JPWO2007125779A1 - 熱安定性に優れた真核型アマドリアーゼ、その遺伝子及び組換え体dna、並びに熱安定性に優れた真核型アマドリアーゼの製造法 - Google Patents

熱安定性に優れた真核型アマドリアーゼ、その遺伝子及び組換え体dna、並びに熱安定性に優れた真核型アマドリアーゼの製造法 Download PDF

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Abstract

本発明の目的は、従来の真核型アマドリアーゼが有する熱安定性に関する欠点を克服し、糖尿病の臨床診断用酵素や酵素センサーの用途に熱安定性の優れた真核型アマドリアーゼを提供すること。本発明は、Coniochaeta属若しくはEupenicillium属由来の真核型アマドリアーゼをコードするDNAに変異を加え、特定のアミノ酸残基に置換を導入し、熱安定性に関する欠点を克服した真核型アマドリアーゼ、その遺伝子及び組換え体DNA、並びに熱安定性に優れた真核型アマドリアーゼの製造法に関する。

Description

本発明は、熱安定性に優れた真核型アマドリアーゼ、その遺伝子及び組換え体DNA、並びに熱安定性に優れた真核型アマドリアーゼの製造法に関する。
アマドリアーゼは、酸素の存在下で、イミノ2酢酸若しくはその誘導体(「アマドリ化合物」とも言う)を酸化して、グリオキシル酸若しくはα−ケトアルデヒド、アミノ酸若しくはペプチド、及び過酸化水素を生成する反応を触媒する。
アマドリアーゼは、細菌、酵母、真菌から見出されている(例えば、特許文献1〜4参照)。Aspergillus属、Penicillium属、Fusarium属、Pichia属、Coniochaeta属、Eupenicillium属、Pyrenochaeta属、Arthrinium属、Neocosmospora属、Corynebacterium属、Agrobacterium属からアマドリアーゼが精製され、各アマドリアーゼのアミノ酸配列が決定されている(例えば、非特許文献1〜4、及び特許文献5〜9参照)。
これらのアマドリアーゼは、原核型アマドリアーゼと真核型アマドリアーゼの2つのタイプに分類することができる。原核生物由来の原核型アマドリアーゼと真核生物由来の真核型アマドリアーゼとは互いに、それぞれのタイプ内においてのみアミノ酸配列が高い相同性を有する一方で、タイプを異とする真核型と原核型アマドリアーゼのタイプ間においては、アミノ酸配列の相同性は極めて低い。
原核型アマドリアーゼは、補酵素との結合が共有結合ではないため、酵素の精製中、若しくは保存中において、一部の補酵素が外れて酵素活性を失ってしまうという問題があった。これに対し、真核型アマドリアーゼは、補酵素との結合が共有結合のため、原核型アマドリアーゼで確認された上記の問題は認められず、従って実用上優れた性質を有している。
さて、糖尿病の臨床診断分野において、糖尿病患者の診断や症状管理のための重要な血糖コントロールマーカーとして、糖化ヘモグロビン(HbA1c)が注目されている。このHbA1cを迅速かつ簡便に測定する方法として、アマドリアーゼを用いる酵素的方法、すなわち、HbA1cをプロテアーゼなどで分解し、遊離させた糖化アミノ酸若しくは糖化ペプチドを測定する方法が提案されている(例えば、特許文献10〜13参照)。
アマドリアーゼを糖尿病の臨床診断用酵素としてキット試薬に処方する上では、酵素の性質として熱安定性が要求される。Aspergillus terreus GP1株由来の真核型アマドリアーゼは45℃、10分間の熱処理で約40%の残存活性を示している(例えば、非特許文献2参照)。Fusarium oxysporum S−1F4株由来の真核型アマドリアーゼは45℃、5分間の熱処理で約10%の残存活性を示している(例えば、非特許文献5参照)。また、Coniochaetidium savoryi ATCC36547株由来の真核型アマドリアーゼは37℃以下、30分間の熱処理で80%の残存活性を示している(例えば、特許文献14参照)。さらに、Arthrinium sp. TO6株、Pyrenochaeta sp. YH807株、Leptosphaeria nodorum NBRC7480株、Pleospora herbarum NBRC32012株、Ophiobolus herpotrichus NBRC6158株由来の各真核型アマドリアーゼは40℃以下、30分間の熱処理で80%の残存活性を示している。また、Neocosmospora vasinfecta NBRC7590株由来の真核型アマドリアーゼは45℃以下、30分間の熱処理で80%の残存活性を示している。Curvularia clavata YH923株由来の真核型アマドリアーゼは50℃以下、30分間の熱処理で80%の残存活性を示している(例えば、特許文献14参照)。
しかし、これらの真核型アマドリアーゼを臨床診断用の酵素として使用する上では、さらなる熱安定性が必要とされる。すなわち、最も熱安定性の高いCurvularia clavata YH923株由来の酵素で、50℃以下、30分間の熱処理で80%の残存活性を示しているが、糖尿病の臨床診断用酵素としてキット試薬に処方することや、酵素センサーとしての用途を考えると、さらにより高い熱安定性が要求されている。
一般的な技術として、酵素の熱安定性を高めるためには、酵素をコードするDNAに変異を加え、酵素のアミノ酸に置換を導入し、熱安定性の優れた酵素を選抜する方法が知られている。また、相同性の高い酵素において、アミノ酸置換によって熱安定性を高めたという例がすでに知られている場合には、その情報をもとに熱安定性の向上を予想することが可能である。
実際、コリネバクテリウム属細菌由来の原核型アマドリアーゼについては、数個のアミノ酸を置換することによって、当該原核型アマドリアーゼの熱安定性が向上することが示されており(例えば、非特許文献5参照)、他の原核型アマドリアーゼへの熱安定性の導入も可能なことであろう。
しかし、上記で述べたように、アマドリアーゼのアミノ酸配列は、真核型アマドリアーゼと原核型アマドリアーゼのタイプ間において相同性が極めて低いため、コリネバクテリウム属細菌由来の原核型アマドリアーゼの熱安定性に関与するアミノ酸変異についての情報をもとに、真核型アマドリアーゼの熱安定性の向上を予想することは不可能であった。
また、公知の真核型アマドリアーゼについて、アミノ酸の置換によって熱安定性を向上させたという報告は一例もなく、真核型アマドリアーゼの熱安定性に関する既存の情報を利用することはできない。実際に真核型アマドリアーゼタイプの熱安定性を高めるために配列中のどのアミノ酸を置換すればよいかは、鋭意具体的な研究を要することとなる。
特公平5−33997号公報 特開2000−270855号公報 特開平7−289253号公報 特開平8−336386号公報 特開2003−235585号公報 特開2004−275063号公報 国際公開第2004/104203号パンフレット 特開平11−155579号公報 特開2003−79386号公報 特開2001−95598号公報 特公平05−33997号公報 特開平11−127895号公報 国際公開第97/13872号パンフレット 特開2004−275013号公報 Arch.Microbiol.178,344−50,2002 Eur.J.Biochem.242,499−505,1996 Mar.Biotechnol.6,625−32,2004 Biosci. Biotechnol. Biochem.59, 487−91,1995 Appl.Environ.Microbiol.69,139−45,2003
本発明が解決しようとする課題は、従来の真核型アマドリアーゼが有する熱安定性に関する欠点を克服し、糖尿病の臨床診断用酵素や酵素センサーの用途に熱安定性の優れた真核型アマドリアーゼを提供することにある。
本発明者らは、前記課題解決のために鋭意研究を重ねた結果、Coniochaeta属由来の真核型アマドリアーゼ(FPOX−CE)若しくはEupenicillium属由来の真核型アマドリアーゼ(FPOX−EE)における特定のアミノ酸残基を特定のアミノ酸残基に置換することにより、上記課題を解決しうることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、以下の発明を提供するものである。
(1)以下の(a)及び/又は(b)の特徴を有する真核型アマドリアーゼ:
(a)pH8.0において50℃、30分間の熱処理で83%以上活性が残存する;
(b)配列番号1記載の真核型アマドリアーゼのアミノ酸配列と75%以上の相同性を有するアミノ酸配列を有する。
(2)以下の(a)から(c)よりなる群から選択されるアミノ酸に対応する位置で1つ又はそれ以上のアミノ酸の改変若しくは変異を有する、上記(1)記載の真核型アマドリアーゼ:
(a)配列表の配列番号1記載のアミノ酸配列の184位のグリシン;
(b)配列表の配列番号1記載のアミノ酸配列の272位のアスパラギン;
(c)配列表の配列番号1記載のアミノ酸配列の388位のヒスチジン。
(3)以下の(a)及び(b)の特徴を有する真核型アマドリアーゼ:
(a)50℃、30分間の熱処理で83%以上活性が残存する;
(b)配列表の配列番号1に示されるアミノ酸配列に1又は数個のアミノ酸の欠失、挿入、付加、及び/又は置換がなされたアミノ酸配列を有する。
(4)配列表の配列番号1記載のアミノ酸配列において、94位のアルギニン、184位のグリシン、265位のフェニルアラニン、272位のアスパラギン、302位のヒスチジン、若しくは388位のヒスチジンの位置で1つ又はそれ以上のアミノ酸の改変若しくは変異を有する真核型アマドリアーゼ。
(5)配列表の配列番号1記載のアミノ酸配列において、以下の(a)から(f)よりなる群から選択される1つ又はそれ以上の改変若しくは変異の組み合わせからなる真核型アマドリアーゼ:
(a)94位のアルギニンがリジンに置換されている;
(b)184位のグリシンがアスパラギン酸に置換されている;
(c)265位のフェニルアラニンがロイシンに置換されている;
(d)272位のアスパラギンがアスパラギン酸に置換されている;
(e)302位のヒスチジンがアルギニンに置換されている;
(f)388位のヒスチジンがチロシンに置換されている。
(6)配列表の配列番号1記載のアミノ酸配列において、272位のアスパラギンがアスパラギン酸に置換され、302位のヒスチジンがアルギニンに置換され、かつ、388位のヒスチジンがチロシンに置換されている真核型アマドリアーゼ。
(7)以下の(a)及び/又は(b)の特徴を有する真核型アマドリアーゼ:
(a)pH8.0において50℃、30分間の熱処理で50%以上活性が残存する;
(b)配列表の配列番号2記載の真核型アマドリアーゼのアミノ酸配列と75%以上の相同性を有するアミノ酸配列を有する。
(8)以下の(a)及び(b)の特徴を有する真核型アマドリアーゼ:
(a)50℃、30分間の熱処理で50%以上活性が残存する;
(b)配列表の配列番号2に示されるアミノ酸配列に1又は数個のアミノ酸の欠失、挿入、付加、及び/又は置換がなされたアミノ酸配列を有する。
(9)配列表の配列番号2記載のアミノ酸配列において、184位のグリシン、272位のアスパラギン、若しくは388位のヒスチジンの位置で1つ又はそれ以上のアミノ酸の改変若しくは変異を有する真核型アマドリアーゼ。
(10)配列表の配列番号2記載のアミノ酸配列において、以下の(a)から(c)よりなる群から選択される1つ又はそれ以上の改変若しくは変異の組み合わせからなる真核型アマドリアーゼ:
(a)184位のグリシンがアスパラギン酸に置換されている;
(b)272位のアスパラギンがアスパラギン酸に置換されている;
(c)388位のヒスチジンがチロシンに置換されている。
(11)配列表の配列番号2記載のアミノ酸配列において、184位のグリシンがアスパラギン酸に置換され、272位のアスパラギンがアスパラギン酸に置換され、かつ、388位のヒスチジンがチロシンに置換されている真核型アマドリアーゼ。
(12)上記(1)〜(11)のいずれか1に記載のアミノ酸配列をコードする真核型アマドリアーゼ遺伝子。
(13)上記(12)記載の真核型アマドリアーゼ遺伝子を含む組換えベクター。
(14)上記(13)記載の組換えベクターを含む宿主細胞。
(15)真核型アマドリアーゼを生成する方法であり、以下の段階を含む方法:
(a)上記(14)記載の宿主細胞を培養する段階;
(b)宿主細胞に含まれる真核型アマドリアーゼ遺伝子を発現させる段階;
(c)培養物から真核型アマドリアーゼを単離する段階。
(16)上記(1)〜(11)のいずれかに記載の真核型アマドリアーゼを含む、糖化タンパク質の測定において使用するためのキット。
(17)上記(1)〜(11)のいずれかに記載の真核型アマドリアーゼを含む、糖化ヘモグロビンの測定において使用するためのキット。
(18)下記の(a)から(f)の理化学的性質を有する真核型アマドリアーゼ:
(a)作用及び基質特異性:酸素存在下でフルクトシルバリルヒスチジンに作用し、α−ケトアルデヒド、バリルヒスチジン及び過酸化水素を生成する反応を触媒する;
(b)至適pH:pH6.0〜8.0;
(c)作用適温の範囲:20〜45℃;
(d)熱安定性:pH8.0において50℃、30分間の熱処理で83%以上の活性が残存;
(e)安定pHの範囲:pH6.0〜9.0;
(f)分子量:約52,000(SDS−PAGE)。
本発明によれば、熱安定性の優れた真核型アマドリアーゼ及びそれをコードする遺伝子等が提供され、糖尿病の診断用酵素等として、また、糖尿病マーカーの測定用キットに有利に利用される。
配列番号1で示されるアミノ酸配列(最上段)及び該配列と75%以上の相同性を有するアミノ酸配列からなる真核型アマドリアーゼ配列を整列させた図である。
以下、本発明を詳細に説明する。
アマドリアーゼとは、フルクトシルアミノ酸オキシダーゼ、フルクトシルアミンオキシダーゼともいい、酸素の存在下で、イミノ2酢酸若しくはその誘導体(アマドリ化合物)を酸化して、グリオキシル酸若しくはα−ケトアルデヒド、アミノ酸若しくはペプチド、及び過酸化水素を生成する反応を触媒する酵素のことをいう。
アマドリアーゼは、自然界に広く分布しており、微生物や、動物若しくは植物起源の酵素を探索することにより、得ることができる。微生物においては、例えば、糸状菌、酵母、若しくは細菌等から得ることができる。
本発明の真核型アマドリアーゼは、配列番号1に示されるアミノ酸配列を有するConiochaeta属若しくは配列番号2に示されるアミノ酸配列を有するEupenicillium属由来の真核型アマドリアーゼ(FPOX−CE、FPOX−EE)に基づき作製された、熱安定性の優れた、真核型アマドリアーゼの改変体である。このような変異体の例として、例えば、また、配列番号1若しくは2と高い相同性(例えば、75%以上、好ましくは、85%以上、より好ましくは95%以上)を有するアミノ酸配列を有する真核型アマドリアーゼ、及び、配列番号1若しくは配列番号2のアミノ酸配列で、1から数個のアミノ酸が改変若しくは変異、又は、欠失、置換、付加及び/又は挿入されたアミノ酸配列を有する真核型アマドリアーゼを挙げることが出来る。尚、請求の範囲に記載された、熱安定性及び/又はアミノ酸配列に関する条件を満たす限り、例えば、Eupenicillium属、Pyrenochaeta属、Arthrinium属、Curvlaria属、Neocosmospora属、Penicillium属、Fusarium属、若しくはAspergillus属のような、他の糸状菌若しくは酵母由来の真核型アマドリアーゼに基づき作製されたものでもよい。
これらの真核型アマドリアーゼをコードする本発明の遺伝子(以下、単に「真核型アマドリアーゼ遺伝子」ともいう)を得るには、通常一般的に用いられている遺伝子のクローニング方法が用いられる。例えば、真核型アマドリアーゼ生産能を有する微生物菌体や種々の細胞から常法、例えば、Current Protocols in Molecular Biology (WILEY Interscience,1989)記載の方法により、染色体DNA又はmRNAを抽出することができる。さらにmRNAを鋳型としてcDNAを合成することができる。このようにして得られた染色体DNA又はcDNAを用いて、染色体DNA又はcDNAのライブラリーを作製することができる。
ついで、上記真核型アマドリアーゼのアミノ酸配列に基づき、適当なプローブDNAを合成して、これを用いて染色体DNA又はcDNAのライブラリーから真核型アマドリアーゼ遺伝子を選抜する方法、あるいは、上記アミノ酸配列に基づき、適当なプライマーDNAを作製して、5’RACE法や3’RACE法などの適当なポリメラーゼ連鎖反応(PCR法)により、真核型アマドリアーゼをコードする目的の遺伝子断片を含むDNAを増幅させ、これらのDNA断片を連結させて、目的の真核型アマドリアーゼ遺伝子の全長を含むDNAを得ることができる。
このようにして得られた真核型アマドリアーゼをコードする遺伝子の好ましい一例として、Coniochaeta属由来の真核型アマドリアーゼ遺伝子(特許文献5)の例などが挙げられる。
これらの真核型アマドリアーゼ遺伝子は、常法通り各種ベクターに連結されていることが、取扱い上好ましい。例えば、Coniochaeta sp. NISL9330株由来の真核型アマドリアーゼ遺伝子をコードするDNAを含む組換え体プラスミドpKK223−3−CFP(特許文献5)から、QIAGEN(キアゲン社製)を用いることにより、真核型アマドリアーゼ遺伝子をコードするDNAを、抽出、精製して得ることができる。
なお、本発明において用いることのできるベクターとしては、上記プラスミドに限定されることなくそれ以外の、例えば、バクテリオファージ、コスミド等の当業者に公知の任意のベクターを用いることができる。具体的には、例えば、pBluescriptII SK(STRATAGENE社製)等が好ましい。
真核型アマドリアーゼ遺伝子の変異処理は、企図する変異形態に応じた、公知の任意の方法で行うことができる。すなわち、真核型アマドリアーゼ遺伝子あるいは当該遺伝子の組み込まれた組換え体DNAと変異原となる薬剤とを接触・作用させる方法;紫外線照射法;遺伝子工学的手法;又は蛋白質工学的手法を駆使する方法等を広く用いることができる。
上記変異処理に用いられる変異原となる薬剤としては、例えば、ヒドロキシルアミン、N−メチル−N’−ニトロ−N−ニトロソグアニジン、亜硝酸、亜硫酸、ヒドラジン、蟻酸、若しくは5−ブロモウラシル等を挙げることができる。
この接触・作用の諸条件は、用いる薬剤の種類等に応じた条件を採ることが可能であり、現実に所望の変異を真核型アマドリアーゼ遺伝子において惹起することができる限り特に限定されない。通常、好ましくは0.5〜12Mの上記薬剤濃度において、20〜80℃の反応温度下で10分間以上、好ましくは10〜180分間接触・作用させることで、所望の変異を惹起可能である。紫外線照射を行う場合においても、上記の通り常法に従い行うことができる(現代化学、p24〜30、1989年6月号)。
蛋白質工学的手法を駆使する方法としては、一般的に、Site−Specific Mutagenesisとして知られる手法を用いることができる。例えば、Kramer法 (Nucleic Acids Res.,12,9441(1984):Methods Enzymol.,154,350(1987):Gene,37,73(1985))、Eckstein法(Nucleic Acids Res.,13,8749(1985):Nucleic Acids Res.,13,8765(1985):Nucleic Acids Res,14,9679(1986))、Kunkel法(Proc. Natl. Acid. Sci. U.S.A.,82,488(1985):Methods Enzymol.,154,367(1987))等が挙げられる。
また、一般的なポリメラーゼチェインリアクション(Polymerase Chain Reaction)として知られる手法を用いることもできる(Technique,1,11(1989))。なお、上記遺伝子改変法の他に、有機合成法又は酵素合成法により、直接所望の改変真核型アマドリアーゼ遺伝子を合成することもできる。
上記方法により得られる真核型アマドリアーゼ遺伝子のDNA塩基配列の決定若しくは確認を行う場合には、例えば、マルチキャピラリーDNA解析システムCEQ2000(ベックマン・コールター社製)等を用いることにより行うことができる。
上述の如くして得られた真核型アマドリアーゼ遺伝子を、常法により、バクテリオファージ、コスミド、又は原核細胞若しくは真核細胞の形質転換に用いられるプラスミド等のベクターに組み込み、各々のベクターに対応する宿主を常法により、形質転換又は形質導入をすることができる。例えば、宿主として、エッシェリシア属に属する微生物、例えば得られた組換え体DNAを用いて、例えば、大腸菌K−12株、好ましくは大腸菌JM109株、大腸菌DH5α株(ともにタカラバイオ社製)等を形質転換又はそれらに形質導入してそれぞれの菌株を得る。
次に、本発明の真核型アマドリアーゼの生産株を選抜するためには、例えば、次のような方法を用いることができる。
まず、得られた上記形質転換体がコロニーを形成したLB寒天培地から滅菌したビロード生地等で新しい寒天培地にレプリカを数枚とり、培養する。レプリカをとった寒天培地のコロニーが十分な大きさになったら、リゾチームなどの溶菌剤に浸した膜を培地に重ね、37℃で、1時間ほど静置し、溶菌させる。このとき溶菌した粗酵素液が膜に吸着する。
粗酵素液を吸着させた膜を、55℃の条件で1時間静置した後、基質であるフルクトシルバリン、パーオキシダーゼ、TOOS、4−アミノアンチピリンを含む0.1M リン酸カリウム緩衝液(pH8.0)に浸した膜と重ね合わせ、紫色の発色の度合いを観察する。改変前の真核型アマドリアーゼ生産株についても同様の工程で発色試験を行い、その比較により目的とする形質転換体を選抜する。
この様にして、優れた熱安定性を有する本発明の真核型アマドリアーゼの生産能を有する形質転換体を得ることができる。
さらに必要により、熱安定性の真核型アマドリアーゼの生産能を有する形質転換体を用い、改変された該真核型アマドリアーゼ遺伝子に対して、上記に示した改変方法により、さらに変異導入を繰り返し行うことにより、さらに熱安定性の優れた改変された真核型アマドリアーゼ及びその生産能を有する形質転換体を得ることもできる。
例えば、このようにして得られた熱安定性の優れた真核型アマドリアーゼを生産する形質転換体の一例として、pH8.0において50℃、30分間の熱処理による残存活性率が83%以上、好ましくは90%以上、より好ましくは95%以上になった真核型アマドリアーゼを生産する大腸菌JM109(pKK223−3−CFP−T7)株を挙げることができる。一例として示した本発明の真核型アマドリアーゼをコードする遺伝子を含むプラスミドpKK223−3−CFP−T7は、日本国茨城県つくば市東1丁目1番地中央第6所在の独立行政法人産業技術総合研究所特許生物寄託センターに2006年3月31日付けで寄託され、受託番号 FERM BP−10593が付与されている。
なお、アミノ酸配列の相同性は、GENETYX−Mac(Software Development社製)のマキシマムマッチングやサーチホモロジー等のプログラム、又はDNASIS Pro(日立ソフト社製)のマキシマムマッチングやマルチプルアライメント等のプログラムにより計算することができる。
また、「アミノ酸に対応する位置」を特定する方法としては、例えばリップマン−パーソン法等の公知のアルゴリズムを用いてアミノ酸配列を比較し、各真核型アマドリアーゼのアミノ酸配列中に存在する保存アミノ酸残基に最大の相同性を与えることにより行うことができる。真核型アマドリアーゼのアミノ酸配列をこのような方法で整列させることにより、アミノ酸配列中にある挿入、欠失にかかわらず、相同アミノ酸残基の各真核型アマドリアーゼ配列における配列中の位置を決めることが可能である。相同位置は、三次元構造中で同位置に存在すると考えられ、対象となる真核型アマドリアーゼの特異的機能に関して類似した効果を有することが推定できる。
なお、本発明において、「配列番号1記載のアミノ酸配列の184位のグリシンに対応する位置」とは、確定した真核型アマドリアーゼのアミノ酸配列を、配列番号1に示されるConiochaeta属由来の真核型アマドリアーゼのアミノ酸配列と比較した場合に、配列番号1の真核型アマドリアーゼの184位のグリシンに対応するアミノ酸を意味するものである。これにより、上記の「相当する位置のアミノ酸残基」を特定する方法でアミノ酸配列を整列させた図1により特定することができる。
すなわち、Eupenicillium属由来の真核型アマドリアーゼでは184位のグリシン、Pyrenochaeta属由来の真核型アマドリアーゼでは184位のグリシン、Arthrinium属由来の真核型アマドリアーゼでは184位のグリシン、Neocosmospora属由来の真核型アマドリアーゼでは184位のグリシン、Penicillium属由来の真核型アマドリアーゼでは184位のセリン、Aspergillus属由来の真核型アマドリアーゼでは183位のグリシンである。
また、「配列番号1記載のアミノ酸配列の272位のアスパラギンに対応する位置」とは、確定した真核型アマドリアーゼのアミノ酸配列を、配列番号1に示されるConiochaeta属由来の真核型アマドリアーゼのアミノ酸配列と比較した場合に、配列番号1記載のアミノ酸配列の272位のアスパラギンに対応するアミノ酸を意味するものである。これも上記の方法でアミノ酸配列を整列させた図1より特定することができる。
すなわち、Eupenicillium属由来の真核型アマドリアーゼでは272位のアスパラギン、Pyrenochaeta属由来の真核型アマドリアーゼでは270位のアスパラギン、Arthrinium属由来の真核型アマドリアーゼでは272位のアスパラギン、Neocosmospora属由来の真核型アマドリアーゼでは272位のアスパラギン、Penicillium属由来の真核型アマドリアーゼでは272位のアスパラギン、Aspergillus属由来の真核型アマドリアーゼでは272位のアスパラギンである。
さらに、「配列番号1記載のアミノ酸配列の388位のヒスチジンに対応する位置」とは、確定した真核型アマドリアーゼのアミノ酸配列を、配列番号1に示されるConiochaeta属由来の真核型アマドリアーゼのアミノ酸配列と比較した場合に、配列番号1の真核型アマドリアーゼの388位のヒスチジンに対応するアミノ酸を意味するものである。これも上記の方法でアミノ酸配列を整列させた図1より特定することができる。
すなわち、Eupenicillium属由来の真核型アマドリアーゼでは388位のヒスチジン、Pyrenochaeta属由来の真核型アマドリアーゼでは386位のヒスチジン、Arthrinium属由来の真核型アマドリアーゼでは389位のヒスチジン、Neocosmospora属由来の真核型アマドリアーゼでは388位のヒスチジン、Penicillium属由来の真核型アマドリアーゼでは388位のヒスチジン、Aspergillus属由来の真核型アマドリアーゼでは388位のヒスチジンである。
上記のようにして得られた熱安定性の優れた真核型アマドリアーゼの生産能を有する菌株を用いて、当該真核型アマドリアーゼを生産するには、この菌株を通常の固体培養法で培養してもよいが、可能な限り液体培養法を採用して培養するのが好ましい。
また、上記菌株を培養する培地としては、例えば、酵母エキス、トリプトン、ペプトン、肉エキス、コーンスティープリカーあるいは大豆若しくは小麦ふすまの浸出液等の1種以上の窒素源に、塩化ナトリウム、リン酸第1カリウム、リン酸第2カリウム、硫酸マグネシウム、塩化マグネシウム、塩化第2鉄、硫酸第2鉄あるいは硫酸マンガン等の無機塩類の1種以上を添加し、さらに必要により糖質原料、ビタミン等を適宜添加したものが用いられる。
なお、培地の初発pHは、pH7〜9に調整するのが適当である。
また、培養は、20〜42℃の培養温度、好ましくは37℃前後の培養温度で4〜24時間、さらに好ましくは37℃前後の培養温度で4〜8時間、通気攪拌深部培養、振盪培養、静置培養等により実施するのが好ましい。
培養終了後、該培養物より真核型アマドリアーゼを採取するには、通常の酵素採取手段を用いて得ることができる。例えば、常法により菌体を、超音波破壊処理、磨砕処理等するか、又はリゾチーム等の溶菌酵素を用いて本酵素を抽出するか、又はトルエン等の存在下で振盪若しくは放置して溶菌を行わせ、本酵素を菌体外に排出させることができる。そして、この溶液を濾過、遠心分離等して固形部分を除去し、必要によりストレプトマイシン硫酸塩、プロタミン硫酸塩、若しくは硫酸マンガン等により核酸を除去したのち、これに硫安、アルコール、アセトン等を添加して分画し、沈澱物を採取し、真核型アマドリアーゼの粗酵素を得る。
上記真核型アマドリアーゼの粗酵素よりさらに真核型アマドリアーゼ精製酵素標品を得るには、例えば、セファデックス、ウルトロゲル若しくはバイオゲル等を用いるゲル濾過法;イオン交換体を用いる吸着溶出法;ポリアクリルアミドゲル等を用いる電気泳動法;ヒドロキシアパタイトを用いる吸着溶出法;蔗糖密度勾配遠心法等の沈降法;アフィニティクロマトグラフィー法;分子ふるい膜若しくは中空糸膜等を用いる分画法等を適宜選択し、又はこれらを組み合わせて実施することにより、精製された真核型アマドリアーゼ酵素標品を得ることができる。このようにして、所望の熱安定性の優れた真核型アマドリアーゼを得ることができる。
また、本発明の「熱安定性の優れた」とは、以下に述べる活性測定方法及び熱安定性測定方法に記載した反応条件下で、配列番号1の真核型アマドリアーゼについては、pH8.0において50℃、30分間熱処理した後の残存活性比が熱処理前の活性に対して83%以上、好ましくは90%以上、より好ましくは95%以上残存していること、配列番号2の真核型アマドリアーゼについては、pH8.0において50℃、30分間熱処理した後の残存活性が熱処理前の活性に対して50%以上、好ましくは70%以上残存していることをいう。熱安定性の優れた真核型アマドリアーゼは、該酵素含有製品等における保存性が著しく向上するため、産業上非常に有利である。
なお、熱安定性の優れた真核型アマドリアーゼは、タンパク質の構造自体が高度に安定化しており、したがって、例えば、タンパク質のプロテアーゼに対する耐性能も向上している。
アマドリアーゼによるHbA1c測定の際、HbA1cをプロテアーゼで分解させた後、アマドリアーゼを作用させるわけだが、その際、プロテアーゼ耐性能が高いアマドリアーゼを用いることは、非常に有用である。なぜなら本測定系においてプロテアーゼは、HbA1cだけではなくアマドリアーゼに対しても作用してしまい、HbA1cの測定値に悪影響を及ぼしてしまうからである。プロテアーゼ耐性能を有するアマドリアーゼを用いることで、プロテアーゼによるアマドリアーゼの分解が防がれ、分離操作が不要かつ、より正確な測定が可能になる。また、これまで不可能だった高濃度でのプロテアーゼ処理も可能となり、測定値の精度が向上させることが可能になる。また、プロテアーゼ反応の短時間化を図ることができ、HbA1cの迅速測定にもつなげることができる。
また、本発明の「プロテアーゼ耐性能を有する」とは、真核型アマドリアーゼについて、pH8.0において37℃、30分間、50mUのプロテアーゼ処理した後の残存活性比がプロテアーゼ処理前の活性に対して40%以上、好ましくは60%以上、より好ましくは80%以上残存していることをいう。例えば、プロテアーゼ耐性能測定方法は、アマドリアーゼ活性が約0.05U/mlとなるように、0.1M リン酸緩衝液(pH8.0)でアマドリアーゼ酵素液若しくは粗酵素液を希釈し、各サンプルに50mUの中性プロテアーゼ(Roche社製)を加えた後、37℃で30分間加温し、中性プロテアーゼ処理前と処理後のサンプル中に含まれる酵素活性を測定し、残存活性比を求めることでプロテアーゼ耐性能を評価できる。
真核型アマドリアーゼの活性の測定方法、基質親和性測定方法及び熱安定性測定方法としては、種々の方法を用いることができるが、一例として、以下に、本発明で用いる真核型アマドリアーゼ活性の測定方法及び熱安定性測定方法について説明する。
(真核型アマドリアーゼ活性の測定方法)
本発明における真核型アマドリアーゼの酵素活性の測定方法としては、酵素の反応により生成する過酸化水素量を測定する方法や酵素反応により消費する酸素量を測定する方法などが主な測定方法として挙げられる。以下に、一例として、過酸化水素量を測定する方法について示す。
以下、本発明における真核型アマドリアーゼの活性測定には、断りのない限り、フルクトシルバリンを基質として用いる。なお、酵素力価は、フルクトシルバリンを基質として測定したとき、1分間に1μmolの過酸化水素を生成する酵素量を1Uと定義した。
フルクトシルバリン等の糖化アミノ酸、及びフルクトシルバリルヒスチジン等の糖化ペプチドは、阪上らの方法に基づき合成、精製した(特開2001−95598号公報参照)。
A.試薬の調製
(1)試薬1:POD−4−AA溶液
1.0kUのパーオキシダーゼ(キッコーマン社製)、100mgの4−アミノアンチピリン(東京化成社製)を0.1Mのリン酸カリウム緩衝液(pH8.0)に溶解し、1Lに定容する。
(2)試薬2:TOOS溶液
500mgのTOOS(同仁化学社製)をイオン交換水に溶解し、100mlに定容する。
(3)試薬3:基質溶液(150mM;終濃度 5mM)
フルクトシルバリン417mgをイオン交換水に溶解して10mlに定容する。
B.測定法
2.7mlの試薬1,100μlの試薬2、及び100μlの酵素液を混和し、37℃で5分間予備加温する。その後、試薬3を100μl加えて良く混ぜた後、分光光度計(U−2000A、日立社製)により、555nmにおける吸光度を測定する。測定値は、555nmにおける1分後から3分後の1分間あたりの吸光度変化とする。なお対照液は、100μlの試薬3の代わりに100μlのイオン交換水を加える以外は前記と同様にしたものである。これをあらかじめ作製しておいた過酸化水素の標準溶液を試薬3の代わりに、また酵素液の代わりにイオン交換水を用い、その生成色素量との関係を調べたグラフを用意する。このグラフを用いて、37℃、1分当たりに生成される過酸化水素のマイクロモル数を計算し、この数値を酵素液中の活性単位とした。
(熱安定性測定方法)
真核型アマドリアーゼ粗酵素液、または真核型アマドリアーゼ精製標品を約0.1U/mlとなるように、10% キシリトールを含む0.1M リン酸緩衝液(pH8.0)で希釈し、50℃にて30分間加温した。加熱前と加熱後のサンプルの酵素活性を測定し、残存(酵素)活性(%)を求めることで安定性を評価した。
以下、実施例により、本発明をさらに具体的に説明する。ただし、本発明の技術的範囲は、それらの例により何ら限定されるものではない。
(1)組換え体プラスミドpKK223−3−CFP DNAの調製
Coniochaeta属由来真核型アマドリアーゼ(配列番号1)遺伝子の組換え体プラスミドを有する大腸菌JM109(pKK223−3−CFP)株(特許文献5、FERM BP−8132:日本国茨城県つくば市東1丁目1番地中央第6所在の独立行政法人産業技術総合研究所特許生物寄託センターに2002年8月1日付けで寄託)を、LB−amp培地[1%(W/V) バクトトリプトン、0.5%(W/V) ペプトン、0.5%(W/V) NaCl、50μg/ml Ampicilin]100mlに接種して、37℃で20時間振とう培養し、培養物を得た。
この培養物を7,000rpmで、5分間遠心分離することにより集菌して菌体を得た。この菌体よりQIAGEN tip−100(キアゲン社製)を用いて組換え体プラスミドpKK223−3−CFPを抽出して精製し、組換え体プラスミドpKK223−3−CFP DNAを100μg得た。
(2)組換え体プラスミドpKK223−3−CFP DNAの改変操作
上記組換え体プラスミドpKK223−3−CFP DNA100μgのうち、20μgを用いて、XL1−RED(STRATAGENE社製)(増殖の際、プラスミドの複製にエラーを起こしやすく、改変を生じやすい)をD.M.Morrisonの方法(Method in Enzymology,68,326〜331,1979)に従って形質転換し、約5,000株の形質転換株を得た。
全コロニーからプラスミドDNAを回収するためにQIAGEN sol I(キアゲン社製)を寒天培地上に加え、スプレッダーでQIAGEN sol Iとともにコロニーを掻き集め、ピペットマンで溶液を回収し、以降は通常のプラスミド回収の方法で、改変操作を加えた組換え体プラスミドpKK223−3−CFP DNAを100μg得た。前記の被改変組換え体プラスミドpKK223−3−CFP DNA20μgを用いてD.M.Morrisonの方法(Method in Enzymology,68,326〜331,1979)に従って大腸菌JM109株を形質転換し、約1,000株の改変を受けたプラスミドを保有する形質転換株を得た。
(3)熱安定性に優れた真核型アマドリアーゼの探索
まず、得られた上記形質転換体の全てを、ビロード生地を用いて新しいLB−amp寒天培地にレプリカした。レプリカプレート上のコロニーをHybond−N(Amersham社製)に転写し、10mg/ml Lysozyme(Sigma社製)液に浸した。このHybond−Nを48℃で1時間処理した後、2mM フルクトシルバリン、1mg/ml パーオキシダーゼ(キッコーマン社製)、1mg/ml 4−アミノアンチピリン(東京化成社製)、10mg/ml TOOS(同仁化学社製)を含む0.1Mのリン酸カリウム緩衝液(pH8.0)に浸したところ、少数の強い発色を示す株が認められた。
この強い発色に相当するコロニーをマスタープレート上より選択し、2mlのLB−amp培地で液体培養することにより、プラスミドにコードされる改変真核型アマドリアーゼを生産させた。
培養後、得られた各菌体を0.1Mのリン酸カリウム緩衝液(pH8.0)で洗浄、超音波破砕、15,000rpmで10分間遠心分離し、各粗酵素液1.5mlを調製した。超音波破砕し、12,000rpmで5分間の遠心分離の後、上清を回収した。この粗酵素液を用いて、上記の(熱安定性測定方法)に従い、残存活性(%)(処理後の活性/未処理の活性)を算出した。
同様にして培養、抽出、熱処理をし、活性測定をした改変前の真核型アマドリアーゼと活性残存率の比較を行うことで、活性残存率が向上した改変された2つの真核型アマドリアーゼとその生産大腸菌を得ることができた。
得られた2株をLB−amp培地2ml中、37℃で18時間振盪培養し、この培養液からGFX Micro Plasmid Prep Kit(Amersham社製)を用いてプラスミドを単離した。該プラスミドをそれぞれpKK223−3−CFP−T1、pKK223−3−CFP−T2と命名し、各プラスミド中の真核型アマドリアーゼをコードするDNAの塩基配列を、マルチキャピラリーDNA解析システムCEQ2000(ベックマン・コールター社製)を用いて決定した。
その結果、pKK223−3−CFP−T1中には、配列番号1記載のアミノ酸配列の302番目のヒスチジンがアルギニンに、もうひとつのpKK223−3−CFP−T2には、配列番号1記載のアミノ酸配列の388番目のヒスチジンがチロシンに置換する変異が導入されていることが明らかとなった。
(4)二重変異株pKK223−3−CFP−T3の作製
組換え体プラスミドpKK223−3−CFP−T1及びpKK223−3−CFP−T2を、制限酵素AatII及びSacIで2重消化した。上記pKK223−3−CFP−T1DNAから約1kbDNA断片を、上記pKK223−3−CFP−T2DNAから約5kbDNA断片をそれぞれアガロースゲル電気泳動で分取し、常法により精製した。さらに、両DNA断片をT4DNAリガーゼで連結し、大腸菌JM109株を形質転換して、組換え体プラスミドpKK223−3−CFP−T3を得た。
こうして得られた各組換え体プラスミドを保持する大腸菌JM109(pKK223−3−CFP−T1)株、大腸菌JM109(pKK223−3−CFP−T2)株、大腸菌JM109(pKK223−3−CFP−T3)株を、LB−amp培地で37℃、20時間培養した。その後、各菌体をpH8.0の0.1Mリン酸緩衝液で洗浄、超音波破砕、15,000rpmで10分間遠心分離し、各粗酵素液1.5mlを調製した。
このようにして調製した酵素液について上記の(熱安定性測定方法)の方法により、アマドリアーゼの残存する酵素活性を測定した。結果を表1に示す。
表1において、pKK223−3−CFPは、大腸菌JM109(pKK223−3−CFP)株由来の野性型真核型アマドリアーゼを示し、他の3種類の酵素は本発明の真核型アマドリアーゼを示す。この表1から明らかなように、本発明で得られた真核型アマドリアーゼは、優れた熱安定性を有することが判る。
Figure 2007125779
(5)改変の蓄積
上記(4)で取得した改変された真核型アマドリアーゼ生産株である大腸菌JM109(pKK223−3−CFP−T3)株から上記(1)に記載の方法によりプラスミドDNAを調製した。さらに、上記(2)の方法より変異を導入し、続いて上記(3)の方法を用い、本実施例5では、先に得た改変された真核型アマドリアーゼを比較対照として選択を行った。pH8.0における50℃、30分の熱処理による残存活性率が高く、さらに改変された真核型アマドリアーゼを生産する大腸菌を4株取得した。このようにして得られた大腸菌4株を用いて、LB−amp培地2ml中で、37℃、18時間の振盪培養を行った。
この培養液からGFX Micro Plasmid Prep Kit(Amersham社製)を用いてプラスミドを単離した。該プラスミドをそれぞれpKK223−3−CFP−T4、pKK223−3−CFP−T5、pKK223−3−CFP−T6、及びpKK223−3−CFP−T7と命名し、各プラスミド中の真核型アマドリアーゼをコードするDNAの塩基配列を、マルチキャピラリーDNA解析システムCEQ2000(ベックマン・コールター社製)を用いて決定した。
その結果、302番目のヒスチジンがアルギニンに、388番目のヒスチジンがチロシンに置換する変異に加え、pKK223−3−CFP−T4中には、94番目のアルギニンがリジンに、pKK223−3−CFP−T5には184番目のグリシンがアスパラギン酸に、pKK223−3−CFP−T6中には、265番目のフェニルアラニンがロイシンに、pKK223−3−CFP−T7には272番目のアスパラギンがアスパラギン酸に置換された変異が導入されていることが明らかとなった。
こうして得られた組換え体プラスミドを保持する大腸菌JM109(pKK223−3−CFP−T4)、大腸菌JM109(pKK223−3−CFP−T5)、大腸菌JM109(pKK223−3−CFP−T6)、及び大腸菌JM109(pKK223−3−CFP−T7)を、LB−amp培地で37℃、20時間培養し、各菌体を0.1Mのリン酸カリウム緩衝液(pH8.0)で洗浄後、超音波破砕して15,000rpmで10分間遠心分離し、各粗酵素液1.5mlを調製した。
このようにして調製した酵素液について上記(熱安定性測定方法)の方法により、残存する酵素活性を測定した。結果を表2に示す。
表2において、pKK223−3−CFPは、大腸菌JM109(pKK223−3−CFP)由来の改変前の真核型アマドリアーゼを示し、他の5種類の酵素は本発明の真核型アマドリアーゼを示す。この表2から明らかなように、本発明で得られた真核型アマドリアーゼは、pH8.0における50℃、30分間の熱処理によってもほとんど活性が失われず、優れた熱安定性を有することが判る。
Figure 2007125779
(6)本発明真核型アマドリアーゼの生産及び精製
上記のようにして得られた本発明の真核型アマドリアーゼを生産する形質転換体、大腸菌JM109(pKK223−3−CFP−T7)をLB−amp培地10Lに植菌し、ジャーファーメンターを用いて、通気量1L/min、攪拌速度600rpmの条件で、30℃の培養温度で24時間攪拌培養した。
得られた培養液10Lを7,000rpm、10分間遠心分離して集菌し、バッファーA(10mM リン酸バッファー、1mM EDTA、5% グリセロール、0.5mM PMSF、pH8)500mlに懸濁後、フレンチプレスにより破砕した。
破砕液は9,000rpmで15分間遠心し、上清に硫酸アンモニウムを40%飽和となるよう徐々に添加し、余分な蛋白質を沈殿させた。4℃で一晩放置後、遠心(9,000rpm、4℃、15分)し、上清を回収した。
さらにこの上清に硫酸アンモニウムを60%飽和となるよう徐々に添加し、目的の蛋白質を沈殿させた。4℃で一晩放置後、遠心(9,000rpm、4℃、15分)し、沈殿物を回収した。この沈殿物に10mlのバッファーB(10mM リン酸バッファー、1mM EDTA、5% グリセロール、0.2M NaCl、pH8)を加え、溶解し、PD−10(Amersham社製)によりバッファー置換した後、あらかじめバッファーBで平衡化しておいたUltrogel AcA34(IBFバイオテクニクス社製)カラム(2.8cm×85cm)にアプライした。この後、1LのバッファーBで溶出させ、活性画分を回収した。
得られた活性画分をセントリプレップ10(アミコン社製)で濃縮後、バッファーAでバッファー置換し、Q−SepharoseFF(Amersham社製)カラム(1.0cm×8cm)にアプライした。溶出はバッファーC(10mM リン酸バッファー、1mM EDTA、5% グリセロール、pH8)〜バッファーD(10mM リン酸バッファー、1mM EDTA、5% グリセロール、0.5M NaCl、pH8)のリニアグラジエントで行った。得られた活性画分をSDS−PAGEで分析したところ、単一なバンドが確認できた(分子量約52,000)。
このようにして得られた酵素について、至適pH、基質特異性などの性質を調べたところ、改変前の酵素の性質と同様であった。すなわち、本発明真核型アマドリアーゼは、熱安定性以外の性質に関しては改変前の酵素の性質と同様であることがわかった。
(7)真核型アマドリアーゼをコードする組換え体プラスミドの作製
Eupenicillium属由来真核型アマドリアーゼ(配列番号2)遺伝子の組換え体プラスミド(puc−EFP)(特許文献5、FERM BP−8131)のDNAを鋳型として、リン酸化した配列番号3、4のプライマー、Pyrobest DNAポリメラーゼ(タカラバイオ社製)を用い、以下の条件でPCR反応を行った。
すなわち、10×Pyrobest緩衝液(タカラバイオ社製)を10μl、dNTPがそれぞれ2.5mMになるように調整されたdNTP混合溶液を8μl、鋳型となるpuc−EFPプラスミドのDNAを350ng、上記プライマーをそれぞれ100pmol、及びPyrobest DNAポリメラーゼを1μl加えて、全量を100μlとした。サーマルサイクラー(エッペンドルフ社製)を用いて、<94℃、20秒−60℃、60秒−72℃、120秒>のサイクルを30回繰り返した。
反応液の一部を1.0%アガロースゲルで電気泳動し、約1,300bpのDNAが特異的に増幅されていることを確認した。
PCRで増幅したEupenicillium属由来の真核型アマドリアーゼ遺伝子を、制限酵素HpaIで切断したpUTE100K’ベクター(特開平6−292584号公報)と連結し、大腸菌JM109株を形質転換して、組換え体プラスミドpUTE100K’−EFPを得た。
この組換え体プラスミドpUTE100K’−EFPを保持する大腸菌JM109株(pUTE100K’−EFP)株を、LB−amp培地において、37℃の培養温度で、20時間振とう培養し、培養物を得た。得られた培養菌体を洗浄した後、超音波破砕したところ、Eupenicillium属由来の真核型アマドリアーゼ活性の発現が確認された。
そこで、大腸菌JM109株(pUTE100K’−EFP)株を、LB−amp培地100mlに接種して、37℃の培養温度で、20時間振とう培養し、培養物を得た。この培養物を7,000rpmで5分間遠心分離することにより集菌して菌体を得た。
この菌体よりQIAGEN tip−100(キアゲン社製)を用いて組換え体プラスミドpUTE100K’−EFPを抽出して精製し、組換え体プラスミドpUTE100K’−EFPのDNAを100μg得た。
(8)部位特異的改変操作
配列番号2記載のアミノ酸配列の184位のグリシンがアスパラギン酸に置換されている変異、272位のアスパラギンがアスパラギン酸に置換されている変異、388位のヒスチジンがチロシンに置換されている変異を導入することにした。
まず、配列番号2記載のアミノ酸配列の184位のグリシンがアスパラギン酸に置換されている変異を導入するため、配列番号5、6のDNA配列よりなるプライマーを、常法により合成した。次に、上記(7)で得た組換え体プラスミドpUTE100K’−EFPのDNAを鋳型として、配列番号5、6のプライマー、Pyrobest DNAポリメラーゼ(タカラバイオ社製)を用い、上記(7)と同様の条件でPCR反応を行った。
反応液の一部を1.0%アガロースゲルで分析することにより、約6,000bpのDNAが特異的に増幅されていることが確認された。こうして得られたDNAを制限酵素DpnI処理で残存している鋳型を切断した後、制限酵素KpnIで処理した。このDpnI及びKpnIで処理したDNAを、1.0%アガロースゲルで電気泳動し、ゲルから常法によりDNAを抽出して、DNA断片を回収した。
こうして得られた上記DNA断片をリガーゼで連結し、大腸菌JM109株を形質転換して、組換え体プラスミドpUTE100K’−EFP−T1を得た。
続いて、配列番号2記載のアミノ酸配列(FPOX−EE)の272位のアスパラギンがアスパラギン酸に置換されている変異を導入するため、プラスミドpUTE100K’−EFP DNAを鋳型、配列番号7、8のプライマー、Pyrobest DNAポリメラーゼ(タカラバイオ社製)を用い、上記(7)と同様の条件でPCR反応を行った。約6,000bpの増幅DNAを制限酵素DpnIとNspVで処理し、常法により精製した後、ライゲーションし、大腸菌JM109株を形質転換して、組換え体プラスミドpUTE100K’−EFP−T2を得た。
また、配列番号2記載のアミノ酸配列(FPOX−EE)の388位のヒスチジンがチロシンに置換されている変異を導入するため、プラスミドpUTE100K’−EFP DNAを鋳型、配列番号9、10のプライマー、Pyrobest DNAポリメラーゼ(タカラバイオ社製)を用い、上記(7)と同様の条件でPCR反応を行った。約6,000bpの増幅DNA断片を、制限酵素DpnI及びSnaBIで処理し、常法によりDNA断片を精製した後、リガーゼで連結し、大腸菌JM109株を形質転換して、組換え体プラスミドpUTE100K’−EFP−T3を得た。
さらに、プラスミドpUTE100K’−EFP−T2のDNAを鋳型として、上記配列番号2記載のアミノ酸配列の388位のヒスチジンがチロシンに置換される変異導入を行うことで、プラスミドpUTE100K’−EFP−T4を、続いてプラスミドpUTE100K’−EFP−T4を鋳型として、配列番号2記載のアミノ酸配列の184位のグリシンがアスパラギン酸に置換されている変異の導入を行うことで、プラスミドpUTE100K’−EFP−T5を得た。

配列番号5 5’ GCTGGTACCTTTCAGCAACCTCTGTTCG 3’ (順方向プライマー)
配列番号6 5’ AAAGGTACCAGCATCTCCAAAGCCAAACTTG 3’ (逆方向プライマー)
(G184Dの導入用。下線部は、制限酵素KpnIの認識配列を示す)

配列番号7 5’ TCTTTTTCGAACCCGACGAGTATGGGGTG 3’ (順方向プライマー)
配列番号8 5’ TCGGGTTCGAAAAAGAACCCATATTCACC 3’ (逆方向プライマー)
(N272Dの導入用。下線部は、制限酵素NspVの認識配列を示す)

配列番号9 5’ ACATCGGGAAATACGTAGTTGAGCTTTTAG 3’ (順方向プライマー)
配列番号10 5’ CTAAAAGCTCAACTACGTATTTCCCGATGT 3’ (逆方向プライマー)
(H388Yの導入用。下線部は、制限酵素SnaBIの認識配列を示す)
各プラスミド中の真核型アマドリアーゼをコードするDNAの塩基配列を、マルチキャピラリーDNA解析システムCEQ2000(ベックマン・コールター社製)を用いて決定した。
その結果、プラスミドpUTE100K’−EFP−T1中には、配列番号2記載のアミノ酸配列の184番目のグリシンがアスパラギン酸に、プラスミドpUTE100K’−EFP−T2中には配列番号2記載のアミノ酸配列の272番目のアスパラギンがアスパラギン酸に、プラスミドpUTE100K’−EFP−T3中には配列番号2記載のアミノ酸配列の388番目のヒスチジンがチロシンに、プラスミドpUTE100K’−EFP−T4中には配列番号2記載のアミノ酸配列の272番目のアスパラギンがアスパラギン酸、及び388番目のヒスチジンがチロシンに置換する変異が、並びにプラスミドpUTE100K’−EFP−T5中には配列番号2記載のアミノ酸配列の184番目のグリシンがアスパラギン酸に、272番目のアスパラギンがアスパラギン酸に、及び388番目のヒスチジンがチロシンに置換する変異が、導入されていることが確認された。
こうして得られた上記組換え体プラスミドを保持する大腸菌JM109(pUTE100K’−EFP−T1)株、JM109(pUTE100K’−EFP−T2)株、JM109(pUTE100K’−EFP−T3)株、JM109(pUTE100K’−EFP−T4)株、及びJM109(pUTE100K’−EFP−T5)株を、LB−amp培地において、37℃の培養温度で20時間培養した。得られた各培養菌体を0.1Mのリン酸カリウム緩衝液(pH8.0)で洗浄した後、超音波破砕処理を行い、15,000rpmで10分間遠心分離し、各粗酵素液1.5mlを調製した。
このようにして調製した酵素液について上記(熱安定性測定方法)に示した方法により、残存するアマドリアーゼの酵素活性を測定した。結果を表3に示す。
表3に示すように、大腸菌JM109(pUTE100K’−EFP)株によって生産される改変前の真核型アマドリアーゼの、pH8.0における50℃、30分間の熱処理における残存酵素活性は、熱処理前の活性の2.8%であった。
これに対して、大腸菌JM109(pUTE100K’−EFP−T1)株、大腸菌JM109(pUTE100K’−EFP−T2)株によって生産される改変後の真核型アマドリアーゼでは、改変前の真核型アマドリアーゼよりも、pH8.0、50℃、30分間の熱処理における残存酵素活性がそれぞれ7.4%、11.9%に向上していた。また、大腸菌JM109(pUTE100K’−EFP−T3)株、大腸菌JM109(pUTE100K’−EFP−T4)株、及び大腸菌JM109(pUTE100K’−EFP−T5)株によって生産される改変後の真核型アマドリアーゼでは、改変前の真核型アマドリアーゼよりも、pH8.0、50℃、30分間の熱処理における残存酵素活性がそれぞれ49.7%、54.8%、78.9%とさらに顕著に向上していた。
本発明で得られた真核型アマドリアーゼは、優れた熱安定性を有することが判った。
Figure 2007125779
(9)改変の蓄積(4重変異体の作製)
pKK223−3−CFP−T7は、配列番号1記載の真核型アマドリアーゼのアミノ酸配列の272番目のアスパラギンをアスパラギン酸に、302番目のヒスチジンをアルギニンに、388番目のヒスチジンをチロシンに置換する変異を含んでいる。これに、さらに94番目のアルギニンをリジンに、184番目のグリシンをアスパラギン酸に、265番目のフェニルアラニンをロイシンに置換するような変異を加えていくことによって、最終的に6重変異体を作製することにした。
まず、F265Lの変異を導入するため、配列番号11、12のDNA配列よりなるプライマーを常法により合成した。次に、上記(5)で得た組換え体プラスミドpKK223−3−CFP−T7を鋳型、配列番号11、12のプライマー、Pyrobest DNAポリメラーゼ(タカラバイオ社製)を用い、上記(7)と同様の条件でPCR反応を行った。
配列番号11 5’ TTCTTCGAACCTGATGAGTTTGGTGTAATAAAG 3’ (順方向プライマー)
配列番号12 5’ AGGTTCGAAGAAGAAGCCAAGTTCGCC 3’ (逆方向プライマー)
(F265Lの導入用。下線部は、NspVの認識配列を示す)
反応液の一部を1.0%アガロースゲルで分析することにより、約6kbpのDNAが特異的に増幅されていることが確認された。こうして得られたDNAをDpnI処理で残存している鋳型を切断した後、NspVで処理した。このDpnI、NspV処理済みDNAを1.0%アガロースで電気泳動し、ゲルから常法により抽出してDNAを回収した。こうして得られたDNAをライゲーションし、大腸菌JM109を形質転換して、組換え体プラスミドpKK223−3−CFP−T8を得た。なお、pKK223−3−CFP−T8プラスミド中の真核型アマドリアーゼをコードするDNAの塩基配列を、マルチキャピラリーDNA解析システムCEQ2000(ベックマン・コールター社製)を用いて決定した結果、F265L、N272D、H302R、H388Yの各置換に相当する変異が導入されていることが明らかとなった。
改変の蓄積(5重変異体の作製)
組換え体プラスミドpKK223−3−CFP−T8及びpKK223−3−CFP−T5を制限酵素KpnI及びSnaBIで2重消化し、pKK223−3−CFP−T8DNAから約500bpDNA断片を、pKK223−3−CFP−T5DNAから約5.5kbDNA断片をそれぞれアガロースゲル電気泳動で分取し、常法により精製したのち、T4DNAリガーゼで連結し、大腸菌JM109を形質転換して、組換え体プラスミドpKK223−3−CFP−T9を得た。
なお、pKK223−3−CFP−T9プラスミド中の真核型アマドリアーゼをコードするDNAの塩基配列を、マルチキャピラリーDNA解析システムCEQ2000(ベックマン・コールター社製)を用いて決定した結果、G184D、F265L、N272D、H302R、H388Yの各置換に相当する変異が導入されていることが明らかとなった。
改変の蓄積(6重変異体の作製)
組換え体プラスミドpKK223−3−CFP−T9及びpKK223−3−CFP−T4を制限酵素BglIIで消化し、pKK223−3−CFP−T9DNAから約900bpDNA断片を、pKK223−3−CFP−T4DNAから約5.0kbDNA断片をそれぞれアガロースゲル電気泳動で分取し、常法により精製したのち、T4DNAリガーゼで連結し、大腸菌JM109を形質転換して、組換え体プラスミドpKK223−3−CFP−T10を得た。なお、pKK223−3−CFP−T10プラスミド中の真核型アマドリアーゼをコードするDNAの塩基配列を、マルチキャピラリーDNA解析システムCEQ2000(ベックマン・コールター社製)を用いて決定した結果、R94K、G184D、F265L、N272D、H302R、H388Yの各置換に相当する変異が導入されていることが明らかとなった。
こうして作製されたプラスミドpKK223−3−CFP−T10は、日本国茨城県つくば市東1丁目1番地中央第6所在の独立行政法人産業技術総合研究所特許生物寄託センターに2007年3月16日付けで受託番号FERM BP−10800として寄託されている。
こうして得られた組換え体プラスミドを保持する大腸菌、JM109(pKK223−3−CFP−T7)、JM109(pKK223−3−CFP−T8)、JM109(pKK223−3−CFP−T9)、JM109(pKK223−3−CFP−T10)を、JM109(pKK223−3−CFP)とともに、LB−amp培地で37℃,20時間培養し、各菌体を0.1Mのリン酸カリウム緩衝液(pH8.0)で洗浄後、超音波破砕して15,000rpmで10分間遠心分離し、各粗酵素液1.5mlを調製した。
このようにして調製した酵素液について上記(熱安定性測定方法)の方法により、残存する酵素活性を測定した。結果を表4に示す。表4において、JM109(pKK223−3−CFP)は改変前の真核型アマドリアーゼを示し、JM109(pKK223−3−CFP−T7)、JM109(pKK223−3−CFP−T8)、JM109(pKK223−3−CFP−T9)、JM109(pKK223−3−CFP−T10)の酵素は本発明の真核型アマドリアーゼを示す。この表4から明らかなように、本発明で得られた真核型アマドリアーゼは、pH8.0において、50℃、30分間のみならず、60分間の熱処理によっても活性をほとんど失わず、優れた熱安定性を有していることが判る。
Figure 2007125779
(10)プロテアーゼ耐性能の確認
実施例9までに取得した組換え体プラスミドを保持する大腸菌、JM109(pKK223−3−CFP−T7)、JM109(pKK223−3−CFP−T10)を、JM109(pKK223−3−CFP)とともに、LB−amp培地で37℃,20時間培養し、各菌体を0.1Mのリン酸カリウム緩衝液(pH8.0)で洗浄後、超音波破砕して15,000rpmで10分間遠心分離し、各粗酵素液1.5mlを調製した。
アマドリアーゼ活性が約0.05U/mlとなるように、0.1M リン酸緩衝液(pH8.0)で粗酵素液を希釈し、各サンプルに50mUの中性プロテアーゼ(Roche社製)を加えた後、37℃で30分間加温した。各サンプルについて、プロテアーゼ処理前と処理後のサンプル中に含まれる酵素活性を測定し、残存活性比を求めることでプロテアーゼ耐性能を評価した。結果を表5に示す。表5において、JM109(pKK223−3−CFP)は改変前の真核型アマドリアーゼを示し、JM109(pKK223−CFP−T7)、JM109(pKK223−3−CFP−T10)の酵素は本発明の真核型アマドリアーゼを示す。この表5から明らかなように、本発明で得られた真核型アマドリアーゼは、プロテアーゼに対する耐性能も著しく向上しており、優れた安定性を有していることが判る。
Figure 2007125779

Claims (18)

  1. 以下の(a)及び/又は(b)の特徴を有する真核型アマドリアーゼ:
    (a)pH8.0において50℃、30分間の熱処理で83%以上活性が残存する;
    (b)配列番号1記載の真核型アマドリアーゼのアミノ酸配列と75%以上の相同性を有するアミノ酸配列を有する。
  2. 以下の(a)から(c)よりなる群から選択されるアミノ酸に対応する位置で1つ又はそれ以上のアミノ酸の改変若しくは変異を有する、請求項1記載の真核型アマドリアーゼ:
    (a)配列表の配列番号1記載のアミノ酸配列の184位のグリシン;
    (b)配列表の配列番号1記載のアミノ酸配列の272位のアスパラギン;
    (c)配列表の配列番号1記載のアミノ酸配列の388位のヒスチジン。
  3. 以下の(a)及び(b)の特徴を有する真核型アマドリアーゼ:
    (a)50℃、30分間の熱処理で83%以上活性が残存する;
    (b)配列表の配列番号1に示されるアミノ酸配列に1又は数個のアミノ酸の欠失、挿入、付加、及び/又は置換がなされたアミノ酸配列を有する。
  4. 配列表の配列番号1記載のアミノ酸配列において、94位のアルギニン、184位のグリシン、265位のフェニルアラニン、272位のアスパラギン、302位のヒスチジン、若しくは388位のヒスチジンの位置で1つ又はそれ以上のアミノ酸の改変若しくは変異を有する真核型アマドリアーゼ。
  5. 配列表の配列番号1記載のアミノ酸配列において、以下の(a)から(f)よりなる群から選択される1つ又はそれ以上の改変若しくは変異の組み合わせからなる真核型アマドリアーゼ:
    (a)94位のアルギニンがリジンに置換されている;
    (b)184位のグリシンがアスパラギン酸に置換されている;
    (c)265位のフェニルアラニンがロイシンに置換されている;
    (d)272位のアスパラギンがアスパラギン酸に置換されている;
    (e)302位のヒスチジンがアルギニンに置換されている;
    (f)388位のヒスチジンがチロシンに置換されている。
  6. 配列表の配列番号1記載のアミノ酸配列において、272位のアスパラギンがアスパラギン酸に置換され、302位のヒスチジンがアルギニンに置換され、かつ、388位のヒスチジンがチロシンに置換されている真核型アマドリアーゼ。
  7. 以下の(a)及び/又は(b)の特徴を有する真核型アマドリアーゼ:
    (a)pH8.0において50℃、30分間の熱処理で50%以上活性が残存する;
    (b)配列表の配列番号2記載の真核型アマドリアーゼのアミノ酸配列と75%以上の相同性を有するアミノ酸配列を有する。
  8. 以下の(a)及び(b)の特徴を有する真核型アマドリアーゼ:
    (a)50℃、30分間の熱処理で50%以上活性が残存する;
    (b)配列表の配列番号2に示されるアミノ酸配列に1又は数個のアミノ酸の欠失、挿入、付加、及び/又は置換がなされたアミノ酸配列を有する。
  9. 配列表の配列番号2記載のアミノ酸配列において、184位のグリシン、272位のアスパラギン、若しくは388位のヒスチジンの位置で1つ又はそれ以上のアミノ酸の改変若しくは変異を有する真核型アマドリアーゼ。
  10. 配列表の配列番号2記載のアミノ酸配列において、以下の(a)から(c)よりなる群から選択される1つ又はそれ以上の改変若しくは変異の組み合わせからなる真核型アマドリアーゼ:
    (a)184位のグリシンがアスパラギン酸に置換されている;
    (b)272位のアスパラギンがアスパラギン酸に置換されている;
    (c)388位のヒスチジンがチロシンに置換されている。
  11. 配列表の配列番号2記載のアミノ酸配列において、184位のグリシンがアスパラギン酸に置換され、272位のアスパラギンがアスパラギン酸に置換され、かつ、388位のヒスチジンがチロシンに置換されている真核型アマドリアーゼ。
  12. 請求項1〜11のいずれか一項記載のアミノ酸配列をコードする真核型アマドリアーゼ遺伝子。
  13. 請求項12記載の真核型アマドリアーゼ遺伝子を含む組換えベクター。
  14. 請求項13記載の組換えベクターを含む宿主細胞。
  15. 真核型アマドリアーゼを生成する方法であり、以下の段階を含む方法:
    (a)請求項14記載の宿主細胞を培養する段階;
    (b)宿主細胞に含まれる真核型アマドリアーゼ遺伝子を発現させる段階;
    (c)培養物から真核型アマドリアーゼを単離する段階。
  16. 請求項1〜11のいずれか一項記載の真核型アマドリアーゼを含む、糖化タンパク質の測定において使用するためのキット。
  17. 請求項1〜11のいずれか一項記載の真核型アマドリアーゼを含む、糖化ヘモグロビンの測定において使用するためのキット。
  18. 下記の(a)から(f)の理化学的性質を有する真核型アマドリアーゼ:
    (a)作用及び基質特異性:酸素存在下でフルクトシルバリルヒスチジンに作用し、α−ケトアルデヒド、バリルヒスチジン及び過酸化水素を生成する反応を触媒する;
    (b)至適pH:pH6.0〜8.0;
    (c)作用適温の範囲:20〜45℃;
    (d)熱安定性:pH8.0において50℃、30分間の熱処理で83%以上の活性が残存;
    (e)安定pHの範囲:pH6.0〜9.0;
    (f)分子量:約52,000(SDS−PAGE)。
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