JPWO2006123689A1 - 界面活性剤修飾酵素を用いたカルボン酸の製造方法 - Google Patents
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Abstract
本発明は、界面活性剤修飾酵素の存在下、有機溶媒中にて、水と、カルボン酸エステル、但し、トリグリセリドを除く、を選択的に反応させることを特徴とする、界面活性剤修飾酵素を用いたカルボン酸の製造方法に関する。
Description
本発明は、界面活性剤修飾酵素の存在下、水と、水と均一相を形成する有機溶媒とを含んでなる均一系溶媒中で、カルボン酸エステルを加水分解してカルボン酸を製造する方法に関し、特に、エステル部位以外に不斉炭素原子を有するカルボン酸エステル(ラセミ体混合物;例えば、α又はβ−アミノ酸エステル(ラセミ体混合物))を加水分解して、光学活性カルボン酸(例えば、α又はβ−アミノ酸)を製造する方法に関する。尚、本発明の界面活性剤修飾酵素とは、酵素表面を界面活性剤で被覆したものであって、化学的に見れば酵素の表面と界面活性剤の親水基が水素結合等の相互作用によって結合しているものをさす。本発明によって得られるカルボン酸、特に光学活性カルボン酸(例えば、光学活性α又はβ−アミノ酸)は、生理活性ペプチドやラクタム系抗生物質等の医・農薬品、生理活性物質の原料又は合成中間体として有用である(例えば、特許文献1−3参照)。
従来、界面活性剤修飾酵素の存在下、カルボン酸エステルを加水分解してカルボン酸を製造する方法としては、界面活性剤被覆リパーゼの存在下、イソオクタン中でトリグリセリドを加水分解し、トリオレイン、ジオレイン及びモノオレインの混合物を得る方法が開示されている(例えば、非特許文献1参照)。しかしながら、この方法では、トリグリセリドの加水分解反応以外の記載は全くない。
一方、カルボン酸エステルが、α又はβ−アミノ酸エステル(ラセミ体混合物)を加水分解して光学活性α又はβ−アミノ酸エステルを製造する方法としては、例えば、バルクホルデリア・セパシア(シュードモナス・セパシア)(Burkholderia cepacia(Pseudomonas cepacia))を起源とするリパーゼ(商品名:Amano PS)の存在下、3−アミノ−3−アリールプロピオン酸エチルエステル(ラセミ体混合物)を水中で片方のエナンチオマーのみを選択的に加水分解させて、光学活性(S)−3−アミノ−3−アリールプロピオン酸及び光学活性(R)−3−アミノ−3−アリールプロピオン酸エチルエステルを得る方法が開示されている(例えば、非特許文献2参照。)。
しかしながら、この方法では、酵素によるエナンチオマー間の選択性の指標であるE値が低く、生成物である光学活性カルボン酸が水溶性である場合には、反応終了後、水溶液から100%回収することは困難である上に、多量の水の存在下では基質の自己加水分解反応により光学純度の低下を招くという問題があった。なお、E値は、速度論的光学分割の選択性の指標として幅広く利用されている(例えば、非特許文献3参照。)。
又、光学活性3−アミノ−3−アリールプロピオン酸を得る方法として、エステル部位をプロピルエステルとすることで収率及び良好な光学純度を達成できる方法が知られている(例えば、特許文献4参照)。
しかしながら、この方法では、水を多量に用いなければならないため、水相のpH調整が必須となる等、反応操作が煩雑になるという問題があった。なお、必要とされる光学活性β−アミノ酸エステルは、メチルエステル又はエチルエステルが所望される場合が多いため、得られた光学活性β−アミノ酸プロピルエステルをエステル交換反応などで所望のメチルエステル又はエチルエステルに誘導しなければならず、効率的な方法ではなかった。
更に、光学活性3−アミノ−3−アリールプロピオン酸を得る方法として、3−アミノ−3−アリールプロピオン酸エステル(ラセミ化合物)の酵素的加水分解反応を、水と有機溶媒の2相系で行うことにより、高いエナンチオ選択性を実現できる方法が知られている(例えば、特許文献5参照)。
しかしながら、この方法では、生成物である光学活性カルボン酸が水溶性である場合には、反応終了後、水溶液から100%回収することは困難である上に、多量の水の存在下では基質の自己加水分解反応により光学純度の低下を招くという問題があった。
化学工学論文集,19(3),424(1993) Tetrahedron Lett.,41,2679(2000) J.Am.Chem.Soc.,104,7294(1982) J.Org.Chem.,60,2244(1995) 「化学辞典」、東京化学同人出版、948頁(2000年) J.Member.Sci.,19,237(1984) WO2001/042192 WO2004/092116 US2003/0199692 特開2003−325195号公報 特開2003−325197号公報 特開昭64−80282号公報 特開平4−23981号公報 特開平6−269285号公報 特開平9−118844号公報 特開平10−248558号公報 特許第3218794号
化学工学論文集,19(3),424(1993) Tetrahedron Lett.,41,2679(2000) J.Am.Chem.Soc.,104,7294(1982) J.Org.Chem.,60,2244(1995) 「化学辞典」、東京化学同人出版、948頁(2000年) J.Member.Sci.,19,237(1984)
本発明の課題は、即ち、上記問題点を解決し、簡便な方法によって、カルボン酸エステルを加水分解反応させてカルボン酸を製造する方法を提供するものであり、特に、エステル部位以外に不斉炭素原子を有するカルボン酸エステル(ラセミ体混合物)、例えば、α又はβ−置換カルボン酸エステル(ラセミ体混合物)を加水分解反応させて、高いE値で、同時に光学活性(S又はR)−α又はβ−置換カルボン酸と光学活性(R又はS)−α又はβ−置換カルボン酸エステルとを同時に製造する方法を提供することにもある。
本発明の課題は、界面活性剤修飾酵素の存在下、有機溶媒中にて、水と、カルボン酸エステル、但し、トリグリセリドを除く、を選択的に反応させることを特徴とする、カルボン酸の製造方法によって解決される。
本発明の加水分解反応において使用するカルボン酸エステルは、特に限定されないが、好ましくはエステル部位以外に不斉炭素原子を有するカルボン酸エステル(ラセミ体混合物)、更に好ましくは一般式(I):
式中、Rは、置換基を有していても良い、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基、アラアルキル基、アリール基又はヘテロアリール基を表し、R1は、置換基を有していても良いアルキル基を表し、Zは、保護基を有していても良いアミノ基、保護基を有していても良いヒドロキシル基又はアルキル基を表し、*は不斉炭素原子を表す、なお、nは、0又は1である、
で示されるα又はβ−置換カルボン酸エステル(ラセミ体混合物;以下、化合物(I)と称する)である。
で示されるα又はβ−置換カルボン酸エステル(ラセミ体混合物;以下、化合物(I)と称する)である。
化合物(I)におけるRは、置換基を有していても良いアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基、アラアルキル基、アリール基又はヘテロアリール基を表す。
前記のRにおける置換基を有していても良いアルキル基のアルキル基としては、直鎖状又は分岐状の炭素原子数1〜10のアルキル基が挙げられ、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基等のアルキル基が挙げられるが、好ましくはメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、n−オクチル基等の炭素原子数1〜8のアルキル基、更に好ましくはメチル基、エチル基である。なお、これらの基は、各種異性体を含む。
置換基を有していても良いアルキル基における置換基としては、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等のハロゲン原子;ヒドロキシル基;メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基等の炭素原子数1〜4のアルコキシ基;アミノ基;ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基等のジアルキルアミノ基;シアノ基;ニトロ基が挙げられるが、好ましくはフッ素原子、塩素原子、ヒドロキシル基、アミノ基、ジアルキルアミノ基である。
このような置換基を有するアルキル基としては、具体的には、例えば、フルオロメチル基、クロロメチル基、ヒドロキシメチル基、メトキシメチル基、アミノメチル基、ジメチルアミノメチル基、2−クロロエチル基、2,2−ジクロロエチル基、2−ヒドロキシエチル基、2−シアノエチル基等が挙げられるが、好ましくはフルオロメチル基、クロロメチル基、ヒドロキシメチル基、アミノメチル基、ジメチルアミノメチル基、2−クロロエチル基、2−シアノエチル基である。
前記Rにおける置換基を有していても良いアルケニル基のアルケニル基としては、例えば、ビニル基、プロペニル基、ブテニル基、ペンテニル基、ヘキセニル基、ヘプテニル基、オクテニル基、ノネニル基、デセニル基等の炭素原子数2〜10のアルケニル基が挙げられるが、好ましくはビニル基、プロペニル基、ブテニル基、ペンテニル基等の炭素原子数2〜7のアルケニル基、更に好ましくはビニル基、1−プロペニル基、2−プロペニル基等の炭素原子数2〜3のアルケニル基である。なお、これらの基は、各種異性体を含む。
置換基を有していても良いアルケニル基における置換基としては、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等のハロゲン原子;ヒドロキシル基;メトキシル基、エトキシル基、プロポキシル基、ブトキシル基等の炭素原子数1〜4のアルコキシル基;アミノ基;ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基等のジアルキルアミノ基;シアノ基;ニトロ基が挙げられるが、好ましくはフッ素原子、塩素原子、ヒドロキシル基、アミノ基、ジアルキルアミノ基である。
このような置換基を有するアルケニル基としては、具体的には、例えば、1−フルオロエテニル基、1−クロロエテニル基、1−ヒドロキシエテニル基、1−メトキシエテニル基、1−アミノエテニル基、1−シアノエテニル基、2−フルオロエテニル基、2−クロロエテニル基、2−ヒドロキシエテニル基、2−メトキシエテニル基、2−アミノエテニル基、2−シアノエテニル基、1,2−ジメチルアミノエテニル基、1−フルオロ−2−プロペニル基、1−クロロ−2−プロペニル基、1−ヒドロキシ−2−プロペニル基、1−メトキシ−2−プロペニル基、1−アミノ−2−プロペニル基、1−シアノ−2−プロペニル基、3−フルオロ−1−プロペニル基、3−クロロ−1−プロペニル基、3−ヒドロキシ−2−プロペニル基、3−メトキシ−2−プロペニル基、3−アミノ−2−プロペニル基、2−シアノ−2−プロペニル基、3,3−ジメチルアミノ−2−プロペニル基、3,3−ジクロロ−2−プロペニル基等が挙げられるが、好ましくは、1−フルオロエテニル基、1−クロロエテニル基、1−ヒドロキシエテニル基、1−アミノエテニル基、1−シアノエテニル基、1−フルオロ−2−プロペニル基、1−クロロ−2−プロペニル基、1−シアノ−2−プロペニル基である。
前記Rにおける置換基を有していても良いアルキニル基のアルキニル基としては、例えば、エチニル基、プロピニル基、ブチニル基、ペンチニル基、ヘキシニル基、ヘプチニル基、オクチニル基、ノニニル基、デシニル基等の炭素原子数2〜10のアルキニル基が挙げられるが、好ましくはエチニル基、プロピニル基、ブチニル基、ペンチニル基等の炭素原子数2〜7のアルキニル基、更に好ましくはエチニル、1−プロピニル基、2−プロピニル基等の炭素原子数2〜3のアルキニル基である。なお、これらの基は、各種異性体を含む。
置換基を有していても良いアルキニル基における置換基としては、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等のハロゲン原子;ヒドロキシル基;メトキシル基、エトキシル基、プロポキシル基、ブトキシル基等の炭素原子数1〜4のアルコキシル基;アミノ基;ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基等のジアルキルアミノ基;シアノ基;ニトロ基が挙げられるが、好ましくはフッ素原子、塩素原子、ヒドロキシル基、アミノ基、ジアルキルアミノ基である。
このような置換基を有するアルキニル基としては、具体的には、例えば、2−フルオロエチニル基、2−クロロエチニル基、2−ヒドロキシエチニル基、2−メトキシエチニル基、2−アミノエチニル基、2−シアノエチニル基、1−フルオロ−2−プロピニル基、1−クロロ−2−プロピニル基、1−ヒドロキシ−2−プロピニル基、1−メトキシ−2−プロピニル基、1−アミノ−2−プロピニル基、1−シアノ−2−プロピニル基、1,1−ジクロロ−2−プロピニル基、1,1−ジアミノ−2−プロピニル基等が挙げられるが、好ましくは2−フルオロエチニル基、2−クロロエチニル基、2−ヒドロキシエチニル基、2−アミノエチニル基、1−フルオロ−2−プロピニル基、1,1−ジクロロ−2−プロピニル基である。
前記のRにおける置換基を有していても良いシクロアルキル基のシクロアルキル基とは炭素原子数3〜10のシクロアルキル基であり、例えば、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、シクロノニル基、シクロデシル基のようなシクロアルキル基が挙げられるが(なお、これらの基は、各種異性体を含む)、好ましくはシクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基等の炭素原子数3〜8のシクロアルキル基であり、更に好ましくはシクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等の炭素原子数3〜6のシクロアルキル基である。
置換基を有していても良いシクロアルキル基における置換基としては、炭素原子数1〜6のアルキル基、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等のハロゲン原子;ヒドロキシル基;メトキシル基、エトキシル基、プロポキシル基、ブトキシル基等の炭素原子数1〜4のアルコキシル基;アミノ基;ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基等の炭素原子数2〜12のジアルキルアミノ基;シアノ基;ニトロ基が挙げられるが、好ましくはフッ素原子、塩素原子、ヒドロキシル基、アミノ基、ジアルキルアミノ基である。
このような置換基を有していても良いシクロアルキル基としては、具体的には、例えば、1−フルオロシクロプロピル基、2−クロロシクロプロピル基、3−フルオロシクロブチル基、メトキシシクロプロピル基、アミノシクロペンチル基、ジメチルアミノシクロヘキシル基、2−クロロシクロプロピル基、2,2−ジクロロシクロヘキシル基、2−ヒドロキシシクロブチル基、2−シアノシクロヘキシル基等が挙げられるが、好ましくはフルオロシクロプロピル基、クロロシクロブチル基である。
前記Rにおける置換基を有していても良いアラルキル基のアラルキル基とは、例えば、ベンジル基、フェネチル基、フェニルプロピル基、フェニルブチル基、等のアラルキル基等が挙げられるが、好ましくはベンジル基、1−フェネチル基、2−フェネチル基、3−フェニルプロピル基、3−フェニルブチル基である。なお、これらの基は、各種異性体を含む。
置換基を有していても良いアラアルキル基における置換基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基等の炭素原子数1〜10のアルキル基(なお、これらの基は、各種異性体を含む。);ヒドロキシル基;ニトロ基;フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等のハロゲン原子;メトキシル基、エトキシル基、プロポキシル基、ブトキシル基、ペンチルオキシル基、ヘキシルオキシル基、ヘプチルオキシル基、オクチルオキシル基、ノニルオキシル基、デシルオキシル基等の炭素原子数1〜10のアルコキシル基(なお、これらの基は、各種異性体を含む。);ベンジルオキシル基、フェネチルオキシル基、フェニルプロポキシル基等の炭素原子数7〜10のアラルキルオキシル基(なお、これらの基は、各種異性体を含む。);フェニルオキシル基、ネフチルオキシル基等のアリールオキシル基(なお、これらの基は、各種異性体を含む。);メトキシメトキシル基、メトキシエトキシル基等の炭素原子数2〜12のアルコキシアルコキシル基(なお、これらの基は、各種異性体を含む。);メチルアミノ基、エチルアミノ基等の炭素原子数1〜6のモノアルキルアミノ基(なお、これらの基は、各種異性体を含む。);ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基等の炭素原子数2〜12のジアルキルアミノ基(なお、これらの基は、各種異性体を含む。);ホルミルアミノ基、アセチルアミノ基、ベンゾイルアミノ基等の炭素原子数1〜6のアシルアミノ基(なお、これらの基は、各種異性体を含む。);ニトロ基;シアノ基;トリフルオロメチル基等の炭素原子数1〜6のハロゲン化アルキル基が挙げられる。
このような置換基を有するアラルキル基としては、具体的には、例えば、2−フルオロベンジル基、3−フルオロベンジル基、4−フルオロベンジル基、3,4−ジフルオロベンジル基、2,4−ジフルオロベンジル基、2−クロロベンジル基、3−クロロベンジル基、4−クロロベンジル基、2,4−ジクロロベンジル基、3,4−ジクロロベンジル基、2−ブロモベンジル基、3−ブロモベンジル基、4−ブロモベンジル基、2,4−ジブロモベンジル基、3,4−ジブロモベンジル基、2−ヨードベンジル基、3−ヨードベンジル基、4−ヨードベンジル基、2,3−ジヨードベンジル基、3,4−ジヨードベンジル基、2−メチルベンジル基、3−メチルベンジル基、4−メチルベンジル基、2−エチルベンジル基、3−エチルベンジル基、4−エチルベンジル基、2−ヒドロキシベンジル基、3−ヒドロキシベンジル基、4−ヒドロキシベンジル基、2−メトキシベンジル基、3−メトキシベンジル基、4−メトキシベンジル基、2,4−ジメトキシベンジル基、3,4−ジメトキシベンジル基、2−エトキシベンジル基、4−エトキシベンジル基、2−トリフルオロメチルベンジル基、4−トリフルオロメチルベンジル基、4−ベンジルオキシベンジル基、2−ニトロベンジル基、3−ニトロベンジル基、4−ニトロベンジル基、2−シアノベンジル基、3−シアノベンジル基、4−シアノベンジル基、4−ジメチルアミノベンジル基、4−ホルミルアミノベンジル基、2−アセチルアミノベンジル基、3−アセチルアミノベンジル基、4−アセチルアミノベンジル基、4−ベンゾイルアミノベンジル基、2−(2−フルオロフェニル)エチル基、2−(3−フルオロフェニル)エチル基、2−(4−フルオロフェニル)エチル基、2−(3,4−ジフルオロフェニル)エチル基、2−(2,4−ジフルオロフェニル)エチル基、2−(2−クロロフェニル)エチル基、2−(3−クロロフェニル)エチル基、2−(4−クロロフェニル)エチル基、2−(2,4−ジクロロフェニル)エチル基、2−(3,4−ジクロロフェニル)エチル基、2−(2−ブロモフェニル)エチル基、2−(3−ブロモフェニル)エチル基、2−(4−ブロモフェニル)エチル基、2−(2,4−ジブロモフェニル)エチル基、2−(3,4−ジブロモフェニル)エチル基、2−(2−ヨードフェニル)エチル基、2−(3−ヨードフェニル)エチル基、2−(4−ヨードフェニル)エチル基、2−(2,3−ジヨードフェニル)エチル基、2−(3,4−ジヨードフェニル)エチル基、2−(2−トリル)エチル基、2−(3−トリル)エチル基、2−(4−トリル)エチル基、2−(2−エチルフェニル)エチル基、2−(3−エチルフェニル)エチル基、2−(4−エチルフェニル)エチル基、2−(2−ヒドロキシフェニル)エチル基、2−(4−ヒドロキシフェニル)エチル基、2−(2−メトキシフェニル)エチル基、2−(3−メトキシフェニル)エチル基、2−(4−メトキシフェニル)エチル基、2−(2,4−ジメトキシフェニル)エチル基、2−(3,4−ジメトキシフェニル)エチル基、2−(2−エトキシフェニル)エチル基、2−(4−エトキシフェニル)エチル基、2−(2−トリフルオロメチルフェニル)エチル基、2−(4−トリフルオロメチルフェニル)エチル基、2−(4−ベンジルオキシフェニル)エチル基、2−(2−ニトロフェニル)エチル基、2−(3−ニトロフェニル)エチル基、2−(4−ニトロフェニル)エチル基、2−(2−シアノフェニル)エチル基、2−(3−シアノフェニル)エチル基、2−(4−シアノフェニル)エチル基、2−(4−ジメチルアミノフェニル)エチル基、2−(4−ホルミルアミノフェニル)エチル基、2−(2−アセチルアミノフェニル)エチル基、2−(3−アセチルアミノフェニル)エチル基、2−(4−アセチルアミノフェニル)エチル基、2−(4−ベンゾイルアミノフェニル)エチル基、3−(2−フルオロフェニル)プロピル基、3−(4−フルオロフェニル)プロピル基、3−(4−クロロフェニル)プロピル基、3−(4−ブロモフェニル)プロピル基、3−(4−ヨードフェニル)プロピル基、3−(2−クロロフェニル)プロピル基、3−(2−メトキシフェニル)プロピル基、3−(4−メトキシフェニル)プロピル基、3−(3,4−ジメトキシフェニル)プロピル基、3−(4−トリフルオロメチルフェニル)プロピル基、3−(2−トリフルオロメチルフェニル)プロピル基、3−(4−ニトロフェニル)プロピル基、3−(4−シアノフェニル)プロピル基、3−(4−アセチルアミノフェニル)プロピル基等が挙げられるが、好ましくは2−フルオロベンジル基、3−フルオロベンジル基、4−フルオロベンジル基、2−クロロベンジル基、3−クロロベンジル基、4−クロロベンジル基、2−ブロモベンジル基、3−ブロモベンジル基、4−ブロモベンジル基、22−ヨードベンジル基、3−ヨードベンジル基、4−ヨードベンジル基、2−メチルベンジル基、3−メチルベンジル基、4−メチルベンジル基、2−ヒドロキシベンジル基、4−ヒドロキシベンジル基、2−メトキシベンジル基、3−メトキシベンジル基、4−メトキシベンジル基、3,4−ジメトキシベンジル基、2−トリフルオロメチルベンジル基、4−トリフルオロメチルベンジル基、4−ベンジルオキシベンジル基、2−ニトロベンジル基、3−ニトロベンジル基、4−ニトロベンジル基、2−シアノベンジル基、3−シアノベンジル基、4−シアノベンジル基、4−ホルミルアミノベンジル基、3−アセチルアミノベンジル基、4−アセチルアミノベンジル基、4−ベンゾイルアミノベンジル基、2−(2−フルオロフェニル)エチル基、2−(3−フルオロフェニル)エチル基、2−(4−フルオロフェニル)エチル基、2−(2−クロロフェニル)エチル基、2−(3−クロロフェニル)エチル基、2−(4−クロロフェニル)エチル基、2−(2−ブロモフェニル)エチル基、2−(3−ブロモフェニル)エチル基、2−(4−ブロモフェニル)エチル基、2−(2−ヨードフェニル)エチル基、2−(3−ヨードフェニル)エチル基、2−(4−ヨードフェニル)エチル基、2−(2−トリル)エチル基、2−(3−トリル)エチル基、2−(4−トリル)エチル基、2−(2−エチルフェニル)エチル基、2−(2−ヒドロキシフェニル)エチル基、2−(4−ヒドロキシフェニル)エチル基、2−(2−メトキシフェニル)エチル基、2−(3−メトキシフェニル)エチル基、2−(4−メトキシフェニル)エチル基、2−(2,4−ジメトキシフェニル)エチル基、2−(3,4−ジメトキシフェニル)エチル基、2−(2−トリフルオロメチルフェニル)エチル基、2−(4−トリフルオロメチルフェニル)エチル基、2−(4−ベンジルオキシフェニル)エチル基、2−(2−ニトロフェニル)エチル基、2−(3−ニトロフェニル)エチル基、2−(4−ニトロフェニル)エチル基、2−(2−シアノフェニル)エチル基、2−(3−シアノフェニル)エチル基、2−(4−シアノフェニル)エチル基、2−(2−アセチルアミノフェニル)エチル基、2−(3−アセチルアミノフェニル)エチル基、2−(4−アセチルアミノフェニル)エチル基、2−(4−ベンゾイルアミノフェニル)エチル基、3−(2−フルオロフェニル)プロピル基、3−(4−フルオロフェニル)プロピル基、3−(4−クロロフェニル)プロピル基、3−(4−ブロモフェニル)プロピル基、3−(4−ヨードフェニル)プロピル基、3−(2−クロロフェニル)プロピル基、3−(2−メトキシフェニル)プロピル基、3−(4−メトキシフェニル)プロピル基、3−(3,4−ジメトキシフェニル)プロピル基、3−(4−トリフルオロメチルフェニル)プロピル基、3−(2−トリフルオロメチルフェニル)プロピル基、3−(4−ニトロフェニル)プロピル基、3−(4−シアノフェニル)プロピル基、3−(4−アセチルアミノフェニル)プロピル基、更に好ましくは(2−フルオロベンジル基、4−フルオロベンジル基、2−クロロベンジル基、4−クロロベンジル基、2−ブロモベンジル基、4−ブロモベンジル基、2−ヨードベンジル基、4−ヨードベンジル基、2−メチルベンジル基、4−メチルベンジル基、4−ヒドロキシベンジル基、2−メトキシベンジル基、4−メトキシベンジル基、3,4−ジメトキシベンジル基、2−トリフルオロメチルベンジル基、4−トリフルオロメチルベンジル基、4−ベンジルオキシベンジル基、2−ニトロベンジル基、4−ニトロベンジル基、2−シアノベンジル基、3−シアノベンジル基、4−シアノベンジル基、3−アセチルアミノベンジル基、4−アセチルアミノベンジル基、2−(2−フルオロフェニル)エチル基、2−(4−フルオロフェニル)エチル基、2−(2−クロロフェニル)エチル基、2−(4−クロロフェニル)エチル基、2−(2−ブロモフェニル)エチル基、2−(4−ブロモフェニル)エチル基、2−(2−ヨードフェニル)エチル基、2−(4−ヨードフェニル)エチル基、2−(2−トリル)エチル基、2−(4−トリル)エチル基、2−(4−ヒドロキシフェニル)エチル基、2−(2−メトキシフェニル)エチル基、2−(4−メトキシフェニル)エチル基、2−(3,4−ジメトキシフェニル)エチル基、2−(2−トリフルオロメチルフェニル)エチル基、2−(4−トリフルオロメチルフェニル)エチル基、2−(4−ベンジルオキシフェニル)エチル基、2−(2−ニトロフェニル)エチル基、2−(4−ニトロフェニル)エチル基、2−(2−シアノフェニル)エチル基、2−(4−シアノフェニル)エチル基、2−(2−アセチルアミノフェニル)エチル基、2−(4−アセチルアミノフェニル)エチル基が挙げられる。
前記Rにおける置換基を有していても良いアリール基のアリール基としては、フェニル基、ナフチル基、アントラニル基、フェナントリル基、ビフェニル基、ビナフチル基が挙げられる。
置換基を有していても良いアリール基における置換基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基などの炭素原子数1〜4のアルキル基(なお、これらの基は、各種異性体を含む。);ヒドロキシル基;塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、フッ素原子等のハロゲン原子;エトキシル基等の炭素原子数2〜4のアルコキシル基(なお、これらの基は、各種異性体を含む。);メチレンジオキシル基等の炭素原子数1〜4のアルキレンジオキシル基;ニトロ基;シアノ基;トリフルオロメチル基等のハロゲン化アルキル基が挙げられる。
このような置換基を有していても良いアリール基としては、具体的には、例えば、2−トリル基、3−トリル基、4−トリル基、2,3−キシリル基、2,6−キシリル基、2,4−キシリル基、3,4−キシリル基、メシチル基、2−ヒドロキシフェニル基、3−ヒドロキシフェニル基、4−ヒドロキシフェニル基、2,3−ジヒドロキシフェニル基、2,4−ジヒドロキシフェニル基、3,4−ジヒドロキシフェニル基、2−クロロフェニル基、3−クロロフェニル基、4−クロロフェニル基、2,3−ジクロロフェニル基、2,4−ジクロロフェニル基、3,4−ジクロロフェニル基、3,5−ジクロロフェニル基、2−ブロモフェニル基、3−ブロモフェニル基、4−ブロモフェニル基、2−ヨードフェニル基、3−ヨードフェニル基、4−ヨードフェニル基、2−フルオロフェニル基、3−フルオロフェニル基、4−フルオロフェニル基、2,3−ジフルオロフェニル基、2,4−ジフルオロフェニル基、3,4−ジフルオロフェニル基、3−ブロモ−5−クロロ−2−ヒドロキシフェニル基、2−メトキシフェニル基、3−メトキシフェニル基、4−メトキシフェニル基、2,3−ジメトキシフェニル基、2,4−ジメトキシフェニル基、3,4−ジメトキシフェニル基、3,5−ジメトキシフェニル基、3,4−メチレンジオキシフェニル基、4−エトキシフェニル基、4−ブトキシフェニル基、4−イソプロポキシフェニル基、1−フェノキシフェニル基、4−ベンジルオキシフェニル基、4−トリフルオロメチルフェニル基、2−ニトロフェニル基、3−ニトロフェニル基、4−ニトロフェニル基、4−シアノフェニル基、4−メトキシカルボニルフェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基等が挙げられるが、好ましくはフェニル基、2−トリル基、3−トリル基、4−トリル基、2,3−キシリル基、2−ヒドロキシフェニル基、3−ヒドロキシフェニル基、4−ヒドロキシフェニル基、2,3−ジヒドロキシフェニル基、2,4−ジヒドロキシフェニル基、3,4−ジヒドロキシフェニル基、2−クロロフェニル基、3−クロロフェニル基、4−クロロフェニル基、2,3−ジクロロフェニル基、2,4−ジクロロフェニル基、3,4−ジクロロフェニル基、3,5−ジクロロフェニル基、2−ブロモフェニル基、3−ブロモフェニル基、4−ブロモフェニル基、2−ヨードフェニル基、3−ヨードフェニル基、4−ヨードフェニル基、2−フルオロフェニル基、3−フルオロフェニル基、4−フルオロフェニル基、3,4−ジフルオロフェニル基、3−ブロモ−5−クロロ−2−ヒドロキシフェニル基、2−メトキシフェニル基、3−メトキシフェニル基、4−メトキシフェニル基、2,3−ジメトキシフェニル基、2,4−ジメトキシフェニル基、3,4−ジメトキシフェニル基、3,5−ジメトキシフェニル基、3,4−メチレンジオキシフェニル基、4−エトキシフェニル基、4−トリフルオロメチルフェニル基、4−ニトロフェニル基、4−シアノフェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基、更に好ましくはフェニル基、2−トリル基、3−トリル基、4−トリル基、2,3−キシリル基、4−ヒドロキシフェニル基、3,4−ジヒドロキシフェニル基、2−クロロフェニル基、3−クロロフェニル基、4−クロロフェニル基、2,3−ジクロロフェニル基、2,4−ジクロロフェニル基、3,4−ジクロロフェニル基、3,5−ジクロロフェニル基、2−ブロモフェニル基、3−ブロモフェニル基、4−ブロモフェニル基、4−ヨードフェニル基、2−フルオロフェニル基、3−フルオロフェニル基、4−フルオロフェニル基、3,4−ジフルオロフェニル基、2−ヨードフェニル基、3−ヨードフェニル基、4−ヨードフェニル基、2−メトキシフェニル基、3−メトキシフェニル基、4−メトキシフェニル基、2,3−ジメトキシフェニル基、2,4−ジメトキシフェニル基、3,4−ジメトキシフェニル基、3,5−ジメトキシフェニル基、3,4−メチレンジオキシフェニル基、4−トリフルオロメチルフェニル基、4−ニトロフェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基、3−ピリジル基、特に好ましくはフェニル基、2−トリル基、3−トリル基、4−トリル基、2,3−キシリル基、2−クロロフェニル基、3−クロロフェニル基、4−クロロフェニル基、2,3−ジクロロフェニル基、2,4−ジクロロフェニル基、3,4−ジクロロフェニル基、3,5−ジクロロフェニル基、2−ブロモフェニル基、3−ブロモフェニル基、4−ブロモフェニル基、2−フルオロフェニル基、3−フルオロフェニル基、4−フルオロフェニル基、3,4−ジフルオロフェニル基、2−ヨードフェニル基、3−ヨードフェニル基、4−ヨードフェニル基、2−メトキシフェニル基、3−メトキシフェニル基、4−メトキシフェニル基、2,3−ジメトキシフェニル基、3,4−ジメトキシフェニル基、3,5−ジメトキシフェニル基又は3,4−メチレンジオキシフェニル基が挙げられる。
前記のRにおける置換基を有していても良いヘテロアリール基のヘテロアリール基としては、例えば、2−フリル基、3−フリル基、2−ピリジル基、3−ピリジル基、4−ピリジル基、2−ピロリル基、3−ピロリル基、2−チエニル基、3−チエニル基、2−インドリル基、3−インドリル基、2−イミダゾリル基、4−イミダゾリル基、3−ピラゾリル基、2−ピリミジル基、4−ピリミジル基、キノリル基が挙げられる。
置換基を有していても良いヘテロアリール基の置換基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基などの炭素原子数1〜4のアルキル基(なお、これらの基は、各種異性体を含む。);ヒドロキシル基;塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、フッ素原子等のハロゲン原子;エトキシル基等の炭素原子数2〜4のアルコキシル基(なお、これらの基は、各種異性体を含む。);アミノ基;ニトロ基;シアノ基;トリフルオロメチル基等のハロゲン化アルキル基が挙げられる。
このような置換基を有していても良いヘテロアリール基としては、具体的には、例えば、2−(3−メチル)フリル基、2−(4−メチル)フリル基、2−(3−エチル)フリル基、2−(4−エチル)フリル基、2−(3−フルオロ)フリル基、2−(3−クロロ)フリル基、2−(3−ヒドロキシ)フリル基、2−(3−メトキシ)フリル基、2−(3−アミノ)フリル基、2−(3−ニトロ)フリル基、2−(3−シアノ)フリル基、2−(3−メチル)ピリジル基、2−(4−メチル)ピリジル基、2−(3−エチル)ピリジル基、2−(4−エチル)ピリジル基、2−(3−フルオロ)ピリジル基、2−(4−クロロ)ピリジル基、2−(3−ヒドロキシ)ピリジル基、2−(3−メトキシ)ピリジル基、2−(3−アミノ)ピリジル基、2−(3−ニトロ)ピリジル基、2−(3−シアノ)ピリジル基、2−(3,5−ジクロロ)ピリジル基、3−(2−クロロ)ピリジル基、2−(3−メチル)ピロリル基、2−(3−メチル)チエニル基等が挙げられるが、好ましくは、2−(3−メチル)フリル基、2−(3−フルオロ)フリル基、2−(3−メチル)ピリジル基、2−(3−フルオロ)ピリジル基、2−(3−ニトロ)ピリジル基、2−(3−シアノ)ピリジル基、2−(3,5−ジクロロ)ピリジル基が挙げられる。
化合物(I)におけるZは、保護基を有していても良いアミノ基、保護基を有していても良いヒドロキシル基又はアルキル基を示す。
前記保護基としては、例えば、ベンジル基、4−メトキシフェニルメチル基、メトキシメチル基、トリメチルシリル基、トリエチルシリル基、t−ブチルジメチルシリル基、アセチル基、ベンゾイル基、イソプロピリデンアセタール基、9−フルオレニルメトキシカルボニル基、t−ブトキシカルボニル基、ベンジルオキシカルボニル基等が挙げられる。
前記アルキル基としては、直鎖状又は分岐状の炭素原子数1〜10のアルキル基が挙げられ、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基等のアルキル基が挙げられる。なお、これらの基は、各種異性体を含む。
化合物(I)におけるR1は、置換基を有していても良いアルキル基示す。
前記のR1における置換基を有していても良いアルキル基のアルキル基としては、直鎖状又は分岐状の炭素原子数1〜10のアルキル基が挙げられ、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基のようなアルキル基が挙げられるが、好ましくはメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基等の炭素原子数1〜6のアルキル基であり、更に好ましくはメチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、イソブチル基等の炭素原子数1〜4のアルキル基である。なお、これらの基は、各種異性体を含む。
置換基を有していても良いアルキル基における置換基としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等のハロゲン原子;ヒドロキシル基;メトキシル基、エトキシル基、プロポキシル基、ブトキシル基等の炭素原子数1〜4のアルコキシル基;ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基などのジアルキルアミノ基;シアノ基等が挙げられるが、好ましくはフッ素原子、塩素原子、メトキシル基、エトキシル基、ヒドロキシル基、シアノ基であり、更に好ましくはフッ素原子、塩素原子、メトキシル基、エトキシル基である。
このような置換基を有していても良いアルキル基としては、具体的には、例えば、2−フルオロエチル基、2−クロロエチル基、2,2−ジフルオロエチル基、2,2−ジクロロエチル基、2,2,2−トリクロロエチル基、2,2,2−トリフルオロエチル基、2−メトキシエチル基、2−エトキシエチル基、メトキシメチル基、2−ヒドロキシエチル基、2−シアノエチル基、2−ブロモエチル基、2−ジメチルアミノ基、2−クロロプロピル基、3−クロロプロピル基等が挙げられるが、好ましくは2−クロロエチル基、2,2,2−トリクロロエチル基、2,2,2−トリフルオロエチル基、メトキシメチル基、2−メトキシエチル基、2−エトキシエチル基である。
なお、nは、1又は2である。
本発明の加水分解反応で使用する界面活性剤修飾酵素とは、例えば、加水分解酵素を界面活性剤で被覆処理し、有機溶媒に可溶化させた酵素が好適に用いられる。
前記界面活性剤修飾酵素に関して、その基本となる加水分解酵素としては、例えば、プロテアーゼ、エステラーゼ、リパーゼ等が挙げられるが、好ましくは酵母又は細菌から単離可能な微生物のリパーゼ、更に好ましくはバルクホルデリア・セパシア(シュードモナス・セパシア)を起源とするリパーゼ(例えば、Amano PS(アマノエンザイム社製)等)及びカンジダ・アンタークティカ(Candida Antarctica)を起源とするリパーゼ(例えば、Novozym 435(ノボザイム社製)等)から選択される少なくとも1種が使用される。なお、これらの加水分解酵素は、天然の形又は固定化酵素として市販品をそのまま使用することが出来、単独又は二種以上を混合して使用しても良い。又、市販品に含有している酵素固定化剤を予め除去して使用することも出来る。
前記の加水分解酵素は、天然の形又は固定化酵素として市販されているものを、化学的処理又は物理的処理を行った後に使用することが望ましい。
前記の特徴を有する界面活性剤修飾酵素の合成方法は、特に限定されず、性質として有機溶媒への溶解性が高く、溶解した酵素画分が有機溶媒中において高活性を示す調製方法であれば良く、例えば、少量のメタノール、エタノール、プロパノール、アセトン、メチルエチルケトン、その他の親水性有機溶媒に溶解させた界面活性剤を、冷却下に、加水分解酵素を溶解させた緩衝液に混ぜ、界面活性剤修飾酵素を析出させる。この析出物を遠心分離又は濾過等により分離した後、緩衝液及び蒸留水で洗浄し、そのまま凍結乾燥し、粉末状の界面活性剤修飾酵素を得ることが出来る(例えば、前記特許文献6〜10及び非特許文献4参照)。又は、少量のメタノール、エタノール、プロパノール、アセトン、メチルエチルケトン、その他の親水性有機溶媒に溶解させた界面活性剤を、冷却下に、酵素を溶解させた緩衝液に混ぜ、得られた混合溶液を凍結乾燥して、粉末状の界面活性剤修飾酵素を得ることも出来る(後の参考例2に記載)。又、加水分解酵素水溶液と水不溶性有機溶媒を、逆相エマルジョンを形成しうる界面活性剤の存在下で激しく攪拌してエマルジョンを形成させた後、乾燥させて得ることも出来る(例えば、前記特許文献11参照)。
なお、凍結乾燥とは、水溶液及び水分を含む物質を急速に氷点以下の温度で凍結させ、その凍結物の水蒸気圧以下に減圧して水を昇華させて除去し、物質を乾燥させる方法である(例えば、前記非特許文献5参照)。
前記緩衝液としては、例えば、リン酸ナトリウム水溶液、リン酸カリウム水溶液等の無機酸塩の水溶液;酢酸ナトリウム水溶液、酢酸アンモニウム水溶液、クエン酸ナトリウム水溶液等の有機酸塩の水溶液が挙げられるが、好ましくはリン酸ナトリウム水溶液、リン酸カリウム水溶液、酢酸アンモニウム水溶液が使用される。なお、これらの緩衝液は、単独又は二種以上を混合して使用しても良い。
前記緩衝液の濃度は、好ましくは0.005〜2モル/L、更に好ましくは0.01〜0.5モル/Lであり、緩衝液のpHは、好ましくは4〜9、更に好ましくは7〜8.5である。
凍結乾燥する際に使用する緩衝液の量は、界面活性剤修飾酵素が完全に溶解する濃度であれば特に制限されないが、好ましくは加水分解酵素1gに対し10ml〜1000mlであり、さらに好ましくは10ml〜100mlである。
前記の界面活性剤修飾酵素調製の際に使用される加水分解酵素としては、天然の形又は固定化酵素として市販されているものを、そのまま使用することが出来る。
前記加水分解酵素の使用量は、化合物(I)1gに対して、好ましくは0.1〜1000mg、更に好ましくは1〜200mgである。
前記界面活性剤としては、長鎖のアルキル基のような疎水基と親水基の両方を有する界面活性剤が好適に用いられるが、天然界面活性剤、合成界面活性剤のいずれでも良く、親水基の種類によって界面活性剤は、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、両性界面活性剤の4種に分類される。なお、これらの界面活性剤は、単独又は二種以上を混合して使用しても良い。
前記アニオン性界面活性剤としては、例えば、石けん、石けん用素地、金属石けん、N−アシル−L−グルタミン酸トリエタノールアミン、N−アシル−L−グルタミン酸ナトリウム、アルキル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルリン酸、ヤシ油脂肪酸メチルタウリンナトリウム、ラウリル硫酸トリエタノールアミン、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウロイルサルコシンナトリウム、ラウロイルメチルα−アラニンナトリウム液又はラウロイルメチルタウリンナトリウム等が挙げられる。
前記カチオン性界面活性剤としては、例えば、逆性石けん、エチル硫酸ラノリン脂肪酸アミノプロピルエチルジメチルアンモニウム、塩化アルキルトリメチルアンモニウム、塩化ジアルキルジメチルアンモニウム、塩化ジステアリルジメチルアンモニウム、塩化ステアリルジメチルベンジルアンモニウム、塩化ベンザルコニウム又はエンカベンゼトニウム等が挙げられる。
前記非イオン性界面活性剤としては、例えば、ポリエチレングリコール、ソルビタンアルキルエステル、ポリオキシエチレングリコールアルキルエステル、ポリオキシエチレングリコールアルキルエーテル、ジアルキルグルタメートグルコンアミド、ジメチコンコポリオール、ショ糖脂肪酸エステル、ショ糖ステアリン酸エステル、テトラオレイン酸ポリオキシエチレンソルビット、ポリ(オキシエチレン・オキシプロピレン)メチルポリシロキサン共重合体、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンステアリン酸アミド、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール、ポリグリセリン脂肪酸エステル、モノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン、モノステアリン酸エチレングリコール、モノステアリン酸グリセリン、モノステアリン酸ソルビタン、モノステアリン酸プロピレングリコール、モノステアリン酸ポリオキシエチレングリセリン、モノステアリン酸ポリオキシエチレンソルビタン、モノパルミチン酸ポリオキシエチレンソルビタン、ポノラウリン酸ポリエチレングリコール、モノラウリン酸ポリオキシエチレンソルビタン、モノラウリン酸ポリオキシエチレンソルビット又はラウリン酸ジエタノールアミド等が挙げられる。
前記両性界面活性剤としては、例えば、2−アルキル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリウムベタイン、塩化アルキルジアミノエチルグリシン液又はラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン等が挙げられる。
前記合成界面活性剤の合成例としては、例えば、L−グルタミン酸、及びドデカノール、オレイルアルコール等の長鎖アルコールとをp−トルエンスルホン酸の存在下、トルエン中で加熱還流させることによりL−グルタミン酸ジ長鎖エステルを調製し、更に、得られたエステル生成物をメタノール中でδ−グルコノラクトンと還流させることにより容易に合成出来る(例えば、前記非特許文献6参照)。
前記合成界面活性剤としては、N−D−グルコノ−L−グルタミン酸ジエステル類が、最も好適に用いられる。
本発明の加水分解反応は、通常、水と、水と均一相を形成する有機溶媒とを含んでなる均一系溶媒中で行われる。なお、僅かに水が有機溶媒に溶解せずに縣濁状態になっていても本発明の加水分解反応においてはさほど影響はない。
前記水としては、通常、イオン交換水や蒸留水等の精製された水が使用されるが、水に、リン酸ナトリウム、リン酸カリウム等の無機塩や、酢酸ナトリウム、酢酸アンモニウム、クエン酸ナトリウム等の有機塩を含んでいても良い。
前記水の使用量は、反応液が均一相を形成する量ならば特に制限されないが、好ましくは化合物(I)1モルに対して0.5〜10モル、更に好ましくは0.5〜5.0モル、特に好ましくは1.0〜3.0モルである。
前記有機溶媒としては、例えば、n−ペンタン、n−ヘキサン、n−ヘプタン、n−オクタン、シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロペンタン等の脂肪族炭化水素類;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類;ジエチルエーテル、t−ブチルメチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、シクロペンチルメチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン等のエーテル類;アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類;酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類が挙げられるが、好ましくはn−ヘキサン、n−ヘプタン、シクロペンタン、シクロヘキサン、トルエン、ジイソプロピルエーテル、t−ブチルメチルエーテル、シクロペンチルメチルエーテル、テトラヒドロフラン、更に好ましくはn−ヘキサン、シクロヘキサン、トルエン、ジイソプロピルエーテル、t−ブチルメチルエーテル、シクロペンチルメチルエーテル、特に好ましくはシクロヘキサン、トルエン、t−ブチルメチルエーテルが使用される。なお、これらの有機溶媒は、単独又は二種以上を混合して使用しても良い。
前記有機溶媒の使用量は、化合物(I)1gに対して、好ましくは2〜200mL、更に好ましくは5〜80mLである。
本発明の加水分解反応は、例えば、化合物(I)、界面活性修飾酵素、水(必要ならば、無機塩や有機塩を含んでいても良い)及び水と均一相を形成する有機溶媒を混合して、攪拌しながら反応させる等の方法によって行われる。その際の反応温度は、好ましくは0〜80℃、更に好ましくは10〜50℃、特に好ましくは30〜45℃であり、反応圧力は特に制限されない。
本発明の加水分解反応において一般式(I):
式中、式中、R、R1、Z、n及び*は、前記と同義である、
で示されるα又はβ−置換カルボン酸エステル(ラセミ体混合物)を使用した場合には、一般式(II):
で示されるα又はβ−置換カルボン酸エステル(ラセミ体混合物)を使用した場合には、一般式(II):
式中、式中、R、Z、n及び*は、前記と同義である、
で示される光学活性α又はβ−置換カルボン酸(以下、化合物(II)と称する)と、一般式(III):
で示される光学活性α又はβ−置換カルボン酸(以下、化合物(II)と称する)と、一般式(III):
式中、式中、R、R1、Z、n及び*は、前記と同義である、
で示される加水分解されなかった残りの光学活性α又はβ−置換カルボン酸エステル(以下、化合物(III)と称する)を同時に得ることが出来る。
で示される加水分解されなかった残りの光学活性α又はβ−置換カルボン酸エステル(以下、化合物(III)と称する)を同時に得ることが出来る。
本発明の加水分解反応によって得られた化合物(II)及び化合物(III)は、例えば、反応終了後、析出した化合物(II)をそのまま濾過、又は反応液に適当な有機溶媒(例えば、アセトニトリル、アセトン等)を加えて濾過することで化合物(II)を取得することが出来、濾液のpHを調節した後に有機層を濃縮することによって化合物(III)を取得することが出来る。又、化合物(II)の回収率を向上させるために濾過、取得前に塩化ナトリウムを加えても良い。なお、得られた化合物(II)及び化合物(III)は、晶析、再結晶、蒸留、カラムクロマトグラフィー等の一般的な方法によって、更に精製することも出来る。
次に、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明の範囲はこれらに限定されるものではない。
参考例1(界面活性剤修飾酵素Aの調製)
0.1mol/Lリン酸緩衝液(0.1mol/Lリン酸二水素ナトリウム水溶液に0.1mol/Lリン酸水素二ナトリウム水溶液を加えてpH7.0に調整したリン酸緩衝液)50mLに、バルクホルデリア・セパシア(シュードモナス・セパシア)を起源とするリパーゼ(Amano Lipase PS(商品名);アルドリッチ社製)200mgを加え、室温下攪拌した。30分後、不溶物を遠心分離により除去し、4℃に冷却した。得られた酵素溶液にN−D−グルコノ−L−グルタミン酸ジドデシルエステル400mgをエタノール2.5mLに溶解した溶液を滴下し、4℃で攪拌した。4時間後、攪拌を停止して58時間静置した。遠心分離により上澄み液を除去し、残存した沈殿物を0.1mol/Lリン酸緩衝液(pH7.0)で2回、蒸留水で1回洗浄した。洗浄後の固体を凍結乾燥し、白色粉末として界面活性剤修飾酵素Aを180mg得た。
0.1mol/Lリン酸緩衝液(0.1mol/Lリン酸二水素ナトリウム水溶液に0.1mol/Lリン酸水素二ナトリウム水溶液を加えてpH7.0に調整したリン酸緩衝液)50mLに、バルクホルデリア・セパシア(シュードモナス・セパシア)を起源とするリパーゼ(Amano Lipase PS(商品名);アルドリッチ社製)200mgを加え、室温下攪拌した。30分後、不溶物を遠心分離により除去し、4℃に冷却した。得られた酵素溶液にN−D−グルコノ−L−グルタミン酸ジドデシルエステル400mgをエタノール2.5mLに溶解した溶液を滴下し、4℃で攪拌した。4時間後、攪拌を停止して58時間静置した。遠心分離により上澄み液を除去し、残存した沈殿物を0.1mol/Lリン酸緩衝液(pH7.0)で2回、蒸留水で1回洗浄した。洗浄後の固体を凍結乾燥し、白色粉末として界面活性剤修飾酵素Aを180mg得た。
参考例2(界面活性剤修飾酵素Bの調製)
0.01mol/Lリン酸緩衝液(0.01mol/Lリン酸二水素ナトリウム水溶液に0.01mol/Lリン酸水素二ナトリウム水溶液を加えてpH7.0に調整したリン酸緩衝液)200mLに、バルクホルデリア・セパシア(シュードモナス・セパシア)を起源とするリパーゼ(Amano Lipase PS(商品名);アルドリッチ社製)1.60gを加え、室温下攪拌した。30分後、不溶物を遠心分離により除去し、4℃に冷却した。得られた酵素溶液にN−D−グルコノ−L−グルタミン酸ジドデシルエステル1.60gをエタノール20.0mLに溶解した溶液を滴下し、4℃で攪拌した。4時間後、攪拌を停止して66時間静置した。凍結乾燥し、白色粉末として界面活性剤修飾酵素Bを1.87g得た。
0.01mol/Lリン酸緩衝液(0.01mol/Lリン酸二水素ナトリウム水溶液に0.01mol/Lリン酸水素二ナトリウム水溶液を加えてpH7.0に調整したリン酸緩衝液)200mLに、バルクホルデリア・セパシア(シュードモナス・セパシア)を起源とするリパーゼ(Amano Lipase PS(商品名);アルドリッチ社製)1.60gを加え、室温下攪拌した。30分後、不溶物を遠心分離により除去し、4℃に冷却した。得られた酵素溶液にN−D−グルコノ−L−グルタミン酸ジドデシルエステル1.60gをエタノール20.0mLに溶解した溶液を滴下し、4℃で攪拌した。4時間後、攪拌を停止して66時間静置した。凍結乾燥し、白色粉末として界面活性剤修飾酵素Bを1.87g得た。
参考例3(3−アミノ−3−フェニルプロピオン酸(ラセミ体混合物)の合成)
イソプロピルアルコール250mLに、ベンズアルデヒド17.7g(0.17mol)、マロン酸18.2g(0.17mol)及び酢酸アンモニウム25.6g(0.33mol)を加え、攪拌しながら還流下(80〜90℃)で7時間反応させた。反応終了後、得られた反応液を0〜5℃で1時間攪拌した後に濾過し、白色粉末として、3−アミノ−3−フェニルプロピオン酸(ラセミ体混合物)19.2gを得た(ベンズアルデヒド基準の単離収率:70.0%)。
なお、3−アミノ−3−フェニルプロピオン酸(ラセミ体混合物)の物性値は以下の通りであった。
イソプロピルアルコール250mLに、ベンズアルデヒド17.7g(0.17mol)、マロン酸18.2g(0.17mol)及び酢酸アンモニウム25.6g(0.33mol)を加え、攪拌しながら還流下(80〜90℃)で7時間反応させた。反応終了後、得られた反応液を0〜5℃で1時間攪拌した後に濾過し、白色粉末として、3−アミノ−3−フェニルプロピオン酸(ラセミ体混合物)19.2gを得た(ベンズアルデヒド基準の単離収率:70.0%)。
なお、3−アミノ−3−フェニルプロピオン酸(ラセミ体混合物)の物性値は以下の通りであった。
1H−NMR(δ(ppm)、D2O+DCl):3.06(dd、1H、J=17.1、6.8Hz)、3.17(dd、1H、J=17.1、7.3Hz)、4.76(dd、1H、J=7.3、6.8Hz)、3.77(s、2H)、7.45(m、5H)
13C−NMR(δ(ppm)、D2O+DCl):40.5、54.4、130.0、132.3、132.6、138.0、176.3
MS(EI)m/z:165(M+)
MS(CI、i−C4H10)m/z:166(MH+)
元素分析;Calcd:C,65.44%;H,6.71%;N,8.48%
Found:C,65.18%;H,6.78%;N,8.34%
13C−NMR(δ(ppm)、D2O+DCl):40.5、54.4、130.0、132.3、132.6、138.0、176.3
MS(EI)m/z:165(M+)
MS(CI、i−C4H10)m/z:166(MH+)
元素分析;Calcd:C,65.44%;H,6.71%;N,8.48%
Found:C,65.18%;H,6.78%;N,8.34%
参考例4(3−アミノ−3−フェニルプロピオン酸エチルエステル(ラセミ体混合物)の合成)
エタノール6.00mL(103mmol)に、参考例3で合成した3−アミノ−3−フェニルプロピオン酸(ラセミ体混合物)2.00g(12.1mmol)及び濃硫酸1.78g(18.2mmol)を加え、攪拌しながら60℃で4時間反応させた。反応終了後、得られた反応液を減圧濃縮した後、6mol/L水酸化ナトリウム水溶液を加えて、反応液のpHを8.5に調整した。次いで、酢酸エチル10mL及び水4mLを加えて抽出し、有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥させた。濾過後、濾液を減圧濃縮し、無色液体として、3−アミノ−3−フェニルプロピオン酸エチルエステル(ラセミ体混合物)1.98gを得た(3−アミノ−3−フェニルプロピオン酸(ラセミ体混合物)基準の単離収率:84.5%)。
なお、3−アミノ−3−フェニルプロピオン酸エチルエステル(ラセミ体混合物)の物性値は以下の通りであった。
エタノール6.00mL(103mmol)に、参考例3で合成した3−アミノ−3−フェニルプロピオン酸(ラセミ体混合物)2.00g(12.1mmol)及び濃硫酸1.78g(18.2mmol)を加え、攪拌しながら60℃で4時間反応させた。反応終了後、得られた反応液を減圧濃縮した後、6mol/L水酸化ナトリウム水溶液を加えて、反応液のpHを8.5に調整した。次いで、酢酸エチル10mL及び水4mLを加えて抽出し、有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥させた。濾過後、濾液を減圧濃縮し、無色液体として、3−アミノ−3−フェニルプロピオン酸エチルエステル(ラセミ体混合物)1.98gを得た(3−アミノ−3−フェニルプロピオン酸(ラセミ体混合物)基準の単離収率:84.5%)。
なお、3−アミノ−3−フェニルプロピオン酸エチルエステル(ラセミ体混合物)の物性値は以下の通りであった。
1H−NMR(δ(ppm)、CDCl3):1.19(t、3H、J=7.3Hz)、3.15(dd、1H、J=7.3、16.6Hz)、3.25(dd、1H、J=7.3、16.6Hz)、4.15(q、2H、J=7.3Hz)、4.85(dd、1H、J=7.3、7.3Hz)、7.50−7.55(m、5H)
13C−NMR(δ(ppm)、CDCl3):16.0、40.9、54.3、65.2、129.9、132.2、132.5、137.8、174.3
MS(EI)m/z:193(M+)
MS(CI、i−C4H10)m/z:194(MH+)
13C−NMR(δ(ppm)、CDCl3):16.0、40.9、54.3、65.2、129.9、132.2、132.5、137.8、174.3
MS(EI)m/z:193(M+)
MS(CI、i−C4H10)m/z:194(MH+)
実施例1((S)−3−アミノ−3−フェニルプロピオン酸及び(R)−3−アミノ−3−フェニルプロピオン酸エチルエステルの合成)
水を飽和させたt−ブチルメチルエーテル1.0mLに、3−アミノ−3−フェニルプロピオン酸エチルエステル(ラセミ体混合物)100mg(0.517mmol)、参考例1で調製した界面活性剤修飾酵素Aを10.0mg加え、攪拌しながら30℃で反応させた。46時間後、反応混合物にアセトン0.5mLを加えて濾過し、(S)−3−アミノ−3−フェニルプロピオン酸34.2mg(3−アミノ−3−フェニルプロピオン酸エチルエステル(ラセミ体混合物)基準の単離収率=40.0%)を得た。
(S)−3−アミノ−3−フェニルプロピオン酸を常法により(S)−3−アミノ−3−フェニルプロピオン酸n−プロピルエステルに誘導して、光学活性カラムを用いた高速液体クロマトグラフィーを使用して光学純度を測定したところ99.9%eeであった。
(R)−3−アミノ−3−フェニルプロピオン酸エチルエステルを常法により(R)−3−(2−フロイルアミノ)−3−フェニルプロピオン酸エチルエステルに誘導して、光学活性カラムを用いた高速液体クロマトグラフィーを使用して光学純度を測定したところ96.6%eeであった。
なお、本反応におけるE値は5522であった。
水を飽和させたt−ブチルメチルエーテル1.0mLに、3−アミノ−3−フェニルプロピオン酸エチルエステル(ラセミ体混合物)100mg(0.517mmol)、参考例1で調製した界面活性剤修飾酵素Aを10.0mg加え、攪拌しながら30℃で反応させた。46時間後、反応混合物にアセトン0.5mLを加えて濾過し、(S)−3−アミノ−3−フェニルプロピオン酸34.2mg(3−アミノ−3−フェニルプロピオン酸エチルエステル(ラセミ体混合物)基準の単離収率=40.0%)を得た。
(S)−3−アミノ−3−フェニルプロピオン酸を常法により(S)−3−アミノ−3−フェニルプロピオン酸n−プロピルエステルに誘導して、光学活性カラムを用いた高速液体クロマトグラフィーを使用して光学純度を測定したところ99.9%eeであった。
(R)−3−アミノ−3−フェニルプロピオン酸エチルエステルを常法により(R)−3−(2−フロイルアミノ)−3−フェニルプロピオン酸エチルエステルに誘導して、光学活性カラムを用いた高速液体クロマトグラフィーを使用して光学純度を測定したところ96.6%eeであった。
なお、本反応におけるE値は5522であった。
高速液体クロマトグラフィーの分析条件;
光学活性3−アミノ−3−フェニルプロピオン酸n−プロピルエステル
カラム:キラルCD−Ph(0.46cmΦ×25cm、株式会社資生堂製)
溶媒 :アセトニトリル/水(=1/9(容量比))
リン酸二水素カリウム40mmol/L
リン酸でpH3.5に調整
流速 :0.5mL/min
温度 :30℃
波長 :220nm
光学活性3−アミノ−3−フェニルプロピオン酸n−プロピルエステル
カラム:キラルCD−Ph(0.46cmΦ×25cm、株式会社資生堂製)
溶媒 :アセトニトリル/水(=1/9(容量比))
リン酸二水素カリウム40mmol/L
リン酸でpH3.5に調整
流速 :0.5mL/min
温度 :30℃
波長 :220nm
光学活性3−(2−フロイルアミノ)−3−フェニルプロピオン酸エチルエステル
カラム:Chiralcel OJ−H(0.46cmΦ×25cm、ダイセル化学工業製)
溶媒 :ヘキサン/イソプロピルアルコール(=9/1(容量比))
流速 :0.5mL/min
温度 :30℃
波長 :220nm
カラム:Chiralcel OJ−H(0.46cmΦ×25cm、ダイセル化学工業製)
溶媒 :ヘキサン/イソプロピルアルコール(=9/1(容量比))
流速 :0.5mL/min
温度 :30℃
波長 :220nm
又、(S)−3−アミノ−3−フェニルプロピオン酸の物性値は参考例3で示したものと同様であった。
(R)−3−アミノ−3−フェニルプロピオン酸エチルエステルの物性値は参考例4で示したものと同様であった。
(R)−3−アミノ−3−フェニルプロピオン酸エチルエステルの物性値は参考例4で示したものと同様であった。
実施例2((S)−3−アミノ−3−フェニルプロピオン酸及び(R)−3−アミノ−3−フェニルプロピオン酸エチルエステルの合成)
水を飽和させたt−ブチルメチルエーテル1.0mLに、3−アミノ−3−フェニルプロピオン酸エチルエステル(ラセミ体混合物)100mg(0.517mmol)、参考例2で調製した界面活性剤修飾酵素Bを5.0mg加え、攪拌しながら30℃で反応させた。90時間後、反応混合物にアセトン0.5mLを加えて濾過し、(S)−3−アミノ−3−フェニルプロピオン酸34.4mg(3−アミノ−3−フェニルプロピオン酸エチルエステル(ラセミ体混合物)基準の単離収率=40.2%)を得た。
(S)−3−アミノ−3−フェニルプロピオン酸を常法により(S)−3−アミノ−3−フェニルプロピオン酸n−プロピルエステルに誘導して、光学活性カラムを用いた高速液体クロマトグラフィーを使用して光学純度を測定したところ99.9%eeであった。
(R)−3−アミノ−3−フェニルプロピオン酸エチルエステルを常法により(R)−3−(2−フロイルアミノ)−3−フェニルプロピオン酸エチルエステルに誘導して、光学活性カラムを用いた高速液体クロマトグラフィーを使用して光学純度を測定したところ96.3%eeであった。
なお、本反応におけるE値は8106であった。
水を飽和させたt−ブチルメチルエーテル1.0mLに、3−アミノ−3−フェニルプロピオン酸エチルエステル(ラセミ体混合物)100mg(0.517mmol)、参考例2で調製した界面活性剤修飾酵素Bを5.0mg加え、攪拌しながら30℃で反応させた。90時間後、反応混合物にアセトン0.5mLを加えて濾過し、(S)−3−アミノ−3−フェニルプロピオン酸34.4mg(3−アミノ−3−フェニルプロピオン酸エチルエステル(ラセミ体混合物)基準の単離収率=40.2%)を得た。
(S)−3−アミノ−3−フェニルプロピオン酸を常法により(S)−3−アミノ−3−フェニルプロピオン酸n−プロピルエステルに誘導して、光学活性カラムを用いた高速液体クロマトグラフィーを使用して光学純度を測定したところ99.9%eeであった。
(R)−3−アミノ−3−フェニルプロピオン酸エチルエステルを常法により(R)−3−(2−フロイルアミノ)−3−フェニルプロピオン酸エチルエステルに誘導して、光学活性カラムを用いた高速液体クロマトグラフィーを使用して光学純度を測定したところ96.3%eeであった。
なお、本反応におけるE値は8106であった。
高速液体クロマトグラフィーの分析条件;
光学活性3−アミノ−3−フェニルプロピオン酸n−プロピルエステル
カラム:キラルCD−Ph(0.46cmΦ×25cm、株式会社資生堂製)
溶媒 :アセトニトリル/水(=1/9(容量比))
リン酸二水素カリウム40mmol/L
リン酸でpH3.5に調整
流速 :0.5mL/min
温度 :30℃
波長 :220nm
光学活性3−アミノ−3−フェニルプロピオン酸n−プロピルエステル
カラム:キラルCD−Ph(0.46cmΦ×25cm、株式会社資生堂製)
溶媒 :アセトニトリル/水(=1/9(容量比))
リン酸二水素カリウム40mmol/L
リン酸でpH3.5に調整
流速 :0.5mL/min
温度 :30℃
波長 :220nm
光学活性3−(2−フロイルアミノ)−3−フェニルプロピオン酸エチルエステル
カラム:Chiralcel OJ−H(0.46cmΦ×25cm、ダイセル化学工業製)
溶媒 :ヘキサン/イソプロピルアルコール(=9/1(容量比))
流速 :0.5mL/min
温度 :30℃
波長 :220nm
カラム:Chiralcel OJ−H(0.46cmΦ×25cm、ダイセル化学工業製)
溶媒 :ヘキサン/イソプロピルアルコール(=9/1(容量比))
流速 :0.5mL/min
温度 :30℃
波長 :220nm
又、(S)−3−アミノ−3−フェニルプロピオン酸の物性値は参考例3で示したものと同様であった。
(R)−3−アミノ−3−フェニルプロピオン酸エチルエステルの物性値は参考例4で示したものと同様であった。
(R)−3−アミノ−3−フェニルプロピオン酸エチルエステルの物性値は参考例4で示したものと同様であった。
参考例5(2−アミノ−4−フェニル酪酸エチルエステル(ラセミ体混合物)の合成)
エタノール6.00mL(103mmol)に、2−アミノ−4−フェニル酪酸(ラセミ体混合物)2.00g(11.2mmol)及び濃硫酸1.78g(16.8mmol)を加え、攪拌しながら60℃で4時間反応させた。反応終了後、得られた反応液を減圧濃縮した後、6mol/L水酸化ナトリウム水溶液を加えて、反応液のpHを8.5に調整した。次いで、酢酸エチル10mL及び水4mLを加えて抽出し、有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥させた。濾過後、濾液を減圧濃縮し、無色液体として、2−アミノ−4−フェニル酪酸エチルエステル(ラセミ体混合物)1.89gを得た(2−アミノ−4−フェニル酪酸(ラセミ体混合物)基準の単離収率:82.0%)。
なお、2−アミノ−4−フェニル酪酸エチルエステル(ラセミ体混合物)の物性値は以下の通りであった。
エタノール6.00mL(103mmol)に、2−アミノ−4−フェニル酪酸(ラセミ体混合物)2.00g(11.2mmol)及び濃硫酸1.78g(16.8mmol)を加え、攪拌しながら60℃で4時間反応させた。反応終了後、得られた反応液を減圧濃縮した後、6mol/L水酸化ナトリウム水溶液を加えて、反応液のpHを8.5に調整した。次いで、酢酸エチル10mL及び水4mLを加えて抽出し、有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥させた。濾過後、濾液を減圧濃縮し、無色液体として、2−アミノ−4−フェニル酪酸エチルエステル(ラセミ体混合物)1.89gを得た(2−アミノ−4−フェニル酪酸(ラセミ体混合物)基準の単離収率:82.0%)。
なお、2−アミノ−4−フェニル酪酸エチルエステル(ラセミ体混合物)の物性値は以下の通りであった。
1H−NMR(δ(ppm)、CDCl3):1.28(t、3H、J=7.3Hz)、1.81−1.90(m、2H)、2.06(ddd、1H、J=5.4、6.4、13.7Hz)、2.08(ddd、1H、J=5.4、6.4、13.7Hz)、3.44(dd、1H、J=5.4、7.8Hz)、4.18(q、2H、J=7.3Hz)、7.17−7.30(m、5H)
13C−NMR(δ(ppm)、CDCl3):14.3、32.0、36.5、54.1、60.9、126.1、128.4、128.5、141.4、176.0
MS(EI)m/z:207(M+)
MS(CI、i−C4H10)m/z:208(MH+)
13C−NMR(δ(ppm)、CDCl3):14.3、32.0、36.5、54.1、60.9、126.1、128.4、128.5、141.4、176.0
MS(EI)m/z:207(M+)
MS(CI、i−C4H10)m/z:208(MH+)
実施例3((S)−2−アミノ−4−フェニル酪酸及び(R)−2−アミノ−4−フェニル酪酸エチルエステルの合成)
水を飽和させたt−ブチルメチルエーテル1.0mLに、2−アミノ−4−フェニル酪酸エチルエステル(ラセミ体混合物)100mg(0.482mmol)、参考例1で調製した界面活性剤修飾酵素Aを10.0mg加え、攪拌しながら30℃で反応させた。66時間後、反応混合物にアセトン0.5mLを加えて濾過し、(S)−2−アミノ−4−フェニル酪酸35.5mg(2−アミノ−4−フェニル酪酸エチルエステル(ラセミ体混合物)基準の単離収率=41.0%)を得た。
(S)−2−アミノ−4−フェニル酪酸を常法により(S)−2−アミノ−4−フェニル酪酸エチルエステルに誘導して、光学活性カラムを用いた高速液体クロマトグラフィーを使用して光学純度を測定したところ61.5%eeであった。
(R)−2−アミノ−4−フェニル酪酸エチルエステルを常法により(R)−2−(2−フロイルアミノ)−4−フェニル酪酸エチルエステルに誘導して、光学活性カラムを用いた高速液体クロマトグラフィーを使用して光学純度を測定したところ93.5%eeであった。
なお、本反応におけるE値は14であった。
水を飽和させたt−ブチルメチルエーテル1.0mLに、2−アミノ−4−フェニル酪酸エチルエステル(ラセミ体混合物)100mg(0.482mmol)、参考例1で調製した界面活性剤修飾酵素Aを10.0mg加え、攪拌しながら30℃で反応させた。66時間後、反応混合物にアセトン0.5mLを加えて濾過し、(S)−2−アミノ−4−フェニル酪酸35.5mg(2−アミノ−4−フェニル酪酸エチルエステル(ラセミ体混合物)基準の単離収率=41.0%)を得た。
(S)−2−アミノ−4−フェニル酪酸を常法により(S)−2−アミノ−4−フェニル酪酸エチルエステルに誘導して、光学活性カラムを用いた高速液体クロマトグラフィーを使用して光学純度を測定したところ61.5%eeであった。
(R)−2−アミノ−4−フェニル酪酸エチルエステルを常法により(R)−2−(2−フロイルアミノ)−4−フェニル酪酸エチルエステルに誘導して、光学活性カラムを用いた高速液体クロマトグラフィーを使用して光学純度を測定したところ93.5%eeであった。
なお、本反応におけるE値は14であった。
高速液体クロマトグラフィーの分析条件;
光学活性2−アミノ−4−フェニル酪酸エチルエステル
カラム:キラルCD−Ph(0.46cmΦ×25cm、株式会社資生堂製)
溶媒 :アセトニトリル/水(=1/9(容量比))
リン酸二水素カリウム40mmol/L
リン酸でpH3.5に調整
流速 :0.5mL/min
温度 :30℃
波長 :220nm
光学活性2−アミノ−4−フェニル酪酸エチルエステル
カラム:キラルCD−Ph(0.46cmΦ×25cm、株式会社資生堂製)
溶媒 :アセトニトリル/水(=1/9(容量比))
リン酸二水素カリウム40mmol/L
リン酸でpH3.5に調整
流速 :0.5mL/min
温度 :30℃
波長 :220nm
光学活性2−(2−フロイルアミノ)−4−フェニル酪酸エチルエステル
カラム:Chiralcel OJ−H(0.46cmΦ×25cm、ダイセル化学工業製)
溶媒 :ヘキサン/イソプロピルアルコール(=9/1(容量比))
流速 :0.5mL/min
温度 :30℃
波長 :220nm
カラム:Chiralcel OJ−H(0.46cmΦ×25cm、ダイセル化学工業製)
溶媒 :ヘキサン/イソプロピルアルコール(=9/1(容量比))
流速 :0.5mL/min
温度 :30℃
波長 :220nm
又、(S)−2−アミノ−4−フェニル酪酸の物性値は以下の通りであった。
1H−NMR(δ(ppm)、CDCl3):1.97−2.19(m、2H)、2.54−2.69(m、2H)、3.91(t、1H、J=6.4Hz)、7.09−7.22(m、5H)
13C−NMR(δ(ppm)、CDCl3):33.2、34.3、55.3、129.6、131.4、131.8、143.0、174.6
MS(EI)m/z:179(M+)
MS(CI、i−C4H10)m/z:180(MH+)
1H−NMR(δ(ppm)、CDCl3):1.97−2.19(m、2H)、2.54−2.69(m、2H)、3.91(t、1H、J=6.4Hz)、7.09−7.22(m、5H)
13C−NMR(δ(ppm)、CDCl3):33.2、34.3、55.3、129.6、131.4、131.8、143.0、174.6
MS(EI)m/z:179(M+)
MS(CI、i−C4H10)m/z:180(MH+)
(R)−2−アミノ−4−フェニル酪酸エチルエステルの物性値は参考例5で示したものと同様であった。
実施例4((S)−2−アミノ−4−フェニル酪酸及び(R)−2−アミノ−4−フェニル酪酸エチルエステルの合成)
水を飽和させたt−ブチルメチルエーテル1.0mLに、2−アミノ−4−フェニル酪酸エチルエステル(ラセミ体混合物)100mg(0.482mmol)、参考例2で調製した界面活性剤修飾酵素Bを10.0mg加え、攪拌しながら30℃で反応させた。70時間後、反応混合物にアセトン0.5mLを加えて濾過し、(S)−2−アミノ−4−フェニル酪酸34.9mg(2−アミノ−4−フェニル酪酸エチルエステル(ラセミ体混合物)基準の単離収率=40.3%)を得た。
(S)−2−アミノ−4−フェニル酪酸を常法により(S)−2−アミノ−4−フェニル酪酸エチルエステルに誘導して、光学活性カラムを用いた高速液体クロマトグラフィーを使用して光学純度を測定したところ75.1%eeであった。
(R)−2−アミノ−4−フェニル酪酸エチルエステルを常法により(R)−2−(2−フロイルアミノ)−4−フェニル酪酸エチルエステルに誘導して、光学活性カラムを用いた高速液体クロマトグラフィーを使用して光学純度を測定したところ84.6%eeであった。
なお、本反応におけるE値は19であった。
水を飽和させたt−ブチルメチルエーテル1.0mLに、2−アミノ−4−フェニル酪酸エチルエステル(ラセミ体混合物)100mg(0.482mmol)、参考例2で調製した界面活性剤修飾酵素Bを10.0mg加え、攪拌しながら30℃で反応させた。70時間後、反応混合物にアセトン0.5mLを加えて濾過し、(S)−2−アミノ−4−フェニル酪酸34.9mg(2−アミノ−4−フェニル酪酸エチルエステル(ラセミ体混合物)基準の単離収率=40.3%)を得た。
(S)−2−アミノ−4−フェニル酪酸を常法により(S)−2−アミノ−4−フェニル酪酸エチルエステルに誘導して、光学活性カラムを用いた高速液体クロマトグラフィーを使用して光学純度を測定したところ75.1%eeであった。
(R)−2−アミノ−4−フェニル酪酸エチルエステルを常法により(R)−2−(2−フロイルアミノ)−4−フェニル酪酸エチルエステルに誘導して、光学活性カラムを用いた高速液体クロマトグラフィーを使用して光学純度を測定したところ84.6%eeであった。
なお、本反応におけるE値は19であった。
高速液体クロマトグラフィーの分析条件;
光学活性2−アミノ−4−フェニル酪酸エチルエステル
カラム:キラルCD−Ph(0.46cmΦ×25cm、株式会社資生堂製)
溶媒 :アセトニトリル/水(=1/9(容量比))
リン酸二水素カリウム40mmol/L
リン酸でpH3.5に調整
流速 :0.5mL/min
温度 :30℃
波長 :220nm
光学活性2−アミノ−4−フェニル酪酸エチルエステル
カラム:キラルCD−Ph(0.46cmΦ×25cm、株式会社資生堂製)
溶媒 :アセトニトリル/水(=1/9(容量比))
リン酸二水素カリウム40mmol/L
リン酸でpH3.5に調整
流速 :0.5mL/min
温度 :30℃
波長 :220nm
光学活性2−(2−フロイルアミノ)−4−フェニル酪酸エチルエステル
カラム:Chiralcel OJ−H(0.46cmΦ×25cm、ダイセル化学工業製)
溶媒 :ヘキサン/イソプロピルアルコール(=9/1(容量比))
流速 :0.5mL/min
温度 :30℃
波長 :220nm
カラム:Chiralcel OJ−H(0.46cmΦ×25cm、ダイセル化学工業製)
溶媒 :ヘキサン/イソプロピルアルコール(=9/1(容量比))
流速 :0.5mL/min
温度 :30℃
波長 :220nm
又、(S)−2−アミノ−4−フェニル酪酸の物性値は実施例3で示したものと同様であった。
(R)−2−アミノ−4−フェニル酪酸エチルエステルの物性値は参考例5で示したものと同様であった。
(R)−2−アミノ−4−フェニル酪酸エチルエステルの物性値は参考例5で示したものと同様であった。
参考例6(2−アミノ−3−フェニルプロピオン酸エチルエステル(ラセミ体混合物)の合成)
エタノール10.0mL(171mmol)に、2−アミノ3−フェニルプロピオン酸(ラセミ体混合物)2.00g(12.1mmol)及び濃硫酸1.42g(14.5mmol)を加え、攪拌しながら60℃で4時間反応させた。反応終了後、得られた反応液を減圧濃縮した後、6mol/L水酸化ナトリウム水溶液を加えて、反応液のpHを8.5に調整した。次いで、t−ブチルメチルエーテル10mL及び水4mLを加えて抽出し、有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥させた。濾過後、濾液を減圧濃縮し、無色液体として、2−アミノ3−フェニルプロピオン酸エチルエステル(ラセミ体混合物)2.34gを得た(2−アミノ3−フェニルプロピオン酸(ラセミ体混合物)基準の単離収率:89.0%)。
なお、2−アミノ3−フェニルプロピオン酸エチルエステル(ラセミ体混合物)の物性値は以下の通りであった。
エタノール10.0mL(171mmol)に、2−アミノ3−フェニルプロピオン酸(ラセミ体混合物)2.00g(12.1mmol)及び濃硫酸1.42g(14.5mmol)を加え、攪拌しながら60℃で4時間反応させた。反応終了後、得られた反応液を減圧濃縮した後、6mol/L水酸化ナトリウム水溶液を加えて、反応液のpHを8.5に調整した。次いで、t−ブチルメチルエーテル10mL及び水4mLを加えて抽出し、有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥させた。濾過後、濾液を減圧濃縮し、無色液体として、2−アミノ3−フェニルプロピオン酸エチルエステル(ラセミ体混合物)2.34gを得た(2−アミノ3−フェニルプロピオン酸(ラセミ体混合物)基準の単離収率:89.0%)。
なお、2−アミノ3−フェニルプロピオン酸エチルエステル(ラセミ体混合物)の物性値は以下の通りであった。
1H−NMR(δ(ppm)、CDCl3):1.22(t、3H、J=7.1Hz)、2.85(dd、1H、J=7.8、13.5Hz)、3.06(dd、1H、J=5.4、13.5Hz)、3.69(dd、1H、J=5.4、7.8Hz)、7.17−7.30(m、5H)
13C−NMR(δ(ppm)、CDCl3):14.2、41.2、55.9、60.8、126.7、128.5、129.3.137.4、175.0
MS(CI、i−C4H10)m/z:194(MH+)
元素分析;Calcd:C,68.37%;H,7.82%;N,7.25%
Found:C,66.29%;H,7.69%;N,7.02%
13C−NMR(δ(ppm)、CDCl3):14.2、41.2、55.9、60.8、126.7、128.5、129.3.137.4、175.0
MS(CI、i−C4H10)m/z:194(MH+)
元素分析;Calcd:C,68.37%;H,7.82%;N,7.25%
Found:C,66.29%;H,7.69%;N,7.02%
実施例5((S)−2−アミノ−3−フェニルプロピオン酸及び(R)−2−アミノ−3−フェニルプロピオン酸エチルエステルの合成)
水を飽和させたt−ブチルメチルエーテル1.00mLに、2−アミノ3−フェニルプロピオン酸エチルエステル(ラセミ体混合物)100mg(0.517mmol)、参考例2で調製した界面活性剤修飾酵素Aを5.0mgを加え、攪拌しながら30℃で反応させた。24時間後、反応混合物にアセトン0.5mLを加えて濾過し、(S)−2−アミノ−3−フェニルプロピオン酸35.8mg(2−アミノ−3−フェニルプロピオン酸エチルエステル(ラセミ体混合物)基準の単離収率=41.8%)とリパーゼの混合物として得た。
(S)−2−アミノ−3−フェニルプロピオン酸を常法により(S)−2−(2−フロイルアミノ)−3−フェニルプロピオン酸エチルエステルに誘導して、光学活性カラムを用いた高速液体クロマトグラフィーを使用して光学純度を測定したところ95.9%eeであった。
(R)−2−アミノ−3−フェニルプロピオン酸エチルエステルを常法により(R)−2−(2−フロイルアミノ)−3−フェニルプロピオン酸エチルエステルに誘導して、光学活性カラムを用いた高速液体クロマトグラフィーを使用して光学純度を測定したところ91.7%eeであった。
なお、本反応におけるE値は155であった。
水を飽和させたt−ブチルメチルエーテル1.00mLに、2−アミノ3−フェニルプロピオン酸エチルエステル(ラセミ体混合物)100mg(0.517mmol)、参考例2で調製した界面活性剤修飾酵素Aを5.0mgを加え、攪拌しながら30℃で反応させた。24時間後、反応混合物にアセトン0.5mLを加えて濾過し、(S)−2−アミノ−3−フェニルプロピオン酸35.8mg(2−アミノ−3−フェニルプロピオン酸エチルエステル(ラセミ体混合物)基準の単離収率=41.8%)とリパーゼの混合物として得た。
(S)−2−アミノ−3−フェニルプロピオン酸を常法により(S)−2−(2−フロイルアミノ)−3−フェニルプロピオン酸エチルエステルに誘導して、光学活性カラムを用いた高速液体クロマトグラフィーを使用して光学純度を測定したところ95.9%eeであった。
(R)−2−アミノ−3−フェニルプロピオン酸エチルエステルを常法により(R)−2−(2−フロイルアミノ)−3−フェニルプロピオン酸エチルエステルに誘導して、光学活性カラムを用いた高速液体クロマトグラフィーを使用して光学純度を測定したところ91.7%eeであった。
なお、本反応におけるE値は155であった。
高速液体クロマトグラフィーの分析条件;
光学活性2−(2−フロイルアミノ)−3−フェニルプロピオン酸エチルエステル
カラム:Chiralcel OJ−H(0.46cmΦ×25cm、ダイセル化学工業製)
溶媒 :ヘキサン/イソプロピルアルコール(=8/2(容量比))
流速 :0.5mL/min
温度 :30℃
波長 :220nm
光学活性2−(2−フロイルアミノ)−3−フェニルプロピオン酸エチルエステル
カラム:Chiralcel OJ−H(0.46cmΦ×25cm、ダイセル化学工業製)
溶媒 :ヘキサン/イソプロピルアルコール(=8/2(容量比))
流速 :0.5mL/min
温度 :30℃
波長 :220nm
又、(S)−2−アミノ−3−フェニルプロピオン酸の物性値は以下の通りであった。
1H−NMR(δ(ppm)、CD3OD):3.12(dd、1H、J=8.0、14.5Hz)、3.29(dd、1H、J=5.2、14.5Hz)、3.99(dd、1H、J=5.2、8.0Hz)、7.32−7.45(m、5H)
13C−NMR(δ(ppm)、CD3OD):39.2、58.9、130.5、132.0、132.2、138.0、176.8
MS(CI、i−C4H10)m/z:166(MH+)
元素分析;Calcd:C,65.44%;H,6.71%;N,8.48%
Found:C,61.36%;H,6.69%;N,7.94%
13C−NMR(δ(ppm)、CD3OD):39.2、58.9、130.5、132.0、132.2、138.0、176.8
MS(CI、i−C4H10)m/z:166(MH+)
元素分析;Calcd:C,65.44%;H,6.71%;N,8.48%
Found:C,61.36%;H,6.69%;N,7.94%
(R)−2−アミノ3−フェニルプロピオン酸エチルエステルの物性値は参考例1で示したものと同様であった。
本発明は、界面活性剤修飾酵素の存在下、水と、水と均一相を形成する有機溶媒とを含んでなる均一系溶媒中で、カルボン酸エステルを加水分解してカルボン酸を製造する方法に関し、特に、エステル部位以外に不斉炭素原子を有するカルボン酸エステル(ラセミ体混合物;例えば、α又はβ−アミノ酸エステル(ラセミ体混合物))を加水分解して、光学活性カルボン酸(例えば、α又はβ−アミノ酸)を製造する方法に関する。本発明によって得られるカルボン酸、特に光学活性カルボン酸(例えば、光学活性α又はβ−アミノ酸)は、生理活性ペプチドやラクタム系抗生物質等の医農薬品、生理活性物質の原料又は合成中間体として有用である。
Claims (14)
- 界面活性剤修飾酵素の存在下、有機溶媒中にて、水と、カルボン酸エステル、但し、トリグリセリドを除く、を選択的に反応させることを特徴とする、界面活性剤修飾酵素を用いたカルボン酸の製造方法。
- カルボン酸エステルが、エステル部位以外に不斉炭素原子を有するラセミ体混合物のカルボン酸エステルである請求項1記載の製造方法。
- エステル部位以外に不斉炭素原子を有するラセミ体混合物のカルボン酸エステルが、一般式(I):
式中、Rは、置換基を有していても良い、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基、アラアルキル基、アリール基又はヘテロアリール基を表し、R1は、置換基を有していても良いアルキル基を表し、Zは、保護基を有していても良いアミノ基、保護基を有していても良いヒドロキシル基、又はアルキル基を表し、*は、不斉炭素原子を表す、なお、nは、0又は1である、
で示されるラセミ体混合物のα又はβ−置換カルボン酸エステルであり、カルボン酸が、一般式(II):
式中、R、Z、n及び*は、前記と同義である、
で示される光学活性α又はβ−置換カルボン酸である、請求項2記載の製造方法。 - エステル部位以外に不斉炭素原子を有するカルボン酸エステル(ラセミ体混合物)が、一般式(I):
式中、R、R1、Z、n及び*は、前記と同義である、
で示されるα又はβ−置換カルボン酸エステルであり、光学活性カルボン酸が、一般式(II):
式中、R、Z、n及び*は、前記と同義である、
で示される光学活性α又はβ−置換カルボン酸であり、加水分解されなかった残りのカルボン酸エステルが、一般式(III):
式中、R、R1、Z、n及び*は、前記と同義である、
で示される光学活性α又はβ−置換カルボン酸エステル、但し、一般式(II)の化合物とは逆の立体絶対配置を有する、である、請求項2又は3記載の製造方法。 - 界面活性剤修飾酵素が、加水分解酵素を界面活性剤で被覆処理し、有機溶媒に可溶化させた酵素である、請求項1記載の製造方法。
- 加水分解酵素が、プロテアーゼ、エステラーゼ又はリパーゼである請求項1又は5記載の製造方法。
- 加水分解酵素が、バルクホルデリア・セパシア(シュードモナス・セパシア)(Burkholderia cepacia(Pseuomonas cepacia))を起源とするリパーゼ及びカンジダ・アンタークティカ(Candida Antarctica)を起源とするリパーゼからなる群より選ばれる少なくとも1種の加水分解酵素である請求項6記載の製造方法。
- 界面活性剤が、N−D−グルコノ−L−グルタミン酸ジエステルである、請求項5記載の製造方法。
- 使用する水の量が、カルボン酸エステル1モルに対して、0.5〜10モルである請求項1に記載の製造方法。
- 有機溶媒が、エーテル類、ケトン類、エステル類、脂肪族炭化水素類及び芳香族炭化水素類からなる群より選ばれる少なくとも1種の有機溶媒である請求項1記載の製造方法。
- R1が置換基を有していても良いメチル基又はエチル基である請求項3又は4に記載の製造方法。
- R1における置換基が、ハロゲン原子又はアルコキシ基である請求項11に記載の製造方法。
- Zが、アミノ基又はアラルキル基で置換されたアミノ基である請求項3又は4に記載の製造方法。
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