JP2899844B2 - シアル酸の精製法 - Google Patents

シアル酸の精製法

Info

Publication number
JP2899844B2
JP2899844B2 JP14230191A JP14230191A JP2899844B2 JP 2899844 B2 JP2899844 B2 JP 2899844B2 JP 14230191 A JP14230191 A JP 14230191A JP 14230191 A JP14230191 A JP 14230191A JP 2899844 B2 JP2899844 B2 JP 2899844B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
sialic acid
electrodialysis
acid
membrane
stage
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP14230191A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH0641776A (ja
Inventor
守 纐纈
博司 川浪
レカ・ラジュ・ジュネジャ
優 藤木
武祚 金
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Taiyo Kagaku KK
Original Assignee
Taiyo Kagaku KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Taiyo Kagaku KK filed Critical Taiyo Kagaku KK
Priority to JP14230191A priority Critical patent/JP2899844B2/ja
Publication of JPH0641776A publication Critical patent/JPH0641776A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2899844B2 publication Critical patent/JP2899844B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Saccharide Compounds (AREA)
  • Separation Using Semi-Permeable Membranes (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【産業上の利用分野】本発明は、シアル酸含有の天然物
を原料としてシアル酸を大量に精製する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】シアル酸は、ノイラミン酸の総称で自然
界には多くの種類の誘導体が存在する。そのうち主なも
のは、N−アセチルノイラミン酸である。近年、シアル
酸はコレラ毒素の中和活性,ウイルスのレセプターの役
割,細胞間確認能,去痰活性等に関与することが知られ
ており、医薬用への需要が高まりつつある。シアル酸
は、生体中で糖タンパク質や糖脂質の非還元末端に存在
し自然界に広く分布しているものの、シアル酸を含有す
る天然物から大量に製造することは困難である。
【0003】従来、シアル酸の精製法に電気透析を用い
た物として、ヒヨコ胎便からの調整(昭和64年特許公
開第34995号),乳質物質からの高純度シアル酸の
調整法(昭和64年特許公開第40491号)が報告さ
れている。しかし、前者は、シアル酸をアニオン交換樹
脂に吸着させた後、単に脱塩操作として電気透析を用い
ているにすぎない。一方、後者はシアル酸そのものの製
造手段として電気透析を用いているが、イオン交換膜を
一種類のみ使用している。そのため、塩とシアル酸が同
時に膜を透過してしまい、シアル酸の回収率を著しく落
としてしまうものであった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明はシアル酸を大
量に精製する方法を確立し、提供することを目的とす
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上述の実
状に鑑み、シアル酸の精製法につき鋭意研究を重ねた結
果、シアル酸含有の天然物を加水分解し、遊離のシアル
酸含有加水分解液を少なくとも2種類のイオン交換膜を
用い、少なくとも2段階の電気透析により、高収率でし
かも高純度のシアル酸が得られることを見い出し本発明
を完成するに至った。即ち、本発明はシアル酸含有の天
然物を加水分解後、少なくとも2種類のイオン交換膜を
用いた、少なくとも2段階の電気透析によるシアル酸の
精製法に関する。
【0006】本発明でシアル酸とは、N−アセチルノイ
ラミン酸である。シアル酸製造原料は、公知の卵(卵
白,カラザ,卵黄など)、いずれの原料を用いてもかま
わない。いずれの原料を用いるにしても、多くのシアル
酸はグリコシド結合をしており、遊離の状態で存在する
ものはまれであり、高収率を得るため公知の方法により
加水分解を行う。加水分解には酸化水分解もしくは酵素
による加水分解が適用できる。
【0007】例えば、酸加水分解法の場合、原料に硫
酸,塩酸,シュウ酸等の酸を添加し、pH0.6〜2.
5に調整後、70〜90℃で30〜120分間加熱した
後、水酸化バリウム,水酸化カルシウム等の中和剤によ
って中和すればよい。次いで得られた加水分解液は、濾
過または遠心分離により不溶物を除去するがそのままで
は純度が低いため精製を目的として電気透析を行う。電
気透析に用いるイオン交換膜は、少なくとも2種類が用
いられる。必要があればそれ以上の種類が用いられる。
好ましくは、2種類が用いられる。1種類だけの膜では
本発明を貫徹することはできない。
【0008】まず、1段階目の電気透析としてルーズな
膜にて加水分解液中のシアル酸及び塩を通し、他の夾雑
物を通さない。ここで用いるイオン交換膜は、ルーズな
膜の陽イオン交換膜としてネオセプタCM−1(徳山曹
達社製),セレミオンCMV(旭硝子社製)等、陰イオ
ン交換膜としてネオセプ夕AFN,セレミオンAMV等
をあげることができる。更に、2段階目として、タイト
な膜(つまり、脱塩専用の膜)にて、1段階目で通過し
たシアル酸及び塩のうち、塩だけを通し、シアル酸溶液
を得る。ここで用いるタイトな膜の陽イオン交換膜とし
てネオセプタCM−2,セレミオンCMV等、陰イオン
交換膜としてネオセプタACS,セレミオンASV等を
あげることができる。更に、必要があれば、膜の種類を
交換するか、それともそのままで複数段階の電気透析を
行うことができる。
【0009】電気透析は、いずれの段階においても、サ
ンプルの伝導度を測定し、その伝導度の減少がこれ以上
進まなくなるまで続け、その時点を電気透析終了の目安
とする。図1に、2段階で電気透析を行った際のシアル
酸と伝導度(この場合、塩を示す)の経時変化を示す。
【0010】
【図1】
【0011】図1より明らかなように、1段階目の電気
透析にて完全にシアル酸を回収することにより、シアル
酸の回収率を100%近くまで上げることが可能とな
る。しかし、1種類のみの膜にて、精製を行えば図1の
1段階目の結果となる。つまり、電気透析開始後30分
の時点から、シアル酸の回収を行うとすれば、その時点
ですでに、約30%のシアル酸が塩とともに濃縮槽側に
透過して大きな損失となる。その後、濃縮槽内の液を捨
て純水に置き換え、シアル酸の回収を行っても、完全な
脱塩がされておらず、シアル酸純度の低下をまねく。
【0012】従って、1段階目で完全にシアル酸を回収
することにより回収率を100%にすること。2段階目
で脱塩を完全に行うことにより、シアル酸純度を上げる
こと。以上2点を達成することが本発明によってなされ
るわけである。この電気透析処理したシアル酸溶液は、
そのまま減圧乾燥,噴霧乾燥あるいは凍結乾燥すること
によりシアル酸を得ることができる。更に必要があれ
ば、陰イオン交換樹脂,ゲル濾過,シリカゲル等を用い
て、精製を進め、シアル酸を得ることができる。
【0013】以下に実施例を示し、本発明をより具体的
に説明する。
【実施例】
試験例.1段階と2段階での電気透析によるシアル酸回
収率比較 脱脂卵黄3kgに水9リッ卜ルを加え、6N硫酸にてp
H1.4に調整後80℃,1時間加水分解し、飽和水酸
化バリウムにてpH6.0にし、セライト濾過を行い加
水分解液9リッ卜ルを得た。1種類のみでの電気透析
は、ネオセプタAFN,CM−1を用い、脱塩処理を電
導度で2mS/cmになるまで行った後、一旦濃縮液槽
を捨て濃縮槽に蒸留水をいれ、再び電導度50μS/c
mまで透析を行った。一方、脱塩処理を500μS/c
mまで行い、同様の操作を行いシアル酸を回収すること
を行った。2種類の膜での電気透析では、1段階目でネ
オセプタAFN,CM−1で電導度50μS/cmまで
行い、シアル酸と塩を通過させた後、2段階目でネオセ
プタACS,CM−2で電導度150μS/cmまで脱
塩を行った。その結果を表1に示す。
【0014】
【表1】
【0015】表1により明らかなように、2種類の膜を
使用した場合、回収率99%とシアル酸の損失がなくほ
ぼ100%の高収率であった。一方、1種類のみの膜で
は、88%と70%と損失が大きかった。更に、純度に
おいても1種類の膜のみの場合、脱塩が完全に行うこと
ができず、残っている塩が不純物となり、23%,36
%と純度の低いシアル酸しか得ることができなかった。
一方、2種類の膜を使用した場合、68%と2〜3倍の
高純度であった。本試験から、少なくとも2種類のイオ
ン交換膜にて、少なくとも2段階の電気透析を行うこと
により、高回収率で高純度のシアル酸を得ることができ
る。
【0016】比較例 チーズホエー5kgに塩酸を加え、pH1.6に調整
後、80℃,1時間加水分解を行った。水酸化ナトリウ
ムにてpH6.0まで中和し、セライト濾過し、加水分
解後10リットルを得た。次に、電気透析装置マイクロ
・アシライザーG3(旭化成工業株式会社製)イオン交
換膜AC−230−400(同)にて、伝導度50μS
/cmまで1段階目の電気透析を行い、この濃縮槽液を
得た。次に、2段階目の電気透析としてイオン交換膜A
C−110−400に膜を交換後、脱塩を行い、シアル
酸溶液を得た。こうして得たシアル酸溶液を減圧濃縮
し、シアル酸3g(純度69%)を得た。
【0017】実施例1. 試験例 で得た脱脂卵黄加水分解液10リットルを比較例
と同様2段階の電気透析にかけ、シアル酸溶液9リット
ルを得た。このシアル酸溶液を、更に陰イオン交換樹脂
ダウエックス1×8にて精製を行った。即ち、ダウエッ
クス1×8(ギ酸型,1リットル)に、シアル酸溶液を
チャージし、次いで水40リットルで洗浄した。その
後、ギ酸濃度0〜2Nのグラジェントにてシアル酸を溶
出した。シアル酸含有フラクションを集め、減圧乾固し
た。更にこの固形物に水500ミリリットルを加え溶解
した。凍結乾燥し、シアル酸8g(純度98%)を得
た。
【0018】
【発明の効果】本発明により、1種類のみのイオン交換
膜を用いた電気透析では、従来困難であったシアル酸精
製法が解決された。即ち、2種類の膜を用いることによ
り、約100%のシアル酸回収が可能となるとともに、
脱塩も完全に行われ、高純度シアル酸が得ることができ
る。本発明は、シアル酸の精製法として産業上多大な貢
献をするものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】シアル酸の電気透析の経時変化の図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 金 武祚 三重県四日市市赤堀新町9番5号 太陽 化学株式会社内 審査官 酒井 美知子 (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C25B 7/00 B01D 61/44

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 「シアル酸含有天然物の加水分解液を、
    シアル酸透過性のルーズな膜および脱塩用のタイトな膜
    である少なくとも2種類のイオン交換膜を用い、少なく
    とも2段階の電気透析によりシアル酸を得ることを特徴
    とするシアル酸の精製法」 【0001】
JP14230191A 1991-03-29 1991-03-29 シアル酸の精製法 Expired - Fee Related JP2899844B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP14230191A JP2899844B2 (ja) 1991-03-29 1991-03-29 シアル酸の精製法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP14230191A JP2899844B2 (ja) 1991-03-29 1991-03-29 シアル酸の精製法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH0641776A JPH0641776A (ja) 1994-02-15
JP2899844B2 true JP2899844B2 (ja) 1999-06-02

Family

ID=15312193

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP14230191A Expired - Fee Related JP2899844B2 (ja) 1991-03-29 1991-03-29 シアル酸の精製法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2899844B2 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4976629B2 (ja) * 2001-09-27 2012-07-18 コンビ株式会社 美肌促進剤
JP4703950B2 (ja) * 2003-07-23 2011-06-15 花王株式会社 糖リン酸エステルの精製法
TWI516212B (zh) * 2014-01-17 2016-01-11 金利食安科技股份有限公司 結合壓力與酵素萃取燕窩之方法

Also Published As

Publication number Publication date
JPH0641776A (ja) 1994-02-15

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5075424A (en) Process for producing κ-casein glycomacropeptides
CN109180745B (zh) 一种从含有聚唾液酸的物料中分离提纯制备n-乙酰神经氨酸的方法
US5278288A (en) Process for producing κ-casein glycomacropeptides
JP5843769B2 (ja) ナノ結晶性セルロース製造からの廃液の流れの分画
JP2003522539A (ja) 酪農水流の濾過方法
EP0474410B1 (en) Method for production of sialic acid
GB2251858A (en) Production of kappa-casein glycomacropeptides using an anion-exchange resin
JPS61271296A (ja) N−アセチルキトオリゴ糖の製造方法
JP2899844B2 (ja) シアル酸の精製法
JP2802654B2 (ja) ホエーの脱塩時に生ずる陰イオン交換樹脂のアルカリ洗浄廃液からのオリゴ糖結合型シアル酸類の回収方法
JPS61183298A (ja) 化粧品用ポリペプタイドの製造方法
JPH0737474B2 (ja) 高純度シアル酸の精製法
JPH08157433A (ja) 塩基性アミノ酸の精製方法
JP3347822B2 (ja) キナ酸の抽出、精製方法
JP3025346B2 (ja) ヘパリンカルシウムの製造方法
CA2313515C (en) A process for preparing a kappa-caseino glycomacropeptide or a derivative thereof
KR100191357B1 (ko) 유기산의 회수방법
JP3106256B2 (ja) κ−カゼイングリコマクロペプチドの製造法
JP3920954B2 (ja) 抗潰瘍剤の製造法
JP4672994B2 (ja) キチン分解物の製造方法
JPS60156697A (ja) フラクトース‐1,6‐ジホスフエート酸溶液の製法
JP4703950B2 (ja) 糖リン酸エステルの精製法
JPH07103139B2 (ja) 高純度シアル酸の調製法
JPH0870882A (ja) 高純度シアル酸の製造方法
JPH06102672B2 (ja) シアル酸の製造法

Legal Events

Date Code Title Description
R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees