JPH0259251B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は壁に設けた誘発目地部におけるシヤー
コツターに関するものである。

従来より例えば外壁には誘発目地部を設けたも
のがあるが、璧筋が誘発目地部に直角に配筋され
ている場合にはこの璧筋が亀裂生成を拘束するこ
とになつて、誘発目地部としての機能が損われ、
また亀裂生成時に璧筋に引張力が生じて、璧筋が
変形し、外壁の品質が劣る問題があつた。

本発明の目的は、上記の問題を解決するもの
で、本発明の特徴は例えば丸鋼と鋼管とを組み合
わせて、材軸方向には璧の伸縮に応じて伸長し、
材軸に直角方向にはせん断耐力のあるシヤーコツ
ターを提供するものである。

以下本発明の一実施例を図面に基づいて説明す
る。

第１，２図において、本発明に係るシヤーコツ
ターはコツター基部体１とコツター軸部体２とを
伸長可能にした連結した棒体状のものである。す
なわちコツター基部体１は例えば鋼管で構成し、
下端部は機械的手段により両側から押圧力をかけ
て圧縮して定着部３を形成し、この定着部は内部
の挿入孔４の下端開口を封止して、挿入孔の長さ
を所定のものに設定してある。

またコツター軸部体２は例えば丸鋼で構成し、
上部を図示の例では90°曲げたフツク状の定着部
５としてある。またコツター軸部体２の下部は、
コツター基部体の挿入孔４内に移動可能に挿入連
結する重合部２ａとなつている。この重合部はグ
リース等の剥離剤を塗布してコツター基部体１と
の付着力を低減させてある。コツター軸部体２が
挿入状態において、挿入孔４の開口部におけるコ
ツター基部体１との隙間にはセメントペーストを
充填して、ガタ付きを防止している。

次に使用例について説明する。

第３図において、璧筋における横筋５…のうち
太径の横筋５ａと５ｂとの間を、誘発目地部６が
位置できる所定の間隔をあけて配筋し、両横筋５
ａ，５ｂに、縦筋７ａ…および７ｂ…の一端を掛
止めてある。なお、横筋５ａと５ｂとの間には何
も配筋していない。この状態において、施工され
る誘発目地部６と直角となるように横筋５ａと５
ｂとの間にシヤーコツターを配設する。すなわち
コツター基部体１を横筋５ｂ側に、コツター軸部
体２を横筋５ａ側に、それぞれ横筋と直交するよ
うに配設する。こうすることにより、璧に矢印
Ｙ，Y₁方向の応力が作用して、シヤーコツター
に材軸方向の応力がかかつても、シヤーコツター
は伸長し、このため誘発目地部６における亀裂の
生成は拘束されず、誘発目地部の機能が損われな
い。また矢印Ｘ，X₁方向（材軸に直角方向）の
応力に対して、シヤーコツターはせん断耐力を保
有し、このため璧筋は変形しない。

なお、定着部の構成は、上例の圧縮状のものや
フツク状のものに限定されない。

以上説明したように本発明によれば、璧の面
内、面外のせん断力を伝達し、誘発目地部におけ
る亀裂の生成を拘束することが少なく、誘発目地
の機能が損われず、そして璧筋の変形を防止でき
て璧の品質の劣化を防ぐことができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は斜視図、第２図は分解して示した斜視
図、第３図は使用状態を示す断面図である。 １……コツター基部体、２……コツター軸部
体、２ａ……重合部、３……定着部、４……挿入
孔、５……定着部、６……誘発目地部。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 一端より軸心部に挿入孔が形成してあるコツ
   ター基部体と、 上記挿入孔に重合部が移動可能に挿入連結する
   コツター軸部体と、 このコツター軸部体とコツター基部体とにそれ
   ぞれ設けた定着部と を具備するシヤーコツター。