JP2006301531A - 光ファイバテープ、光ケーブルおよび光ファイバテープの単心分離方法 - Google Patents

光ファイバテープ、光ケーブルおよび光ファイバテープの単心分離方法 Download PDF

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Abstract

【課題】中間単心分離性が良好で、かつ、ケーブル製造時やケーブルから取り出す際の負荷に耐える十分な機械的特性、熱的特性を有する光ファイバテープ、これを用いた光ケーブル、および、光ファイバテープの単心分離方法を提供する。
【解決手段】並列配置された複数の光ファイバ単心線12と、これらを一括被覆するテープ層14とを備えた光ファイバテープ10であって、テープ層14は23℃におけるヤング率が300MPa以上の樹脂からなり、かつ、厚さが25μm以下光ファイバテープ10、および、このような光ファイバテープ10を備えた光ケーブルである。また、光ファイバテープの表面を研磨材で擦って粗面化した後、該部に可撓性部材を押し当て、該部のテープ層を傷付けるかまたは除去して、光ファイバテープを光ファイバ単心線に分離する光ファイバテープの単心分離方法である。
【選択図】図1

Description

本発明は、光ファイバ単心線を複数本並列させ一体化した光ファイバテ−プ、および、そのような光ファイバテープを用いた光ケーブルに係り、さらに詳しくは、容易に中間単心分離可能な光ファイバテープ、および、そのような光ファイバテープを用いた光ケーブルに関する。また、本発明は、そのような光ファイバテープを中間で単心分離する方法に関する。
近年、インターネットなどの通信サービスの普及に伴い、通信事業者から一般加入者宅までの全区間を光ファイバで結ぶFTTH(Fiber To The Home)が急速に拡大してきている。このようなFTTHにおいて、加入者宅近傍の光配線網は、電柱を用いた架空配線が一般的であり、電柱に架渉した配線ケーブルから光ドロップケーブルを用いて加入者宅に引き落とす方式が主に採用されている。
上記配線ケーブルには、ケーブル同士の接続や中間分岐の際の光ファイバ心線の取り出しの容易さなどの点から、スロットロッドの外周に複数のSZ溝を設け、これらのSZ溝に、光ファイバ単心線を複数本並列させ一体化した構造の光ファイバテープを複数枚積層して収納し、その外周に押えテープを巻き付け、さらにその上に外被を設けたスロット型光ケーブルが一般に用いられている。このようなケーブルにおいては、まず、SZ溝から光ファイバテープを取り出し、次いで、光ファイバテープを単心線に分離(中間単心分離)した後、この分離した単心線を光ドロップケーブルと接続することにより、加入者宅に引き落とされる。
ところで、従来、溝内に収納した光ファイバテープから単心線へ中間単心分離するにあたっては、刃物類や剪断式の特殊な工具を用いてテープ層を切断し単心線に分離する方法が一般に用いられている。しかしながら、このような方法では、作業性が悪いばかりか、場合により刃が光ファイバを傷付けたり断線させたりすることがあった。このため、光ケーブル内の未使用の光ファイバテープに対し、中間単心分離作業を行わずに、光ファイバテープごと切断し、複数の光ファイバ単心線のうち1心だけを引き落とすこともあり、この場合、心線の利用効率が低くなるという問題があった。また、光ファイバテープ内の単心線の一部に活線がある場合、作業時の不用意な曲げによって伝送損失が増加し、伝送エラーを招くことがあった。この対策として、光ファイバテープをクランプで固定して直線状を維持する補助工具の使用が考えられるが、架空作業での補助工具の使用は困難である。このため、一般には回線を一旦停止したうえで作業を行っており、作業効率がさらに低下するという問題があった。
そこで、このような問題を解決するため、上下またはその一方にナイロンなどの線材からなるブラシ片を備え、このブラシ片を光ファイバテープの上下両面に繰り返し押し当てるか、あるいは、押し当てた状態で光ファイバテープの長さ方向に相対的に移動させることにより、光ファイバテープのテープ層を傷付けたり剥いだりして、光ファイバ単心線へ分離する工具、および、このような工具により容易に中間単心分離可能な光ファイバテープが開発されている(例えば、特許文献1、2参照。)。
このような工具および光ファイバテープによれば、従来の刃物類や剪断式の特殊な工具を用いる方法に比べ、容易にかつ安全に光ファイバ単心線を中間分離することができ、また、中間単心分離時の損失増加もほとんどないため、活線のある光ファイバテープについても回線を一旦停止せずに中間単心分離が可能であることから、心線の利用効率および作業効率を大幅に向上させることができると期待される。
しかしながら、上記光ファイバテープは、中間単心分離性に優れるものの、ケーブル製造時の負荷、例えば、光ファイバテープを複数枚積層乃至集合してスロットロッドのSZ溝内に収納する際の溝の側面や底面との接触や擦れにより、テープ層の剥離や削れ、単心線の分離(バラケ)などが発生することがあり、長期信頼性に乏しいという難点があった。
また、光ファイバテープは、スロット型光ケーブルのみならず、配線ケーブルから加入者宅への引き落としに使用される光ドロップケーブルや、ビルやマンション内の構内配線に使用される光ケーブルなどにも、多心化、配線作業の効率化を目的に多用されてきている。このようなケーブルでは光ファイバテープはケーブル外被内に埋設されており、接続に際してはケーブル外被を引き裂いて光ファイバテープを取り出す必要があるが、上記の中間心線分離性の良好な光ファイバテープでは、その際に、光ファイバテープのテープ層に割れ、剥離、削れなどが生じたり、単心線の分離(バラケ)が生ずることがあった。
特開2004−206048号公報 特開2004−240014号公報
本発明はこのような従来技術の課題に対処してなされたもので、容易に中間単心分離を行うことができ、かつ、ケーブル製造時やケーブルから取り出す際の負荷に耐える十分な機械的特性および熱的特性を有し、長期間に亘って良好な特性が保持される光ファイバテープ、このような光ファイバテープを用いた光ケーブル、および、そのような光ファイバテープを中間部において容易に単心分離することができる方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明の光ファイバテープは、並列配置された複数の光ファイバ単心線と、これらを一括被覆するテープ層とを備えた光ファイバテープであって、前記テープ層は、23℃におけるヤング率が300MPa以上の樹脂からなり、かつ、厚さが25μm以下であることを特徴とするものである。
なお、本願明細書中、ヤング率の測定は、いずれも、JIS K 7113に準拠して測定した値であり、より具体的には、樹脂シートを作成し、JIS2号ダンベルに成形した試験片を、標線間距離25mm、引張速度1mm/分の条件で引張って求めたヤング率である。
また、本発明の光ファイバテープの単心分離方法は、前記光ファイバテープを単心分離する方法であって、前記光ファイバテープの表面を研磨材で擦って粗面化した後、該部に可撓性部材を押し当て、該部のテープ層を傷付けるかまたは除去して、前記光ファイバテープを光ファイバ単心線に分離することを特徴とするものである。
さらに、本発明の光ケーブルは、前記光ファイバテープを備えたことを特徴とするものである。
本発明の光ファイバテープによれば、容易にかつ安全に、また、活線があっても伝送損失を大きく増大させることなく光ファイバ単心線へ中間分離することができ、心線の利用効率および作業効率を十分に向上させることができる。しかも、ケーブル製造時やケーブルから取り出す際の負荷に耐える十分な機械的特性、熱的特性を有し、長期間に亘って良好な特性を保持することができる。また、本発明の光ケーブルによれば、このような優れた中間単心分離性と優れた長期信頼性を併せ持つ光ファイバテープを具備することができる。さらに、本発明の光ファイバテープの単心分離方法によれば、優れた長期信頼性を有する光ファイバテープを、容易にかつ安全に、また、活線があっても伝送損失を大きく増大させることなく光ファイバ単心線へ中間分離することができ、心線の利用効率および作業効率を十分に向上させることができる。
以下、本発明の実施の形態を図面を用いて説明する。
図1は本発明の光ファイバテープの一実施形態を示す断面図である。
図1に示すように、本実施形態の光ファイバテープ10は、光ファイバ単心線12を4本、同一平面上に密着させて並列させ、その外側にテープ層14を一括被覆した構造を有する。テープ層14の表面には実質的に凹凸が形成されておらず、光ファイバテープ10は幅方向にほぼ均一な厚さを有している。
光ファイバ単心線12としては、例えば、光ファイバ上に紫外線硬化型樹脂などにより1層乃至複数層の保護被覆を設けたものや、このような保護被覆上にさらに着色層を設けたものが使用される。
一方、テープ層14は、23℃におけるヤング率が300MPa以上の樹脂により、その厚さ(図中、tで示す)が25μm以下となるように被覆されている。
テープ層14を形成する樹脂の23℃におけるヤング率が300MPa未満では、ケーブル製造時や光ファイバテープをケーブルから取り出す際に受ける応力により、光ファイバテープにテープ層の剥離や削れ、テープ層の割れ、単心分離(バラケ)などが発生しやすくなる。また、テープ層14の厚さtが、25μmを超えると、中間単心分離が困難になる。ただし、テープ層14を形成する樹脂のヤング率が大きくなりすぎると、テープ層14の厚さtが25μm以下であっても、中間単心分離が困難になり、また、テープ層14の厚さtが薄くなりすぎると、テープ層14を形成する樹脂の23℃におけるヤング率が300MPa以上であっても、ケーブル製造時や光ファイバテープをケーブルから取り出す際に受ける応力により、光ファイバテープにテープ層の剥離や削れ、テープ層の割れ、単心分離(バラケ)などが発生しやすくなる。このような観点から、テープ層14を形成する樹脂は、23℃におけるヤング率が300MPa〜1100MPaであることが好ましく、700MPa〜1100MPaであることがより好ましい。また、テープ層14の厚さtは、5μm〜25μmであることが好ましく、10μm〜25μmであることがより好ましい。
なお、光ファイバ単心線12の保護被覆および着色層、並びにテープ層14を構成する樹脂の種類としては、ウレタンアクリレート系樹脂やエポキシアクリレート系樹脂などの紫外線硬化型樹脂などが挙げられる。
このように構成される光ファイバテープ10においては、並列する複数の光ファイバ単心線12が、23℃におけるヤング率が300MPa以上の樹脂からなり、かつ、厚さtが25μm以下のテープ層14により被覆されているので、極めて容易にかつ安全に光ファイバ単心線を中間単心分離することができ、心線の利用効率および作業効率の向上を図ることができる。また、中間単心分離作業の際の光伝送損失の変動が少ないため、中間分離すべき光ファイバテープ内に活線がある場合でも、回線を停止させることなく分離作業を行うことができる。そのうえ、ケーブル製造時やケーブルから光ファイバテープ10を取り出す際に光ファイバテープ10に加わる負荷で、光ファイバテープ10のテープ層14に割れ、剥離、削れなどが生じたり、不要な単心分離(バラケ)が発生することもなく、優れた長期信頼性を有することができる。
以上、本発明を光ファイバ単心線が4本からなる4心光ファイバテープに適用した例について説明したが、本発明はこのような例に限定されるものではなく、図2や図3に示すように、2心光ファイバテープや8心光ファイバテープなどにも広く適用することができる。
すなわち、図2に示す光ファイバテープ20は、図1に示す実施形態において、光ファイバ単心線12を2本、同一平面上に並列配置した例であり、また、図3に示す光ファイバテープ30は、図1に示す実施形態において、光ファイバ単心線12を8本、同一平面上に並列配置した例である。いずれの光ファイバテープ20、30においても、極めて容易にかつ安全に中間単心分離することができ、また、中間分離すべき光ファイバテープ内に活線がある場合でも、光ファイバの損失増加がほとんどないため、回線を停止させることなく分離作業を行うことができ、光ファイバテープの利用効率の向上および作業効率の向上を図ることができる。そのうえ、ケーブル製造時やケーブルから光ファイバテープ20、30を取り出す際に光ファイバテープ20、30に加わる負荷で、光ファイバテープ20、30のテープ層14に割れ、剥離、削れなどが生じたり、不要な単心分離(バラケ)が発生することもなく、優れた長期信頼性を有することができる。
次に、本発明の光ファイバテープの単心分離方法を、図1に示す4心光ファイバテープ10の単心分離に適用した例について記載する。
本発明においては、まず、4心光ファイバテープ10の片面または両面、すなわち、テープ層14の光ファイバ単心線14の配列面に平行な面の一方または両方を、研磨紙や研磨布のような研磨材で1、2回程度軽く擦り、表面を粗面化する。
次いで、図4(A)に示すように、分離工具40の上ベース41および下ベース42で挟み、これらの両ベース41、42に立設したポリアミド(ナイロン)やポリプロピレンなどからなる線材43を光ファイバテープ10のテープ層14に近づける(図4(B))。さらに、分離工具40を光ファイバテープ10に押し付けると、線材43は図4(C)に示すように撓み、この撓んだ線材43の先端が光ファイバテープ10のテープ層14と強く接触する。
このように分離工具40を光ファイバテープ10に押し付けた状態で、光ファイバテープ10の長さ方向(図4(C)の左右方向)に相対的に繰り返し移動させ、すなわち、分離工具40の線材43で繰り返し擦ると、テープ層14は線材43の先端で傷付けられたり剥がされたりして、削れや亀裂が発生し、さらに、これが進展して破壊に至り、その結果、光ファイバテープ10は各光ファイバ単心線12に分離される。なお、線材43は、光ファイバテープ10の長さ方向に相対的に繰り返し移動させる代わりに、光ファイバテープ10に対し繰り返し押し当てるようにしてもよく、また、これらを適宜組み合わせるようにしてもよい。
このような方法においては、極めて容易にかつ安全に光ファイバテープを光ファイバ単心線へ中間単心分離することができる。また、光ファイバの損失増加がほとんどないため、光ファイバテープ内に活線がある場合でも、回線を停止させることなく分離作業を行うことができる。
次に本発明の光ファイバテープを用いた光ケーブルについて説明する。
図5は、本発明の光ファイバテープを用いた光ケーブルの一例を示す断面図である。
この光ケーブル50は、加入者系光配線網の配線ケーブルとしての使用に適した、いわゆるスロット型光ケーブルと称するものであり、同図に示すように、中心に鋼線、FRP(繊維強化プラスチック)などからなる抗張力体51が埋設され、外周に長さ方向に延びる複数本(図面の例では、5本)のSZ撚りの溝(SZ溝)52が周方向にほぼ等間隔で設けられたポリエチレンなどからなるスロットロッド53を備えている。このスロットロッド53の各SZ溝52には、光ファイバテープ54が複数枚、例えば5枚ずつ積層されて収納されており、また、これらの外周には、押え巻層55を介して、ポリエチレンなどからなる外被56が設けられている。そして、光ファイバテープ54には、上述したような本発明の光ファイバテープが使用されている。図5において、57は、光ファイバテープ54の取り出しを容易にするために外被56下に縦添えされた引き裂き紐である。
このような光ケーブル50においては、光ファイバテープ54として、極めて容易にかつ安全に光ファイバ単心線に中間単心分離することができるとともに、ケーブル製造時の負荷でテープ層に割れ、剥離、削れなどが生じたり、単心分離(バラケ)が発生することもない光ファイバテープが使用されているため、一般加入者宅への光ファイバの引き落とし作業を短時間にかつ容易に行うことができるとともに、優れた長期信頼性を有している。
図6は、本発明の光ファイバテープを用いた光ケーブルの他の例を示す断面図である。
この光ケーブル60は、いわゆる架空光ドロップケーブルとしての使用に適した光ケーブルであり、同図に示すように、支持線部61とケーブル部62とこれらを連結する連結部63とから構成されている。支持線部61は、鋼線などからなる支持線64と、その外周に設けられた外被65とから構成されている。また、ケーブル部62は、1枚乃至複数枚(図面の例では、1枚)の光ファイバテープ66と、この光ファイバテープ66の上下に間隔をおいて並行に配置された鋼線、G−FRP(ガラス繊維強化プラスチック)、アラミド繊維強化プラスチックなど(図面の例では、直径0.4mmのG−FRP)からなる抗張力体67と、これらの外側に設けられた外被68とから構成されている。
支持線部61の外被65、ケーブル部62の外被68および連結部63は、ポリエチレンやポリ塩化ビニルなどの熱可塑性樹脂の一括押出により形成されており、また、ケーブル部62の外被68の両側部のほぼ中央、光ファイバテープ66が位置する部分には、引き裂き用のノッチ68aが設けられている。ケーブル接続作業の際に、これらの引き裂き用ノッチ68aを起点に外被68を引き裂くことにより、光ファイバテープ66を容易に取り出すことができる。そして、光ファイバテープ66に、前述したような本発明の光ファイバテープが使用されている。
このような光ケーブル60においては、光ファイバテープ66として、極めて容易にかつ安全に光ファイバ単心線に中間単心分離することができるとともに、ケーブルから光ファイバテープを取り出す際の負荷でテープ層に割れ、剥離、削れなどが生じたり、単心分離(バラケ)が発生することもない光ファイバテープが使用されているため、ケーブル端末処理などに際して、必要に応じて容易に光ファイバ単心線へ分離することができるとともに、優れた長期信頼性を有している。
なお、本発明においては、図6に示す光ケーブル60のケーブル部62のみで光ケーブルを構成することも可能である。このような光ケーブルは、いわゆる地下光ドロップケーブルとしての使用に適した光ケーブルであり、図6に示す光ケーブル60と同様、ケーブル端末処理などに際して、必要に応じて容易に光ファイバ単心線へ分離することができるとともに、優れた長期信頼性を有している。
図7は、本発明の光ファイバテープを用いた光ケーブルのさらに他の例を示す断面図である。
この光ケーブル70は、ビルやマンションなどの構内ケーブルとしての使用に適した光ケーブルであり、同図に示すように、1枚乃至複数枚(図面の例では、2枚)の光ファイバテープ71と、この光ファイバテープ71の上下に間隔をおいて並行に配置された鋼線、G−FRP、アラミド繊維強化プラスチックなど(図面の例では、直径0.7mmのG−FRP)からなる抗張力体72と、これらの外側に設けられた外被73とから構成されている。
外被73は、ポリエチレンやポリ塩化ビニルなどの熱可塑性樹脂の一括押出により形成されており、また、光ファイバテープ71両側の外被73の上下両面には、引き裂き用のノッチ73aが設けられている。そして、光ファイバテープ71に、前述したような本発明の光ファイバテープが使用されている。
このような光ケーブル70においては、光ファイバテープ71として極めて容易にかつ安全に光ファイバ単心線に中間単心分離することができるとともに、ケーブルから光ファイバテープを取り出す際の負荷でテープ層に割れ、剥離、削れなどが生じたり、単心分離(バラケ)が発生することもない光ファイバテープが使用されているため、ケーブル端末処理などに際して、必要に応じて容易に光ファイバ単心線へ分離することができるとともに、優れた長期信頼性を有している。
次に、本発明の実施例を記載するが、本発明は以下の実施例に何ら限定されるものではない。
実施例1
外径125μmの石英ガラス系SM光ファイバ上に、ウレタンアクリレート系紫外線硬化型樹脂からなる被覆を施し、さらにその上に着色層を設けた、外径(D)250μmの光ファイバ単心線を、4本同一平面上に並列させながら、その外周にヤング率(23℃)が500MPaのウレタンアクリレート系紫外線硬化型樹脂を被覆し硬化させて、厚さ(t)5μmのテープ層を形成し、幅1.4mm、厚さ(T)260μmの4心光ファイバテープを製造した。
次いで、得られた光ファイバテープを用いて図5に示す光ケーブルを製造した。すなわち、外周に長さ方向に延びる5本のSZ溝52(深さ2mm)が設けられ、中心に直径2.0mmの単鋼線からなる抗張力体51が埋設された外径7.7mmのポリエチレン製のスロットロッド53の各SZ溝52に、上記光ファイバテープを5枚ずつ積層して収納し、その外側に押えテープを巻き付けるとともに、その上に引き裂き紐57を縦添えしつつ、押出し機に導入し、その外周にポリエチレンを押出被覆して、外径約12.5mmのスロット型光ケーブルを製造した。
また、得られた光ファイバテープを用いて図6に示す光ドロップケーブルを製造した。すなわち、光ファイバテープ66、2本の直径0.4mmのG−FRPからなる抗張力体67と、直径1.2mmの単鋼線からなる支持線64とを、図6に示すように平行に並べた状態で押出し機に導入し、その外周にポリエチレンを一括押出被覆して、全体の幅が約2mm、同高さが約6mmの光ドロップケーブルを製造した。
実施例2〜16、比較例1〜9
光ファイバ単心線の外周に被覆するテープ層の形成材料のヤング率および厚さ(t)を、表1〜表5に示すように変えた以外は、実施例1と同様にして光ファイバテープを製造し、さらに、得られた各光ファイバテープを用いて、実施例1と同様にしてスロット型光ケーブルおよび光ドロップケーブルを製造した。
上記各実施例および各比較例で得られた光ファイバテープに対し、図4で説明した方法(研磨材(#800番紙ヤスリ)で光ファイバテープの両面を各1回〜3回擦り、次いで、分離工具で挟んで光ファイバテープの長さ方向に繰り返し移動させる)、および、研磨材を使用せず分離工具のみを用いる以外は前記方法と同じ方法の2通りの方法で中間単心分離を試み、その分離性を評価した。また、スロット型光ケーブル製造時、溝に光ファイバテープを収納する際の、光ファイバテープのテープ層の剥離や削れおよび単心分離の状況、並びに、光ドロップケーブルから光ファイバテープを取り出し、その際の光ファイバテープのテープ層の剥離や削れおよび単心分離の状況をそれぞれ調べた。これらの評価結果を、表1〜表5に併せ示す。
なお、中間単心分離性は、分離に要した分離工具のテープ層上の移動回数(回)(一方向の移動を1回とカウント)、分離に要した時間(秒)、および分離時の伝送損失増加量(dB)により評価した。
Figure 2006301531
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Figure 2006301531
Figure 2006301531
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さらに、実施例12で得られた光ファイバテープについて、初期伝送損失(最大)を測定するとともに、温度70℃、湿度95%RHで3日間保持後の伝送損失の増加量(最大)および温度60℃の温水に14日間保持後の伝送損失の増加量(最大)を測定し、湿熱特性および温水特性をそれぞれ評価した。さらに、同実施例12で得られたスロット型光ケーブルについて、初期伝送損失(最大)を測定するとともに、−30℃〜+60℃の温度範囲にて3サイクル保持後の伝送損失の増加量(最大)を測定し、ヒートサイクル特性を評価した。これらの評価結果を、表6に示す。
Figure 2006301531
上記の結果から明らかなように、本発明に係る光ファイバテープは、特に研磨材と分離工具を併用する分離方法を用いた場合に、分離に要する時間が30秒以下、分離に要する分離工具のテープ層上の移動回数が20回以下、分離時の伝送損失増加量(λ=1.55μm)が1.0dB以下であり、非常に容易に中間単心分離ができるとともに、活線があっても回線を停止させることなく分離作業を行うことができる。しかも、ケーブル製造時やケーブルから光ファイバテープを取り出す際の光ファイバテープのテープ層の剥離、削れ、単心分離(バラケ)もほとんど発生ずることがなく、良好な長期信頼性を有している。
本発明の光ファイバテープの一実施形態を示す断面図である。 本発明の光ファイバテープの他の例を示す断面図である。 本発明の光ファイバテープのさらに他の例を示す断面図である。 本発明の光ファイバテープの単心分離方法説明する図である。 本発明の光ファイバテープを用いた光ケーブルの一例を示す断面図である。 本発明の光ケーブルを用いた光ケーブルの他の例を示す断面図である。 本発明の光ケーブルを用いた光ケーブルのさらに他の例を示す断面図である。
符号の説明
10,20,30,54,66,71…光ファイバテープ、12…光ファイバ単心線、14…テープ層、40…分離工具、43…線材、50,60,70…光ケーブル、52…SZ溝、53…スロットロッド

Claims (7)

  1. 並列配置された複数の光ファイバ単心線と、これらを一括被覆するテープ層とを備えた光ファイバテープであって、
    前記テープ層は、23℃におけるヤング率が300MPa以上の樹脂からなり、かつ、厚さが25μm以下であることを特徴とする光ファイバテープ。
  2. 前記テープ層は、23℃におけるヤング率が300MPa〜1100MPaの樹脂からなり、かつ、厚さが5μm〜25μmであることを特徴とする請求項1記載の光ファイバテープ。
  3. 幅方向の厚さがほぼ均一であることを特徴とする請求項1または2記載の光ファイバテープ。
  4. 請求項1乃至3のいずれか1項記載の光ファイバテープを単心分離する方法であって、前記光ファイバテープの表面を研磨材で擦って粗面化した後、該部に可撓性部材を押し当て、該部のテープ層を傷付けるかまたは除去して、前記光ファイバテープを光ファイバ単心線に分離することを特徴とする光ファイバテープの単心分離方法。
  5. 前記可撓性部材を研磨材で粗面化した光ファイバテープの表面に繰り返し押し当てるかまたは押し当てた状態で前記光ファイバテープの長さ方向に相対的に複数回移動させることにより、該部のテープ層を傷付けるかまたは除去して、前記光ファイバテープを光ファイバ単心線に分離することを特徴とする請求項4記載の光ファイバテープの単心分離方法。
  6. 前記研磨材が、研磨紙または研磨布であることを特徴とする請求項4または5記載の光ファイバテープの単心分離方法。
  7. 請求項1乃至3のいずれか1項記載の光ファイバテープを備えたことを特徴とする光ケーブル。
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