JPWO2008038410A1 - 鉄筋の定着具 - Google Patents

鉄筋の定着具 Download PDF

Info

Publication number
JPWO2008038410A1
JPWO2008038410A1 JP2008536277A JP2008536277A JPWO2008038410A1 JP WO2008038410 A1 JPWO2008038410 A1 JP WO2008038410A1 JP 2008536277 A JP2008536277 A JP 2008536277A JP 2008536277 A JP2008536277 A JP 2008536277A JP WO2008038410 A1 JPWO2008038410 A1 JP WO2008038410A1
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
reinforcing bar
fixing
fixing member
rod
wedge
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2008536277A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4843678B2 (ja
Inventor
角屋 治克
治克 角屋
聡 村山
聡 村山
吉田 光博
光博 吉田
平山 貴章
貴章 平山
Original Assignee
岡部株式会社
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by 岡部株式会社 filed Critical 岡部株式会社
Priority to JP2008536277A priority Critical patent/JP4843678B2/ja
Publication of JPWO2008038410A1 publication Critical patent/JPWO2008038410A1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4843678B2 publication Critical patent/JP4843678B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • EFIXED CONSTRUCTIONS
    • E04BUILDING
    • E04CSTRUCTURAL ELEMENTS; BUILDING MATERIALS
    • E04C5/00Reinforcing elements, e.g. for concrete; Auxiliary elements therefor
    • E04C5/16Auxiliary parts for reinforcements, e.g. connectors, spacers, stirrups
    • E04C5/162Connectors or means for connecting parts for reinforcements
    • E04C5/163Connectors or means for connecting parts for reinforcements the reinforcements running in one single direction
    • E04C5/165Coaxial connection by means of sleeves
    • EFIXED CONSTRUCTIONS
    • E04BUILDING
    • E04CSTRUCTURAL ELEMENTS; BUILDING MATERIALS
    • E04C5/00Reinforcing elements, e.g. for concrete; Auxiliary elements therefor
    • E04C5/16Auxiliary parts for reinforcements, e.g. connectors, spacers, stirrups

Abstract

本発明に係る鉄筋の定着具1は、断面形状が長円状の筒体2、定着部材3及び楔部材6で構成してある。定着部材3は、ほぼ円形をなす板体としての鋼板5と、該鋼板に立設された連結用ロッド4とからなり、該連結用ロッドは、断面が円形の真直な鋼棒で構成してある。筒体2は、連結用ロッド4と鉄筋11とをそれらが所定長だけ重ねて配置されるように並列に挿通できるようになっており、鉄筋11と連結用ロッド4との間であってかつ互いに対向するように楔挿通孔9,9をそれぞれ形成してある。楔部材6は、かかる楔挿通孔9,9に挿通され圧入されるようになっている。

Description

本発明は、鉄筋コンクリート構造(RC造)や鉄骨鉄筋コンクリート構造(SRC造)に用いる鉄筋の定着具に関する。
RC造やSRC造は、鉄筋の端部を所定の長さ以上コンクリート内に埋設することによって、鉄筋とコンクリートとの付着力を確保するとともに、この付着力によって、コンクリートからの鉄筋の抜け出しが防止される。
鉄筋の抜け出しを防止するために鉄筋端部をコンクリートに埋設することを定着と呼んでおり、この定着が建物部位に応じて適切に行われることが、RC造やSRC造を設計施工するにあたって重要となる。
鉄筋端部の定着は、定着長さを確保することによって実現されるが、柱梁接合部のような箇所においては、鉄筋端部が複雑に交錯して鉄筋の過密化を招き、配筋作業やコンクリート打設作業が困難になることがある。特に、設計曲げモーメントが大きい場合には、径が大きな鉄筋を採用せざるを得ないため、定着長さの増大とも相まって、上述した傾向が顕著になる。加えて、引張強さが大きな鉄筋の採用を余儀なくされるため、鉄筋の曲げ加工自体も困難となる。
そのため、定着長さの確保によって鉄筋の抜け出しを防止するのではなく、鉄筋の端部に定着部材を取り付け、この定着部材の引抜き抵抗力によって鉄筋の抜け出しを防止することにより、鉄筋の輻輳に伴う配筋時やコンクリート打設時の問題を解消しようとする手法が広く採用されている。
かかる手法に用いる定着部材として、さまざまな構造や形状を有する定着部材が知られており、例えば鉄筋に摩擦圧接される円板状の定着部材、ジョイント部材を介して鉄筋に結合される定着部材、鉄筋に螺合される円板状の定着部材等が知られている。
特開2004−84204号公報 特許第3763877号公報
しかしながら、定着部材を鉄筋に螺合したりジョイント部材を介して鉄筋に結合したりする従来の方法では、鉄筋にネジ加工が必要になるという問題を生じていた。また、取付け時に定着部材を現場で回転させる際、周囲の鉄筋と干渉して施工できない場合があるという問題や、仮に施工できたとしても作業効率が悪いという問題を生じていた。また、ねじ込んでいく途中で定着部材が鉄筋端部に当たってしまうため、定着部材の取付け可能位置が制限されてしまうという問題も生じていた。
本発明は、上述した事情を考慮してなされたもので、現場での作業性に優れ、かつネジ加工が不要で任意の鉄筋に適用が可能な鉄筋の定着具を提供することを目的とする。
また、本発明は、鉄筋の任意位置に定着部材を取り付けることが可能な鉄筋の定着具を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本願の第1の発明に係る鉄筋の定着具は請求項1に記載したように、定着部及び該定着部から延設された連結用ロッドからなる定着部材と、前記連結用ロッド及び該連結用ロッドが連結される鉄筋をそれらが所定長だけ重ねて配置されるように挿通可能な断面形状が長円状の筒体と、該筒体を構成する壁部のうち、対向する一対の平板状壁部にそれぞれ形成された楔挿通孔に挿通され前記連結用ロッドと前記鉄筋との間に圧入される楔部材とから構成したものである。
また、本発明に係る鉄筋の定着具は、前記定着部を板体で形成するとともに前記鉄筋を挿通させる鉄筋挿通用開口を前記板体に形成したものである。
また、本発明に係る鉄筋の定着具は、前記定着部を環状体で形成するとともに該環状体で取り囲まれた空間に前記鉄筋を挿通させるようにしたものである。
また、本発明に係る鉄筋の定着具は、前記連結用ロッドを互いに平行な2本の連結ロッド体で構成するとともに、前記2本の連結ロッド体の間に前記鉄筋が挟み込まれた状態でそれらを挿通できるように前記筒体を構成し、前記楔挿通孔を、前記連結ロッド体と前記鉄筋との間であって前記鉄筋の材軸に対しほぼ対称な2つの位置に設けたものである。
また、本願の第2の発明に係る鉄筋の定着具は請求項5に記載したように、断面形状が長円状の筒体で構成された定着部材と、該定着部材が固定される鉄筋と所定長だけ重ねて配置されるように該鉄筋とともに前記定着部材に挿通される定着部材固定用ロッドと、前記定着部材を構成する壁部のうち、対向する一対の平板状壁部にそれぞれ形成された楔挿通孔に挿通され前記定着部材固定用ロッドと前記鉄筋との間に圧入される楔部材とから構成したものである。
また、本発明に係る鉄筋の定着具は、前記筒体の周面に鍔状突起を設けたものである。
また、本発明に係る鉄筋の定着具は、前記定着部材固定用ロッドを2本の固定ロッド体で構成するとともに、該2本の固定ロッド体の間に前記鉄筋が挟み込まれた状態でそれらを挿通できるように前記定着部材を構成し、前記楔挿通孔を、前記固定ロッド体と前記鉄筋との間であって前記鉄筋の材軸に対しほぼ対称な2つの位置に設けたものである。
また、本願の第3の発明に係る鉄筋の定着具は請求項8に記載したように、定着部及び該定着部から延設された直列連結用ロッドからなる定着部材と、断面形状が長円状の筒体と、前記定着部材が固定される鉄筋と前記直列連結用ロッドとが同一直線上に配置された状態でそれらの側方に配置され前記鉄筋及び前記直列連結用ロッドとともに前記筒体に挿通される定着部材固定用ロッドと、前記筒体を構成する壁部のうち、対向する一対の平板状壁部にそれぞれ形成された楔挿通孔に挿通され前記直列連結用ロッド及び前記鉄筋と前記定着部材固定用ロッドとの間に圧入される楔部材とから構成したものである。
また、本発明に係る鉄筋の定着具は、前記定着部材固定用ロッドを、前記鉄筋及び前記直列連結用ロッドを挟み込むようにしてそれらの両側に配置できるように2本で構成したものである。
また、本発明に係る鉄筋の定着具は、前記定着部を板体で形成するとともに前記定着部材固定用ロッドを挿通させるロッド挿通用開口を前記板体に形成したものである。
第1の発明に係る鉄筋の定着具においては、定着部及び該定着部から延設された連結用ロッドからなる定着部材で鉄筋をコンクリートに定着させる。定着部材を鉄筋に取り付けるには、まず、定着部材の連結用ロッド及び鉄筋が所定長だけ重ねて配置されるように連結用ロッド及び鉄筋を筒体に挿通し、次に、楔挿通孔に楔部材を挿通して圧入する。
このようにすると、鉄筋にネジ加工を施す必要がなくなり、ネジ加工の手間を簡素化することができる。
また、定着部材を鉄筋に取り付ける際、定着部材を回転させる必要がないため、取付け作業中に他の鉄筋と干渉するおそれがなくなるとともに、楔部材の圧入だけで定着部材を鉄筋に強固に固定することができるので、現場での配筋作業性が格段に向上する。
筒体は、湾曲内面が対向するように配置された一対の半円筒状壁部と該一対の半円筒状壁部の対応縁部をつなぐ一対の平板状壁部とからなり、その内部空間のうち、一方の半円筒状壁部の側が鉄筋挿通空間となって鉄筋が挿通され、他方の半円筒状壁部の側がロッド挿通空間となって連結用ロッドが挿通される。そして、鉄筋及び連結用ロッドを筒体に挿通したとき、それらは、筒体内で並列に配置される。
楔挿通孔は、鉄筋と連結用ロッドとの間に位置するように、一対の平板状壁部にそれぞれ形成してある。
楔部材は、鉄筋と連結用ロッドとの間に打ち込まれたとき、筒体の半円筒状壁部から反力をとる形で鉄筋と連結用ロッドにくい込んでそれぞれと係合される。
楔部材は、上述したように鉄筋と連結用ロッドの両方にそのテーパー部をくい込ませるが、いずれのくい込み量が大きくなるかは、主として両者の硬さの違いに依存する。そして、鉄筋へのくい込みが不足した場合、鉄筋と楔部材との係合力が不十分になる。
したがって、連結用ロッドの硬さを鉄筋と同等かそれ以上とすることにより、設計上問題とはならない範囲で楔部材を鉄筋にくい込ませるのが望ましい。
定着部は、所要の定着強度を有する限り、その構造や形状は任意であるが、かかる定着部を板体で形成するとともに、鉄筋を挿通させる鉄筋挿通用開口を板体に形成したならば、定着部に形成された鉄筋挿通用開口によって、定着部と鉄筋との干渉を未然に回避することが可能となり、定着部材を鉄筋の任意位置に取り付けることが可能となる。
定着部を環状体で形成するとともに、該環状体で取り囲まれた空間に鉄筋を挿通させるようにした構成においても、上述したものと同様、定着部と鉄筋との干渉を未然に回避することが可能となり、定着部材を鉄筋の任意位置に取り付けることが可能となる。
連結用ロッドは、例えば断面が円形の真直な鋼棒で構成することが可能である。ここで、連結用ロッドは単体での構成に限定されるものではない。例えば、連結用ロッドを互いに平行な2本の連結ロッド体で構成するとともに、2本の連結ロッド体の間に鉄筋が挟み込まれた状態でそれらを挿通できるように筒体を構成し、楔挿通孔を、連結ロッド体と鉄筋との間であって鉄筋の材軸に対しほぼ対称な2つの位置に設ける構成としてもよい。
かかる構成によれば、定着部材の鉄筋への固定がより強固となるのみならず、定着部材の固定構造が鉄筋の材軸に対して対称となるため、鉄筋からの引張力は偏心することなく定着部に伝達することとなり、より安定した定着が確保される。
第2の発明に係る鉄筋の定着具においては、断面形状が長円状をなす筒体で構成された定着部材で鉄筋をコンクリートに定着させる。定着部材を鉄筋に取り付けるには、まず、定着部材固定用ロッド及び鉄筋をこれらが所定長だけ重ねて配置されるように定着部材に挿通し、次に、楔挿通孔に楔部材を挿通して圧入する。
このようにすると、鉄筋に加工を施す必要がなくなり、従来のようなネジ加工を鉄筋に施す手間を省略することができる。
また、定着部材を鉄筋に取り付ける際、定着部材を回転させる必要がないため、取付け作業中に他の鉄筋と干渉するおそれがなくなる。また、楔部材の圧入だけで定着部材を鉄筋に強固に固定することもできるので、現場での配筋作業性が格段に向上する。
第2の発明においては、第1の発明とは異なり、筒体が定着部材となって鉄筋の引張力に抵抗するが、筒体に関する他の構成及び作用については、上述した第1の発明に係る筒体と概ね同様であるので、ここではその説明を省略する。楔部材についても同様にその説明を省略する。
なお、筒体の周面に鍔状突起を設けたならば、より大きな定着力を確保することが可能となる。
定着部材固定用ロッドは連結用ロッドと同様、例えば断面が円形の真直な鋼棒で構成することが可能である。ここで、定着部材固定用ロッドは単体での構成に限定されるものではない。例えば、定着部材固定用ロッドを2本の固定ロッド体で構成するとともに、該2本の固定ロッド体の間に鉄筋が挟み込まれた状態でそれらを挿通できるように定着部材を構成し、楔挿通孔を、固定ロッド体と鉄筋との間であって鉄筋の材軸に対しほぼ対称な2つの位置に設ける構成としてもよい。
かかる構成によれば、定着部材の鉄筋への固定がより強固となるのみならず、定着部材の固定構造が鉄筋の材軸に対して対称となるため、鉄筋からの引張力は偏心することなく定着部材に伝達することとなり、より安定した定着が確保される。
第3の発明に係る鉄筋の定着具においては、定着部及び該定着部から延設された直列連結用ロッドからなる定着部材で鉄筋をコンクリートに定着させるものであるが、定着部材を鉄筋に取り付けるにあたっては、鉄筋と直列連結用ロッドとが同一直線上に位置するように、かつそれらの側方に定着部材固定用ロッドが配置されるように、鉄筋、直列連結用ロッド及び定着部材固定用ロッドを筒体に挿通し、かかる状態で楔挿通孔に楔部材を挿通して圧入する。
このようにすると、鉄筋に加工を施す必要がなくなり、従来のような鉄筋へのネジ加工の手間を省略することができる。
また、定着部材を鉄筋に取り付ける際、定着部材を回転させる必要がないため、取付け作業中に他の鉄筋と干渉するおそれがなくなる。また、楔部材の圧入だけで定着部材を鉄筋に強固に固定することも可能となり、現場での配筋作業性が格段に向上する。
第3の発明においては、定着部材の直列連結用ロッドと鉄筋とが同一直線上に配置される点が第1の発明と異なるが、筒体、楔挿通孔及び楔部材に関する他の構成及び作用については、上述した第1の発明と概ね同様であるので、ここではその説明を省略する。
第1実施形態に係る鉄筋の定着具の正面図。 同じく断面図であり、(a)はA−A線に沿う断面図、(b)はB−B線に沿う断面図。 同じく分解斜視図。 同じく組立が完了した様子を示した斜視図。 第1実施形態に係る鉄筋の定着具を鉄筋に千鳥配置した様子を示した図。 第1実施形態に係る鉄筋の定着具を端部位置が不揃いの鉄筋に対して定着部の位置が揃うように鉄筋に配置した様子を示した図。 変形例に係る定着部材及びそれを用いた定着具を示した正面図。 別の変形例に係る定着部材及びそれを用いた定着具を示した斜視図。 変形例に係る鉄筋の定着具を示した分解斜視図。 同じく変形例に係る鉄筋の定着具を示した正面図。 同じく変形例に係る鉄筋の定着具を示した正面図。 変形例に係る断面図であり、(a)はC−C線に沿う断面図、(b)はD−D線に沿う断面図。 第2実施形態に係る鉄筋の定着具を示した図であり、(a)は正面図、(b)はE−E線に沿う断面図。 変形例に係る鉄筋の定着具を示した正面図。 同じく変形例に係る鉄筋の定着具を示した正面図。 同じく変形例に係る鉄筋の定着具を示した正面図。 第3実施形態に係る鉄筋の定着具を示した正面図。 第3実施形態に係る鉄筋の定着具を示した図であり、(a)はF−F線に沿う断面図、(b)はG−G線に沿う断面図。 変形例に係る鉄筋の定着具を示した正面図。 変形例に係る鉄筋の定着具を示した正面図。 変形例に係る断面図であり、(a)はH−H線に沿う断面図、(b)はI−I線に沿う断面図。 同じく変形例に係る鉄筋の定着具を示した正面図。 変形例に係る断面図であり、(a)はJ−J線に沿う断面図、(b)はK−K線に沿う断面図。 変形例に係る鉄筋の定着具を示した正面図。 変形例に係る鉄筋の定着具を示した正面図。
符号の説明
1,1a,101,121,161
鉄筋の定着具
2,102 筒体
3,3a,73,103 定着部材
4 連結用ロッド
5,5a,105 鋼板(板体、定着部)
6 楔部材
9 楔挿通孔
11 鉄筋
12,112 鉄筋挿通用開口
71 環状体(定着部)
104 連結ロッド体
122 定着部材
123,162 定着部材固定用ロッド
131 鍔状突起
133,151 定着部材
163 定着部材
164 直列連結用ロッド
165 鋼板(板体、定着部)
166 筒体
193,213 定着部材
194,214 鋼板(板体、定着部)
195,215 ロッド挿通用開口
224,234 鋼板(板体、定着部)
225,235 ロッド挿通用開口
以下、本発明に係る鉄筋の定着具の実施の形態について、添付図面を参照して説明する。なお、従来技術と実質的に同一の部品等については同一の符号を付してその説明を省略する。
(第1実施形態)
図1は、本実施形態に係る鉄筋の定着具を示した正面図、図2は断面図、図3分解斜視図である。これらの図でわかるように、本実施形態に係る鉄筋の定着具1は、断面形状が長円状の筒体2、定着部材3及び楔部材6で構成してある。
定着部材3は、ほぼ円形をなす板体としての鋼板5と、該鋼板に立設された連結用ロッド4とからなり、該連結用ロッドは、断面が円形の真直な鋼棒で構成してある。
筒体2は、連結用ロッド4及び鉄筋11を挿通できるとともに、挿通された状態でそれらが所定長だけ重ねて並列配置できるように構成してある。筒体2は、図2(a)でよくわかるように湾曲内面が対向するように配置された一対の半円筒状壁部7,7と、該一対の半円筒状壁部の対応縁部をつなぐ一対の平板状壁部8,8とからなる。一対の平板状壁部8,8には、互いに対向するように楔挿通孔9,9をそれぞれ設けてあり、該楔挿通孔は、筒体2に鉄筋11及び連結用ロッド4を挿通したとき、それらの間に楔挿通孔9,9の軸線がくるように、位置決めしてある。
楔部材6は、かかる楔挿通孔9,9に挿通され圧入されるようになっており、鉄筋11と連結用ロッド4との間に圧入されたとき、筒体2の半円筒状壁部7,7から反力をとる形で鉄筋11と連結用ロッド4にくい込んでそれぞれと係合される。
このように、楔部材6のテーパー部は、鉄筋11と連結用ロッド4の両方にくい込むが、いずれのくい込み量が大きくなるかは、主として両者の硬さの違いに依存し、鉄筋11へのくい込みが不足すると、鉄筋11と楔部材6との係合力は不十分になる。
したがって、連結用ロッド4の硬さを鉄筋11と同等か、それ以上とすることにより、設計上問題とならない範囲で楔部材6を鉄筋11にくい込ませるのが望ましい。
定着部材3の鋼板5は、上述したようにほぼ円形をなす板体であるが、本実施形態においては、切欠き状の鉄筋挿通用開口12を形成してあり、この鉄筋挿通用開口12に鉄筋11を挿通させることができるようになっている。
本実施形態に係る鉄筋の定着具1を用いて鉄筋11の定着を図るには、まず、筒体2の一方の開口から鉄筋11の端部を挿入してそのまま筒体2に貫通させるとともに、反対側の開口から定着部材3の連結用ロッド4を挿入しそのまま筒体2に貫通させる。
次に、定着部材3、特にその鋼板5が所望の位置にくるように、該定着部材を必要に応じて筒体2とともに、鉄筋11に対して相対的にスライドさせる。このとき、鉄筋11が鋼板5の鉄筋挿通用開口12を自由に進退するため、定着部材3は、鉄筋11の任意位置にずらすことができる。
このようにして定着部材3の位置決めが終了したならば、楔部材6を楔挿通孔9に通してこれを圧入する。圧入にあたっては、従来公知の楔打込み機を適宜選択して用いればよい。
図4は、楔打込み作業を終えて鉄筋11に定着具3の取付けが完了した様子を示した図である。
以上説明したように、本実施形態に係る鉄筋の接合具1によれば、定着部材3を鉄筋11に取り付けるにあたり、定着部材3の連結用ロッド4及び鉄筋11が所定長だけ重ねて配置されるようにこれらを筒体2に挿通し、かかる状態で楔挿通孔9,9に楔部材6を挿通して圧入するようにしたので、鉄筋に加工を施さずとも、定着部材3を鉄筋11に強固に接合することが可能となり、かくして、従来のような鉄筋へのネジ加工の手間を省略することができる。加えて、楔部材6の圧入だけで定着部材3を鉄筋11に強固に固定することができるので、現場での配筋作業性が格段に向上するという作用効果も奏する。
また、本実施形態に係る鉄筋の定着具1によれば、定着部材3を鉄筋11に取り付けるにあたり、定着部材3を回転させる必要がないため、取付け作業中に他の鉄筋と干渉するおそれがなくなり、上述した固定作業の簡略化とも相まって、配筋作業をさらに効率よく行うことが可能となる。
また、本実施形態に係る鉄筋の定着具1によれば、定着部である鋼板5に形成された鉄筋挿通用開口12によって、該鋼板と鉄筋11との干渉を未然に回避することが可能となり、定着部材3を鉄筋11の任意位置に取り付けることができる。
図5は、所定のピッチで配筋された複数の鉄筋11に対し、定着部材3を千鳥状にそれぞれ固定した構成を示したものであり、かかる構成により、定着部材3同士の干渉を未然に回避することが可能となる。
図6は、所定のピッチで配筋された複数の鉄筋11において、それらの端部が不揃いである場合、筒体2及び楔部材6による鉄筋11への定着部材3の固定位置をずらし、定着部である鋼板5の位置を揃えた構成を示したものであり、かかる構成により、配筋時の施工誤差によって鉄筋端部に不揃いが生じたときでも、定着部材3の取付け位置を調整することで、各鉄筋11の定着力を一定にすることが可能となる。
本実施形態では、定着部材の定着部を円形状の板体で構成したが、かかる板体の形状は任意であり、楕円状の板体、矩形状の板体、あるいは矩形板の隅部を面取り又は湾曲加工したほぼ矩形状の板体等で構成することが可能である。なお、鉄筋挿通用開口は、切欠きだけでなく円孔状に形成してもよい。
また、定着部の構成も板体に限定されるものではなく、コンクリートへの定着作用を奏する限り、定着部の形状や構造は任意である。
図7(a)は、変形例に係る定着部材を鉄筋11に取り付けた様子を示す正面図である。同図に示す定着部材61は、半円状に曲げ加工された定着部62と該定着部の端部から延びる連結用ロッド4とからなり、例えば真っ直ぐな鋼棒をJ字状に曲げ加工して形成することができる。
かかる構成においても、筒体2及び楔部材6を用いて定着部材61を鉄筋11の任意位置に取り付けることができる。なお、取付け位置は多少制限されるが、図7(b)のように定着部62が鉄筋11の延長上にくるように鉄筋11に取り付けることが可能であり、かかる取付け形態によれば、よりコンパクトな取付けが可能となる。
図8(a)は、定着部材の別の変形例、同図(b)は該変形例に係る定着部材を鉄筋11に取り付けた様子を示した斜視図であり、同図に示す定着部材73は、矩形枠状に曲げ加工された定着部としての環状体71と、該環状体が形成する平面に直交する方向にその端部から延びる連結用ロッド4とからなり、環状体71で取り囲まれた空間74に鉄筋11を挿通することができるように構成してある。
定着部材73は、例えば真っ直ぐな鋼棒を矩形枠状に折曲げ加工して形成することができる。
かかる構成においても、上述した実施形態と同様、定着部である環状体71と鉄筋11との干渉を未然に回避することが可能となり、定着部材73を鉄筋11の任意位置に取り付けることが可能となる。
また、図1乃至図6に示す本実施形態では、鉄筋を挿通させる鉄筋挿通用開口12を板体5に設けたが、場合によっては、かかる鉄筋挿通用開口を省略してもかまわない。
図9は、定着部材3に代わる定着部材3aと、筒体2と、楔部材6とからなる定着具1aを分解斜視図で示したものであり、定着部材3aは、鉄筋挿通用開口が省略された定着部としての円形の鋼板5aと、該鋼板に立設された連結用ロッド4とからなる。
かかる変形例においても、上述した実施形態と同様、鉄筋へのネジ加工の手間を省略しつつ、定着部材3aを鉄筋11に強固に接合することができるという作用効果を奏する。また、定着部材3aを鉄筋11に取り付ける際、定着部材3aを回転させる必要がないため、取付け作業中に他の鉄筋と干渉するおそれがなくなるという作用効果や、楔部材6の圧入だけで定着部材3を鉄筋11に強固に固定することができるので、現場での配筋作業性が格段に向上するといった作用効果を奏する。
また、本実施形態では、筒体2を単体で構成したが、これに代えて図10(a)に示すように、直列に配置される2つの筒体2,2と、定着部材3と、楔部材6とで鉄筋の定着具を構成することができる。
かかる変形例においては、直列に配置された2つの筒体2,2に鉄筋11及び定着部材3の連結用ロッド3を挿通するとともに、各筒体2に形成された楔挿通孔9,9に楔部材6をそれぞれ挿入し圧入する。
また、図10(b)に示すように、筒体2に代えて、楔挿通孔9,9が鉄筋11の材軸と平行に二組形成された筒体91を採用し、該筒体に形成された二組の楔挿通孔9,9に楔部材6,6をそれぞれ挿入し圧入するようにしてもよい。
また、本実施形態では、ほぼ円形をなす板体としての鋼板5と該鋼板に立設された連結用ロッド4とで定着部材3を構成したが、連結用ロッドを必ずしも単体で構成する必要はない。
図11及び図12はかかる変形例を示したものであり、同図に示す定着部材103は、互いに平行な2本の連結ロッド体104,104からなる連結用ロッドと、該連結ロッド体が立設された長円状の板体である鋼板105とから構成してある。
また、定着部材103を用いた鉄筋の定着具101は、2本の連結ロッド体104,104の間に鉄筋11が挟み込まれた状態でそれらを挿通できるように形成された筒体102を備え、該筒体は、湾曲内面が対向するように配置された一対の半円筒状壁部7,7と、該一対の半円筒状壁部の対応縁部をつなぐ一対の平板状壁部8a,8aとからなり、一対の平板状壁部8a,8aには、鉄筋11と2本の連結ロッド体104,104との間であって鉄筋11の材軸に対しほぼ対称な2つの位置に二組の楔挿通孔9,9をそれぞれ形成してある。
また、定着具101は、かかる二組の楔挿通孔9,9にそれぞれ挿通され圧入される2本の楔部材6,6を備え、鉄筋11と連結ロッド体104との間に圧入されたとき、筒体102の半円筒状壁部7,7から反力をとる形で鉄筋11と連結ロッド体104,104にくい込んでそれぞれと係合される。
定着部材103の鋼板105には、円孔状の鉄筋挿通用開口112を形成してあり、該鉄筋挿通用開口に鉄筋11を挿通させることができるようになっている。
かかる構成においても、上述した実施形態と同様の作用効果を奏するが、これに加えて、定着部材103の鉄筋11への固定がより強固になるとともに、定着部材103の固定構造が鉄筋11の材軸に対して対称となるため、鉄筋11からの引張力が偏心することなく定着部である鋼板105に伝達することとなり、より安定した定着を確保することができるという顕著な作用効果を奏する。
(第2実施形態)
次に、第2実施形態に係る鉄筋の定着具について説明する。なお、第1実施形態と実質的に同一の部品等については同一の符号を付してその説明を省略する。
図13は、本実施形態に係る鉄筋の定着具を示した正面図及び断面図である。同図でわかるように、本実施形態に係る鉄筋の定着具121は、断面形状が長円状の筒体で構成された定着部材122と、断面が円形の真直な鋼棒で構成された定着部材固定用ロッド123と、楔部材6とで構成してある。
定着部材122は、定着部材固定用ロッド123と鉄筋11とをそれらが所定長だけ重ねて配置されるように並列に挿通できるようになっており、筒体2と同様、湾曲内面が対向するように配置された一対の半円筒状壁部7,7と、該一対の半円筒状壁部の対応縁部をつなぐ一対の平板状壁部8,8とからなり、一対の平板状壁部8,8には、鉄筋11と定着部材固定用ロッド123との間であってかつ互いに対向するように楔挿通孔9,9をそれぞれ形成してある。
楔部材6は、かかる楔挿通孔9,9に挿通され圧入されるようになっており、鉄筋11と定着部材固定用ロッド123との間に圧入されたとき、定着部材122の半円筒状壁部7,7から反力をとる形で鉄筋11と定着部材固定用ロッド123にくい込んでそれぞれと係合される。
このように、楔部材6のテーパー部は、鉄筋11と定着部材固定用ロッド123の両方にくい込むが、いずれのくい込み量が大きくなるかは、主として両者の硬さの違いに依存する。そして、鉄筋11へのくい込みが不足した場合、鉄筋11と楔部材6との係合力が不十分になる。
したがって、定着部材固定用ロッド123の硬さを鉄筋11と同等か、それ以上とすることにより、設計上問題とならない範囲で楔部材6を鉄筋11にくい込ませるのが望ましい。
本実施形態に係る鉄筋の定着具121においては、第1実施形態の定着具1とは異なり、筒体で構成された定着部材122及び定着部材固定用ロッド123が定着作用を発揮する。
そのため、定着部材122を製造する際、必要な定着力に応じて、その肉厚を適宜調整すればよい。すなわち、肉厚が大きいほど、鉄筋11の周面からの突出量が大きくなり、その分、定着力が大きくなる。
本実施形態に係る鉄筋の定着具121を用いて鉄筋11の定着を図るには、まず、定着部材122の一方の開口から鉄筋11の端部を挿入してそのまま定着部材122に貫通させるとともに、反対側の開口又は同一の開口から定着部材固定用ロッド123を挿入しそのまま定着部材122に貫通させる。
次に、定着部材122が所望の位置にくるように、該定着部材を鉄筋11に対して相対的にスライドさせる。
定着部材122の位置決めが終了したならば、楔部材6を楔挿通孔9に通してこれを圧入する。圧入にあたっては、従来公知の楔打込み機を適宜選択して用いればよい。
以上説明したように、本実施形態に係る鉄筋の接合具121によれば、定着部材122を鉄筋11に取り付けるにあたり、定着部材固定用ロッド123及び鉄筋11が所定長だけ重ねて配置されるようにこれらを定着部材122に挿通し、かかる状態で楔挿通孔9,9に楔部材6を挿通して圧入するようにしたので、鉄筋に加工を施さずとも、定着部材122を鉄筋11に強固に接合することが可能となり、かくして、従来のような鉄筋へのネジ加工の手間を省略することができる。加えて、楔部材6の圧入だけで定着部材122を鉄筋11に強固に固定することができるので、現場での配筋作業性が格段に向上するという作用効果も奏する。
また、本実施形態に係る鉄筋の定着具121によれば、定着部材122を鉄筋11に取り付けるにあたり、定着部材122を回転させる必要がないため、取付け作業中に他の鉄筋と干渉するおそれがなくなり、上述した固定作業の簡略化とも相まって、配筋作業をさらに効率よく行うことが可能となる。
本実施形態では、定着部材122の肉厚を調整することによって、必要な定着力に対応するように構成したが、図14に示すように、定着部材122と同一構成の筒体132の周面に鍔状突起131を設けてなる定着部材133を用いてもよい。
かかる構成によれば、筒体132による定着作用と鍔状突起131による定着作用とにより、大きな定着力を確保することが可能となる。なお、鍔状突起131の形状や寸法、特に筒体132からの突出高さを変更することにより、所望の定着力を確保することが可能である。
また、本実施形態では、定着部材122を単体で構成したが、これに代えて図15(a)に示すように、直列に配置される2つの定着部材122,122を採用することが可能であり、該定着部材と、定着部材固定用ロッド123と、楔部材6,6とで鉄筋の定着具を構成することができる。
かかる変形例においては、2つの定着部材122,122に鉄筋11及び定着部材固定用ロッド123を挿通するとともに、各定着部材122に形成された楔挿通孔9,9に楔部材6,6をそれぞれ挿入し圧入する。
また、図15(b)に示すように、楔挿通孔9,9が鉄筋11の材軸と平行に二組形成された定着部材141を採用し、該定着部材に形成された二組の楔挿通孔9,9に2本の楔部材6,6をそれぞれ挿入し圧入するようにしてもよい。
また、定着部材固定用ロッドを必ずしも単体で構成する必要はなく、図16に示すように、2本の定着部材固定用ロッド123,123を採用し、該定着部材固定用ロッドと、それらの間に鉄筋11が挟み込まれた状態で鉄筋11とともに挿通できるように構成された定着部材151と、楔部材6,6とで鉄筋の定着具を構成することができる。定着部材151には、鉄筋11と定着部材固定用ロッド123,123との間であって鉄筋11の材軸に対しほぼ対称な2つの位置に二組の楔挿通孔9,9をそれぞれ形成してある。
かかる変形例においては、鉄筋11と定着部材固定用ロッド123,123とを該鉄筋が挟み込まれるように定着部材151に挿通し、次いで、二組の楔挿通孔9,9に2本の楔部材6,6をそれぞれ挿通し圧入する。
また、定着部材151の周面に図14と同様の鍔状突起を設けるようにしてもよい。
(第3実施形態)
図17は、本実施形態に係る鉄筋の定着具を示した正面図、図18は断面図である。これらの図でわかるように、本実施形態に係る鉄筋の定着具161は、断面形状が長円状の筒体166、定着部材163、定着部材固定用ロッド162及び楔部材6で構成してある。
定着部材163は、定着部としての円形の鋼板165と、該鋼板に立設された直列連結用ロッド164とからなり、該直列連結用ロッドは、断面が円形の真直な鋼棒で構成してある。
筒体166は、材軸が同一直線上になるように配置された直列連結用ロッド164及び鉄筋11を、それらの両側から挟み込むように配置された2本の定着部材固定用ロッド162,162とともに挿通できるようになっており、図18(a)でよくわかるように湾曲内面が対向するように配置された一対の半円筒状壁部7,7と、該一対の半円筒状壁部の対応縁部をつなぐ一対の平板状壁部8a,8aとからなる。
一対の平板状壁部8a,8aには、鉄筋11と定着部材固定用ロッド162,162との間であってかつ互いに対向する位置に楔挿通孔9,9をそれぞれ形成してある。同様に、直列連結用ロッド164と定着部材固定用ロッド162,162との間であってかつ互いに対向する位置に楔挿通孔9,9をそれぞれ形成してある。 ここで、楔挿通孔9,9は、鉄筋11の材軸に対しその両側に対称に形成してあるため、計四組の楔挿通孔9,9が平板状壁部8a,8aに形成してあることになる。
楔部材6は、かかる楔挿通孔9,9に挿通され圧入されるようになっており、鉄筋11と定着部材固定用ロッド162との間に圧入されたとき、筒体166の半円筒状壁部7,7から反力をとる形で鉄筋11と定着部材固定用ロッド162にくい込んでそれぞれと係合される。
同様に、楔部材6は、直列連結用ロッド164と定着部材固定用ロッド162との間に圧入されたとき、直列連結用ロッド164と定着部材固定用ロッド162にくい込んでそれぞれと係合される。
このように、楔部材6のテーパー部は、鉄筋11と定着部材固定用ロッド162の両方、あるいは直列連結用ロッド164と定着部材固定用ロッド162の両方にくい込むが、いずれのくい込み量が大きくなるかは、主として両者の硬さの違いに依存する。そして、鉄筋11あるいは直列連結用ロッド164へのくい込みが不足した場合、鉄筋11あるいは直列連結用ロッド164と楔部材6との係合力が不十分になる。
したがって、定着部材固定用ロッド162の硬さを鉄筋11あるいは直列連結用ロッド164と同等か、それ以上とすることにより、設計上問題とならない範囲で楔部材6を鉄筋11あるいは直列連結用ロッド164にくい込ませるのが望ましい。
本実施形態に係る鉄筋の定着具161を用いて鉄筋11の定着を図るには、まず、筒体166の一方の開口から鉄筋11の端部を挿入するとともに、反対側の開口から定着部材163の直列連結用ロッド164を挿入する。
かかる挿入作業と相前後して、鉄筋11及び直列連結用ロッド164を挟み込むようにしてそれらの両側に定着部材固定用ロッド162,162を筒体166に挿通する。
次に、楔部材6を楔挿通孔9に通してこれを圧入する。圧入にあたっては、従来公知の楔打込み機を適宜選択して用いればよい。
以上説明したように、本実施形態に係る鉄筋の接合具161によれば、定着部材163を鉄筋11に取り付ける際、定着部材163の直列連結用ロッド164及び鉄筋11を材軸を揃えて筒体166に挿入するとともに、それらを挟み込むようにして定着部材固定用ロッド162,162を筒体166に挿通し、かかる状態で楔挿通孔9,9に楔部材6を挿通して圧入するようにしたので、鉄筋11に加工を施さずとも、定着部材163を鉄筋11に強固に接合することが可能となり、かくして、従来のような鉄筋へのネジ加工の手間を省略することができる。加えて、楔部材6の圧入だけで定着部材163を鉄筋11に強固に固定することができるので、現場での配筋作業性が格段に向上するという作用効果も奏する。
また、本実施形態に係る鉄筋の定着具161によれば、定着部材163を鉄筋11に取り付ける際、定着部材163を回転させる必要がないため、取付け作業中に他の鉄筋と干渉するおそれがなくなり、上述した固定作業の簡略化とも相まって、配筋作業をさらに効率よく行うことが可能となる。
また、本実施形態に係る鉄筋の定着具161によれば、定着部材固定用ロッド162,162を、直列連結用ロッド164及び鉄筋11の両側から挟み込むことができるように2本で構成したので、定着部材163をより強固に鉄筋11に取り付けることができるとともに、定着部材163を鉄筋11の材軸に対して対称に取り付けることができるため、鉄筋11からの引張力を偏心させることなく定着部材163に伝達させることが可能となり、より安定した定着を確保することができる。
本実施形態では、定着部材固定用ロッドを、直列連結用ロッド164及び鉄筋11を挟み込むことができるように2本で構成したが、本発明に係る定着部材固定用ロッドは必ずしも2本である必要はなく、図19に示すように1本で構成してもかまわない。
かかる構成においても、従来のような鉄筋へのネジ加工の手間を省略することができるという作用効果や、現場での配筋作業性が格段に向上するという作用効果、あるいは、取付け作業中に他の鉄筋と干渉するおそれがないことにより、配筋作業をさらに効率よく行うことができるといった作用効果を奏することは、上述の実施形態と同様である。
また、本実施形態では、本発明に係る定着部材の定着部を円形の鋼板165で構成したが、これに代えて、図20及び図21に示すように、切欠き状のロッド挿通用開口195,195が互いに反対側となる位置に形成されたほぼ円形状の鋼板194としてもよい。
ロッド挿通用開口195,195は、定着部材固定用ロッド162,162をそれぞれ挿通させることができるように構成してある。
この変形例の場合、本発明に係る定着部材は、定着部としてのほぼ円形状の鋼板194と、該鋼板に立設された直列連結用ロッド164とからなる定着部材193となる。
かかる変形例によれば、定着部である鋼板194に形成されたロッド挿通用開口195,195によって、該鋼板と定着部材固定用ロッド162,162との干渉を未然に回避することが可能となり、定着部材固定用ロッド162の取付け位置が緩和されて作業性が向上する。
また、切欠き状のロッド挿通用開口195,195に代えて、図22及び図23に示すように円孔状のロッド挿通用開口を採用することも可能である。
これらの図で示した変形例においては、定着部としてのほぼ円形状の鋼板214と、該鋼板に立設された直列連結用ロッド164とからなる定着部材213を備え、ほぼ円形状の鋼板214には、直列連結用ロッド164の立設位置両側に円孔状のロッド挿通用開口215,215を形成してある。
ロッド挿通用開口215,215は、定着部材固定用ロッド162,162をそれぞれ挿通させることができるように構成してある。
かかる変形例によれば、定着部である鋼板214に形成されたロッド挿通用開口215,215によって、該鋼板と定着部材固定用ロッド162,162との干渉を未然に回避することが可能となり、定着部材固定用ロッド162の取付け位置が緩和されて作業性が向上する。
また、上述した変形例のうち、図19に示した変形例は図24に示すように、円形の鋼板165に代えて、切欠き状のロッド挿通用開口225が形成されたほぼ円形状の鋼板224を採用することが可能である。同様に、図25に示すように、円孔状のロッド挿通用開口235が形成されたほぼ円形状の鋼板234を採用することが可能である。
これらの変形例によれば、定着部である鋼板224に形成されたロッド挿通用開口225によって、該鋼板と定着部材固定用ロッド162との干渉を未然に回避することが可能となり、定着部材223を鉄筋11の任意位置に取り付けることができる。同様に、定着部である鋼板234に形成されたロッド挿通用開口235によって、該鋼板と定着部材固定用ロッド162との干渉を未然に回避することが可能となり、定着部材固定用ロッド162の取付け位置が緩和されて作業性が向上する。

Claims (10)

  1. 定着部及び該定着部から延設された連結用ロッドからなる定着部材と、前記連結用ロッド及び該連結用ロッドが連結される鉄筋をそれらが所定長だけ重ねて配置されるように挿通可能な断面形状が長円状の筒体と、該筒体を構成する壁部のうち、対向する一対の平板状壁部にそれぞれ形成された楔挿通孔に挿通され前記連結用ロッドと前記鉄筋との間に圧入される楔部材とから構成したことを特徴とする鉄筋の定着具。
  2. 前記定着部を板体で形成するとともに前記鉄筋を挿通させる鉄筋挿通用開口を前記板体に形成した請求項1記載の鉄筋の定着具。
  3. 前記定着部を環状体で形成するとともに該環状体で取り囲まれた空間に前記鉄筋を挿通させるようにした請求項1記載の鉄筋の定着具。
  4. 前記連結用ロッドを互いに平行な2本の連結ロッド体で構成するとともに、前記2本の連結ロッド体の間に前記鉄筋が挟み込まれた状態でそれらを挿通できるように前記筒体を構成し、前記楔挿通孔を、前記連結ロッド体と前記鉄筋との間であって前記鉄筋の材軸に対しほぼ対称な2つの位置に設けた請求項1記載の鉄筋の定着具。
  5. 断面形状が長円状の筒体で構成された定着部材と、該定着部材が固定される鉄筋と所定長だけ重ねて配置されるように該鉄筋とともに前記定着部材に挿通される定着部材固定用ロッドと、前記定着部材を構成する壁部のうち、対向する一対の平板状壁部にそれぞれ形成された楔挿通孔に挿通され前記定着部材固定用ロッドと前記鉄筋との間に圧入される楔部材とから構成したことを特徴とする鉄筋の定着具。
  6. 前記筒体の周面に鍔状突起を設けた請求項5記載の鉄筋の定着具。
  7. 前記定着部材固定用ロッドを2本の固定ロッド体で構成するとともに、該2本の固定ロッド体の間に前記鉄筋が挟み込まれた状態でそれらを挿通できるように前記定着部材を構成し、前記楔挿通孔を、前記固定ロッド体と前記鉄筋との間であって前記鉄筋の材軸に対しほぼ対称な2つの位置に設けた請求項5記載の鉄筋の定着具。
  8. 定着部及び該定着部から延設された直列連結用ロッドからなる定着部材と、断面形状が長円状の筒体と、前記定着部材が固定される鉄筋と前記直列連結用ロッドとが同一直線上に配置された状態でそれらの側方に配置され前記鉄筋及び前記直列連結用ロッドとともに前記筒体に挿通される定着部材固定用ロッドと、前記筒体を構成する壁部のうち、対向する一対の平板状壁部にそれぞれ形成された楔挿通孔に挿通され前記直列連結用ロッド及び前記鉄筋と前記定着部材固定用ロッドとの間に圧入される楔部材とから構成したことを特徴とする鉄筋の定着具。
  9. 前記定着部材固定用ロッドを、前記鉄筋及び前記直列連結用ロッドを挟み込むようにしてそれらの両側に配置できるように2本で構成した請求項8記載の鉄筋の定着具。
  10. 前記定着部を板体で形成するとともに前記定着部材固定用ロッドを挿通させるロッド挿通用開口を前記板体に形成した請求項8又は請求項9記載の鉄筋の定着具。
JP2008536277A 2006-09-28 2007-09-14 鉄筋の定着具 Active JP4843678B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008536277A JP4843678B2 (ja) 2006-09-28 2007-09-14 鉄筋の定着具

Applications Claiming Priority (4)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006264007 2006-09-28
JP2006264007 2006-09-28
PCT/JP2007/001008 WO2008038410A1 (fr) 2006-09-28 2007-09-14 Outil de fixation pour une tige de renfort
JP2008536277A JP4843678B2 (ja) 2006-09-28 2007-09-14 鉄筋の定着具

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPWO2008038410A1 true JPWO2008038410A1 (ja) 2010-01-28
JP4843678B2 JP4843678B2 (ja) 2011-12-21

Family

ID=39229855

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2008536277A Active JP4843678B2 (ja) 2006-09-28 2007-09-14 鉄筋の定着具

Country Status (8)

Country Link
US (1) US20090308017A1 (ja)
EP (1) EP2067908B1 (ja)
JP (1) JP4843678B2 (ja)
CN (1) CN101529028B (ja)
AT (1) ATE489515T1 (ja)
DE (1) DE602007010803D1 (ja)
TW (1) TW200833916A (ja)
WO (1) WO2008038410A1 (ja)

Families Citing this family (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US8646239B2 (en) 2010-08-04 2014-02-11 John David Rulon Modular building block building system
US20130028658A1 (en) * 2011-07-27 2013-01-31 Yee Alfred A Splice sleeve with elliptical or compound curve cross section
CN103061513B (zh) * 2012-12-29 2015-11-18 青海民族大学 一种钢筋机械锚固方法
CN105064615B (zh) * 2015-07-17 2018-04-17 上海核工程研究设计院 一种钢筋锚固装置及安装方法
US10577823B1 (en) 2016-02-15 2020-03-03 Esk, Llc Fence repair device
KR102643969B1 (ko) * 2016-09-12 2024-03-05 쿠플러 솔루션즈 리미티드 결합 장치, 연관된 부품들, 및 그것의 사용 방법
WO2020081861A1 (en) * 2018-10-17 2020-04-23 Megalex Joint, Llc Method for creating a high tensile strength joint for connecting rods and fittings
JP7406076B2 (ja) 2019-11-25 2023-12-27 ジャパンパイル株式会社 場所打ち杭のための鉄筋かご連結体
CN113137009B (zh) * 2021-04-28 2023-05-09 龙岩市景棋混凝土有限公司 一种预制装配式混凝土构件钢筋锚固连接结构及连接方法

Family Cites Families (26)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US3347572A (en) * 1964-11-02 1967-10-17 Pfaff & Kendall Adjustable mechanism for securing arms to a post
US3367620A (en) * 1965-03-29 1968-02-06 Holt Henry Jack Concrete form anchor and tie
US3505824A (en) * 1969-02-05 1970-04-14 Claude C White Roof support of underground mines and openings
US3509726A (en) * 1969-06-25 1970-05-05 Claude C White Roof support for underground mines and openings
US3715850A (en) * 1971-08-25 1973-02-13 J Chambers Adjustable mounting device
JPS5521473U (ja) * 1978-07-31 1980-02-12
JPS5521473A (en) * 1978-08-03 1980-02-15 Matsushita Electric Ind Co Ltd Preparation of thermoluminescent fluophor consisting of lithium borate
JPS5729763A (en) 1980-07-31 1982-02-17 Obayashi Gumi Kk Improved vibration proofing performance of reinforced concrete frame
US4596496A (en) * 1983-09-29 1986-06-24 The Eastern Co. Mine roof supporting truss system
JPS6042396B2 (ja) * 1984-10-25 1985-09-21 則男 尾崎 下向通風式キユポラ火室床面上の投入装置
JPH0436331Y2 (ja) * 1985-07-30 1992-08-27
JP2813799B2 (ja) * 1988-07-26 1998-10-22 大成建設株式会社 アンカー用鋼線の接合方法
US4934873A (en) * 1988-08-08 1990-06-19 Jennmar Corporation Mine roof support utilizing roof anchors having eye-bolt heads
US4997306A (en) * 1990-06-18 1991-03-05 Soichi Kunoki Joint for reinforcing bars
US5193940A (en) * 1991-08-23 1993-03-16 Dyckerhoff & Widmann Ag Mine roof support system
US5127763A (en) * 1991-09-03 1992-07-07 Soichi Kunoki Clip joint for connection of reinforcing bars and a wedge used therein
JP3197079B2 (ja) * 1992-09-21 2001-08-13 積水ハウス株式会社 鉄筋の接合装置とそれに使用する接合具
US5379562A (en) * 1993-02-01 1995-01-10 Hohmann Ronald P Flow-through cap and stirrup for reinforcement bars and method of use thereof
JP3763877B2 (ja) 1996-02-15 2006-04-05 岡部株式会社 鉄筋定着方法
JPH09228554A (ja) * 1996-02-28 1997-09-02 Nichia Kogyo Kk 鉄筋継手
JP2000154613A (ja) * 1998-11-19 2000-06-06 Tokyo Tekko Co Ltd 異形鉄筋のアンカー
JP2001304210A (ja) * 2000-04-24 2001-10-31 Suteekusu:Kk 杆体継合金具
JP3879065B2 (ja) 2002-08-23 2007-02-07 清水建設株式会社 定着鉄筋
US7162837B1 (en) * 2003-08-21 2007-01-16 Roth Steven A Structural member stabilizing system
CN2643058Y (zh) * 2003-10-08 2004-09-22 徐跃华 一种锚固装置
US7665253B1 (en) * 2004-07-26 2010-02-23 Thomas C Thompson Retrofit hurricane-earthquake connector

Also Published As

Publication number Publication date
CN101529028A (zh) 2009-09-09
EP2067908B1 (en) 2010-11-24
ATE489515T1 (de) 2010-12-15
DE602007010803D1 (de) 2011-01-05
EP2067908A1 (en) 2009-06-10
WO2008038410A1 (fr) 2008-04-03
EP2067908A4 (en) 2009-09-16
TW200833916A (en) 2008-08-16
US20090308017A1 (en) 2009-12-17
CN101529028B (zh) 2011-06-22
JP4843678B2 (ja) 2011-12-21

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4843678B2 (ja) 鉄筋の定着具
KR100404425B1 (ko) 쐐기형 원터치 철근 연결 장치
KR200286101Y1 (ko) 철근 연결장치
JP2007177412A (ja) コンクリートへの固着金物
JP5051766B2 (ja) プレキャスト床版と梁との接合構造
KR20220121142A (ko) 철근 커플러
JP5164778B2 (ja) 杭頭接合構造
KR100603754B1 (ko) 철근의 기계식 커플러
KR200257716Y1 (ko) 쐐기형 원터치 철근 연결 장치
KR200351043Y1 (ko) 철근의 기계식 커플러
KR20050082325A (ko) 스페이스 프레임 트러스
JP2003301561A (ja) 鉄筋継手
KR20210075660A (ko) 내진용 철근 커플러
JP2004003282A (ja) 鉄筋組立体及びその組立てに使用する接合金具
JP4833866B2 (ja) セパレーター取付け金具
WO2016125776A1 (ja) 鉄筋コンクリート柱と鉄骨梁の接合部構造、及び鉄筋コンクリート柱と鉄骨梁の接合方法
JP3220663B2 (ja) 木造建物の軸組装置
KR200321164Y1 (ko) 더블 커넥터를 이용한 철근 이음 장치
JP4087999B2 (ja) パネルの接合構造及びユニット建物
JP2004346614A (ja) 鉄骨柱又は鋼管柱と梁鉄筋との接合構造
JP4456427B2 (ja) 鋼管杭接続構造
JP2001349000A (ja) 鉄筋の接続装置
JP2000248636A (ja) 埋込金具
JP2012127121A (ja) 鉄筋の連結構造、及び連結方法
JP6598073B2 (ja) 鉄筋継手

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20100707

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20110928

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20111007

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4843678

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20141014

Year of fee payment: 3