JPH0735396B2 - 化粧品用ポリペプタイドの製造方法 - Google Patents

化粧品用ポリペプタイドの製造方法

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JPH0735396B2
JPH0735396B2 JP60023249A JP2324985A JPH0735396B2 JP H0735396 B2 JPH0735396 B2 JP H0735396B2 JP 60023249 A JP60023249 A JP 60023249A JP 2324985 A JP2324985 A JP 2324985A JP H0735396 B2 JPH0735396 B2 JP H0735396B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は化粧品用ポリペプタイドの製造方法に関する。
〔従来の技術〕
コラーゲンやケラチンなどの動物性蛋白質を酸またはア
ルカリにより加水分解して得られるポリペプタイドは、
従来からも化粧品の原料、またはその添加物、あるいは
コラーゲンポリペプタイドについては、毛織物の染色工
程における毛織物の損傷やムラ染防止など各種の用途に
用いられているが、化粧品原料として用いる場合には人
体に対する安全性や商品価値の維持、向上という面から
特に品質が優れていることが望まれる。
ところで、本来、まったく純粋なポリペプタイドは、無
色で、かつ臭もなく、また、他の有機物や灰化後に残存
するような無機物は含まれないはずであるが、実際には
原料中の不純物の残存により、あるいは加水分解とその
後の精製などの製造工程において、着色、着臭が生じ、
さらには無機塩などの残存あるいは増加を生じる。その
結果、無色、無臭であることが望まれる化粧品用原料と
しての価値が損なわれる。着色、着臭が好ましくないの
はもちろんのことであるが、たとえば無機塩などの不純
物は、クリームなどの乳化系の化粧品においては、たと
え少量の混入であっても乳化の難易や乳化後の安定性に
多大な影響を与えることがあるし、また無機塩の存在に
よってかゆみや発赤などの皮膚刺激を生じたり、あるい
はそれらが助長される。
ところが、コラーゲンやケラチンから化粧品用ポリペプ
タイドを製造する場合には、酸またはアルカリを使用す
るため、pHを酸性側またはアルカリ側に大きく傾ける必
要がある。そのほか脱臭、脱灰、濾過などの目的で行わ
れる精製工程においてもpHの酸性側あるいはアルカリ側
への調整が行われるため、酸あるいはアルカリの添加が
必要である。このような次第により、化粧品用ポリペプ
タイドの製造にあたっては、その加水分解工程やその後
の精製工程において系中に無機塩が混入する。
そのため、化粧品用のポリペプタイドの製造において
は、脱塩の必要があり、その目的には従来、専らイオン
交換樹脂が用いられてきた(たとえば特公昭59−101449
号公報)。
〔発明が解決しようとする問題点〕
このイオン交換樹脂による脱塩では、ナトリウムイオン
やカリウムイオンなどのカチオンを除きpHをアルカリ側
から中和するためには、カチオン交換樹脂が用いられ、
塩素イオンや硫酸イオンなどのアニオンを除き、pHを酸
性側から中和するためにはアニオン交換樹脂が用いられ
る。これらイオン交換樹脂を大量に用いる場合には樹脂
塔にイオン交換樹脂を充填してアルカリ、酸のどちらか
一方あるいは両方の高濃度水溶液を通液して再生(イオ
ン交換)を行い、水による洗浄を行ったのちに、中和す
る必要のあるポリペプタイドの水溶液を通液することに
よって目的が達せられる。
しかしながら、上記のようなイオン交換樹脂による脱塩
では、たとえば塩化ナトリウムなどの中性塩のかたちで
含まれているものから、塩素イオンとナトリウムイオン
の両方を除去する場合にはアニオン交換樹脂とカチオン
交換樹脂を別々に用いる必要がある上に、通液によって
生じるpHの酸性側あるいはアルカリ側への変化によるポ
リペプタイドの損傷のため、中性塩をほぼ完全に除去す
ることは困難である。さらに、化粧品用ポリペプタイド
は各種アミノ酸のペプチド結合による平均分子量が300
〜2000の重合体の混合物なのであるが、アスパラギン
酸、グルタミン酸などの酸性アミノ酸を含むポリペプタ
イドや、アルギニン、リジン、ヒスチジン、ヒドロキシ
リジン、トリプトファンなどの塩基性アミノ酸を含むポ
リペプタイド、その他のポリペプタイドでもN末端に塩
基性のアミノ基、C末端には酸性のカルボキシル基を含
むため、イオン交換樹脂に吸着される傾向を有するの
で、イオン交換樹脂の使用による脱塩には必ずポリペプ
タイドの収率低下がつきまとう。そのほか、イオン交換
樹脂の再生にはイオン交換量以上の酸あるいはアルカリ
が必要であり、また高酸性、高アルカリ性の廃水を多量
に生じる。さらにはイオン交換樹脂の腐敗や劣化、樹脂
塔の監視要員の確保など問題点が多い。
また、上記以外にも、たとえばケラチンから得られるポ
リペプタイドのうち、比較的分子量が大きいもの(分子
量約1,000以上のもの)は、pH2〜6付近では水に完全に
溶解せず一部不溶物を生成し、イオン交換樹脂による脱
塩では、通液中のpH変動によって樹脂塔内で不溶物が生
成して目詰りを生じるため、樹脂塔を用いることができ
ないという問題がある。
〔問題点を解決するための手段〕
そこで、本発明はコラーゲンまたはケチランからの化粧
品用ポリペプタイドの製造における脱塩を、着色成分を
除去した後、電気透析で行うことによって、本発明を完
成するにいたった。すなわち、コラーゲンまたはケラチ
ンを酸またはアルカリによって加水分解し、得られた平
均分子量300〜2000のポリペプタイド中に混在する着色
成分を除去した後、電気透析を行うことによって、すな
わち、アニオン交換膜とカチオン交換膜を交互に隔て、
直流電源を負荷させることにより、イオンの移動を加速
し、ポリペプタイド中に混在する無機塩のイオンを膜外
に拡散逸出させ、ポリペプタイドの収率を損なうことな
く、またそのほかのイオン交換樹脂を用いる従来法の欠
点を排除した上で経済的に、しかも従来の方法では不可
能であったポリペプタイドに対する灰分含量を1重量%
以下までの、ほぼ完全な脱塩を行い得ることを見出した
のである。
たとえば、従来のイオン交換樹脂による場合はポリペプ
タイドに対する灰分含量は2〜3重量%程度にしか脱塩
できず、しかもその際のポリペプタイド収率は80%程度
であったが、本発明によれば、脱塩はポリペプタイドに
対する灰分含量を1重量%以下にできる上に、ポリペプ
タイドの収率は95%以上にも達する。
上述のようなポリペプタイドの収率向上により、高いBO
D値あるいは酸性、アルカリ性の廃水がなくなり、脱塩
された塩を含む中性塩水溶液と極液は希釈と濾過などの
簡単な処理によって再使用も可能で、また廃棄も容易で
ある。さらに電気透析にはポリペプタイドの水溶液、中
性塩水溶液、極液(極液も中性塩水溶液より成る)を電
気透析装置のイオン交換膜間に循環させ、電圧を負荷さ
せることの継続によって行えるので、監視要員が不要
で、夜間の低料金の電力を用いて経済的に実施すること
ができるなどの効果もある。
ところで、従来から、電気透析が応用され実用化されて
いる分野は、海水の脱塩による淡水化、海水の濃縮によ
る食塩の製造、乳業における育児用粉乳の低塩化および
チーズホエーの脱塩、製糖工場における廃糖密の脱塩、
ワインおよび果汁工業における酒石酸カリウムや無機有
機塩類の除去、酸度調整、ショウ油、アミノ酸調味料の
脱塩などに及ぶが、たとえば海水の淡水化や食塩製造に
おいて電気透析が実用化されているのは、電気透析を行
う対象である海水がほとんど食塩などの無機塩のみを含
む水溶液であって、電気伝導性が良好でイオン交換膜の
劣化が少なく、効率も良いからである。そして、そのほ
かの食品工業分野において電気透析が実用化されている
のも、これらの分野においては、試料中に蛋白質、各種
無機有機塩類のほかに糖、脂肪などの有機物を含むため
に電気伝導性が不良であったり、膜の劣化を生じるなど
の問題がないわけではないが、これらの分野において
は、完全な脱塩が必要でなく、しかも膜の劣化が比較的
少ない分野であるからである。
化粧品用ポリペプタイドの製造にあたって電気透析を応
用することは前例がない上に、コラーゲンやケラチンを
原料とする化粧品用ポリペプタイドの製造に電気透析を
応用する場合には原料のコラーゲンやケラチンに由来す
る着色成分が膜の劣化の原因になる。そのため、本発明
においては、電気透析を行う前に上記の着色成分を除去
して、電気透析時の膜の劣化を防止する。すなわち、着
色成分は原料のコラーゲンやケラチン中に残存する糖分
がコラーゲンやケラチンの加水分解によって生成する低
分子量のペプタイドやアミノ酸などの低分子量の副生物
とアミノカルボニル反応を起こすことによって生じるも
のであり、動物性蛋白質中に、特にコラーゲンやケラチ
ンを原料として用いるときは、この着色成分の生成が多
く、この着色成分は高粘性物質であって、電気透析時に
膜を劣化させる。そのため、本発明では、電気透析の実
施に先立って着色成分を除去するのであるが、この着色
成分の除去に際して、コラーゲンまたはケラチンをアル
カリによって加水分解した場合には、過酸化水素による
酸化と不溶物の濾過により除去する方法が採用され、コ
ラーゲンまたはケラチンを酸によって加水分解した場合
には、活性炭による吸着と不溶物の濾過により除去する
方法が採用される。また平均分子量の大きいポリペプタ
イドの水溶液については液の粘度が大きくなるために電
気伝導性の低下や膜の劣化を生じるので、そのような場
合は希釈しなければならないが、その後の濃縮について
は、濃縮中の加熱による着色や着臭などの品質低下を抑
制するために、低温でかつ短時間で濃縮が行える減圧濃
縮が好ましい。
上記のように着色成分の除去、さらに必要に応じて液粘
度調節のための適宜な希釈を行いさえすれば、電気透析
には特別な設備を要さず、通常の設備、方法によって行
い得る。たとえば極液には硫酸ナトリウム水溶液などの
中性塩水溶液が用いられ、透析膜には低分子量のアニオ
ンのみが通過しうるアニオン交換膜と、低分子量のカチ
オンのみが通過しうるカチオン交換膜が用いられ、それ
に直流電源を負荷することによって実施される。
また、平均分子量300〜2,000のポリペプタイドを得るた
めの加水分解は従来から公知の方法によって行うことが
できる。
たとえば、原料のコラーゲンには獣皮、腱、骨などが用
いられ、またコラーゲンの変成物であるゼラチンも好適
に使用される。ケラチンとしては、獣毛、毛髪、羽毛、
爪、角、蹄などが用いられ、特に羊毛、毛髪、羽毛など
が好適に使用される。
酸による加水分解は、塩酸、硫酸、リン酸、硝酸、臭化
水素酸などの無機酸、酢酸、ギ酸などの有機酸を一般に
5〜85重量%の濃度で用い、pH4以下の領域で温度40〜1
00℃、2〜24時間の反応時間で行われる。アルカリによ
る加水分解は水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸
化リチウム、水酸化バリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カ
リウム、炭酸リチウムなどの無機アルカリを一般に1〜
20重量%の濃度で用い、室温〜100℃の温度で30分〜24
時間の反応時間で行われる。
加水分解によって得られるポリペプタイドの平均分子量
を300〜2,000としているのは、この範囲のものが毛髪に
対する吸着性が良好で、かつ水に溶けやすくて取扱いが
容易であるからである。
また、脱灰、脱臭などが必要な場合には、キレート樹脂
の使用、シュウ酸などを添加しカルシウムなどを難溶性
の塩として沈降させて除去する方法などにより脱灰が行
われ、pH8〜12のアルカリ性条件下における低温減圧濃
縮によって脱臭が行われる。その際、それぞれの方法に
おいて最も有効であるpH領域に試料のpHを調整する目的
で酸またはアルカリが添加される。
上記のようにして製造されたポリペプタイドは、たとえ
ばシャンプー、ヘアーリンス、パーマネントウェーブ用
剤、ヘアートリートメント、ヘアーコンディショナー、
ヘアーセットローション、ヘアーブロー、ヘアーカラ
ー、ヘアーリキッド、ヘアークリームなどの頭髪用化粧
品、各種クリーム、ローション、パックなどの皮膚用化
粧品などに使用される。
〔実施例〕
つぎに実施例をあげて本発明をさらに詳細に説明する。
以下において濃度を表示する%は重量%によるものであ
る。
実施例1 6%水酸化ナトリウム水溶液1400gを加温しながら、そ
の中にコラーゲン変成であるゼラチン1000gを溶解し、8
0℃で撹拌しながら1時間加水分解を行ったのち、反応
液を40℃まで冷却し、35%過酸化水素40gを添加して1
時間撹拌したのち、12時間静置して脱色を行った。これ
を減圧濾過して不溶物を除去したのち、水を加えて4kg
に希釈してから、ロータリーエバポレータにより1/2容
になるまで減圧濃縮して脱臭(アンモニア、有機低分子
アミンの除去)を行った。これを再度濾過したのち、濾
過に濃塩酸を加えてpH6.0としたのち、水を加えて4kgに
希釈し、ポリペプタイドを25%含み、食塩などの灰分を
4.21%含む中性の水溶液とした。この試料について下記
に示す電気透析設備を用いて電気透析を行った。
型式:DO−Cb型(帝人エンジニアリング(株)製) 膜名称:セレミオンCMVおよびAMV(旭硝子(株)製、商
品名) 膜寸法:18cm×12cm 組込膜数:10対 電圧:30V 陽極液および陰極液には、硫酸ナトリウム水溶液(無水
硫酸ナトリウムとして約5%)3を用い、両液を同じ
タンクを用いることによって中和しながら循環を行っ
た。被濃縮側の液には、初期濃度3%の食塩水5を用
いた。極液、被濃縮側の液および被希釈側の試料液をま
とめて記載するとつぎのとおりである。また、電気透析
を実施したときの結果は第1表に示すとおりである。
極液:初期濃度5%の硫酸ナトリウム水溶液(3) 被濃縮側:初期濃度3%の塩化ナトリウム(食塩)水溶
液(5) 被希釈側:前記の初期濃度25%のコラーゲンポリペプタ
イド水溶液(灰分4.21%)4.0kg 定電圧30Vで運転して電気透析を行ったところ、第1表
に示すように、5時間後に試料中の灰分が0.09%とな
り、全チッ素の損失もほとんどなく、ポリペプタイドに
対する灰分含量を0.36%まで脱塩することができた。な
お、このようにして得られたコラーゲンポリペプタイド
の分子量をゲル濾過により測定したところ平均分子量50
0であった。また、電気透析後の全チッ素量を測定し、
電気透析前に対するコラーゲンポリペプタイドの収率を
求めたところ96.1%であった。
比較例1 実施例1と同様にゼラチンを水酸化ナトリウムで加水分
解し、過酸化水素水で、脱色後、減圧濾過して得た濾液
を試料とし、それについて、イオン交換樹脂を用い、以
下に示すようにして脱塩を行った。
H+型に再生済みの強アニオン性カチオン交換樹脂アンバ
ーライトIR−120(オルガノ(株)製、商品名)を直径8
cmの樹脂塔にそれぞれ1,000ml、1,200ml、1,400ml充填
し、それぞれに対し、試料の全量を通液速度80ml/hで通
液した。それぞれの樹脂塔の通液によって得られたpHが
異なる試料(脱塩の程度が異なることによってpHが異な
る)を塩酸または水酸化ナトリウムでpH7に中和したの
ち、エバポレータにより減圧濃縮を行い、濃度25%のコ
ラーゲンポリペプタイド水溶液とした。得られたそれぞ
れの水溶液について灰分と全チッ素量を測定し、それら
の値よりポリペプタイドに対する灰分含量と樹脂塔通液
前に対するコラーゲンポリペプタイドの収率を求めた。
その結果を第2表に示す。
第2表に示すように、イオン交換樹脂により、脱塩でき
るのはポリペプタイドに対する灰分含量が2.4%までで
あり、また脱塩後の全チッ素量の測定によって求めた脱
塩前に対するコラーゲンポリペプタイドの収量を求めた
ところ80.1%であった。
比較例2 実施例1と同様にゼラチン1,000gを6%水酸化ナトリウ
ム水溶液1,400gで加水分解し、反応液を40℃まで冷却し
た後、脱色することなく、濃塩酸で中和してpH6.0に
し、水を加えて全量を4kgとした。この溶液の灰分は4.2
1%で、全チッ素は4.03%であった。
この溶液を試料として実施例1と同様に電気透析を行っ
た。その結果を第3表に示す。
第3表に示すように、5時間電気透析後も試料中の灰分
は0.63%にしか減少せず、この灰分量から求めたポリペ
プタイドに対する灰分含量は2.56%であって、実施例1
に比べて脱塩精製度が劣っていた。
実施例2 三ツ口フラスコ中で35%塩酸800gに羊毛1,000gを適宜加
えながら80℃まで加熱し、羊毛が溶解するまで加水分解
を行った。冷却後、反応物を30%水酸化ナトリウム水溶
液を加えて中和し、pH6としたのち、これに活性炭500g
を加えてよく撹拌して脱色と脱臭を行い、減圧濾過によ
り活性炭を除去した。
これにより、ケラチンポリペプタイドの25%水溶液3,40
0gを得た。この液中の食塩を主とする灰分は14.21%で
あった。
上記ケラチンポリペプタイドの25%水溶液について実施
例1と同じ設備を用いて、以下の条件で電気透析を実施
したときの結果を第4表に示す。
極液:初期濃度5%の硫酸ナトリウム水溶液(3) 被濃縮側:初期濃度3%の塩化ナトリウム水溶液(6
) 濃縮側:前記の初期濃度25%のケラチンポリペプタイド
水溶液(灰分14.21%)3.4kg 経過時間が120分に達するまで定電圧20Vで、以後定電圧
30Vで運転し、電気透析を行ったとき、6時間後に試料
液の灰分が0.11%となり、全チッ素の損失もほとんどな
く、ポリペプタイドに対する灰分含量0.44%まで脱塩す
ることができた。なお、このようにして得られたケラチ
ンポリペプタイドの分子量をゲル濾過により測定したと
ころ平均分子量800であった。また、実施例1と同様に
電気透析後の全チッ素量を測定し、電気透析前に対する
ケラチンポリペプタイドの収率を求めたところ95.3%で
あった。
なお、比較のため、前記のように羊毛を塩酸で加水分解
して得た反応液について、弱塩基性アニオン交換樹脂に
よる脱塩酸を試みたところ、通液中に不溶物が生成し、
それによる目詰りのため、通液が不可能となって、脱塩
酸ができなかった。
比較例3 実施例2と同様に35%塩酸800gで羊毛1,000gを加水分解
し、冷却した後、不溶物を濾去した。得られた濾液に30
%水酸化ナトリウム水溶液を加えて中和し、pH6にした
後、水を加えて希釈し、ケラチンポリペプタイドの25%
溶液3,600gを得た。この溶液の灰分は14.21%、全チッ
素は3.98%であった。
この溶液を試料として実施例2と同様に電気透析を行っ
た。その結果を第5票に示す。
第5表に示すように、6時間透析後も灰分は0.68%にし
か減少せず、この灰分量から求めたポリペプタイドに対
する灰分含量は2.72%で、実施例2に比べて脱塩精製度
が劣っていた。
〔発明の効果〕
以上説明したように、本発明によれば、コラーゲンまた
はケラチンを原料とするポリペプタイド中の灰分含量を
該ポリペプタイドに対して1重量%以下にでき、しかも
そのような灰分含量の少ない化粧品用ポリペプタイドを
収率よく得ることができる。また、イオン交換樹脂など
を用いる従来法では不可能であった分子量が比較的大き
なポリペプタイドの脱塩もできるようになった。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】コラーゲンまたはケラチンを酸またはアル
    カリによって加水分解し、得られた平均分子量300〜2,0
    00のポリペプタイド中に混在する原料のコラーゲンまた
    はケラチン中に残存する糖分とコラーゲンまたはケラチ
    ンの加水分解によって生成する低分子量の副生物との反
    応によって生じる着色成分を、コラーゲンまたはケラチ
    ンをアルカリによって加水分解した場合には過酸化水素
    による酸化と不溶物の濾過によって除去し、コラーゲン
    またはケラチンを酸によって加水分解した場合には活性
    炭による吸着と不溶物の濾過によって除去した後、該ポ
    リペプタイドを電気透析によって脱塩精製し、ポリペプ
    タイドに対する灰分含量を1重量%以下にすることを特
    徴とする化粧品用ポリペプタイドの製造方法。
JP60023249A 1985-02-07 1985-02-07 化粧品用ポリペプタイドの製造方法 Expired - Lifetime JPH0735396B2 (ja)

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