JP3951133B2 - 光ファイバケーブル - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光ファイバテープ心線が、外被により覆われている光ファイバケーブルに関する。
【0002】
【従来の技術】
FTTH(Fiber To The Home)等の用途に用いられる光ファイバケーブルとして、架空の配線ケーブルから1本または複数本の光ファイバ毎に分配されて引き落とされるドロップケーブルが挙げられる(例えば、非特許文献1参照)。ドロップケーブルとして用いられている光ファイバケーブルの一例を図17に示す。
図17に示すように、従来の光ファイバケーブル100は、エレメント部107とメッセンジワイヤ部108とが首部105により接続された構成である。
【0003】
エレメント部107は、光ファイバ心線101と、2本の抗張力体102とが、熱可塑性樹脂の外被103により被覆されている。光ファイバ101は、ガラスファイバの外周に紫外線硬化型樹脂が被覆されたものであり、その外径が例えば250μmである。抗張力体102は、鋼や繊維強化プラスチック(FRP)等の線条体が用いられ、断面の外形が円形に形成されている。この光ファイバ101と抗張力体102が一括に被覆されていることにより、光ファイバケーブル100に付加される張力等の外力を抗張力体102が受けて、光ファイバ101を外力から保護している。
【0004】
また、エレメント部107の外周には、光ファイバ101に向かって形成されたノッチ104が2つ設けられている。このノッチ104は、光ファイバ101の取り出しを容易にするものであり、取り出しの際には、2つのノッチ104の間の外被103に切り込みを入れるようにして引き裂けば良い。
【0005】
メッセンジワイヤ部108は、光ファイバケーブル100を架空で支持するための強度を有するように構成されており、主に鋼の支持線106が外被103により被覆されている。
また、首部105は、エレメント部107及びメッセンジワイヤ部108の外被103と同じ樹脂により、エレメント部107及びメッセンジワイヤ部108と一体的に形成されている。
【0006】
なお、ここでは1本の光ファイバ101を有する光ファイバケーブル100を例示したが、従来のドロップケーブルは、光ファイバが2本並列されたものや、図18に示すように、複数本の光ファイバをテープ化した光ファイバテープ心線101aを有するものもある。
従来用いられている光ファイバテープ心線101aは、外径が250μmの光ファイバを4本平行に接触させて配置し、その全体を紫外線硬化樹脂にて被覆してテープ状に形成したものである。その外形は、例えば厚さが0.3mmから0.4mm程度であり、幅が1.1mm程度である。
【0007】
【非特許文献1】
光ケーブルネットワーク配線システム総合カタログ,住友電気工業株式会社,2002年8月,p13
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上述したようなドロップ型の光ファイバケーブルを敷設する際には、架空に敷設された光ファイバケーブルに接続される。通常、架空に敷設された光ファイバケーブルは、多数の光ファイバテープ心線を収容したテープスロット型等の光ファイバケーブルであり、単心や2心の光ファイバケーブルと接続する際には、光ファイバテープ心線を単心に分離する必要がある。
【0009】
また、既に配線された光ファイバケーブルは、光信号が伝送されている光ファイバが含まれているため、その伝送品質の低下を抑えつつ、活線状態での分岐、いわゆる活線分岐作業を行うことが求められている。そのため、所望の光ファイバを分岐するにあたり、光ファイバテープ心線を切断せずに、取り出した光ファイバテープ心線の中間部分から所望の光ファイバを分岐する、いわゆる中間後分岐と呼ばれる分岐の方法を行う要求が高まってきている。
【0010】
しかしながら、従来の光ファイバケーブルに収容された光ファイバテープ心線は、複数の光ファイバを覆った樹脂を除去することが困難であり、その中から1本の光ファイバを選び出して中間後分岐させることは難しい状況にあった。
例えば、紙やすりやカンナ状の工具で樹脂を削り取ろうとすると、光ファイバを傷付けたり切断したりしてしまうおそれがある。また、樹脂を除去しようとしたときに、光ファイバを小さい曲率半径で曲げてしまい、伝送損失が大きく増加してしまうことがある。
【0011】
このような実情により、従来は中間後分岐ができず、所望の光ファイバを分岐するには、光ファイバテープ心線として一体化された複数の光ファイバの全てを切断し、その切断箇所から単心の光ファイバに分離させていた。そのため、伝送路として使用中の(すなわち活線の)状態にある光ファイバを含む光ファイバテープ心線の活線分岐作業を行うことができなかった。
また、光ファイバテープ心線を切断してしまうと、その箇所で接続させた光ファイバ以外の、残りの光ファイバを伝送路として用いることができなくなってしまうため、光通信網を構築する際のコストが高くなってしまう。
【0012】
本発明は、収容した光ファイバテープ心線から、単心線型の光ファイバケーブルへの接続を容易に行うことができる、光ファイバケーブルを提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成することができる本発明に係る光ファイバケーブルは、複数本並列された光ファイバの全長及び並列した状態の全周が樹脂により覆われて一体化された光ファイバテープ心線が、外被により覆われている光ファイバケーブルであって、樹脂と外被との密着力が光ファイバと樹脂との密着力より大きい部分と、小さい部分とが、光ファイバテープ心線の長手方向に交互に設けられていることを特徴としている。
【0014】
このような構成の光ファイバケーブルによれば、外被を除去したときに、光ファイバテープ心線の部分と、光ファイバテープ心線の樹脂が除去されて間欠的に単心となる部分とが交互に形成される。そのため、テープスロット型等の光ファイバケーブルに収容された光ファイバテープ心線を一端側に接続しておき、任意の箇所で外被を除去することで、単心化した部分の光ファイバに、単心あるいは2心のドロップケーブルを容易に接続することができる。
このように、本発明の光ファイバケーブルは、光ファイバテープ心線が間欠分離されることで、中間後分岐作業を容易に行うことができる。そのため、光ファイバテープ心線に含まれる、中間後分岐させた以外の光ファイバを、さらに他の箇所で接続することが可能となり、光ファイバケーブルに含まれた光ファイバを有効に活用することができる。
【0015】
また、本発明に係る光ファイバケーブルにおいて、密着力の小さい部分には、樹脂と外被との間に介在物が配置されていることが好ましい。
【0016】
また、本発明に係る光ファイバケーブルにおいて、密着力の大きい部分には、樹脂と外被との間に接着層が配置されていることが好ましい。
【0017】
また、本発明に係る光ファイバケーブルにおいて、密着力の小さい部分は、1箇所あたり光ファイバテープ心線の長手方向に10mm以上の長さで設けられており、密着力の大きい部分は、1箇所あたり光ファイバテープ心線の長手方向に1mm以上の長さで、かつ、光ファイバテープ心線の長手方向の300mmの長さの範囲内に1箇所以上設けられていることが好ましい。
【0018】
また、本発明に係る光ファイバケーブルにおいて、外被には、密着力の大きい部分と小さい部分とを目視により識別可能とする印があることが好ましい。
【0019】
また、本発明に係る光ファイバケーブルにおいて、光ファイバテープ心線は、光ファイバテープ心線の厚さの最大値をT(μm)、光ファイバの外径をd(μm)としたときに、T≦d+40(μm)であることが好ましい。
【0020】
また、本発明に係る光ファイバケーブルにおいて、光ファイバテープ心線は、隣接した光ファイバ同士が互いに接触して配置されていることが好ましい。もしくは、光ファイバテープ心線は、隣接した光ファイバ同士が、互いに接触しておらず、かつ、10μm以下の間隔を有して配置されていることが好ましい。
【0021】
また、本発明に係る光ファイバケーブルにおいて、光ファイバテープ心線は、T≧d+1(μm)であることが好ましい。
【0022】
また、本発明に係る光ファイバケーブルにおいて、光ファイバテープ心線の樹脂には、隣接する光ファイバの間の窪みに応じた凹部が形成されていることが好ましい。
【0023】
また、本発明に係る光ファイバケーブルにおいて、光ファイバテープ心線は、光ファイバ1本あたりの光ファイバと樹脂との密着力が0.245(mN)から2.45(mN)の範囲内であることが好ましい。
【0024】
また、本発明に係る光ファイバケーブルにおいて、光ファイバテープ心線は、樹脂の降伏点応力が20(MPa)から45(MPa)の範囲内であることが好ましい。
【0025】
また、本発明に係る光ファイバケーブルにおいて、光ファイバは、波長1.55μmにおけるピーターマン−I(Petermann−I)の定義によるモードフィールド径が10μm以下であることが好ましい。もしくは、このモードフィールド径が8μm以下であることが好ましい。
【0026】
また、本発明に係る光ファイバケーブルにおいて、光ファイバテープ心線は、光ファイバを分岐するときの、波長1.55μmにおける損失増加が1.0(dB)以下であることが好ましい。もしくは、光ファイバを分岐するときの、波長1.55μmにおける損失増加が0.5(dB)であることが好ましい。
【0027】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る光ファイバケーブルの実施の形態の例を、図1から図16に基づいて説明する。
まず、本実施形態の光ファイバケーブルの断面図を、図1に示す。図1に示すように、光ファイバケーブル1は、エレメント部9とメッセンジワイヤ部8とが首部6により接続された構成である。
【0028】
エレメント部9は、ほぼ中央に配置された光ファイバテープ心線10と、2本の抗張力体2とが、熱可塑性樹脂の外被3により被覆されて一体化されている。光ファイバテープ心線10と、2本の抗張力体2は、外被3と密着するように被覆されている。熱可塑性樹脂は、難燃ポリエチレンやPVCを好適に使用することができる。
2本の抗張力体2は、光ファイバテープ心線10と同一平面上に並列しており、2本の抗張力体2の間に光ファイバテープ心線10が配置されている。図1及び図2に示すように、光ファイバテープ心線10は、複数本(ここでは一例として4本用いている)の光ファイバ11を並列し、これら並列している光ファイバ11の外周の全体にわたり、かつ、光ファイバ11の全長にわたってテープ樹脂12により一体的に覆ったものである。
【0029】
抗張力体2は、ガラスFRPまたは鋼線が用いられており、断面の外形が円形に形成されている。
また、ガラスFRPの抗張力体2の外周には、接着層(図示せず)が設けられていると良い。その場合、抗張力体2と外被3との間が強く接着される。接着層の材質は、ポリエチレンが好適に用いられる。
このように、光ファイバテープ心線10と抗張力体2とが一括に被覆されていることにより、エレメント部9に付加される張力等の外力を抗張力体2が受けて、光ファイバテープ心線10を外力から保護することができる。
【0030】
また、エレメント部9の外周には、光ファイバテープ心線10に向かうように形成されたノッチ4が2つ設けられている。このノッチ4は、光ファイバテープ心線10の取り出しを容易にするものであり、取り出しの際には、2つのノッチ4の間の外被3に切り込みを入れるようにして引き裂けば良い。
【0031】
メッセンジワイヤ部8は、光ファイバケーブル1を架空で支持するための強度を有するように構成されており、鋼の支持線7が熱可塑性樹脂の外被3により被覆されている。また、支持線7の外周には接着層5が設けられており、支持線7と外被3との間が強く接着されている。
【0032】
また、首部6は、エレメント部9及びメッセンジワイヤ部8の外被3と同じ樹脂により、エレメント部9及びメッセンジワイヤ部8とが一体的に形成されている。この首部6は、エレメント部9とメッセンジワイヤ部8とを分割する際には、手指等で簡単に引き裂くことができる。
【0033】
次に、光ファイバケーブル1の長手方向の断面図を、図3に示す。
図3に示すように、光ファイバケーブル1は、光ファイバテープ心線10と外被3との間に、断続的に複数の介在物40が設けられている。図1に示した断面図は、この図3中の矢視Aの断面、すなわち介在物40が設けられていない箇所を示したものである。このように介在物40が設けられていない箇所では、光ファイバテープ心線10のテープ樹脂12を構成する樹脂と、外被3とが直接密着しており、光ファイバテープ心線10のテープ樹脂12と、光ファイバケーブル1の外被3との密着力が、光ファイバ11とテープ樹脂12との密着力より大きくなるように図られている。
【0034】
また、図3中の矢視Bの断面、すなわち介在物40が設けられている箇所の断面図を、図4に示す。
図4に示すように、介在物40は、光ファイバテープ心線10の周囲を覆うように設けられている。このように介在物40が設けられている箇所では、光ファイバテープ心線10のテープ樹脂12と、外被3とが密着せず、光ファイバテープ心線10のテープ樹脂12と、光ファイバケーブル1の外被3との密着力が、光ファイバ11とテープ樹脂12との密着力より小さくなっている。
ここで、介在物40は、例えばオイルやタルク等の、光ファイバテープ心線10と外被3との摩擦抵抗を低減させるものであっても良いし、ポリエチレンやポリプロピレン等のプラスチックで形成された薄いテープ状のもの、または繊維状のヤーンであっても良い。また、介在物40として、長手方向に間欠的に窓が形成されたテープ状部材を用いることもできる。また、介在物40は、必ずしも図4のように光ファイバテープ心線10の全周を覆う必要はなく、例えば図4中の上下方向にのみ配置しても良い。
【0035】
また、図3に示すように、介在物40は、光ファイバテープ心線10の長手方向に沿った長さがそれぞれL1であり、光ファイバテープ心線10の長手方向に沿って、所定の間隔L2を設けて配置されている。好ましくは、介在物40の長さL1は10mm以上であり、介在物40の間隔L2は1mm以上である。また、介在物40が設けられていない部分(長さL2の部分)は、光ファイバテープ心線10の長手方向の長さ300mmの範囲内に、1ヶ所以上設けられていることが好ましい。
【0036】
このように構成された光ファイバケーブル1は、外被3をノッチ4から引き裂いて除去することにより、中間後分岐することができる。すなわち、図5に示すように、介在物40が設けられていない箇所(長さL2の部分)では光ファイバ11とテープ樹脂12の密着力が、外被3とテープ樹脂12との密着力より小さいため、外被3とともにテープ樹脂12が除去されて、光ファイバテープ心線10が単心に分離される。これに対して、介在物40が設けられていた箇所では光ファイバ11とテープ樹脂12の密着力が、外被3とテープ樹脂12との密着力より大きいため、光ファイバテープ心線10の形態が維持される。
【0037】
このように、本実施形態の光ファイバケーブル1は、外被3を除去することによって、光ファイバテープ心線10の長手方向に沿って間欠的に単心分離される。この後、単心に分離された部分の光ファイバ11を、例えば光ファイバテープ心線10の幅方向に引っ張ることで、光ファイバテープ心線10の形態をなす部分(長さL1の部分)のテープ樹脂12を引き裂いて、任意の長さで容易に中間後分岐することができる。
【0038】
また、介在物40の長さL1は10mm以上であるため、光ファイバテープ心線10の形態をなす1箇所あたりの長さが10mm以上となる。そのため、光ファイバケーブル1の外被3を除去した部分において、それぞれの光ファイバ11が完全に分離せずに光ファイバテープ心線10の形態としての扱いを安定して行うことができる。
また、介在物40の間隔L2は1mm以上であるため、間欠分離する1箇所あたりの長さが1mm以上となる。間欠分離した長さが1mm以上あれば、その部分の光ファイバ11間にはけ状の部材等を挿入して、そこからテープ樹脂12を引き裂くことができ、容易に中間後分岐することができる。さらに、光ファイバ11を分岐する際に光ファイバケーブル1の外被3を除去する長さは300mmから2000mm程度であるため、外被3を除去した際に、少なくとも1箇所の間欠分離部分を形成することができる。
【0039】
このように、本実施形態の光ファイバケーブル1は、介在物40を断続的に設けることにより、光ファイバテープ心線10のテープ樹脂12と外被3との密着力が光ファイバ11とテープ樹脂12との密着力より大きい部分と、小さい部分とが、光ファイバテープ心線10の長手方向に交互に設けられている。
また、本発明においては、光ファイバテープ心線10のテープ樹脂12と外被3との密着力を小さくする介在物40を設けるほかに、光ファイバテープ心線10のテープ樹脂12と外被3との密着力を大きくする接着層を設けることで、前記密着力の大小を得ることができる。接着層を設けた態様について、次に説明する。
【0040】
接着層を設けた光ファイバケーブル1aの長手方向の断面図を、図6に示す。図6に示すように、光ファイバケーブル1aは、光ファイバテープ心線10と外被3との間に、断続的に複数の接着層41が設けられている。図1に示した断面図は、この図6中の矢視Aの断面、すなわち接着層41が設けられていない箇所を示したものである。このように接着層41が設けられていない箇所では、光ファイバテープ心線10のテープ樹脂12と、外被3とが接触しているが、光ファイバテープ心線10のテープ樹脂12と、光ファイバケーブル1の外被3との密着力が、光ファイバ11とテープ樹脂12との密着力より小さくなるように図られている。
【0041】
また、図6中の矢視Bの断面、すなわち接着層41が設けられている箇所の断面図は、介在物40を設けた場合と同様に、図4に示すような態様である。
図4に示すように、接着層41は、光ファイバテープ心線10の周囲を覆うように設けられている。このように接着層41が設けられた箇所では、光ファイバテープ心線10のテープ樹脂12と、外被3とが強く接着され、光ファイバテープ心線10のテープ樹脂12と、光ファイバケーブル1の外被3との密着力が、光ファイバ11とテープ樹脂12との密着力より大きくなっている。
ここで、接着層41を構成する材料としては、例えば、感圧型接着剤、化学反応型接着剤、溶媒揮散型接着剤、熱可塑性接着剤、熱硬化型接着剤等を用いることができる。
【0042】
また、図6に示すように、接着層41は、光ファイバテープ心線10の長手方向に沿った長さがそれぞれL2であり、光ファイバテープ心線10の長手方向に沿って、所定の間隔L1を設けて配置されている。好ましくは、接着層41の長さL2は1mm以上であり、接着層41の間隔L1は10mm以上である。また、接着層41が設けられている部分(長さL2の部分)は、光ファイバテープ心線10の長手方向の長さ300mmの範囲内に、1ヶ所以上設けられていることが好ましい。
【0043】
このように構成された光ファイバケーブル1aは、外被3をノッチ4から引き裂いて除去することにより、中間後分岐することができる。すなわち、図5に示すように、接着層41が設けられていた箇所(長さL2の部分)では光ファイバ11とテープ樹脂12の密着力が、外被3とテープ樹脂12との密着力より小さいため、外被3とともにテープ樹脂12が除去されて、光ファイバテープ心線10が単心に分離される。これに対して、接着層41が設けられていない箇所では光ファイバ11とテープ樹脂12の密着力が、外被3とテープ樹脂12との密着力より大きいため、光ファイバテープ心線10の形態が維持される。
【0044】
このように、光ファイバケーブル1aは、上記の光ファイバケーブル1と同様に、外被3を除去することによって、光ファイバテープ心線10の長手方向に沿って間欠的に単心分離され、中間後分岐も容易に行うことができる。
【0045】
また、接着層41の間隔L1は10mm以上であるため、上記の光ファイバケーブル1と同様に、光ファイバケーブル1の外被3を除去した部分において、それぞれの光ファイバ11が完全に分離せずに光ファイバテープ心線10の形態としての扱いを安定して行うことができる。
また、接着層41の長さL2は1mm以上であるため、上記の光ファイバケーブル1と同様に、容易に中間後分岐することができるとともに、外被3を除去した際に、少なくとも1箇所の間欠分離部分を形成することができる。
【0046】
以上説明した光ファイバケーブル1,1aは、外被3を除去することで容易に間欠分離することができるが、望ましくは、その間欠分離する箇所、もしくはしない箇所が、外被3を除去せずに判ると良い。そこで、光ファイバテープ心線10のテープ樹脂12と外被3との密着力が光ファイバ11とテープ樹脂12との密着力より大きい部分と、小さい部分とを、目視により識別できるような印が、外被3に設けられていると良い。例えば、前記密着力が大きい部分または小さい部分の外被3の外周面に、着色された領域を設けておくと良い。これにより、外被3を除去する部分をできるだけ小さくして、狙った箇所で間欠分離することができる。したがって、間欠分離に伴う中間後分岐の作業全体の効率を向上させることができる。
【0047】
ここで、本発明に係る光ファイバケーブルに用いられている光ファイバテープ心線10の態様について説明する。
図2には、隣接する光ファイバ同士が接触した光ファイバテープ心線を示したが、光ファイバ同士が接触せず離れているものであってもよい。ここで、接触していないとは光ファイバテープ心線に含まれる少なくとも2本の光ファイバが接触していないことを言う。光ファイバテープ心線に含まれる光ファイバ同士が接触している場合と接触していない場合とを比較すると、接触している方が光ファイバ間のテープ樹脂が連続していないために、光ファイバケーブルの外被を除去したときに間欠分離を実現しやすい。
光ファイバ同士が接触しない場合、光ファイバの間隔が10μm以下であることが好ましい。間隔が10μm以下であれば、テープ樹脂が光ファイバの間に入る量が多くないので、間欠分離が容易である。
【0048】
また、図2に示すように、光ファイバ11は、コア13aとクラッド13bからなるガラスファイバ13と、このガラスファイバ13の外周を一次保護被覆14で覆い、さらに、保護被覆14の外周を二次保護被覆15により被覆した構成となっている。また、二次保護被覆15の外周に厚さ1μmから10μm程度の着色層が形成されていても良い。また、ガラスファイバ13の周囲に薄膜状のカーボン層がコーティングされていても良い。なお、光ファイバ11は、ITU−T(International Telecommunication Union -Telecommunication standardization sector : 国際電気通信連合・電気通信標準化部門)により定められたG652に準拠するものであることが好ましい。
本発明に適用可能なガラスファイバ13としては、コアと複数層のクラッドからなるガラスファイバ等、いかなる屈折率分布を有するガラスファイバも適用可能である。また、光ファイバ11としては、ガラスファイバ13の外周に保護被覆14のみが覆われた光ファイバ素線であってもよい。
【0049】
また、ガラスファイバ13としては、波長1.55μmにおけるPetermann−Iの定義によるモードフィールド径(MFD:Mode Field Diameter)が10μm以下であることが好ましい。さらに、モードフィールド径が8μm以下であるとより好ましい。
モードフィールド径を小さくすると、マイクロベンド損失や曲げ損失(マクロベンド損失)を小さくすることができる。したがって、ケーブル内で光ファイバテープ心線10が受ける外力による、伝送損失の増加を抑えることができる。また、小さい曲げ半径で光ファイバ11を曲げても伝送損失の増加が少ないため、活線分岐しやすい。
【0050】
この光ファイバテープ心線10では、並列した4本の光ファイバ11の外周に形成されたテープ樹脂12として紫外線硬化樹脂を用いている。紫外線硬化型樹脂以外のテープ樹脂12としては、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂等も使用することができる。
本実施形態の光ファイバテープ心線10は、テープ樹脂12の厚さが従来用いられていた光ファイバテープ心線より薄く形成されている。なお、テープ樹脂12の厚さtは、光ファイバテープ心線10の厚さの最大値をT(μm)、光ファイバ11の外径をd(μm)としたときに、t=(T−d)/2で求めることができ、光ファイバテープ心線10は、T≦d+40(μm)となるように、すなわち、テープ樹脂12の厚さtが20μm以下となるようにテープ樹脂12の厚さが設定されている。
【0051】
このように、光ファイバテープ心線10は、テープ樹脂12の厚さtが薄いため、光ファイバケーブル1,1aの外被3を除去することで、光ファイバテープ心線10のテープ樹脂12と外被3との密着力が光ファイバ11とテープ樹脂12との密着力より大きい部分(長さL2部分)と小さい部分(長さL1部分)とのテープ樹脂12の境界部分が破壊されやすい。そのため、テープ部分と単心部分とを正確に形成した状態で間欠分離することができる。
【0052】
ここで、テープ樹脂12の厚さtの違いによる外被除去時の間欠単心分離のしやすさの関係を表1に示す。また、表1には、ケーブル化した状態での光ファイバの一体化の強度を示す、ファイバ分離の有無を示している。なお、表1に示す光ファイバテープ心線の光ファイバの外径dは250μmである。また、テープ樹脂12を構成する樹脂のヤング率は900MPaである。
【0053】
【表1】
Figure 0003951133
【0054】
なお、表1に示すテープ樹脂の厚さt=0.0の光ファイバテープ心線とは、テープ樹脂が全ての光ファイバの全体を覆っていないものである。
【0055】
表1に示す間欠単心分離性とは、光ファイバケーブルの外被3を除去したときに、外被3とともに光ファイバテープ心線10のテープ樹脂12が間欠的に剥がれて、光ファイバテープ心線10の間欠分離が行われるか否かを示している。
本明細書中における評価基準としては、○は外被3の除去とともに間欠分離できることを示し、×は外被3の除去とともに間欠分離できないことを示す。
【0056】
表1に示す光ファイバテープ心線のうち、間欠単心分離性が○となっているものは、テープ厚さTが290μm以下のもの、すなわちT≦d+40(μm)のものである。これらは、外被3を除去したときにいずれも間欠単心分離された。
これに対して、テープ厚さTが光ファイバの外径dより40μmを超える、従来用いられていたテープ樹脂の厚い光ファイバテープ心線は、間欠単心分離性が×であり、間欠単心分離できなかった。
なお、表1に示す結果は、テープ樹脂のヤング率を900MPaとしたときの例であるが、例えばこれより低いヤング率のテープ樹脂とすれば、T>d+40(μm)であっても間欠単心分離は可能である。
【0057】
本明細書中におけるケーブル化した状態でのファイバ分離の評価基準としては、外被を除去したときに、本来、外被とテープ樹脂の密着力がテープ樹脂と光ファイバの密着力よりも小さい部分(L1)において、〇は光ファイバとテープ樹脂との分離がなく、光ファイバテープ心線が長手方向にわたって一体化されたままであった場合を示し、×は光ファイバとテープ樹脂との分離箇所が発生した場合を示す。ここで、×の場合は、ケーブル化の工程で光ファイバテープ心線が曲げられる等の外力を受けることによって分離が発生したものと考えられる。
【0058】
表1に示す光ファイバテープ心線のうち、T≧d+1(μm)である場合に、光ファイバテープ心線の分離が発生せず、良好であった。すなわち、テープ樹脂の厚さtが0.5μm以上であれば、各光ファイバを一体化させておくのに十分な強度が得られることがわかった。
【0059】
次に、本発明に係る光ファイバケーブルに収容される光ファイバテープ心線の他の好適な態様について説明する。
図8(A)は、その光ファイバテープ心線の一例を示す断面図であり、(B)は斜視図である。
図8に示すように、光ファイバテープ心線10aは、光ファイバ11を覆っているテープ樹脂12aにおいて、隣り合う光ファイバ11,11の間に形成された窪みに応じて、外被の凹部16が形成されている。この凹部16は、その窪みが最も大きい部分として底部17が形成されている。
【0060】
テープ樹脂12bの凹部16は、光ファイバテープ心線10aの間欠単心分離された部分を、さらに長手方向に所望の長さまで引き裂くときに有効となる。テープ樹脂12aの厚さが薄い部分が多いほど、テープ樹脂12aの破壊が起こりやすいため、引き裂きが容易となる。また、引き裂き作業中に光ファイバに与える外力も小さくて済むため、活線分岐のロス増を小さく抑えることができる。
なお、引き裂く方法としては、手指で直接引き裂くか、はけのような線条物を単心分離部に差し込んで、長手方向に移動させる方法等がある。
【0061】
図8に示した光ファイバテープ心線10aは、凹部16の深さYが、テープ樹脂12bの共通接線S1と各光ファイバ11の共通接線S2との間の距離より短く形成されている。つまり、底部17の位置が各光ファイバ11の共通接線S2より外側となるように凹部16が形成されている。
【0062】
また、本実施形態の光ファイバケーブルに収容される光ファイバテープ心線としては、図8に示した光ファイバテープ心線10aの構成を一部変更した他の態様である、図9に示す光ファイバテープ心線10bが挙げられる。
図9(A)は、光ファイバテープ心線10bの断面図であり、(B)は斜視図である。光ファイバテープ心線10bの基本的な構成は図8に示した光ファイバテープ心線10aと同様であり、共通する構成については説明を省略する。
光ファイバ11の外周を覆っているテープ樹脂12bでは、隣り合う光ファイバ11間に形成される窪みに応じて、凹部形状となっている。このテープ樹脂の凹部16bは、図8の場合よりも凹部形状が深くなっている。光ファイバテープ心線10bは、凹部16bの底部17bが、光ファイバ11の共通接線S2bを超えないように形成されている。このように凹部が深くなっていると、引き裂きをより容易に行うことができ、活線分岐時のロス増を、さらに小さく抑えることができる。
【0063】
図8や図9に示すような、凹部が形成された光ファイバテープ心線において、その凹部は、なめらかな曲線形状Rであることが望ましい。例えば、凹部が光ファイバ心線の形状に沿って底部がとがった形状であると、応力が底部に集中して、割れや亀裂等が発生しやすくなるからである。
【0064】
また、図2、図8、図9に示すような、本発明の光ファイバケーブルに用いられる光ファイバテープ心線においては、光ファイバと外被との密着力は、ケーブルの外被を除去したときの間欠単心分離性や引き裂き性と関連し、活線分岐時の伝送損失の増大や中間後分岐の作業効率に影響を及ぼすときがある。光ファイバとテープ樹脂との密着力は、伝送損失の増大防止や分岐作業性を考慮すると、光ファイバ1本あたりの密着力が0.245(mN)から2.45(mN)の範囲内であることが望ましい。前記密着力が前記範囲よりも小さいとケーブル化時にテープ樹脂が破壊されて各光ファイバがばらばらになることがある。また、前記密着力が前記範囲より大きいと外被除去時の間欠単心分離性が悪くなる。
【0065】
光ファイバとテープ樹脂との密着力は、例えば以下の方法で測定することができる。
図10に示すように、光ファイバテープ心線10にカッターナイフの刃Cを当てて、ガラスまで切り込む。刃を長さ方向にテープ心線の端部へ移動させて光ファイバテープ心線10の片面の樹脂を剥ぎ取る。その後、光ファイバテープ心線10の端部のテープ樹脂12を約30mm手で剥いで折り返す。
そして、図11に示すように、テープ樹脂12が剥がれた光ファイバ11を下チャック50Lで掴み、折り返したテープ樹脂12の先端を上チャック50Uで掴む。上下チャック50L、50U間の距離は約40mmとする。上チャック50Uと下チャック50Lを相対的に180度をなす方向に200mm/分の速度で約50mm移動させ、テープ樹脂12を剥離させる。
測定値の極大値および極小値をそれぞれ最大値とその次点の値、最小値とその次点の値、合計4点取り、その平均値を求め、さらに光ファイバテープ心線に含まれる光ファイバの心数で割った値を光ファイバ1本あたりの密着力とする。
【0066】
また、光ファイバテープ心線のテープ樹脂の物性も、間欠単心分離性や引き裂き性と関連し、活線分岐時の伝送損失の増大や分岐作業効率に影響を及ぼすときがある。テープ樹脂の材料の特性として、降伏点応力が20MPa〜45MPaの範囲内が望ましく、外被を除去したときに確実に間欠単心分離が実現でき、引き裂きも容易に行うことができる。降伏点応力はJIS K7113に従い、2号試験片について引っ張り速度を50mm/分として測定する。降伏点応力が20MPa未満であると光ファイバテープ心線をケーブル化する工程で加わる外力によって各光ファイバが分離してしまい、ケーブル化できないことがある。降伏点応力が45MPaを超えると、テープ樹脂が破壊されにくく間欠単心分離が起こりにくくなり、引き裂きも行いづらい。
【0067】
また、ここで、図1に示した光ファイバケーブル1について、波長1.55μmにおける通常の状態における伝送損失値と、中間後分岐時の伝送損失の増加量を測定した。
なお、ここで用いた光ファイバケーブル1は、全体の幅が6.0mm、厚さが2.0mmであり、支持線7及び抗張力体2は、鋼線である。また、介在物40としてタルクを用い、その長さL1は10mm、間隔L2は200mmとした(図3参照)。
また、ここで用いた光ファイバテープ心線は、図2に示した光ファイバテープ心線10であり、その厚さTは260μmである。光ファイバ11の外径dは250μmであり、テープ樹脂の厚さtは5μmである。ただし、光ファイバテープ心線として一体化された光ファイバとして、G652に準拠するものを用いた場合と、モードフィールド径が10μm以下のものを用いた場合を用意して、それぞれの場合について測定結果を比較した。
【0068】
光ファイバケーブル1として外被に覆われた状態での光ファイバの伝送損失値は、G652の光ファイバで、最大値が0.22dB/kmであり、平均値が0.20dB/kmであった。モードフィールド径が10μm以下の光ファイバでは、最大値が0.21dB/kmであり、平均値が0.19dB/kmであった。
このように、ケーブル化した状態での光ファイバの伝送損失は、モードフィールド径が10μm以下のものが、特に特性が良好であった。
【0069】
また、光ファイバケーブルから中間後分岐して伝送損失を測定する方法について説明する。
まず、図7(A)に示すように、光ファイバケーブル1の両端の外被を1m程度づつ除去し、光ファイバテープ心線10を取り出す。次いで、それぞれ光ファイバテープ心線10の両端を単心に分離し、一方側の1番心の光ファイバ11aに波長1.55μmの光を入射するための光源20を接続し、他方側の1番心の光ファイバ11aに受光器21とストレージオシロスコープ22を接続する。この状態で、光源20から1番心の光ファイバ11aに波長1.55μmの光を入射する。入射された光は、他方側の光ファイバ11aへ伝わり、受光器21により受光される。受光された光は、ストレージオシロスコープ22によりその受光量が適時観察される。
そして、光源20からの光の入射を行っている状態で、光ファイバケーブル1の中間部分において、エレメント部9の外周に形成されたノッチ4から、外被3に切り込みを入れるようにして外被3を引き裂き、光ファイバテープ心線10を取り出す。その際、光ファイバテープ心線10は良好に間欠単心分離された状態で取り出すことができた。さらに、単心分離部分にはけ状の線条物を挿入し、長手方向に移動させることにより、図7(B)に示すように、外被を除去した部分のほぼ全長にわたって単心分離した。なお、この中間後分岐による単心分離部分の長さは、50cmとした。
【0070】
伝送損失の測定は、光ファイバケーブル1の外被3を除去する時から中間後分岐の作業終了時まで、ストレージオシロスコープ22によって観察して行った。
その結果、作業中の伝送損失の増加量は、G652の光ファイバで1.0dB以上の値は認められず、モードフィールド径が10μm以下の光ファイバで0.5dB以上の値は認められなかった。
【0071】
このように、中間後分岐時の損失増加が1.0dB以下である光ファイバケーブルは、活線状態での中間後分岐を良好に行うことができるため、所望の光ファイバのみを適宜分岐させて取り出し、他の光ファイバは、下流側で用いることができる。したがって、光ファイバケーブルに収容された全ての光ファイバを有効に活用することができる。したがって、通信線路の構築コストを低く抑えることができる。
また、中間後分岐時の損失増加が0.5dB以下である光ファイバケーブルは、分岐しない光ファイバで高速通信を行っていても、あるいはダイナミックレンジの小さい領域で通信を行っていても、所望の光ファイバを分岐させて取り出すことができる。したがって、光通信網の設計自由度が優れて向上する。
【0072】
次に、本発明に係る他の態様の光ファイバケーブルについて説明する。なお、以下に示すそれぞれの光ファイバケーブルは、図3または図6に示したように、介在物または接着層が長手方向に断続的に設けられている。すなわち、外被を除去することによって、光ファイバテープ心線の間欠単心分離が可能な構成である。
【0073】
図12に示す光ファイバケーブル30は、図1に示した支持線7や抗張力体2を備えていないものである。光ファイバケーブル30は、光ファイバテープ心線10が、熱可塑性樹脂の外被3により被覆されており、外被3には2つのノッチ4が形成されている。
【0074】
図13に示す光ファイバケーブル31は、2つの光ファイバテープ心線10と、2本の抗張力体2と、外被3とから構成されているものである。2つの光ファイバテープ心線10は、その厚さ方向に接触して積層された状態で、2本の抗張力体2の間に配置されており、2本の抗張力体2とともに外被3で覆われている。また、外被3には、2つのノッチ4が形成されている。
【0075】
図14に示す光ファイバケーブル32は、外形がほぼ円形の外被3aにより、光ファイバテープ心線10と、2本の抗張力体2とが覆われているものである。この外被3aにも、2つのノッチ4が形成されている。
【0076】
図15に示す光ファイバケーブル33は、外形が円形の外被3bにより、光ファイバテープ心線10と、2本の抗張力体2とが覆われているものである。この外被3bには、ノッチが形成されていないが、外被3bを引き裂くための引き裂き紐34が、光ファイバテープ心線10の近傍に、2本埋め込まれている。光ファイバテープ心線10を取り出す際には、これら引き裂き紐34を、外被3bの外方へ、互いに離反する方向に引っ張ることで、外被3bを引き裂くことができる。
【0077】
図16に示す光ファイバケーブル35は、光ファイバテープ心線10と、2本の抗張力体2と、外被3とから構成されているものである。外被3に形成された2つのノッチ4が、厚さ方向に同一の箇所であって光ファイバテープ心線10の幅方向の中央に形成されているものではなく、光ファイバテープ心線10の幅方向の端部に向かってそれぞれ形成されている。このように、2つのノッチ4が非対称的な位置に形成されていることにより、これらノッチ4から外被3を引き裂いたときに、光ファイバテープ心線が取り出しやすい構造となっている。
【0078】
このように、本発明に係る光ファイバケーブルは、種々の態様が例示できる。
なお、光ファイバケーブル30,31,32,33,35の光ファイバテープ心線としては、図示した光ファイバテープ心線10の他に、上述した光ファイバテープ心線10a,10bを用いることができる。
また、光ファイバテープ心線を覆う外被の樹脂には、熱硬化性樹脂も使用できる。また、軽量化や光ファイバテープ心線の取り出しに際する引き裂き性を向上させるために、外被の樹脂を発泡させても良い。
【0079】
なお、本発明に係る光ファイバケーブルは、テープスロット型等の光ファイバテープ心線を収容した光ファイバケーブルに好適に接続されるものであり、電柱等の架空に敷設されて任意の箇所から単心や2心のドロップ型の光ファイバケーブルを接続することができるほか、直接架空から引き落とすドロップケーブルとしての用途に適している。
例えば、架空に敷設されたテープスロット型の光ファイバケーブルに対し、本発明に係る光ファイバケーブルの一端側を、その光ファイバテープ心線ごと多心一括融着して、接続する。そして、各家庭等へ単心ごとに光ファイバを引き落とす際には、光ファイバケーブルの外被を除去することで光ファイバテープ心線を間欠分離させ、さらに長手方向に分離させることで、任意の光ファイバを端末の伝送機器等へそれぞれ接続することができる。
【0080】
【発明の効果】
以上説明したように本発明の光ファイバケーブルによれば、収容した光ファイバテープ心線から、単心線型の光ファイバケーブルへの接続を容易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る光ファイバケーブルの一実施形態を示す断面図である。
【図2】図1に示す光ファイバケーブルに収容される光ファイバテープ心線の断面図である。
【図3】図1に示す光ファイバケーブルの長手方向の断面図である。
【図4】図3に示す光ファイバケーブルの矢視B−Bの断面図である。
【図5】間欠分離された光ファイバテープ心線を示す斜視図である。
【図6】本発明に係る光ファイバケーブルの他の実施形態を示す長手方向の断面図である。
【図7】光ファイバケーブルの中間後分岐試験の様子を示す模式図である。
【図8】図1に示す光ファイバケーブルに収容される光ファイバテープ心線を示す図であり、(A)は断面図、(B)は斜視図である。
【図9】図1に示す光ファイバケーブルに収容される光ファイバテープ心線を示す図であり、(A)は断面図、(B)は斜視図である。
【図10】光ファイバと外被との密着力を測定する際の様子を示す斜視図である。
【図11】光ファイバと外被との密着力を測定する際の様子を示す斜視図である。
【図12】本発明に係る光ファイバケーブルの他の実施形態を示す断面図である。
【図13】本発明に係る光ファイバケーブルの他の実施形態を示す断面図である。
【図14】本発明に係る光ファイバケーブルの他の実施形態を示す断面図である。
【図15】本発明に係る光ファイバケーブルの他の実施形態を示す断面図である。
【図16】本発明に係る光ファイバケーブルの他の実施形態を示す断面図である。
【図17】従来の光ファイバケーブルの一例を示す断面図である。
【図18】従来の光ファイバケーブルの一例を示す断面図である。
【符号の説明】
1 光ファイバケーブル
2 抗張力体
3 外被
4 ノッチ
5 接着層
6 首部
7 支持線
8 メッセンジワイヤ部
9 エレメント部
10 光ファイバテープ心線
11 光ファイバ
12 テープ樹脂(樹脂)
13 ガラスファイバ
14 一次保護被覆
15 二次保護被覆
16 凹部
17 底部
40 介在物
41 接着層

Claims (16)

  1. 複数本並列された光ファイバの全長及び並列した状態の全周が樹脂により覆われて一体化された光ファイバテープ心線が、外被により覆われている光ファイバケーブルであって、
    前記樹脂と前記外被との密着力が前記光ファイバと前記樹脂との密着力より大きい部分と、小さい部分とが、前記光ファイバテープ心線の長手方向に交互に設けられていることを特徴とする光ファイバケーブル。
  2. 請求項1に記載の光ファイバケーブルであって、
    前記密着力の小さい部分には、前記樹脂と前記外被との間に介在物が配置されていることを特徴とする光ファイバケーブル。
  3. 請求項1に記載の光ファイバケーブルであって、
    前記密着力の大きい部分には、前記樹脂と前記外被との間に接着層が配置されていることを特徴とする光ファイバケーブル。
  4. 請求項1から3の何れか1項に記載の光ファイバケーブルであって、
    前記密着力の小さい部分は、1箇所あたり前記光ファイバテープ心線の長手方向に10mm以上の長さで設けられており、
    前記密着力の大きい部分は、1箇所あたり前記光ファイバテープ心線の長手方向に1mm以上の長さで、かつ、前記光ファイバテープ心線の長手方向の300mmの長さの範囲内に1箇所以上設けられていることを特徴とする光ファイバケーブル。
  5. 請求項1から4の何れか1項に記載の光ファイバケーブルであって、
    前記外被には、前記密着力の大きい部分と小さい部分とを目視により識別可能とする印があることを特徴とする光ファイバケーブル。
  6. 請求項1から5の何れか1項に記載の光ファイバケーブルであって、
    前記光ファイバテープ心線は、前記光ファイバテープ心線の厚さの最大値をT(μm)、前記光ファイバの外径をd(μm)としたときに、T≦d+40(μm)であることを特徴とする光ファイバケーブル。
  7. 請求項6に記載の光ファイバケーブルであって、
    前記光ファイバテープ心線は、隣接した前記光ファイバ同士が互いに接触して配置されていることを特徴とする光ファイバケーブル。
  8. 請求項6に記載の光ファイバケーブルであって、
    前記光ファイバテープ心線は、隣接した前記光ファイバ同士が、互いに接触しておらず、かつ、10μm以下の間隔を有して配置されていることを特徴とする光ファイバケーブル。
  9. 請求項7または8に記載の光ファイバケーブルであって、
    前記光ファイバテープ心線は、T≧d+1(μm)であることを特徴とする光ファイバケーブル。
  10. 請求項7から9の何れか1項に記載の光ファイバケーブルであって、
    前記光ファイバテープ心線の前記樹脂には、隣接する前記光ファイバの間の窪みに応じた凹部が形成されていることを特徴とする光ファイバケーブル。
  11. 請求項6から請求項10の何れか1項に記載の光ファイバケーブルであって、
    前記光ファイバテープ心線は、前記光ファイバ1本あたりの前記光ファイバと前記樹脂との密着力が0.245(mN)から2.45(mN)の範囲内であることを特徴とする光ファイバケーブル。
  12. 請求項6から請求項10の何れか1項に記載の光ファイバケーブルであって、
    前記光ファイバテープ心線は、前記樹脂の降伏点応力が20(MPa)から45(MPa)の範囲内であることを特徴とする光ファイバケーブル。
  13. 請求項1から請求項12の何れか1項に記載の光ファイバケーブルであって、
    前記光ファイバは、波長1.55μmにおけるピーターマン−I(Petermann−I)の定義によるモードフィールド径が10μm以下であることを特徴とする光ファイバケーブル。
  14. 請求項13に記載の光ファイバケーブルであって、
    前記光ファイバは、波長1.55μmにおけるピーターマン−I(Petermann−I)の定義によるモードフィールド径が8μm以下であることを特徴とする光ファイバケーブル。
  15. 請求項1から請求項14の何れか1項に記載の光ファイバケーブルであって、
    前記光ファイバテープ心線は、前記光ファイバを分岐するときの、波長1.55μmにおける損失増加が1.0(dB)以下であることを特徴とする光ファイバケーブル。
  16. 請求項15に記載の光ファイバケーブルであって、
    前記光ファイバテープ心線は、前記光ファイバを分岐するときの、波長1.55μmにおける損失増加が0.5(dB)以下であることを特徴とする光ファイバケーブル。
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