JP5443673B2 - 可溶性ケラチンの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、羊毛などの獣毛や人毛などの水に不溶性を示すα−ケラチンから、水に可溶性を示す可溶性ケラチンを製造する方法に関する。
獣毛繊維に代表されるケラチン繊維(α−ケラチン)は、α−へリックス分子からなる結晶性ミクロフィブリルが非晶性マトリックスに包理された複合構造からなっている。また、α−ケラチンは、それら複合構造を有した蛋白質(ケラチン鎖状分子)の分子間および/または分子内に、多量のジスルフィド結合(SS結合)を有し、架橋密度の高い巨大な網目構造を形成した、水に不溶性を示す天然高分子である。従来から、α−ケラチンの吸湿性と、曲げても折れない強靭性とを併せ持つ再生フィルムや再生繊維材料を創出するため、また、シックハウス症候群の原因となるホルムアルデヒドなどを吸着する住環境の改善素材としての利用、さらに、環境問題とも絡んで、廃棄羊毛を積極的に再生利用するために、水に対してα−ケラチンを可溶化する試みがなされてきた。
例えば、特許文献1には、α−ケラチンとして羊毛を用い、これを多量の尿素(蛋白質変性剤)の存在下で、チオグリコール酸により還元処理した後、酸化剤存在下でさらにチオグリコール酸を反応させることにより、可溶性ケラチンを得る方法が提案されている。この提案では、α−ケラチン内の水素結合を尿素で切断して膨潤させることで、α−ケラチンの可溶化を促進している。
特開平7−126296号公報
しかしながら、前記従来の方法では、多量の蛋白質変性剤の存在下でも可溶性ケラチンの収率(α−ケラチンの可溶化率)は低く、31.7〜51.4%程度であった。また、前記従来の方法では、使用後の蛋白質変性剤を除去する透析などが必要であり、工程が複雑であった。
本発明は、前記事情に鑑みてなされたものであって、α−ケラチンから、可溶性ケラチンを簡便な工程で、かつ、良好な収率で得ることのできる製造方法を目的とする。
前記の課題を達成するために、本発明は以下の構成を採用した。
(1)α−ケラチンを、蛋白質変性剤を用いずに、水の存在下で過剰量のチオグリコール酸ナトリウムと接触させて、α−ケラチンのジスルフィド結合(SS結合)が、スルフヒドリル基(SH基)に変換された処理液を得る第1の工程と、
前記第1の工程で得られる処理液に酸化剤を添加することによって、前記処理液中のスルフヒドリル基(SH基)を、該処理液中に未反応のまま残存しているチオグリコール酸ナトリウムと作用させて次式
−SSCHCOOH
で表されるカルボキシメチルジスルフィド基に変換する第2の工程と
を有し、
前記第2の工程をpH5.0〜8.0で行うことを特徴とする可溶性ケラチンの製造方法。
(2)前記第1の工程において、α−ケラチンを、チオグリコール酸ナトリウムを含むpH9.0〜13.5の水溶液と接触させる(1)に記載の可溶性ケラチンの製造方法。
(3)前記第2の工程において、前記第1の工程で得られる処理液をpH5.0〜8.0に調整してから、酸化剤を添加する(1)または(2)に記載の可溶性ケラチンの製造方法。
(4)前記第2の工程において、前記第1の工程で得られる処理液に酸化剤を添加してから、該処理液をpH5.0〜8.0に調整する(1)または(2)に記載の可溶性ケラチンの製造方法。
本発明の可溶性ケラチンの製造方法は、α−ケラチンから可溶性ケラチンを、簡便な工程で、かつ、良好な収率で得ることができる。
本発明の可溶性ケラチンの製造方法は、α−ケラチンを、蛋白質変性剤を用いずに、水の存在下でチオグリコール酸ナトリウムと接触させる第1の工程と、前記第1の工程で得られる処理液に酸化剤を添加する第2の工程とを有することを特徴とする。
本発明におけるα−ケラチンとしては、例えば、獣毛、人毛、ひづめ、角、爪などが挙げられる。獣毛としては、特にその種を限定するものではないが、例えば、メリノ種、リンカーン種などの羊毛などが挙げられる。
α−ケラチンは、前処理として、中性洗剤を用いた洗浄、水洗、および風乾を行うことが好ましい。また、必要により、α−ケラチンを裁断または粉砕してもよい。
[第1の工程]
まず、α−ケラチンを、水の存在下でチオグリコール酸ナトリウムと接触させて、α−ケラチンが還元された処理液を得る(第1の工程)。
チオグリコール酸ナトリウムはHS−CHCOONaで表される化合物である。本発明では、水の存在下でチオグリコール酸ナトリウムと接触させればよいため、α−ケラチンを、チオグリコール酸ナトリウムを水に溶解した水溶液に接触させてもよく、α−ケラチンを、チオグリコール酸(HS−CHCOOH)と塩基とを水に溶解した水溶液に接触させてもよい。また、本発明では、チオグリコール酸ナトリウムに加え、その他のチオグリコール酸塩を補助的に用いてもよい。その他のチオグリコール酸塩としては、チオグリコール酸カリウム、チオグリコール酸リチウム、チオグリコール酸アンモニウムなどが挙げられる。
該処理液を得る具体的な方法としては、チオグリコール酸ナトリウムを含む水溶液中にα−ケラチンを浸漬させて、撹拌、振とうして処理液を得る方法が好ましい。
該水溶液のpHは、9.0〜13.5が好ましい。このpH範囲であると、チオグリコール酸ナトリウムによるα−ケラチンの還元反応が円滑に進む。かかるpH範囲に調整するために、必要に応じて該水溶液にアルカリ剤を添加する。アルカリ剤は、特に限定されるものではないが、水酸化リチウム、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化アンモニウムなどを1種類単独で、または2種類以上組み合わせて使用することが好ましい。α−ケラチンを、チオグリコール酸(HS−CHCOOH)と塩基とを水に溶解した水溶液に接触させる場合には、アルカリ剤としてナトリウム塩である水酸化ナトリウムを用いることが好ましい。
チオグリコール酸ナトリウムの使用量は、1gのα−ケラチンに対して0.005〜0.02モル、特に0.0075〜0.01モルが好ましい。前記範囲内であれば、α−ケラチンに含まれるほぼ全てのジスルフィド結合(SS結合)が還元され、スルフヒドリル基(SH基)に変換される。これにより、前記第1の工程につづく第2の工程が円滑に進行する。
前記水溶液中に含まれるチオグリコール酸ナトリウムのモル濃度は、特に制限されないが、0.1〜0.4Mがより好ましく、0.15〜0.2Mが特に好ましい。前記水溶液の使用量は、α−ケラチン1gに対する容積比で20倍〜200倍(浴比)が好ましい。
この工程における前記水溶液の温度(処理温度)は、20〜50℃が好ましい。処理温度が低過ぎるとSS結合の還元速度が低下し、α−ケラチンが充分に還元されないおそれがある。処理温度が高過ぎるとα−ケラチンのケラチン鎖状分子が切断され、蛋白質の分解を起こす。α−ケラチンを前記水溶液に浸漬させる時間(処理時間)は、処理温度によっても異なるが、20分〜5日間の範囲が好ましい。処理時間が不足すると還元度が低下し、一部のSS結合がスルフヒドリル基に変換されない。α−ケラチンに含まれるほぼ全てのSS結合が還元され、かつ蛋白質の分解を回避するには、例えば、処理温度20℃で3日〜5日間、または、25℃で48時間程度、または、50℃で20分〜4時間程度、撹拌、振とうするのが好ましい。
[第2の工程]
次に、第1の工程で得られた処理液に酸化剤を添加する(第2の工程)。
酸化剤としては、臭素酸ナトリウム(NaBrO)、過酸化水素(H)、および酸素から選ばれる1種または2種以上を用いることが好ましい。
具体的には、第1の工程において所定時間、撹拌、振とうを行った処理液を撹拌しつつ、酸化剤を所定の添加時間をかけて徐々に添加した後、所定時間静置させるのが好ましい。
酸化剤として臭素酸ナトリウムまたは過酸化水素を用いる場合は、これらの水溶液を滴下する方法で添加するのが好ましい。滴下に用いる酸化剤水溶液のモル濃度は、1M〜5M程度が好ましい。
酸化剤の使用量は、1gのα−ケラチンに対して0.001〜0.02モルが好ましく、より好ましくは0.0015〜0.01モルである。前記範囲を超えると、蛋白質中に種々の酸化物、例えば、シスチンモノオキシド、シスチンジオキシド、システイン酸が生成して、可溶性ケラチンの劣化が生じる。前記範囲を下回ると、酸化反応が不充分となる。
酸化剤の添加濃度は、第1の工程で得られた処理液中に、0.02〜1Mになるように添加するのが好ましく、より好ましくは0.03〜0.4Mである。
酸化剤の添加に要する時間は、1〜6時間が好ましい。酸化剤の添加の際の温度設定は、20〜35℃が好ましい。
酸化剤として酸素を用いる場合には、バブリングにより添加することが好ましい。バブリングは断続的であってもよいが、継続的に行われるのが好ましい。
酸化剤を添加した後の静置時間は、酸化剤の種類やpHにより異なるが、1〜48時間が好ましく、より好ましくは24時間程度である。酸化剤の静置時の温度は、20〜35℃が好ましい。
第2の工程において、酸化剤の添加前に、第1の工程で得られた処理液のpHを5.0〜8.0に調整することが好ましい。より好ましくはpH7程度である。処理液のpHを前記範囲とすれば、後述するケラチン鎖状分子同士のSS結合の再生成を抑制でき、以って、水に不溶性のα−ケラチンの再生成を抑制することができる。
ただし、アルカリ条件下で酸化反応を生じにくい酸化剤の場合には、処理液に酸化剤を添加した後に、pHを5.0〜8.0に調整しても構わない。
アルカリ条件下でも酸化反応を促進する酸化剤としては、過酸化水素が挙げられる。アルカリ条件下で酸化反応を促進しにくい酸化剤としては、臭素酸ナトリウムが挙げられる。臭素酸ナトリウムによる酸化反応は、過酸化水素による酸化反応と異なり、水素イオンの存在が必要であるため、水素イオンが存在しにくいpH11における酸化反応は進みにくく、pH5.0〜8.0における酸化反応が円滑に進行する。
なお、pHの調整には、酢酸、塩酸などの酸性水溶液を用いることが好ましい。
第2の工程を終えて得られる処理液には、目的物である可溶化された蛋白質、すなわち可溶性ケラチンが溶解している。この処理液に沈殿物が生じている場合は、濾過を行い、沈殿物を除去することが好ましい。得られる濾液には、可溶性ケラチンが溶解されている。濾紙は、JIS P 3801で規定された硫酸バリウムを自然濾過したときの漏洩粒子径により求められる保留粒子径が、5μm程度のものが好ましく、例えば、東洋濾紙社製のNo.2(保留粒子径5μm)が好ましい。
また、第2の工程を終えて得られた可溶性ケラチンを、任意の精製方法を用いて精製してもよい。例えば、ゲル濾過クロマトグラフィやイオン交換クロマトグラフィなどによる脱塩により、未反応のチオグリコール酸、副生成物として生成されるジチオグリコール酸、低分子ポリペプチド、電解質などを除去することができる。
[第3の工程]
第2の工程の後、必要に応じて、溶解している可溶性ケラチンを沈殿させて回収してもよい(第3の工程)。
具体的には、第2の工程で得られた処理液または該処理液を濾過して得られた濾液のpHを、2.5〜4程度に調整する。かかるpH範囲に調整することにより、目的物である可溶性ケラチンを効率よく沈殿させることができる。可溶性ケラチンの沈殿は、自然沈降であってもよいが、効率よく沈殿させるために遠心分離が好ましく用いられる。
pHの調整は、塩酸または酢酸、もしくはそれらの塩を添加して行うことが好ましい。塩酸モル濃度は0.05M〜0.1M程度が好ましく、酢酸モル濃度は0.5〜1M程度が好ましい。
得られる沈殿物は、さらに、pHが3〜4の酢酸または塩酸で洗浄するのが好ましい。なお、塩酸ガスを生じない点で、酢酸を用いることがより好ましい。
得られたペースト状の沈殿物は、そのまま冷蔵してもよく、冷凍保存してもよく、粉末状に乾燥させてから保存してもよい。
冷蔵保存もしくは冷凍保存が長期間にわたる場合には、メチルイソチアゾリンオンなどの防腐剤を添加することが好ましい。
粉末状に乾燥させてから保存する場合、その乾燥方法は特に限定されないが、再溶解が容易である点から、凍結乾燥法が好ましい。可溶性ケラチンの粉末は、酸性側では空気中で安定であり、任意の保存方法で保存できるが、光劣化および熱劣化を防止する点からは、冷凍保存が好ましい。
本発明の方法によれば、α−ケラチンを、水の存在下でチオグリコール酸ナトリウムと接触させることで還元処理を行っているため、α−ケラチンから可溶性ケラチンを良好な収率(可溶化率)で製造することができる。本発明によれば、後述の実施例に示されるように、蛋白質変性剤を用いずに、収率89%程度を達成することができる。したがって、蛋白質変性剤を除去する透析工程を省くことができ、可溶性ケラチンを簡便に製造できる。
また、本発明の可溶性ケラチンを繊維製品、建材、環境浄化素材、家電製品、さらには、自動車、電車などの内装に含有させることにより、ケラチン繊維の有する抗酸化機能やホルムアルデヒドの分解除去効果を容易に付与できる。
さらに、本発明の可溶性ケラチンは、コラーゲン、シルク蛋白質などの既存の蛋白質や、多糖類などの高分子化合物と複合化することもできる。
本発明により得られる可溶性ケラチンは、原料として用いたα−ケラチンと、分子量を同等とすることも、必要に応じて小さくすることもできる。本発明で得られる可溶性ケラチンの分子量は、SDS−ポリアミドゲル電気泳動法により測定できる。
本発明により得られる可溶性ケラチンは、水などの水溶液に対して幅広いpH領域で可溶性を示すので、加工時の取り扱いも容易であり、また、産業上の利用範囲を狭めることがない。
また、本発明の方法により得られる可溶性ケラチンは、乾燥された状態で空気中に安定して存在できるため、粉末状態で長期間安定して保存できる。
本発明の方法により得られる可溶性ケラチンは、水に可溶性であるが、再度、還元および酸化を行うことによって、水に不溶性のSS結合を再生させることができる。このようにして再生されるポリマーは、元のα−ケラチンと同様の性質を有する蛋白質として、各種形状の再生蛋白質フィルムや再生繊維などの再生蛋白質製品の原料に利用できる。
具体的に、このような再生フィルムや再生繊維を製造する場合は、例えば、可溶性ケラチンをそのまま、またはチオグリコール酸やホスフィン系化合物などの還元剤により還元し、水で透析した後、酸化することによって、SS結合をケラチン鎖状分子内またはケラチン鎖状分子間に再生させてから成形するか、フィルム状や繊維状に成形した後、同様にSS結合を再生させる方法を用いることができる。
本発明の方法によって生じる反応は、以下のように推測される。
第1の工程では、下記(1)式および(2)式に示される反応が生じる。ここで、式中のKはα−ケラチンの鎖状分子を表している。−S−S−は分子間を架橋しているSS結合を表している。α−ケラチンのα−ケラチン鎖状分子(K)間には、多数のSS結合が存在するが、便宜上、水に不溶性のα−ケラチンをK−S−S−Kで表している。また、式中のR−SHは、チオグリコール酸ナトリウムに対応する酸であるチオグリコール酸を表している。なお、−SHはスルフヒドリル基(SH基)であり、−Rは−CHCOOHを表している。
チオグリコール酸(R−SH)は、pHによって解離(イオン化)の状態が変化するが、以下の式では便宜上、未解離の状態で表す。なお、チオグリコール酸のSH基のpKは10.11であり、例えばpHが10.11のときに、水溶液中に存在するSH基の半分が−Sとして存在し、残りの半分は未解離の状態にある。また、チオグリコール酸のCOOH基のpKは3.43であり、例えばpHが3.43のときに、水溶液中に存在するCOOH基の半分が−COOとして存在し、残りの半分は未解離の状態にある。pHによる解離の状態は、K−SHにおけるSH基(pKは9程度)も同様である。
Figure 0005443673
K−S−S−Kは、SS結合の存在により、不溶性である。K−S−S−Kを可溶化させるためには、まず、SS結合をほぼ完全に切断することが必要であり、そのためには、K−S−S−Kの殆ど全てのSS結合を還元反応により切断して、SH基に変換し、α−ケラチン鎖状分子(K)間を離間させることが必要である。
すなわち、第1の工程において、水の存在下で、K−S−S−KにR−SHを接触させると、前記(1)式で表されるように、SS結合が還元されて、SH基を有するK−SHが生成されるとともに、カルボキシメチルジスルフィド基(R−S−S−基)を有するR−S−S−Kが生成される。そして、さらにR−SHが反応系内に存在していると、前記(2)式で表されるように、R−S−S−KがR−SHと反応して、K−SHとR−S−S−Rが生じる。このR−S−S−Rは、R−SHが酸化したものであり、ジチオグリコール酸である。
前記(1)式および(2)式は平衡反応であるため、K−S−S−K中に含まれるSS結合の数に対して過剰量のR−SHを用いれば、前記(1)式および前記(2)式の反応が円滑に進み、K−S−S−Kの殆ど全てのSS結合がK−SHとなる。
より詳しくは、この第1の工程において、K−S−S−KのSS結合に対して過剰量のチオグリコール酸(R−SH)を接触させ、反応系のpHを9以上のアルカリ側とすることにより、R−SHのイオン化が促進され、SS結合を切断する活性を有したR−Sが増大する。そして、このR−Sにより、K−S−S−K中のSS結合が還元切断され、前記(1)式と前記(2)式を経て、K−SH(一部はR−S−S−Kのまま残存)に変換される。
第1の工程においては、このようにK−S−S−KのSS結合が切断されてK−SHとなる。これにより、α−ケラチン鎖状分子(K)間が離間し、可溶化の前段階である膨潤状態となり、可溶化に要する条件の一つが満たされることになる。ここで、膨潤とは、α−ケラチンなどの繊維を水や種々の溶液中に浸漬した際に、繊維の体積が大きくなって膨張することをいう。
なお、この反応系のpHが13.5を超えると、α−ケラチンの鎖状分子(K)が切断され、蛋白質の分解が増大し、α−ケラチンの有する吸湿性や強靭性などの諸特性が損なわれるため好ましくない。
第1の工程で得られたK−SHに対して加熱処理やさらに強いアルカリ処理などを行えば、SH基の大部分がイオン化され、α−ケラチンは可溶化の傾向を示すようになるが、蛋白質が分解・失活する可能性がある。また、このようにして得られる可溶性ケラチンは、アルカリ性の溶液においては可溶化しやすいが、中性付近の溶液には可溶化しにくいため、産業上の利用範囲が狭くなる。
中性を含めた幅広いpH領域の溶液において可溶化を示す可溶性ケラチンを得るには、α−ケラチン中のSH基をR−S−S−基に置換し、α−ケラチン中のR−S−S−基の存在割合を多くすればよい。これにより、α−ケラチンはさらに大きく膨潤し、可溶性を示すようになる。R−S−S−基により可溶化される理由は、SH基の代わりに、より大きな構造のR−S−S−基を導入することで、α−ケラチン鎖状分子(K)間がさらに離間し、α−ケラチン鎖状分子(K)間の相互作用が減少するためであると考えられる。また、R−S−S−Kに含まれるCOOH基は、中性を含めた幅広いpH領域でイオン化されて−COOとなるため、中性を含めた幅広いpH領域で可溶化を示す。
そこで、α−ケラチン中のSH基をR−S−S−基に置換するために、第2の工程が行われる。
第2の工程では、ラジカル機構により下記(3)式、(4)式、および(5)式に示される反応が同時に生じる。これらの式中のK−SHは、第1の工程で生成されたSH基を有するα−ケラチンである。また、R−SHは、第1の工程で導入され、第1の工程を経た後も処理液中に未反応のまま残存しているチオグリコール酸である。
Figure 0005443673
(3)式で表される酸化反応によって、反応系内に存在するR−SH、K−SHから、水に可溶性を示すR−S−S−Kが生成される。
(4)式で表される酸化反応によって、反応系内に存在するR−SHから、R−S−S−R(ジチオグリコール酸)が生成される。
(5)式で表される酸化反応によって、反応系内に存在するK−SHから、水に不溶性を示すK−S−S−Kが生成される。
前記(5)式の反応は、分子量が大きいα−ケラチン鎖状分子(K)に結合しているSH基同士の反応である。一方、前記(3)式の反応は、α−ケラチン鎖状分子(K)に結合しているSH基と、低分子量のR−SHとの反応である。したがって、前記(5)式の反応速度は、前記(3)式、(4)式の反応速度に比べて非常に遅い。その結果、前記(3)式、(4)式の反応が優先的に生じる。前記(3)式によって、反応系内のK−SHの大部分は、R−SHと反応し、R−S−S−Kに変換される。
ところで、前記(4)式の反応は、低分子のR−SH同士の反応であるため、前記3つの酸化反応のうち最も反応速度が早く、その結果、処理液中にはR−S−S−Rが生成される。なお、前記(4)式と、第1の工程における前記(2)式は共役の関係にある。そのため、前記(4)式によって生成されるR−S−S−Rが過剰量となると、下記(6)式の反応(前記(2)式の逆反応)が生じ、さらに、下記(6)式の反応に連鎖して下記(7)式(前記(1)式の逆反応)が生じる。
Figure 0005443673
すなわち、前記(4)式の反応を発端に、前記(6)式および前記(7)式の反応が連鎖的に生じ、その結果、水に不溶性を示すK−S−S−Kが再生成され、可溶性ケラチンの収率が低下する。
そこで、第2の工程における反応系内のpHを5.0〜8.0とすることにより、R−SHのイオン化が抑制され、反応系内のR−Sの濃度が減少することで、前記(6)式および(7)式の反応を事実上無視できる程度にまで抑制できる。
このように、K−S−S−Kの再生成を抑制し、相対的に、ラジカル機構である前記(3)式によるR−S−S−Kの生成を円滑に進行させることで、水に不溶性のα−ケラチンから可溶性ケラチンを簡便に合成することができる。
第2の工程によって得られる処理液を濾過した場合、不溶残渣にはSS結合を多量に持つK−S−S−Kが含まれている。一方、濾液には、目的の化合物であるR−S−S−Kが多量に含まれるとともに、R−S−S−Rおよび未反応の酸化剤も含まれている。
そして、第3の工程において、第2の工程で得られた処理液、好ましくは該処理液を濾過して得られた濾液に、塩酸または酢酸を添加してpHを2.5〜4に調整すると、下記(8)式で表される反応により、R−S−S−K中のカルボキシ基のイオン化が減少し、目的物であるR−S−S−K(K−S−S−CHCOOH)を有する可溶性ケラチンを効率よく沈殿させることができる。なお、pHが2.5より小さいと、R−S−S−Rの沈殿が増大するため好ましくない。
Figure 0005443673
本発明では、蛋白質変性剤を用いずに、α−ケラチンから高い収率で可溶性ケラチンを得ることができる。その理由は以下のように考えられる。
本発明では、チオグリコール酸塩にチオグリコール酸ナトリウムを用いている。チオグリコール酸ナトリウムがイオン化して生じるナトリウムイオン(Na)は高い水和度を有しているため、α−ケラチンに対する膨潤の効果が大きく、蛋白質変性剤を用いずとも、高い収率で可溶性ケラチンを得ることができる。ここで、水和度とは、塩が水溶液で溶解して陽イオン化したとき、そのイオンが抱える水分子の多さのことである。水和度の大きい陽イオン、すなわち、水分子を多く抱えている陽イオンほどα−ケラチン鎖状分子(K)間の距離を大きく引き離すことができ、α−ケラチンをより大きく膨潤させることができる。例えば、チオグリコール酸塩における代表的な陽イオンを挙げた場合、Li>Na>K>NH の順序で水和度が減少する。
特許文献1で用いられるチオグリコール酸カリウム(チオグリコール酸+水酸化カリウム)は、Kの水和度が低いため、多量の蛋白質変性剤の存在下でも可溶性ケラチンの収率(α−ケラチンの可溶化率)が低いものと考えられる。
なお、チオグリコール酸塩の一種であるチオグリコール酸リチウムは、水和度が高く、α−ケラチンを膨潤させる効果が大きいものと考えられるが、他のアルカリ金属塩に比較して高価であり、生産コストの観点から好ましくない。
また、チオグリコール酸アンモニウムは水和度が低く、α−ケラチンに対する膨潤の効果が低いと考えられる。また、NH イオンは弱アルカリ性の性質を有するため、第2の工程(酸化処理)で、pH調整に弱酸性である酢酸水溶液を用いると、緩衝作用が生じ、5.0〜8.0までpHを下げることが難しい。したがって、チオグリコール酸アンモニウムを用いる場合は、第2の工程でのpH調整にHClなどの強酸を用いなければならなくなる。ところが、強酸を前記水溶液中に添加すると、α‐ケラチンの膨潤が阻害され、収率が大幅に低下するおそれがある。
以上説明したように、第1の工程(還元処理)でα−ケラチンの網目構造を解き、第2の工程(酸化処理)でα−ケラチン鎖状分子(K)間に相互作用が生じない程度にまで離間させ、膨潤の度合いを大きくすることで、α−ケラチンは可溶性を示すようになる。
以下に、実施例を用いて本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。なお、本実施例における可溶性ケラチンの収率(%)は、以下に示す凍結乾燥収率(Ysol)、および不溶残渣から求めた収率(Yres)の2通りの計算式によりそれぞれ求めた。
sol(%)=100(Wsol/W)
res(%)=100(W−Wres)/W
(投入した羊毛の質量:W 凍結乾燥量:Wsol 不溶残渣量:Wres
<実験例1>
以下に示す可溶性ケラチンの製造方法にしたがって、α−ケラチンから可溶性ケラチンを製造し、第1の工程におけるチオグリコール酸ナトリウム(Na−TGA)の添加量の違いによる可溶性ケラチンの収率への影響を評価した。
(実験例1−1)
メリノ種羊毛を中性洗剤で洗浄後、水洗いし、乾燥させ約5mmに細断した。次いで、50mlのフラスコに、細断した羊毛を約0.2g投入し、さらに、水酸化ナトリウムでpH11.0に調整した0.025Mのチオグリコール酸ナトリウム(Na−TGA)水溶液10mlを前記フラスコ中に加え(浴比50倍)、25℃、24時間攪拌、振とうして還元処理を行った。なお、投入した羊毛を正確に秤量した質量を(W)とした。
次いで、得られた処理液を酢酸でpH7に調整してから、処理液中の臭素酸ナトリウムの濃度が0.2Mとなるように、0.4Mの臭素酸ナトリウム溶液10mlを4時間掛けて徐々に加え、その後、20時間静置することで酸化反応を行った。
次いで、処理液から不溶物(不溶残渣)を除去するために、東洋濾紙社製のNo.2濾紙を用いて濾過した。さらに、濾液に、酢酸ナトリウムを加えてpH8に調整してから、セファデックスG25カラムに通して脱塩、分取することで濾液を精製した。そして、得られた全フラクションに、塩酸を添加してpH3.5に調整し、生成した沈殿物を凍結乾燥した。そして、沈殿物の凍結乾燥質量を測定し、これを凍結乾燥量(Wsol)とした。一方、不溶残渣は水洗し、凍結乾燥した。そして、不溶残渣の凍結乾燥質量を測定し、これを不溶残渣量(Wres)とした。これらの測定値を基に、凍結乾燥収率(Ysol)、および不溶残渣から求めた収率(Yres)を求めた。結果を表1に示す。
(実験例1−2〜1−5)
前記実験例1−1においては、0.025Mのチオグリコール酸ナトリウム水溶液を用いたが、この濃度を表1のように変更した以外は、実験例1−1と同様にして実験例1−2〜1−5の凍結乾燥した沈殿物および不溶残渣を得て、それぞれ凍結乾燥量(Wsol)および不溶残渣量(Wres)を測定し、さらに、可溶性ケラチン収率(Ysol)および不溶残渣から求めた収率(Yres)を求めた。各実験例について、投入した羊毛を正確に秤量した質量(W)と得られた値を表1に示す。
Figure 0005443673
表1に示すように、凍結乾燥収率(Ysol)と、不溶残渣から求めた収率(Yres)とは、実験誤差内で一致したことで、濾液を沈殿させて凍結乾燥したフラクションは、可溶性ケラチンであることが示された。
また、表1の結果から、第1の工程において用いられるチオグリコール酸ナトリウムの濃度が可溶性ケラチンの収率に影響をもつことが見出された。特に、実験例1−1、実験例1−2、および実験例1−3の評価のとおり、チオグリコール酸ナトリウムの濃度が0.1Mより小さくなると、可溶性ケラチンの収率が急速に減少していることが分かった。これは、α−ケラチン中のSS結合を切断するチオグリコール酸ナトリウムの量が不足し、前記(2)式の平衡反応を充分に式の右矢印方向に進めることができないからと推察された。
一方、実験例1−6に示すように、チオグリコール酸ナトリウムの濃度がさらに増加すると、収率は逆に減少した。これは、酸化反応において、前記(6)式および前記(7)式の反応が生じたためであると推察された。すなわち、K−S−S−Kの結合が再生成され、可溶性ケラチンが減少した結果であると推察された。
これにより、α−ケラチンの還元反応におけるチオグリコール酸ナトリウムの濃度は、メリノ種羊毛を用いた場合、好ましくは0.1M〜0.4M、より好ましくは0.15M〜0.2Mであることが示された。すなわち、α−ケラチン1gに対して、チオグリコール酸ナトリウムを好ましくは0.005〜0.02モル、より好ましくは0.0075〜0.01モル用いれば、高い収率で可溶性ケラチンを得ることができることが示された。これらの中でも、実験例1−5においては、凍結乾燥収率が89.3%、不溶残渣から求めた収率が85.6%を示していた。これら実験例の結果から、チオグリコール酸ナトリウムを用いることにより、また、好ましくは前記のモル濃度範囲内で用いることにより、蛋白質変性剤を用いなくても、非常に優れた収率で可溶性ケラチンの製造が行えることが示された。
なお、α−ケラチンに他の獣毛を用いれば、その中に含まれるSS結合の量にも違いがあると考えられ、それを解離するためのチオグリコール酸ナトリウムの使用量にも、違いが生じると考えられる。
<実験例2>
次に、第2の工程において、pHの調整と酸化剤投入との前後関係について評価した。
(実験例2−1)
メリノ種羊毛を中性洗剤で洗浄後、水洗いし、乾燥させ約5mmに細断した。次いで、50mlのフラスコに、細断した羊毛を約0.2g投入し、さらに、水酸化ナトリウムでpH11.0に調整した0.2Mのチオグリコール酸ナトリウム水溶液10mlを前記フラスコ中に加え(浴比50倍)、25℃、24時間攪拌、振とうして還元処理を行った。なお、投入した羊毛を正確に秤量した質量を(W)とした。
次いで、得られた処理液を酢酸でpH7に調整してから、処理液中の臭素酸ナトリウムの濃度が0.2Mとなるように、0.4Mの臭素酸ナトリウム溶液10mlを4時間掛けて徐々に加え、その後、24時間静置することで酸化反応を行った。
次いで、得られた処理液に対して、実験例1−1と同様の方法を用いて沈殿を行い、実験例2−1の凍結乾燥した沈殿物および不溶残渣を得た。そして、凍結乾燥量(Wsol)および不溶残渣量(Wres)を測定し、可溶性ケラチン収率(Ysol)および不溶残渣から求めた収率(Yres)を求めた。得られた可溶性ケラチン収率(Ysol)および不溶残渣から求めた収率(Yres)を表2に示す。
(実験例2−2)
が表2に示す質量であった以外は、実験例2−1と同様に還元処理を行った。
次いで、得られた処理液に対して、0.4Mの臭素酸ナトリウム(NaBrO)溶液10mLを直接添加し、処理液中の臭素酸ナトリウム濃度を0.2Mにした後、25℃で1時間撹拌した。続いて、98%酢酸150μLを添加し、pH7に調整してから25℃にて23時間静置して酸化処理を行った。
次いで、得られた処理液に対して、実験例1−1と同様の方法を用いて沈殿を行い、実験例2−2の凍結乾燥した沈殿物および不溶残渣を得た。そして、凍結乾燥量(Wsol)および不溶残渣量(Wres)を測定し、可溶性ケラチン収率(Ysol)および不溶残渣から求めた収率(Yres)を求めた。得られた可溶性ケラチン収率(Ysol)および不溶残渣から求めた収率(Yres)を表2に示す。
Figure 0005443673
両反応系における可溶性ケラチン収率(Ysol)および不溶残渣から求めた収率(Yres)は、いずれも収率に有意な差が無いことが分かった。これにより、臭素酸ナトリウムによる酸化は、pH11で1時間の酸化処理では実質的には起こらず、pH5.0〜8.0(本実験例ではpH7)程度において主要な酸化反応が進行すると推定された。その理由として、臭素酸ナトリウムによる酸化反応は、過酸化水素のような水素イオンを必要としない酸化反応と異なり、水溶液中に水素イオンが必要であることが知られている。したがって、水素イオンがほとんど存在しないpH11付近では、臭素酸ナトリウムを添加しても酸化反応が進まないことが判明した。そのため、酸化剤に臭素酸ナトリウムを用いる場合は、臭素酸ナトリウムの添加後にpH調整を行ってもよく、臭素酸ナトリウムの添加前にpH調整を行ってもよいことが示された。

Claims (4)

  1. α−ケラチンを、蛋白質変性剤を用いずに、水の存在下で過剰量のチオグリコール酸ナトリウムと接触させて、α−ケラチンのジスルフィド結合(SS結合)が、スルフヒドリル基(SH基)に変換された処理液を得る第1の工程と、
    前記第1の工程で得られる処理液に酸化剤を添加することによって、前記処理液中のスルフヒドリル基(SH基)を、該処理液中に未反応のまま残存しているチオグリコール酸ナトリウムと作用させて次式
    −SSCHCOOH
    で表されるカルボキシメチルジスルフィド基に変換する第2の工程と
    を有し、
    前記第2の工程をpH5.0〜8.0で行うことを特徴とする可溶性ケラチンの製造方法。
  2. 前記第1の工程において、α−ケラチンを、チオグリコール酸ナトリウムを含むpH9.0〜13.5の水溶液と接触させる請求項1に記載の可溶性ケラチンの製造方法。
  3. 前記第2の工程において、前記第1の工程で得られる処理液をpH5.0〜8.0に調整してから、酸化剤を添加する請求項1または2に記載の可溶性ケラチンの製造方法。
  4. 前記第2の工程において、前記第1の工程で得られる処理液に酸化剤を添加してから、該処理液をpH5.0〜8.0に調整する請求項1または2に記載の可溶性ケラチンの製造方法。
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