JP2001152116A - 水性系接着剤 - Google Patents

水性系接着剤

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 独特の薬品臭を有する可塑剤の使用を低減又
は不要としても、接着剤の最低造膜温度を下げることの
できる臭気のない水性系接着剤を得る。 【解決手段】 エマルジョン型接着成分又はラテックス
型接着成分と、澱粉系接着成分とを含むもの。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば内装施工に
おいて、塩化ビニル樹脂系、織物系、紙系、アクリル樹
脂系、オレフィン系等の壁紙等に広く用いられる接着剤
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、壁紙用接着剤として用いられる接
着剤は、壁紙施工の際、適度な貼り付け可能時間(オー
プンタイム)を保持し、柄合わせを容易にさせる保水性
能、天井面や重量壁紙の施工を確実にさせる初期接着性
能、価格が低価格な事から、澱粉を主体として組成され
た澱粉系接着剤であった。
【0003】しかしながら、壁紙は、従来の塩化ビニル
樹脂系壁紙に加えて、環境への影響、人体への健康配慮
から、アクリル樹脂系、オレフィン系、紙系といったエ
コ系壁紙が製品化されている。
【0004】これらの壁紙は、従来の塩化ビニル樹脂系
壁紙と比較して、接着剤塗布時の伸びや、施工後の乾燥
に伴う縮みといった伸縮率が大きく、目透きや剥離がし
やすい材料であった。また、塩化ビニル樹脂系壁紙も環
境や人体への配慮、低コスト化から、塩化ビニル樹脂の
相対的な含有量を減らし、そのため伸縮率が大きくな
り、同様の問題が発生するようになった。このような状
況から、強力な初期接着強度、乾燥接着強度を有する接
着剤が必要となった。
【0005】さらに、昨今、省エネルギー化を目的とし
て、住空間が高気密化されるにつれ、湿気や結露に対応
すべく強力な耐湿強度、耐水強度を有する接着剤が必要
となっていた。このため、従来より、澱粉系接着剤に、
酢酸ビニル樹脂系エマルジョン、エチレン−酢酸ビニル
共重合樹脂系エマルジョン、酢酸ビニル−アクリル共重
合樹脂系エマルジョン等のいずれかを5%〜10%程度
混合して接着補強としていた。
【0006】また、これら酢酸ビニル樹脂系エマルジョ
ン、エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂系エマルジョン、
酢酸ビニル−アクリル共重合樹脂系エマルジョン等は、
単独で木工用接着剤等として使用されてもいる。
【0007】しかしながら、これらのエマルジョンは、
造膜工程を経ないと接着強度が発現しないため、各々の
エマルジョンに関して、最低造膜温度(MFT)は、壁
紙施工の現場状況から想定した場合、少なくとも5℃の
領域で造膜させることが必要だと考えられている。
【0008】例えば、酢酸ビニル樹脂系エマルジョンで
は、酢酸ビニルモノマーのTg(ガラス転移温度)が3
0℃であり、可塑剤を加えてない酢酸ビニルエマルジョ
ン自体の最低造膜温度(MFT)は11℃である。そこ
で、DBP(ジブチルフタレート)やDOP(ジオクチ
ルフタレート)等の可塑剤を添加することによって樹脂
自体を可塑化し、造膜を補助し、最低造膜温度(MF
T)を5℃とする必要が有った。
【0009】従って、木工用接着剤として使用された
り、澱粉系接着剤に接着補強として添加される各種エマ
ルジョンは、可塑剤を加えて、最低造膜温度(MFT)
を3℃〜5℃としたものを用いているのが現状である。
【0010】また、可塑剤を添加する方法の他には、共
重合樹脂系では、Tg(ガラス転移温度)の低いモノマ
ーを共重合させることによって、最低造膜温度(MF
T)を下げることも可能となる。例えば、酢酸ビニル−
アクリル共重合樹脂系では、酢酸ビニルモノマー(Tg
=30℃)にアクリル酸2−エチルヘキシル(Tg=−
70℃)を共重合させることにより、最低造膜温度を5
℃以下に下げることも可能である。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、可塑剤
を加える場合、DBP(ジブチルフタレート)やDOP
(ジオクチルフタレート)は、独特の薬品臭があり、こ
れを添加された各種エマルジョン及びエマルジョンを混
合した澱粉系接着剤は当然のことながら、これらの薬品
臭がある。
【0012】尚、最近、これら可塑剤の一部は、人や野
生動物の内分泌作用を撹乱し、生殖機能阻害、悪性腫瘍
などを引き起こす可能性のある外因性内分泌撹乱化学物
質(いわゆる環境ホルモン)の可能性があると指摘され
ている。しかし、直接口にするものではないにせよ、疑
いのある化学物質を壁紙用接着剤等の接着剤に用いるこ
とは極力避けるべきではある。
【0013】一方、可塑剤を利用せず、Tg(ガラス転
移温度)の低いモノマーを共重合することも想定される
が、共重合させてMFTを下げることにより造膜は可能
であるが、Tgの低下とともに接着剤皮膜自体も柔らか
くなり、壁紙の縮みに対応できなくなったり、あるいは
粘着性が増大し、接着剤の拭き取りが悪くなったり、そ
の結果として接着剤の拭き残しに塵埃が付着し、壁紙が
変色に至ったりしやすいという課題が有った。
【0014】また、Tg(ガラス転移温度)の低いモノ
マーは、概して沸点が100℃以上の高温になるため残
存モノマーが揮散せず、臭気やVOC(揮発性有機化合
物)の原因ともなっている。
【0015】これらの課題を解決するために本考案は発
明されたものであり、その目的とするところは、独特の
薬品臭を有する可塑剤の使用を低減又は不要としても、
接着剤の最低造膜温度を下げることのできる臭気のない
水性系接着剤を得ることを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載された発
明に係る水性系接着剤は、エマルジョン型接着成分又は
ラテックス型接着成分と、澱粉系接着成分とを含むもの
である。
【0017】請求項2に記載された発明に係る水性系接
着剤は、請求項1に記載されたエマルジョン型接着成分
又はラテックス型接着成分として、可塑剤が実質的に含
まれないものを用いるものである。
【0018】請求項3に記載された発明に係る水性系接
着剤は、請求項1又は2に記載されたエマルジョン型接
着成分又はラテックス型接着成分として、ガラス転移温
度5℃以上の酢酸ビニル樹脂系、酢酸ビニル−アクリル
共重合樹脂系、アクリル共重合樹脂系、酢酸ビニル−パ
ーサチック酸ビニル共重合樹脂系、アクリル−スチレン
共重合樹脂系、エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂系、天
然ゴム系、合成ゴム系、ウレタン系の何れかの接着成分
から選ばれた一つ以上のものを用いるものである。
【0019】請求項4に記載された発明に係る水性系接
着剤は、可塑剤を実質的に含まない酢酸ビニル樹脂エマ
ルジョンと、澱粉系接着成分とを含むものである。
【0020】請求項5に記載された発明に係る水性系接
着剤は、請求項4に記載された水性系接着剤において、
前記澱粉系接着成分を10〜97wt%配合するものであ
る。
【0021】請求項6に記載された発明に係る水性系接
着剤は、請求項4又は5に記載された水性系接着剤にお
いて、前記酢酸ビニル樹脂エマルジョンとして、残存モ
ノマーを揮散させて低減されたものを用いるものであ
る。
【0022】
【発明の実施の形態】本発明においては、エマルジョン
型接着成分又はラテックス型接着成分と、澱粉系接着成
分とを含む水性系接着剤である。このため、澱粉系接着
成分が、エマルジョン型接着成分又はラテックス型接着
成分の最低造膜温度を下げることができ、可塑剤の使用
を低減又は不要とすることができ、独特の薬品臭問題を
解決することができる。また、可塑剤の添加による接着
剤皮膜の脆弱化も低減又は解消することができる。
【0023】即ち、本発明の水性系接着剤は、膨潤した
澱粉系接着成分の周りに、エマルジョン型接着成分又は
ラテックス型接着成分中の乳濁粒子が、水と共に取り巻
いた状態となっている。この水性系接着剤が被接着面に
塗布されると、膨潤した澱粉系接着成分同士が互いに接
合しつつ造膜される。これに伴い、澱粉系接着成分の周
囲に取り巻いた乳濁粒子が、互いに引っ張られ造膜す
る。この澱粉系接着成分により、最低造膜温度が下げら
れ、可塑剤の使用を低減又は不要とすることができ、可
塑剤の添加による接着剤皮膜の脆弱化も低減又は解消す
ることができる。
【0024】従って、可塑剤が実質的に含まれないエマ
ルジョン型接着成分又はラテックス型接着成分であって
も、澱粉系接着成分により、最低造膜温度が下げられ、
少なくとも5℃の領域で造膜させることが可能となり、
可塑剤の薬品臭を解消することができる。
【0025】本発明は、一般的に可塑剤の添加が必要と
されるエマルジョン型接着成分又はラテックス型接着成
分を含む水性系接着剤に適用可能である。詳しくは、エ
マルジョン型接着成分又はラテックス型接着成分として
は、ガラス転移温度5℃以上の酢酸ビニル樹脂系、酢酸
ビニル−アクリル共重合樹脂系、アクリル共重合樹脂
系、酢酸ビニル−パーサチック酸ビニル共重合樹脂系、
アクリル−スチレン共重合樹脂系、エチレン−酢酸ビニ
ル共重合樹脂系、天然ゴム系、合成ゴム系、ウレタン系
の何れかの接着成分から選ばれた一つ以上のものを用い
ることができる。
【0026】澱粉系接着成分の添加は、乳化重合等で合
成された乳濁状のエマルジョン型接着成分又はラテック
ス型接着成分に澱粉類の粉末を添加して、混合しながら
加温して添加した澱粉類を膨潤させてもよいが、予め膨
潤させた澱粉系接着剤と、乳化重合等で合成された乳濁
状のエマルジョン型接着剤又はラテックス型接着剤とを
混合して得た方が、均一な分散系が得られる。
【0027】澱粉系接着成分の添加・混合量は、エマル
ジョン型接着成分又はラテックス型接着成分の種類や、
固形分量の違いにより、相違するが、例えば、固形分が
40%のエマルジョン型接着剤又はラテックス型接着剤
に対して、固形分が24%の澱粉系接着剤を10〜97
wt%添加・混合することができる。
【0028】本発明では、特に、可塑剤を実質的に含ま
ない酢酸ビニル樹脂エマルジョンでは、澱粉系接着成分
と共に添加することにより、最低造膜温度を11℃から
大きく下げることができ、更には5℃以下にまで下げる
ことができる。これにより、可塑剤の使用を不要とし
て、独特の薬品臭問題を解決することができる。また、
可塑剤の添加による接着剤皮膜の脆弱化も無くなる。
【0029】澱粉系接着成分の添加・混合量は、固形分
が40%の酢酸ビニル樹脂エマルジョンに対して、固形
分が24%の澱粉系接着剤を10〜97wt%添加・混合
する。より好ましくは、50〜97wt%添加・混合する
ことにより、最低造膜温度を11℃から大きく下げるこ
とができ、更には5℃以下にまで下げることができる。
また、初期接着力、接着強度、目透き量等の接着性能
も、可塑剤添加のものと同等かそれ以上のものとするこ
とができる。
【0030】また、可塑剤を実質的に含まない酢酸ビニ
ル樹脂エマルジョンとして、残存モノマーを揮散させて
低減されたものを用いることにより、モノマー由来の臭
気も低減又は無臭化させることができ、無臭の水性系接
着剤を得ることができる。尚、残存モノマーの揮散は、
酢酸ビニル樹脂エマルジョンの重合後80〜95℃に加
熱することにより揮散する。少なくとも80〜95℃の
加熱時間を2〜6時間行うことにより、残存モノマーを
1000ppm以下とすることができる。
【0031】
【実施例】実施例1.酢酸ビニルエマルジョン−澱粉系
接着成分水性系接着剤 表1は、酢酸ビニル樹脂単体エマルジョンの最低造膜温
度(MFT)を測定したものである。重合後、可塑剤
(DBP;ジブチルフタレート)を配合しないものと、
配合したもの(酢酸ビニルモノマーに対し11.5%
(重量比))である。表1が示すように、酢酸ビニル樹
脂単体エマルジョンでは、可塑剤が存在しないと、5℃
以下の造膜は不可能であった。
【0032】
【表1】
【0033】
【表2】
【0034】表2は、可塑剤を含有していない酢酸ビニ
ル樹脂単体に、澱粉系接着剤の配合比率を変化させ、接
着剤として使用されている粘性に希釈し、そのMFT
(最低造膜温度)を測定した結果である。
【0035】表2が示すように澱粉系接着剤を配合させ
ることにより、可塑剤を使用しなくても、望ましくは酢
酸ビニル樹脂エマルジョンが50%以内の配合であれ
ば、造膜が3℃〜5℃の範囲で可能であった。
【0036】表3は、表2で使用した接着剤の一部に
て、初期接着力、施工後の目透き量、接着力を測定した
ものである。表3が示すように、澱粉系接着剤に酢酸ビ
ニル樹脂を配合した場合、接着性能的に問題が無いこと
がわかった。
【0037】
【表3】
【0038】上記結果より、酢酸ビニル樹脂は、単体で
は可塑剤が存在しないと、11℃において造膜するが、
例えば、澱粉系接着剤に5%配合すると、造膜温度が3
℃まで低下し、接着性能も、可塑剤有りと比較して、性
能が低下することはなかった。むしろ、皮膜の剛性が強
くなるため、20℃での接着性能が優れていることがわ
かった。
【0039】実施例2.造膜モデル 以上の酢酸ビニルエマルジョン−澱粉系接着成分水性系
接着剤の造膜過程を以下のように推定した。図1は造膜
過程を模式的に示す説明図である。a図は酢酸ビニルエ
マルジョン系水性系接着剤の造膜モデルを示す説明図、
b図は酢酸ビニルエマルジョン−澱粉系接着成分水性系
接着剤の造膜モデルを示す説明図である。
【0040】a図に示すとおり、通常、酢酸ビニル樹脂
エマルジョンは、分散媒である水(1) 中に酢酸ビニル樹
脂の乳濁粒子(2) が分散している状態である。このエマ
ルジョンを壁面(3) 上に塗布すると、乾燥に伴って、乳
濁粒子(2) 同士が互いに接着、融着して皮膜(4) を形成
すると考えられている。この互いの粒子を溶着させるた
めにTg(ガラス転移温度)が高いモノマー組成の場合、
可塑剤が必要となる。
【0041】一方、b図に示すとおり、酢酸ビニル樹脂
エマルジョン−澱粉系接着成分系水性系接着剤は、分散
媒である水(11)中に酢酸ビニル樹脂の乳濁粒子(12)と、
膨潤した澱粉(15)とが分散している状態である。酢酸ビ
ニル樹脂の乳濁粒子(12)のうち一部は膨潤した澱粉分子
(15)に付着している。このエマルジョン−澱粉系接着成
分水性系接着剤を壁面(13)上に塗布すると、乾燥に伴っ
て、先ず膨潤した澱粉分子(15)同士が互いに接合しつつ
造膜が行われ、これに伴い、澱粉分子(15)を取り巻いた
乳濁粒子(12)が引っ張られ、乳濁粒子(12)同士が互いに
接着、融着して皮膜(14)を形成すると考える。
【0042】実施例3.残留モノマーの低減 表4は、代表的モノマーのそれぞれの沸点を表したもの
である。酢酸ビニルモノマーは、沸点が73℃のため、
重合後、熟成時にエマルジョンを80〜95℃に2〜6
時間加熱することにより、未反応の酢酸ビニルモノマー
は揮散する。
【0043】
【表4】
【0044】表5は、熟成前と熟成後の残存モノマーを
測定したものである。試験の結果、熟成後の残存モノマ
ーは、1000ppm以下になるため、臭気は感じられ
なかった。
【0045】
【表5】
【0046】実施例4.まとめ 実施例1,2に示すように、澱粉系接着剤と、可塑剤を
まったく含有しない酢酸ビニルエマルジョンとの混合に
より、最低造膜温度を11℃から大きく下げることがで
き、更には5℃以下にまで下げることができる。
【0047】表6は、1998年10月より1999年
10月までの気象台情報による月別平均気温である。ま
た、図2は表6をグラフ化したものである。それぞれの
地域、気候に適合すべく澱粉系接着剤を配合することに
より、造膜温度を調整し、可塑剤の添加量を不要、ある
いは極少量に抑えることが可能である。
【0048】
【表6】
【0049】また、本発明は、実施例2に示した造膜過
程を経ると考えられるので、酢酸ビニル樹脂エマルジョ
ンの他、あらゆるエマルジョン型接着成分又はラテック
ス型接着成分を有するものにも適用できる。
【0050】例えば、ガラス転移温度5℃以上の酢酸ビ
ニル−アクリル共重合樹脂系、アクリル共重合樹脂系、
酢酸ビニル−パーサチック酸ビニル共重合樹脂系、アク
リル−スチレン共重合樹脂系、エチレン−酢酸ビニル共
重合樹脂系、天然ゴム系、合成ゴム系、ウレタン系、各
接着剤組成物から選ばれた一つ以上の水性系接着剤組成
物も適用可能である。
【0051】これらの合成樹脂系エマルジョン、あるい
は、合成ゴム系ラテックスも澱粉系接着剤を配合させる
ことにより、造膜性を補助し、皮膜の剛性を保持したま
ま、あるいは、可塑剤を使用せず、接着性能を発現する
ことが可能である。
【0052】以上のように、本発明の水性系接着剤は次
の効果を有する。 (1) 可塑剤を含有していないため、薬品臭を低減するこ
とができ、健康住宅に貢献できる。 (2) 皮膜に剛性が保持できるため、壁紙の目透きや剥離
を強力に防止する。 (3) 施工中、施工後も、可塑剤によるべた付きや塵埃の
付着が無く、美しく壁紙が仕上がる。 (4) 残存モノマーを極少量に抑えるため、無臭に限りな
く近く、VOC(揮発性有機化合物)の懸念も無い。
【0053】
【発明の効果】本発明は以上説明した通り、独特の薬品
臭を有する可塑剤の使用を低減又は不要としても、接着
剤の最低造膜温度を下げることのできる臭気のない水性
系接着剤を得ることができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】造膜過程を模式的に示す説明図である。a図は
酢酸ビニルエマルジョン系水性系接着剤の造膜モデルを
示す説明図、b図は酢酸ビニルエマルジョン−澱粉系接
着成分水性系接着剤の造膜モデルを示す説明図である。
【図2】1998年10月より1999年10月までの
気象台情報による月別平均気温の推移を示すグラフであ
る。
【符号の説明】
(11)…水(分散媒)、 (12)…乳濁粒子、 (13)…壁面、 (14)…皮膜、 (15)…膨潤澱粉分子、
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 橋本 健一 富山県高岡市下麻生4649番地 ヤヨイ化学 工業株式会社内 (72)発明者 耶雲 隆弘 富山県高岡市下麻生4649番地 ヤヨイ化学 工業株式会社内 Fターム(参考) 4J040 BA101 BA102 CA011 CA012 CA031 CA032 DA051 DA052 DB061 DB062 DE021 DE022 DF001 DF002 EF001 EF002 JA03 LA02 LA06 LA07 LA11 MA06 MA08 MA09 MA10 MB02 MB03 MB09 NA12 NA13

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エマルジョン型接着成分又はラテックス
    型接着成分と、澱粉系接着成分とを含むことを特徴とす
    る水性系接着剤。
  2. 【請求項2】 前記エマルジョン型接着成分又はラテッ
    クス型接着成分として、可塑剤が実質的に含まれないも
    のを用いることを特徴とする請求項1に記載された水性
    系接着剤。
  3. 【請求項3】 前記エマルジョン型接着成分又はラテッ
    クス型接着成分として、ガラス転移温度5℃以上の酢酸
    ビニル樹脂系、酢酸ビニル−アクリル共重合樹脂系、ア
    クリル共重合樹脂系、酢酸ビニル−パーサチック酸ビニ
    ル共重合樹脂系、アクリル−スチレン共重合樹脂系、エ
    チレン−酢酸ビニル共重合樹脂系、天然ゴム系、合成ゴ
    ム系、ウレタン系の何れかの接着成分から選ばれた一つ
    以上のものを用いることを特徴とする請求項1又は2に
    記載された水性系接着剤。
  4. 【請求項4】 可塑剤を実質的に含まない酢酸ビニル樹
    脂エマルジョンと、澱粉系接着成分とを含むことを特徴
    とする水性系接着剤。
  5. 【請求項5】 請求項4に記載された水性系接着剤にお
    いて、 前記澱粉系接着成分を10〜97wt%配合することを特
    徴とする水性系接着剤。
  6. 【請求項6】 請求項4又は5に記載された水性系接着
    剤において、 前記酢酸ビニル樹脂エマルジョンとして、残存モノマー
    を揮散させて低減されたものを用いることを特徴とする
    水性系接着剤。
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