JPH06100600A - 還元ケラチンの製造方法 - Google Patents
還元ケラチンの製造方法Info
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- JPH06100600A JPH06100600A JP27783092A JP27783092A JPH06100600A JP H06100600 A JPH06100600 A JP H06100600A JP 27783092 A JP27783092 A JP 27783092A JP 27783092 A JP27783092 A JP 27783092A JP H06100600 A JPH06100600 A JP H06100600A
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Abstract
ル基を有し、たとえば膜、フィルム、繊維、スポンジな
どの産業用品の製造に好適に使用される還元ケラチンを
短時間で製造する。 【構成】 ケラチン含有物質を水性媒体中、蛋白質変成
剤の存在下、または蛋白質変成剤と界面活性剤の存在下
で、好ましくは超音波照射のもとに、還元剤により還元
し、不溶物を除去した後、塩析して還元ケラチンを水性
媒体中から沈殿させて、単離する。
Description
かつ架橋可能なチオール基を有する還元ケラチンの製造
方法に関する。本発明によって得られる還元ケラチン
は、架橋可能なチオール基を有することと、高分子量成
分が多いという特性を利用して、たとえば膜、フィル
ム、繊維、スポンジなどの製造に好適に使用される。
造タンパクとして存在するケラチンは、従来から、フィ
ルム、繊維などの産業素材原料として注目されてきた。
しかしながら、ケラチンは、通常の溶媒に対して不溶も
しくは難溶であるため、溶液状態を経て二次加工に利用
するには、加水分解により大幅に短分子量化するか、ま
たはケラチンのジスルフィド結合の還元処理をするか、
あるいは生成したチオール基の化学処理(アルキル化反
応など)による不可逆的修飾を施さなければ利用するこ
とができなかった。
を経て二次加工に利用するには、上記のケラチン含有物
質を酸、アルカリまたは酵素により加水分解して短分子
量化したケラチン加水分解物の水溶液として利用する
か、あるいは還元剤と尿素などの蛋白質変成剤との共用
によりケラチンのジスルフィド結合をチオール基に還元
して生成した還元ケラチンの水溶液として利用するか、
あるいは上記の還元ケラチンのチオール基の再結合防止
のためにモノヨード酢酸によりアルキル化誘導体とする
か、あるいは亜硫酸ナトリウム/テトラチオン酸ナトリ
ウムによりS−SO3 - Na+ 化することによって不可
逆的に化学修飾したケラチン誘導体の水溶液として利用
されてきた。
解により短分子量化したケラチン加水分解物は、分子量
が小さいためにフィルムなどに加工したときに強度が劣
り、また水中ではすぐ崩壊するなどの問題があった。
を得るための還元処理においては、ケラチン含有物質に
チオグリコール酸などの還元剤と尿素などの蛋白質変成
剤とからなる可溶化剤を加えて還元抽出した後、透析、
限外濾過などによって可溶化剤を除去することが行われ
ているが、この透析や限外濾過は、大量の水、還元剤、
蛋白質変成剤などの浪費を引き起こす上に、製造時間と
製造費用の増大を引き起こし、しかも過剰の還元剤や蛋
白質変成剤の廃棄に伴い公害を引き起こすという問題が
あった。
ため、還元により生成したチオール基がそれらの間に酸
化されて再結合し、架橋可能なチオール基が失われると
いう問題があり、また、透析や限外濾過による場合は、
還元抽出された還元ケラチンに分子量の低いものが相当
量含まれるため、強度面などで天然高分子原料としての
特長が損なわれてしまうという問題もあった。
鑑み、ケラチン含有物質から還元抽出された還元ケラチ
ンの単離法の効率化と該還元ケラチン中の高分子量成分
の増加について鋭意検討を重ねた結果、ケラチン含有物
質を水性媒体中、蛋白質変成剤の存在下、または蛋白質
変成剤と界面活性剤の存在下で、還元剤で還元し、不溶
物を遠心または濾過により除去した後、得られた水溶液
に塩化ナトリウムや硫酸アンモニウムなどの無機塩を添
加して塩析するときは、抽出された還元ケラチンがその
還元状態を保持したまま短時間で単離され、高分子量成
分が多く、かつ架橋可能なチオール基を有する還元ケラ
チンが容易に得られることを見出し、本発明を完成する
にいたった。
に水性媒体中で還元すると、還元された還元ケラチンは
水性媒体中に溶解し、ケラチンを包んでいたキューティ
クルなどは不溶物として水性媒体中に存在する。
り除去した後、塩化ナトリウムや硫酸アンモニウムなど
の無機塩を添加して溶液のイオン化強度を上げると塩析
が生じ、水性媒体中に溶解していた還元ケラチンが還元
された状態を保持したまま、つまりケラチンを還元した
ときに生成したチオール基がほぼ保持された状態で、溶
液中から高収率で沈殿する。
などは、水性媒体中に溶解して水性媒体中に残るので、
濾過、遠心分離などにより還元ケラチンを反応液から単
離することができる。
溶解しやすいため、単離された還元ケラチン中には低分
子量のものがほとんど含まれず、したがって、高分子量
成分の多い還元ケラチンが得られる。
間で沈殿するので、長時間を要する透析や限外濾過によ
る場合のように還元ケラチン中のチオール基が酸化を受
けることが少なく、したがってチオール基がほとんど損
なわれることなく保持される。
〜130,000のものを主成分とし、アミノ酸100
残基当り4〜16個のシステインを有する還元ケラチン
が得られる。そして、その収率は人間の毛髪や羊毛を出
発原料とする場合35〜50%程度であり、羽毛を出発
原料とするときは収率が約80%に達する。
00残基当り4〜16個のシステインを有することと、
還元ケラチンがその還元状態をほぼ保持したまま、つま
り還元により生成したチオール基をほぼ保持した状態で
得られることとの関係について説明すると、次の通りで
ある。
多少異なるが、アミノ酸分析すると、一般にアミノ酸1
00残基当り2〜8個のシスチン(ハーフシスチンとし
ては4〜16個)を含んでいる。
チン中のジスルフィド結合(−S−S−結合)が開裂し
てチオール基(−SH基)になり、シスチンはシステイ
ンになる。
ル基を有しているが、従来は長時間を要する透析や限外
濾過により還元剤や蛋白質変成剤などの可溶化剤を除去
していたため、それらの間にチオール基が酸化を受けて
失われていたが、本発明では塩析により還元ケラチンを
反応液中から短時間で沈殿させて単離するので、チオー
ル基が酸化を受けることが少なく、還元状態をほぼ保持
したまま還元ケラチンが得られる。
ラチンは、その出発物質のケラチン含有物質中のケラチ
ンに応じて、アミノ酸100残基当り4〜16個のシス
テインを有しており、これは還元ケラチンが還元により
生成したチオール基をほぼ保持した状態で得られたこと
に相当する。
によって多少異なるが、一般に10,000〜130,
000である。本発明では塩析により還元ケラチンを反
応液中から沈殿させて単離するので、水に溶解しやすい
低分子量の蛋白質(この中には低分子量の還元ケラチン
も含まれる)がほとんど含まれず、分子量30,000
〜130,000のものを主成分とする高分子量成分の
多い還元ケラチンが得られる。
程を経て得られたものをいうが、その還元によりケラチ
ン中のシスチンのすべてが還元されているということを
意味するものではなく、ケラチン中のシスチンの一部が
還元されることなく残存しているものであってもよい。
ラチンは凍結乾燥法などの手段により粉末にしたり、あ
るいは必要に応じ少量の界面活性剤と酸化防止のための
還元剤を添加した水に溶解することによって、還元ケラ
チンの水溶液とすることができる。
たり、出発原料として用いるケラチン含有物質として
は、ケラチンを含むものであればよく、たとえば人間の
毛髪、羊毛、馬毛、牛毛などの獣毛や、鶏などの鳥類の
羽毛、牛などの動物の爪や角、ひずめ(蹄)、魚のうろ
こ(鱗)などを用いることができる。
混和性の有機溶媒との混合物であってもよく、含水率が
50重量%以上、好ましくは80重量%以上の溶媒を用
いる。水混和性の有機溶媒としては、たとえばメタノー
ル、エタノールなどの低級脂肪族アルコールなどが挙げ
られる。
のジスルフィド結合を還元してチオール基に変換する作
用をするものであり、この還元剤としては、たとえば2
−メルカプトエタノール、チオグリコール酸、ジチオス
レイトール、ジチオエリトリトールなどのチオール化合
物;トリプロピルホスフィン、トリブチルホスフィンな
どの有機リン化合物;亜硫酸水素ナトリウムなどの還元
能力を持つ無機化合物などが挙げられる。
ン含有物質10gに対して0.05〜0.50モルであ
り、還元反応の効率と経済性を考慮すると、ケラチン含
有物質10gに対して0.05〜0.20モルが好まし
い。
切断する作用を有するもので、その具体例としては、た
とえば尿素、チオ尿素などが好適なものとして挙げられ
る。そして、爪、ひずめ、うろこなどのように堅い組織
のケラチン含有物質を使用する場合には、粉砕した後、
蛋白質に対して溶解作用を有する水酸化ナトリウム、ア
ンモニアなどのアルカリを溶解助剤として用いることが
好ましい。
ラチン含有物質の溶解性などを考慮して決定するのが適
しているが、通常、ケラチン含有物質に対して3〜10
mol/l濃度のものを5〜40倍重量、好ましくは5
〜8mol/l濃度のものを10〜30倍重量である。
な蛋白質変成剤の存在下、または蛋白質変成剤と界面活
性剤の存在下で行われるが、後者のように界面活性剤を
共存させた場合は、還元速度が速くなり、ケラチン含有
物質からの還元ケラチンの抽出速度が向上する。ただ
し、界面活性剤は還元ケラチンを可溶化する作用がある
ので、塩析のために添加する無機塩を多くする必要があ
る。
界面活性剤、カチオン界面活性剤、両性界面活性剤、ノ
ニオン界面活性剤のいずれも用いることができる。
デシル硫酸ナトリウムなどのアルキル硫酸塩、アルキル
硫酸エステル塩、脂肪酸アルコールリン酸エステル塩、
スルホコハク酸エステル塩などのアニオン界面活性剤が
挙げられる。
式で示されるカチオン界面活性剤などが挙げられる。 〔R1 ・R2 ・R3 ・R4 N〕+ X- 〔式中、R1 、R2 、R3 およびR4 の1個または2個
は直鎖もしくは分岐鎖を有する炭素数8〜20のアルキ
ル基またはヒドロキシアルキル基であり、残余は水素原
子、炭素数1〜3のアルキル基もしくはヒドロキシアル
キル基またはベンジル基である。Xはハロゲン原子、炭
素数1〜2個のアルキル硫酸基またはアルキルピリジニ
ウムハライドなどの芳香族四級アミン塩などである〕。
アミンのN−カルボキシメチル体、N−スルホアルキル
化体、イミダゾリンスルホン酸などのベタイン系の両性
界面活性剤(疎水基は主として炭素数12〜14のアル
キル基またはアシル基、対イオンはアルカリ金属などで
ある)などが挙げられる。
リオキシエチレンアルキルエーテル型、脂肪酸エステル
型、ポリエチレンイミン型、ポリグリセリンエーテル
型、ポリグリセリンエステル型などのノニオン界面活性
剤(疎水基は主として炭素数12〜14のアルキル基も
しくはアシル基である)などが挙げられる。
用量はケラチン含有物質の5〜50重量%が好ましい。
ニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、両性界面活性
剤、ノニオン界面活性剤のいずれも使用することができ
るが、なかでもアニオン界面活性剤、たとえばアルキル
硫酸塩やポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩な
どが特に好ましい。
うにして行われる。すなわち、ケラチン含有物質をその
全量が浸るに充分な5〜40重量倍の3〜10M(mo
l/l)の蛋白質変成剤水溶液、たとえば尿素の場合に
は、5〜8Mの尿素水溶液に浸漬し、還元剤または還元
剤と界面活性剤を加えてから容器を密栓し、室温〜10
0℃で1〜24時間加熱攪拌する。
照射すると、還元抽出作用を促進することができ、還元
工程に要する時間を短縮することができる。超音波照射
はプローブ型、浴槽型などの公知の超音波照射装置を用
いることができる。超音波照射の強さは反応系の大きさ
により異なるが、たとえば反応系の大きさが1リットル
以下のときは出力50〜200Wで充分である。
不溶物を含むので、これを遠心分離や濾過により除去し
た後、塩析により還元ケラチンを沈殿させる。
ム、硫酸ナトリウムなどの無機塩を上記不溶物除去後の
水溶液に加えることによって行われる。この塩析にあた
っては、上記水溶液を塩酸などの酸を加えて弱酸性(p
H3〜5、特に3.5付近が好適)にしておくことが好
ましい。また、アセトンやメタノール、エタノールなど
の極性有機溶媒を併用添加し、塩析効果を上げてもよ
い。
ケラチン素抽出液(キューティクルなどの不溶物を除去
したもの)に対して無機塩が0.1〜2Mの濃度になる
ようにすることが適しており、特に0.5〜0.7Mの
濃度になるようにすることが好ましい。
が適しており、塩析に要する時間は短時間で、長くても
10分間程度をみておけば充分である。
元ケラチンは、水洗後、必要に応じ凍結乾燥法などによ
り粉末とするか、あるいはアンモニアなどで弱アルカリ
(pH8〜9)としつつ還元ケラチンに対して5〜50
重量%の界面活性剤を含んだ水溶液(酸化防止のために
還元剤を少量含有させてもよい)を加えて可溶化して透
明な水溶液とすることができる。
使用した界面活性剤を含んだ水溶液の量で0.1〜10
重量%程度に制御することができるが、抽出と塩析の操
作工程を簡便化するため、特に1〜5重量%程度にして
おくことが好ましい。この水溶液は薄いミルク状になっ
ている場合があるが、この場合はさらに濾過処理するこ
とにより、透明度を上げることができる。
は、ポリアクリルアミド電気泳動法で分子量を測定する
と、原料として用いたケラチン含有物質によって若干異
なるが、分子量30,000〜130,000のものを
80%以上含んでおり、分子量15,000以下のもの
は実質上含んでいない。
析や限外濾過処理で水溶液として得る方法では、分子量
15,000〜130,000のものを主成分としてい
るものの、分子量15,000以下のものが0.5〜1
割程度混在している。そのため、後記の試験例で明らか
にするように、フィルム化した時の強度は本発明の還元
ケラチンをフィルム化したものに比べて低い。
ミノ酸分析すると、原料として使用したケラチン含有物
質によって若干変動するものの、アミノ酸100残基当
りシステインを4〜16個有している。
要する時間は、透析や限外濾過処理による既知の方法に
比べて、大幅に短縮することができる。たとえば、上記
既知の方法では、100mlのケラチン抽出液につき透
析や限外濾過に10〜50時間程度要するが、本発明の
方法による場合、塩析は短時間で行われるので、大幅な
時間短縮を達成できる。
る場合は、尿素などの蛋白質変成剤の回収と再使用が容
易である。すなわち、従来の透析や限外濾過では、還元
ケラチンと蛋白質変成剤や残余の還元剤などを大量(単
離還元ケラチン1g当り1〜2リットル)のしかもイオ
ン交換水や蒸留水などの清浄な水を使用して分離するた
め、蛋白質変成剤などは大量の水に溶解しており、その
回収、再使用がきわめて困難であり、また、その廃水処
理にあたって大規模な公害対策も必要になる。
ることができ、しかもその消費量は単離還元ケラチン1
g当り約0.2リットルと格段と少なく、蛋白質変成剤
などの回収と再使用が容易である。もとより、本発明に
よれば、水の大量使用の必要がなく、水の浪費がない。
く説明するが、本発明はそれらの実施例のみに限定され
るものではない。
素水溶液550gに浸漬し、2−メルカプトエタノール
25mlを添加した後、容器を密栓し、60℃にて24
時間振盪攪拌した。反応液を室温に戻し、不溶物を濾過
により除去した後、濾液を塩酸でpH5に調整し、その
後、硫酸ナトリウム55gを添加して塩析し、密栓、攪
拌した後、遠心分離した。
ノールを0.3重量%含む水で洗浄し、ドデシル硫酸ナ
トリウム(SDS)3gと2−メルカプトエタノール
0.6gを添加した水200mlを加え、アンモニアで
pH8〜9に調整しつつ、溶解した。
白定量したところ、0.35gの還元ケラチンを含んで
おり、この水溶液中の還元ケラチン濃度は3.5重量%
であって、収率は35%であった。また上記水溶液を凍
結乾燥して得た還元ケラチン粉末のアミノ酸分析を行っ
たところ、アミノ酸100残基当りシステインが8.4
個、シスチンが1.5個であった。
リアクリルアミド電気泳動法で調べたところ、分子量4
0,000から60,000のものが約90%であり、
分子量30,000未満のものは5%以下であった。
水溶液130mlに浸漬し、2−メルカプトエタノール
6mlを添加した後、容器を密栓、攪拌し、約50℃で
5時間、200Wの出力にて超音波照射した。反応液を
室温に戻し、不溶物を濾過により除去した後、濾液を塩
酸で弱酸性(pH5)にし、硫酸ナトリウム13gを添
加すると共に攪拌すると、塩析により還元ケラチンが沈
殿した。
た還元ケラチンを2−メルカプトエタノールを0.3重
量%含む水で水洗した後、ドデシル硫酸ナトリウム(S
DS)0.75gと2−メルカプトエタノール0.6g
を添加した水100mlに溶解した。
白定量したところ、0.2gの還元ケラチンを含んでお
り、水溶液中の還元ケラチン濃度は2重量%であって、
収率は約50%であった。また上記水溶液を凍結乾燥し
て得た還元ケラチン粉末のアミノ酸分析を行ったとこ
ろ、アミノ酸100残基当りシステインが8.5個であ
った。
リアクリルアミド電気泳動法で調べたところ、分子量3
0,000から120,000のものが90%以上であ
り、分子量30,000未満のものは5%以下であっ
た。
素水溶液370gに浸漬し、ドデシル硫酸ナトリウム1
2gと2−メルカプトエタノール35mlを添加した。
ついで容器を密栓し、60℃にて24時間振盪攪拌し
た。反応物を室温に戻し、不溶物を濾過により除去し
た。濾液をセロファンチューブに入れ、2−メルカプト
エタノールを0.2重量%溶解させたイオン交換水7リ
ットルに対してそれぞれ24時間ずつかけて2回透析し
た。
owry法により行ったところ、透析液10gにつき
0.23gの還元ケラチンを含んでおり、液中の還元ケ
ラチンの濃度は2.3重量%であった。
ケラチン粉末の分子量をポリアクリルアミド電気泳動法
で調べたところ、分子量15,000〜70,000の
ものが主成分であって全体の約80%を占めていたが、
分子量24,000以下のものを約20%含有してい
た。また、還元ケラチン粉末のアミノ酸分析を行ったと
ころ、アミノ酸100残基当りシステインが5.2個で
あった。
水溶液それぞれ6mlに75重量%グリセリン水溶液
0.2mlを加え、それらをそれぞれ別々に水平な底面
を持つ円形ガラス容器(直径6cm)に流し、室温、大
気中で乾燥した。その後、80〜90℃で15分間加熱
処理した後、水中に入れ、ガラス容器から剥離してきた
還元ケラチンのフィルムを取り出した。
により測定した。その結果を表1に示す。なお、測定に
あたっての試料の調整および測定条件は次の通りであ
る。
0℃で20分間熱処理し、その後、室温まで戻す。
張速度200mm/minで測定する。
た還元ケラチンから作製したフィルムは、比較例1で製
造した還元ケラチンから作製したフィルムに比べて、強
伸度が大きい。
かつ架橋可能なチオール基を有する還元ケラチンを短時
間で製造することができる。
能なチオール基を有することと、高分子量成分が多いと
いう特性を利用して、たとえば膜、フィルム、繊維、ス
ポンジなどの産業用品の製造に好適に使用できる。
Claims (3)
- 【請求項1】 ケラチン含有物質を水性媒体中、蛋白質
変成剤の存在下で、還元剤により還元し、不溶物を除去
した後、塩析することを特徴とする還元ケラチンの製造
方法。 - 【請求項2】 ケラチン含有物質を水性媒体中、蛋白質
変成剤と界面活性剤の存在下で、還元剤により還元し、
不溶物を除去した後、塩析することを特徴とする還元ケ
ラチンの製造方法。 - 【請求項3】 超音波照射のもとに還元を行う請求項1
または2記載の還元ケラチンの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP27783092A JP3283302B2 (ja) | 1992-09-22 | 1992-09-22 | 還元ケラチンの製造方法 |
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JP27783092A JP3283302B2 (ja) | 1992-09-22 | 1992-09-22 | 還元ケラチンの製造方法 |
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Publication Number | Publication Date |
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JPH06100600A true JPH06100600A (ja) | 1994-04-12 |
JP3283302B2 JP3283302B2 (ja) | 2002-05-20 |
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ID=17588864
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JP (1) | JP3283302B2 (ja) |
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