JPH06306121A - 弾性で実質的に線状であるオレフィンポリマー - Google Patents

弾性で実質的に線状であるオレフィンポリマー

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JPH06306121A
JPH06306121A JP11662593A JP11662593A JPH06306121A JP H06306121 A JPH06306121 A JP H06306121A JP 11662593 A JP11662593 A JP 11662593A JP 11662593 A JP11662593 A JP 11662593A JP H06306121 A JPH06306121 A JP H06306121A
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olefin polymer
substantially linear
polymer
melt fracture
shear rate
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JP11662593A
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Yau Rei Shii
シー・ヤゥ・レイ
John R Wilson
ジョン・アール・ウィルソン
George W Knight
ジョージ・ダブリュー・ナイト
C Stevens James
ジェイムズ・シー・スティーブンス
Steve Chun Pakwing
パクウィング・スティーブ・チュン
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Original Assignee
Dow Chemical Co
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】高い強度及び強靱性に加えて、改良された加工
性を有するオレフィンポリマー、及びその製造法。 【構成】5.63以上のメルトフロー比、I10/I2
式、Mw/Mn≦ (I10/I2)−4.63で表わされる
分子量分布、Mw/Mn;及び4×106 dyn/cm2より大
きい、グロス・メルトフラクチャーが起こり始める時の
臨界せん断応力を有する、実質的に線状のオレフィンポ
リマー1種またはそれ以上のC2〜C20α−オレフィン
を周期律表の3〜10族またはランタナイド系列の金
属、金属配位錯体及び活性化共触媒を含有する触媒組成
物と重合条件下連続的に接触させて重合することにより
得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、高せん断応力条件下で
もメルトフラクチャーが起こりにくい等の改良された加
工性を有する、弾性で実質的に線状であるオレフィンポ
リマーに関する。そのような実質的に線状であるエチレ
ンポリマーは、同じ分子量分布とメルトインデックスに
おける線状ポリエチレンのそれと比較して、かなり高い
表面メルトフラクチャーが起こり始める時の臨界せん断
速度とかなり低いプロセッシング・インデックスを有す
る。
【0002】
【従来の技術】分子量分布(MWD)又は多分散性は、
ポリマーにおいては良く知られた変数である。重量平均
分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比で表わされる
ことがある分子量分布は、直接、例えばゲル・パーミィ
エーション・クロマトグラフィー法によって、又は、さ
らに一般的にはASTM D−1238に記載されたよ
うにしてI10/I2 を測定することによって求めること
ができる。線状ポリオレフィン、特に線状ポリエチレン
の場合は、Mw/Mnが増加すると、それにつれてI10
2も増加することが良く知られている。
【0003】ジョン ディーリー(John Dealy)は、
「メルト・レオロジー及びプラスチック加工におけるそ
の役割」(Van Nostrand Reinhold, 1990)第597頁
において、重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(M
n)に影響される、溶融粘度のせん断速度依存性を評価
するために、ASTM D−1238が異なる荷重で用
いられる、と開示している。
【0004】バーステッド(Bersted)は、「Journal o
f Applied Polymer Science」、Vol. 19, p.2167-2177
(1975)のなかで、線状ポリマーの系において、分子量
分布と安定せん断溶融粘度との関係を理論化した。彼
は、またより広いMWDのものは、より高いせん断速度
又はせん断応力依存性を有することを示した。
【0005】ラママーシー(Ramamurthy)は、「Journa
l of Rheology」, 30(2), 337-357(1986)において、ベ
イアード(Baird)とラママナサン(Ramanathan)は、
「Journal of Non-Newtonian Fluid Mechanics」, 36,
255-263(1990)において両者とも線状低密度ポリエチレ
ン(LLDPE)の場合、シャークスキン(すなわちメ
ルトフラクチャー)は、見掛けせん断応力が1〜1.4
×106 dyne/cm2のときに起こり始め、これはフロー
カーブの曲線の変化と一致するように観測された、と記
載している。ラママーシーは、また高圧低密度ポリエチ
レン(HP−LDPE)の場合、表面メルトフラクチャ
ー又はグロス・メルトフラクチャーは、見掛けせん断応
力が約0.13MPa(1.3×106 dyne/cm2)の
時に起こり始めると記載している。
【0006】カリカ(Kalika)及びディーン(Denn)
は、「Journal of Rheology」, 31, 815-834(1987)にお
いて、LLDPEの場合の表面欠陥又はシャークスキン
現象を確認したが、彼等の研究の結果は、臨界せん断応
力が2.3×106 dyn/cm2としており、ラママーシー
及びモイニハンら(Moynihan et al.)によって見出さ
れたものよりかなり高い。1990年4月5日に公開さ
れた国際特許出願(公開番号WO90/03414)に
は、狭い分子量分布及び狭い短分岐鎖分布(SCBD)
を有する線状エチレン・インターポリマー混合物が開示
されている。このインターポリマー混合物の溶融加工性
は、異なる狭い分子量分布と異なるSCBDを有する、
異なる分子量のインターポリマーを混合することによっ
て制御できる。
【0007】エクソン・ケミカル・カンパニーは、「Pr
eprints of Polyolefins VIIInternational Conferenc
e」, p. 45-66, (24-27/2/1991)において、彼等のEX
XPOL(商標)技術によって製造される狭い分子量分
布(NMWD)の樹脂が同じメルトインデックスにおい
て、従来のジーグラー樹脂より高い溶融粘度及び低い溶
融強度を有していることを開示している。最近の公開文
献において、エクソン・ケミカル・カンパニーは、ま
た、シングルサイト触媒を用いて製造されたNMWDポ
リマーは、メルトフラクチャーが起こる可能性を広げる
ことを教示している(「New Spedalty Linear Polymers
(SLP) For Power Cables」, モニカ・ヘンデワーク(M
onica Hendewerk)及びローレンス・スペナデル(Lawre
nceSpenadel)によって、1991年9月にテキサス州
ダラスで開催されたIEEE会議で報告)。同様に、
「A New Family of Linear Ethylene Polymers Provide
sEnhanced Sealing Perfomance」, by Dirk G. F. Van
der Sanden andRichard W. Halle, (2/1992 tappi Jour
nal)において、エクソン・ケミカル・カンパニーは、ま
た、ポリマーの分子量分布はそのポリマーのメルトイン
デックス比(すなわち、I10/I2)によって表わされ
ること、及びシングルサイト触媒を用いて製造された新
規な狭分子量分布ポリマーが、「機能性又は長分岐鎖を
有しない線状バックボーン樹脂」であることを教示して
いる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】以前から知られている
狭分子量分布線状ポリマーは、低いせん断感応性(shea
r sensitivity)、すなわちI10/I2値を欠点として有
しており、これはそのようなポリマーの押出特性を抑制
する。さらに、そのようなポリマーは低い溶融弾性を有
し、これはフィルム形成法又はブロー成形法(例えば、
ブロウンフィルム法でのバブルの懸垂又はブロー成形法
でのたるみ)等、溶融製造において問題をもたらす。最
後に、そのような樹脂は、また比較的低い押出速度でメ
ルトフラクチャー表面性状を示し、このため適当に加工
できない。
【0009】
【課題を解決するための手段】実質的に線状であるオレ
フィンポリマーとして定義されるオレフィンポリマーが
ここに発見され、それは複数の性状の意外な組合せを含
む、意外な性状を有して、この新規ポリマーの改良され
た加工性をもたらす。その実質的に線状であるオレフィ
ンポリマーは、高分岐低密度ポリエチレン(LDPE)
に似た加工性を有するが、線状低密度ポリエチレン(L
LDPE)の強度と靱性を備えている。しかしながら、
この新規な実質的に線状であるオレフィンポリマーは、
従来のヂーグラー重合不均一ポリマー(例えば、LLD
PE)とは明らかに異なり、また従来のフリーラジカル
/高圧重合LDPEとも異なる。驚くべきことに、この
新規な実質的に線状であるオレフィンポリマーは、均一
短分岐分布を有する均一オレフィンポリマーとも異な
る。
【0010】この実質的に線状であるオレフィンポリマ
ーは、下記性状を有することによって特徴づけられる。 a) 5.63以上のメルトフロー比、I10/I2; b) 式、 Mw/Mn≦ (I10/I2)−4.63 で表わされる分子量分布、Mw/Mn;及び c) 4×106 dyne/cm2より大きい、グロス・メル
トフラクチャーが起こり始める時の臨界せん断応力。
【0011】この実質的に線状であるオレフィンポリマ
ーは、また下記性状を有することによって特徴づけられ
る。 a) 5.63以上のメルトフロー比、I10/I2; b) 式、 Mw/Mn≦ (I10/I2)−4.63 で表わされる分子量分布、Mw/Mn;及び c) 同じI2とMw/Mnを有する線状オレフィンポリ
マーの表面メルトフラクチャーが起こり始める時の臨界
せん断速度より少なくとも50%大きい、表面メルトフ
ラクチャーが起こり始める時の臨界せん断速度。
【0012】他の態様においては、この実質的に線状で
あるオレフィンポリマーは、下記性状を有することによ
って特徴づけられる。 a) 5.63以上のメルトフロー比、I10/I2;及
び b) 1.5〜2.5の分子量分布、Mw/Mn。
【0013】さらに他の態様においては、この実質的に
線状であるオレフィンポリマーは、下記性状を有するこ
とによって特徴づけられる。 a) 5.63以上のメルトフロー比、I10/I2; b) 1.5〜2.5の分子量分布、Mw/Mn;及び c) 同じI2とMw/Mnにおいて、線状オレフィンポ
リマーの表面メルトフラクチャーが起こり始める時の臨
界せん断速度より少なくとも50%大きい、表面メルト
フラクチャーが起こり始める時の臨界せん断速度。
【0014】この実質的に線状であるオレフィンポリマ
ーは同じI2とMw/Mnにおいて、線状オレフィンポリ
マーの表面メルトフラクチャーが起こり始める時の臨界
せん断速度より少なくとも50%大きい、表面メルトフ
ラクチャーが起こり始める時の臨界せん断速度を有する
ことによって特徴づけられる。
【0015】さらに他の態様においては、この実質的に
線状であるオレフィンポリマーは、下記性状を有するこ
とによって特徴づけられる。 a) ポリマーのバックボーンに沿った炭素1000個
当り、0.01〜3個の長分岐鎖;及び b) 4×106 dyne /cm2より大きい、グロス・メル
トフラクチャーが起こり始める時の臨界せん断応力。
【0016】この実質的に線状であるオレフィンポリマ
ーは、下記性状を有することによって特徴づけられる。 a) ポリマーのバックボーンに沿った炭素1000個
当り、0.01〜3個の長分岐鎖;及び b) 同じI2とMw/Mnにおいて、線状オレフィンポ
リマーの表面メルトフラクチャーが起こり始める時の臨
界せん断速度より少なくとも50%大きい、表面メルト
フラクチャーが起こり始める時の臨界せん断速度。
【0017】また、さらに他の態様においては、この実
質的に線状であるオレフィンポリマーは、下記性状を有
することによって特徴づけられる。 a) ポリマーのバックボーンに沿った炭素1000個
当り、0.01〜3個の長分岐鎖;及び b) 5.63以上のメルト・フロー比、I10/I2
及び c) 1.5〜2.5の分子量分布、Mw/Mn。
【0018】この弾性で実質的に線状であるオレフィン
ポリマーは、また、同じI2とMw/Mnにおいて、比較
線状オレフィンポリマーのプロセッシング・インデック
ス(PI)の70%と同等か小さいPIを有する。この
実質的に線状であるオレフィンポリマー及び少なくとも
一種の他の天然又は合成ポリマーを含有する組成物もま
た本発明の範囲内である。エチレン単独重合体又はエチ
レンと少なくとも一種のC3〜C20α−オレフィンとの
インターポリマーを含有する弾性で実質的に線状である
オレフィンポリマー組成物は特に好ましい。
【0019】「線状オレフィンポリマー」という用語
は、そのオレフィンポリマーが長分岐鎖(long chain b
ranching)を有していないことを意味する。すなわち、
線状オレフィンポリマーは、長分岐鎖を持たず、例え
ば、ヂーグラー重合法(例えば、米国特許第4,07
6,698(アンダーセンら))によって製造される、
しばしば不均一ポリマー(heterogeneous polymers)と
呼ばれる、従来の線状低密度ポリエチレンポリマー又は
線状高密度ポリエチレンポリマーである。「線状オレフ
ィンポリマー」という用語は、多くの長分岐鎖を有する
として当業者に知られている、高圧分岐ポリエチレン、
エチレン/ビニルアセテート共重合体又はエチレン/ビ
ニルアルコール共重合体を示すものではない。「線状オ
レフィンポリマー」という用語は、しばしば均一ポリマ
ー(homoeneous polymers)と呼ばれることもある、均
一短分岐分布重合法を用いて製造されるポリマーをも示
す。そのような均一に分岐したポリマー又は均一ポリマ
ーは、米国特許第3,645,992号(Elston)に記
載されたもの、及び比較的高いオレフィン濃度を有する
バッチ反応器中でいわゆるシングルサイト触媒を用いて
製造されたもの(米国特許第5,026,798号(Ca
nich)又は米国特許第5,055,438号(Canich)
に記載)、又は同様に比較的高いオレフィン濃度を有す
るバッチ反応器中で拘束幾何触媒(constrained geomet
ry catalysts)を用いて製造されたもの(米国特許第
5,064,802号(Stevensら)又は欧州特許公開
公報第0416815A2号(Stevensら)に記載)で
ある。この均一分岐/均一ポリマーは、コモノマーが所
定のインターポリマー中に偏りなく分散し、また実質的
に全てのインターポリマー分子がそのインターポリマー
中に同じエチレン/コモノマー比を有する。しかし、こ
れらのポリマーもまた例えばエクソン・ケミカル社がそ
の1992年2月の「Tappi Journa Paper」で教示して
いるように、長分岐鎖を有していないポリマーである。
【0020】「実質的に線状である」ポリマーという用
語は、ポリマーのバックボーンが、炭素1000個当
り、0.01〜3個の長分岐鎖、より好ましくは0.0
1〜1個の長分岐鎖、特に好ましくは0.05〜1個の
長分岐鎖によって置換されていることを意味する。従来
の均一ポリマーと同様に、本発明の実質的に線状である
エチレン/α−オレフィン共重合体は単一の融点を有す
る。これは、2つ又はそれ以上の融点(示差走査熱量計
(DSC)を用いて決定される)を有する従来のヂーグ
ラー重合不均一線状エチレン/α−オレフィン共重合体
と異なる。ここで長分岐鎖は、少なくとも6個の炭素を
有する長さの分子鎖として特定される。それより長い分
子鎖は、13C核磁気共鳴分光法を用いて区別することが
できない。長分岐鎖は、そのポリマー・バックボーンの
長さとほぼ同じ長さとなり得る。
【0021】長分岐鎖は、13C核磁気共鳴分光法を用い
て決定され、ランダル(Randall)の方法(「Rev. Macr
omol. Chem. Phys.」, C29 (2&3), p. 285-297;この記
載はこの明細書に包含される)を用いて定量される。
「メルトテンション」は、メルトインデックサーととも
に、特別に設計されたプーリー・トランスデューサー
(pulley transducer)によって測定される。メルトテ
ンションは、押出物又はフィランメントが、プーリーを
30rpmの標準速度で越える際に及ぼす荷重である。
このメルトテンションの測定機は、東洋精機によって製
造される「メルトテンション・テスター」と同様であ
り、ジョン・ディーリー(John Dealy)によって「Rheo
meters for Molten Plastics」,published by Van Nost
rand Reinhold Co. (1982), p. 250-251 に記載されて
いる。これらの新規ポリマーのメルトテンションは、ま
た驚くべきほど良好で、特に非常に狭い分子量分布を有
する実質的に線状であるオレフィンポリマー(例えばM
w/Mn が1.5〜2.5)の場合、例えば約2g以上
と高い。
【0022】SCBDI(Short Chain Branch Distrib
ution Index)又はCDBI(Composition Distributio
n Branch Index)は、メディアン総モル・コモノマー量
の50%以内のコモノマー量を有するポリマー分子の重
量百分率で表わされる。ポリマーのCDBIは、従来技
術において知られた方法で得られるデータから容易に計
算される。そのような方法としては、例えば、ワイルド
ら(Wild etal)の「Journal of Polymer Science, Pol
y. Phys. Ed.」, Vol. 20, p.441(1982)又は米国特許第
4,798,081号に記載された昇温溶出分離法(te
mperature rising elution fractionation; 以下、「T
REF」と略す)がある。本発明の実質的に線状である
オレフィンポリマーのSCBDI又はCDBIは、好ま
しくは30%より大きく、特に好ましくは50%より大
きい。
【0023】ここで請求の範囲に記載されたポリマーの
ユニークな特徴は、I10/I2値が多分散性指標(すな
わち、Mw/Mn)に基本的に依存していないという、極
めて予想できなかった流れ特性である。これは、従来の
ジーグラー重合不均一ポリエチレン樹脂と相反するもの
であり、また多分散性指標が増加するにつれて、I10
2値もまた増加するというレオロジー特性を有する、
従来のシングルサイト触媒によって重合された均一ポリ
エチレン樹脂とも相反するものである。
【0024】本発明においては、エチレン又はエチレン
/α−オレフィンの実質的に線状であるオレフィンポリ
マーは、ASTM D-792に基づいて測定され、通
常は0.85〜0.97 g/cm3、好ましくは0.85〜
0.955 g/cm3、そして特に好ましくは0.85〜
0.92 g/cm3である。
【0025】本発明においては、エチレン又はエチレン
/α−オレフィンの実質的に線状であるオレフィンポリ
マーの分子量は、便宜的に、ASTM D−1238
(190℃/2.16Kgの条件(以前から「条件E」と
して、またI2として知られている)に基づいてメルト
インデックス測定によって示される。メルトインデック
スは、そのポリマーの分子量に逆比例する。従って、分
子量が大きくなれば、その関係は直線的ではないが、メ
ルトインデックスは小さくなる。ここで用いられるエチ
レン又はエチレン/α−オレフィンの実質的に線状であ
るオレフィンポリマーのメルトインデックスは、通常
0.01〜1000 g/10 min、好ましくは0.01〜
100 g/10 min、そして特に好ましくは0.01〜1
0 g/10 minである。
【0026】この実質的に線状であるオレフィンポリマ
ーの分子量を特徴づける他の有用な測定法としては、便
宜上、ASTM D−1238(190℃/10Kgの条
件(以前から「条件N」として、またI10として知られ
ている)に基づくメルトインデックス測定がある。これ
らの2つのメルトインデックス項目の比率が、メルトフ
ロー比であり、I10/I2として表わされる。本発明の
実質的に線状であるエチレン/α−オレフィンポリマー
の場合は、I10/I2値は長分岐鎖の程度を示す。すな
わち、I10/I2値が高ければ高いほど、そのポリマー
中により多くの長分岐鎖があることを示す。一般的に、
本発明の実質的に線状であるエチレン/α−オレフィン
ポリマーのI10/I2値は、少なくとも5.63、好ま
しくは少なくとも7、特に好ましくは少なくとも8であ
る。一般的に、このI10/I2値は、50以下、好まし
くは30以下、より好ましくは20以下である。
【0027】添加剤、例えば酸化防止剤(例えば、障害
フェノール類(例えば、チバ−ガイギー社製のIRGA
NOX1010)、亜燐酸塩(例えば、チバ−ガイギー
社製のIRGAFOS168))、クリング剤(例え
ば、PIB)、粘着防止剤、顔料等が、それらが出願人
によって発見された改良された性状を阻害しない範囲で
このポリエチレン組成物に配合される。
【0028】分子量分布の同定 全てのインターポリマー生成物のサンプル、及び個々の
インターポリマーのサンプルは、ゲル・パーミエーショ
ン・クロマトグラフィー(GPC)で分析される。分析
は、140℃の系温度で運転される、3つの混合多孔ー
カラム(ポリマー・ラボラトリー103、104、105
及び106)を備えたウオーターズの150C高温クロ
マトグラフィー・ユニットで行われる。溶剤は1,2,
4−トリクロロベンゼンであり、その溶剤に0.3重量
%のサンプルを含む溶液が射出のために調製される。そ
の流量は1.0 ml/minで、注入量は200μlである。
【0029】分子量の同定は、標準狭分子量分布ポリス
チレン(ポリマーラボラトリー製)とその溶出量を勘案
して判断される。対応ポリエチレン分子量は、ポリエチ
レンとポリスチレンのために適当なMark-Houwink係数を
用い、次の式から導くことによって決定できる(ウィリ
アムス(Williams)及びワード(Word)によって、「Jo
urnal of Polymer Science, Polymer Letters」, Vol.
6, (621)1968 に記載)。 Mpolyethylene = a・(Mpolystyrene)b この式中、aは0.4316であり、bは1.0であ
る。重量平均分子量、Mwは次の式に基づいて通常の方
法で計算される。 Mw = RWi・Mi 式中、Wi及びMiは、それぞれGPCカラムから溶出
するi番目の重量分及び分子量である。
【0030】本発明の実質的に線状であるオレフィンポ
リマーの分子量分布(Mw/Mn)は通常5より小さく、
好ましくは1.5〜2.5、特に好ましくは1.7〜
2.3である。
【0031】プロッセシング・インデックスの同定 レオロジカル・プロセッシング・インデックス(PI)
は、ガス・イクストルージョン・レオメーター(GE
R)で測定される。GERは、エム・シダ(M.Shid
a)、アール・エヌ・シュロッフ(R. N. Shroff)及び
エル・ヴィー・カンチオ(L. V. Cancio)によって、
「Polym. Eng. Sci.」, Vol. 17, no. 11,p.770(1977)
及びジョン・ディーリー(John Dealy)による「Rheome
ters for Molten Plastics」, published by Van Nostr
and Reinhold Co. (1982), p.97-99に記載されている。
プロセッシング・インデックスは、190℃の温度で、
2500psig.の窒素圧力下、0.0296インチ(7
52μm)の直径、20:1のL/D及び180度の入
口角を有するダイを用いて測定される。GERプロセッ
シング・インデックスは、次の式からmpoise単位を用い
て計算される。 PI= 2.15×106 dyne/cm2(1000倍せん
断速度) 式中、2.15×106 dyne/cm2は、2500psiの時
のせん断応力であり、せん断速度は次の式で表わされる
壁におけるせん断速度である。 32Q’/(60sec/min)(0.745)(直径×
2.54cm/in)3 式中、Q’は押出速度(gms/min);0.745はポリ
エチレンの溶融密度(g/cm3);そして直径はキャピラ
リーのオリフィスの直径(インチ)である。PIは、見
掛けせん断応力が2.15×106 dyne/cm2の時の材
料の見掛け粘度である。
【0032】ここに開示されている実質的に線状である
オレフィンポリマーの場合は、PIは、同じI2とMw/
Mnにおいて、比較線状オレフィンポリマーのそれの7
0%と同等かそれより小さい。
【0033】見掛けせん断応力対見掛けせん断速度のプ
ロットはメルトフラクチャー現象を特定するために用い
られる。ラママーシー(Ramamurthy)によれば、「Jour
nalof Rheology」, 30(2), 337-357, 1986において、あ
る臨界フローレートより上では、観測される押出物の不
規則性は、広く分類して2つの主なタイプ、すなわち表
面メルトフラクチャー及びグロス・メルトフラクチャー
とに分類される。
【0034】表面メルトフラクチャーは、明らかに安定
した流れ条件下で起こり、また詳しくは、正光沢の損失
から「シャークスキン」のよりひどい状態まで変化す
る。本明細書において、表面メルトフラクチャーの起こ
り始めは、押出物の表面粗さが40倍の拡大だけで確認
できる時の、押出物の光沢の損失の始期として特定され
る。
【0035】この実質的に線状であるオレフィンポリマ
ーの表面メルトフラクチャーが起こり始める時の臨界せ
ん断速度は、同じI2とMw/Mnにおいて、線状オレフ
ィンポリマーの表面メルトフラクチャーが起こり始める
時の臨界せん断速度より少なくとも50%大きい。好ま
しくは、本発明の実質的に線状であるオレフィンポリマ
ーの表面メルトフラクチャーが起こり始める時の臨界せ
ん断速度は、2.8×106 dyne/cm2より大きい。
【0036】グロス・メルトフラクチャーは、不安定な
流れ条件で起こり、詳しくは規則的な歪(例えば、粗い
部分と滑らかな部分が交互に現われる、ヘリカル状等)
から不規則な歪まで変化する。商業的な許容性を考慮す
ると(例えば、ブロウンフィルム製品で)、表面欠陥
は、もしあるとすれば、最小限とすべきである。ここで
は、表面メルトフラクチャーが起こり始める臨界せん断
速度(OSMF)及びグロス・メルトフラクチャーが起
こり始める臨界せん断応力(OGMF)は、GERによ
って押出される押出物の表面粗さ及び形状の変化に基づ
く。本発明の実質的に線状であるオレフィンポリマーの
場合は、グロス・メルトフラクチャーが起こり始める時
の臨界せん断応力は、好ましくは4×106 dyne/cm2
より大きく、10×106 dyne/cm2より大きくない。
なお、本発明の実質的に線状であるオレフィンポリマー
の重量平均分子量は、特にこれに限定されないが、1,
000〜1,000,000、好ましくは10,000
〜800,000の範囲とすることができる。
【0037】拘束幾何触媒 ここで用いられる適当な拘束幾何触媒(constrained ge
ometry catalysts)は、好ましくは、米国特許第5,0
64,802号及び第5,132,380号;1990
年7月3日に出願された米国特許出願第545,403
号(日本国特許出願公開公報第平3−163,088
号);及び1991年6月24日に出願された米国特許
出願第720,041号に記載された拘束幾何触媒を含
む。米国特許第5,026,798号に教示されたモノ
シクロペンタジエニル遷移金属オレフィン重合触媒もま
た、重合条件が本明細書に記載されたものと実質的に一
致する限り、本発明のポリマーを調製するのに適当であ
る。これらの特許等の触媒に関する記載は、本明細書に
包含される。
【0038】上記触媒は、元素の周期律表の3〜10族
又はランタナイド系列の金属、及び拘束を誘起する基
(constrain-inducing moiety)で置換された脱局在化
(delocalized)π結合部(π-bonded moiety)を含む
金属配位錯体を含有することによってさらに説明さる。
そして、その錯体は、該金属原子の周りに拘束幾何形状
をもっていて該脱局在化置換π結合部の図心(centroi
d)と少なくとも1つの残存置換部分の中心との間の金
属の角度が該拘束を誘起する基を持たないことのみが異
なる同様の錯体中のこのような角度より小さく、そして
更に1つ以上の脱局在化置換π結合部を含むそのような
錯体について錯体のそれぞれの金属原子ごとにその1つ
のみが環状の脱局在化置換π結合部である。この触媒
は、さらに活性化共触媒を含有する。
【0039】特に好ましい錯体は、次式に相当するアミ
ドシラン−又はアミドアルカンジイル−化合物である。
【0040】
【化1】
【0041】式中、Mは、シクロペンダジエニル基にη
5結合様式で結合しているチタン、ジルコニウウム又は
ハフニウムであり;R’、はそれぞれ水素、10個まで
の炭素又はケイ素原子を有するシリル、アルキル、アリ
ール及びそれらの組合せからなる群から選ばれ;Eは、
ケイ素又は炭素であり;Xは、それぞれハイドライド、
ハロゲン、10個までの炭素を有する、アリール、アリ
ールオキシ又はアルコキシであり;mは、1又は2であ
り;そしてnは、1又は2である。
【0042】上記の非常に好ましい金属配位化合物とし
て、アミド基のR’がメチル、エチル、プロピル、ブチ
ル、ペンチル、ヘキシル(異性体を含む)、ノルボニ
ル、ベンジル、フェニル等であり;シクロペンタジエニ
ル基がシクロペンタジエニル、インデニル、テトラヒド
ロインデニル、フルオレニル、オクタヒドロフルオレニ
ル等であり;上記のシクロペンタジエニル基のR’がそ
れぞれ水素、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペン
チル、ヘキシル(異性体を含む)、ノルボニル、ベンジ
ル、フェニル等であり;そしてXがクロロ、ブロモ、ヨ
ード、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、
ヘキシル(異性体を含む)、ノルボニル、ベンジル、フ
ェニル等である化合物が挙げられる。具体的な化合物と
して(t−ブチルアミド)(テトラメチル−η5−シク
ロペンタジエニル)−1,2−エタンジイルジルコニウ
ムジクロライド、(t−ブチルアミド)(テトラメチル
−η5−シクロペンタジエニル)−1,2−エタンジイ
ルチタンジクロライド、(メチルアミド)(テトラメチ
ル−η5−シクロペンタジエニル)−1,2−エタンジ
イルジルコニウムジクロライド、(メチルアミド)(テ
トラメチル−η5−シクロペンタジエニル)−1,2−
エタンジイルチタンジクロライド、(エチルアミド)
(テトラメチル−η5−シクロペンタジエニル)メチレ
ンチタンジクロライド、(t−ブチルアミド)ジベンジ
ル(テトラメチル−η5−シクロペンタジエニル)シラ
ンジルコニウムジベンジル、(ベンジルアミド)ジメチ
ル(テトラメチル−η5−シクロペンタジエニル)シラ
ンチタンジクロライド、(フェニルホスフィド)ジメチ
ル(テトラメチル−η5−シクロペンタジエニル)シラ
ンジルコニウムジベンジル、(t−ブチルアミド)ジメ
チル(テトラメチル−η5−シクロペンタジエニル)シ
ランチタンジメチル等が挙げられる。
【0043】これらの錯体は、米国特許出願第545,
403号(1990年7月3日出願)及び同出願第70
2,475号(1991年5月20日出願)に開示され
た方法を用いて調製することができる。これらの記載
は、本明細書に包含される。さらに、これらの錯体は、
同時に係属する米国特許出願第778,433号(発明
の名称「金属配位錯体の製造(I)、ピーター・ニクラ
ス(Peter Nicklas)及びデビッド・ウイルソン(David
Wilson)によって、1991年10月15日出願)、
同時に係属する米国特許出願第778,432号(発明
の名称「金属配位錯体の製造(II)、ピーター・ニク
ラス(Peter Nicklas)及びデビッド・ウイルソン(Dav
id Wilson)によって、1991年10月15日出
願)、及びそれらから発行される特許の記載に基づいて
調製できる。
【0044】ここで用いられる適当な共触媒としては、
高重合度もしくは低重合度アルミノキサン、中でも、メ
チルアルミノキサンが挙げられ、又不活性、コンパチブ
ル、非配位性イオン形成化合物も好適である。いわゆる
変性メチルアルミノキサン(MMAO)は、また共触媒
として使うのにも適している。そのような変性メチルア
ルミノキサンを調製する一方法は、米国特許第5,04
1,584号に開示されている。アルミノキサンは、ま
た米国特許第5,542,199号;第4,544,7
62号;及び第5,041,585号に開示されている
ようにして調製することができる。より好適な共触媒は
不活性、非配位性ホウ素化合物である。
【0045】本発明のポリマーの重合に用いうるイオン
性活性触媒部分(ionic activecatalyst species)は、
また米国特許出願第545,403号(1990年7月
3日出願);同出願第07/720,041号(199
1年6月24日出願);同出願第07/876,268
号(1992年5月1日出願);米国特許第5,02
6,798号;米国特許第5,064,802号;及び
米国特許第5,132,380号に記載されている。欧
州特許公開公報第520,732号もここに開示された
ポリマーの重合に有用な触媒部分を記載している。
【0046】本発明のポリマーを製造するために使用し
うるイオン性触媒部分を調製する一方法は、 a) 第2成分(次に示す)のカチオンと結合する少な
くとも1種の置換基を有する、元素の周期律表の第3〜
10族又はランタナイド系列の金属のモノ(シクロペン
タジエニル)誘導体であって、始めにその価より1つ少
ない配位数を有するカチオンを形成することができる少
なくとも1つの第1成分;及び b) ブレンステッド酸及び非配位、コンパチブルアニ
オンの塩である少なくとも1つの第2成分;を結合する
工程を含む。
【0047】さらに詳しくは、ブロンステッド酸塩の非
配位性、コンパチブルアニオンは、電荷を有する金属又
はメタロイドのコアを含む単一の配位錯体を含み、その
アニオンは嵩高であり、かつ非求核性である。ここで用
いている、「メタロイド」という表現は、ホウ素、リン
等の非金属であり、これは金属に似た特徴を示す。
【0048】本発明のカチオン錯体の製造に使用しう
る、例示的でこれに限定しない、モノシクロペンタジエ
ニル金属成分(第一成分)の例は、チタン、ジルコニウ
ム、バナジウム、ハフニウム、クロム、ランタン等の誘
導体である。好ましい成分は、チタン又はジルコニウム
の化合物である。好適なモノシクロペンタジエニル金属
化合物の例は、ヒドロカルビル置換モノシクロペンタジ
エニル金属化合物、例えば(t−ブチルアミド)(テト
ラメチル−η5−シクロペンタジエニル)−1,2−エ
タンジイルジメチル、(t−ブチルアミド)(テトラメ
チル−η5−シクロペンタジエニル)−1,2−エタン
ジイルジルコニウムジメチル、(メチルアミド)(テト
ラメチル−η5−シクロペンタジエニル)−1,2−エ
タンジイルジルコニウムジベンジル、(メチルアミド)
(テトラメチル−η5−シクロペンタジエニル)−1,
2−エタンジイルチタンジメチル、(エチルアミド)
(テトラメチル−η5−シクロペンタジエニル)メチレ
ンチタンジメチル、(t−ブチルアミド)ジベンジル
(テトラメチル−η5−シクロペンタジエニル)シラン
ジコニウムジベンジル、(ベンジルアミド)ジメチル
(テトラメチル−η5−シクロペンタジエニル)シラン
チタンジフェニル、(フェニルホスフィド)ジメチル
(テトラメチル−η5−シクロペンタジエニル)シラン
ジルコニウムジベンジル等が挙げられる。
【0049】本発明においてイオン性触媒の製造に第2
成分として有用な化合物は、プロトン供与性のブレンス
テッド酸のカチオン及びコンパチブルな非配位性アニオ
ンを含む。好ましいアニオンは電荷を有する金属又はメ
タロイドのコアを含む単一の配位錯体を含むアニオンで
あり、このアニオンは比較的大きく(嵩高)、活性触媒
(第3〜10族又はランタナイド系列のカチオン)を安
定化しうる。これは2つの成分を混合する時に生成さ
れ、そしてそのアニオンはオレフィン性、ジオレフィン
性又はアセチレン性の不飽和基又は他の中性ルイス塩
基、例えばエーテル、ニトリル等によって置換されるほ
ど十分に可動性である。好適な金属としては、アルミニ
ウム、金、白金等が挙げられるが、これに限定されるも
のではない。好適なメタロイドとしてホウ酸、リン、ケ
イ素等が挙げられるが、これらに限定されるものではな
い。単一の金属又はメタロイド原子を含む配位錯体から
なるアニオンを含有する化合物はもちろん周知であり、
そして多くの、特にアニオン部分に単一のホウ素原子を
含むそのような化合物は商業的に入手しうる。この観点
から、単一のホウ素原子を含む配位錯体からなるアニオ
ンを含む塩が好ましい。
【0050】本発明の改良触媒の製造に使用する第2成
分は、これらに限定されないが、トリアルキル置換アン
モニウム塩、例えばトリエチルアンモニウムテトラフェ
ニルボレート、トリプロピルアンモニウムテトラフェニ
ルボレート、トリス(n−ブチル)アンモニウムテラフ
ェニルボレート、トリメチルアンモニウムテトラキス
(p−トリルボレート)、トリブチルアンモニウムテト
ラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリプロ
ピルアンモニウムテトラキス(2,4−ジメチルフェニ
ル)ボレート、トリブチルアンモニウムテトラキス
(3,5−ジメチルフェニル)ボレート、トリエチルア
ンモニウムテトラキス(3,5−ジ−トリフルオロメチ
ルフェニル)ボレート等が挙げられる。又、N,N−ジ
アルキルアニリニウム塩、例えばN,N−ジメチルアニ
リニウムテトラフェニルボレート、N,N−ジエチルア
ニリニウムテトラフェニルボレート、N,N−2,4,
6−ペンタメチルアニリニウムテトラフェニルボレート
等;ジアルキルアンモニウム塩、例えばジ−(i−プロ
ピル)アンモニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニ
ル)ボレート、ジシクロヘキシルアンモニウムテトラフ
ェニルボレート等;及びトリアリールホスホニウム塩、
例えばトリフェニルホスホニウムテトラフェニルボレー
ト、トリ(メチルフェニル)ホスホニウムテトラキス
(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリ(ジメチル
フェニル)ホスホニウムテトラフェニルボレート等も好
ましい。
【0051】好ましいイオン性触媒は、次の式に相当す
る限定電荷分離構造(limitingcharge separated struc
ture)を有するものである。
【0052】
【化2】
【0053】式中、Mは、元素の周期律表の第3〜10
族又はランタナイド系列の金属であり;Cp* は、Mに
η5結合様式で結合しているシクロペンタジエニル基又
は置換シクロペンタジエニル基であり;Zは、ホウ素又
は元素の周期律表の第14族の元素、そして場合に応じ
て、硫黄又は酸素であり、その部分は20個までの非水
素原子を有し、場合に応じて、Cp*及びZはともに融
着した(fuzed ring system)環系を構成する;Xは、
それぞれアニオン性配位子又は30個までの非水素原子
を有する中性ルイス塩基配位子;nは、0 、1、2、
3又は4であり、Mの原子価より2少なく;そしてXA
*-は、-XB(C653である。
【0054】重 合 本発明の実質的に線状であるポリマーの改良された溶融
弾性及び加工性は、その製造方法に由来すると考えられ
る。このポリマーは、少なくとも1個の反応器を用いた
連続(バッチ法と異なって)制御重合法によって製造す
ることができるが、また多段反応器(例えば、米国特許
第3,914,342号に記載された多段反応器配置を
使用)を用い、所望の性状を有するインターポリマーを
製造するに十分な重合温度及び重合圧力下で製造するこ
ともできる。
【0055】エチレン及びエチレン/α−オレフィン共
重合体を重合する際に、バッチ反応器法では、反応温度
及び反応圧力によって変化するエチレン溶解度にもよる
が、典型的には、反応器内容物の重量に対して、6.7
〜12.5%のエチレン濃度で運転され、反応器内容物
の重量に対して、通常5%より少ないポリマー濃度を有
する。
【0056】本発明の方法の一態様によれば、ポリマー
はバッチ法と相反する連続法において製造される。好ま
しくは、連続法の重合温度は、20℃〜250℃で、拘
束幾何触媒技術を利用する。高いI10/I2比(例えば
7以上、好ましくは8以上、特に9以上)を有する分子
量分布が狭いポリマー(Mw/Mn が1.5〜2.5)
が望まれる場合は、反応器中のエチレン濃度は、反応器
の内容物の重量に対して、好ましくは8%以下、特に好
ましくは6%以下、最も好ましくは4%以下である。好
ましくは、重合は、溶液重合法によって行われる。一般
的には、ここに記載された新規ポリマーを製造するため
に、Mw/Mn を比較的低めに保持しつつI10/I2を制
御することは、反応器温度及び/又はエチレン濃度に依
存する。低く設定されたエチレン濃度及びより高い温度
は、一般的により高いI10/I2をもたらす。一般的
に、反応器中のエチレン濃度が減少するにつれて、ポリ
マー濃度は増加する。請求の範囲に記載されている、新
規な実質的に線状であるエチレン/α−オレフィン共重
合体及び実質的に線状であるエチレン単独重合体の場
合、連続溶液重合法におけるポリマー濃度は、好ましく
は反応器の内容物に対して、5重量%より大きく、特に
好ましくは6重量%より大きい。
【0057】エチレン以外のオレフィンを種モノマーと
して用いる場合は、重合又は共重合されるオレフィンに
応じて、重合温度、圧力及びオレフィン濃度に関して適
切に調整きる。しかし、一般的に、オレフィン濃度はバ
ッチ反応器で通常使われる濃度より低く、またポリマー
濃度は、バッチ反応器で通常使われる濃度より高い。
【0058】本発明の実質的に線状であるポリマーは、
エチレン、プロピレン、4−メチル−1−ペンテン等の
2〜C20 α−オレフィンの単独重合体;またはエチレ
ンと少なくとも1種のC3〜C20 α−オレフィン及び/
又はC2〜C20 アセチレン性不飽和モノマー及び/又は
4〜C18 ジオレフィンのインターポリマーであり得
る。エチレンと少なくとも1種のC3〜C20 α−オレフ
ィン及び/又はC2〜C20 アセチレン性不飽和モノマー
及び/又はC4〜C18 ジオレフィン(その他のモノマ
ー)との共重合体を製造する場合は、エチレンとその他
のモノマーの含量の比(重量%)は、好ましくは50:
50〜100:0、より好ましくは60:40〜10
0:0、特に好ましくは70:30〜100:0の範囲
で変化できる。本発明の実質的に線状であるポリマー
は、エチレンと少なくとも1種の上記C3〜C20 α−オ
レフィン、ジオレフィン及び/又はアセチレン性不飽和
モノマーと他の不飽和モノマーとの組合せからなるイン
ターポリマーでもあり得る。
【0059】本発明によって有用に重合されるモノマー
としては、例えば、エチレン性不飽和モノマー、アセチ
レン性化合物、共役又は非共役ジエン類、ポリエン類、
一酸化炭素等が挙げられる。好ましいモノマーは、C2
〜C20 α−オレフィン、特にエチレン、1−プロペ
ン、イソブチレン、1−ブテン、1−ヘキセン、4−メ
チル−1−ペンテン及び1−オクテンを含む。他の好ま
しいモノマーは、スチレン、ハロゲン又はアルキル置換
スチレン類、テトラフルオロエチレン、ビニルベンゾシ
クロブタン、1,4−ヘキサジエン及びナフテン類(例
えば、シクロペンテン、シクロヘキセン及びシクロオク
テン)を含む。
【0060】本発明によって有用に重合される他の不飽
和モノマーとしては、例えば、エチレン性不飽和モノマ
ー、共役又は非共役ジエン類、ポリエン類等を含む。好
ましいモノマーは、C2〜C20 α−オレフィン、特にエ
チレン、プロペン、イソブチレン、1−ブテン、1−ヘ
キセン、4−メチル−1−ペンテン及び1−オクテンが
挙げられる。他の好ましいモノマーは、スチレン、ハロ
ゲン又はアルキル置換スチレン類、テトラフルオロエチ
レン、ビニルベンゾシクロブタン、1,4−ヘキサジエ
ン及びナフテン類(例えば、シクロペンテン、シクロヘ
キセン及びシクロオクテン)を含む。
【0061】本発明のポリマーを製造する重合条件は、
本発明の適用がこれに限定されることはないが、通常、
溶液重合法において用いられる条件と同じである。スラ
リー重合法及び気相重合法もまた、適当な触媒と重合条
件が用いられるならば、利用可能と考えられる。
【0062】多段反応器重合法もまた本発明においては
使用でき、それは例えば米国特許第3,914,342
号に開示されている。多段反応器は、少なくとも1つの
反応器内で少なくとも1つの拘束幾何触媒を用いて、逐
次配置でも、また並列配置でも運転することができる。
【0063】一般に、本発明による連続重合法は、ジー
グラー−ナッタ又はカミンスキー−シン型重合反応にお
いて従来技術において良く知られた条件下で達成され
る。すなわち、重合温度は0〜250℃であり、重合圧
力は常圧から1000大気圧(100MPa)である。
必要ならば、懸濁法、溶液法、スラリー法、気相法又は
その他の方法の条件を使用することもできる。担体を用
いることもできるが、好ましくは触媒は均一(例えば可
溶性)な状態で用いられる。勿論、触媒とそれの共触媒
成分が重合プロセスに直接添加され、適当な溶剤又は希
釈剤(濃縮モノマーも含む)がその重合プロセスで用い
られた場合に、活性触媒系、特に非イオン性触媒が反応
器中で(in situ)形成されることは、好ましいことで
ある。しかしながら、活性触媒を、適当な溶剤中で別の
工程でそれを重合混合物に添加する前に形成する方が好
ましい。
【0064】新規オレフィンポリマーから造られる製造
物は、従来のポリオレフィン加工技術の全てを利用して
製造することができる。有用な物は、フィルム(例え
ば、キャストフィルム、ブロウンフィルム、押出し被覆
フィルム);繊維(例えばステープルファイバー類(こ
こに開示される新規オレフィンポリマーを繊維表面の少
なくとも1部分を形成する少なくとも1つの成分として
使用することを含む)、スパンボンディッド・ファイバ
ー又はメルトブロウンファイバー(米国特許第4,34
0,563号;第4,663,220号;第4,66
8,566号;又は第4,322,027号に記載の
系)及びゲル防止ファイバー(米国特許第4,413,
110号に記載の系));織布及び不織布の両方(例え
ば、米国特許第3,485,706号に記載されたスパ
ンレースド・ファブリック)又はそのような繊維から得
られる構造(例えば、これらの繊維とPET又は綿等の
他の繊維の混合物も含む);及び成形物(例えば、射出
成形法、ブロー成形法又は回転成形法を用いて製造され
るもの)を含む。ここに記載されている新規ポリマー
は、ワイヤー及びケーブル・コーティング加工、特に低
温における熱可塑性オレフィン(例えば、ポリプロピレ
ン)の耐衝撃性の改良や、真空形成用シートの押出し加
工に有用である。
【0065】有用な組成物は、また、本発明の実質的に
線状であるオレフィンポリマー及び少なくとも一種の他
の天然又は合成ポリマーを含有するようにして好ましく
調製することができる。好ましい他のポリマーは、熱可
塑性プラスチック、例えばスチレン−ブタジエン・ブロ
ック共重合体、ポリスチレン(高耐衝撃ポリスチレンを
含む)、エチレン/ビニルアルコール共重合体、エチレ
ン/アクリル酸共重合体、その他のオレフィン共重合体
(特にポリエチレン共重合体)及び単独重合体(例え
ば、汎用の不均一触媒を用いて得られるもの)を含む。
具体例としては、米国特許第4,076,698号の方
法によって製造されるポリマー、他の線状ポリマー、本
発明の他の実質的に線状であるポリマー、及びこれらの
混合物が含まれる。本発明の他の実質的に線状であるポ
リマー及び汎用HDPE及び/又はLLDPEは熱可塑
性組成物中の使用において好ましい。
【0066】実質的に線状であるオレフィンポリマーを
含有する組成物は、いかなる都合のよい方法によって調
製される。例えば、個々の成分を乾燥混合し、次いで、
最終物(例えばフィルム)を得るために用いられる押出
機において直接あるいは別の押出機で予備溶融混合する
ことによって、溶融混合して調製される。ポリエチレン
組成物は、多段反応器重合法によっても調製することが
できる。例えば、1つの反応器では拘束幾何触媒を用い
てポリエチレンを重合し、他の反応器では不均一触媒を
用いてポリエチレンを重合することができ、これらは逐
次型運転であってもよいし、並列型運転であってもよ
い。
【0067】本発明のオレフィンポリマーを含有する組
成物は、ポリオレフィン加工の従来技術の当業者によく
知られた従来のポリオレフィン加工技術を用いて造られ
る前述したもののような加工品に形成することができ
る。
【0068】ここに記載される実施例において、特に断
わらない限り、全ての工程は、不活性雰囲気又は窒素も
しくはアルゴン雰囲気下において実施された。溶剤は、
しばしば選択的に決定され、例えば、殆どの場合ペンタ
ンか30〜60石油エーテルのいずれかを用いることが
できる。アミン、シラン、リチウム試薬、及びグリニヤ
ール試薬はアルドリッチ・ケミカル・カンパニーから購
入した。テトラメチルシクロペンタジエン(C5Me4
2)及びリチウムテトラメチルシクロペンタジエニド
(Li(C5Me4H))を調製する公知の方法として
は、シー・エム・フェンドリックら(C. M. Fendrick e
t al.)による 「Organometallics」 3,819(1984)に記
載されているものがある。リチウム化置換シクロペンタ
ジエン化合物は、典型的には、対応するシクロペンタジ
エンとn−ブチルリチウム等のリチウム試薬から調製さ
れる。チタニウムトリクロライド(TiCl3)はアル
ドリッチ・ケミカル・カンパニーから購入した。チタニ
ウムトリクロライドのテトラヒドロフラン付加物(Ti
Cl3(THF)3)は、エル・イー・マンツアー(E.L.
Manzer)の「Inorg. Syn.,」 21, 135 (1982)に記載さ
れた方法にしたがって、TiCl3をTHF中で還流
し、冷却し、青い固体生成物を分離することによって調
製された。
【0069】実施例1〜4 これらの実施例においては、C8〜C10飽和炭化水素の
混合物(ISOPARE;エクソン社製)及び[C5
4(SiMe2Nt-Bu)]TiMe2 で表わされる
金属錯体からなる触媒溶液を用いた。
【0070】重 合 実施例1〜4のポリマー生成物は、連続的に攪拌される
反応器を用いて溶液重合法で製造された。添加剤(例え
ば、酸化防止剤、顔料等)を、ペレット化の時又は製造
後、次工程の再押出とともに、インターポリマー生成物
に添加することができる。実施例1〜4は、それぞれ、
1250ppm のカルシウムステアレート、200ppm の
IRGANOX 1010及び1600ppm のIRGA
FOS 168によって安定化された。IRGAFOS
168は亜燐酸塩安定剤で、IRGANOX1010は
障害ポリフェノール安定剤(例えば、テトラキス[メチ
レン3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフ
ェニルプロピオネート)])メタン)である。両者とも
チバ−ガイギー社の商標であり、同社によって製造され
ている。
【0071】重合方法の代表例を図1に示す。
【0072】エチレン(4)及び水素は、希釈剤混合物
(3)に導入される前に、一つのストリーム(15)に
一緒にされる。典型的には、希釈剤混合物は、C8〜C
10飽和炭化水素の混合物(1)(例えば、ISOPAR
E;エクソン社製)及びコモノマー(2)を含有す
る。実施例1ではコモノマーは1ーオクテンであった。
反応器供給混合物(6)は、反応器(9)に連続的に注
入された。金属錯体(7)及び共触媒(8)(実施例1
〜4では、共触媒はトリス(ペンタフルオロフェニル)
ボレイトで、活性触媒をその場で形成する。)は、単一
のストリーム中に一緒にされ、これもまた連続的に反応
器に注入された。
【0073】金属錯体を共触媒を重合反応で用いられる
のに望ましい程度に反応させるために十分な滞留時間、
少なくとも約10秒費やされた。実施例1〜4の重合反
応では、反応器の圧力は、約490psig.で一定に保た
れた。反応器のエチレン量は安定状態に達した後、約8
%より低く維持された。
【0074】重合後に、反応器からの排出ストリーム
(14)は、分離器(10)に導入され、そこで溶融ポ
リマーは、未反応コモノマー、未反応エチレン、未反応
水素及び希釈剤混合物(13)から分離された。溶融ポ
リマーは、次にストランドにチョップされ又はペレッタ
イザー(11)中で、冷却された後に、固体ペレットが
集められた(12)。表1に、重合条件及び得られたポ
リマーの性状を示す。
【0075】
【表1】 表 1 実 施 例 1 2 3 4 エチレン供給速度(lbs/hour) 3.2 3.8 3.8 3.8 コモノマー/オレフィン比* (モル%) 12.3 0 0 0 水素/エチレン比(モル%) 0.054 0.072 0.083 0.019 希釈剤/エチレン比(重量基準) 9.5 7.4 8.7 8.7 金属錯体濃度(モル) 0.00025 0.0005 0.001 0.001 金属錯体流量(ml/min) 5.9 1.7 2.4 4.8 共触媒濃度(モル) 0.001 0.001 0.002 0.002 共触媒流量(ml/min) 2.9 1.3 6 11.9 反応器温度(℃) 114 160 160 200 反応器からの排出流中のエ チレン濃度(重量%) 2.65 3.59 0.86 1.98 生成物のI2(g/10 min) 1.22 0.96 1.18 0.25 生成物の密度(g/cm3) 0.903 0.954 0.954 0.953 生成物のI10/I2 6.5 7.4 11.8 16.1 生成物のMw/Mn 1.86 1.95 2.09 2.07 * :実施例1〜4では、コモノマー/オレフィン比は、
((1−オクテン/(1−オクテン+エチレン))のモ
ル比百分率で表わされる。
【0076】実施例3(エチレン単独重合体)の13CN
MRスペクトルは、αδ+、βδ+及び長分岐鎖に伴っ
たメチン炭素に割り当てられるピークを示した。長分岐
鎖は、前述したランダル(Randall)の方法を用いて決
定される。彼は、「重合中にオレフィンが添加されない
高密度ポリエチレンにおけるこれらの共鳴を検出するこ
とは、長分岐鎖が存在すること強く示唆する。」ランダ
ルの式141(第292頁)を用いると、 (10,000個の炭素当りの分岐)=[((1/3)
(α))/TTot)]×104 式中、αは分岐(αδ+)炭素からの炭素の平均強度で
あり、TTotは総炭素強度であり、このサンプル中の長
分岐鎖の数は10,000個の炭素当り3.4又は1,
000個の炭素当り0.34個の長分岐鎖があると特定
できた。
【0077】実施例5,6及び比較例7〜9 実施例5,6及び同じメルトインデックスを有する比較
例7〜9が、レオロジーを比較するために実験された。
実施例5及び6は、実施例1〜4に記載されたような拘
束幾何触媒技術によって製造された実質的に線状である
ポリエチレンである。比較例7、8及び9は、従来の不
均一ジーグラー重合によるDOWLEX2045A、A
TTANE4201及びATTANE4403(これら
は全てザ・ダウ・ケミカル・カンパニーによって製造さ
れたエチレン/1−オクテン共重合体)から得られたブ
ロウンフィルムである。
【0078】比較例7は、200ppm のIRGANOX
1010及び1600ppm のIRGAFOS 168に
よって安定化され、一方、比較例8及び9は、200pp
m のIRGANOX 1010及び800ppm のPEP
Qで安定化された。PEPQは、サンドス・ケミカルの
商標であり、主成分は、テトラキス(2,4−ジ−t−
ブチルフェニル)−4,4’−ビフェニルホスホナイト
であると考えられる。各実施例と比較例の物理的性状の
比較を表2に示す。
【0079】
【表2】 表 2 性 状 実5 実6 比7 比8 比9 2 (g/10 min.) 1 1 1 1 0.76 密度(g/cm3) 0.92 0.902 0.92 0.912 0.905 I10/I2 9.45 7.61 7.8-8 8.2 8.7 Mw/Mn 1.97 2.09 3.5-3.8 3.8 3.8-4
【0080】驚くべきことに、実施例5及び6の分子量
分布が狭い場合でも(すなわち、Mw/Mnが小さい)、
10/I2値は比較例7〜9と比べて高い。ここに記載
されたいくつかの新規ポリマーと従来の不均一ジーグラ
ーポリマーにおける、I10/I2とMw/Mnとの関係の
比較は、図2に示されている。本発明の新規ポリマーの
10/I2値は、従来のジーグラー重合樹脂ではそうで
ないけれど、基本的に分子量分布、Mw/Mnに左右され
ない。実施例5及び同様のメルトインデックス及び密度
を有する比較例7(表2参照)は、またガス・イクスト
ルージョン・レオメーター(GER)によって、190
℃で0.0296インチ径の20L/Dダイを用いて押
出された。プロセッシング・インデックス(PI)は、
前述したように、2.15×106dyne/cm2の見掛けせ
ん断応力で測定された。グロス・メルトフラクチャーの
起こり始めは、図3に示したように、せん断速度が急激
に跳ね上がることを示す、せん断応力とせん断速度のプ
ロットから容易に特定することができる。表3は、せん
断応力と対応するグロス・メルトフラクチャーが起こり
始める前のせん断応力の比較を示す。実施例5のPIが
比較例7のPIより20%も低いことと、実施例5のメ
ルトフラクチャー又はシャークスキンの起こり始めは、
比較例7と比べてかなり高いせん断応力及びせん断速度
で起こったことは特に興味のあることであった。さらに
は、実施例5の弾性率及びメルトテンション(MT)
は、比較例7のそれより高かった。
【0081】
【表3】 表 3 性 状 実施例5 比較例7 2(g/10 min) 1 1 I10/I2 9.45 7.8-8 PI(kpoise) 11 15 メルトテンション(gms) 1.89 1.21 0.1 rad/secでの弾性率 242.5 882.6 (dyne/cm2) OGMF*臨界せん断速度 > 1556 936 (1/sec) (観測できず) OGMF*臨界せん断応力 0.452 0.366 (MPa) OSMF**臨界せん断速度 > 1566 約628 (1/sec) (観測できず) OSMF**臨界せん断応力 約0.452 約0.25 (MPa) * : グロス・メルトフラクチャーの起こり始め** : 表面メルトフラクチャーの起こり始め
【0082】実施例6及び比較例9は同様のメルトイン
デックスと密度を有していたが、実施例6は低いI10
2を有していた(表4参照)。これらのポリマーは、
ガス・イクストルージョン・レオメーター(GER)に
よって、190℃で0.0296インチ径の20L/D
ダイを用いて押出された。プロセッシング・インデック
ス(PI)は、前述したように、2.15×106dyne/
cm2見掛けせん断応力で測定された。
【0083】
【表4】 表 4 性 状 実施例6 比較例9 2(g/10 min) 1 0.76 I10/I2 7.61 8.7 PI(kpoise) 14 15 メルトテンション(gms) 1.46 1.39 0.1 rad/secでの弾性率 1481 1921 (dyne/cm2) OGMF*臨界せん断速度 1186 652 (1/sec) OGMF*臨界せん断応力 0.431 0.323 (MPa) OSMF**臨界せん断速度 約764 約402 (1/sec) OSMF**臨界せん断応力 0.366 0.280 (MPa) * : グロス・メルトフラクチャーの起こり始め** : 表面メルトフラクチャーの起こり始め
【0084】グロス・メルトフラクチャーの起こり始め
は、図4に示したように、せん断速度)が3.23×1
6dyne/cm2(0.323MPa)の見掛けせん断応力
の時急激に増加する、せん断応力とせん断速度のプロッ
トから容易に特定することができる。表4は、せん断応
力と対応するグロス・メルトフラクチャーが起こり始め
る前のせん断応力の比較を示す。実施例6のPIは、驚
くべきことに、I10/I2が実施例6よりも低かったの
に、比較例9のPIとほぼ同じであった。実施例6のメ
ルトフラクチャー又はシャークスキンの起こり始めは、
比較例9と比べてかなり高いせん断応力及びせん断速度
であった。さらには、実施例6のメルトインデックスが
比較例9より少し高く、I10/I2が少し低かったにも
かかわらず、実施例6のメルトテンション(MT)が、
比較例9のそれより高かったこともまた予想できないこ
とであった。
【0085】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば高
い強度及び高い靱性の強さに加えて、改良された加工性
を有するオレフィンポリマー、及びその製造法を提供す
ることができる。
【0086】
【図面の簡単な説明】
【図1】 第1図は、本発明のポリマーを製造する好ま
しい重合方法の概略図である。
【図2】 第2図は、本発明の2つの実施例といくつか
の比較例における、I10/I2とMw/Mnとの関係を示
すデータをプロットしたものである。
【図3】 第3図は、ここに記載された本発明の実施例
といくつかの比較例における、せん断応力対せん断速度
をプロットしたものである。
【図4】 第4図は、ここに記載された本発明の実施例
といくつかの比較例における、せん断応力対せん断速度
をプロットしたものである。
【符号の説明】
2:コモノマー、3:希釈剤混合物、4:エチレン、
5:水素、6:反応器供給混合物、7:金属錯体、8:
共触媒、9:反応器、10:分離器、11:ペレッタイ
ザー、12:固体ペレット、13:希釈剤混合物、1
4:排出ストリーム、15:1ストリーム。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ジョン・アール・ウィルソン アメリカ合衆国、テキサス 77531、リッ チウッド、コリエール 118 (72)発明者 ジョージ・ダブリュー・ナイト アメリカ合衆国、テキサス 77566、レイ ク ジャクソン、ノース ロード 1618 (72)発明者 ジェイムズ・シー・スティーブンス アメリカ合衆国、ミシガン 48642、ミッ ト゛ランド、ジョージタウン ドライブ 2704 (72)発明者 パクウィング・スティーブ・チュン アメリカ合衆国、テキサス 77566、レイ ク ジャクソン、ジューニパー 126

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記性状を有する実質的に線状であるオレ
    フィンポリマーであることを特徴とするオレフィンポリ
    マー。 a) 5.63以上のメルトフロー比、I10/I2; b) 式、 Mw/Mn≦ (I10/I2)−4.63 で表わされる分子量分布、Mw/Mn;及び c) 4×106 dyne/cm2より大きい、グロス・メル
    トフラクチャーが起こり始める時の臨界せん断応力。
  2. 【請求項2】下記性状を有する実質的に線状であるオレ
    フィンポリマーであることを特徴とするオレフィンポリ
    マー。 a) 5.63以上のメルトフロー比、I10/I2; b) 式、 Mw/Mn≦ (I10/I2)−4.63 で表わされる分子量分布、Mw/Mn;及び c) 同じI2とMw/Mnを有する線状オレフィンポリマ
    ーの表面メルトフラクチャーが起こり始める時の臨界せ
    ん断速度より少なくとも50%大きい、表面メルトフラ
    クチャーが起こり始める時の臨界せん断速度。
  3. 【請求項3】下記性状を有する実質的に線状であるオレ
    フィンポリマーであることを特徴とするオレフィンポリ
    マー。 a) 5.63以上のメルトフロー比、I10/I2;及
    び b) 1.5〜2.5の分子量分布、Mw/Mn。
  4. 【請求項4】下記性状を有する実質的に線状であるオレ
    フィンポリマーであることを特徴とするオレフィンポリ
    マー。 a) 5.63以上のメルトフロー比、I10/I2; b) 1.5〜2.5の分子量分布、Mw/Mn;及び c) 同じI2とMw/Mnにおいて、線状オレフィンポ
    リマーの表面メルトフラクチャーが起こり始める時の臨
    界せん断速度より少なくとも50%大きい、表面メルト
    フラクチャーが起こり始める時の臨界せん断速度。
  5. 【請求項5】同じI2とMw/Mnにおいて、線状オレフ
    ィンポリマーの表面メルトフラクチャーが起こり始める
    時の臨界せん断速度より少なくとも50%大きい、表面
    メルトフラクチャーが起こり始める時の臨界せん断速度
    を有する、実質的に線状であるオレフィンポリマーであ
    ることを特徴とするオレフィンポリマー。
  6. 【請求項6】下記性状を有する実質的に線状であるオレ
    フィンポリマーであることを特徴とするオレフィンポリ
    マー。 a) ポリマーのバックボーンに沿った炭素1000個
    当り、0.01〜3個の長分岐鎖;及び b) 4×106 dyn/cm2より大きい、グロス・メルト
    フラクチャーが起こり始める時の臨界せん断応力。
  7. 【請求項7】下記性状を有する実質的に線状であるオレ
    フィンポリマーであることを特徴とするオレフィンポリ
    マー。 a) ポリマーのバックボーンに沿った炭素1000個
    当り、0.01〜3個の長分岐鎖;及び b) 同じI2とMw/Mnにおいて、線状オレフィンポ
    リマーの表面メルトフラクチャーが起こり始める時の臨
    界せん断速度より少なくとも50%大きい、表面メルト
    フラクチャーが起こり始める時の臨界せん断速度。
  8. 【請求項8】下記性状を有する実質的に線状であるオレ
    フィンポリマーであることを特徴とするオレフィンポリ
    マー。 a) ポリマーのバックボーンに沿った炭素1000個
    当り、0.01〜3個の長分岐鎖;及び b) 5.63以上のメルト・フロー比、I10/I2
    及び c) 1.5〜2.5の分子量分布、Mw/Mn。
  9. 【請求項9】5.63以上のメルトフロー比、I10/I
    2、及び式、 Mw/Mn≦ (I10/I2)−4.63 で表わされる分子量分布、Mw/Mnを有する実質的に線
    状であるエチレンポリマーを製造する方法であって、1
    種またはそれ以上のC2〜C20 α−オレフィンを触媒組
    成物と重合条件下連続的に接触させ、その触媒組成物
    は、 a) 元素の周期律表の3〜10族又はランタナイド系
    列の金属、及び拘束を誘起する基で置換された脱局在化
    π結合部を含む金属配位錯体であって、 その錯体は、該金属原子の周りに拘束幾何形状をもって
    いて該脱局在化置換π結合部の図心(centroid)と少な
    くとも1つの残存置換部分の中心との間の金属の角度
    が、該拘束を誘起する基を持たないことのみが異なる同
    様の錯体中のこのような角度より小さく、 そして更に1つより多い脱局在化置換π結合部を含むそ
    のような錯体について錯体のそれぞれの金属原子ごとに
    その1つのみが環状の脱局在化置換π結合部である、金
    属配位錯体;及び b) 活性化共触媒を含有することを特徴とする、実質
    的に線状であるエチレンポリマーを製造する方法。
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