JPH07103139B2 - 高純度シアル酸の調製法 - Google Patents

高純度シアル酸の調製法

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JPH07103139B2
JPH07103139B2 JP19546587A JP19546587A JPH07103139B2 JP H07103139 B2 JPH07103139 B2 JP H07103139B2 JP 19546587 A JP19546587 A JP 19546587A JP 19546587 A JP19546587 A JP 19546587A JP H07103139 B2 JPH07103139 B2 JP H07103139B2
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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、元来牛乳中に含有されているシアル酸を、種
々の乳質物質を出発原料として用い、これからシアル酸
を有利に分離して調製する方法に関する。
技術的背景 シアル酸(シアリン酸とも称せられ、ノイラミン酸のア
シル誘導体の総称である)は、例えばウイルスによる赤
血球凝集反応(ウイルスレセプター)、細菌毒素のレセ
プターや血液タンパク質の血中半減期の制御等に関与す
ることが知られており、生理的に重要な役割を果たして
いる物質である。また、シアル酸は、糖タンパク質や糖
脂質のような複合糖質の非還元末端に結合している酸性
糖であることから、近年糖タンパク質や糖脂質の糖鎖の
合成原料としても広く利用されている。
而して、シアル酸は自然界に広く分布しているものの、
シアル酸をそれを含有する天然物から工業的規模でしか
も高純度で調製することは困難であるため、その入手が
容易でないのが現状である。
したがつて、シアル酸含有天然物からシアル酸を高純度
で有利に調製し得る方法の開発が要望されている。
発明が解決しようとする課題 本発明は上述した状況に鑑みなされたものであつて、シ
アル酸を含有する乳質物質を出発原料として用い、これ
から高純度のシアル酸を効率よく製造するための方法を
提供することを課題とする。
本発明者らは、乳質物質に含まれているシアル酸を、該
乳質物質を加水分解することにより遊離させた後に、電
気透析により乳質物質からシアル酸を高純度で効率よく
調製し得ることを見出し、上記課題の解決に成功した。
以下本発明を詳しく説明する。
発明の構成 本発明の特徴は、シアル酸を含有する乳質物質を出発原
料として用い、該乳質物質を加水分解してシアル酸を遊
離させ、得られるシアル酸含有加水分解液を、電気透析
に付して脱塩処理した後、再び脱塩処理を行つて高純度
のシアル酸を得ることにある。
課題を解決するための手段 本発明において、出発原料として用いる乳質物質とは、
牛乳、脱脂乳、バターミルク及びホエーを意味し、ま
た、それらの乾燥物であつてもよい。
これらの乳質物質に含有されているシアル酸は、タンパ
ク質、脂質及びオリゴ糖に結合した形態で存在している
ため、乳質物質からシアル酸を調製するためには該物質
を加水分解してシアル酸をタンパク質、脂質及びオリゴ
糖から遊離させる必要がある。
上記加水分解は、塩酸、硫酸、リン酸等の酸を用い、原
料としての乳質物質に対し上記の酸を0.01N〜1.0Nにな
るように添加して80〜100℃の温度で15〜120分間程度加
熱することによつて行うことが好ましい。
あるいは、原料としての乳質物質を、アンバーライトIR
-120B、ダウエツクスHCR-W2などのカチオン交換樹脂の
H型に通じて、pHを低下させた後、80〜100℃の温度で1
5〜120分程度加熱することによつて行つてもよい。
上述のようにして乳質物質を加水分解して得られた分解
物から、分解時の加熱により凝固したタンパク質を分解
して、遊離したシアル酸含有液を得る。この分離には遠
心分離機、スクリユーデカンター、回転篩等を用いると
よい。
上述のようにして得られたシアル酸含有液中には、添加
した酸や原料由来の塩や乳糖が含まれるので、本発明で
は該シアル酸含有液を電気透析に付して脱酸、脱塩処理
する。すなわち、上記シアル酸含有液を電気透析装置の
脱塩槽に供給し、一方濃縮槽に水道水を導入して透析を
行うと、最初は溶出液から酸及び無機塩のみが除かれて
脱塩槽から濃縮槽へ移行して脱塩処理が行われる。しか
し、さらに透析を続行すると、次にシアル酸のみがシア
ル酸含有液から除かれて脱塩槽から濃縮槽へ移行するよ
うになる。なお、シアル酸含有液中の乳糖はそのまま脱
塩槽に残る。
そこで、本発明では、上述のごとくして酸と無機塩がシ
アル酸含有液から完全に除かれた時点で、一旦透析を中
止して濃縮槽に移行した酸と有機塩を排除して脱酸・脱
塩の行つた後、濃縮槽に蒸留水を入れて再び透析を行つ
てシアル酸を濃縮槽へ移行させ、シアル酸が完全に移行
した時点で透析を終了して濃縮槽液を回収する。得られ
た濃縮槽液を濃縮後乾燥して粉化したシアル酸を得る。
上述のとおり、加水分解後のシアル酸含有液を2段階か
らなる電気透析に付して脱酸・脱塩処理と精製処理を行
うことにより、高純度のシアル酸を得ることができる。
上述のようにして得られた粉末は、白色を呈し、それの
純度は、チオベルビツール法(チオバルビツール酸反
応)によると約98%であつた。
また、得られたシアル酸の赤外線吸収スペクトルは、添
付図に示したとおりであつて、試薬として市販されてい
るものと完全に一致している。
叙上のとおり、本発明によると、シアル酸を含有する種
々の乳質物質を出発原料として用い、これから高純度の
シアル酸を効率よく且つ安価に調製し得るので、シアル
酸の工業的規模での調製上益するところが大きいといえ
る。
以下実施例により本発明を具体的に説明する。
実施例 チーズホエー10トンに塩酸28kgを添加してpHを2に調整
した後、92℃で60分間加熱して加水分解を行つた。得ら
れたホエーの加水分解液をスクリユーデカンターを用い
て加熱により凝固したタンパク質を除去してシアル酸含
有液を得た。次いで、シアル酸含有液を電気透析装置
(徳山曹達社製)の脱塩槽に入れて電導度2mS/cmまで脱
酸・脱塩した後、一旦透析を中止して濃縮槽液を排棄し
た。次いで濃縮槽に蒸留水30lを入れて再び電導度50μS
/cmまで透析を行つた。透析終了後、濃縮槽を減圧濃縮
して凍結乾燥して白色粉末600gを得た。
このようにして得られた粉末のシアル酸純度は、チオバ
ルビツール法による測定で約97%であつた。
【図面の簡単な説明】
添付図は、本発明により得られたシアル酸の赤外線スペ
クトルを示したものである。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】シアル酸を含有する乳質物質を加水分解し
    てシアル酸を遊離させて得られるシアル酸含有加水分解
    液を電気透析により脱塩処理した後、再び電気透析によ
    り精製処理してシアル酸を得ることを特徴とするシアル
    酸の調製法。
  2. 【請求項2】加水分解を乳質物質に対して0.01N〜1.0N
    になるように酸を添加し、80〜100℃の温度で15〜120分
    間加熱して行う特許請求の範囲第(1)項記載のシアル
    酸の調製法。
  3. 【請求項3】加水分解を、乳質物質をカチオン交換樹脂
    に通じてpHを低下させた後、80〜100℃の温度で15〜120
    分間加熱して行う特許請求の範囲第(1)項記載のシア
    ル酸の調製法。
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