能である。このうち、テープ厚さTが275μm以下のもの、すなわちT≦d+25(μm)のものは、活線ロス増が○となっており、伝送損失の増加がさらに低く抑えられ、より好ましい。
これに対して、テープ厚さTが光ファイバの外径dより40μmを超える、従来用いられていた外被の厚い光ファイバテープ心線は、活線ロス増が×であり、分岐作業中に伝送損失の増加値が1.0dBを超えてしまう。
表1に示すルースチューブケーブルPMDは、図1に示したように、光ファイバテープ心線10がルースチューブケーブル内に収容された状態でのリンク偏波モード分散である。ここで、リンク偏波モード分散とは、光ファイバケーブル1に収容された全ての光ファイバ11の偏波モード分散(PMD)の値を統計的に処理して、同等の光ファイバケーブルを多数条直列に接続した時に発生し得るPMDの最大値を示したものである。ここでは、その統計的な処理を、中心極限定理に基づいて行っている。なお、PMDの測定は、光ファイバケーブル1の長さが1000m以上の条件で行い、干渉法による測定器(サンテック製6000B)を用いた。
本明細書中における評価基準としては、◎はリンク偏波モード分散(リンクPMD)が0.05(ps/km1/2)以下であり、〇は0.05(ps/km1/2)を超えて0.1(ps/km1/2)以下であり、△は0.1(ps/km1/2)を超えて0.2(ps/km1/2)以下である場合を示す。また、×は、リンク偏波モード分散が0.2(ps/km1/2)を超えてしまう場合を示す。
ルースチューブ型の光ファイバケーブルでは、チューブ内に光ファイバテープ心線が積層されて配置されているため、一定方向からの応力が発生して光ファイバに複屈折が生じる上に、光ファイバテープ心線の外被の硬化収縮によっても複屈折が生じやすい。光ファイバテープ心線の外被(樹脂)は、その製造時の硬化により、5%程度収縮する。この硬化収縮によって光ファイバに外力がかかり、光ファイバ内に応力が発生するが、その応力は、光ファイバテープ心線の断面形状が幅方向に広いために、幅方向と厚さ方向とで異なってしまう。特に、光ファイバに対して光ファイバテープ心線の厚さ方向の外被は、光ファイバテープ心線の幅方向に連続しているために、この部分の外被が厚くなっていると、幅方向に発生する応力が大きくなり、幅方向と厚さ方向とで発生する応力差が大きくなってしまう。
このように、光ファイバテープ心線を内蔵したルースチューブ型の光ファイバケーブルではPMDが高くなりやすい。特に、チューブがSZに撚られている場合には、その反転する形状により、光ファイバテープ心線が複雑に曲げられてしまうため、PMDが高くなりやすい傾向がある。
本実施形態では、従来よりも外被の薄い光ファイバテープ心線を用いているため、硬化収縮に起因して発生する複屈折は極めて小さく抑えられる。したがって、本実施形態の光ファイバケーブルは、PMDを低く抑えることが可能となっている。
表1に示す光ファイバテープ心線のうち、T≦d+25(μm)の場合に、ルースチューブケーブルPMDが○となり、特に良好であることがわかる。
表1に示すファイバ分離の有無は、光ファイバの一体化の強度を示す分離試験による結果を示すものである。
この分離試験は、図6に示すように、試験対象である光ファイバテープ心線10が巻かれた繰り出しボビン24から、巻き取りボビン25に巻き替えを行い、そのパスラインの途中で光ファイバテープ心線10に外力を与えるようになっている。光ファイバテープ心線10に与える外力は、ダンサローラと重りから構成される荷重負荷部26によって、光ファイバテープ心線10に一定の張力を与えるとともに、直径3mmの丸棒27を2本用いて小径の曲げを逆向きに与えることにより発生させる。
本明細書中におけるファイバ分離の評価基準としては、〇は光ファイバと外被(樹脂)との分離がなく、光ファイバテープ心線が長手方向にわたって一体化されたままであった場合を示し、×は光ファイバと外被(樹脂)との分離箇所が発生した場合を示す。
表1に示す光ファイバテープ心線のうち、T≧d+1(μm)である場合に、光ファイバテープ心線の分離が発生せず、良好であった。すなわち、外被の厚さtが0.5μm以上であれば、各光ファイバを一体化させておくのに十分な強度が得られることがわかった。
表1に示す光ファイバテープ心線のうち、T=dのもの(図4参照)は、この分離試験において分離箇所が発生しているが、光ファイバケーブルを製造する際のライン中で光ファイバテープ心線にかかるしごき等の外力が軽減されるように配慮することで、そのケーブル化の製造工程で心線の分離が発生してしまうような不具合を防止することができる。そして、このT=dである光ファイバテープ心線は、各光ファイバの中心を通る光ファイバテープ心線の厚さ方向の箇所で実質的に外被が途切れているため、各光ファイバが光ファイバテープ心線の幅方向に分離しやすく、各光ファイバの全体を外被が覆う形状の光ファイバテープ心線に比べて、中間後分岐性が良好である。
なお、図4に示したような樹脂12aが各光ファイバ11の全体を覆っていない光ファイバテープ心線10aは、樹脂12と光ファイバとの接着力だけで各光ファイバ11が一体化されている。これに対して、図2に示したような光ファイバテープ心線10は、樹脂が外被12として各光ファイバ11の全体を一体的に覆っているため、樹脂と光ファイバとの接着力だけでなく、外被12自身がその形状を保持しようとする力によって、光ファイバテープ心線10の全体が一体化された状態を保ちやすい。
また、上述したような光ファイバテープ心線(図2参照)は、外被(樹脂)12と、光ファイバ11のそれぞれのヤング率Eと断面積Sとの積の和(ES積和)の比を、適切な値となるように設定することで、PMDを低減させることができる。外被12が硬化収縮を起こす際に光ファイバ11に作用する応力の大きさは、外被12を構成する樹脂のヤング率が大きいほど、また外被12の厚さが厚いほど、大きくなる。ここで、PMDが増大する原因となるのは、光ファイバ11のガラスファイバ13に発生する歪みである。この歪みの大きさは、一次保護被覆14と、二次保護被覆15と、着色層とを含む被覆層を通してガラスファイバ13まで到達する力の大きさ、及びガラスファイバ13のヤング率によって決まる。
そこで、外被12のヤング率が、700MPa、900MPa、1200MPa、1500MPaである各条件において、光ファイバテープ心線10の厚さTが異なる場合、すなわち外被12の厚さが異なる場合の、光ファイバ11に対する外被12のES積比と、SZケーブルPMDとの関係を調べた。
なお、ガラスファイバ13は、ヤング率が73000MPaであり、外径が125μmである。一次保護被覆14は、ヤング率が1MPaであり、外径が200μmである。二次保護被覆15は、ヤング率が700MPaであり、外径は240μmである。着色層は、ヤング率が1500MPaであり、外径は250μmである。
本明細書中では、ES積の比は、1心の光ファイバあたりに関するES積を正確に求めるために、光ファイバテープ心線10の厚さが一定である領域において計算している。すなわち、光ファイバテープ心線10の横断面内における、隣接する2本の光ファイバ11の各中心を結ぶ直線に垂直であって、かつその2本の光ファイバ11の各中心をそれぞれ通る2本の直線(例えば図2に示す破線X,Y)で区画される内側の領域で、光ファイバ11のES積の和及び外被12のES積を算出し、各条件において比較している。
外被12のヤング率が700MPaである場合のES積比とルースチューブケーブルPMDとの関係を表2に示す。
Figure 2005070770
外被12のヤング率が900MPaである場合のES積比とルースチューブケーブルPMDとの関係を表3に示す。
Figure 2005070770
外被12のヤング率が1200MPaである場合のES積比とルースチューブケーブルPMDとの関係を表4に示す。
Figure 2005070770
外被12のヤング率が1500MPaである場合のES積比とルースチューブケーブルPMDとの関係を表5に示す。
Figure 2005070770
ここで、表2から表5に示すファイバES積は、ガラスファイバ13と、一次保護被覆14と、二次保護被覆15と、着色層とから構成される領域のそれぞれのES積の和であり、樹脂ES積は、外被12のES積である。ES積比は、「樹脂ES積/ファイバES積和」により表される。
表2から表5に示すように、ルースチューブケーブルPMDが○あるいは△となる条件、すなわち、ルースチューブ型光ファイバケーブルに収容された光ファイバ全心のリンクPMDが0.2(ps/km1/2)以下となる条件は、ES積比が0.026以下となる場合である。また、ルースチューブケーブルPMDが○となる条件、すなわちリンクPMDが0.1(ps/km1/2)以下となる条件は、ES積比が0.020以下となる場合である。
このように、光ファイバ11に対する外被12のES積比を所望の値となるように設定することにより、光ファイバ11のPMDを低く抑えることができる。
次に、本実施形態の光ファイバケーブルに収容される光ファイバテープ心線の他の好適な態様について説明する。
図7(A)は、その光ファイバテープ心線の断面図であり、(B)は斜視図である。
図7に示すように、光ファイバテープ心線10bは、光ファイバ11を覆っている外被12bにおいて、隣り合う光ファイバ11、11の間に形成された窪みに応じて、外被の凹部16が形成されている。この凹部16は、その窪みが最も大きい部分として底部17が形成されている。
上述したように、光ファイバ11の周囲に形成される外被の厚さは、PMDを低減させる観点によると薄いほうが好ましく、0.5μm程度の厚さがあれば良い。しかし、実際にそのような光ファイバテープ心線を製造する場合には、ある程度の厚さがあったほうが好ましい。その理由としては、外被となる樹脂の厚さを薄く形成しようとすると、部分的に樹脂が塗布されない(これを樹脂切れと呼ぶ)おそれが生じる。そのため、光ファイバ11に対して2.5μm以上の厚さで外被を形成することが望ましい。その場合、所望の外被の厚さを保ちながら光ファイバテープ心線の厚さ方向の樹脂の量を減らすには、隣接する光ファイバ間の窪みに形成される外被を少なくすれば良い。樹脂切れが発生しやすい箇所は、光ファイバの外径が光ファイバテープ心線の厚さ方向に最も大きくなる箇所であるため、隣接する光ファイバ間の樹脂の量を減らすことは、樹脂を確実に塗布することを妨げない。
そのため、図7に示すような凹部16を形成することは、樹脂切れを防止しつつPMDの増大を抑制することができる。
また、外被12bの凹部16は、光ファイバテープ心線10bから外被12bを剥がして光ファイバ11を分岐するときに有効となる。外被12bの厚さが薄い部分が多いほど、外被12bの破壊が起こりやすいため、分岐作業が容易となる。また、分岐作業が容易化するため、分岐作業中に光ファイバに与える外力も小さくて済む。そのため、活線分岐のロス増を小さく抑えることができる。
図7に示した光ファイバテープ心線10bは、凹部16の深さYが、外被12bの共通接線S1と各光ファイバ11の共通接線S2との間の距離より短く形成されている。つまり、底部17の位置が各光ファイバ11の共通接線S2よりも外側に位置するように凹部16が形成されている。
また、本実施形態の光ファイバケーブルに収容される光ファイバテープ心線としては、図7に示した光ファイバテープ心線10bの構成を一部変更した他の態様である、図8に示す光ファイバテープ心線10cが挙げられる。
図8(A)は、光ファイバテープ心線10cの断面図であり、(B)は斜視図である。光ファイバテープ心線10cの基本的な構成は図7に示した光ファイバテープ心線10bと同様であり、共通する構成については説明を省略する。
光ファイバ11の外周を覆っている外被12cでは、隣り合う光ファイバ11c間に形成される窪みに応じて、凹部形状となっている。この外被の凹部16cは、図7の場合よりも凹部形状が深くなっている。光ファイバテープ心線10cは、凹部16cの底部17cが、光ファイバ11の共通接線S2cよりも内側に位置するように形成されている。
なお、光ファイバテープ心線を図1に示したようなチューブに収容する場合、積層した光ファイバテープ心線はチューブ内で撚られているため、光ファイバの幅方向の端部に位置する光ファイバとその内側に位置する光ファイバとでは、撚りの中心からの距離が異なる。そのため、端部の光ファイバと内側の光ファイバとの間に長さの差が生じ、光ファイバに応力が発生する。この応力はガラスファイバに異方性の応力を生じさせるため、複屈折率が起こり、PMDが増加する原因となる。
これに対して、図8に示すような光ファイバテープ心線10cは、外被に凹部が形成されているため、図9に示すように、幅方向に撓み易くなっており、光ファイバテープ心線10cをチューブに収容した時に、光ファイバテープ心線10cに無理な力がかからず、端部の光ファイバと内側の光ファイバとの間に発生するチューブ内での長さの差が解消されて、そのケーブルPMDが改善できるものと考えられる。また、光ファイバテープ心線10cの外被12cが光ファイバ11の外周に沿って円形状に近づくため、光ファイバテープ心線11cを製造する際の外被12cの硬化収縮応力の異方性が小さくなり、光ファイバテープ心線10cのケーブル状態でのPMDを改善できるものと考えられる。なお、この効果は、図7に示す光ファイバテープ心線10bにおいても得られるが、凹部がより深く形成された光ファイバテープ心線10cの方がより顕著に得られる。
ここで、図7及び図8に示すような外被に形成された凹部の深さに関して、複数の光ファイバを並べ、外被により一体化し光ファイバテープ心線として製造する際の光ファイバのばらけの防止や、光ファイバテープ心線の敷設作業時の外被の剥離防止(光ファイバのばらけの原因となる)あるいは良好な分岐作業、活線分岐時の伝送損失の増減等について検討した。その結果、凹部は、隣り合う光ファイバにより形成される共通接線を超えないように、言い換えると共通接線よりも内側に入り込んで形成されるのが好ましいことがわかった。
その具体的な検討結果について、次に説明する。
光ファイバテープ心線の厚さT(μm)が270μm、280μm、290μmである場合において、凹部の深さが異なるときの、凹部の深さY(μm)に対する外被の厚さt(μm)の比t/Yと、光ファイバの外径d(μm)に対する凹部での光ファイバテープ心線の厚さg(μm)の比g/dとを算出し、それぞれの場合の中間後分岐性、活線ロス増、ルースチューブケーブルPMDについて調べた。
光ファイバテープ心線の厚さTが270μmである場合の中間後分岐性、活線ロス増、ルースチューブケーブルPMDの関係を表6に示す。なお、表中の比率(T−d)/2Yは、t/Yと同じ値である。
Figure 2005070770
光ファイバテープ心線の厚さTが280μmである場合の中間後分岐性、活線ロス増、ルースチューブケーブルPMDの関係を表7に示す。
Figure 2005070770
光ファイバテープ心線の厚さTが290μmである場合の中間後分岐性、活線ロス増、ルースチューブケーブルPMDの関係を表8に示す。
Figure 2005070770
表6から表8に示すように、中間後分岐性、活線ロス増、ルースチューブケーブルPMDのいずれにおいても、凹部の深さYが大きくなるほど良好な結果が得られた。
また、光ファイバテープ心線の厚さTが270μmまたは280μmである場合、すなわちT≦d+30(μm)である場合には、中間後分岐性及び活線ロス増の結果が特に良好であった。これは、図3に示すような分岐工具を用いた場合に、凹部の効果により、単に外被を薄肉化した光ファイバテープ心線よりも分岐性が良くなることが理由であると考えられる。例えば、表1に示したテープ厚さT=270μmの場合に、中間後分岐性が○であることに対して、表7に示したテープ厚さT=280μmで凹部深さY=5μmの場合に、中間後分岐性が◎であり、凹部の効果を確認できる。
また、中間後分岐性に着目すると、比率(T−d)/2Yの値に特に関係付けられることがわかる。例えば、比率(T−d)/2Yが4.0以下である場合に、中間後分岐性が良好である。
また、ルースチューブケーブルPMDに着目すると、比率g/dの値に特に関係付けられることがわかる。例えば、比率g/dが1.0以下である場合、すなわち、底部が光ファイバの共通接線より内側にある場合に、樹脂の量が十分に減少して、PMDの顕著な抑制効果が得られる。
比率g/dが1.0以下であれば、底部が共通接線より外側とならないように外被が薄いため、長さ方向に曲がり易くなっていたり、凹部が深くなっているので、図9に示すような撓みが起こりやすく、ケーブルPMDが効果的に改善できるものと考えられる。
さらに、比率g/dが0.8以下である場合、特にルースチューブ型光ケーブルに収容された状態でのPMDがさらに効果的に抑制される。
一般的な光ファイバの被覆は、ヤング率の低い一次保護被覆がガラスファイバの周囲を覆い、その外周が、ヤング率の高い二次保護被覆と着色層が覆っている。また、その一次保護被覆の外径は、光ファイバの外径dの0.8倍程度である。そこで、凹部の樹脂がこの一次保護被覆を超えない範囲にあると、外被が変形しやすくなって図9に示すような撓みが起こりやすい。したがって、PMDをさらに抑制しやすくなる。
図7や図8に示すような、凹部が形成された光ファイバテープ心線において、その凹部は、なめらかな曲線形状Rであることが望ましい。例えば、凹部が光ファイバ心線の形状に沿って底部がとがった形状であると、応力が底部に集中して、割れや亀裂等が発生しやすくなるからである。
また、図2、図4、図7、図8に示すような、本発明に係る光ファイバケーブルに用いられる光ファイバテープ心線においては、光ファイバと外被との密着力は、活線分岐時の伝送損失の増大や分岐作業効率に影響を及ぼすときがある。光ファイバと外被(樹脂)との密着力は、伝送損失の増大防止や分岐作業性を考慮すると、光ファイバ1本あたりの密着力が0.025(gf)〜0.25(gf)の範囲内であることが望ましい。前記密着力が前記範囲よりも小さいとケーブル化時に外被が破壊されて各光ファイバがばらばらになることがある。また、前記密着力が前記範囲より大きいと分岐性が悪くなる。
光ファイバと外被との密着力は、例えば以下の方法で測定することができる。
図10に示すように光ファイバテープ心線10にカッターナイフの刃Cを当ててガラスまで切り込む。刃を長さ方向にテープ心線の端部へ移動させてテープ心線の片面の樹脂を剥ぎ取る。光ファイバテープ心線10の端部の外被12を約30mm手で剥いで折り返す。
そして、図11に示すように、外被12が剥がれた光ファイバ11を下チャック50Lで掴み、折り返した外被12の先端を上チャック50Uで掴む。上下チャック50L、50U間の距離は約40mmとする。上チャック50Uと下チャック50Lを相対的に180度をなす方向に200mm/分の速度で約50mm移動させ、外被12を剥離させる。
測定値の極大値および極小値をそれぞれ最大値とその次点の値、最小値とその次点の値、合計4点取り、その平均値を求め、さらに光ファイバテープ心線に含まれる光ファイバの心数で割った値を心線あたりの密着力とする。
本発明において用いられる光ファイバテープ心線では、光ファイバがばらけないで一体性を維持することを主たる目的とした場合は、外被の厚みは0.5μm以上が好ましく、この場合の光ファイバテープ心線の最大厚さTは、T≧光ファイバの外径d+1(μm)となる。
また、光ファイバテープ心線の外被の物性によっても、活線分岐時の伝送損失の増大や分岐作業効率に影響を及ぼすときがある。外被の材料の特性として、降伏点応力が20MPa〜45MPaの範囲内が望ましく、容易に分岐作業を行うことができたり、活線分岐時の伝送損失を抑制することができる。降伏点応力はJIS K7113に従い、2号試験片について引っ張り速度を50mm/分として測定する。降伏点応力が20MPa未満であると光ファイバテープ心線を集合してケーブル化する工程で加わる外力によって各光ファイバが分離してしまい、ケーブル化できないことがある。降伏点応力が45MPaを超えると、外被が破壊されにくく光ファイバテープ心線の中間後分岐がしづらい。
また、ここで、図1に示した光ファイバケーブル1について、波長1.55μmにおける伝送損失値と偏波モード分散(PMD)値を測定した。また、中間後分岐時の伝送損失の増加量を測定した。
なお、ここで用いた光ファイバテープ心線は、図8に示した光ファイバテープ心線10cであり、その厚さTは270μmである。光ファイバ11の外径dは250μmである。また、外被の厚さtは10μmであり、凹部の深さYは40μmであり、凹部での光ファイバテープ心線の厚さgは190μmである。ただし、光ファイバテープ心線として一体化された光ファイバのうち、48心をG652に準拠するものを用いて、残りの48心をモードフィールド径が10μm以下のものを用いた。
光ファイバケーブル1に収容された状態での光ファイバの伝送損失値は、G652の光ファイバで、最大値が0.23dB/kmであり、平均値が0.21dB/kmであった。モードフィールド径が10μm以下の光ファイバでは、最大値が0.21dB/kmであり、平均値が0.20dB/kmであった。
また、偏波モード分散値は、G652の光ファイバで、平均値が0.024(ps/km1/2)であり、標準偏差が0.020(ps/km1/2)であり、リンクPMDは0.045(ps/km1/2)であった。モードフィールド径が10μm以下の光ファイバでは、平均値が0.023(ps/km1/2)であり、標準偏差が0.019(ps/km1/2)であり、リンクPMDは0.043(ps/km1/2)であった。
このように、ケーブル化した後の光ファイバの伝送損失及びPMDは、モードフィールド径が10μm以下のものが、特に特性が良好であった。
また、上述したように、光ファイバテープ心線をチューブに内蔵し、チューブをSZに撚った光ファイバケーブル、または単数のチューブが中央に位置して撚られていない光ファイバケーブルは、中間後分岐性が良好である。そのため、局から一般の加入者までを繋ぐ、加入者系の通信路に用いられる場合には、局同士を繋ぐ中継系に比べて短い場合が多く、長くても数十kmである。ただし、1つの加入者に対して局から加入者までの1本の光ファイバを割り当てると、加入者数が多い場合に収容心数の多い光ファイバケーブルが必要となり、太径化してしまうため、例えば管路へ敷設する際に好ましくない。このため、1本の光ファイバに多数の加入者の信号を重複させる波長多重伝送(WDM)技術が有効であり、高速伝送可能な光ファイバケーブルが望まれる。
本発明に係る光ファイバケーブルのように、リンクPMDが0.2(ps/km1/2)以下であると、伝送可能距離は、伝送速度が40Gbpsの場合に156kmとなり、加入者系への十分な通信量を得ることが可能となる。
また、リンクPMDが0.1(ps/km1/2)以下であると、伝送可能距離は、伝送速度が40Gbpsの場合に625km、伝送速度が80Gbpsの場合に156kmとなり、より好ましい。
ここで、光ファイバケーブルから中間後分岐して伝送損失を測定する方法について、図12を参照して説明する。
まず、図12に示すように、光ファイバケーブル1の一方側で、任意のチューブ内の光ファイバテープ心線のうち、1番心の光ファイバ11aに波長1.55μmの光を入射するための光源20を接続し、他方側の光ファイバ11aに受光器21とストレージオシロスコープ22を接続する。この状態で、光源20から1番心の光ファイバ11aに波長1.55μmの光を入射する。入射された光は、光ファイバ11aの他方側へ伝わり、受光器21により受光される。受光された光は、ストレージオシロスコープ22によりその受光量が適時観察される。
そして、光源20からの光の入射を行っている状態で、光ファイバケーブル1の中間部で500mm程度の長さでシースと押さえ巻きを除去し、上記光源を入射した光ファイバ11aを含むチューブを撚りの反転部を利用して取り出し、さらにチューブカッターを用いて中間部のチューブ被覆を除去して、光ファイバテープ心線10cを取り出す。そして、その光ファイバテープ心線10cを単心に分岐して、4番心11bを切断した。なお、光ファイバテープ心線10cを分岐する方法は、図3を参照して説明した上記の手順によるものである。
伝送損失の測定は、光ファイバケーブル1のシースを除去する時から作業終了時まで、ストレージオシロスコープ22によって観察して行った。
その結果、作業中の伝送損失の増加量は、G652の光ファイバで1.0dB以上の値は認められず、モードフィールド径が10μm以下の光ファイバで0.5dB以上の値は認められなかった。
次に、本発明にかかる光ファイバケーブルの第2実施形態であるセントラルチューブ型光ファイバケーブルについて説明する。なお、前述したルースチューブ型光ファイバケーブル1と共通する部位には同じ符号を付して、重複する説明を省略することとする。図13(A)は光ファイバケーブルの中央に位置する1本のチューブ内に光ファイバテープ心線を内蔵し、ジェリーを充填したタイプの光ファイバケーブルの断面図、図13(B)は、24心の光ファイバテープ心線の断面図であり、図14はヤーン充填タイプの光ファイバケーブルの断面図である。
図13(A)に示すジェリー充填型の光ファイバケーブル1Aは、G652に準拠した外径250μmの光ファイバ11を24本接触して並列させて紫外線硬化型樹脂で被覆した図13(B)に示すような24心の光ファイバテープ心線10dを18枚積層して積層体9Aを形成している。なお、24心の光ファイバテープ心線の幅Wは6.1mm、厚さTは270μm、外被の厚さtは10μm、である。また、凹部の深さYは40μm、であり、凹部での光ファイバテープ心線10dの厚さgは190μmである。この積層体9Aをピッチ1000mmで一方向に撚りを加えながら、ポリブチレンテレフタレート(PBT)からなる外径14mm、内径10mmのプラスチックチューブ8Aに収容し、プラスチックチューブ8A内にジェリー7Aを充填している。
プラスチックチューブ8Aの外側に、抗張力体6A(例えば外径1.5mmのG−FRP)を左右3本ずつ長手方向に縦添えし、その外側にポリエチレン製の厚さ2.5mmの外被3が設けられている。なお、外被3Aを引き裂くための引き裂き紐5Aが、抗張力体6Aと並んで設けられている。ケーブル化後の伝送損失は波長1.55μmにおいて0.25dB/km以下、リンクPMDは0.05ps/km1/2以下の良好な特性を得ることができる。また、上記の光ファイバケーブル1と同様の中間後分岐試験における伝送損失の増加を1.0dB以下とすることができる。
また、図14に示すように、ヤーン充填型の光ファイバケーブル1Bは、図8に示すような凹部を有する4心の光ファイバテープ心線を6枚積層して積層体9Bを形成している。4心の光ファイバテープ心線の厚さTは270μm、外被の厚さtは10μmである。また、凹部の深さYは30μmであり、凹部での光ファイバテープ心線の厚さgは210μmである。この積層体9Bを充填物であるヤーン22とともにピッチ500mmで一方向に撚りを加えながら、抗張力体6B、支持線23等と一緒にポリエチレンをだるま状に被覆している。このヤーン充填の光ファイバケーブルでは一方向撚りで説明したが、一方向撚りに限定することなく、例えば、SZ向撚りの光ファイバケーブルにも適用可能である。なお、シース3B内には、シース3Bを引き裂くための引き裂き紐5Bが設けられている。ケーブル化後の伝送損失は波長1.55μmにおいて0.25dB/km以下、リンクPMDは0.1ps/km1/2以下の良好な特性を得ることができる。また、上記の光ファイバケーブル1と同様の中間後分岐試験における伝送損失の増加はG652の光ファイバで1.0dB以下、モードフィールド径が10μm以下の光ファイバでは0.5dB以下とすることができる。
このように、中間後分岐時の損失増加が1.0dB以下である光ファイバケーブルは、活線状態での中間後分岐を良好に行うことができるため、所望の光ファイバのみを適宜分岐させて取り出し、他の光ファイバは、下流側で用いることができる。したがって、光ファイバケーブルに収容された全ての光ファイバを有効に活用することができる。したがって、通信線路の構築コストを低く抑えることができる。
また、中間後分岐時の損失増加が0.5dB以下である光ファイバケーブルは、分岐しない光ファイバで高速通信を行っていても、あるいはダイナミックレンジの小さい領域で通信を行っていても、所望の光ファイバを分岐させて取り出すことができる。したがって、光通信網の設計自由度が優れて向上する。
次に、光ファイバテープ心線の好ましい配置について説明する。
図7及び図8に示した光ファイバテープ心線10b,10cのように、外被を構成する樹脂12b,12cに、隣接する光ファイバ11の間の窪みに応じた凹部16,16cが形成されている場合には、隣接して積層する光ファイバテープ心線10b,10cに対して、互いに光ファイバ11の並列ピッチの半分の距離の奇数倍だけ幅方向にずれて積層されていると良い。すなわち、図15の模式図に示すように、光ファイバテープ心線10cに含まれる光ファイバ11の並列ピッチをP(μm)、光ファイバテープ心線10cに含まれる光ファイバ11の心数の1/2以下である0を含む自然数をmとしたときに、各光ファイバテープ心線10cが、隣接した光ファイバテープ心線10cに対して、光ファイバテープ心線10cの幅方向にm×P+P/2(μm)だけずれて積層されていると良い。
この場合、光ファイバテープ心線10cは光ファイバ11の外周に沿って幅方向に凹凸を有する外形を有するため、隣接した光ファイバテープ心線10c同士が、互いの凹凸を相補うように接触する。そのため、積層された複数枚の光ファイバテープ心線10cにより構成されるテープ心線積層体(スタック)30の厚さが小さくなる。したがって、ケーブルの内径を小さくすることができ、光ファイバケーブルの細径化を図ることができる。また、隣接した光ファイバテープ心線10c同士の凹凸が嵌り合って、テープ心線積層体30としての一体化作用が発生し、積層状態が安定しやすくなる。
また、光ファイバテープ心線10cが積層してなるテープ心線積層体30の幅方向長さを小さくするためには、前記mの値を0として、隣接する光ファイバテープ心線10c同士がP/2(μm)だけずれて積層されていると良い。この場合、テープ心線積層体30の幅方向の長さを短くしやすくなり、光ファイバケーブルの細径化を図ることができる。
また、図15に示した形態のように、隣接した光ファイバテープ心線10cに対して、幅方向へのずれ方向を順次交互にして並列ピッチPの半分の距離だけずらして積層すれば、テープ心線積層体30の幅方向長さをさらに小さくすることができる。また、テープ心線積層体30の安定した積層状態をさらに保持し易くなる。
なお、光ファイバテープ心線10cに含まれる隣接した光ファイバ11同士が互いに接触して配置されている場合、並列ピッチPと光ファイバ11の外径dは等しくなり、幅方向へのずれ量m×P+P/2はm×d+d/2によっても算出可能である。これに対して、隣接する光ファイバ11同士が接触していない場合には、光ファイバ11間の間隔と外径dの和が並列ピッチPの値となる。
また、テープ心線積層体は、上述したようにチューブ8等に収容されてSZ撚りもしくは一方向撚りされる。その際、上記のように光ファイバテープ心線10cを幅方向に光ファイバ11の並列ピッチPの半分の長さだけ順次交互にずらして積層しておくことで、光ファイバテープ心線10cが積層状態を保ちやすく、積層状態が崩れることによる光ファイバ11の歪みの発生を防いで伝送損失の増加を抑えることができる。
また、図15には、テープ心線積層体30を上記チューブ8等に収容するための大きさの目安として、テープ心線積層体30の断面視における外接円33を図示している。そして、図16に、外被を構成する樹脂に隣接する光ファイバの間の窪みに応じた凹部が形成されていない汎用的な光ファイバテープ心線106からなるテープ心線積層体107を示すとともに、図15の外接円33と同一半径の円34を示す。この図16に示すように、テープ心線積層体107は、図中に示す破線の楕円印の箇所において円34からはみ出してしまい、図15に示したテープ心線積層体30がテープ心線積層体107より小さいことが視認できる。
なお、ここで示している光ファイバテープ心線106は、凹部が形成されていない以外は上記の光ファイバテープ心線10cと同様の構成である。そして、テープ心線積層体107は、図15に示したテープ心線積層体30と比較するためにテープ心線積層体30とほぼ同じように光ファイバテープ心線106を配置しつつ、その外形が最小となるようにテープ幅方向へのずれをなくして光ファイバテープ心線106を積層させたものである。
図15に示した外接円33の直径2Rは、テープ心線積層体30の最下部と最上部に位置する光ファイバテープ心線10cに外接する四角形31の対角線32の長さから、四角形31の頂点とテープ心線積層体30との距離を除いた長さを算出した値で略近似することができる。すなわち、図15における四角形31の左上部分を拡大した図17に示されるそれぞれの長さを用いて、次式(3)〜(5)により外接円33の直径2Rが求められる。
2R={(nT−(n−1)z)2+(W+P/2)21/2−2C ・・・(3)
z=T−(T2−(P/2)21/2 ・・・(4)
C={(T/2)2+(d/2+t221/2−{d/2+(t+t2)/2} ・・・(5)
なお、この式(3)〜(5)において、Wは光ファイバテープ心線10cの幅、nは光ファイバテープ心線10cの積層枚数、Tは光ファイバテープ心線10cの厚さ、dは光ファイバ11の外径、fは光ファイバテープ心線10cに含まれる光ファイバ11の数、zは隣接する光ファイバテープ心線10c同士のオーバーラップ長さ、Cは四角形31の頂点とテープ心線積層体30との距離、t2は光ファイバテープ心線10c縁辺における外被12cの厚さである。
また、光ファイバテープ心線10cの積層枚数が偶数枚のときは、四角形31の対角線長さは式(3)中の{(nT−(n−1)z)2+(W+P/2)21/2の項により算出されるが、テープ心線積層体30を構成する光ファイバテープ心線10cが奇数である場合には、テープ心線積層体30に外接する四角形31の対角線長さは{(nT−(n−1)z)2+W21/2により算出される。そのため、テープ心線積層体30が奇数の光ファイバテープ心線10cにより構成される場合には、外接円33の直径を求めるにあたって上記式(3)の代わりに次式(6)を用いると良い。
2R={(nT−(n−1)z)2+W21/2−2C ・・・(6)
一方、凹部のない汎用の光ファイバテープ心線からなるテープ心線積層体では、外接円の直径は式(7)のように近似できる。
2R={(nT)2+W21/2−2C ・・・(7)
なお、この式(7)は、外形が最小となるようにテープ幅方向へのずれをなくして光ファイバテープ心線を積層させたテープ心線積層体の外接円の直径を算出するものである。
積層枚数が偶数の場合は、式(3)により求められる直径2Rを式(7)の直径2R以下になるようにすると良く、式(3)と式(7)から次式(1)が導き出される。
(n−1)z{(n−1)z−2nT}+WP+P2/4≦0 ・・・(1)
また、積層枚数が奇数の場合は、式(6)により求められる2Rを式(7)の2R以下になるようにすると良く、式(6)と式(7)から式(2)が導き出される。
z≦2nT/(n−1) ・・・(2)
これらの式(1),(2)の何れかを満足するように凹部付きの光ファイバテープ心線10cを配置することにより、汎用光ファイバテープ心線よりも確実に、光ファイバケーブル内に省スペースで光ファイバテープ心線10cを収容することができる。
また、図18に示すように、一方向に積層させたテープ心線積層体35の両側に、さらに光ファイバテープ心線10cを積層させることもできる。その際、中央に配置したテープ心線積層体35の両側のテープ心線積層体36の積層状態は、隣接する光ファイバテープ心線10c同士がその幅方向にP/2(μm)だけずれていると良い。これにより、図19に示すような凹部のない汎用の光ファイバテープ心線を同様に配置した場合より省スペースで光ファイバテープ心線10cを収容することができる。なお、図19に示す円38は、図18の外接円37と同一半径の円であり、図中に示す破線の円印の箇所においてテープ心線積層体108が円38からはみ出している。
また、図20に示したテープ心線積層体39は、凹部を有する光ファイバテープ心線を幅方向にP/2(μm)だけずらして積層したものであり、その心数は84心である。このときの外接円40と同一半径の円41の内側に凹部のない従来の光ファイバテープ心線を配置した例が、図21に示すテープ心線積層体109である。このテープ心線積層体109の心数は78心であり、凹部のある光ファイバテープ心線を用いた方が、同じスペースに対して多くの心数の光ファイバを収容可能であることがわかる。
このように、凹部のある光ファイバテープ心線を用いると光ファイバテープ心線を収容するチューブ等の径を小さくできるため、光ファイバケーブルの外径を小さくすることができる。そして、光ファイバケーブルを構成する他の部材を軽減することもでき、光ファイバケーブルの剛性が小さくなって小径に曲げやすくなる。そのため、光ファイバケーブルの取り扱い性が向上する。また、光ファイバテープ心線を省スペースに配置すると、収容された光ファイバをケーブル中心に近づけることができるため、光ファイバケーブルを曲げたときの各光ファイバ間に発生する長さの差が小さくなる。
また、光ファイバケーブルが曲げられたとき、積層された光ファイバテープ心線に加わる歪みはそれぞれ異なるが、その差を小さくすべく、光ファイバテープ心線同士は長手方向にずれることが好ましい。しかし、図22(a),(b)に示すように光ファイバテープ心線106が断面において線接触、すなわち長手方向に面接触していると光ファイバテープ106同士は外被を構成する樹脂が同じであるため粘着してしまうことがある。このことから、タルクなどの滑剤を光ファイバテープ心線106に塗布する場合が多い。しかしながら、タルクなどの滑剤はコストアップになるとともに均一に塗布することが難しく、製造設備をメンテナンスする労力も多大である。そのため、凹部のない光ファイバテープ心線106を用いて面接触を回避するには、図22(c)に示したように不安定な配置を構成しなければならない。
一方、図23のように凹部を有する光ファイバテープ心線10cを積層させると、光ファイバテープ心線10c同士が面接触することはなく、断面視における点接触、すなわち長手方向の線接触となり、接触面積が小さくなる。そのため、光ファイバテープ10c同士が同じ樹脂の外被を有していても粘着しにくくなる。そして、光ファイバテープ心線10c同士の摩擦抵抗が小さくなるため、光ファイバケーブルを曲げたときに光ファイバの歪みが小さくなるように光ファイバテープ心線10c同士が断面内方向にずれ、光ファイバにかかる負荷を緩和することができる。また、長手方向へのずれも生じやすくなるため、光ファイバケーブルを曲げたときに光ファイバ間の長さの差が吸収され、光ファイバにかかる負荷を緩和することもできる。そのため、光ファイバの寿命が低下したり伝送損失が増加したりすることが少なくなる。
本発明に係る光ファイバケーブルの一実施形態であるルースチューブ型光ファイバケーブルを示しており、(A)は断面図、(B)はシース、押さえ巻きで覆われてない状態での側面図である。 図1に示す光ファイバケーブルに収容される光ファイバテープ心線の断面図である。 光ファイバテープ心線の分岐方法を示す模式図である。 図1に示す光ファイバケーブルに収容される光ファイバテープ心線の断面図である。 光ファイバテープ心線の中間後分岐試験の様子を示す模式図である。 光ファイバテープ心線の分離試験の様子を示す模式図である。 図1に示す光ファイバケーブルに収容される光ファイバテープ心線を示す図であり、(A)は断面図、(B)は斜視図である。 図1に示す光ファイバケーブルに収容される光ファイバテープ心線を示す図であり、(A)は断面図、(B)は斜視図である。 図8に示す光ファイバテープ心線が撓んでいる状態を示す断面図である。 光ファイバと外被との密着力を測定する際の様子を示す斜視図である。 光ファイバと外被との密着力を測定する際の様子を示す模式図である。 光ファイバケーブルから光ファイバテープ心線を中間後分岐する試験の様子を示す模式図である。 本発明に係る光ファイバケーブルの他の実施形態であるジェリー充填のセントラルチューブ型光ファイバケーブルを示しており、(A)は断面図、(B)は光ファイバテープ心線の断面図である。 本発明に係る光ファイバケーブルの他の実施形態であるヤーン充填型光ファイバケーブルの断面図である。 光ファイバテープ心線の好ましい配置の一例を示す模式的な断面図である。 図15と比較する汎用光ファイバテープ心線を用いた配置を示す模式的な断面図である。 図15における外接円の直径を算出する際に用いられる長さを示す模式図である。 光ファイバテープ心線の好ましい配置の一例を示す模式的な断面図である。 図18と比較する汎用光ファイバテープ心線を用いた配置を示す模式的な断面図である。 光ファイバテープ心線の好ましい配置の一例を示す模式的な断面図である。 図20と比較する汎用光ファイバテープ心線を用いた配置を示す模式的な断面図である。 汎用光ファイバテープ心線同士の接触状態を示す模式的な断面図である。 本発明に用いられる光ファイバテープ心線同士の接触状態を示す模式的な断面図である。 従来の光ファイバケーブルの一例を示す断面図である。
符号の説明
1 光ファイバケーブル
2 吸水材
3 シース
4 押さえ巻き
5 紐
6 抗張力体
7 ジェリー
8 チューブ
9 積層体
10 光ファイバテープ心線
11 光ファイバ
12 外被(樹脂)
13 ガラスファイバ
14 一次保護被覆
15 二次保護被覆
16 凹部
17 底部

Claims (32)

  1. ほぼ円筒形の長尺体に1枚または複数枚の光ファイバテープ心線が積層されて収容された光ファイバケーブルであって、
    前記光ファイバテープ心線は、光ファイバが複数本並列され、これらの複数本の前記光ファイバの全長が樹脂により一体化されており、前記光ファイバテープ心線の厚さの最大値をT(μm)、前記光ファイバの外径をd(μm)としたときに、T≦d+40(μm)であることを特徴とする光ファイバケーブル。
  2. ほぼ円筒形の長尺体に1枚または複数枚の光ファイバテープ心線が積層されて収容された光ファイバケーブルであって、
    前記光ファイバテープ心線は、光ファイバが複数本並列され、これらの複数本の前記光ファイバの全長及び並列した状態の全周が樹脂により覆われて一体化されており、前記光ファイバテープ心線の厚さの最大値をT(μm)、前記光ファイバの外径をd(μm)としたときに、T≦d+40(μm)であることを特徴とする光ファイバケーブル。
  3. 請求項1または請求項2に記載の光ファイバケーブルであって、
    前記光ファイバテープ心線は、隣接した前記光ファイバ同士が互いに接触して配置されていることを特徴とする光ファイバケーブル。
  4. 請求項1または請求項2に記載の光ファイバケーブルであって、
    前記光ファイバテープ心線は、隣接した少なくとも2本の前記光ファイバ同士が、互いに接触しておらず、かつ、10μm以下の間隔を有して配置されていることを特徴とする光ファイバケーブル。
  5. 請求項1から請求項4の何れか1項に記載の光ファイバケーブルであって、
    前記光ファイバテープ心線は、T≧d+1(μm)であることを特徴とする光ファイバケーブル。
  6. 請求項1から請求項5の何れか1項に記載の光ファイバケーブルであって、
    前記光ファイバテープ心線の前記樹脂には、隣接する前記光ファイバの間の窪みに応じた凹部が形成されていることを特徴とする光ファイバケーブル。
  7. 請求項6に記載の光ファイバケーブルであって、
    前記光ファイバテープ心線は、T≦d+30(μm)であることを特徴とする光ファイバケーブル。
  8. 請求項6または請求項7に記載の光ファイバケーブルであって、
    前記光ファイバテープ心線は、前記凹部の深さをY(μm)としたときに、(T−d)/2Y≦4.0であることを特徴とする光ファイバケーブル。
  9. 請求項8に記載の光ファイバケーブルであって、
    前記光ファイバテープ心線は、前記凹部における前記光ファイバテープ心線の厚さをg(μm)としたときに、g≦dであることを特徴とする光ファイバケーブル。
  10. 請求項9に記載の光ファイバケーブルであって、
    前記光ファイバテープ心線は、g≦0.8dであることを特徴とする光ファイバケーブル。
  11. 請求項6から請求項10の何れか1項に記載の光ファイバケーブルであって、
    前記光ファイバテープ心線に含まれる前記光ファイバの並列ピッチをP(μm)、前記光ファイバテープ心線に含まれる前記光ファイバの数の1/2以下である0を含む自然数をmとしたときに、複数枚の前記光ファイバテープ心線が、隣接した光ファイバテープ心線に対して、前記光ファイバテープ心線の幅方向にm×P+P/2(μm)だけずれて積層されていることを特徴とする光ファイバケーブル。
  12. 請求項11に記載の光ファイバケーブルであって、
    前記mが0であることを特徴とする光ファイバケーブル。
  13. 請求項12に記載の光ファイバケーブルであって、
    複数枚の前記光ファイバテープ心線が、隣接した前記光ファイバテープ心線に対して幅方向に順次交互にずれて積層されていることを特徴とする光ファイバケーブル。
  14. 請求項13に記載の光ファイバケーブルであって、
    積層された前記光ファイバテープ心線からなるテープ心線積層体の断面視における外接円が、当該光ファイバテープ心線において前記凹部が形成されていない光ファイバテープ心線からなるテープ心線積層体の外接円より小さくなるように、前記光ファイバテープ心線が配置されていることを特徴とする光ファイバケーブル。
  15. 請求項6から請求項10の何れか1項に記載の光ファイバケーブルであって、
    前記光ファイバテープ心線に含まれる前記光ファイバの並列ピッチをP(μm)、前記光ファイバテープ心線の幅をW(μm)、前記光ファイバテープ心線の積層枚数をn、隣接する前記光ファイバテープ心線同士のオーバーラップ長さをz(μm)とすると、
    光ファイバテープ心線の積層枚数nが偶数のときは下記の式(1)を満足し、nが奇数のときは下記の式(2)を満足することを特徴とする光ファイバケーブル。
    (n−1)z{(n−1)z−2nT}+WP+P2/4≦0 ・・・(1)
    z≦2nT/(n−1) ・・・(2)
  16. 請求項1から請求項4の何れか1項に記載の光ファイバケーブルであって、
    前記光ファイバテープ心線は、T≦d+25(μm)であることを特徴とする光ファイバケーブル。
  17. 請求項1から請求項16の何れか1項に記載の光ファイバケーブルであって、
    前記光ファイバテープ心線は、その横断面内における、隣接する2本の前記光ファイバの各中心を結ぶ直線に垂直で、かつ前記2本の光ファイバの各中心をそれぞれ通る2本の直線で区画される内側の領域で、ヤング率をE、断面積をSとしたときに、前記光ファイバのES積の和に対する、前記樹脂のES積の比が、0.026以下であることを特徴とする光ファイバケーブル。
  18. 請求項17に記載の光ファイバケーブルであって、
    前記光ファイバテープ心線は、その横断面内における、隣接する2本の前記光ファイバの各中心を結ぶ直線に垂直で、かつ前記2本の光ファイバの各中心をそれぞれ通る2本の直線で区画される内側の領域で、前記光ファイバのES積の和に対する、前記樹脂のES積の比が、0.020以下であることを特徴とする光ファイバケーブル。
  19. 請求項1から請求項18の何れか1項に記載の光ファイバケーブルであって、
    前記光ファイバテープ心線は、前記光ファイバ1本あたりの前記光ファイバと前記樹脂との密着力が0.025(gf)から0.25(gf)の範囲内であることを特徴とする光ファイバケーブル。
  20. 請求項1から請求項19の何れか1項に記載の光ファイバケーブルであって、
    前記光ファイバテープ心線は、前記樹脂の降伏点応力が20(MPa)から45(MPa)の範囲内であることを特徴とする光ファイバケーブル。
  21. 請求項1から請求項20の何れか1項に記載の光ファイバケーブルであって、
    前記ほぼ円筒形の長尺体内に収容された前記光ファイバテープ心線が、油状充填物とともに収容されていることを特徴とする光ファイバケーブル。
  22. 請求項21に記載の光ファイバケーブルであって、
    収容された全ての前記光ファイバにおける、波長1.26(μm)から1.65(μm)の範囲内の何れかの波長のリンク偏波モード分散が、0.05(ps/km1/2)以下であることを特徴とする光ファイバケーブル。
  23. 請求項1から請求項20の何れか1項に記載の光ファイバケーブルであって、
    前記ほぼ円筒形の長尺体内に収容された前記光ファイバテープ心線が、繊維状フィラーとともに収容されていることを特徴とする光ファイバケーブル。
  24. 請求項1から請求項20の何れか1項に記載の光ファイバケーブルであって、
    前記光ファイバテープ心線が収容されたほぼ円筒形の長尺体が抗張力体を中心として、長手方向で、交互に反転しながら撚られていることを特徴とする光ファイバケーブル。
  25. 請求項1から請求項20の何れか1項に記載の光ファイバケーブルであって、
    前記光ファイバテープ心線が収容されたほぼ円筒形の長尺体が抗張力体を中心として、長手方向で、一方向に撚られていることを特徴とする光ファイバケーブル。
  26. 請求項23から請求項25の何れか1項に記載の光ファイバケーブルであって、
    収容された全ての前記光ファイバにおける、波長1.26(μm)から1.65(μm)の範囲内の何れかの波長のリンク偏波モード分散が、0.2(ps/km1/2)以下であることを特徴とする光ファイバケーブル。
  27. 請求項23から請求項25の何れか1項に記載の光ファイバケーブルであって、
    収容された全ての前記光ファイバにおける、波長1.26(μm)から1.65(μm)の範囲内の何れかの波長のリンク偏波モード分散が、0.1(ps/km1/2)以下であることを特徴とする光ファイバケーブル。
  28. 請求項1から請求項27の何れか1項に記載の光ファイバケーブルであって、
    前記光ファイバは、波長1.55(μm)におけるピーターマン−I(Petermann−I)の定義によるモードフィールド径が10(μm)以下であることを特徴とする光ファイバケーブル。
  29. 請求項1から請求項27の何れか1項に記載の光ファイバケーブルであって、
    前記光ファイバは、波長1.55(μm)におけるピーターマン−I(Petermann−I)の定義によるモードフィールド径が8(μm)以下であることを特徴とする光ファイバケーブル。
  30. 請求項1から請求項29の何れか1項に記載の光ファイバケーブルであって、
    前記光ファイバテープ心線は、前記光ファイバを分岐するときの損失増加が1.0(dB)以下であることを特徴とする光ファイバケーブル。
  31. 請求項1から請求項29の何れか1項に記載の光ファイバケーブルであって、
    前記光ファイバテープ心線は、前記光ファイバを分岐するときの損失増加が0.5(dB)以下であることを特徴とする光ファイバケーブル。
  32. 請求項1から請求項31の何れか1項に記載の光ファイバケーブルであって、
    積層された前記光ファイバテープ心線同士の接触状態が、ケーブル長手方向の線接触であることを特徴とする光ファイバケーブル。
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