JP3902201B2 - 光ファイバ素線及び光ファイバテープ心線 - Google Patents

光ファイバ素線及び光ファイバテープ心線 Download PDF

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本発明は、接続の容易な光ファイバ素線、光ファイバテープ心線及びこれを用いた光ファイバケーブルに関するものである。
光ファイバ素線は、一般的には、図3に示すように、コア部31及びクラッド層32からなる裸光ファイバの外周に軟質被覆層(プライマリ層)33と、その外周に硬質被覆層(セカンダリ層)34と、さらにその外周に着色層35とを有する。
光ファイバは長距離、高速大容量の通信媒体として汎用されており、技術的にも完成されている部分が多い。近年はFTTH(Fiber To The Home)と称して各家庭にまで光ファイバを配線することが行われ、長距離通信で開発された敷設、接続工法が改良され適用されている。各家庭等には一心の光ファイバが単心コードとして引き込まれ配線されており、これらは単心コネクタで接続される場合が多く、工法や部材の開発が進められている。また単心の光ファイバについても種々な提案がなされており、たとえば、特許文献1や特許文献2等にはガラス心線上に有機被覆層を配設したものが記載されている。しかし、これらはいずれも単心線を対象とし、かしめ型コネクタや弾性保持型コネクタのような圧着型簡易コネクタとのマッチングを目的としたものであり、被覆除去という観点からは必ずしも満足できるものではなかった。
さらに、複数本の単心線が用いられたテープ心線により配線し、これを屋内や各家庭内に引き込む際に単心に分離してガラス光ファイバを接続する工法については、長距離線路用の分離接続技術の範囲内で各工具の開発がなされているに過ぎなかった。
すなわち従来の光ファイバの配線は、汎用化されているシングルモードファイバを複数本おおむね平行に配設し、UV樹脂等の有機材料で固定したテープ心線をスロットと称する溝に収納した光ケーブルにより敷設されたりする。この敷設されたケーブルは工事現場あるいは局内にて心線が接続されて長距離線路が形成されたり、分岐されて各家庭に配線される。
このときの接続方法としては例えば4心テープ心線の場合、接続する両方のケーブル中の各4本の心線を一括で被覆除去して心線同士を一括で接続する方法や、4心テープ心線を一本一本の単心に分離してから被覆を除去し、延長するケーブル中の各心線と一本ずつ接続する方法がある。
一括被覆除去・接続法については図4、図5に示すようなテープ心線の専用の皮むき冶具も開発され工法が汎用化されている(例えば特許文献3、4参照)。図4は一括被覆除去方法を説明する側面図であり、図5は図4における5−5’面の断面図である。図4及び図5において、上下一対になった2組の被覆除去用刃(41及び43、並びに42及び44)が用いられており、テープ心線45を2組の被覆除去用刃にて挟み押さえつけた状態で、硬質被覆層及びテープ被覆層のガラス転移温度(Tg)以上に刃42及び44を加熱してセカンダリ層及びテープ被覆層を軟化させ被覆の強度を下げ、このまま刃42及び44を引き離すことで、プライマリ層、セカンダリ層、及び着色層を一体で引き抜き、ガラス心線を露出させる。
このとき、4本の心線がきちんと一直線に整列されている場合はスムーズに被覆除去することができるが、いずれかの心線が上下にずれている場合には被覆除去用刃がいずれかの心線のクラッドと接触してしまいガラス部分に傷をつけてしまうことがあり、この傷が起点となって、次工程での接続作業や、接続用コネクタ、あるいはフェルールへの挿入時に光ファイバが折れやすくなるという工事上の重大な問題があった。この点につき改善が強く求められており、加熱温度や押し付け圧力の精緻な管理を強いられている。
一方各家庭に配線するときにはテープ心線から単心を分離取り出し、接続する。この単心に分離する方法についても図6に示すような専用工具が開発されている(例えば特許文献5及び6参照)。図6は単心分離方法の一例を示す断面図である。3組の上下対の針状の分離刃(61及び64、62及び65、並びに63及び66)をテープ心線6の各心線間に挿入した状態で、心線の長手方向に工具を移動させることで、テープ心線被覆層を切り裂き、任意の長さで単心に分割する。
このとき、着色層とセカンダリ層が分離刃により損傷を受ける場合があり、さらにはセカンダリ層を貫通してプライマリ層にまで分離刃が到達する場合がある。この状態で分離刃を心線の長手方向に移動させると、セカンダリ層を切り裂く力により分離刃が変形され左右にぶれることがあり、その場合にはプライマリ層は非常に脆弱なために簡単に切り裂かれて、分離刃がクラッド層に接触し、ガラス表面を傷つけてしまうことがある。
いずれの方法にしてもガラス部を損傷させないで、不要な被覆樹脂層をきれいに取り除く必要があり、テープ層を貫通したりそぎ落としたりするため非常に鋭利で、しかも刃の部分を心線のガラス近傍にまで近づける必要があり非常に難しい位置あわせや、押し付け圧力の厳しい管理が要求されている。
しかしながら、従来は被覆除去や単心分離の専用工具、とりわけ位置の精度の向上や刃先の形状検討や温度条件等の最適化の検討が行われこの課題を解決しようとさまざまな試みがなされているものの十分な解決がなされていなかった。
更にテープ心線から単心に分離された光ファイバは、クロージャーと称される分岐箱等に収納されるが、この場合には、分岐箱が非常に小さいものであるため、光ファイバは非常に小さな曲げ半径で設置される可能性があり、その半径は小さい場合には5mm程度となる。このときには前述の単心分離時や端末の被覆除去部にほんの少しでも外傷があるとこれが起点となり光ファイバの破断が生じ、工事が中断するなど問題となっていた。
特開平9−251121号公報 特開2000−81552号公報 特開2002−341147号公報 特開2004−61787号公報 特開平8−75929号公報 特開2003−57453号公報
本発明は、被覆除去が容易な光ファイバ素線及びこれを用いた光ファイバテープ心線を提供することを目的とする。
本発明者らは鋭意検討を重ねた結果、クラッド層とプライマリ層との間に、ガラス転移温度がセカンダリ層よりも高いクラッド層に対して非剥離性の予備被覆層を設けることにより、光ファイバの接続に必要な被覆除去時における被覆除去刃による破損や光ファイバテープ心線を単心線に分離する際の分離刃による破損を防止できることを見出した。本発明はこのような知見に基づきなされるに至ったものである。
すなわち、本発明は、
(1)クラッド層の外周に、該クラッド層に対して非剥離性の予備被覆層を設け、該予備被覆層の外周に軟質被覆層を、さらにその外側に硬質被覆層を設けた光ファイバ素線であって、該予備被覆層は、厚さが2μm以上でかつ予備被覆層を含む光ファイバの外径が125μmであり、該予備被覆層のガラス転移温度が前記硬質被覆層のガラス転移温度よりも高いことを特徴とする光ファイバ素線、
(2)前記予備被覆層のヤング率が前記硬質被覆層のヤング率より大きいことを特徴とする(1)項に記載の光ファイバ素線、
(3)前記予備被覆層の破断伸びが2%以上であることを特徴とする(1)又は(2)項に記載の光ファイバ素線、
(4)前記予備被覆層の屈折率が前記クラッド層の屈折率より高く、前記軟質被覆層の屈折率より低いことを特徴とする(1)〜(3)のいずれか1項に記載の光ファイバ素線、
(5)(1)〜(4)のいずれか1項に記載の光ファイバ素線を複数本束ね、それらの外側をテープ被覆層で覆ってテープ状態にした光ファイバテープ心線であって、前記予備被覆層のガラス転移温度が前記硬質被覆層及び前記テープ被覆層のガラス転移温度より高いことを特徴とする光ファイバテープ心線、
(6)前記予備被覆層のヤング率が前記硬質被覆層及び前記テープ被覆層のヤング率より高いことを特徴とする(5)項に記載の光ファイバテープ心線、
(7)(5)又は(6)項に記載の光ファイバテープ心線を用いたことを特徴とする光ファイバケーブル、及び
(8)(1)〜(4)のいずれか1項に記載の光ファイバ素線を用いたことを特徴とする光ファイバコード
を提供するものである。
本発明の光ファイバ素線は、被覆除去時においてもガラス心線が傷つかず、このような光ファイバ素線を用いた本発明の光ファイバテープ心線は、接続作業が容易で、破断しにくいという優れた効果を奏する。
以下、本発明の好ましい一実施態様について、添付の図面に基づいて詳細に説明をする。なお、本明細書において各図の説明中の同一の要素には同一の符号を付す。図1は、本発明の光ファイバ素線の好ましい一実施態様の断面図であり、本発明の光ファイバ素線1は、コア部11及びクラッド層12からなる裸光ファイバの外周に非剥離性の予備被覆層13と、軟質被覆層(プライマリ層)14と、その外周に硬質被覆層(セカンダリ層)15と、さらにその外周に着色層16とを有する。
また、図2は、本発明の光ファイバテープ心線の好ましい一実施態様の断面図であり、本発明の光ファイバテープ心線2は、図1に示した光ファイバ素線が複数本束ねられ(図2では4本平行に並べられている)、該光ファイバ素線21の束の外側をテープ被覆層22で覆われてテープ化されている。テープ心線1本あたりの光ファイバ素線の数は4本に限定されず、また、用途により複数本のテープ心線を何本も束ねてもよく、信号量や個別配線数により任意に決めることができる。
本発明におけるシングルモードファイバのガラス部分は、材質など従来品と同じ特性のものを用いることができるが、その外径は、クラッド層の外周に予備被覆層を有する状態のとき、接続を予定する光ファイバと同径である。具体的には、予備被覆層を含む光ファイバの外径が約125μmとなるようなサイズであることが要求される。これは、ほとんどの接続部品が径125μm同士のガラスの接続を想定して作られていることから、従来使用されているシングルモード型ファイバとの接続を可能とするためである。
本発明においては、クラッド層に対して非剥離性の予備被覆層が、クラッド層の外周に接着、配設される。この予備被覆層はクラッド層に接着していることが必要であり、その接着の程度は強ければ強いほど好ましい。接着しているかどうかは、該ファイバのプライマリ層、セカンダリ層を除去し、片刃で予備被覆層を長手方向に削ったときの様子から判断し、粉状に予備被覆層が削れるものは接着しており、予備被覆層が小さな塊となってはがれる場合には接着が不十分であると判断することができる。予備被覆層の厚さは、ファイバの偏心量や、被覆除去工具又は単心分割工具の被覆除去刃の間隔や位置決め精度、押し圧等に影響されるが、2μm以上、好ましくは2〜10μmである。厚みが2μmより薄いと、予備被覆層の強度が弱くプライマリ層、セカンダリ層、着色層、テープ層の除去時に予備被覆層が破壊されファイバが破断しやすくなる。また、ガラスの保護という面では厚いほうが好ましいが、その後に光ファイバを接続するときの偏心を少なくするという点からは、10μm以上あるとファイバのコア偏心量が大きくなり接続損失が増加しやすくなってしまう。
また、被覆除去作業を容易にするためには、予備被覆層のガラス転移温度(Tg)はセカンダリ層のTgより高いことが好ましい。
光ファイバテープ心線とする場合には、予備被覆層のTgがセカンダリ層及びテープ被覆層のTgよりも高いことが好ましい。
すなわち、被覆除去又は単心分離の際に、セカンダリ層やセカンダリ層及びテープ被覆層を軟化させ被覆の強度を下げる目的で、刃の設定温度をセカンダリ層やセカンダリ層及びテープ被覆層のTg以上に加熱するが、予備被覆層のTgをセカンダリ層やセカンダリ層及びテープ被覆層のTgより高く、即ち、刃の設定温度より高く設定することにより、セカンダリ層やセカンダリ層及びテープ被覆層が軟化しても予備被覆層はガラス相状態のままで強度が低下しないのでクラッドを保護することができる。したがって、単心分離や接続時に折損することなくテープ層、着色層、セカンダリ層およびプライマリ層の除去を容易に行うことができ、作業性が非常に優れる。
また、単心分離の際にピン状の分離刃や被覆除去刃が位置をずれたり、強く押し付けられすぎたりする場合にガラス部分を保護するためには、予備被覆層が強靭であることが好ましい。この強靭さは本明細書ではヤング率で規定され、予備被覆層のヤング率がセカンダリ層やセカンダリ層及びテープ被覆層のヤング率より高いことが好ましい。具体的にはセカンダリ層あるいは、セカンダリ層とテープ被覆層のうちより強靭である層のヤング率より1.5倍以上高いことがより好ましい。より具体的には、予備被覆層のヤング率は、500〜3000MPaであることが好ましく、900〜2500MPaであることがより好ましい。このように予備被覆層のヤング率をセカンダリ層やセカンダリ層及びテープ被覆層のヤング率より高く設定することで、分離刃や被覆除去刃がプライマリ層を破損して予備被覆層に到達した場合でも、分離刃や被覆除去刃がクラッド層に到達するのを防ぐことができる。
テープ心線から単心に分割された個々の光ファイバ心線は、小径に曲げられて接続されたり、クロージャーと称される分岐箱等に収納されたり、テープ状態で中継用のボックスに引き込まれ、その中で小径に曲げられたりする。また、接続後に余長分をボックス内に差し込まれたりした場合にはボックス内の角等で無理やり極小径に曲げられる場合があり、この場合には曲げ半径が10mm以下、場合によっては5mmに達する場合もある。このため、本発明に用いられる光ファイバ素線は、小さく曲げられても予備被覆層に破断が生じないように、予備被覆層の破断伸びが好ましくは2%以上、より好ましくは4%以上である。この伸びは大きい程好ましいが、上述したヤング率を高めると予備被覆層の伸び率は低下するため、適宜設定される。
また、安定な信号伝送を行うために、コアからもれた光がクラッドモードとして伝播することを避ける必要がある。ガラスのコアとクラッドの屈折率の関係により殆どの光はコアに閉じ込められて伝播するが、前述のように非常に小径に曲げられたりする場合にはクラッドへのもれ光は生じやすくなるが、この漏れた光をクラッドから被覆層内に放出し且つクラッドに戻らないようにすることが好ましい。このため、予備被覆層の屈折率はクラッドの屈折率より高いことが好ましい。通常はクラッドの屈折率が1.45程度であるからそれより高ければよい。また、予備被覆層の放出された光がさらに外側の層に放出されるようにすることが好ましい。したがって、屈折率は、コア>クラッド>予備被覆層>プライマリ層>セカンダリ層の順であることが好ましい。
本発明に用いられる予備被覆層の材質は、上述の性能を有するものであれば特に制限されないが、製造面を考えると高速硬化の可能な紫外線硬化樹脂が好ましい。
また、本発明に用いられるプライマリ層、セカンダリ層及び着色層の材質も特に限定されないが、硬化速度の観点からウレタン−アクリレート系やエポキシ−アクリレート系のオリゴマーを主成分とした紫外線硬化樹脂が好適である。着色層には顔料、隠蔽材(例えばチタンホワイト)が添加される。本発明の光ファイバ素線において、各層の厚さは一般的には、プライマリ層は25〜40μm、セカンダリ層は20〜35μm、着色層は3〜10μmであるが、これに限定されるものではない。
着色層については各光ファイバの識別のために施すものであって、必ずしもセカンダリ層の外側に着色層を設ける必要は無く、例えば、予備被覆層、プライマリ層、セカンダリ層に識別用の顔料を配合し着色化することも可能である。着色層を無くした場合には心線同士はより近接することとなり、分離時にガラス心線を傷つけやすくなるため、本発明の予備被覆層の配設がより効果的となる。
予備被覆層は、ガラス心線の線引きと同時に行うことにより配設される。線引き直後のガラス心線は非常にもろく事実上巻き取り等の操作が不可能であるためである。同一工程内で、プライマリ層とセカンダリ層を被覆することも可能であり、予備被覆層を被覆した心線を巻き取って別工程でプライマリ層とセカンダリ層を被覆することも可能である。
特に予備被覆層からセカンダリ層までを同一工程内で被覆する際には、各工程の製造速度を合わせるために、同一系統の材質で配合することが好ましく、特に硬化速度の速いUV硬化性樹脂で行うことが好ましい。
本発明の光ファイバテープ心線は、図4〜7に示したような従来方法と同様にして一括被覆除去又は単身分離することができる。なお、その際の被覆除去用刃又は分離刃の設定温度は、セカンダリ層及びテープ被覆層のガラス転移温度より高く、予備有覆層のガラス転移温度より低いことが好ましい。
本発明の光ファイバ素線は、光ファイバケーブルや光ファイバコードに用いることができる。本発明の光ファイバテープ心線は光ファイバケーブルに用いることができる。
以下、本発明を実施例に基づきさらに詳細に説明する。
実施例1〜17及び比較例1〜18
(テープ心線の作製)
SM型プリフォームを紡糸し、116μmのクラッド径のガラスファイバとし、予備被覆層用樹脂を被覆してUV光を照射して硬化させクラッド上に所定の径の予備被覆層を形成し、同時にインラインで順次、プライマリ層、セカンダリ層を形成して径245μmとし、ボビンに巻き取り、予備被覆層付き光ファイバ素線を得た(実施例1〜10及び比較例1〜4)。また、クラッド径125μmで予備被覆層のないものを比較例5〜7として作製した。
作製した光ファイバ素線の一部については、別工程にて着色層を形成して着色素線とし、更にこれを4本並べてテープ被覆層を形成させ、4心テープ心線を得た(実施例11〜17及び比較例8〜18)。
各層に使用した樹脂について表1及び表2に示す。また、これらの各試料における使用材料の組み合わせを下記表3に示す。
Figure 0003902201
Figure 0003902201
得られたテープ心線を図4及び図5に示す被覆除去工具を用いて65mmの長さに被覆除去を行った。なお、テープ心線については4心を一括で被覆除去した。被覆除去した各心線のガラス上に目視でわかる被覆片が残っているかどうかを目視で測定した。さらに、露出心線を半径約10mmの半円状に曲げて折損するかどうか測定した。露出ガラス面に傷があれば半径約10mmに曲げるとその部分より折損するが、露出ガラス面に傷がなければこの程度の曲げにはガラス自体は耐えることができる。
被覆除去した各心線における予備被覆層に変形がなく、予備被覆層上に目視でわかる被覆片が残っていなく、かつ被覆除去部を半径約10mmに曲げても折損しないものを合格とし、被覆除去した各心線における予備被覆層に変形はあるもの、予備被覆層上に目視でわかる被覆片が残っているもの、又は被覆除去部を半径約10mmに曲げて折損したものを不合格とした。被覆除去作業は、各試料につき10回行い6回以上合格したものを△、8回以上合格したものを○として評価した。これらの結果を表3に示す。
なお、表3中「充足性」の欄は特許請求の範囲に規定した事項を充足しているか否かを示すものである。即ち、光ファイバ素線において、予備被覆層のガラス転移温度(以下Tgと略)がセカンダリ層のTgよりも高いものは「Tg」欄を○とし、予備被覆層のヤング率がセカンダリ層のヤング率よりも高いものは「ヤング率」欄を○とし、テープ心線において予備被覆層のTgがセカンダリ層及びテープ被覆層のTgよりも高いものは「Tg」欄を○とし、予備被覆層のヤング率がセカンダリ層及びテープ被覆層のヤング率よりも高いものは「ヤング率」欄を○とした。
Figure 0003902201
表3の結果から明らかなように、光ファイバ素線(実施例1〜10及び比較例1〜7)において、予備被覆層のTgがセカンダリ層のTg以下のもの(充足性のTg欄が×のもの;比較例1〜7)は被除去性の評価も×であった。充足性のヤング率欄が○であってもTg欄が×のもの(比較例1、3、4)は被除去性の評価も×であり、Tgの方がヤング率よりも被覆除去性に対する影響が大きい。
これに対し、予備被覆層のTgがセカンダリ層のTgより高いもの(充足性のTg欄が○のもの;実施例1〜10)は被覆除去性△以上の評価が得られ、さらに予備被覆層のヤング率がセカンダリ層のヤング率よりも高いもの(充足性のヤング率欄が○のもの;実施例2〜10)は被覆除去性○の評価が得られた。
また、テープ心線(実施例11〜17及び比較例8〜18)においても、予備被覆層のTgがセカンダリ層のTg以下のもの(充足性のTg欄が×のもの;比較例8〜18)は被除去性の評価も×であった。また、充足性のヤング率欄が○であってもTg欄が×のもの(比較例8、9〜11、14〜17)は被覆除去性の評価も×であり、Tgの方がヤング率よりも被覆除去性に対する影響が大きい。
これに対し、予備被覆層のTgがセカンダリ層及びテープ被覆層のTgより高いもの(充足性のTg欄が○のもの;実施例11〜17)は被覆除去性△以上の評価が得られ、さらに予備被覆層のヤング率がセカンダリ層及びテープ被覆層のヤング率よりも高いもの(充足性のヤング率欄が○のもの;実施例12〜17)は被覆除去性○の評価が得られた。
また、予備被覆層を設けていない比較例5、6、7、18は、被覆除去時にクラッドが傷つき、折り曲げ評価時に折損してしまった。
また、予備被覆層のTgがセカンダリ層又はテープ被覆層のいずれかのTg以下のものについて、工具温度をセカンダリ層又はテープ被覆層のいずれかTg以下とした場合は、セカンダリ層又はテープ被覆層のいずれかを切断できず被覆を除去することができなかった。また工具温度を予備被覆層のTgより高くした場合は、予備被覆層の一部または全部が損傷を受け、クラッド面に傷がついてその後の曲げ試験にて折損したりしてしまった。
本発明の光ファイバ素線の好ましい一実施態様の断面図である。 本発明の光ファイバテープ心線の好ましい一実施態様の断面図である。 従来の光ファイバ素線の断面図である。 一括被覆除去方法を説明する側面図である。 図4における5−5’面の断面図である。 単心分離方法の一例を示す断面図である。
符号の説明
1 光ファイバ素線
11 コア部
12 クラッド層
13 予備被覆層
14 軟質被覆層(プライマリ層)
15 硬質被覆層(セカンダリ層)
16 着色層
2 テープ心線
21 光ファイバ素線
22 テープ被覆層

Claims (8)

  1. クラッド層の外周に、該クラッド層に対して非剥離性の予備被覆層を設け、該予備被覆層の外周に軟質被覆層を、さらにその外側に硬質被覆層を設けた光ファイバ素線であって、該予備被覆層は、厚さが2μm以上でかつ予備被覆層を含む光ファイバの外径が125μmであり、該予備被覆層のガラス転移温度が前記硬質被覆層のガラス転移温度よりも高いことを特徴とする光ファイバ素線。
  2. 前記予備被覆層のヤング率が前記硬質被覆層のヤング率より大きいことを特徴とする請求項1記載の光ファイバ素線。
  3. 前記予備被覆層の破断伸びが2%以上であることを特徴とする請求項1又は2に記載の光ファイバ素線。
  4. 前記予備被覆層の屈折率が前記クラッド層の屈折率より高く、前記軟質被覆層の屈折率より低いことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の光ファイバ素線。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の光ファイバ素線を複数本束ね、それらの外側をテープ被覆層で覆ってテープ状態にした光ファイバテープ心線であって、前記予備被覆層のガラス転移温度が前記硬質被覆層及び前記テープ被覆層のガラス転移温度より高いことを特徴とする光ファイバテープ心線。
  6. 前記予備被覆層のヤング率が前記硬質被覆層及び前記テープ被覆層のヤング率より高いことを特徴とする請求項5記載の光ファイバテープ心線。
  7. 請求項5又は6に記載の光ファイバテープ心線を用いたことを特徴とする光ファイバケーブル。
  8. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の光ファイバ素線を用いたことを特徴とする光ファイバコード。
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