JP2005043877A - 光ファイバケーブル - Google Patents

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Abstract

【課題】 光ファイバケーブルに収容された光ファイバテープ心線の中間後分岐を容易に行うことができる光ファイバケーブルを提供する。
【解決手段】 本発明の光ファイバケーブル1は、光ファイバテープ心線10と、2本の抗張力体2とが、熱可塑性樹脂の外被3により被覆されて一体化されている。光ファイバテープ心線10と、2本の抗張力体2は、外被3と密着するように被覆されている。外被3によって覆われた光ファイバテープ心線10は、光ファイバ11が4本並列され、これらの4本の光ファイバ11の全長及び並列した状態の全周がテープ樹脂12により覆われて一体化されており、光ファイバテープ心線10の厚さの最大値をT(μm)、光ファイバ11の外径をd(μm)としたときに、T≦d+40(μm)である。
【選択図】 図1

Description

本発明は、光ファイバテープ心線が外被により覆われて一体化されている光ファイバケーブルに関する。
FTTH(Fiber To The Home)等の用途に用いられる光ファイバケーブルとして、架空の配線ケーブルから1本または複数本の光ファイバ毎に分配されて引き落とされるドロップケーブルが挙げられる(例えば、非特許文献1参照)。ドロップケーブルとして用いられている光ファイバケーブルの一例を図27に示す。
図27に示すように、従来の光ファイバケーブル100は、エレメント部107とメッセンジャワイヤ部108とが首部105により接続された構成である。
エレメント部107は、光ファイバ心線101と、2本の抗張力体102とが、熱可塑性樹脂の外被103により被覆されている。光ファイバ101は、ガラスファイバの外周に紫外線硬化型樹脂が被覆されたものであり、その外径が例えば250μmである。抗張力体102は、鋼や繊維強化プラスチック(FRP)等の線条体が用いられ、断面の外形が円形に形成されている。この光ファイバ101と抗張力体102が一括に被覆されていることにより、光ファイバケーブル100に付加される張力等の外力を抗張力体102が受けて、光ファイバ101を外力から保護している。
また、エレメント部107の外周には、光ファイバ101に向かって形成されたノッチ104が2つ設けられている。このノッチ104は、光ファイバ101の取り出しを容易にするものであり、取り出しの際には、2つのノッチ104の間の外被103に切り込みを入れるようにして引き裂けば良い。
メッセンジャワイヤ部108は、光ファイバケーブル100を架空で支持するための強度を有するように構成されており、鋼やFRP等の支持線106が外被103により被覆されている。
また、首部105は、エレメント部107及びメッセンジャワイヤ部108の外被103と同じ樹脂により、エレメント部107及びメッセンジャワイヤ部108と一体的に形成されている。
なお、ここでは1本の光ファイバ101を有する光ファイバケーブル100を例示したが、従来のドロップケーブルは、光ファイバが2本並列されたものや、図28に示すように、複数本の光ファイバをテープ化した光ファイバテープ心線101aを有するものもある。
従来用いられている光ファイバテープ心線101aは、外径が250μmの光ファイバを4本平行に接触させて配置し、その全体を紫外線硬化樹脂にて被覆してテープ状に形成したものである。その外形は、例えば厚さが0.3mmから0.4mm程度であり、幅が1.1mm程度である。
光ケーブルネットワーク配線システム総合カタログ,住友電気工業株式会社,2002年8月,p13
ところで、図27に示した光ファイバケーブル100は、架空から建物内に引き込まれると、架空に支持するためのメッセンジャワイヤ部108が不要となるため、首部105を引き裂いてエレメント部107とメッセンジャワイヤ部108とが分割される。そして、エレメント部107のみで構成された光ファイバケーブルが建物内に配線される。
図28に示した光ファイバケーブル100aの場合は、建物内に配線された後に、被覆された光ファイバテープ心線101aを取り出し、その中の任意の光ファイバを加入者側の光ファイバと接続することがある。
その際には、まず、配線されている光ファイバケーブル100aの任意の箇所から外被103を引き裂いて、光ファイバテープ心線101aを取り出す。そして、取り出した光ファイバテープ心線101aから所望の光ファイバを分岐させて加入者側の光ファイバと接続する。
既に配線された光ファイバケーブルは、光信号が伝送されている光ファイバが含まれているため、その伝送品質の低下を抑えつつ、活線状態での分岐、いわゆる活線分岐作業を行うことが求められている。そのため、所望の光ファイバを分岐するにあたり、光ファイバテープ心線を切断せずに、取り出した光ファイバテープ心線の中間部分から所望の光ファイバを分岐する、いわゆる中間後分岐と呼ばれる分岐の方法を行う要求が高まってきている。
しかしながら、従来の光ファイバケーブルに収容された光ファイバテープ心線は、複数の光ファイバを覆ったテープ樹脂を除去することが困難であり、その中から1本の光ファイバを選び出して中間後分岐させることは難しい状況にあった。
例えば、紙やすりやカンナ状の工具で樹脂を削り取ろうとすると、光ファイバを傷付けたり切断したりしてしまうおそれがある。
このような実情により、従来は中間後分岐ができず、所望の光ファイバを分岐するには、光ファイバテープ心線として一体化された複数の光ファイバの全てを切断し、その切断箇所から単心の光ファイバに分岐させていた。そのため、伝送路として使用中の(すなわち活線の)状態にある光ファイバを含む光ファイバテープ心線の活線分岐作業を行うことができなかった。
また、光ファイバテープ心線を切断してしまうと、その箇所で接続させた光ファイバ以外の、残りの光ファイバを伝送路として用いることができなくなってしまうため、光通信網を構築する際のコストが高くなってしまう。
本発明は、光ファイバケーブルに収容された光ファイバテープ心線の中間後分岐を容易に行うことができる光ファイバケーブルを提供することを目的とする。
上記目的を達成することができる本発明に係る光ファイバケーブルは、光ファイバテープ心線が、外被により覆われている光ファイバケーブルであって、光ファイバテープ心線は、光ファイバが複数本並列され、これらの複数本の光ファイバの全長が樹脂により一体化されており、光ファイバテープ心線の厚さの最大値をT(μm)、光ファイバの外径をd(μm)としたときに、T≦d+40(μm)であることを特徴としている。
また、上記目的を達成することができる本発明に係る光ファイバケーブルは、光ファイバテープ心線が、外被により覆われている光ファイバケーブルであって、光ファイバテープ心線は、光ファイバが複数本並列され、これらの複数本の光ファイバの全長及び並列した状態の全周が樹脂により覆われて一体化されており、光ファイバテープ心線の厚さの最大値をT(μm)、光ファイバの外径をd(μm)としたときに、T≦d+40(μm)であることを特徴としている。
このような構成の光ファイバケーブルによれば、複数本の光ファイバを一体化している樹脂の厚さが従来に比べて薄いため、中間後分岐作業を容易に行うことができる。
そのため、光ファイバテープ心線に含まれる、中間後分岐させた以外の光ファイバを、さらに他の箇所で接続することが可能となり、光ファイバケーブルに含まれた光ファイバを有効に活用することができる。
また、本発明に係る光ファイバケーブルにおいて、光ファイバテープ心線と外被とが密着していても良いし、光ファイバテープ心線と外被との間に空隙が設けられていても良く、また、光ファイバテープ心線と外被との間に介在物が設けられていても良い。
また、光ファイバテープ心線と外被とが、光ファイバテープ心線の外周の一部で接着していることが好ましい。
また、本発明に係る光ファイバケーブルにおいて、光ファイバテープ心線の幅をW(μm)、光ファイバテープ心線の積層枚数をnとしたときに、当該光ファイバケーブルの長さ30mmあたりの光ファイバテープ心線の引き抜き力F(N)が、5≦F≦3.2×10{2(W+nT)}(N)であることが好ましい。もしくは、5≦F≦2.3×10{2(W+nT)}(N)であるとなお良い。
また、本発明に係る光ファイバケーブルにおいて、光ファイバテープ心線は、隣接した光ファイバ同士が互いに接触して配置されていることが好ましい。もしくは、光ファイバテープ心線は、隣接した少なくとも2本の光ファイバ同士が、互いに接触しておらず、かつ、10(μm)以下の間隔を有して配置されていることが好ましい。
また、本発明に係る光ファイバケーブルにおいて、光ファイバテープ心線は、T≧d+1(μm)であることが好ましい。
また、本発明に係る光ファイバケーブルにおいて、光ファイバテープ心線の樹脂には、隣接する光ファイバの間の窪みに応じた凹部が形成されていることが好ましい。
また、本発明に係る光ファイバケーブルにおいて、光ファイバテープ心線は、T≦d+30(μm)であることが好ましい。
また、本発明に係る光ファイバケーブルにおいて、光ファイバテープ心線は、凹部の深さをY(μm)としたときに、(T−d)/2Y≦4.0であることが好ましい。
また、本発明に係る光ファイバケーブルにおいて、光ファイバテープ心線は、凹部における光ファイバテープ心線の厚さをg(μm)としたときに、g≦dであることが好ましい。
また、本発明に係る光ファイバケーブルにおいて、テープ心線の樹脂に凹部が形成されている場合、光ファイバテープ心線がその厚さ方向に複数枚積層されており、隣り合う光ファイバテープ心線同士が、互いの凹部に入り込んでいることが好ましい。
また、本発明に係る光ファイバケーブルにおいて、光ファイバテープ心線は、T≦d+25(μm)であることが好ましい。
また、本発明に係る光ファイバケーブルにおいて、光ファイバテープ心線は、光ファイバ1本あたりの光ファイバと樹脂との密着力が0.025(gf)から0.25(gf)の範囲内であることが好ましい。
また、本発明に係る光ファイバケーブルにおいて、光ファイバテープ心線は、樹脂の降伏点応力が20(MPa)から45(MPa)の範囲内であることが好ましい。
また、本発明に係る光ファイバケーブルにおいて、光ファイバは、波長1.55(μm)におけるピーターマン−I(Petermann−I)の定義によるモードフィールド径が10(μm)以下であることが好ましい。もしくは、このモードフィールド径が8(μm)以下であることが好ましい。
また、本発明に係る光ファイバケーブルにおいて、光ファイバテープ心線は、光ファイバを分岐するときの、波長1.55(μm)における損失増加が1.0(dB)以下であることが好ましい。もしくは、光ファイバを分岐するときの、波長1.55(μm)における損失増加が0.5(dB)以下であることが好ましい。
本発明の光ファイバケーブルによれば、収容された光ファイバテープ心線の中間後分岐を容易に行うことができる。
以下、本発明に係る光ファイバケーブルの実施の形態の例を図1から図26に基づいて説明する。
図1に示す光ファイバケーブル1は、ドロップケーブルとして用いられるものである。この光ファイバケーブル1は、エレメント部9とメッセンジャワイヤ部8とが首部6により接続された構成である。
エレメント部9は、ほぼ中央に配置された光ファイバテープ心線10と、2本の抗張力体2とが、熱可塑性樹脂の外被3により被覆されて一体化されている。光ファイバテープ心線10と、2本の抗張力体2は、外被3と密着するように被覆されている。熱可塑性樹脂は、難燃ポリエチレンやPVCを好適に使用することができる。
2本の抗張力体2は、光ファイバテープ心線10と同一平面上に並列しており、2本の抗張力体2の間に光ファイバテープ心線10が配置されている。
抗張力体2は、ガラスFRPまたは鋼線が用いられており、断面の外形が円形に形成されている。
また、ガラスFRPの抗張力体2の外周には、接着層(図示せず)が設けられていると良い。その場合、抗張力体2と外被3との間が強く接着される。接着層の材質は、ポリエチレンが好適に用いられる。
このように、光ファイバテープ心線10と抗張力体2とが一括に被覆されていることにより、エレメント部9に付加される張力等の外力を抗張力体2が受けて、光ファイバテープ心線10を外力から保護することができる。
また、エレメント部9の外周には、光ファイバテープ心線10に向かうように形成されたノッチ4が2つ設けられている。このノッチ4は、光ファイバテープ心線10の取り出しを容易にするものであり、取り出しの際には、2つのノッチ4の間の外被3に切り込みを入れるようにして引き裂けば良い。
メッセンジャワイヤ部8は、光ファイバケーブル1を架空で支持するための強度を有するように構成されており、鋼やFRP等の支持線7が熱可塑性樹脂の外被3により被覆されている。また、支持線7の外周には接着層5が設けられており、支持線7と外被3との間が強く接着されている。
また、首部6は、エレメント部9及びメッセンジャワイヤ部8の外被3と同じ樹脂により、エレメント部9及びメッセンジャワイヤ部8とが一体的に形成されている。この首部6は、エレメント部9とメッセンジャワイヤ部8とを分割する際には、手指等で簡単に引き裂くことができる。
ここで、本発明に係る光ファイバケーブルに収容されている光ファイバテープ心線10の態様について説明する。
図2は、光ファイバテープ心線10を示す断面図である。この光ファイバテープ心線10は、複数本(ここでは一例として4本用いている)の光ファイバ11を並列し、これら並列している光ファイバ11の外周の全体にわたり、かつ、光ファイバ11の全長にわたってテープ樹脂12により一体的に覆ったものである。
また、図2には、隣接する光ファイバ同士が全て接触した光ファイバテープ心線を示したが、光ファイバ同士が接触せず離れているものであってもよい。ここで、接触していないとは光ファイバテープ心線に含まれる少なくとも2本の光ファイバが接触していないことをいう。光ファイバテープ心線に含まれる光ファイバ同士が接触している場合と接触していない場合とを比較すると、接触している方が光ファイバテープ心線を分岐することが容易である。光ファイバ同士が接触していると、光ファイバ間のテープ樹脂が連続していない箇所をきっかけとして、例えばテープ樹脂をブラシで擦るだけで光ファイバ間のテープ樹脂を破壊させることができ、複数の光ファイバを一体化しているテープ樹脂を光ファイバから除去することができる。
光ファイバ心線同士が接触しない場合には、光ファイバ心線の間隔が10μm以下であることが好ましい。間隔が10μm以下であれば、テープ樹脂が光ファイバの間に入る量が多くないので、テープ樹脂の破壊が起こりやすく、テープ樹脂が光ファイバ間で連続していない場合とほぼ同程度のテープ樹脂の除去性が得られ、分岐が容易である。
また、この光ファイバテープ心線10は、光ファイバ11が全長にわたってテープ樹脂12によって覆われているため、任意の箇所でテープ樹脂12を破壊または除去して、どの箇所からでも容易に単心に分岐できる構造である。
また、光ファイバ11は、コア13aとクラッド13bからなるガラスファイバ13と、このガラスファイバ13の外周を一次保護被覆14で覆い、さらに、保護被覆14の外周を二次保護被覆15により被覆した構成となっている。また、二次保護被覆15の外周に厚さ1μmから10μm程度の着色層が形成されていても良い。また、ガラスファイバ13の周囲に薄膜状のカーボン層がコーティングされていても良い。なお、光ファイバ11は、ITU−T(International Telecommunication Union - Telecommunication standardization sector : 国際電気通信連合・電気通信標準化部門)により定められたG652に準拠するものであることが好ましい。
本発明に適用可能なガラスファイバ13としては、コアと複数層のクラッドからなるガラスファイバ等、いかなる屈折率分布を有するガラスファイバも適用可能である。
また、ガラスファイバ13としては、波長1.55μmにおけるPetermann−Iの定義によるモードフィールド径(MFD:Mode Field Diameter)が10μm以下であることが好ましい。さらに、モードフィールド径が8μm以下であるとより好ましい。
モードフィールド径を小さくすると、マイクロベンド損失や曲げ損失(マクロベンド損失)を小さくすることができる。したがって、ケーブル内で光ファイバテープ心線10が受ける外力による、伝送損失の増加を抑えることができる。また、小さい曲げ半径で光ファイバ11を曲げても伝送損失の増加が少ないため、活線分岐しやすい。
この光ファイバテープ心線10では、並列した4本の光ファイバ11の外周にテープ樹脂12として紫外線硬化樹脂を用いている。紫外線硬化型樹脂以外のテープ樹脂12としては、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂等も使用することができる。
本実施形態の光ファイバテープ心線10は、テープ樹脂12の厚さが従来用いられていた光ファイバテープ心線より薄く形成されている。なお、テープ樹脂12の厚さtは、光ファイバテープ心線10の厚さの最大値をT(μm)、光ファイバ11の外径をd(μm)としたときに、t=(T−d)/2で求めることができ、光ファイバテープ心線10は、T≦d+40(μm)となるように、すなわち、テープ樹脂12の厚さtが20μm以下となるようにテープ樹脂12の厚さが設定されている。
テープ樹脂12が薄い光ファイバテープ心線10を用いると、中間部の光ファイバテープ心線からの光ファイバの取り出しが極めて容易な光ファイバケーブル1を低コストで得ることができる。
このように、光ファイバテープ心線10は、テープ樹脂12の厚さtが薄いため、作業者による手作業、あるいは、分岐工具により、テープ樹脂12に亀裂や剥がれを発生させてテープ樹脂12を容易に剥がし始めることができる。そのため、光ファイバテープ心線10からテープ樹脂12を剥がして光ファイバ11を分岐させやすい。すなわち、光ファイバテープ心線10は、中間後分岐作業がしやすい構造となっている。
上述の中間後分岐について、分岐方法の一例を説明する。図3(A)に示すように、光ファイバテープ心線10を、分岐工具60の上ベース61および下ベース62で挟み、これらの上下ベース61,62に立設した線材63を光ファイバテープ心線10のテープ樹脂12に近づけていく。図3(B)はそのときの断面図を示している。さらに、分岐工具60を光ファイバテープ心線10に押し付けると、図3(C)に示すように、線材63は撓み、この撓んだ線材63の先端の角が光ファイバテープ心線10のテープ樹脂12と強く接触する。
分岐工具60を押し付けた状態で、分岐工具60を光ファイバテープ心線10の長手方向(図3(C)でみて左右方向)へ相対的に移動させ、つまり、分岐工具60で光ファイバテープ心線10をこすることにより、線材63の先端でテープ樹脂12に傷を付けたり剥いだりして光ファイバ11を分岐する。その際、分岐工具60、光ファイバテープ心線10のいずれか、或いは、両方を移動させてもよい。
線材63は、可撓性を有するため、光ファイバテープ心線10のテープ樹脂12に押し当てたときに、線材63が反って、線材63の先端の角がテープ樹脂12にあたる。この状態で、分岐工具60または光ファイバテープ心線10を動かすと線材63(可撓性部材)がテープ樹脂12に傷を与えたり、あるいは、テープ樹脂12を剥がしたりする。分岐工具60で光ファイバテープ心線10をこすることを繰り返していくと、光ファイバ11とテープ樹脂12との界面に剥離が発生する。さらにこの作業を繰り返すと、光ファイバ11の中心軸の上部あるいは下部のテープ樹脂12が削れ、亀裂が発生し、その後、応力集中によりテープ樹脂12の凹部16に亀裂が進展して、テープ樹脂12が剥がれる。
このようにして光ファイバテープ心線10のテープ樹脂12が破壊され、各光ファイバに分岐される。
可撓性部材63を光ファイバテープ心線に押し付ける力を調整すれば、分岐時の光信号の伝送損失変動量が1.0以下、分岐作業の仕方によっては0.5dB以下となり、活線を含む光ファイバテープ心線であっても、当該活線の光伝送を遮断させることなく分岐することができる。
ここで、テープ樹脂12の厚さtの違いによる中間後分岐の作業性とそのときの活線ロス増の関係を表1に示す。また、表1には、光ファイバの一体化の強度を示す分離試験の結果を示している。なお、表1に示す光ファイバテープ心線の光ファイバの外径dは250μmである。また、テープ樹脂12を構成する樹脂のヤング率は900MPaである。
Figure 2005043877
なお、表1に示すテープ樹脂の厚さt=0.0の光ファイバテープ心線とは、テープ樹脂が全ての光ファイバの全体を覆っていないものである。そのような光ファイバテープ心線の一例を図4に示す。
図4に示す光ファイバテープ心線10aは、隣接する光ファイバ11が、全長にわたってテープ樹脂12aによって一体化されている。このテープ樹脂12aは、光ファイバ11の間の窪みを埋めるように形成されており、隣接する光ファイバ11同士を接着している。また、光ファイバテープ心線10aの厚さが、光ファイバ11の外径dより大きくならないように図られている。そのため、この場合の光ファイバテープ心線10aの厚さTは、光ファイバ11の外径dと等しくなっている。
表1に示す中間後分岐性とは、光ファイバテープ心線の中間部分を各光ファイバに分岐するときに、伝送損失の増加を1.0dB以下として分岐することの容易さを示している。本明細書中における評価基準としては、◎は平均2分以内に分岐できることを示し、○は平均2分を超え3分以内に分岐できることを示し、△は平均3分を超え5分以内に分岐できることを示す。また、×は平均5分を超える分岐作業時間がかかってしまうことを示す。
なお、分岐時の伝送損失の増加が1.0dB以下ということは、活線分岐できるということである。
ここで、中間後分岐性の試験について説明する。
まず、図5(A)に示すように、光ファイバケーブル1の両端の外被を1m程度づつ除去し、光ファイバテープ心線10を取り出す。次いで、それぞれ光ファイバテープ心線10の両端を単心に分離し、一方側の1番心の光ファイバ11aに波長1.55μmの光を入射するための光源20を接続し、他方側の1番心の光ファイバ11aに受光器21とストレージオシロスコープ22を接続する。この状態で、光源20から1番心の光ファイバ11aに波長1.55μmの光を入射する。入射された光は、他方側の光ファイバ11aへ伝わり、受光器21により受光される。受光された光は、ストレージオシロスコープ22によりその受光量が適時観察される。
そして、光源20からの光の入射を行っている状態で、図5(B)に示すように、光ファイバケーブル1の中間部約50cmに対して、ノッチを利用して外被の除去を行い、光ファイバテープ心線10を取り出し、光ファイバテープ心線10を中間後分岐する。すなわち、1番心の光ファイバ11aが活線の状態で光ファイバテープ心線10を単心に分岐する(活線分岐)。このとき、中間後分岐による伝送損失の増加量がストレージオシロスコープ22により計測される。
なお、中間後分岐する長さは、40cmとした。また、中間後分岐する方法は、図3を参照して説明した上記の手順によるものである。
表1に示す光ファイバテープ心線のうち、中間後分岐性が◎,○または△となっているものは、テープ厚さTが290μm以下のもの、すなわちT≦d+40(μm)のものである。これらは、いずれも分岐時の伝送損失の増加を1.0dB以下として5分間以内に中間後分岐可能である。つまり、5分以内に活線分岐可能である。
これに対して、テープ厚さTが光ファイバの外径dより40μmを超える、従来用いられていた外被の厚い光ファイバテープ心線は、中間後分岐性が×であり、分岐時の伝送損失の増加分が1.0dBを超えるか、分岐できたとしても5分を超える所要時間を必要とするものであり、現実的に活線分岐できなかった。
表1に示す活線ロス増は、中間後分岐の作業中に発生する伝送損失の増加量である。本明細書中における評価基準としては、◎は分岐作業中に伝送損失が0.1dBを超えて増加しないことを示し、○は分岐作業中に伝送損失が0.5dBを超えて増加しないことを示し、△は分岐作業中に伝送損失が1.0dBを超えて増加しないことを示す。また、×は分岐作業中に伝送損失の増加値が1.0dBを超えてしまうことを示す。
表1に示す光ファイバテープ心線のうち、活線ロス増が○または△となっているものは、テープ厚さTが290μm以下のもの、すなわちT≦d+40(μm)のものである。これらは、いずれも分岐時の伝送損失の増加を1.0dB以下として活線の光ファイバテープ心線を中間後分岐することが可能である。このうち、テープ厚さTが275μm以下のもの、すなわちT≦d+25(μm)のものは、活線ロス増が○となっており、伝送損失の増加がさらに低く抑えられ、より好ましい。
これに対して、テープ厚さTが光ファイバの外径dより40μmを超える、従来用いられていたテープ樹脂の厚い光ファイバテープ心線は、活線ロス増が×であり、分岐作業中に伝送損失の増加値が1.0dBを超えてしまう。
表1に示すファイバ分離の有無は、光ファイバの一体化の強度を示す分離試験による結果を示すものである。
この分離試験は、図6に示すように、試験対象である光ファイバテープ心線10が巻かれた繰り出しボビン24から、巻き取りボビン25に巻き替えを行い、そのパスラインの途中で光ファイバテープ心線10に外力を与えるようになっている。光ファイバテープ心線10に与える外力は、ダンサローラと重りから構成される荷重負荷部26によって、光ファイバテープ心線10に一定の張力を与えるとともに、直径3mmの丸棒27を2本用いて小径の曲げを逆向きに与えることにより発生させる。
本明細書中におけるファイバ分離の評価基準としては、〇は光ファイバとテープ樹脂との分離がなく、光ファイバテープ心線が長手方向にわたって一体化されたままであった場合を示し、×は光ファイバとテープ樹脂との分離箇所が発生した場合を示す。
表1に示す光ファイバテープ心線のうち、T≧d+1(μm)である場合に、光ファイバテープ心線の分離が発生せず、良好であった。すなわち、テープ樹脂の厚さtが0.5μm以上であれば、各光ファイバを一体化させておくのに十分な強度が得られることがわかった。
表1に示す光ファイバテープ心線のうち、T=dのもの(図4参照)は、この分離試験において分離箇所が発生しているが、光ファイバケーブルを製造する際のライン中で光ファイバテープ心線にかかるしごき等の外力が軽減されるように配慮することで、そのケーブル化の製造工程で心線の分離が発生してしまうような不具合を防止することができる。そして、このT=dである光ファイバテープ心線は、各光ファイバの中心を通る光ファイバテープ心線の厚さ方向の箇所で実質的に外被が途切れているため、各光ファイバが光ファイバテープ心線の幅方向に分離しやすく、各光ファイバの全体を外被が覆う形状の光ファイバテープ心線に比べて、中間後分岐性が良好である。
なお、図4に示したようなテープ樹脂12aが各光ファイバ11の全体を覆っていない光ファイバテープ心線10aは、テープ樹脂12と光ファイバとの接着力だけで各光ファイバ11が一体化されている。これに対して、図2に示したような光ファイバテープ心線10は、樹脂がテープ樹脂12として各光ファイバ11の全体を一体的に覆っているため、樹脂と光ファイバとの接着力だけでなく、テープ樹脂12自身がその形状を保持しようとする力によって、光ファイバテープ心線10の全体が一体化された状態を保ちやすい。
次に、本発明に係る光ファイバケーブルに収容される光ファイバテープ心線の他の好適な態様について説明する。
図7(A)は、その光ファイバテープ心線の一例を示す断面図であり、(B)は斜視図である。
図7に示すように、光ファイバテープ心線10bは、光ファイバ11を覆っているテープ樹脂12bにおいて、隣り合う光ファイバ11、11の間に形成された窪みに応じて、テープ樹脂の凹部16が形成されている。この凹部16は、その窪みが最も大きい部分として底部17が形成されている。
上述したように、光ファイバ11の周囲に形成される外被の厚さは、活線ロス増を低減させる観点によると薄いほうが好ましく、0.5μm程度の厚さがあれば良い。しかし、実際にそのような光ファイバテープ心線を製造する場合には、ある程度の厚さがあったほうが好ましい。その理由としては、テープ樹脂となる樹脂の厚さを薄く形成しようとすると、部分的に樹脂が塗布されない(これを樹脂切れと呼ぶ)おそれが生じる。そのため、光ファイバ11に対して2.5μm以上の厚さでテープ樹脂を形成することが望ましい。その場合、所望のテープ樹脂の厚さを保ちながら光ファイバテープ心線の厚さ方向の樹脂の量を減らすには、隣接する光ファイバ間の窪みに形成されるテープ樹脂を少なくすれば良い。樹脂切れが発生しやすい箇所は、光ファイバの外径が光ファイバテープ心線の厚さ方向に最も大きくなる箇所であるため、隣接する光ファイバ間の樹脂の量を減らすことは、樹脂を確実に塗布することを妨げない。
そのため、図7に示すような凹部16を形成することは、樹脂切れを防止しつつ中間後分岐時の活線ロス増を抑制することができる。
また、テープ樹脂12bの凹部16は、光ファイバテープ心線10bからテープ樹脂12bを剥がして光ファイバ11を分岐するときに有効となる。テープ樹脂12bの厚さが薄い部分が多いほど、テープ樹脂12bの破壊が起こりやすいため、分岐作業が容易となる。また、分岐作業が容易化するため、分岐作業中に光ファイバに与える外力も小さくて済む。そのため、活線分岐のロス増を小さく抑えることができる。
図7に示した光ファイバテープ心線10bは、凹部16の深さYが、テープ樹脂12bの共通接線S1と各光ファイバ11の共通接線S2との間の距離より短く形成されている。つまり、底部17の位置が各光ファイバ11の共通接線S2よりも外側に位置するように凹部16が形成されている。
また、本実施形態の光ファイバケーブルに収容される光ファイバテープ心線としては、図7に示した光ファイバテープ心線10bの構成を一部変更した他の態様である、図8に示す光ファイバテープ心線10cが挙げられる。
図8(A)は、光ファイバテープ心線10cの断面図であり、(B)は斜視図である。光ファイバテープ心線10cの基本的な構成は図7に示した光ファイバテープ心線10bと同様であり、共通する構成については説明を省略する。
光ファイバ11の外周を覆っているテープ樹脂12cでは、隣り合う光ファイバ11c間に形成される窪みに応じて、凹部形状となっている。このテープ樹脂の凹部16cは、図7の場合よりも凹部形状が深くなっている。光ファイバテープ心線10cは、凹部16cの底部17cが、光ファイバ11の共通接線S2cよりも内側に位置するように形成されている。
ここで、図7及び図8に示すようなテープ樹脂に形成された凹部の深さに関して、複数の光ファイバを並べ、テープ樹脂により一体化し光ファイバテープ心線として製造する際の光ファイバのばらけの防止や、光ファイバケーブルの敷設作業時のテープ樹脂の剥離防止(光ファイバのばらけの原因となる)あるいは良好な分岐作業、活線分岐時の伝送損失の増減等について検討した。その結果、凹部は、隣り合う光ファイバにより形成される共通接線を超えないように、言い換えると共通接線よりも内側に入り込んで形成されるのが好ましいことがわかった。
その具体的な検討結果について、次に説明する。
光ファイバテープ心線の厚さT(μm)が270μm、280μm、290μmである場合において、凹部の深さが異なるときの、凹部の深さY(μm)に対するテープ樹脂の厚さt(μm)の比t/Yと、光ファイバの外径d(μm)に対する凹部での光ファイバテープ心線の厚さg(μm)の比g/dとを算出し、それぞれの場合の中間後分岐性、活線ロス増について調べた。
光ファイバテープ心線の厚さTが270μmである場合の中間後分岐性、活線ロス増の関係を表2に示す。なお、表中の比率(T−d)/2Yは、t/Yと同じ値である。
Figure 2005043877
光ファイバテープ心線の厚さTが280μmである場合の中間後分岐性、活線ロス増の関係を表3に示す。
Figure 2005043877
光ファイバテープ心線の厚さTが290μmである場合の中間後分岐性、活線ロス増の関係を表4に示す。
Figure 2005043877
表2から表4に示すように、中間後分岐性、活線ロス増のいずれにおいても、凹部の深さYが大きくなるほど良好な結果が得られた。
また、光ファイバテープ心線の厚さTが270μmまたは280μmである場合、すなわちT≦d+30(μm)である場合には、活線ロス増の結果が特に良好となった。これは、図3に示すような分岐工具を用いた場合に、凹部の効果により、単にテープ樹脂を薄肉化した光ファイバテープ心線よりも分岐性が良くなることが理由であると考えられる。例えば、表1に示したテープ厚さT=270μmの場合に、中間後分岐性が○であることに対して、表3に示したテープ厚さT=280μmで凹部深さY=5μmの場合に、中間後分岐性が◎であり、凹部の効果を確認できる。
また、中間後分岐性に着目すると、比率(T−d)/2Yの値に特に関係付けられることがわかる。例えば、比率(T−d)/2Yが4.0以下である場合に、中間後分岐性が良好である。
また、比率g/dが1.0以下である場合、すなわち、凹部の底部が光ファイバの共通接線よりも内側に位置する場合に、中間後分岐性が良好で活線ロス増も小さくなり、比率g/dが1.0以下の場合には、その効果がさらに顕著である。
図7や図8に示すような、凹部が形成された光ファイバテープ心線において、その凹部は、なめらかな曲線形状Rであることが望ましい。例えば、凹部が光ファイバ心線の形状に沿って底部がとがった形状であると、応力が底部に集中して、割れや亀裂等が発生しやすくなるからである。
また、図2、図4、図7、図8に示すような、本発明の光ファイバケーブルに用いられる光ファイバテープ心線においては、光ファイバとテープ樹脂との密着力は、活線分岐時の伝送損失の増大や分岐作業効率に影響を及ぼすときがある。光ファイバとテープ樹脂との密着力は、伝送損失の増大防止や分岐作業性を考慮すると、光ファイバ1本あたりの密着力が0.025(gf)〜0.25(gf)の範囲内であることが望ましい。前記密着力が前記範囲よりも小さいとケーブル化時にテープ樹脂が破壊されて各光ファイバがばらばらになることがある。また、前記密着力が前記範囲より大きいと分岐性が悪くなる。
光ファイバとテープ樹脂との密着力は、例えば以下の方法で測定することができる。
図9に示すように、光ファイバテープ心線10にカッターナイフの刃Cを当てて、ガラスまで切り込む。刃を長さ方向にテープ心線の端部へ移動させてテープ心線の片面のテープ樹脂を剥ぎ取る。次いで、光ファイバテープ心線10の端部のテープ樹脂12を約30mm手で剥いで折り返す。
そして、図10に示すように、テープ樹脂12が剥がれた光ファイバ11を下チャック50Lで掴み、折り返したテープ樹脂12の先端を上チャック50Uで掴む。上下チャック50L、50U間の距離は約40mmとする。上チャック50Uと下チャック50Lを相対的に180度をなす方向に200mm/分の速度で約50mm移動させ、テープ樹脂12を剥離させる。
測定値の極大値および極小値をそれぞれ最大値とその次点の値、最小値とその次点の値、合計4点取り、その平均値を求め、さらに光ファイバテープ心線に含まれる光ファイバの心数で割った値を心線あたりの密着力とする。
本発明において用いられる光ファイバテープ心線では、光ファイバがばらけないで一体性を維持することを主たる目的とした場合は、テープ樹脂の厚みは0.5μm以上が好ましく、この場合の光ファイバテープ心線の最大厚さTは、T≧光ファイバの外径d+1(μm)となる。
また、光ファイバテープ心線のテープ樹脂の物性によっても、活線分岐時の伝送損失の増大や分岐作業効率に影響を及ぼすときがある。テープ樹脂の材料の特性として、降伏点応力が20MPa〜45MPaの範囲内が望ましく、容易に分岐作業を行うことができたり、活線分岐時の伝送損失を抑制することができる。降伏点応力はJIS K7113に従い、2号試験片について引っ張り速度を50mm/分として測定する。降伏点応力が20MPa未満であると光ファイバテープ心線をケーブル化する工程で加わる外力によって各光ファイバが分離してしまい、ケーブル化できないことがある。降伏点応力が45MPaを超えると、テープ樹脂が破壊されにくく光ファイバテープ心線の中間後分岐がしづらい。
また、ここで、図1に示した光ファイバケーブル1について、波長1.55μmにおける通常の状態における伝送損失値と、中間後分岐時の伝送損失の増加量を測定した。
なお、ここで用いた光ファイバケーブル1は、全体の幅が6.0mm、厚さが2.0mmであり、支持線7及び抗張力体2は、鋼線である。
また、ここで用いた光ファイバテープ心線は、図8に示した光ファイバテープ心線10cであり、その厚さTは270μmである。光ファイバ11の外径dは250μmである。また、テープ樹脂の厚さtは10μmであり、凹部の深さYは50μmである。ただし、光ファイバテープ心線として一体化された光ファイバとして、G652に準拠するものを用いた場合と、モードフィールド径が10μm以下のものを用いた場合を用意して、それぞれの場合について測定結果を比較した。
光ファイバケーブル1としてケーブルの外被3に覆われた状態での光ファイバの伝送損失値は、G652の光ファイバで、最大値が0.22dB/kmであり、平均値が0.20dB/kmであった。モードフィールド径が10μm以下の光ファイバでは、最大値が0.21dB/kmであり、平均値が0.19dB/kmであった。
このように、ケーブル化した状態での光ファイバの伝送損失は、モードフィールド径が10μm以下のものが、特に特性が良好であった。
また、図5に示したような方法により、光ファイバケーブルから中間後分岐して伝送損失を測定した。
伝送損失の測定は、光ファイバケーブル1の外被3を除去する時から中間後分岐の作業終了時まで、ストレージオシロスコープ22によって観察して行った。
その結果、作業中の伝送損失の増加量は、G652の光ファイバ及びモードフィールド径が10μm以下の光ファイバの何れでも0.1dB以上の値は認められなかった。
このように、中間後分岐時の損失増加が1.0dB以下である光ファイバケーブルは、活線状態での中間後分岐を良好に行うことができるため、所望の光ファイバのみを適宜分岐させて取り出し、他の光ファイバは、下流側で用いることができる。したがって、光ファイバケーブルに収容された全ての光ファイバを有効に活用することができる。したがって、通信線路の構築コストを低く抑えることができる。
また、中間後分岐時の損失増加が0.5dB以下である光ファイバケーブルは、分岐しない光ファイバで高速通信を行っていても、あるいはダイナミックレンジの小さい領域で通信を行っていても、所望の光ファイバを分岐させて取り出すことができる。したがって、光通信網の設計自由度が優れて向上する。
次に、本発明に係る他の態様の光ファイバケーブルについて説明する。
図11に示す光ファイバケーブル30は、図1に示した支持線7や抗張力体2を備えていないものである。光ファイバケーブル30は、光ファイバテープ心線10が、熱可塑性樹脂の外被3により被覆されており、外被3には2つのノッチ4が形成されている。
図12に示す光ファイバケーブル31は、2枚の光ファイバテープ心線10と、2本の抗張力体2と、外被3とから構成されているものである。2枚の光ファイバテープ心線10は、その厚さ方向に接触して積層された状態で、2本の抗張力体2の間に配置されており、2本の抗張力体2とともに外被3で覆われている。また、外被3には、2つのノッチ4が形成されている。
図13に示す光ファイバケーブル32は、外形がほぼ円形の外被3aにより、光ファイバテープ心線10と、2本の抗張力体2とが覆われているものである。この外被3aにも、2つのノッチ4が形成されている。
図14に示す光ファイバケーブル33は、外形が円形の外被3bにより、光ファイバテープ心線10と、2本の抗張力体2とが覆われているものである。この外被3bには、ノッチが形成されていないが、外被3bを引き裂くための引き裂き紐34が、光ファイバテープ心線10の近傍に、2本埋め込まれている。光ファイバテープ心線10を取り出す際には、これら引き裂き紐34を、外被3bの外方へ、互いに離反する方向に引っ張ることで、外被3bを引き裂くことができる。
図15に示す光ファイバケーブル35は、光ファイバテープ心線10と、2本の抗張力体2と、外被3とから構成されているものである。外被3に形成された2つのノッチ4が、厚さ方向に同一の箇所であって光ファイバテープ心線10の幅方向の中央に形成されているものではなく、光ファイバテープ心線10の幅方向の端部に向かってそれぞれ形成されている。このように、2つのノッチ4が非対称的な位置に形成されていることにより、これらノッチ4から外被3を引き裂いたときに、光ファイバテープ心線が取り出しやすい構造となっている。
図16に示す光ファイバケーブル36は、図12に示した光ファイバケーブル31と同様に、2枚の光ファイバテープ心線10が2本の抗張力体2とともに外被3で覆われている。ただし、2枚の光ファイバテープ心線10は、外被3に形成された収容穴37内に収容されているものであり、外被3とは完全に密着していない。すなわち、光ファイバテープ心線10と外被3との間には、収容穴37の内部の空隙38が設けられている。この場合、光ファイバケーブル36を曲げたり捻回させたりしたときに、光ファイバテープ心線10が必ずしも外被3とともに変形しないため、伝送損失の増加を抑制することができる。また、ノッチ4から外被3を引き裂いて光ファイバテープ心線10を取り出す際に、外被3のずれによる摩擦力が直接光ファイバテープ心線10に加わらないため、不用意に光ファイバテープ心線10が分離することを防止できる。
また、図17に示す光ファイバケーブル39のように、収容穴37に、光ファイバテープ心線10とともに介在物40が設けられていても良い。ここで、介在物40は、例えばオイルやタルク等の、光ファイバテープ心線10と外被3との摩擦抵抗を低減させるものであっても良いし、抗張力体としての機能を有するポリプロピレン等で形成された繊維状のヤーンであっても良い。
また、図18に示す光ファイバケーブル41のように、収容穴を形成せずに、光ファイバテープ心線10に沿わせるように配置されたテープ状の介在物40aが設けられていても良い。
また、光ファイバテープ心線と外被とが、光ファイバテープ心線の外周の一部で密着した状態で接着していると良い。その一例を図19に示す。図19に示すように、外被3の内部に積層されて収容された2枚の光ファイバテープ心線10cは、図中に示す破線の楕円印の箇所において、外被3と密着して接触した状態で接着している。この接着状態は、外被3を光ファイバテープ心線10cの周囲に押し出し成形する際に得ることができる。接着していない箇所には、外被3と光ファイバテープ心線10cとの間に空隙を設けるか、上記のような介在物を設けると良い。このような接着により、例えば光ファイバケーブルが低温環境下に置かれて外被3が収縮した際の光ファイバテープ心線10cの移動を抑制することができる。また、光ファイバテープ心線10cと外被3との接着は、光ファイバテープ心線10cの外周部分のうち一部であるため、外周全体が接着している場合と比較して、光ファイバテープ心線10cと外被3との接着力が適度に小さくなり、外被3を除去した際に光ファイバテープ心線10cのテープ樹脂12cが破壊されて光ファイバ11から剥離してしまうことが起こりにくい。したがって、光ファイバテープ心線の中間後分岐作業を行いやすい。
なお、光ファイバテープ心線10cと外被3との接着力は、次式(1)で示される光ファイバテープ心線の突き出し力(または引き込み力)Pより小さいと、温度変化時における光ファイバテープ心線10cの突き出しや引き込みが発生せず、長期にわたる信頼性を確保することができる。
P={Σ(αi×Ai×Ei)/Σ(Ai×Ei)−Σ(αj×Aj×Ej)/Σ(Aj×Ej)}×t×Σ(Aj×Ej) ・・・(1)
なお、この式(1)において、
P:突き出し力(または引き込み力)
αi:光ファイバテープ心線の線膨張係数(1/℃)
αj:外被の線膨張係数(1/℃)
t:温度変化量(℃)
Ai:光ファイバテープ心線の断面積(mm
Aj:外被の断面積(mm
Ei:光ファイバテープ心線のヤング率(MPa)
Ej:外被のヤング率(MPa)
である。
上記式(1)を満たすものとして、例えば、図20に示す光ファイバケーブル42は、支持線7が1.2mmの直径を有する鋼線であり、抗張力体2が0.4mmの直径を有するG−FRPであり、外被3がFRPEであり、エレメント部9の厚さが2.0mm、幅が5.0mmである。そして、各部位の線膨張係数及びヤング率は、下記の表5に示す通りである。この光ファイバケーブル42において、温度変化が50℃(例えば20℃からマイナス30℃に変化)であった場合に必要な接着力を算出すると、0.019Nとなる。
Figure 2005043877
また、光ファイバテープ心線と外被とが強く接着しすぎると、テープ樹脂の剥離が生じてしまうため、好ましくない。一方、光ファイバテープ心線と外被との接着が弱すぎると、低温時に外被が光ファイバテープ心線より大きく収縮して外被内で光ファイバテープ心線に余長が生じて蛇行してしまい、伝送損失が増加してしまう。そこで、空隙部分あるいは介在物を配置する部分の大きさの最適化を行えば良いが、微小な領域の大きさを調整して定量化することは困難であり、ケーブル長手方向でその大きさが変動しやすい。そのため、本実施形態では接着の程度として、光ファイバケーブルから光ファイバテープ心線を引き抜く力の定量化を図っている。
光ファイバテープ心線を引き抜く力を測定するには、例えば図21に示すように、30mmの長さの光ファイバケーブル42を一方側で把持部51により固定し、他方側で光ファイバテープ心線10cに紐52を介して錘53を付け、光ファイバテープ心線10cが動き出す時の錘53の重さを測定する方法を用いる。この測定の結果、光ファイバテープ心線の幅をW(μm)、光ファイバテープ心線の積層枚数をn、光ファイバテープ心線の厚さをT(μm)とした場合に、図22のグラフに示すように、光ファイバケーブルの長さ30mmあたりの光ファイバテープ心線の引き抜き力F(N)が3.2×10{2(W+nT)}(N)以下であれば、外被を除去したときに光ファイバテープ心線を単心の光ファイバにばらけさせることなく光ファイバテープ心線を取り出すことができ、引き抜き力F(N)が2.3×10{2(W+nT)}(N)以下であれば、外被を除去したときに光ファイバテープ心線のテープ樹脂が剥離することなく光ファイバテープ心線を取り出すことができることがわかる。
また、引き抜き力を小さくしすぎると、上記のように光ファイバテープ心線と外被との接着が弱すぎることになり伝送損失が増加しやすい。その一例として、図20に示した構造の光ファイバケーブルについて、製造後から−30℃の温度変化した場合の伝送損失(ロス)の増加と引き抜き力との関係を調べたグラフを図23に示す。この図23に示すように、長さ30mmあたりの引き抜き力が5N以上であれば、伝送損失の増加は0.1dB/km以下となり、良好な特性を確保できる。なお、他の構造の光ファイバケーブルであっても、引き抜き力を5N以上とすれば伝送損失の増加を0.1dB/km以下に抑えられる。
したがって、引き抜き力F(N)を、5≦F≦3.2×10{2(W+nT)}(N)、もしくは、5≦F≦2.3×10{2(W+nT)}(N)とすることで、外被を引き裂いて光ファイバテープ心線を取り出す際にテープ樹脂の剥離や光ファイバのばらけを発生させずに、なおかつ伝送損失の増加を抑えて良好な中間後分岐作業を行うことができる。
また、図20に示した光ファイバケーブル42は、2枚の光ファイバテープ心線10cが光ファイバ11間のピッチのほぼ半分の距離だけ幅方向にずれて積層されている。光ファイバテープ心線10cはテープ樹脂12cに凹部16cが形成されており、外周に沿って幅方向に凹凸を有する形状であるため、光ファイバテープ心線10c同士が、互いの凹凸を相補うように接触する。そのため、互いの凹部にテープ心線が入り込んで、積層する厚さが小さくなる。
したがって、光ファイバケーブル42の中心に光ファイバ11を集中させて配置することができ、光ファイバケーブル42を細径化することができる。また、光ファイバケーブル42の曲げ中心軸と光ファイバ11との間隔を小さくして、光ファイバ11に付加される曲げ歪みを小さく抑えることができる。そのため、伝送損失の増加を抑えつつ、従来より小さい径で光ファイバケーブル42を曲げることができる。そして、光ファイバケーブル42の取り扱い性も向上し、中間後分岐作業等も容易に行うことができる。
光ファイバに発生する歪みは、ケーブルの曲げ半径をR、ケーブル内の曲げの中心軸から光ファイバまでの距離をrとすると、r/Rで表すことができる。図20に示した光ファイバケーブル42について、曲げ半径7.5mm、15mm、30mmの時の歪みを調べ、テープ樹脂に凹部の無い従来の光ファイバテープ心線を2枚積層させた従来構造の光ファイバケーブルで発生する歪みと比較すると、図24に示すようになる。なお、図24のグラフにおいて、縦軸は、従来構造の光ファイバケーブルを曲げ半径30mmで曲げた場合の歪みを1とした場合の相対的な値である。図24に示すように、曲げ半径7.5mmにおける従来構造の相対歪みが4.0であるのに対して、本発明の光ファイバケーブル42では、3.2まで低減されている。
また、本発明の光ファイバケーブルにおいて、凹部を有する光ファイバテープ心線を3枚以上積層させても良い。例えば、図25に示す光ファイバケーブル43は、3枚の光ファイバテープ心線10cを互いの凹部16cに入り込むように幅方向にずらして積層し、外被3で覆ったものである。この場合も、従来より曲げ歪みを小さく抑えることができる。
例えば、光ファイバテープ心線が2枚の場合の上記曲げ歪みの比較と同様に、図25の光ファイバケーブル43について、光ファイバテープ心線が3枚の従来構造のケーブルと曲げ歪みを比較すると、図26に示すようになる。なお、図26のグラフにおいて、縦軸は、図24における相対歪み1を基準(すなわち相対歪み1)とした相対的な値である。図26に示すように、曲げ半径7.5mmにおける従来構造の相対歪みが8.0であるのに対して、本発明の光ファイバケーブル43では、6.4まで低減されている。
このように、本発明に係る光ファイバケーブルは、種々の態様が例示できる。
なお、上記光ファイバケーブル30,31,32,33,35,36,39,41の光ファイバテープ心線としては、図示した光ファイバテープ心線10の他に、上述した光ファイバテープ心線10a,10b,10cを用いることができる。また、上記光ファイバケーブル42,43の光ファイバテープ心線としては、図示した光ファイバテープ心線10cの他に、上述した光ファイバテープ心線10bを用いることができる。
また、光ファイバテープ心線を覆うケーブルの外被の樹脂には、熱硬化性樹脂も使用できる。また、軽量化や光ファイバテープ心線の取り出しに際する引き裂き性を向上させるために、外被の樹脂を発泡させても良い。
本発明に係る光ファイバケーブルの一実施形態を示す断面図である。 図1に示す光ファイバケーブルに収容される光ファイバテープ心線の断面図である。 光ファイバテープ心線の分岐方法を示す模式図である。 図1に示す光ファイバケーブルに収容される光ファイバテープ心線の断面図である。 光ファイバケーブル中の光ファイバテープ心線の中間後分岐試験の様子を示す模式図である。 光ファイバテープ心線の分離試験の様子を示す模式図である。 図1に示す光ファイバケーブルに収容される光ファイバテープ心線を示す図であり、(A)は断面図、(B)は斜視図である。 図1に示す光ファイバケーブルに収容される光ファイバテープ心線を示す図であり、(A)は断面図、(B)は斜視図である。 光ファイバとテープ樹脂との密着力を測定する際の様子を示す斜視図である。 光ファイバとテープ樹脂との密着力を測定する際の様子を示す斜視図である。 本発明に係る光ファイバケーブルの他の実施形態を示す断面図である。 本発明に係る光ファイバケーブルの他の実施形態を示す断面図である。 本発明に係る光ファイバケーブルの他の実施形態を示す断面図である。 本発明に係る光ファイバケーブルの他の実施形態を示す断面図である。 本発明に係る光ファイバケーブルの他の実施形態を示す断面図である。 本発明に係る光ファイバケーブルの他の実施形態を示す断面図である。 本発明に係る光ファイバケーブルの他の実施形態を示す断面図である。 本発明に係る光ファイバケーブルの他の実施形態を示す断面図である。 本発明に係る光ファイバケーブルの外被と光ファイバテープ心線との接着状態の一例を示す断面図である。 本発明に係る光ファイバケーブルの他の実施形態を示す断面図である。 光ファイバテープ心線の引き抜き力を測定する様子を示す模式図である。 剥離やばらけの生じる引き抜き力を示すグラフである。 引き抜き力とロス増の関係を示すグラフである。 図20に示す光ファイバケーブルの歪み値を示すグラフである。 本発明に係る光ファイバケーブルの他の実施形態を示す断面図である。 図25に示す光ファイバケーブルの歪み値を示すグラフである。 従来の光ファイバケーブルの一例を示す断面図である。 従来の光ファイバケーブルの一例を示す断面図である。
符号の説明
1 光ファイバケーブル
2 抗張力体
3 外被
4 ノッチ
5 接着層
6 首部
7 支持線
8 メッセンジャワイヤ部
9 エレメント部
10 光ファイバテープ心線
11 光ファイバ
12 テープ樹脂(樹脂)
13 ガラスファイバ
14 一次保護被覆
15 二次保護被覆
16 凹部
17 底部

Claims (23)

  1. 光ファイバテープ心線が、外被により覆われている光ファイバケーブルであって、
    前記光ファイバテープ心線は、光ファイバが複数本並列され、これらの複数本の前記光ファイバの全長が樹脂により一体化されており、前記光ファイバテープ心線の厚さの最大値をT(μm)、前記光ファイバの外径をd(μm)としたときに、T≦d+40(μm)であることを特徴とする光ファイバケーブル。
  2. 光ファイバテープ心線が、外被により覆われている光ファイバケーブルであって、
    前記光ファイバテープ心線は、光ファイバが複数本並列され、これらの複数本の前記光ファイバの全長及び並列した状態の全周が樹脂により覆われて一体化されており、前記光ファイバテープ心線の厚さの最大値をT(μm)、前記光ファイバの外径をd(μm)としたときに、T≦d+40(μm)であることを特徴とする光ファイバケーブル。
  3. 請求項1または請求項2に記載の光ファイバケーブルであって、
    前記光ファイバテープ心線と前記外被とが密着していることを特徴とする光ファイバケーブル。
  4. 請求項1または請求項2に記載の光ファイバケーブルであって、
    前記光ファイバテープ心線と前記外被との間に空隙が設けられていることを特徴とする光ファイバケーブル。
  5. 請求項1または請求項2に記載の光ファイバケーブルであって、
    前記光ファイバテープ心線と前記外被との間に介在物が設けられていることを特徴とする光ファイバケーブル。
  6. 請求項3から請求項5の何れか1項に記載の光ファイバケーブルであって、
    前記光ファイバテープ心線と前記外被とが、前記光ファイバテープ心線の外周の一部で接着していることを特徴とする光ファイバケーブル。
  7. 請求項1から請求項6の何れか1項に記載の光ファイバケーブルであって、
    前記光ファイバテープ心線の幅をW(μm)、前記光ファイバテープ心線の積層枚数をnとしたときに、当該光ファイバケーブルの長さ30mmあたりの前記光ファイバテープ心線の引き抜き力F(N)が、5≦F≦3.2×10{2(W+nT)}(N)であることを特徴とする光ファイバケーブル。
  8. 請求項1から請求項6の何れか1項に記載の光ファイバケーブルであって、
    前記光ファイバテープ心線の幅をW(μm)、前記光ファイバテープ心線の積層枚数をnとしたときに、当該光ファイバケーブルの長さ30mmあたりの前記光ファイバテープ心線の引き抜き力F(N)が、5≦F≦2.3×10{2(W+nT)}(N)であることを特徴とする光ファイバケーブル。
  9. 請求項1から請求項8の何れか1項に記載の光ファイバケーブルであって、
    前記光ファイバテープ心線は、隣接した前記光ファイバ同士が互いに接触して配置されていることを特徴とする光ファイバケーブル。
  10. 請求項1から請求項8の何れか1項に記載の光ファイバケーブルであって、
    前記光ファイバテープ心線は、隣接した少なくとも2本の前記光ファイバ同士が、互いに接触しておらず、かつ、10(μm)以下の間隔を有して配置されていることを特徴とする光ファイバケーブル。
  11. 請求項1から請求項10の何れか1項に記載の光ファイバケーブルであって、
    前記光ファイバテープ心線は、T≧d+1(μm)であることを特徴とする光ファイバケーブル。
  12. 請求項1から請求項11の何れか1項に記載の光ファイバケーブルであって、
    前記光ファイバテープ心線の前記樹脂には、隣接する前記光ファイバの間の窪みに応じた凹部が形成されていることを特徴とする光ファイバケーブル。
  13. 請求項12に記載の光ファイバケーブルであって、
    前記光ファイバテープ心線は、T≦d+30(μm)であることを特徴とする光ファイバケーブル。
  14. 請求項12または請求項13に記載の光ファイバケーブルであって、
    前記光ファイバテープ心線は、前記凹部の深さをY(μm)としたときに、(T−d)/2Y≦4.0であることを特徴とする光ファイバケーブル。
  15. 請求項12から請求項14に記載の光ファイバケーブルであって、
    前記光ファイバテープ心線は、前記凹部における前記光ファイバテープ心線の厚さをg(μm)としたときに、g≦dであることを特徴とする光ファイバケーブル。
  16. 請求項12から請求項15の何れか1項に記載の光ファイバケーブルであって、
    前記光ファイバテープ心線がその厚さ方向に複数枚積層されており、隣り合う前記光ファイバテープ心線同士が、互いの前記凹部に入り込んでいることを特徴とする光ファイバケーブル。
  17. 請求項1から請求項11の何れか1項に記載の光ファイバケーブルであって、
    前記光ファイバテープ心線は、T≦d+25(μm)であることを特徴とする光ファイバケーブル。
  18. 請求項1から請求項17の何れか1項に記載の光ファイバケーブルであって、
    前記光ファイバテープ心線は、前記光ファイバ1本あたりの前記光ファイバと前記樹脂との密着力が0.025(gf)から0.25(gf)の範囲内であることを特徴とする光ファイバケーブル。
  19. 請求項1から請求項18の何れか1項に記載の光ファイバケーブルであって、
    前記光ファイバテープ心線は、前記樹脂の降伏点応力が20(MPa)から45(MPa)の範囲内であることを特徴とする光ファイバケーブル。
  20. 請求項1から請求項19の何れか1項に記載の光ファイバケーブルであって、
    前記光ファイバは、波長1.55(μm)におけるピーターマン−I(Petermann−I)の定義によるモードフィールド径が10(μm)以下であることを特徴とする光ファイバケーブル。
  21. 請求項1から請求項20の何れか1項に記載の光ファイバケーブルであって、
    前記光ファイバは、波長1.55(μm)におけるピーターマン−I(Petermann−I)の定義によるモードフィールド径が8(μm)以下であることを特徴とする光ファイバケーブル。
  22. 請求項1から請求項21の何れか1項に記載の光ファイバケーブルであって、
    前記光ファイバテープ心線は、前記光ファイバを分岐するときの、波長1.55μmにおける損失増加が1.0(dB)以下であることを特徴とする光ファイバケーブル。
  23. 請求項1から請求項22の何れか1項に記載の光ファイバケーブルであって、
    前記光ファイバテープ心線は、前記光ファイバを分岐するときの、波長1.55μmにおける損失増加が0.5(dB)以下であることを特徴とする光ファイバケーブル。
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