JPWO2007023816A1 - 還元型ケラチン、還元型キュティクルタンパク及びこれらの混合物の製造法 - Google Patents
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Abstract
毛髪、獣毛、羽毛などのケラチン含有物質を、尿素などのタンパク質変性剤を使用することなく、水性媒体中にて還元剤と界面活性剤の存在下に加熱処理することを特徴とする還元型ケラチンの水性媒体溶液、還元型のキュティクルタンパクの水性媒体分散液、または、還元型ケラチンおよび還元型のキュティクルタンパクを含有する水性媒体分散液の製造法、さらに、前記水性媒体溶液または水性媒体分散液から、溶媒または分散媒を除去することを特徴とする、還元型ケラチンの粉末、還元型のキュティクルタンパク粉末、または還元型ケラチンと還元型キュティクルタンパク混合粉末の製造法を提供する。
Description
本発明は、毛髪、獣毛、羽毛などのケラチン含有物質を、尿素などのタンパク質変性剤を使うことなく、還元剤と界面活性剤を溶解する水性媒体中で処理することによって、ケラチン含有物質中のジスルフィド結合を、還元や置換反応などによりチオール基(SH基)へ変換せしめることを特徴とする、還元型ケラチン、還元型キュティクルタンパク及びこれらの混合物を製造する方法に関する。本発明の方法により、ケラチン含有物質の主な成分であるケラチンおよびキュティクルタンパクは、システイン残基を多く含む還元型タンパク質として分離され、溶液、分散液もしくは粉末として調製され、フィルム、シート、繊維、スポンジ、塗装材料、化粧品材料、医療材料、人工象牙等の各種産業の製品の製造に用いられる。
毛髪、獣毛、羽毛や角等の動物組織中に構造タンパクとして存在するケラチンは、従来より、膜、繊維などの産業素材の原料として注目されている(非特許文献1、2および3)。しかしながら、ケラチンは通常の溶媒に対し不溶ないし難溶である。そこで、毛髪、獣毛、羽毛や角等のケラチンを含有する物質、すなわちケラチン含有物質中のケラチンを利用するには、加水分解によるフラグメント化(短分子量化)、またはケラチンタンパク質中のジスルフィド結合を酸化処理あるいは還元処理など施して切断することによって3次元的な構造をほぐす必要がある。
ケラチン含有物質中のケラチンを利用する方法としては、例えば、
ケラチン含有物質を蟻酸−水−過酸化水素などの酸化剤で処理した酸化型ケラチン、
ケラチン含有物質を酸、アルカリや酵素で処理して得られる加水分解物(特許文献1、2および3)、
ケラチン含有物質を還元処理とタンパク質分解酵素処理して調製したケラチンフラグメント(特許文献4、5、6および7)、
髪等に対する部分的な酸化、還元とチオグリコール酸との反応を組み合わせて調製されるゲル性の修飾ケラチン(特許文献8)、
髪等をアルカリ条件下にて還元剤で処理し次にチオグリコール酸の存在下にて酸化剤で処理してケラチンに−S−S−CH2COOHを保持させたもの(特許文献9)、
還元剤と尿素などのタンパク質変性剤を必要成分として使用して、ケラチンのジスルフィド結合を還元開裂してチオール基とした還元型ケラチン水溶液(特許文献10,11および12)、
還元剤、尿素またはチオ尿素水溶液、及び界面活性剤の3者を使用しケラチンのジスルフィド結合を還元開裂してチオール基とした還元型ケラチン水溶液(特許文献13、非特許文献4および5)、
などが知られている。
ケラチン含有物質を蟻酸−水−過酸化水素などの酸化剤で処理した酸化型ケラチン、
ケラチン含有物質を酸、アルカリや酵素で処理して得られる加水分解物(特許文献1、2および3)、
ケラチン含有物質を還元処理とタンパク質分解酵素処理して調製したケラチンフラグメント(特許文献4、5、6および7)、
髪等に対する部分的な酸化、還元とチオグリコール酸との反応を組み合わせて調製されるゲル性の修飾ケラチン(特許文献8)、
髪等をアルカリ条件下にて還元剤で処理し次にチオグリコール酸の存在下にて酸化剤で処理してケラチンに−S−S−CH2COOHを保持させたもの(特許文献9)、
還元剤と尿素などのタンパク質変性剤を必要成分として使用して、ケラチンのジスルフィド結合を還元開裂してチオール基とした還元型ケラチン水溶液(特許文献10,11および12)、
還元剤、尿素またはチオ尿素水溶液、及び界面活性剤の3者を使用しケラチンのジスルフィド結合を還元開裂してチオール基とした還元型ケラチン水溶液(特許文献13、非特許文献4および5)、
などが知られている。
さらに、
ケラチン水溶液中でのケラチンのチオール基の再結合を防止するために、モノヨード酢酸や亜硫酸ナトリウム/テトラチオン酸ナトリウム等により不可逆的に化学修飾したケラチン誘導体(特許文献14、非特許文献6)、
ケラチン含有物質を水性または有機性媒体中で還元した後に、金属塩と接触させることにより、産業廃水中の重金属イオンを吸着、除去する機能を持たせた物質(特許文献15)、および
還元剤と尿素やチオ尿素などのタンパク質変性剤を使用して得られたことを特徴とする動物キュティクル由来の不溶性還元タンパク質及びそれらの製造方法(特許文献16および17)、
なども知られている。
特開昭54−89987号公報
特公昭60−27680号公報
特開平3−11099号公報
特公昭55−38358号公報
特開昭61−183298号公報
特開平3−11099号公報
特開平6−116300号公報
US6124265(2000)
US5763583(1998)
特許第3283302号公報
特開昭63−301809号公報
特開平8−175938号公報
特許第2946491号公報
特開昭57−23631号公報
特開昭53−23999号公報
特開平6−336499号公報
特開平10−291999号公報
山内 清,高分子:展望,50巻, 240-243 (2001)
山内 清,科学と工業:講座, 78巻, 384-392 (2004)
白井邦郎,石井泰博,皮革化学,44巻, 1-10 (1998)
K. Yamauchi, et al., J. Biomed. Mat. Res., 31, 439-444 (1996)
藤井敏弘ら,高分子論文集, 60巻, 354-358 (2003)
R.S. Asquith, et al., "Chemistry of Natural Protein Fibers", Prenum Press (1977), p.193
ケラチン水溶液中でのケラチンのチオール基の再結合を防止するために、モノヨード酢酸や亜硫酸ナトリウム/テトラチオン酸ナトリウム等により不可逆的に化学修飾したケラチン誘導体(特許文献14、非特許文献6)、
ケラチン含有物質を水性または有機性媒体中で還元した後に、金属塩と接触させることにより、産業廃水中の重金属イオンを吸着、除去する機能を持たせた物質(特許文献15)、および
還元剤と尿素やチオ尿素などのタンパク質変性剤を使用して得られたことを特徴とする動物キュティクル由来の不溶性還元タンパク質及びそれらの製造方法(特許文献16および17)、
なども知られている。
ケラチン含有物質を酸化処理することによって得られた酸化型ケラチンは広く知られているが、酸化型ケラチンでは、チオール基はスルフォン酸基などに変化しているので、もはやケラチン特有の酸化重合性を示すことができない。また、髪などのケラチン含有物質をアルカリ性条件下にて還元剤で処理して抽出する方法(特許文献9)は、尿素などのタンパク質変性剤を使わない方法であるが、システイン残基のSH基はチオグリコール酸などで化学修飾されてケラチンの酸化架橋性を失っているばかりでなく、アルカリ性の条件で処理されている間にタンパク質の加水分解が必然的に起こり、短分子化が進むのを避けられない。
一方、システイン残基を多く含む還元型ケラチンの調製法として、アルカリ性条件下で水を主成分とした溶媒中、チオールなどの還元剤と大量の尿素などのタンパク質変性剤とからなる可溶化剤の存在下に、ケラチンを還元可溶化する方法(特許文献10、11および12)や中性条件にて界面活性剤を併用することで安定な還元型ケラチン水溶液を製造する方法等が知られている(特許文献11、非特許文献4および5)。
しかしながら、これらを含めた国内と海外における既報の方法では、しばしば(i)純度の高い水を多量に消費するばかりでなく、(ii)長時間を要する透析や限外慮過の工程を含み、かつ(iii)原料のケラチン含有物質の3〜10倍もの多量の尿素や毒性の高いチオ尿素を必要するなどの問題を抱えている。
そこで本発明者は、ケラチンを含有する天然物からケラチンおよびキュティクルタンパクを経済的に抽出する方法について鋭意検討を行った。その結果、髪や羊毛生地などのケラチン含有物質を、還元剤と界面活性剤を含有する水性媒体中に浸漬し加熱した後に、濾過して水不溶成分を除去することにより、還元型ケラチンの水性媒体溶液を短工程で安価に調製できる知見を得た。また、溶液を凍結乾燥またはスプレー乾燥などにより乾燥すれば還元型ケラチン粉末を得られることも見出した。さらに、上記濾過工程で得られる水不溶成分は還元型のキュティクルタンパクを主成分としているので、これを洗浄後に粉砕化することで当該の還元型キュティクルタンパクの水性媒体分散物やその乾燥粉末を得ることができた。
すなわち本発明は、ケラチン含有物質を、尿素などのタンパク質変性剤を使用することなく、水性媒体中にて還元剤と界面活性剤の存在下に加熱処理することを特徴とする還元型ケラチンの水性媒体溶液、還元型のキュティクルタンパクの水性媒体分散液、並びに、還元型ケラチンおよび還元型のキュティクルタンパクを含有する水性媒体分散液の製造法を提供するものである。本発明は、さらに、前記還元型ケラチンの水性媒体溶液、還元型のキュティクルタンパクの水性媒体分散液、または、還元型ケラチンおよび還元型のキュティクルタンパクを含有する水性媒体分散液から、溶媒または分散媒を除去することを特徴とする、還元型ケラチンの粉末、還元型のキュティクルタンパク粉末、または還元型ケラチンと還元型キュティクルタンパク混合粉末の製造法を提供するものである。
より具体的には、本発明は、
ケラチン含有物質を、還元剤及び界面活性剤を含有する水性媒体中に浸漬し、加熱処理して、前記ケラチン含有物質中の水溶性成分を前記水性媒体中に抽出する抽出工程、及び、前記抽出工程後、前記水性媒体中より水不溶成分を除去する工程を有することを特徴とする還元型ケラチン溶液の製造法(請求項1)、
ケラチン含有物質を、還元剤及び界面活性剤を含有する水性媒体中に浸漬し、加熱処理して、前記ケラチン含有物質中の水溶性成分を前記水性媒体中に抽出する抽出工程、及び、前記抽出工程後、前記水性媒体中より水不溶成分を除去する工程を有することを特徴とする還元型ケラチン溶液の製造法(請求項1)、
前記の還元型ケラチン溶液の製造法であって、さらに、前記水不溶成分を除去する工程後、水溶性成分を溶解する水性媒体より前記水溶性成分を析出して分離する工程、及び、析出した水溶性成分を水性媒体に再溶解する工程を有することを特徴とする還元型ケラチン溶液の製造法(請求項2)、
前記(請求項1および2)の還元型ケラチン溶液の製造法により得られる還元型ケラチンの溶液から、溶媒を除く工程を有することを特徴とする還元型ケラチン粉末の製造法(請求項3)、
ケラチン含有物質を、還元剤及び界面活性剤を含有する水性媒体中に浸漬し、加熱処理して、前記ケラチン含有物質中の水溶性成分を前記水性媒体中に抽出する抽出工程、前記抽出工程後、前記水性媒体中より水不溶成分を分離する工程、及び、前記水不溶成分を粉砕し水性媒体中に分散する工程を有することを特徴とする還元型キュティクルタンパク分散体の製造法(請求項4)、
前記(請求項4)の還元型キュティクルタンパク分散体の製造法により得られる還元型キュティクルタンパク分散体から、分散媒を除くことを特徴とする還元型キュティクルタンパク粉末の製造法(請求項5)、
還元型ケラチンおよび還元型キュティクルタンパクを含有する水性媒体分散液の製造法であって、ケラチン含有物質を、還元剤及び界面活性剤を含有する水性媒体中に浸漬し、加熱処理して、前記ケラチン含有物質中の水溶性成分を前記水性媒体中に抽出する抽出工程、及び、前記抽出工程後、水不溶成分を粉砕する工程を有することを特徴とする水性媒体分散液の製造法(請求項6)、および
前記(請求項6)の水性媒体分散液の製造法により得られる水性媒体分散液から溶媒を除くことを特徴とする還元型ケラチンと還元型キュティクルタンパク混合粉末の製造法(請求項7)、
を、提供するものである。
を、提供するものである。
なお、キュティクル(Cuticle)とは、羊毛や毛髪表面の鱗様部位(スケール)であり、濃硫酸や濃リン酸を除けば、蟻酸、酢酸などの酸やほとんどの有機溶媒に不溶であり、抽出されないが、組織的にはアミノ酸から成り立ち、タンパク質に分類されている(J.A.Swift, B.Rews;J.Soc.Cosmet.Chem., 27,289(1976))。化粧品業界では、毛髪表面の鱗様部位を「キューティクル」又は「キュウティクル」と呼び単に部位を意味する場合も多いため、本明細書では、混同を避けるため、キュティクルを「キュティクルタンパク」と表現する。また、前記のケラチン含有物質中の水溶性成分とは、還元剤により還元され界面活性剤により水性媒体中に抽出可能となった成分を意味し、具体的には還元型ケラチンを主成分とするものである。
本発明製造法において用いられる試薬と抽出・分離操作と生成物などについて次に説明する。
[ケラチン含有物質]
ケラチン含有物質は、タンパク質のケラチンを含むものであればよく、例えば、ひとの毛髪、羊、ヤクや牛などの獣毛、鶏やアヒルなど鳥類の羽毛が好ましく挙げられ、さらに爪や家畜の角、蹄なども例示することができる。また、これらからの加工品、例えば羊毛生地も用いることができる。これらの形状は羊毛生地の場合はそのまま使うかあるいは裁断片にしてから、抽出工程に移るが、そのサイズは濾過器を通過しない大きさであればよく、特に微細片まで粉砕する必要はない。
ケラチン含有物質は、タンパク質のケラチンを含むものであればよく、例えば、ひとの毛髪、羊、ヤクや牛などの獣毛、鶏やアヒルなど鳥類の羽毛が好ましく挙げられ、さらに爪や家畜の角、蹄なども例示することができる。また、これらからの加工品、例えば羊毛生地も用いることができる。これらの形状は羊毛生地の場合はそのまま使うかあるいは裁断片にしてから、抽出工程に移るが、そのサイズは濾過器を通過しない大きさであればよく、特に微細片まで粉砕する必要はない。
[水性媒体]
水性媒体は、水単独、または水と水混和性の有機溶媒との混合物であってよく、含水率が50質量%以上、好ましくは80質量%以上の溶媒が用いられる。水混和性の有機溶媒としては、例えば、メタノール、エタノールなどの低級脂肪族アルコールなどが挙げられる。水としては、蒸留水や限外濾過水、水道水を用いることができる。
水性媒体は、水単独、または水と水混和性の有機溶媒との混合物であってよく、含水率が50質量%以上、好ましくは80質量%以上の溶媒が用いられる。水混和性の有機溶媒としては、例えば、メタノール、エタノールなどの低級脂肪族アルコールなどが挙げられる。水としては、蒸留水や限外濾過水、水道水を用いることができる。
[還元剤]
還元剤としては、例えば、2−メルカプトエタノール、チオグリコール酸、システイン、チオリンゴ酸、ジチオスレイトール、ジチオエリスリトールなどのチオール類、亜硫酸水素ナトリウムなどの無機化合物などが挙げられる。還元剤の使用量は、ケラチン含有物質10gに対して0.01〜0.5モルが好ましいが、反応効率および経済性からケラチン含有物質10gに対して0.03〜0.2モルの範囲がより好ましい。
還元剤としては、例えば、2−メルカプトエタノール、チオグリコール酸、システイン、チオリンゴ酸、ジチオスレイトール、ジチオエリスリトールなどのチオール類、亜硫酸水素ナトリウムなどの無機化合物などが挙げられる。還元剤の使用量は、ケラチン含有物質10gに対して0.01〜0.5モルが好ましいが、反応効率および経済性からケラチン含有物質10gに対して0.03〜0.2モルの範囲がより好ましい。
[界面活性剤]
界面活性剤としては、例えば、アルキル硫酸塩(例えばドデシル硫酸ナトリウム)、アルキル硫酸エステル塩、脂肪酸アルコールリン酸エステル塩、スルホコハク酸エステル塩などに代表されるアニオン界面活性剤;
次の一般式(1)
界面活性剤としては、例えば、アルキル硫酸塩(例えばドデシル硫酸ナトリウム)、アルキル硫酸エステル塩、脂肪酸アルコールリン酸エステル塩、スルホコハク酸エステル塩などに代表されるアニオン界面活性剤;
次の一般式(1)
(式中、R1、R2、R3およびR4の中の1〜2個は直鎖もしくは分岐鎖を有する炭素数8〜20のアルキル基またはヒドロキシアルキル基であり、残余は水素原子か炭素数1〜3のアルキル基もしくはヒドロキシアルキル基またはベンジル基を示し、窒素原子は正荷電を帯びていて、X−はハロゲンイオンや炭素数1〜2個のアルキル硫酸イオンなどの負荷電イオン)等で代表されるカチオン界面活性剤;
脂肪酸アミンのN-カルボキシメチル体、N-スルホアルキル化体などのべタイン系の両性界面活性剤(疎水基は主として炭素数12〜14のアルキル基もしくはアシル基、対イオンはアルカリ金属など);
ポリオキシエチレンアルキルエ一テル型、脂肪酸エステル型,ポリエチレンイミン型、ポリグリセリンアルキルエーテル型、ポリグリセリンアシルエステル型などの非イオン性界面活性剤(疎水基は主として炭素数12〜14のアルキル基もしくはアシル基)
などが挙げられる。これら界面活性剤の添加量は、好ましくはケラチン含有物質の5〜50質量%、より好ましくは10〜25質量%である。
脂肪酸アミンのN-カルボキシメチル体、N-スルホアルキル化体などのべタイン系の両性界面活性剤(疎水基は主として炭素数12〜14のアルキル基もしくはアシル基、対イオンはアルカリ金属など);
ポリオキシエチレンアルキルエ一テル型、脂肪酸エステル型,ポリエチレンイミン型、ポリグリセリンアルキルエーテル型、ポリグリセリンアシルエステル型などの非イオン性界面活性剤(疎水基は主として炭素数12〜14のアルキル基もしくはアシル基)
などが挙げられる。これら界面活性剤の添加量は、好ましくはケラチン含有物質の5〜50質量%、より好ましくは10〜25質量%である。
[抽出・分離操作とその生成物]
本発明において抽出工程は、例えば、ケラチン含有物質をその全量が浸るように、好ましくは5〜100質量倍、より好ましくは10〜50質量倍の水性媒体に浸漬し、還元剤と界面活性剤を加えてから加熱して、ケラチン含有物質から水溶性成分を抽出することにより行われる。水溶性成分の抽出は、機械的に撹拌しながら、40〜130℃の温度範囲にて、あるいは100℃近辺で還流しながら、1〜24時間加熱することにより行われる。120℃などの高温で加熱する場合は、圧力釜などを用いて高圧下で行う。水性媒体のpHは中性ないしは弱アルカリ性であり、アルカリ剤などを添加して随時pH調整が行われる。上記工程は窒素などの不活性ガス雰囲気下で行われることが望ましい。また、加熱中に、機械的に撹拌の代わりに、または機械的に撹拌に加えて超音波を照射することもできる。超音波照射の好ましい強さは反応系の大きさにより異なる。例えば、反応系の大きさが1リットル以下のときは出力50〜200Wで充分である。
本発明において抽出工程は、例えば、ケラチン含有物質をその全量が浸るように、好ましくは5〜100質量倍、より好ましくは10〜50質量倍の水性媒体に浸漬し、還元剤と界面活性剤を加えてから加熱して、ケラチン含有物質から水溶性成分を抽出することにより行われる。水溶性成分の抽出は、機械的に撹拌しながら、40〜130℃の温度範囲にて、あるいは100℃近辺で還流しながら、1〜24時間加熱することにより行われる。120℃などの高温で加熱する場合は、圧力釜などを用いて高圧下で行う。水性媒体のpHは中性ないしは弱アルカリ性であり、アルカリ剤などを添加して随時pH調整が行われる。上記工程は窒素などの不活性ガス雰囲気下で行われることが望ましい。また、加熱中に、機械的に撹拌の代わりに、または機械的に撹拌に加えて超音波を照射することもできる。超音波照射の好ましい強さは反応系の大きさにより異なる。例えば、反応系の大きさが1リットル以下のときは出力50〜200Wで充分である。
このようにして得た還元物は、ケラチン含有物質より抽出された水溶性成分を溶解する溶液部と抽出されずに残った水不溶性成分からなるが、抽出工程後、遠心分離や濾過により、溶液部と水不溶性成分は分離される。溶液部は還元型ケラチンを含むものであり、そのままで還元型ケラチン溶液として用いることができるが、通常は、より高純度の還元型ケラチンを得るため、さらに、析出、分離、洗浄、再溶解の工程を行い、還元型ケラチン溶液を得る。
具体的には、水不溶性成分が分離された溶液部を、希塩酸でpH2.5〜5.5、好ましくはpH3.5〜5.0の酸性にして還元型ケラチンを沈殿させ(析出)、遠心分離や濾過などにより沈殿物を分け取り(分離)、pH3.0〜5.5、好ましくはpH3.5〜5.0に調節した0.05〜0.3質量%の還元剤を含む水性媒体でよく洗浄した後、適当量の0.05〜0.3質量%の還元剤を含みpHは中性付近の水性媒体を加え、さらにアンモニア水や水酸化ナトリウムなどのアルカリ水溶液やトリエチルアミンなどの塩基を加えてpH8.5〜9.5に調整して再溶解する。還元型ケラチン溶液における還元型ケラチンの濃度は、溶解に使用した水性媒体の量で任意に調節でき、通常は5〜30質量%である。原料に髪や羊毛を使用した場合の還元型ケラチンの収率は、通常、原料に対して25〜43質量%であるが、羽毛では50〜85質量%になる。
一方、上記のようにして遠心分離や濾過操作で分離された水不溶性成分は還元型キュティクルタンパクを含む。この還元型キュティクルタンパクを含む水不溶性成分を、好ましくは0.05〜0.3質量%の還元剤を含むpHが3から中性付近の水性媒体で洗浄した後、水性媒体中で、ワーレンブレンダーや超高速撹拌粉砕器あるいは超音波槽などで処理すれば微細化し、髪では暗灰色、羊毛では乳白色の水性媒体分散液が得られる。この場合も、水性媒体分散液の濃度は、分散に使用した水性媒体の量で調節することができるが、通常は5〜30質量%に調整される。還元型キュティクルタンパクの収率は、通常原料に対して30〜42質量%である
また、上記のようにケラチン含有物質を水性媒体に浸漬し、還元剤と界面活性剤で処理した後、溶液部と水不溶性成分の分離操作をすることなく、水不溶性成分の粉砕を行えば、還元型ケラチンおよび還元型キュティクルタンパクを含有する水性媒体分散液を製造することができる。この方法において、水溶性成分についても、前記のような析出、分離、洗浄、再溶解の工程を行い、純度を上げることが好ましい。また、水不溶性成分についても、水性媒体より取り出し、前記のようにして洗浄することが好ましい。
還元型ケラチンおよび還元型キュティクルタンパクを含有する水性媒体分散液の具体的な製造法としては、例えば、次に示す方法を挙げることができる。
先ず、上記のようにケラチン含有物質を水性媒体に浸漬し、還元剤と界面活性剤で処理し、その後全体をpH3.0〜5.5の酸性にし、水に不溶となった還元型ケラチンを沈殿せしめ、この沈殿物と水不溶成分である還元型キュティクルタンパクが混在したまま、これらを遠心分離やろ過などにより溶媒と分離する。次に、この沈殿物と水不溶性成分の混合物を、pH3.0〜5.5に調整した0.05〜0.3質量%の還元剤を含む水性媒体で洗浄する。その後、0.05〜0.3質量%の還元剤を適当量含みpHが中性付近の水性媒体を加え、さらに、アンモニア水や水酸化ナトリウム水溶液やトリエチルアミンなどの塩基を加えてpH8.5〜9.5に調整して、ワーレンブレンダーや超高速撹拌粉砕器あるいは超音波槽で処理すれば、還元型ケラチンと還元型キュティクルタンパクを主成分とする水性媒体分散液が得られる。この場合の収率は、通常原料の80〜95質量%になり、水性媒体分散液中のタンパク質(溶解分+分散分)の濃度は分散に使用した水性媒体の量で調節することができるが、通常は5〜30質量%に調整される。
髪や羊毛をケラチン含有物質とし、前記のようにして得られた還元型ケラチンのアミノ酸分析によれば、当該ケラチン中のシステイン残基とシスチン残基はケラチン含有物質の種類によって変動するものの、概ねアミノ酸100残基当たりシステイン残基5〜10個、シスチン残基0.5〜4個を有していることが分かった。また、電気泳動分析により、この還元型ケラチンは、分子量4万から6万のタンパク質を主成分とし、他に分子量が2.5万から3万に分布するタンパク質を含むことが分かった。
鶏やアヒルなどの鳥類の羽毛を原料のケラチン含有物質とする場合は、このケラチン含有物質のほとんどが可溶化され、そのアミノ酸分布は原料の羽毛のそれに準じたものとなり、概ねアミノ酸100残基当たりシステイン残基は4.5〜6個、シスチン残基は1.5〜3個であり、分子量は5,000〜11,000程度であった。一方、髪や羊毛由来の還元型キュティクルタンパクの分散液を凍結乾燥した粉末の分子量は、その不溶性のために求められないが、アミノ酸分析より、分析値の変動が大きいものの、概ねアミノ酸100残基あたりシステイン残基を10〜15個およびシスチン残基を3〜7個を含んでいることが分かった。
以上の還元型ケラチン溶液、還元型キュティクルタンパク分散液およびこれら両者が混ざった分散液は、凍結乾燥やスプレー乾燥など通常の乾燥法で溶媒を除くことにより、当該タンパク質の粉末とすることができる。この場合、窒素ガス、炭酸ガスなどの不活性気体の雰囲気にて乾燥工程を行うとSH基の酸化を防ぐのに有効である。得られた粉末は密閉した保護容器にて使用時まで保存される。粉末の粒径は5〜1,000μmの場合が多く、好適な条件下では10〜200μmの範囲で取得される。これらの粉末は、中性や弱アルカリ性の水性媒体に再び溶かしたり、分散して利用することができる。
本発明での還元型ケラチンと還元型キュティクルタンパクの生成メカニズムは明快には解析されていないものの、2−メルカプトエタノールのような還元剤によってケラチン含有物質のジスルフィド結合(S−S結合)は置換反応あるいは還元反応によってチオール基(SH基)に切断され還元される結果、3次元的な架橋結合が解かされて低分子化し、生じた還元型ケラチンは共存する界面活性剤によって水性媒体に溶解抽出されたと推定される。還元剤によって、キュティクル部のS−S結合も同時に切断されるが、キュティクルは−CO−NH−結合などでも分子間が架橋されているために完全には低分子化されずに不溶部として残り、溶液としてはほとんど抽出されなかったと考えられる。
本発明は、尿素などのタンパク質変性剤を使わないことを特徴とし、また、界面活性剤と還元剤の二者を可溶化剤とし、還流などして加熱処理する方法を特徴とするが、既報(特許文献1および3、非特許文献4)の尿素、界面活性剤と還元剤の三者を可溶化剤とする方法と比較しても、収率は遜色ない。また、比較的高温で抽出処理がなされるが、変性剤を使用しないためか、分子量の分布は同一ではない。例えば、ケラチン含有物質としてメリノ羊毛生地を用いて50℃、5時間、中性条件にて尿素、2−メルカプトエタノールと界面活性剤によりケラチンを抽出した場合(非特許文献4)、ポリアクリルアミド電気泳動法による分子量25,000〜30,000のタンパク質の合計は、抽出されたタンパク質の全体質量の約10質量%あったのに対して、本発明での条件(尿素無し、ドデシル硫酸ナトリウム、2−メルカプトエタノール、100℃、5時間、pH7.0〜8.5)では30〜40質量%であった。
本発明で得られる還元型ケラチン粉末は、核磁気共鳴スペクトルとタンパク質の質量分析によれば、還元型ケラチンに加え、使用した界面活性剤を少量含んでいるが、界面活性剤は、上記分離操作で使用したpHが3.0〜5.5で、0.05〜0.3質量%の還元剤を含む水性媒体での洗浄を重ねればほとんどを除去することができる。
本発明により、毛髪、獣毛、羽毛などのケラチン含有物質より、尿素などのタンパク質変性剤を使うことなく、経済的に、ケラチンとキュティクルタンパクを還元型として取り出すことができ、これらは新素材として利用できる。ケラチン含有物質が、髪や羊毛の場合では、還元型ケラチンと還元型キュティクルタンパクの合計収率は80質量%以上である。これらの物質は反応性の高いSH基を多数有しているため、空気中の酸素に晒すなど酸化的雰囲気におけば、S−S結合を形成して分子間が連絡されて高分子化する機能を有している。そこで、化粧品材料、医療材料、塗料、表面被覆剤の原料として利用したり、フィルム、シートやスポンジなどの原料に用いることができる。
また、還元型ケラチン溶液と還元型キュティクルタンパクの水性媒体分散液を任意の割合で混合したものや、還元型ケラチン粉末と還元型キュティクルタンパク粉末を任意の割合で混合したものも、フィルム、シートやスポンジなどに成型することができる。同様に還元型ケラチン溶液、還元型キュティクルタンパクの水性媒体分散液は、合成高分子(ポリビニルアルコール、ポリアクルリル酸、ポリメチルメタクリル酸など水溶性高分子なら何でもよい。)を、アルカリや酸でpHを7〜10に調節した水溶液と混合して、フィルム、シートやスポンジなどの原料として、また化粧品材料、医療材料、塗料、表面被覆剤等の原料に使用することができる。
すなわち、髪、羊毛、爪、蹄あるいは羊毛製衣服などのケラチン含有製品は使い捨てされることなく、大部分が本発明により還元型ケラチンや還元型キュティクルタンパクとして得られ再利用ができる。これらは、反応性に富むSH基を多く有している新素材として、医療材料、化粧品材料、衣料材料、塗料、電気材料、包装材料、人工象牙等の各種製品の製造に用いられる。
以下に本発明の具体的形態を、還元剤として2−メルカプトエタノールを代表的に使用した実施例により、さらに具体的に説明する。実施例は、本発明の範囲を限定するものではない。なお、以下の実施例中、Lはリットル、mLはミリリットルの意味である。
[実施例1]
10cm角の羊毛生地合計140gを洗浄し、1300mLの水、35gのドデシル硫酸ナトリウムと35mLの2−メルカプトエタノールを加え、緩やかに攪拌しながら10時間加熱還流した。室温まで冷却後、溶液部(A)と不溶物(B)を遠心濾過により分別した。溶液部(A)は1mol/L塩酸でpHを約3に調節し、生じた沈殿物を遠心分離で集め、pH3の0.2質量%の2−メルカプトエタノール水溶液約200mLに、攪拌して分散せしめた後遠心分離で集める操作からなる洗浄操作を2回行った。洗浄後の沈殿物に0.2質量%の2−メルカプトエタノール水溶液500mLを加え、30%アンモニア水溶液でpH8.5〜9に調整して沈殿物を溶解することにより、淡い褐色の還元型ケラチン溶液約500mLを得た。Lowry法によりこの溶液の濃度をタンパク定量して求めたところ9.6質量%であった。同溶液を凍結乾燥して質量法で求めた濃度は約10質量%であった。また、原料布(羊毛生地)に対する収率は35%であった。
10cm角の羊毛生地合計140gを洗浄し、1300mLの水、35gのドデシル硫酸ナトリウムと35mLの2−メルカプトエタノールを加え、緩やかに攪拌しながら10時間加熱還流した。室温まで冷却後、溶液部(A)と不溶物(B)を遠心濾過により分別した。溶液部(A)は1mol/L塩酸でpHを約3に調節し、生じた沈殿物を遠心分離で集め、pH3の0.2質量%の2−メルカプトエタノール水溶液約200mLに、攪拌して分散せしめた後遠心分離で集める操作からなる洗浄操作を2回行った。洗浄後の沈殿物に0.2質量%の2−メルカプトエタノール水溶液500mLを加え、30%アンモニア水溶液でpH8.5〜9に調整して沈殿物を溶解することにより、淡い褐色の還元型ケラチン溶液約500mLを得た。Lowry法によりこの溶液の濃度をタンパク定量して求めたところ9.6質量%であった。同溶液を凍結乾燥して質量法で求めた濃度は約10質量%であった。また、原料布(羊毛生地)に対する収率は35%であった。
当該水溶液を凍結乾燥して得たケラチン粉末のアミノ酸分析(iodoacetic acidで化学修飾してからアミノ酸分析を行う方法)を行ったところ、アミノ酸100残基当たり、システインが7個、シスチンが3.5個であることが示唆された。Ellman法によるSH基の定量では、システイン残基に換算してアミノ酸100残基当たり、システインを7〜8個含むことが示唆された。また、ポリアクリルアミド電気泳動法で調べたところ、分子量40,000から60,000のタンパク質群が主成分であり、他に分子量25,000から30,000のタンパク質を含有していた。
一方、不溶物(B)は元の生地の形状をほぼ保っており、pH3の0.2質量%の2−メルカプトエタノール水溶液で洗浄を繰り返すことにより、白色状の還元型キュティクルタンパクを得た。原料布に対する収率は43%であった。この生地状の還元型キュティクルタンパク片(C)に、中性の0.2質量%の2−メルカプトエタノール水溶液500mLを加え、3万回転の回転破砕機で処理することにより乳白色の分散液を得た。Ellman法によるSH基の定量では、本分散液に含まれる物質は、SH基をシステイン残基に換算して、アミノ酸100残基当たりシステインを12個含むことが分かった。
上記の還元型ケラチン溶液と還元型キュティクルタンパク水性媒体分散液を、それぞれ凍結乾燥することにより粉体が得られた。その還元型ケラチン粉体は、pH8.5の0.2質量%の2−メルカプトエタノール水溶液に再溶解すると溶液を与えた。
上記の還元型ケラチン溶液10mLに、グリセロール0.1gを加えてPETフィルム平面板にキャストし乾燥したところ、透明でしなやかなフィルムが得られた。80℃で15分乾燥後のフィルムの引張強度(相対湿度62%)は37MPaであった。一方、還元型キュティクルタンパク分散体は、同様のキャスト法で半透明なフィルムを与えた。80℃で15分乾燥後のフィルムの引張強度(相対湿度62%)は4MPaであった。さらに、還元型ケラチン溶液5mLと還元型キュティクルタンパク水性媒体分散液5mLの混合物から、前記と同様のキャスト法で得られるフィルムは、グリセロール無添加でもしなやかであって、80℃で15分乾燥後の引張強度(相対湿度62%)は47MPaと、強度のより大きなフィルムであった。
また、前記の還元型キュティクルタンパク片(C)は、SH基を多数有するため酸化によりS−S結合を生じて強固にお互いに接着する。例えば、還元型キュティクルタンパク片(C)を、洗浄した後、円筒(直径3cm)に巻き、端部同士を重ね合わせて乾燥することによって、100℃の水中でも形を維持する安定な円筒が得られた。
さらに、この還元型キュティクルタンパク片(C)は、SH基の機能による重金属イオンの補足剤としても極めて有効である。例えば、還元型キュティクルタンパク片(C)の50mgを、Hgの濃度がそれぞれ10、20、50、100mg/Lで、pH3.5の塩化第2水銀水溶液30mLに漬け、室温で30分撹拌し、原子吸光分析法で水溶液中に残存するHgを定量したところ、Hg濃度はそれぞれ、0.1、0.8、3.6、9mg/Lであった。還元型キュティクルタンパク片(C)の代わりに、原料の羊毛生地を使用した以外は同条件でHg濃度を測定したところ、Hg濃度はそれぞれ1.5、5.9、40、80mg/Lであった。この比較実験より、還元型キュティクルタンパク片(C)は極めて優れた水銀イオンなどの重金属イオンの吸着能を有していることが明らかである。
[実施例2]
10cm角の羊毛生地合計140gを洗浄し、1300mLの水、35gのドデシル硫酸ナトリウムと35mLの2−メルカプトエタノールを加え、攪拌しながら10時間加熱還流した。室温まで冷却後、pH3に調節することによって生じた沈殿物を遠心分離で集めた。これをpH3の0.2質量%の2−メルカプトエタノール水溶液に攪拌して分散し、遠心分離で沈殿物を集める洗浄操作を3回行った。この沈殿物に、0.2質量%の2−メルカプトエタノール水溶液1000mLを加え、さらに30%アンモニア水溶液でpH8.5〜9に調整した後、超高速破砕機(3万回転)で破砕することにより、還元型ケラチンと還元型キュティクルタンパクを含有する淡い褐色の分散液を約1000mL得た。
10cm角の羊毛生地合計140gを洗浄し、1300mLの水、35gのドデシル硫酸ナトリウムと35mLの2−メルカプトエタノールを加え、攪拌しながら10時間加熱還流した。室温まで冷却後、pH3に調節することによって生じた沈殿物を遠心分離で集めた。これをpH3の0.2質量%の2−メルカプトエタノール水溶液に攪拌して分散し、遠心分離で沈殿物を集める洗浄操作を3回行った。この沈殿物に、0.2質量%の2−メルカプトエタノール水溶液1000mLを加え、さらに30%アンモニア水溶液でpH8.5〜9に調整した後、超高速破砕機(3万回転)で破砕することにより、還元型ケラチンと還元型キュティクルタンパクを含有する淡い褐色の分散液を約1000mL得た。
この分散液を凍結乾燥して得た粉体の質量から求めた、分散液中のタンパク濃度は約12質量%であった。当該粉末のアミノ酸分析(iodoacetic acidで化学修飾してからアミノ酸分析を行う方法)を行ったところ、システインとシスチン残基を除くアミノ酸分布は羊毛生地のアミノ酸分布にほぼ一致したが、システイン残基はアミノ酸100残基当たり8個、シスチンは3個であることが示唆された。ポリアクリルアミド電気泳動法で調べたところ、当該粉末は、実施例1の還元型ケラチンに相当するタンパク質バンドに加え、泳動ディスク原点にとどまり泳動されない高分子量のタンパク質を含有することが示された。以上から当該粉末はSH基を多く含む還元型ケラチンと還元型キュティクルタンパクからなると示唆された。
[実施例3]
洗浄鶏羽100g、水1000mL、ドデシル硫酸ナトリウム20gと2−メルカプトエタノール20mLの混合物を攪拌しながら9時間加熱還流せしめた。室温まで冷却後、溶液部と不溶物を遠心濾過により分別した。溶液は1mol/L塩酸で約pH3〜4に調節し、生じた沈殿物を遠心分離で回収した。沈殿物を除いた溶液にメタノールを徐々に加え、生じた沈殿物を遠心分離で回収した。これらの沈殿物を合わせてpH3の0.2質量%の2−メルカプトエタノール水溶液200mLに攪拌して分散し、遠心分離で沈殿物を集める洗浄操作を2回行った。洗浄後の沈殿物に、0.2質量%の2−メルカプトエタノール水溶液600mLを加え、さらに30%アンモニアでpH8.5に調整して沈殿物を溶解し、薄褐色の還元型ケラチン溶液650mLを得た。Lowry法によりこの溶液のタンパク定量を行なったところ12質量%であった。同溶液を凍結乾燥して質量法で求めた収率は約11質量%であった。また、当該水溶液を凍結乾燥して得たケラチン粉末のアミノ酸分析を行ったところ、アミノ酸100残基当たり、システインが5.1個、シスチンが2.1個であった。また、ポリアクリルアミド電気泳動法で調べたところ、分子量5,000から11,000タンパク質が主成分であった。
洗浄鶏羽100g、水1000mL、ドデシル硫酸ナトリウム20gと2−メルカプトエタノール20mLの混合物を攪拌しながら9時間加熱還流せしめた。室温まで冷却後、溶液部と不溶物を遠心濾過により分別した。溶液は1mol/L塩酸で約pH3〜4に調節し、生じた沈殿物を遠心分離で回収した。沈殿物を除いた溶液にメタノールを徐々に加え、生じた沈殿物を遠心分離で回収した。これらの沈殿物を合わせてpH3の0.2質量%の2−メルカプトエタノール水溶液200mLに攪拌して分散し、遠心分離で沈殿物を集める洗浄操作を2回行った。洗浄後の沈殿物に、0.2質量%の2−メルカプトエタノール水溶液600mLを加え、さらに30%アンモニアでpH8.5に調整して沈殿物を溶解し、薄褐色の還元型ケラチン溶液650mLを得た。Lowry法によりこの溶液のタンパク定量を行なったところ12質量%であった。同溶液を凍結乾燥して質量法で求めた収率は約11質量%であった。また、当該水溶液を凍結乾燥して得たケラチン粉末のアミノ酸分析を行ったところ、アミノ酸100残基当たり、システインが5.1個、シスチンが2.1個であった。また、ポリアクリルアミド電気泳動法で調べたところ、分子量5,000から11,000タンパク質が主成分であった。
[実施例4]
粉砕した牛角100gに水1500mL、ドデシル硫酸ナトリウム30gと2−メルカプトエタノール30mLを加え、攪拌しながら24時間加熱還流せしめた。室温まで冷却後、溶液部と不溶物を遠心濾過により分別した。溶液は1mol/L塩酸でpHを約3に調節し、生じた沈殿物を遠心分離で回収し、pH3の0.2質量%の2−メルカプトエタノール水溶液200mLに攪拌して分散し、遠心分離で沈殿物を集める洗浄操作を2回行った。洗浄後の沈殿物に、0.2質量%の2−メルカプトエタノール水溶液500mLを加え、さらに30%アンモニアでpH8.5に調整して溶解し、暗褐色の還元型ケラチン溶液約500mLを得、そのまま凍結乾燥した。質量法で求めた収率は原料の角に対して約60質量%であった。
粉砕した牛角100gに水1500mL、ドデシル硫酸ナトリウム30gと2−メルカプトエタノール30mLを加え、攪拌しながら24時間加熱還流せしめた。室温まで冷却後、溶液部と不溶物を遠心濾過により分別した。溶液は1mol/L塩酸でpHを約3に調節し、生じた沈殿物を遠心分離で回収し、pH3の0.2質量%の2−メルカプトエタノール水溶液200mLに攪拌して分散し、遠心分離で沈殿物を集める洗浄操作を2回行った。洗浄後の沈殿物に、0.2質量%の2−メルカプトエタノール水溶液500mLを加え、さらに30%アンモニアでpH8.5に調整して溶解し、暗褐色の還元型ケラチン溶液約500mLを得、そのまま凍結乾燥した。質量法で求めた収率は原料の角に対して約60質量%であった。
また、凍結乾燥して得られた還元型ケラチン粉末(D)のアミノ酸分析を行ったところ、アミノ酸100残基当たり、システインが4個、シスチンが3個であった。一方、不溶物は元の角細片の形状をほぼ保ち、pH3の0.2質量%の2−メルカプトエタノール水溶液で洗浄を繰り返した後に0.2質量%2−メルカプトエタノール水溶液500mLを加え3万回転の回転破砕機で処理することにより暗褐色の分散液を得、直ちに凍結乾燥して粉末(E)を得た。以上の粉末(D)と粉末(E)を同質量混ぜた後、160℃でシート状に加熱圧縮成型(圧力5〜10kg/cm2)したところ、高強度のシートを得た。
[実施例5]
実施例1で調製した還元型ケラチン粉末と、還元型キュティクルタンパク粉末と、エタノール−水混液(質量比9:1)を、20:10:30の質量比でよく混合し、70〜160℃で5cm×5cmで深さ0.3cmのスレンレス金型を使って加熱圧縮成型したところ、淡黄色の半透明板を得た。この物質は曲げ強度および引張強度がそれぞれ130〜150MPa、50〜95MPaであり、機械的衝撃に耐え、また50℃の水中での膨潤もほとんど無く耐水性に優れていた。
実施例1で調製した還元型ケラチン粉末と、還元型キュティクルタンパク粉末と、エタノール−水混液(質量比9:1)を、20:10:30の質量比でよく混合し、70〜160℃で5cm×5cmで深さ0.3cmのスレンレス金型を使って加熱圧縮成型したところ、淡黄色の半透明板を得た。この物質は曲げ強度および引張強度がそれぞれ130〜150MPa、50〜95MPaであり、機械的衝撃に耐え、また50℃の水中での膨潤もほとんど無く耐水性に優れていた。
Claims (7)
- ケラチン含有物質を、還元剤及び界面活性剤を含有する水性媒体中に浸漬し、加熱処理して、前記ケラチン含有物質中の水溶性成分を前記水性媒体中に抽出する抽出工程、及び、前記抽出工程後、前記水性媒体中より水不溶成分を除去する工程を有することを特徴とする還元型ケラチン溶液の製造法。
- 前記水不溶成分を除去する工程後、水溶性成分を溶解する水性媒体より前記水溶性成分を析出して分離する工程、及び、析出した水溶性成分を水性媒体に再溶解する工程をさらに有することを特徴とする請求項1に記載の還元型ケラチン溶液の製造法。
- 請求項1または請求項2に記載の還元型ケラチン溶液の製造法により得られる還元型ケラチンの溶液から、溶媒を除く工程を有することを特徴とする還元型ケラチン粉末の製造法。
- ケラチン含有物質を、還元剤及び界面活性剤を含有する水性媒体中に浸漬し、加熱処理して、前記ケラチン含有物質中の水溶性成分を前記水性媒体中に抽出する抽出工程、前記抽出工程後、前記水性媒体中より水不溶成分を分離する工程、及び、前記水不溶成分を粉砕し水性媒体中に分散する工程を有することを特徴とする還元型キュティクルタンパク分散体の製造法。
- 請求項4に記載の還元型キュティクルタンパク分散体の製造法により得られる還元型キュティクルタンパク分散体から、分散媒を除くことを特徴とする還元型キュティクルタンパク粉末の製造法。
- 還元型ケラチンおよび還元型キュティクルタンパクを含有する水性媒体分散液の製造法であって、ケラチン含有物質を、還元剤及び界面活性剤を含有する水性媒体中に浸漬し、加熱処理して、前記ケラチン含有物質中の水溶性成分を前記水性媒体中に抽出する抽出工程、及び、前記抽出工程後、水不溶成分を粉砕する工程を有することを特徴とする水性媒体分散液の製造法。
- 請求項6での水性媒体分散液の製造法により得られる水性媒体分散液から溶媒を除くことを特徴とする還元型ケラチンと還元型キュティクルタンパク混合粉末の製造法。
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