JPWO2007013153A1 - 熱交換素子およびそれを搭載した熱交換換気装置 - Google Patents

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Abstract

複数の部材2,3で仕切られた給気と排気の空間4,5を流れる二流体間での熱交換を行う熱交換素子1において、揮発性有機化合物またはカルボニル化合物を含有するが、それらの化学物質を総量で1g当たり100μg/hrより多く放散しない接合剤により複数の部材2,3が接合されている熱交換素子。

Description

本発明は、建築物や自動車などの空間内の空調に利用されるもので、換気の際に給気と排気の二流体間での熱交換を行う熱交換素子およびそれを搭載した熱交換換気装置に関する。
一般的に空調分野で利用されている熱交換換気装置に搭載されている熱交換素子には様々な形状があるが、その中でも素子自体は動作しない静止型の熱交換素子においては、基本的に二つの流体と表裏面で接して二流体間の熱および湿分(全熱交換換気装置の場合)の交換を行う仕切部材と、仕切部材表裏面を流れる二流体の流路を確保する間隔保持部材とが、接着剤または粘着剤で多数接着・積層されて形成されている。このような熱交換素子の構造の例として、特許文献1などのような直交流形、特許文献2などのような対向流形などがある。
この熱交換素子の二流体経路中に送風機を設置し、一方は屋外より空気を素子の流路へ導入し、もう一方は屋内の生活空間からの空気を素子のもう一方の流路へ導入する。そして熱交換素子を通過する際に上記のような構造によって熱交換や湿分の交換が行われる。その結果として、屋外から導入された新鮮な外気は、その温度と湿度を室内の生活空間の空気に近づけられて導入されるので、利用者の快適性を損なうことなく換気を行うことができる。
特開2004−190921号広報 特開2004−003824号公報
ところで、近年、省エネルギー化および建物の長寿命化の目的で家屋など居住空間の高気密化が進展したこと、また家屋やその設備に化学物質をより多く使用するようになったことにより、それらより揮発される有機化合物(揮発性有機化合物(VOC))の濃度が問題になっている。日本の厚生労働省ではそのうち人体に好ましくない影響を与えると思われる13物質について、その室内空気濃度の指針値を定めている。その13物質を含め、室内化学物質の濃度を低減する対策として、家屋内の空気を入れ替える機械換気の重要性がより増している。その際、換気によるエネルギーロスを最小限に押えるために、給気−排気間で熱交換をしながら換気を行って、居住空間内へ新鮮な空気を導入することができる熱交換換気装置は、省エネルギー性を確保しながら居住空間の空気の揮発性有機化合物濃度を低減することができるので、問題とされる化合物が人体へ与える影響を低減することができるため有用である。
しかし、熱交換換気装置に搭載される熱交換素子は熱や湿分の交換という目的を達するため、一般的にその中を流通する気流に対して非常に大きな接触面積を有するように構造が設計されている。そのため熱交換素子の構成材料から微量でも揮発性有機化合物などの化学物質が放散された場合には、熱交換後、居住空間に流れ込む空気の中の化学物質総量が大きなものになってしまうという問題があった。
例えば、熱交換器の熱交換素子に使用する接合剤(接着剤、粘着剤など)には主に水を主溶媒とするエマルジョン型の接合剤が用いられるが、それらには乾燥後に主剤である樹脂の残留物(未反応モノマー)などの揮発性有機化合物を多量に放散するものもある。それらの一部は製造工程で熱交換素子や熱交換換気装置自体に付着し、装置の使用時などに再放散される可能性がある。また、接着剤や粘着剤などには低温造膜性や硬化後の樹脂の柔軟性を確保するための可塑剤や、粘度調整のために入れられる有機溶剤などが含まれていることがあるが、これらも硬化後に放散し、結果として熱交換器の化学物質放散量を高めている。
これに対する対策として、熱交換素子の下流で居住空間への吹き出し口より上流の部分などに化学物質の除去・分解を行うための処理装置(例えば活性炭フィルターや分解触媒、放電を利用した分解装置など)を取り付ける方法があるが、生活空間内の空気中の化学物質を極低濃度に抑えるためには、それらの処理装置が必然的に大掛かりなものにならざるを得ず、より大きなスペースや消費エネルギーなどが必要になってしまうという問題があった。それは換気の省エネルギーを目的とした熱交換換気装置にとって好ましくない。
従って、室内化学物質の対策としては、熱交換換気装置から発生する化学物質の放散を極力押えた上で、室外からの新鮮空気の導入による室内化学物質濃度の低減による方法が好ましい。
本発明の目的は、上記課題に対応してなされたもので、空間、特に人間や生物の居住空間内に存在することが好ましくない化学物質の放散を極力抑えた熱交換素子を提案すること、およびそれを熱交換換気装置に搭載することで、該装置からの化学物質の放散量を減少させ、該装置を利用した際の空間内の化学物質濃度の低減効果をより高めることができる熱交換換気装置を提供することを目的とする。
本発明の熱交換素子は、複数の部材で仕切られた給気と排気の空間を流れる二流体間での熱交換を行う熱交換素子において、揮発性有機化合物(VOC)またはカルボニル化合物を含有するが、それらの化学物質を総量で1g当たり100μg/hrより多く放散しない接合剤(接着剤、粘着剤など)により前記複数の部材が接合されているものである。 但し、上記化学物質の放散量確認方法は、対象の接合剤を清浄な断面積2〜3cm2程度の容器に入れて乾燥(例えば100℃で5分程度の乾燥)を行った後、接合剤上の空気をサンプリングし、JIS A 1901(建築材料の揮発性有機化合物(VOC)、ホルムアルデヒドおよび他のカルボニル化合物放散測定方法-小形チャンバー法)で定義された方法で捕集、分析操作を行って得られる総揮発性有機化合物の放散速度とする。
本発明の熱交換素子は、熱交換素子を構成する複数の部材が、揮発性有機化合物の放散量が使用する接合剤1g当たり100μg/hr以下である接合剤により接合されているため、接合剤からの化学物質の放散量が抑えられ、結果として熱交換素子およびそれを搭載した熱交換換気装置より放散される化学物質の量を低減できる。したがって、本発明の熱交換換気装置を利用した換気により、居住空間内の化学物質濃度の低減効果をより高めることができる。
また、本発明では熱交換素子を構成する複数の部材の接合剤として、乾燥後の揮発性有機化合物の放散量が少ないもの、および可塑剤、有機溶剤が含まれていないものを用いることによって、熱交換素子あるいはそれを搭載した熱交換換気装置からの化学物質放散量を非常に少なくすることができる。
本発明の実施の形態1における熱交換素子の斜視図。 図1の熱交換素子を構成する単位構成部材の斜視図。
符号の説明
1 熱交換素子
2 仕切部材
3 間隔保持部材
4,5 流路
実施の形態1
図1は本発明に係る熱交換換気装置に搭載される直交流積層形熱交換素子1の一例の斜視図である。熱交換素子1は、平板上の仕切部材2と波型状の間隔保持部材3とを、まず図2のように接着して単位構成部材を形成し、その単位構成部材を仕切部材2と間隔保持部材3を重ねた方向へさらに積層する。積層する際には90度回転させながら積層し、結果として間隔保持部材3によって2つの直交した気体の流路4,5が形成されるようにする。
図2のような単位構成部材を作成する際、またその単位構成部材を積層していく際に、接合剤(接着剤や粘着剤など)が用いられ、それは主に間隔保持部材3の波型の頂部の稜線に塗布して使用される。接合剤の塗布方法、単位構成部材の作成方法、熱交換素子の積層方法などについては従来より公知の方法を用いることができる。
ここで、熱交換素子1に接着剤が利用される例を、その単位構成部材を包装用の片ダンボールの製造に用いる製造機(コルゲーター)を使って形成する場合で説明する。コルゲーターのライナーに仕切部材2を、コルゲートとして間隔保持部材3となる材料のシートをそれぞれ用い、任意の接合剤を粘度調整などを行ってコルゲーターの糊供給部にセットすることにより、連続的に単位構成部材を作成することができる。そしてさらに、このようにして構成した単位構成部材の波型の頂部の稜にロールコーターなどを用いてさらに接合剤を塗布し、90度回転させながら単位構成部材を積層していくことによって熱交換素子1を得ることができる。
上記のような熱交換素子1の製造において、仕切部材2と間隔保持部材3を接合する接合剤としては、水を主溶媒とする樹脂エマルジョン分散型の接合剤を用いることが多い。 それらは例えば接着剤の場合、接着のベースとなる樹脂を水の中に微粒子として分散させてあり、水を乾燥させることにより微粒化された樹脂同士が融合、造膜硬化する。その際に接触している部材の表面の凹凸へ接着剤樹脂が浸透して硬化するために接着効果が発現するタイプの接着剤である。これらは被接着材との相性、耐水性の有無、粘度の大小その他求められる物性を満足するために様々な種類のものがある。それらを大別すると主に用いられるものには、酢酸ビニル樹脂系エマルジョン接着剤、アクリル樹脂系エマルジョン接着剤、酢酸ビニル−アクリル酸エステル共重合樹脂エマルジョン系接着剤、エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂(EVA)エマルジョン系接着剤、などがある。加えてそれら異なる系統の樹脂を混合しているものなどもある。
また、粘着剤についても接着剤と同様に水を主溶媒とするエマルジョン型のものが使われることが多く、主に用いられるものとしてはエポキシ系、合成ゴム系、ポリウレタン系、アクリル系、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)系、シリコーン系などの粘着剤が用いられる。
しかし前述したように、これら接合剤には主成分となる樹脂の意図しない残留物が含まれている場合がある。その残留物とは、例えば樹脂を得る際にはモノマーを重合させてポリマーを得るが、その際に反応せずに残る残留モノマーや分解生成物(例として酢酸ビニル樹脂、およびエチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)樹脂を得る際の残留モノマーとして酢酸ビニルモノマー、分解生成物として酢酸、アセトアルデヒド)などである。これらは揮発性有機化合物(一般に沸点が50〜260℃の範囲にある有機化合物と定義されている。また、JIS A 1901ではガスクロマトグラフでn−ヘキサン〜n−ヘキサデカンまでの範囲内でピークをもつ有機化合物と定義されている)やそれより沸点の低い成分が含まれている。これらの成分の捕集・測定方法の一例が、JIS A 1901に詳しく規定されている。
また、エマルジョン分散型接着剤や粘着剤の造膜硬化の際に造膜を助長する、もしくは硬化後の樹脂の柔軟性を維持することを目的として、可塑剤などとしてフタル酸−n−ブチル(DBP)やフタル酸ジ−2−エチルヘキシル(DOP)などのフタル酸エステル類が導入されていることがある。これらは沸点が比較的高く揮発性有機化合物には区分されないものもあるが、フタル酸系化合物の特に上述のDBPやDOPについては厚生労働省が室内濃度基準値を定めているものもあり、空気中の濃度を低減すべきものである。
また、水を主溶媒としたエマルジョン分散型接着剤でも、一部に粘度調整の目的などでトルエン、キシレン、エチルベンゼン、スチレンなどの有機溶剤などが使用されている場合もある。結局これら可塑剤や有機溶剤などの水性エマルジョン系接着剤に入れられている化学物質が、接着剤の乾燥時に放散される化学物質の大部分である。よってこれらが含まれていない接着剤を使用することが望ましい。これら有機溶剤については沸点が比較的低いため、そのほとんどは造膜硬化の際に放散するが、一部は樹脂内に残留する。
さらに、熱交換換気装置の中には、高湿度条件下などで用いられるものがある。これらの条件下にて適用される熱交換素子などの場合には、仕切部材2、間隔保持部材3などには吸水によるダメージを防ぐため、また接合剤にも長期の信頼性を確保する目的で耐水性が求められる。そのため通常の接合剤のように可塑剤などが含まれているのに加えて、一部の接合剤では耐水性向上のため、接合剤の硬化時に分子鎖同士を架橋させる架橋剤としてホルムアルデヒドなどが入っている場合がある。ホルムアルデヒドは沸点が非常に低く(沸点-19度程度)揮発性有機化合物には含まれないが、シックハウス症候群などの原因物質として疑われており、厚生労働省もアセトアルデヒドと共に室内空気濃度の指針値を設けている。
上記のような溶媒や含有化学物質は、造膜硬化後に接合剤に残留して放散されるだけではなく、熱交換素子の加工時に乾燥・硬化の工程で放散され、その際、仕切部材2や間隔保持部材3に再吸着され、製品に加工された後、使用の際に気流が素子内を流通して再放散されるなどのケースもある。よって、極力これら化学物質が含まれていない接合剤を使用することが望ましい。
近年、水性エマルジョン分散型接着剤において、残留モノマーを減少させた樹脂を特徴とするもの、可塑剤などの化学物質を使用添加せずに従来の接着剤と同などの機能を発現する接着剤、有機溶剤を使用しない接着剤の開発が行われてきている。その主な例は、特許3299920号公報、特開2004−155997号公報、特開2001−152116号公報、特開2002−179719号公報、特開2003−171639号公報に見られる。これらの接着剤は、放散する可能性のある化学物質が主成分として含まれておらず、そのため乾燥時および乾燥後の化学物質の放散がほとんどない。
熱交換素子を構成する部材の接合に、上記のような接着剤を熱交換素子の接合剤として用いることによって、揮発性有機化合物、可塑剤、有機溶剤などの化学物質に関し、接合剤内部に存在し放散する化学物質、および熱交換素子に再吸着され放散する可能性のある化学物質が従来に比べ格段に減少する。従って、その様な熱交換素子を導入した熱交換換気装置では空間外から導入した新鮮空気中に放散する化学物質の量がさらに低減されることから、熱交換換気装置の化学物質の室内濃度低減効果を従来品よりさらに向上させることができる。また、揮発性有機化合物や可塑剤、有機溶剤はそれぞれ臭気を持っているものも多いため、副次的な効果としてそれらの放散量を押えることにより使用時の装置からの臭気の低減も期待できる。
本発明で使用する接合剤を上記加工工程に使用する際の注意点としては、コルゲーターやロールコータ―などの設備に本発明の内容に該当する接合剤を投入する際、それ以前に本発明で使用する接合剤の条件に該当しない接合剤(揮発性有機化合物を多量に放散するもの、および可塑剤、有機溶剤などを含む接着剤又は粘着剤)を使用していた場合には、混濁によって化学物質が混ざり、出来上がった熱交換素子からの化学物質の放散が非常に大きくなる場合があることである。このような汚染を防ぐために、設備内の接合剤が接触する部分について厳重に清掃を行った後、本発明で使用する接合剤を使用しなければならない。
仕切部材2および間隔保持部材3には熱交換素子1の目的・用途に応じて様々な部材が用いられる。例えば全熱交換素子の場合には仕切部材2には透湿性が要求されるため、一般には紙に様々な樹脂や薬液によってその透湿性や伸縮性を改善する特殊処理を施した特殊加工紙、透湿性を改善した樹脂単体およびその樹脂を不織布など強度を補うための基材に接着・溶着したのシートなどが用いられる。顕熱交換素子の場合にはそのような要求性能はないためさらに材料の範囲が広がり、紙以外にも樹脂膜や薄い金属板(金属膜)が用いられることもある。また、間隔保持部材3は仕切部材2間の間隔を保持する役目を担っているため、伸縮性が小さくなるように紙を樹脂などにより特殊加工したものや、樹脂膜およびそれらを不織布など強度を補うための基材に接着・溶着したもの、樹脂成型品、金属、金属薄膜を紙などに接着したものなど幅広い素材が用いられる。
熱交換素子1を構成しているこれらの仕切部材2や間隔保持部材3も空気と非常に大きな接触面積を持っているため、それら自身も可能な限り化学物質の放散量が少ない素材を選択して用いることが望ましい。しかし、例えば紙などの天然成分については、はじめから一部の揮発性有機化合物を含むこともあるため、材料として完全に含まないものを用意することが難しい場合もある。また、仕切部材2や間隔保持部材3はシート状に加工された後巻き取られたロールの形態や、切断された矩形のシートの形態となるが、この加工の際に十分周囲空気と比較的高温状態で触れ合うことが多いため、化学物質などは揮発・放散し尽くして枯れた状態、もしくはそれに近い状態にまで至ることもある。
本発明の熱交換素子1の実施例として、仕切部材2および間隔保持部材3に無機系薬剤を処方した特殊加工紙を用い、接合剤として上述した可塑剤を含まない代わりに酢酸ビニル樹脂系の水性エマルジョンにエチレン-酢酸ビニル重合体(EVA)樹脂エマルジョンを一部導入して同等性能を発現している、残留モノマーの低減処理を行った接着剤を用い、前述した方法にて作成した熱交換素子1を得た。
一方、比較例として実施例と同一の仕切部材および間隔保持部材を用い、接着剤のみ可塑剤を含有するJIS A 1901で定義された総揮発性有機化合物の放散量がJIS A 1901に準じた測定法によって接着剤1g当たり約500μg/hr程度である酢酸ビニル樹脂系の水性エマルジョン接着剤を用い、上記方法にて作成した熱交換素子を得た。そして、上記実施例と上記比較例の熱交換素子をそれぞれ同一種類の熱交換換気装置に搭載して装置自体の化学物質の放散量を測定し比較した。その結果を表1に示す。
Figure 2007013153
表1から、接着剤の化学物質の放散が熱交換素子および熱交換換気装置の化学物質放散量に影響を与えていることが分かる。またこれらのデータを検討した結果、例えば現在厚生労働省の総揮発性有機化合物量の暫定目標値である部屋内空気の総揮発性有機化合物濃度400μg/m3を満たすためには、熱交換素子の大きさや熱交換換気装置を使用する空間の広さなどにもよるが、一般的なケースの場合、接着剤からの化学物質の放散量が接着剤1g当たりに換算して大体50〜100μg/hr以下が好適であることが分かった。従って、熱交換素子1を構成する仕切部材2と間隔保持部材3とを接合する接着剤にこの量以下の放散量のものを使用することで、熱交換素子1を搭載した熱交換換気装置利用者に好適な環境を提供することができる。
そして、仕切部材2、間隔保持部材3およびそれらを結合する接合剤まで含めた熱交換素子1全体として、揮発性有機化合物またはカルボニル化合物を総量で1g当たり100μg/hrより多く放散しないようにするのが好ましい。
本発明は、構成部材の接合に接合剤を採用している熱交換換気装置であればどのような形態のものにも適用することが可能であり、その効果が期待できる。
また、本発明の熱交換換気装置は、建築物内の部屋の換気に加えて、自動車や列車などの移動体内の換気など様々な空間での使用が可能である。

Claims (9)

  1. 複数の部材で仕切られた給気と排気の空間を流れる二流体間での熱交換を行う熱交換素子において、
    揮発性有機化合物またはカルボニル化合物を含有するが、それらの化学物質を総量で1g当たり100μg/hrより多く放散しない接合剤により前記複数の部材が接合されていることを特徴とする熱交換素子。
  2. 複数の部材で仕切られた給気と排気の空間を流れる二流体間での熱交換を行う熱交換素子において、
    可塑剤を含有していない接合剤により前記複数の部材が接合されていることを特徴とする熱交換素子。
  3. 複数の部材で仕切られた給気と排気の空間を流れる二流体間での熱交換を行う熱交換素子において、
    有機溶剤を含有していない接合剤により前記複数の部材が接合されていることを特徴とする熱交換素子。
  4. 前記接合剤が可塑剤および有機溶剤を含有していないことを特徴とする請求項1記載の熱交換素子。
  5. 上記接合剤が水を主溶媒とする樹脂エマルジョン分散型接着剤であって、酢酸ビニル樹脂系エマルジョン接着剤、アクリル樹脂系エマルジョン接着剤、酢酸ビニル−アクリル酸エステル共重合樹脂エマルジョン系接着剤、エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂(EVA)エマルジョン系接着剤、ポリウレタン系接着剤のうちの一つもしくは複数を混合またはさらに重合して得られるものである請求項1ないし4のいずれかに記載の熱交換素子。
  6. 上記接合剤が水を主溶媒とする樹脂エマルジョン型粘着剤であって、エポキシ樹脂系粘着剤、合成ゴム系粘着剤、ポリウレタン系粘着剤、アクリル樹脂系粘着剤、エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂(EVA)系粘着剤、シリコーン系粘着剤のうちの一つもしくは複数を混合またはさらに重合して得られるものである請求項1ないし4のいずれかに記載の熱交換素子。
  7. 前記接合剤が耐水性を備えることを特徴とする請求項1ないし6のいずれかに記載の熱交換素子。
  8. 前記部材と前記接合剤とを含めた素子全体として揮発性有機化合物またはカルボニル化合物を総量で1g当たり100μg/hrより多く放散しないようにしたことを特徴とする請求項1ないし7のいずれかに記載の熱交換素子。
  9. 請求項1ないし8のいずれかに記載の熱交換素子を搭載してなることを特徴とする熱交換換気装置。
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