JPH06336499A - 動物クチクル細胞由来の不溶性還元タンパク質、その製造方法および上記動物クチクル細胞由来の不溶性還元タンパク質を原料として作製された高分子成形品 - Google Patents

動物クチクル細胞由来の不溶性還元タンパク質、その製造方法および上記動物クチクル細胞由来の不溶性還元タンパク質を原料として作製された高分子成形品

Info

Publication number
JPH06336499A
JPH06336499A JP14696493A JP14696493A JPH06336499A JP H06336499 A JPH06336499 A JP H06336499A JP 14696493 A JP14696493 A JP 14696493A JP 14696493 A JP14696493 A JP 14696493A JP H06336499 A JPH06336499 A JP H06336499A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
animal
protein
insoluble
hair
protein derived
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP14696493A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3518691B2 (ja
Inventor
Kiyoshi Yamauchi
清 山内
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Seiwa Kasei Co Ltd
Original Assignee
Seiwa Kasei Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Seiwa Kasei Co Ltd filed Critical Seiwa Kasei Co Ltd
Priority to JP14696493A priority Critical patent/JP3518691B2/ja
Publication of JPH06336499A publication Critical patent/JPH06336499A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3518691B2 publication Critical patent/JP3518691B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Manufacture Of Macromolecular Shaped Articles (AREA)
  • Peptides Or Proteins (AREA)
  • Biological Depolymerization Polymers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 人毛、獣毛、羽毛などの高等動物体毛のクチ
クル細胞由来のタンパク質を有効に利用できるようにす
る。 【構成】 人毛、獣毛、羽毛などの高等動物体毛を水性
媒体中、タンパク質変性剤の存在下、還元剤により還元
した後、可溶部を除去し、得られた不溶部を水洗して不
溶部中に残存している水可溶性物質を除去して、アミノ
酸100個当たりシステイン残基を2〜20個有する動
物クチクル細胞由来の不溶性還元タンパク質を製造す
る。 【効果】 上記動物クチクル細胞由来の不溶性還元タン
パク質は活性なチオール基を有していて、酸化によりジ
スルフィド結合を生成して高分子化するので、上記不溶
性還元タンパク質を原料として、フィルム、シート、カ
プセル、スポンジ、筒などの高分子成形品を作製するこ
とができる。そして、それらの高分子成形品は生分解性
を有していて自然環境の保護に役立つ。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、動物クチクル細胞由来
の不溶性還元タンパク質、その製造方法および上記動物
クチクル細胞由来の不溶性還元タンパク質を原料として
作製されたフィルム、シート、カプセル、スポンジ、筒
などの高分子成形品に関する。
【0002】
【従来の技術】人毛、羊毛などの高等動物の体毛は外層
と内層に分けられる。外層はスケールと呼ばれる薄い板
状のクチクル細胞であり、内層はケラチンタンパク質を
主成分とするコルテックス細胞から成っている。
【0003】上記のような高等動物体毛を還元抽出して
得られるケラチンペプチドやその誘導体は、既に毛髪化
粧料、繊維染色剤、織物改質剤などの配合剤として利用
されている。
【0004】一方、高等動物体毛の10〜20重量%を
占めるスケールはエキソクチクルとエンドクチクルを主
成分とするが、これらのクチクル細胞由来のタンパク質
はタンパク質分子間のイソペプチド結合やホスホアミ
ド結合によって架橋されている上に、アミノ酸として
ハーフシステインを多量に含んでいて(エキソクチクル
では全アミノ酸の20〜30モル%を占める)、タンパ
ク質分子間をジスルフィド結合(S−S)によって架橋
しているため、化学薬品に対して高い抵抗性を示し、か
つ、いかなる溶媒に対しても不溶である。
【0005】このような溶媒に対して不溶で、かつ化学
薬品に対して安定であるという特性は、ケラチンを包み
込んで保護する鞘(さや)としての機能を果たすには理
にかなっているが、クチクル細胞由来のタンパク質を産
業素材として利用しようとする試みを阻む原因となって
おり、これまでは廃棄するか、あるいは徹底的な加水分
解を施して水溶性のペプチド断片として利用するか、土
質改良剤などへの使用といった低価値の用途しか見出さ
れていないのが現状である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記のように、これま
で、動物クチクル細胞由来のタンパク質は、廃棄する
か、あるいは低価値の用途しか見出されておらず、高等
動物体毛中に10〜20重量%というかなりの量で存在
しているにもかかわらず、有効に利用されていなかっ
た。
【0007】したがって、本発明は、動物クチクル細胞
由来のタンパク質を有効に利用できるようにすることを
目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記目的を
達成するため鋭意研究を重ねた結果、クチクル細胞由来
のタンパク質を含有する人毛、獣毛、羽毛などの高等動
物体毛を水性媒体中、タンパク質変性剤の存在下で、還
元剤により還元した後、可溶部を除去し、得られた不溶
部を水洗して不溶部中に残存しているタンパク質変性剤
や還元剤などの水可溶性物質を除去するときは、アミノ
酸100個当たりシステイン残基を2〜20個有する不
溶性還元タンパク質(以下、「還元クチクルタンパク」
という)が得られることを見出し、本発明を完成するに
いたった。
【0009】上記還元クチクルタンパクは、クチクル細
胞由来のタンパク質を還元処理してジスルフィド結合
(S−S結合)をチオール基(SH基)へと変換したも
のであり、上記チオール基は反応性が高く、容易に酸化
されてジスルフィド結合を再成するので、上記還元クチ
クルタンパクを酸化して重合させ、フィルム、シート、
カプセル、スポンジ、筒などのタンパク質の高分子成形
品とすることができる。
【0010】上記還元クチクルタンパクを酸化重合させ
て得られる高分子は、ポリエチレンなどの石油系ポリマ
ーとは異なり、生分解性に富んでいるので、上記のよう
な還元クチクルタンパクから得られるフィルム、シー
ト、カプセル、スポンジ、筒などの高分子成形品は土壌
中の微生物によって速やかに分解され、自然環境の保護
にも役立つという優れた特性を有している。
【0011】つぎに、本発明における還元クチクルタン
パクの製造方法、得られる還元クチクルタンパクの特
性、および得られた還元クチクルタンパクを原料として
作製される高分子成形品の特性などについて詳しく説明
する。
【0012】本発明において、還元クチクルタンパクの
製造にあたって原料として使用する動物クチクル細胞由
来のタンパク質を含有する物質としては、たとえば人
毛、羊毛、馬毛、牛毛などの獣毛、鶏などの鳥類の羽毛
などの高等動物体毛が挙げられる。
【0013】還元クチクルタンパクの製造は、まず、上
記のようなクチクル細胞由来のタンパク質を含有する高
等動物体毛を水性媒体中、タンパク質変性剤の存在下
で、還元剤で還元する。
【0014】上記の還元剤は、動物クチクル細胞由来の
タンパク質を含有する高等動物体毛のジスルフィド結合
を還元してチオール基に変換する作用をするものであ
り、この還元剤としては、たとえば2−メルカプトエタ
ノール、チオグリコール酸、ジチオスレイトール、ジチ
オエリトリトールなどのメルカプト化合物;トリプロピ
ルホスフィン、トリブチルホスフィンなどの有機リン化
合物;亜硫酸水素ナトリウムなどの還元能力を持つ無機
化合物などが挙げられる。
【0015】この還元剤の使用量は、通常、高等動物体
毛10gに対して0.05〜0.5モルであり、還元反
応の効率と経済性を考慮すると、高等動物体毛10gに
対して0.05〜0.2モルが好ましい。
【0016】タンパク質変性剤は、タンパク質中の水素
結合を切断する作用を有するもので、その具体例として
は、たとえば尿素、チオ尿素などが好適なものとして挙
げられる。このタンパク質変性剤の使用にあたっては、
タンパク質に対して溶解作用を持つ水酸化ナトリウム、
アンモニアなどのアルカリ、塩化亜鉛、ヨウ化ナトリウ
ム、臭化ナトリウムなどの無機塩を溶解助剤として用い
てもよい。
【0017】このタンパク質変性剤の濃度と使用量は、
高等動物体毛の溶解性などを考慮して決定するのが適し
ているが、通常、高等動物体毛に対して3〜10mol
/l濃度のものを5〜40倍重量、好ましくは5〜8m
ol/l濃度のものを10〜30倍重量である。
【0018】上記還元の際、界面活性剤を添加しておく
と、還元速度が向上する。この界面活性剤としては、下
記のアニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、両性界
面活性剤、ノニオン界面活性剤のいずれも用いることが
できる。
【0019】アニオン界面活性剤としては、たとえばド
デシル硫酸ナトリウムなどのアルキル硫酸塩、アルキル
硫酸エステル塩、脂肪酸アルコールリン酸エステル塩、
スルホコハク酸エステル塩などのアニオン界面活性剤が
挙げられる。
【0020】カチオン界面活性剤としては、たとえば次
式で示されるカチオン界面活性剤などが挙げられる。 〔R1 ・R2 ・R3 ・R4 N〕+ - 〔式中、R1 、R2 、R3 およびR4 の1個または2個
は直鎖もしくは分岐鎖を有する炭素数8〜20のアルキ
ル基またはヒドロキシアルキル基であり、残余は水素原
子、炭素数1〜3のアルキル基もしくはヒドロキシアル
キル基またはベンジル基である。Xはハロゲン原子、炭
素数1〜2個のアルキル硫酸基またはアルキルピリジニ
ウムハライドなどの芳香族四級アミン塩などである〕。
【0021】両性界面活性剤としては、たとえば脂肪族
アミンのN−カルボキシメチル体、N−スルホアルキル
化体、イミダゾリンスルホン酸などのベタイン系の両性
界面活性剤(疎水基は主として炭素数12〜14のアル
キル基またはアシル基、対イオンはアルカリ金属などで
ある)などが挙げられる。
【0022】ノニオン界面活性剤としては、たとえばポ
リオキシエチレンアルキルエーテル型、脂肪酸エステル
型、ポリエチレンイミン型、ポリグリセリンエーテル
型、ポリグリセリンエステル型などのノニオン界面活性
剤(疎水基は主として炭素数12〜14のアルキル基も
しくはアシル基である)などが挙げられる。
【0023】そして、この界面活性剤の還元工程での使
用量は高等動物体毛の5〜100重量%、特に5〜20
重量%が好ましい。
【0024】界面活性剤としては、前記したように、ア
ニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、両性界面活性
剤、ノニオン界面活性剤のいずれも使用することができ
るが、なかでも水溶性に富むアニオン界面活性剤、たと
えばアルキル硫酸塩やポリオキシエチレンアルキルエー
テル硫酸塩などが特に好ましい。
【0025】上記還元工程の具体的操作は、たとえば次
のようにして行われる。すなわち、高等動物体毛をその
全量が浸るに充分な5〜40重量倍の3〜10M(mo
l/l)のタンパク質変性剤水溶液、たとえば尿素の場
合には、5〜8Mの尿素水溶液に浸漬し、還元剤または
還元剤と界面活性剤を加えてから容器を密栓し、室温〜
100℃で1〜24時間加熱攪拌する。その際の反応液
のpHは5〜9が好ましいが、pH12まで上げること
ができる。
【0026】上記還元工程において、反応系に超音波を
照射すると、還元反応を促進することができ、還元工程
に要する時間を短縮することができる。超音波照射はプ
ローブ型、浴槽型などの公知の超音波照射装置を用いる
ことができる。超音波照射の強さは反応系の大きさによ
り異なるが、たとえば反応系の大きさが1リットル以下
のときは出力50〜200Wで充分である。
【0027】上記還元により、反応物は媒体に対して可
溶部と不溶部になる。そこで、上記の可溶部を遠心分離
または濾過により除去することによって不溶部を分離す
る。この不溶部は動物クチクル細胞由来の不溶性還元タ
ンパク質を含んでおり、可溶部は活性ケラチンと呼ばれ
る還元ケラチンを含んでいる。
【0028】上記不溶部は、動物クチクル細胞由来の不
溶性還元タンパク質を含んでいるが、タンパク質変性剤
や還元剤を含んだ水(界面活性剤を用いた場合には界面
活性剤も含んでいる)によって膨潤しているので、水洗
によって、上記不溶部中に残存しているタンパク質変性
剤や還元剤(場合によっては界面活性剤)などの水可溶
性物質を除去する必要がある。
【0029】上記水洗工程は遠心や圧縮濾過などで行う
ことができるが、チオール基の酸化が進行しないよう
に、脱酸素雰囲気下で行うのが好ましく、また、その水
洗に使用する水も、チオール基の酸化を防ぐため、たと
えば2−メルカプトメタノールなどの還元剤を0.01
〜0.3モル/リットル程度に含んだものを使用するこ
とが好ましい。
【0030】上記のようにして得られる還元クチクルタ
ンパクは、アミノ酸100個当たりシステイン〔−NH
−CH(CH2 SH)CO−〕残基を2〜20個有して
おり、そのチオール基(SH)基が空気中の酸素や酸化
剤により容易に酸化され、ジスルフィド結合(S−S結
合)を生成して重合し、高分子化する。
【0031】したがって、上記のような還元、可溶部の
除去、不溶部の水洗工程を経て調製された還元クチクル
タンパクは、シース状であればそのまま一定の形状に重
ね合わせて乾燥すれば、乾燥雰囲気中の酸素により酸化
されて高分子化し、還元クチクルタンパク同士が互いに
接着して水に浸漬しても溶けることのない安定なフィル
ム、板、筒などの任意の形状の成形品にすることができ
る。
【0032】また、上記還元クチクルタンパクは、ホモ
ジナイザーやミキサー(粉砕機)で処理すれば、0.0
1〜20mm長に細分化され流動性の粘稠な物質(固体
成分1〜10重量%程度)になるので、これを適当な
型、形状に流して乾燥して成形することもできる。
【0033】なお、得られた還元クチクルタンパクの使
用までの保存は、還元および可溶部の除去を経て得られ
た不溶物の水洗後、脱水し容器内に保存するか、または
細分化し流動性物質として保存すればよい。
【0034】また、本発明によって得られた還元クチク
ルタンパクのチオール基(SH基)をヨードメトリーで
定量したところ、0.2〜2.0×10-3eq/g=5
00〜5000g/eqであり、分子量500〜500
0に1個のチオール基(SH基)、すなわち、アミノ酸
5〜50個に1個のチオール基、換言すれば、アミノ酸
100個あたり2〜20個のチオール基を有するシステ
インが含まれていることがわかった。そして、アミノ酸
分析によれば、システインを除けば、構成アミノ酸分布
は原料のクチクルにほぼ一致していた。
【0035】上記乾燥に際しては自然乾燥、凍結乾燥や
加熱乾燥(この加熱乾燥の場合は密な断面を有する製品
が得られる)を目的に応じて選ぶことができる。
【0036】そして、上記の還元クチクルタンパクの高
分子体は、ポリエチレンなどの生分解性のない石油系ポ
リマーとは異なり、生分解性に富み、土壌中の微生物に
よって速やかに分解される。たとえば、実施例に示すク
チクルフィルム(厚さ0.03mm、横10mm、縦2
0mm)は25℃にて2〜4カ月間で分解して消失す
る。したがって、使用後、投棄されることがあっても土
壌中の微生物によって分解されて消失するので、自然環
境の保護に役立たせることができる。
【0037】また、上記還元クチクルタンパクを成形す
るにあたって、成形品に柔軟性を持たせるために、グリ
セリン、プロピレングリコール、ポリエチレングリコー
ルなどの可塑剤を用いることができるし、さらに、上記
還元クチクルタンパクに還元ケラチン水溶液を混ぜて同
様に成形操作をすれば、還元クチクルタンパクは還元ケ
ラチンともジスルフィド結合(S−S結合)で架橋連結
し、還元クチクルタンパクとケラチンとの混合物からな
る高分子成形品にすることができる。
【0038】
【実施例】つぎに、実施例をあげて本発明をより具体的
に説明する。ただし、本発明はそれらの実施例のみに限
定されるものではない。
【0039】実施例1 羊毛(Collidale種より採取)9g、尿素55
g、2−メルカプトエタノール13ml、ドデシル硫酸
ナトリウム7gと水70mlを容器に入れて密栓し、6
0℃にて24時間振盪攪拌して還元を行った。
【0040】反応物を室温に冷してから可溶部を濾過に
より除去した後、不溶部を0.03モル/リットルの2
−メルカプトエタノールを含んだ水で洗浄を繰り返し
た。水に膨潤した不溶部は、その凍結乾燥品の秤量結果
から、10g当たり固体成分を0.3g含むことが判明
した。
【0041】つぎに、ホモジナイザー(サンヨー社製、
モデルSM M6)で室温にて2分間処理し、粘稠な半
透明な白色流動体を得た。
【0042】上記の白色流動体は還元クチクルタンパク
を含有するものであるが、その還元クチクルタンパクの
チオール基(SH基)をヨードメトリーで定量したとこ
ろ、1.30×10-3eq/g=769g/eqであ
り、分子量769に1個のチオール(SH基)が含まれ
ていた。
【0043】アミノ酸分析によれば、上記還元クチクル
タンパクの組成は、アルギニン、リジン、アスパラギン
酸、グルタミン酸、システインが、それぞれ4.9モル
%、3.1モル%、5.0モル%、9.3モル%、1
1.5モル%であって、システインを除けば、構成アミ
ノ酸分布は原料のクチクルとほぼ一致していた。
【0044】実施例2 20cm×25cmの長方形状の羊毛布4片(重量は4
片の合計で18g)に尿素110g、2−メルカプトエ
タノール25ml、ドデシル硫酸ナトリウム15gと水
140mlを加え容器を密栓し、60℃にて24時間振
盪攪拌して還元を行った。
【0045】反応物を室温に戻して可溶部を濾過により
除去した後、不溶部(布の形状を保っていた)を0.0
3モル/リットルの2−メルカプトエタノールを含む水
で繰り返し洗浄した。
【0046】洗浄されたシート状で膨潤状態の還元クチ
クルタンパクは、その凍結乾燥品の秤量結果から、10
g当たり固体成分を0.4g含むことが判明した。
【0047】また、この還元クチクルタンパクのチオー
ル基をヨードメトリーで定量したところ、1.18×1
-3eq/g=850g/eqであり、分子量850当
たり1個のチオール基(SH基)が含まれていることが
わかった。
【0048】アミノ酸分析によれば、この還元クチクル
タンパクの組成は、アルギニン、リジン、アスパラギン
酸、グルタミン酸、システインが、それぞれ4.7モル
%、3.3モル%、5.2モル%、8.8モル%、1
2.4モル%であり、システインを除けば、構成アミノ
酸分布は原料のクチクルとほぼ一致していた。
【0049】実施例3 実施例1で得られた還元クチクルタンパクの白色流動体
20mlに75%グリセリン水溶液0.6mlを加え、
水平な底面をもつ円形ガラス容器(内部の平面積:10
0cm2 )に流し込み、室温、大気中で乾燥した。その
後、90℃で15分間加熱処理した後、水中に入れて円
形ガラス容器から半透明フィルムを剥がした。
【0050】このフィルム(以下、「クチクルフィル
ム」という)の物性(厚さおよび重量)、強伸度ならび
に土壌による生分解性を調べた。物性および強伸度の測
定結果を表1に示す。また、生分解性の試験結果を図1
に示す。なお、強伸度の測定条件および生分解性の試験
方法を次の通りである。
【0051】強伸度の測定条件: 相対湿度:65% 試験片:2mm×30mm 引張速度:20cm/分
【0052】生分解性の試験方法: 試験片:厚さ0.5mmで平面形状が2cm×2cmの
正方形状フィルム 気象条件:平成5年1月から4月までの河内長野市北青
葉台27−19、発明者宅屋外 試験方法:上記場所の庭で採取した土壌を20メッシュ
のふるいにかけ、それを直径20cm、深さ15cmで
底部に直径1.5cmの穴があいた植木鉢に入れ、その
植木鉢を地面に埋め、上面より3cmの位置の深さに上
記フィルムの試験片10片を埋めて、経時的に取り出
し、重量減少より分解率を求める。
【0053】
【表1】
【0054】表1に示すように、この実施例3のクチク
ルフィルムは、強度が139kg/cm2 で、ヤング率
が820kg/cm2 であり、実用上充分な機械的強度
を有していた。
【0055】また、図1に示すように、実施例3のクチ
クルフィルムは、20週間経過後に分解率が約20%に
達し、生分解性ポリマーとして充分な機能を有してい
た。
【0056】実施例4 実施例2で調製された布状(サイズ約23cm×30c
m)で湿潤状態の還元クチクルタンパクをガラス製円筒
(円周:6.3cm)に巻き、室温にて空気中で風乾
し、さらに90℃にて15分間加熱処理した。
【0057】冷却後、水中に入れて芯部のガラス製円管
を抜き出すことにより、還元クチクルタンパクの高分子
体からなる継目のない円筒状の成形品を得た。この成形
品は水中に入れて煮沸しても、ほぐれることなく円筒状
を保っていて、優れた耐熱性および耐水性を有してい
た。
【0058】実施例5 実施例1で得られた還元クチクルタンパクの流動体10
mlに濃度2重量%の還元ケラチン水溶液10mlと7
5%グリセリン水溶液を加え、よく混合してから、水平
なポリエチレン板上に面積28cm2 にて展開した。
【0059】室温、大気中にて乾燥後、90℃で15分
間加熱処理し、冷やしてから水中に入れると、フィルム
がポリエチレン板上から剥離してきた。
【0060】このフィルム(以下、「クチクル/ケラチ
ンフィルム」という)の物性(厚さおよび重量)、強伸
度ならびに土壌による生分解性を調べた。物性および強
伸度の測定結果を表2に示す。
【0061】また、生分解性の試験結果を図2に示す。
なお、強伸度の測定条件および生分解性の試験方法は前
記実施例3の場合と同様である。ただし、生分解性の試
験において、試験片の厚さは0.35mmにした。
【0062】
【表2】
【0063】表2に示すように、この実施例5のクチク
ル/ケラチンフィルムも、強度が83kg/cm2 で、
ヤング率が681kg/cm2 であり、ポリ塩化ビニル
(ただし、可塑剤入り)や低密度ポリエチレン並の機械
的強度を有していた。
【0064】また、図2に示すように、実施例5のクチ
クル/ケラチンフィルムは、20週間経過後には分解率
が約30%に達し、生分解性ポリマーとして充分な機能
を有していた。
【0065】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
高等動物体毛を水性媒体中、タンパク質変性剤の存在下
で、還元剤により還元した後、可溶部を除去し、得られ
た不溶部を水洗して不溶部中に残存しているタンパク質
変性剤や還元剤などの水可溶性物質を除去することによ
って、アミノ酸100個当たりシステイン残基を2〜2
0個有する動物クチクル由来の不溶性還元タンパク質
(つまり、還元クチクルタンパク)を得ることができ
る。
【0066】上記還元クチクルタンパクは、活性なチオ
ール基(SH基)を有しており、空気中の酸素や酸化剤
により酸化されてジスルフィド結合(S−S結合)を生
成して、高分子化するので、それを利用して、タンパク
質のフィルム、シート、カプセル、スポンジ、筒などの
高分子成形品を作製することができる。
【0067】上記還元クチクルタンパクの高分子体は、
生分解性を有しているので、上記還元クチクルタンパク
を原料として作製された高分子成形品は、投棄された場
合、微生物によって分解するので、自然環境の保護に役
立つ。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例3で得られたフィルムの生分解性を示す
図である。
【図2】実施例5で得られたフィルムの生分解性を示す
図である。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 人毛、獣毛、羽毛などの高等動物体毛の
    クチクル細胞由来のタンパク質を還元して得られるアミ
    ノ酸100個当たりシステイン残基を2〜20個有する
    ことを特徴とする、動物クチクル細胞由来の不溶性還元
    タンパク質。
  2. 【請求項2】 人毛、獣毛、羽毛などの高等動物体毛を
    水性媒体中、タンパク質変性剤の存在下で、還元剤によ
    り還元した後、可溶部を除去し、得られた不溶部を水洗
    して不溶部中に残存しているタンパク質変性剤や還元剤
    などの水可溶性物質を除去することを特徴とする請求項
    1記載の動物クチクル細胞由来の不溶性還元タンパク質
    の製造方法。
  3. 【請求項3】 請求項1の動物クチクル細胞由来の不溶
    性還元タンパク質を原料として作製されたフィルム、シ
    ート、カプセル、スポンジ、筒などの高分子成形品。
JP14696493A 1993-05-25 1993-05-25 動物クチクル細胞由来の不溶性還元タンパク質、その製造方法および上記動物クチクル細胞由来の不溶性還元タンパク質を原料として作製された高分子成形品 Expired - Fee Related JP3518691B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP14696493A JP3518691B2 (ja) 1993-05-25 1993-05-25 動物クチクル細胞由来の不溶性還元タンパク質、その製造方法および上記動物クチクル細胞由来の不溶性還元タンパク質を原料として作製された高分子成形品

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP14696493A JP3518691B2 (ja) 1993-05-25 1993-05-25 動物クチクル細胞由来の不溶性還元タンパク質、その製造方法および上記動物クチクル細胞由来の不溶性還元タンパク質を原料として作製された高分子成形品

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH06336499A true JPH06336499A (ja) 1994-12-06
JP3518691B2 JP3518691B2 (ja) 2004-04-12

Family

ID=15419570

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP14696493A Expired - Fee Related JP3518691B2 (ja) 1993-05-25 1993-05-25 動物クチクル細胞由来の不溶性還元タンパク質、その製造方法および上記動物クチクル細胞由来の不溶性還元タンパク質を原料として作製された高分子成形品

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3518691B2 (ja)

Cited By (19)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6124265A (en) * 1997-11-26 2000-09-26 Keraplast Technologies, Ltd. Method of making and cross-linking keratin-based films and sheets
US6165496A (en) * 1997-11-26 2000-12-26 Keraplast Technologies, Ltd. Keratin-based sheet material for biomedical applications and method of production
US6270793B1 (en) 1999-09-13 2001-08-07 Keraplast Technologies, Ltd. Absorbent keratin wound dressing
US6274155B1 (en) 1999-09-13 2001-08-14 Keraplast Technologies, Ltd. Nonwoven sheet and film containing water absorbent keratin
US6461628B1 (en) 1999-09-13 2002-10-08 Keraplast Technologies, Ltd. Non-woven keratin cell scaffold
US6544548B1 (en) 1999-09-13 2003-04-08 Keraplast Technologies, Ltd. Keratin-based powders and hydrogel for pharmaceutical applications
WO2007023816A1 (ja) 2005-08-23 2007-03-01 Seiwa Kasei Company, Limited 還元型ケラチン、還元型キュティクルタンパク及びこれらの混合物の製造法
JP2008222570A (ja) * 2007-03-08 2008-09-25 Osaka Prefecture Univ アミノ酸または有機酸の製造方法
US8258093B2 (en) 2006-02-17 2012-09-04 Wake Forest University Health Sciences Wound healing compositions containing keratin biomaterials
US8299013B2 (en) 2006-02-17 2012-10-30 Wake Forest University Health Sciences Clotting and healing compositions containing keratin biomaterials
US8324346B2 (en) 2002-01-28 2012-12-04 Keraplast Technologies, Ltd. Bioactive keratin peptides
WO2013033614A1 (en) * 2011-09-01 2013-03-07 Aspen Research Corporation Methods and systems to prepare functionalized substrate from disulfide bond-containing material
US8545893B2 (en) 2010-03-08 2013-10-01 Wake Forest University Health Sciences Keratin biomaterials for treatment of ischemia
US8637231B2 (en) 2004-08-17 2014-01-28 Wake Forest University Health Sciences Method for increasing the volume of a blood substitute with an expander comprising basic alpha keratose
US8920827B2 (en) 2005-10-21 2014-12-30 Wake Forest University Health Sciences Keratin bioceramic compositions
US8968764B2 (en) 2006-02-10 2015-03-03 Wake Forest University Health Sciences Nerve regeneration employing keratin biomaterials
US9068162B2 (en) 2007-08-17 2015-06-30 Wake Forest University Health Sciences Keratin biomaterials for cell culture and methods of use
US9220754B2 (en) 2010-11-17 2015-12-29 Wake Forest University Health Sciences Keratin compositions for treatment of bone deficiency or injury
US10434213B2 (en) 2010-03-05 2019-10-08 Wake Forest University Health Sciences Controlled delivery system

Cited By (31)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6432435B1 (en) 1997-11-26 2002-08-13 Keraplast Technologies, Ltd. Keratin-based tissue engineering scaffold
US6159495A (en) * 1997-11-26 2000-12-12 Keraplast Technologies, Ltd. Porous and bulk keratin bio-polymers
US6165496A (en) * 1997-11-26 2000-12-26 Keraplast Technologies, Ltd. Keratin-based sheet material for biomedical applications and method of production
US6124265A (en) * 1997-11-26 2000-09-26 Keraplast Technologies, Ltd. Method of making and cross-linking keratin-based films and sheets
US6544548B1 (en) 1999-09-13 2003-04-08 Keraplast Technologies, Ltd. Keratin-based powders and hydrogel for pharmaceutical applications
US6316598B1 (en) 1999-09-13 2001-11-13 Keraplast Technologies, Ltd. Water absorbent keratin and gel formed therefrom
US6274155B1 (en) 1999-09-13 2001-08-14 Keraplast Technologies, Ltd. Nonwoven sheet and film containing water absorbent keratin
US6461628B1 (en) 1999-09-13 2002-10-08 Keraplast Technologies, Ltd. Non-woven keratin cell scaffold
US6270793B1 (en) 1999-09-13 2001-08-07 Keraplast Technologies, Ltd. Absorbent keratin wound dressing
US8324346B2 (en) 2002-01-28 2012-12-04 Keraplast Technologies, Ltd. Bioactive keratin peptides
US8637231B2 (en) 2004-08-17 2014-01-28 Wake Forest University Health Sciences Method for increasing the volume of a blood substitute with an expander comprising basic alpha keratose
WO2007023816A1 (ja) 2005-08-23 2007-03-01 Seiwa Kasei Company, Limited 還元型ケラチン、還元型キュティクルタンパク及びこれらの混合物の製造法
JPWO2007023816A1 (ja) * 2005-08-23 2009-02-26 株式会社成和化成 還元型ケラチン、還元型キュティクルタンパク及びこれらの混合物の製造法
US11173233B2 (en) 2005-10-21 2021-11-16 Wake Forest University Health Sciences Keratin bioceramic compositions
US8920827B2 (en) 2005-10-21 2014-12-30 Wake Forest University Health Sciences Keratin bioceramic compositions
US9968706B2 (en) 2006-02-10 2018-05-15 Wake Forest University Health Sciences Nerve regeneration employing keratin biomaterials
US8968764B2 (en) 2006-02-10 2015-03-03 Wake Forest University Health Sciences Nerve regeneration employing keratin biomaterials
US8299013B2 (en) 2006-02-17 2012-10-30 Wake Forest University Health Sciences Clotting and healing compositions containing keratin biomaterials
US9149566B2 (en) 2006-02-17 2015-10-06 Wake Forest University Health Sciences Coatings and biomedical implants formed from keratin biomaterials
US8273702B2 (en) 2006-02-17 2012-09-25 Wake Forest University Health Sciences Wound healing compositions containing keratin biomaterials
US10821211B2 (en) 2006-02-17 2020-11-03 Wake Forest University Health Sciences Coatings and biomedical implants formed from keratin biomaterials
US8258093B2 (en) 2006-02-17 2012-09-04 Wake Forest University Health Sciences Wound healing compositions containing keratin biomaterials
JP2008222570A (ja) * 2007-03-08 2008-09-25 Osaka Prefecture Univ アミノ酸または有機酸の製造方法
US9068162B2 (en) 2007-08-17 2015-06-30 Wake Forest University Health Sciences Keratin biomaterials for cell culture and methods of use
US10434213B2 (en) 2010-03-05 2019-10-08 Wake Forest University Health Sciences Controlled delivery system
US8545893B2 (en) 2010-03-08 2013-10-01 Wake Forest University Health Sciences Keratin biomaterials for treatment of ischemia
US9220754B2 (en) 2010-11-17 2015-12-29 Wake Forest University Health Sciences Keratin compositions for treatment of bone deficiency or injury
US9267009B2 (en) 2011-09-01 2016-02-23 Aspen Research Corporation Methods and systems of graft polymerization on a functionalized substrate
US9676907B2 (en) 2011-09-01 2017-06-13 Aspen Research Corporation Methods and systems of graft polymerization on a functionalized substrate
US9074056B2 (en) 2011-09-01 2015-07-07 Aspen Research Corporation Methods and systems to prepare functionalized substrate from disulfide bond-containing material
WO2013033614A1 (en) * 2011-09-01 2013-03-07 Aspen Research Corporation Methods and systems to prepare functionalized substrate from disulfide bond-containing material

Also Published As

Publication number Publication date
JP3518691B2 (ja) 2004-04-12

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3518691B2 (ja) 動物クチクル細胞由来の不溶性還元タンパク質、その製造方法および上記動物クチクル細胞由来の不溶性還元タンパク質を原料として作製された高分子成形品
KR100381741B1 (ko) 저취성 및 개선된 기계적 성질을 갖는 해산물 유래콜라겐을 함유한 콜라겐 제품, 화장용 또는 약학적 조성물또는 제품으로서의 그 용도
JP3283302B2 (ja) 還元ケラチンの製造方法
JP5277480B2 (ja) 高純度コラーゲンの調製
JP3891509B2 (ja) 高等動物体毛由来の還元タンパク質またはその水性媒体分散物およびその製造方法
WO2005079879A1 (ja) コラーゲンゲルおよびその製造方法
CN101918047B (zh) 由水母制成的胶体胶原蛋白凝胶
JP3891508B2 (ja) 還元クチクルタンパクまたはその水性媒体分散液およびその製造方法
JP2006257013A (ja) 魚鱗由来コラーゲンゲルとその作成方法
JP3094182B2 (ja) ケラチンs−スルフォ塩を壁構成原料として用いるマイクロカプセル及びその製造方法
ES486893A1 (es) Procedimiento para la preparacion de material sustitutivo dehuesos
JPH06116300A (ja) ケラチンフラグメントおよびその製造方法
CN108355172A (zh) 一种软组织修复用脱细胞罗非鱼皮仿生基质及其制备方法和应用
US20160052962A1 (en) Method for isolating collagen from jellyfish by using radiation
JP3047923B2 (ja) ケラチン有機溶媒液およびその製造法
JP2011184269A (ja) 生物由来の石灰質物質からのタンパク質の除去方法および該方法により得られる固体状の炭酸カルシウムを含む樹脂組成物
US20140225299A1 (en) Solubilized collagen fibers and method for producing the same
JP3010160B1 (ja) コラーゲン配合化粧品
JPWO2007023816A1 (ja) 還元型ケラチン、還元型キュティクルタンパク及びこれらの混合物の製造法
CN109337383A (zh) 一种胶原基自修复水凝胶及其制备方法
JP2965561B1 (ja) 絹タンパク質含有ハイドロゲル組成物
JP3738247B2 (ja) 非結晶性絹フィブロインを含有する洗浄剤組成物
JPH06107696A (ja) 還元型グリアジン水溶液、その製法およびそ の利用
Nizar Abdulla et al. Extraction of Keratin from Different Sources: A Comparative Study
JP4401226B2 (ja) コラーゲン化粧料、その製造方法、可溶化コラーゲン繊維及びその製造装置

Legal Events

Date Code Title Description
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20040122

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20040122

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090206

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090206

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Year of fee payment: 6

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100206

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110206

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Year of fee payment: 8

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120206

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees