JPH06336499A - 動物クチクル細胞由来の不溶性還元タンパク質、その製造方法および上記動物クチクル細胞由来の不溶性還元タンパク質を原料として作製された高分子成形品 - Google Patents
動物クチクル細胞由来の不溶性還元タンパク質、その製造方法および上記動物クチクル細胞由来の不溶性還元タンパク質を原料として作製された高分子成形品Info
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Abstract
クル細胞由来のタンパク質を有効に利用できるようにす
る。 【構成】 人毛、獣毛、羽毛などの高等動物体毛を水性
媒体中、タンパク質変性剤の存在下、還元剤により還元
した後、可溶部を除去し、得られた不溶部を水洗して不
溶部中に残存している水可溶性物質を除去して、アミノ
酸100個当たりシステイン残基を2〜20個有する動
物クチクル細胞由来の不溶性還元タンパク質を製造す
る。 【効果】 上記動物クチクル細胞由来の不溶性還元タン
パク質は活性なチオール基を有していて、酸化によりジ
スルフィド結合を生成して高分子化するので、上記不溶
性還元タンパク質を原料として、フィルム、シート、カ
プセル、スポンジ、筒などの高分子成形品を作製するこ
とができる。そして、それらの高分子成形品は生分解性
を有していて自然環境の保護に役立つ。
Description
の不溶性還元タンパク質、その製造方法および上記動物
クチクル細胞由来の不溶性還元タンパク質を原料として
作製されたフィルム、シート、カプセル、スポンジ、筒
などの高分子成形品に関する。
と内層に分けられる。外層はスケールと呼ばれる薄い板
状のクチクル細胞であり、内層はケラチンタンパク質を
主成分とするコルテックス細胞から成っている。
得られるケラチンペプチドやその誘導体は、既に毛髪化
粧料、繊維染色剤、織物改質剤などの配合剤として利用
されている。
占めるスケールはエキソクチクルとエンドクチクルを主
成分とするが、これらのクチクル細胞由来のタンパク質
はタンパク質分子間のイソペプチド結合やホスホアミ
ド結合によって架橋されている上に、アミノ酸として
ハーフシステインを多量に含んでいて(エキソクチクル
では全アミノ酸の20〜30モル%を占める)、タンパ
ク質分子間をジスルフィド結合(S−S)によって架橋
しているため、化学薬品に対して高い抵抗性を示し、か
つ、いかなる溶媒に対しても不溶である。
薬品に対して安定であるという特性は、ケラチンを包み
込んで保護する鞘(さや)としての機能を果たすには理
にかなっているが、クチクル細胞由来のタンパク質を産
業素材として利用しようとする試みを阻む原因となって
おり、これまでは廃棄するか、あるいは徹底的な加水分
解を施して水溶性のペプチド断片として利用するか、土
質改良剤などへの使用といった低価値の用途しか見出さ
れていないのが現状である。
で、動物クチクル細胞由来のタンパク質は、廃棄する
か、あるいは低価値の用途しか見出されておらず、高等
動物体毛中に10〜20重量%というかなりの量で存在
しているにもかかわらず、有効に利用されていなかっ
た。
由来のタンパク質を有効に利用できるようにすることを
目的とする。
達成するため鋭意研究を重ねた結果、クチクル細胞由来
のタンパク質を含有する人毛、獣毛、羽毛などの高等動
物体毛を水性媒体中、タンパク質変性剤の存在下で、還
元剤により還元した後、可溶部を除去し、得られた不溶
部を水洗して不溶部中に残存しているタンパク質変性剤
や還元剤などの水可溶性物質を除去するときは、アミノ
酸100個当たりシステイン残基を2〜20個有する不
溶性還元タンパク質(以下、「還元クチクルタンパク」
という)が得られることを見出し、本発明を完成するに
いたった。
胞由来のタンパク質を還元処理してジスルフィド結合
(S−S結合)をチオール基(SH基)へと変換したも
のであり、上記チオール基は反応性が高く、容易に酸化
されてジスルフィド結合を再成するので、上記還元クチ
クルタンパクを酸化して重合させ、フィルム、シート、
カプセル、スポンジ、筒などのタンパク質の高分子成形
品とすることができる。
て得られる高分子は、ポリエチレンなどの石油系ポリマ
ーとは異なり、生分解性に富んでいるので、上記のよう
な還元クチクルタンパクから得られるフィルム、シー
ト、カプセル、スポンジ、筒などの高分子成形品は土壌
中の微生物によって速やかに分解され、自然環境の保護
にも役立つという優れた特性を有している。
パクの製造方法、得られる還元クチクルタンパクの特
性、および得られた還元クチクルタンパクを原料として
作製される高分子成形品の特性などについて詳しく説明
する。
製造にあたって原料として使用する動物クチクル細胞由
来のタンパク質を含有する物質としては、たとえば人
毛、羊毛、馬毛、牛毛などの獣毛、鶏などの鳥類の羽毛
などの高等動物体毛が挙げられる。
記のようなクチクル細胞由来のタンパク質を含有する高
等動物体毛を水性媒体中、タンパク質変性剤の存在下
で、還元剤で還元する。
タンパク質を含有する高等動物体毛のジスルフィド結合
を還元してチオール基に変換する作用をするものであ
り、この還元剤としては、たとえば2−メルカプトエタ
ノール、チオグリコール酸、ジチオスレイトール、ジチ
オエリトリトールなどのメルカプト化合物;トリプロピ
ルホスフィン、トリブチルホスフィンなどの有機リン化
合物;亜硫酸水素ナトリウムなどの還元能力を持つ無機
化合物などが挙げられる。
毛10gに対して0.05〜0.5モルであり、還元反
応の効率と経済性を考慮すると、高等動物体毛10gに
対して0.05〜0.2モルが好ましい。
結合を切断する作用を有するもので、その具体例として
は、たとえば尿素、チオ尿素などが好適なものとして挙
げられる。このタンパク質変性剤の使用にあたっては、
タンパク質に対して溶解作用を持つ水酸化ナトリウム、
アンモニアなどのアルカリ、塩化亜鉛、ヨウ化ナトリウ
ム、臭化ナトリウムなどの無機塩を溶解助剤として用い
てもよい。
高等動物体毛の溶解性などを考慮して決定するのが適し
ているが、通常、高等動物体毛に対して3〜10mol
/l濃度のものを5〜40倍重量、好ましくは5〜8m
ol/l濃度のものを10〜30倍重量である。
と、還元速度が向上する。この界面活性剤としては、下
記のアニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、両性界
面活性剤、ノニオン界面活性剤のいずれも用いることが
できる。
デシル硫酸ナトリウムなどのアルキル硫酸塩、アルキル
硫酸エステル塩、脂肪酸アルコールリン酸エステル塩、
スルホコハク酸エステル塩などのアニオン界面活性剤が
挙げられる。
式で示されるカチオン界面活性剤などが挙げられる。 〔R1 ・R2 ・R3 ・R4 N〕+ X- 〔式中、R1 、R2 、R3 およびR4 の1個または2個
は直鎖もしくは分岐鎖を有する炭素数8〜20のアルキ
ル基またはヒドロキシアルキル基であり、残余は水素原
子、炭素数1〜3のアルキル基もしくはヒドロキシアル
キル基またはベンジル基である。Xはハロゲン原子、炭
素数1〜2個のアルキル硫酸基またはアルキルピリジニ
ウムハライドなどの芳香族四級アミン塩などである〕。
アミンのN−カルボキシメチル体、N−スルホアルキル
化体、イミダゾリンスルホン酸などのベタイン系の両性
界面活性剤(疎水基は主として炭素数12〜14のアル
キル基またはアシル基、対イオンはアルカリ金属などで
ある)などが挙げられる。
リオキシエチレンアルキルエーテル型、脂肪酸エステル
型、ポリエチレンイミン型、ポリグリセリンエーテル
型、ポリグリセリンエステル型などのノニオン界面活性
剤(疎水基は主として炭素数12〜14のアルキル基も
しくはアシル基である)などが挙げられる。
用量は高等動物体毛の5〜100重量%、特に5〜20
重量%が好ましい。
ニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、両性界面活性
剤、ノニオン界面活性剤のいずれも使用することができ
るが、なかでも水溶性に富むアニオン界面活性剤、たと
えばアルキル硫酸塩やポリオキシエチレンアルキルエー
テル硫酸塩などが特に好ましい。
のようにして行われる。すなわち、高等動物体毛をその
全量が浸るに充分な5〜40重量倍の3〜10M(mo
l/l)のタンパク質変性剤水溶液、たとえば尿素の場
合には、5〜8Mの尿素水溶液に浸漬し、還元剤または
還元剤と界面活性剤を加えてから容器を密栓し、室温〜
100℃で1〜24時間加熱攪拌する。その際の反応液
のpHは5〜9が好ましいが、pH12まで上げること
ができる。
照射すると、還元反応を促進することができ、還元工程
に要する時間を短縮することができる。超音波照射はプ
ローブ型、浴槽型などの公知の超音波照射装置を用いる
ことができる。超音波照射の強さは反応系の大きさによ
り異なるが、たとえば反応系の大きさが1リットル以下
のときは出力50〜200Wで充分である。
溶部と不溶部になる。そこで、上記の可溶部を遠心分離
または濾過により除去することによって不溶部を分離す
る。この不溶部は動物クチクル細胞由来の不溶性還元タ
ンパク質を含んでおり、可溶部は活性ケラチンと呼ばれ
る還元ケラチンを含んでいる。
溶性還元タンパク質を含んでいるが、タンパク質変性剤
や還元剤を含んだ水(界面活性剤を用いた場合には界面
活性剤も含んでいる)によって膨潤しているので、水洗
によって、上記不溶部中に残存しているタンパク質変性
剤や還元剤(場合によっては界面活性剤)などの水可溶
性物質を除去する必要がある。
ことができるが、チオール基の酸化が進行しないよう
に、脱酸素雰囲気下で行うのが好ましく、また、その水
洗に使用する水も、チオール基の酸化を防ぐため、たと
えば2−メルカプトメタノールなどの還元剤を0.01
〜0.3モル/リットル程度に含んだものを使用するこ
とが好ましい。
ンパクは、アミノ酸100個当たりシステイン〔−NH
−CH(CH2 SH)CO−〕残基を2〜20個有して
おり、そのチオール基(SH)基が空気中の酸素や酸化
剤により容易に酸化され、ジスルフィド結合(S−S結
合)を生成して重合し、高分子化する。
除去、不溶部の水洗工程を経て調製された還元クチクル
タンパクは、シース状であればそのまま一定の形状に重
ね合わせて乾燥すれば、乾燥雰囲気中の酸素により酸化
されて高分子化し、還元クチクルタンパク同士が互いに
接着して水に浸漬しても溶けることのない安定なフィル
ム、板、筒などの任意の形状の成形品にすることができ
る。
ジナイザーやミキサー(粉砕機)で処理すれば、0.0
1〜20mm長に細分化され流動性の粘稠な物質(固体
成分1〜10重量%程度)になるので、これを適当な
型、形状に流して乾燥して成形することもできる。
用までの保存は、還元および可溶部の除去を経て得られ
た不溶物の水洗後、脱水し容器内に保存するか、または
細分化し流動性物質として保存すればよい。
ルタンパクのチオール基(SH基)をヨードメトリーで
定量したところ、0.2〜2.0×10-3eq/g=5
00〜5000g/eqであり、分子量500〜500
0に1個のチオール基(SH基)、すなわち、アミノ酸
5〜50個に1個のチオール基、換言すれば、アミノ酸
100個あたり2〜20個のチオール基を有するシステ
インが含まれていることがわかった。そして、アミノ酸
分析によれば、システインを除けば、構成アミノ酸分布
は原料のクチクルにほぼ一致していた。
加熱乾燥(この加熱乾燥の場合は密な断面を有する製品
が得られる)を目的に応じて選ぶことができる。
分子体は、ポリエチレンなどの生分解性のない石油系ポ
リマーとは異なり、生分解性に富み、土壌中の微生物に
よって速やかに分解される。たとえば、実施例に示すク
チクルフィルム(厚さ0.03mm、横10mm、縦2
0mm)は25℃にて2〜4カ月間で分解して消失す
る。したがって、使用後、投棄されることがあっても土
壌中の微生物によって分解されて消失するので、自然環
境の保護に役立たせることができる。
るにあたって、成形品に柔軟性を持たせるために、グリ
セリン、プロピレングリコール、ポリエチレングリコー
ルなどの可塑剤を用いることができるし、さらに、上記
還元クチクルタンパクに還元ケラチン水溶液を混ぜて同
様に成形操作をすれば、還元クチクルタンパクは還元ケ
ラチンともジスルフィド結合(S−S結合)で架橋連結
し、還元クチクルタンパクとケラチンとの混合物からな
る高分子成形品にすることができる。
に説明する。ただし、本発明はそれらの実施例のみに限
定されるものではない。
g、2−メルカプトエタノール13ml、ドデシル硫酸
ナトリウム7gと水70mlを容器に入れて密栓し、6
0℃にて24時間振盪攪拌して還元を行った。
より除去した後、不溶部を0.03モル/リットルの2
−メルカプトエタノールを含んだ水で洗浄を繰り返し
た。水に膨潤した不溶部は、その凍結乾燥品の秤量結果
から、10g当たり固体成分を0.3g含むことが判明
した。
モデルSM M6)で室温にて2分間処理し、粘稠な半
透明な白色流動体を得た。
を含有するものであるが、その還元クチクルタンパクの
チオール基(SH基)をヨードメトリーで定量したとこ
ろ、1.30×10-3eq/g=769g/eqであ
り、分子量769に1個のチオール(SH基)が含まれ
ていた。
タンパクの組成は、アルギニン、リジン、アスパラギン
酸、グルタミン酸、システインが、それぞれ4.9モル
%、3.1モル%、5.0モル%、9.3モル%、1
1.5モル%であって、システインを除けば、構成アミ
ノ酸分布は原料のクチクルとほぼ一致していた。
片の合計で18g)に尿素110g、2−メルカプトエ
タノール25ml、ドデシル硫酸ナトリウム15gと水
140mlを加え容器を密栓し、60℃にて24時間振
盪攪拌して還元を行った。
除去した後、不溶部(布の形状を保っていた)を0.0
3モル/リットルの2−メルカプトエタノールを含む水
で繰り返し洗浄した。
クルタンパクは、その凍結乾燥品の秤量結果から、10
g当たり固体成分を0.4g含むことが判明した。
ル基をヨードメトリーで定量したところ、1.18×1
0-3eq/g=850g/eqであり、分子量850当
たり1個のチオール基(SH基)が含まれていることが
わかった。
タンパクの組成は、アルギニン、リジン、アスパラギン
酸、グルタミン酸、システインが、それぞれ4.7モル
%、3.3モル%、5.2モル%、8.8モル%、1
2.4モル%であり、システインを除けば、構成アミノ
酸分布は原料のクチクルとほぼ一致していた。
20mlに75%グリセリン水溶液0.6mlを加え、
水平な底面をもつ円形ガラス容器(内部の平面積:10
0cm2 )に流し込み、室温、大気中で乾燥した。その
後、90℃で15分間加熱処理した後、水中に入れて円
形ガラス容器から半透明フィルムを剥がした。
ム」という)の物性(厚さおよび重量)、強伸度ならび
に土壌による生分解性を調べた。物性および強伸度の測
定結果を表1に示す。また、生分解性の試験結果を図1
に示す。なお、強伸度の測定条件および生分解性の試験
方法を次の通りである。
正方形状フィルム 気象条件:平成5年1月から4月までの河内長野市北青
葉台27−19、発明者宅屋外 試験方法:上記場所の庭で採取した土壌を20メッシュ
のふるいにかけ、それを直径20cm、深さ15cmで
底部に直径1.5cmの穴があいた植木鉢に入れ、その
植木鉢を地面に埋め、上面より3cmの位置の深さに上
記フィルムの試験片10片を埋めて、経時的に取り出
し、重量減少より分解率を求める。
ルフィルムは、強度が139kg/cm2 で、ヤング率
が820kg/cm2 であり、実用上充分な機械的強度
を有していた。
クルフィルムは、20週間経過後に分解率が約20%に
達し、生分解性ポリマーとして充分な機能を有してい
た。
m)で湿潤状態の還元クチクルタンパクをガラス製円筒
(円周:6.3cm)に巻き、室温にて空気中で風乾
し、さらに90℃にて15分間加熱処理した。
を抜き出すことにより、還元クチクルタンパクの高分子
体からなる継目のない円筒状の成形品を得た。この成形
品は水中に入れて煮沸しても、ほぐれることなく円筒状
を保っていて、優れた耐熱性および耐水性を有してい
た。
mlに濃度2重量%の還元ケラチン水溶液10mlと7
5%グリセリン水溶液を加え、よく混合してから、水平
なポリエチレン板上に面積28cm2 にて展開した。
間加熱処理し、冷やしてから水中に入れると、フィルム
がポリエチレン板上から剥離してきた。
ンフィルム」という)の物性(厚さおよび重量)、強伸
度ならびに土壌による生分解性を調べた。物性および強
伸度の測定結果を表2に示す。
なお、強伸度の測定条件および生分解性の試験方法は前
記実施例3の場合と同様である。ただし、生分解性の試
験において、試験片の厚さは0.35mmにした。
ル/ケラチンフィルムも、強度が83kg/cm2 で、
ヤング率が681kg/cm2 であり、ポリ塩化ビニル
(ただし、可塑剤入り)や低密度ポリエチレン並の機械
的強度を有していた。
クル/ケラチンフィルムは、20週間経過後には分解率
が約30%に達し、生分解性ポリマーとして充分な機能
を有していた。
高等動物体毛を水性媒体中、タンパク質変性剤の存在下
で、還元剤により還元した後、可溶部を除去し、得られ
た不溶部を水洗して不溶部中に残存しているタンパク質
変性剤や還元剤などの水可溶性物質を除去することによ
って、アミノ酸100個当たりシステイン残基を2〜2
0個有する動物クチクル由来の不溶性還元タンパク質
(つまり、還元クチクルタンパク)を得ることができ
る。
ール基(SH基)を有しており、空気中の酸素や酸化剤
により酸化されてジスルフィド結合(S−S結合)を生
成して、高分子化するので、それを利用して、タンパク
質のフィルム、シート、カプセル、スポンジ、筒などの
高分子成形品を作製することができる。
生分解性を有しているので、上記還元クチクルタンパク
を原料として作製された高分子成形品は、投棄された場
合、微生物によって分解するので、自然環境の保護に役
立つ。
図である。
図である。
Claims (3)
- 【請求項1】 人毛、獣毛、羽毛などの高等動物体毛の
クチクル細胞由来のタンパク質を還元して得られるアミ
ノ酸100個当たりシステイン残基を2〜20個有する
ことを特徴とする、動物クチクル細胞由来の不溶性還元
タンパク質。 - 【請求項2】 人毛、獣毛、羽毛などの高等動物体毛を
水性媒体中、タンパク質変性剤の存在下で、還元剤によ
り還元した後、可溶部を除去し、得られた不溶部を水洗
して不溶部中に残存しているタンパク質変性剤や還元剤
などの水可溶性物質を除去することを特徴とする請求項
1記載の動物クチクル細胞由来の不溶性還元タンパク質
の製造方法。 - 【請求項3】 請求項1の動物クチクル細胞由来の不溶
性還元タンパク質を原料として作製されたフィルム、シ
ート、カプセル、スポンジ、筒などの高分子成形品。
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