JP2813799B2 - アンカー用鋼線の接合方法 - Google Patents
アンカー用鋼線の接合方法Info
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- JP2813799B2 JP2813799B2 JP63184747A JP18474788A JP2813799B2 JP 2813799 B2 JP2813799 B2 JP 2813799B2 JP 63184747 A JP63184747 A JP 63184747A JP 18474788 A JP18474788 A JP 18474788A JP 2813799 B2 JP2813799 B2 JP 2813799B2
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Description
【発明の詳細な説明】 <産業上の利用分野> 本発明はアンカー工法の引っ張り鋼材等に用いる鋼線
あるいは鋼より線の接合方法に関するものである。
あるいは鋼より線の接合方法に関するものである。
<従来の技術> 従来のアンカー工法の引っ張り鋼材等に用いる鋼線あ
るいは鋼より線の接合方法には、次のような方法が存在
する。
るいは鋼より線の接合方法には、次のような方法が存在
する。
<イ>クサビやネジ等を用いて、鋼線を接続金具等に固
定して機械的に接合する方法。
定して機械的に接合する方法。
<ロ>樹脂等の接着材や、レジン、セメントモルタル等
の固化材により接合する方法。
の固化材により接合する方法。
<ハ>溶接により接合する方法。
<ニ>鋼線に圧着グリップを取り付けて、カップラー等
で接合する方法。
で接合する方法。
<本発明が解決しようとする問題点> 前記した従来の鋼線の接合方法には、次のような問題
点が存在する。
点が存在する。
<イ>クサビやネジ等による機械的な接合方法は、接合
に要するスペースが大きくなり、アンカー等の小さな孔
内での接合には適用が不可能な場合がある。
に要するスペースが大きくなり、アンカー等の小さな孔
内での接合には適用が不可能な場合がある。
<ロ>接着材や固化材による接合方法は、接着材や固化
材そのものの強さや、鋼線群のかみ合い(インターロッ
キング)強さにより、接合耐力が左右されるため、アン
カーに用いる高耐力を必要とするPC鋼線等を接合するに
は、十分な耐力を得ることが困難である。
材そのものの強さや、鋼線群のかみ合い(インターロッ
キング)強さにより、接合耐力が左右されるため、アン
カーに用いる高耐力を必要とするPC鋼線等を接合するに
は、十分な耐力を得ることが困難である。
<ハ>溶接による接合方法は、母材である鋼線そのもの
の強度が著しく低下するため、ほとんど使用されていな
いのが現状である。
の強度が著しく低下するため、ほとんど使用されていな
いのが現状である。
また、径の異なる鋼線の接合も困難であるとされてい
る。
る。
<ニ>圧着グリップによる接合方法は、低耐力のものを
接合するには問題は無いが、アンカーに用いる高耐力を
必要とするPC鋼線等を接合するには、十分な耐力を得る
ことが困難である。
接合するには問題は無いが、アンカーに用いる高耐力を
必要とするPC鋼線等を接合するには、十分な耐力を得る
ことが困難である。
また、鋼線そのものの耐力が接合部材の耐力に左右さ
れることが多いため、大耐力を得るためには、上記の機
械的な接合方法と同様に、接合に要するスペースが大き
くなるという問題がある。
れることが多いため、大耐力を得るためには、上記の機
械的な接合方法と同様に、接合に要するスペースが大き
くなるという問題がある。
<本発明の目的> 本発明は上記のような問題点を解決するためになされ
たもので、鋼線群の接合部が簡単な構造でかつ接合スペ
ースが小さくて済み、しかも膨張性破砕材の膨張圧によ
り十分な鋼線群の接合耐力を得ることができる鋼線の接
合方法を提供することを目的とする。
たもので、鋼線群の接合部が簡単な構造でかつ接合スペ
ースが小さくて済み、しかも膨張性破砕材の膨張圧によ
り十分な鋼線群の接合耐力を得ることができる鋼線の接
合方法を提供することを目的とする。
<本発明の構成> 以下、図面を参照しながら本発明の一実施例について
説明する。
説明する。
<イ>中空ロッド 中空ロッド1は、第1図に示すように、両端開放型の
中空の筒体である。
中空の筒体である。
この中空ロッド1の軸方向の長さは、鋼線2群の所要
の接合耐力を得るのに必要なだけの長さに設定する。
の接合耐力を得るのに必要なだけの長さに設定する。
本発明の場合には、後述のように膨張材3の膨張圧に
より、鋼線2群の接合耐力を高めることができるため、
中空ロッド1の長さは比較的短いものでよい。
より、鋼線2群の接合耐力を高めることができるため、
中空ロッド1の長さは比較的短いものでよい。
また、中空ロッド1の内周の直径は、接合部の鋼線2
群の周囲に、僅かな間隙を残して包囲できる程度の小径
のものでよい。
群の周囲に、僅かな間隙を残して包囲できる程度の小径
のものでよい。
さらに、中空ロッド1の厚さ及び材質は、中空ロッド
1内に充填する膨張材3の膨張圧に耐え得る程度のもの
でよい。
1内に充填する膨張材3の膨張圧に耐え得る程度のもの
でよい。
即ち、鋼線2に作用する引張り荷重等に対して、中空
ロッド1の厚さ及び材質を設定する必要がないため、中
空ロッド1の厚さ及び材質を低減することができる。
ロッド1の厚さ及び材質を設定する必要がないため、中
空ロッド1の厚さ及び材質を低減することができる。
<ロ>鋼線の挿入 接合する鋼線2群の端部を、それぞれ中空ロッド1内
に両端から挿入し、重ねて配置する。
に両端から挿入し、重ねて配置する。
両端開放型の中空ロッド1の一方の開放側からその軸
芯に大径鋼線2を内挿すると共に、前記中空ロッド1の
他方の開放側から、前記中空ロッド1の軸芯から等距離
で、かつ、前記軸芯を中心として対称位置に細径鋼線2
を内挿配置する。
芯に大径鋼線2を内挿すると共に、前記中空ロッド1の
他方の開放側から、前記中空ロッド1の軸芯から等距離
で、かつ、前記軸芯を中心として対称位置に細径鋼線2
を内挿配置する。
このとき、各鋼線2間と、鋼線2と中空ロッド1の内
面間には、僅かな間隙部を設けて配置する。
面間には、僅かな間隙部を設けて配置する。
<ハ>膨張材の充填 中空ロッド1の両端を仮蓋等で閉塞し、中空ロッド1
内に水で混合した膨張材3を充填する。
内に水で混合した膨張材3を充填する。
膨張材3には、市販されている石灰系の膨張破砕材
(カームマイト)等を使用できる。
(カームマイト)等を使用できる。
そして、中空ロッド1内の間隙部の隅々まで膨張材3
を充填し、膨張材3が膨張、固化した後、仮蓋を外して
鋼線2群の接合を完了する。
を充填し、膨張材3が膨張、固化した後、仮蓋を外して
鋼線2群の接合を完了する。
<作用> 上記のように中空ロッド1内に充填した膨張材3が膨
張すると、その膨張圧が中空ロッド1及び鋼線2群に作
用し、中空ロッド1及び鋼線2群が一体に拘束される。
張すると、その膨張圧が中空ロッド1及び鋼線2群に作
用し、中空ロッド1及び鋼線2群が一体に拘束される。
また同時に、中空ロッド1及び鋼線2群と、膨張材3
間には摩擦抵抗が発生する。
間には摩擦抵抗が発生する。
そのため、上記膨張圧に摩擦係数を乗じた非常に大き
な力が、鋼線2群の接合耐力として期待することができ
る。
な力が、鋼線2群の接合耐力として期待することができ
る。
例えば、膨張材3に石灰系の膨張破砕材(カームマイ
ト)を使用した場合には、300〜500kgf/cm2の膨張圧を
発生させることができる。
ト)を使用した場合には、300〜500kgf/cm2の膨張圧を
発生させることができる。
この値は、例えばアンカーの引張り鋼材として一般的
なPC鋼より線(直径12.7mm)を接合する場合には、僅か
20cm程度の鋼線2の接合部の長さを確保すればよいこと
を示すものである。
なPC鋼より線(直径12.7mm)を接合する場合には、僅か
20cm程度の鋼線2の接合部の長さを確保すればよいこと
を示すものである。
また、膨張材3の養生期間は1日程度と短く、セメン
ト系の固化材等と比較すると短期間で済む。
ト系の固化材等と比較すると短期間で済む。
<実験例1> 直径38mmのガス管(l=1,000)内に、PC鋼より線
(直径12.7mm)を内挿し、ガス管内に膨張破砕材を充填
し作成した試験体に対して、1週間後から1年間にわた
って耐力試験を実施した。
(直径12.7mm)を内挿し、ガス管内に膨張破砕材を充填
し作成した試験体に対して、1週間後から1年間にわた
って耐力試験を実施した。
その結果、摩擦抵抗Rf=150kg/cm2という極めて大き
い耐力を発揮することを確認した(水中及び気中の両養
生方法においてともに)。
い耐力を発揮することを確認した(水中及び気中の両養
生方法においてともに)。
なお、使用した膨張破砕材の膨張圧Pは、約300kgf/c
m2程度であり、PC鋼より線と膨張材との摩擦係数μは、
μ=150/300=0.5と算定することができる。
m2程度であり、PC鋼より線と膨張材との摩擦係数μは、
μ=150/300=0.5と算定することができる。
<実験例2> 第1図に示す要領で作成した試験体について、接合部
の長さ(中空ロッドの長さ)を変化させた場合の耐力試
験を行った。
の長さ(中空ロッドの長さ)を変化させた場合の耐力試
験を行った。
接合対象としたPC鋼より線は、直径21.8mmを一本と、
直径12.7mmを4本使用した。
直径12.7mmを4本使用した。
試験結果は第2図に示す通りであり、摩擦抵抗Rf=90
〜110kg/cm2を得られることが明らかとなった。
〜110kg/cm2を得られることが明らかとなった。
以上の実験例1と2における差は、中空ロッド内への
膨張材の充填性によるものと考えられる。
膨張材の充填性によるものと考えられる。
<本発明の効果> 本発明は以上説明したようになるので、次のような効
果を期待することができる。
果を期待することができる。
<イ>従来の鋼線の接合方法は、接合に要するスペース
が大きくなり、アンカー等の小さな孔内での接合には適
用が不可能な場合がある。
が大きくなり、アンカー等の小さな孔内での接合には適
用が不可能な場合がある。
それに対して本発明の方法は、接合に使用する部材
が、中空の筒体と、その筒体内に充填する膨張材のみで
ある。
が、中空の筒体と、その筒体内に充填する膨張材のみで
ある。
しかも、この筒体は小径、短寸で、かつ膨張材の膨張
圧に耐え得る程度の薄いものでよく、また材質も得に限
定する必要がない。
圧に耐え得る程度の薄いものでよく、また材質も得に限
定する必要がない。
そのため、接合に要するスペースが小さくて済み、ア
ンカー等の小さな孔内での接合も容易に行うことができ
る。
ンカー等の小さな孔内での接合も容易に行うことができ
る。
<ロ>筒体内に充填した膨張材が膨張すると、その膨張
圧が筒体及び鋼線群に作用し、筒体及び鋼線群が一体に
拘束される。
圧が筒体及び鋼線群に作用し、筒体及び鋼線群が一体に
拘束される。
また同時に、筒体及び鋼線群と、膨張材間には摩擦抵
抗が発生する。
抗が発生する。
そのため、上記膨張圧に摩擦係数を乗じた非常に大き
な力が、鋼線群の接合耐力として期待することができ
る。
な力が、鋼線群の接合耐力として期待することができ
る。
従って、アンカーに用いる高耐力を必要とするPC鋼線
等を接合する場合でも、十分な接合耐力を得ることがで
きる。
等を接合する場合でも、十分な接合耐力を得ることがで
きる。
<ハ>本発明に使用する部材は、中空の筒体とその筒体
内に充填する膨張材のみである。
内に充填する膨張材のみである。
しかも、筒体は小型で、材質も特に限定する必要がな
い。
い。
そのため、特殊な器具、装置さらには技術を必要とせ
ず、またコスト的にも従来と比べるとかなり安価とな
る。
ず、またコスト的にも従来と比べるとかなり安価とな
る。
<ニ>本発明で使用する膨張材は、養生期間が1日程度
と短く、従来のセメント系の固化材等と比較すると短期
間で製作を行うことができる。
と短く、従来のセメント系の固化材等と比較すると短期
間で製作を行うことができる。
<ホ>大径鋼線及び複数の細径鋼線を同軸線上で中空筒
体の軸方向の力を伝達可能に連結したので、軸力が偏心
したり捩じれて伝達されず軸方向の力を効果的に伝達で
きます。
体の軸方向の力を伝達可能に連結したので、軸力が偏心
したり捩じれて伝達されず軸方向の力を効果的に伝達で
きます。
第1図:本発明の一実施例の説明図 第2図:試験結果を示す説明図
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭58−222251(JP,A) 特開 昭63−55245(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) E04C 5/18 102 E02D 5/80
Claims (1)
- 【請求項1】径の異なるアンカー用の大径鋼線と複数の
細径鋼線とを同軸線上で重合させて接合するアンカー用
鋼線の接合方法において、 両端開放型の中空筒体の一方の開放側からその軸芯に大
径鋼線を内挿すると共に、 前記中空筒体の他方の開放側から、前記中空筒体の軸芯
から等距離で、かつ、前記軸芯を中心として対称位置に
細径鋼線を内挿し、 前記筒体内に膨張材を充填し、 前記筒体内で膨張材を介して大径鋼線及び複数の細径鋼
線を同軸線上で中空筒体の軸方向の力を伝達可能に連結
したことを特徴とする、 アンカー用鋼線の接合方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP63184747A JP2813799B2 (ja) | 1988-07-26 | 1988-07-26 | アンカー用鋼線の接合方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP63184747A JP2813799B2 (ja) | 1988-07-26 | 1988-07-26 | アンカー用鋼線の接合方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0235153A JPH0235153A (ja) | 1990-02-05 |
JP2813799B2 true JP2813799B2 (ja) | 1998-10-22 |
Family
ID=16158637
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP63184747A Expired - Fee Related JP2813799B2 (ja) | 1988-07-26 | 1988-07-26 | アンカー用鋼線の接合方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2813799B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006307571A (ja) * | 2005-04-28 | 2006-11-09 | Railway Technical Res Inst | 補強材の接続方法およびその補強材の継手ならびに補強材の定着方法およびその補強材の定着端部 |
JP4843678B2 (ja) * | 2006-09-28 | 2011-12-21 | 岡部株式会社 | 鉄筋の定着具 |
Family Cites Families (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS58222251A (ja) * | 1982-06-17 | 1983-12-23 | 積水ハウス株式会社 | 鉄筋継手 |
US4692052A (en) * | 1986-06-25 | 1987-09-08 | Elizabeth W. Yee | Splice sleeve for overlapping reinforcing bars |
-
1988
- 1988-07-26 JP JP63184747A patent/JP2813799B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0235153A (ja) | 1990-02-05 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |