JP3532922B2 - (r)−2−アミノ−1−フェニルエタノールまたはそのハロゲン置換体の製造方法、光学活性フェニルセリンまたはそのハロゲン置換体の製造方法、新規化合物3−(3−クロロフェニル)セリン - Google Patents

(r)−2−アミノ−1−フェニルエタノールまたはそのハロゲン置換体の製造方法、光学活性フェニルセリンまたはそのハロゲン置換体の製造方法、新規化合物3−(3−クロロフェニル)セリン

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JP3532922B2 JP52281995A JP52281995A JP3532922B2 JP 3532922 B2 JP3532922 B2 JP 3532922B2 JP 52281995 A JP52281995 A JP 52281995A JP 52281995 A JP52281995 A JP 52281995A JP 3532922 B2 JP3532922 B2 JP 3532922B2
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直紀 河田
武 浜谷
陽一郎 上田
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Description

【発明の詳細な説明】 技術分野 本発明は、酵素または微生物を用いた、式(2)で表
される(R)−2−アミノ−1−フェニルエタノールま
たはそのハロゲン置換体の製造方法、光学活性フェニル
セリンまたはそのハロゲン置換体の製造方法、および反
応の基質となる3−(3−クロロフェニル)セリンに関
する。式(2)で表される(R)−2−アミノ−1−フ
ェニルエタノールまたはそのハロゲン置換体は種々の医
農薬原料、特に抗肥満薬の原料として工業的に重要であ
る。また、光学活性フェニルセリンまたはそのハロゲン
置換体は医薬原料、特に抗生物質の原料として重要であ
る。
背景技術 従来、式(2)で表わされる(R)−2−アミノ−1
−フェニルエタノールまたはそのハロゲン置換体を製造
する方法としては、光学活性2−アミノ−1−フェニル
エタノールについては、 (1) リパーゼによる光学分割(J.Chem.Soc.Perkin
Trans.,1,1759−1762(1992)) (2) (R)−オキシニトリラーゼにより、(R)−
マンデロニトリルを調製し、これをLiAlH4で還元する方
法(Synthesis,(7),575−578(1990)) (3) α−クロロアセトフェノンをパン酵母で不斉還
元し、これをさらにアミノ化する方法(Indian J.Che
m.,Sect.B,31B(12),821−823(1992)) (4) 光学活性スチレンオキシドのアミノ化(特開昭
61−85197号公報) (5) 3−アミノ安息香酸塩でR体を優先晶出させる
方法(日本化学会誌(5)、910−913(1985)) (6) アルパインボラン存在下にベンゾイルシアニド
を不斉還元し、R体を得る方法(J.Org.Chem.,50,3237
−3239(1985)) (7) スルホン酸アルカリ金属塩置換ビナフチルホス
フィン触媒存在下での不斉還元(特開平5−170780号公
報) などが知られている。
また、(R)−2−アミノ−1−(3−クロロフェニ
ル)エタノールに関しては、 (8)N−(t−ブトキシカルボニル)−D−アラニン
溶液とラセミ2−アミノ−1−(3−クロロフェニル)
エタノール溶液を混合し、ジアステレオマーの塩を形成
させ、(R)−2−アミノ−1−(3−クロロフェニ
ル)エタノールとN−(t−ブトキシカルボニル)−D
−アラニンの塩が優先的に晶出する性質を利用して光学
分割する方法(欧州特許出願公開第294995号明細書)が
知られているに過ぎない。
更に、光学活性フェニルセリンまたはそのハロゲン置
換体を製造する方法としては、 (9) 2−ホルミル−3−ヒドロキシ[2.2]パラシ
クロファンを用い、アルドール縮合を行う方法(Angew.
Chem.,106(1),106−108(1994)) (10) アルドラーゼを用い、アルドール縮合を行う、
あるいは逆にラセミ体にアルドラーゼを作用させ、一方
のエナンチオマーのみを残す方法(特開平6−165693号
公報、特開平6−125786号公報、特公昭52−46313号公
報、Can.J.Chem.,72(1),114−117(1994)) (11) (S)−ビナフトールと(S)−アラニンをも
つ脂質、ピリドキサール誘導体、Cu(II)からなる人工
酵素を用いる方法(Chem.Lett.,(1),55−58(199
4)) (12) N−フェニルアセチル化誘導体をペニシリンア
シラーゼを用いて光学分割する方法(Bioorg.Khim.,19
(4),478−483(1993)) (13) セリンヒドロキシメチルトランスフェラーゼを
用いる方法(Tetrahedron,48(12),2507−2514(199
2)) (14) N−フタロイル−α−アミノ酸エステルをN−
ブロモコハク酸イミドでブロム化した後AgNO3と反応さ
せる方法(Tetrahedron Lett.,31(48),7059−7062(1
990)) (15) イソシアンカルボン酸とアルデヒドを光学活性
フェロセン、金錯体存在下で縮合させ、光学活性オキサ
ゾリンを得て、これを加水分解する方法(特開昭63−60
977号公報) (16) (S)−o−[N−(N−ベンジルプロリル)
アミノ]ベンゾフェノンとグリシンから誘導されるシッ
フ塩基のNi(II)錯体とアルデヒドでアルドール縮合を
行う方法(J.Chem.Soc.Perkin Trans.1(24),3143−31
55(1993)) などが知られている。
また、本発明に関わる反応の基質となる3−(3−ク
ロロフェニル)セリンについては、エリトロ体について
の記載があるが(Ulevitch R.J.& Kallen R.G.,Bioche
mistry,16(24),5355−5363(1977))、その具体的合
成法に関しては全く記載されていない。
従来の(R)−2−アミノ−1−フェニルエタノール
またはそのハロゲン置換体の製造方法は、以下のような
問題点を有している。つまり、(1)の方法は酵素自体
が高価であり、生成物の分離も容易ではなく、さらに反
応収率も高いものではない。(2)の方法も酵素自体が
高価であり、10000U/Lもの高濃度の酵素が必要である。
(3)は反応収率、基質濃度ともに低い。(4)は、微
生物反応による光学活性スチレンオキシドの生成量が極
めて少なく、高価な方法となってしまう。(5)の方法
は、安息香酸塩の溶解度が低く、一回の処理で得られる
結晶が少なく経済的ではない。(6)の方法は、アルパ
インボランが高価であり光学純度も満足できるほど高く
ない。(7)の方法は、ビナフチルホスフィン触媒が極
めて高価である。(8)の方法では、N−Boc−D−ア
ラニンは極めて高価であるため、効率的なN−Boc−D
−アラニンの回収方法が必要であり、工業的な製造方法
とはなりがたい。以上のように今まで知られている方法
は、安価に、工業レベルで、式(2)で表わされる
(R)−2−アミノ−1−フェニルエタノールまたはそ
のハロゲン置換体の製造を可能にするものではなく、工
業的な製造方法が求められていた。
また、従来の光学活性フェニルセリンまたはそのハロ
ゲン置換体の製造方法も、以下のような問題点を有して
いる。つまり、(9),(11),(15),(16)につい
ては、光学活性な触媒を大量に合成するのが、困難かつ
極めて高価であり実用的ではない。また、連続する2つ
の不斉中心の立体配置を完全に制御するまでには至って
おらず、生成物をさらにカラムクロマトグラフィーなど
で精製する必要がある。さらに、反応条件も−80℃と極
めて低い温度が要求される場合がある。(10),(13)
は生成物の濃度が低く、かつアルデヒドが酵素の失活を
招くという問題がある。また、これらも合成反応の場
合、3位の立体配置は制御できない。(12)の方法は酵
素自体が高価である。(14)は(2S,3R)−体と(2S,3
S)−体の比が5:1であり、立体選択性が満足できるもの
ではなく、反応も多段階を要する。以上のように今まで
知られている方法は、安価に、工業レベルで、光学活性
フェニルセリンまたはそのハロゲン置換体の製造を可能
にするものではない。
一方、チロシンデカルボキシラーゼ(tyrosine decar
boxylase、EC 4.1.1.25)は微生物に存在し、L−チロ
シンをチラミンに変換する反応を触媒する酵素として知
られており、ピリドキサール−5'−リン酸を補酵素とす
る酵素である(E.A.Boeker & E.E.Snell,The Enzyme V
ol.6,pp.217−253,Academic Press,New York(197
2))。チロシンデカルボキシラーゼ活性の見い出され
た微生物として、ラクトバチルス(Lactobacillus)
属、シュードモナス(Pseudomonas)属、エンテロコッ
カス(Enterococcus)属の微生物、とりわけエンテロコ
ッカス・フェカリス(Enterococcus faecalis)が良く
知られている。これらの酵素の基質特異性についてはい
くつかのの研究があるが、ほとんどの場合チロシン分子
中のフェニル基のパラ位あるいは、メタ、パラ位同時に
置換した基質について研究がなされており(例えば、R.
Ferrini & A.Glasser,Biochem.Pharmacol.,13,798−80
1(1964))、β位を水酸基で置換した基質の場合の検
討は全くなされていない。また、特公昭52−31428号公
報には、バクテリアであるミクロコッカス属(Micrococ
cus)微生物由来の芳香族アミノ酸デカルボキシラーゼ
が、DL−3−フェニルセリンにも若干作用することが開
示されているが、生成物の光学純度、および正確な濃度
は記載されていない。また、フザリウム(Fusarium)属
微生物のなかには、フェニルアラニンデカルボキシラー
ゼ活性を持つものがいることが報告されている(Ferenc
ik M.& Ladzianska K.,Folia Microbiology,13,414−1
8(1968))が、どの種がフェニルアラニンデカルボキ
シラーゼ活性を有するか明らかではなく、また、本発明
に関わる基質に作用するか否かも全く記載されていな
い。さらに、ジベレラ(Gibberella)属に属する微生物
についてはアミノ酸脱炭酸酵素に関する報告は全く知ら
れていない。
このように、チロシンデカルボキシラーゼ、またはエ
ンテロコッカス(Enterococcus)属、ラクトバチルス
(Lactobacillus)属、プロビデンシア(Providencia)
属、フザリウム(Fusarium)属またはジベレラ(Gibber
ella)属に属する微生物が、スレオ−3−フェニルセリ
ンまたはそのハロゲン置換体のエナンチオマー混合物に
作用し、(R)−2−アミノ−1−フェニルエタノール
またはそのハロゲン置換体を生成すること、また、同時
にスレオ−3−フェニルセリンまたはそのハロゲン置換
体のエナンチオマー混合物のうち、一方のエナンチオマ
ーのみを残存させ、光学活性なスレオ−3−フェニルセ
リンまたはそのハロゲン置換体を生成することは、今ま
で全く知られていなかった。
発明の開示 本発明者らはこれらの点に鑑み、基質の合成の容易
さ、経済性、微生物による反応の立体選択性ならびに酵
素のもつ立体選択的な脱炭酸反応に着目し、鋭意検討を
重ねた。その結果、チロシンデカルボキシラーゼ、また
はエンテロコッカス(Enterococcus)属、ラクトバチル
ス(Lactobacillus)属、プロビデンシア(Providenci
a)属、フザリウム(Fusarium)属またはジベレラ(Gib
berella)属に属する微生物が、式(1)で表されるス
レオ−3−フェニルセリンまたはそのハロゲン置換体の
エナンチオマー混合物に作用し、式(2)で表される
(R)−2−アミノ−1−フェニルエタノールまたはそ
のハロゲン置換体をほぼ100%の光学純度で生成するこ
と、また、同時にスレオ−3−フェニルセリンまたはそ
のハロゲン置換体のエナンチオマー混合物のうち、一方
のエナンチオマーのみを残存させ、光学活性なスレオ−
3−フェニルセリンまたはそのハロゲン置換体を生成す
ることを見い出し、本発明を完成した。
即ち、本発明は、式(1)で表されるスレオ−3−フ
ェニルセリンまたはそのハロゲン置換体のエナンチオマ
ー混合物に対して、該混合物を立体選択的に脱炭酸し、
式(2)で表される(R)−2−アミノ−1−フェニル
エタノールまたはそのハロゲン置換体を生成する能力を
有する、チロシンデカルボキシラーゼ、またはエンテロ
コッカス(Enterococcus)属、ラクトバチルス(Lactob
acillus)属、プロビデンシア(Providencia)属、フザ
リウム(Fusarium)属またはジベレラ(Gibberella)属
に属する微生物を作用させ、生成する式(2)で表され
る(R)−2−アミノ−1−フェニルエタノールまたは
そのハロゲン置換体を回収すること、また、同時にスレ
オ−3−フェニルセリンまたはそのハロゲン置換体のエ
ナンチオマー混合物のうち、一方のエナンチオマーのみ
を残存させ、生成する光学活性なスレオ−3−フェニル
セリンまたはそのハロゲン置換体を回収することを特徴
とする、(R)−2−アミノ−1−フェニルエタノール
またはそのハロゲン置換体の製造方法、光学活性なスレ
オ−3−フェニルセリンまたはそのハロゲン置換体の製
造方法、および新規な化合物3−(3−クロロフェニ
ル)セリンに関するものである。
本発明で使用するチロシンデカルボキシラーゼはいか
なる起源のものでも使用可能であるが、入手しやすいエ
ンテロコッカス・フェカリス(Enterococcus faecali
s)、エンテロコッカス・ヒラエ(Enterococcus hira
e)等微生物起源の酵素が好適に用いられる。(なお、
「ストレプトコッカス・フェカリス」(Streptococcus
faecalis)は旧名称であり、実際にはエンテロコッカス
属に属する微生物由来の酵素であると考えられる。1981
年の分類改正によりストレプトコッカス属からエンテロ
コッカス属が独立し「Berger's Manual of Systematic
Bactcriology(1986年)」によれば、旧ストレプトコッ
カス・フェカリスはエンテロコッカス・フェカリスと分
類されている。) 本発明で使用する微生物はエンテロコッカス(Entero
coccus)属、ラクトバチルス(Lactobacillus)属、プ
ロビデンシア(Providencia)属、フザリウム(Fusariu
m)属またはジベレラ(Gibberella)属に属する微生物
群から選ばれた微生物で、スレオ−3−フェニルセリン
またはそのハロゲン置換体のエナンチオマー混合物に作
用し、式(2)で表される(R)−2−アミノ−1−フ
ェニルエタノールまたはそのハロゲン置換体を生成する
能力を有する微生物であればいずれも使用可能である。
具体的には、エンテロコッカス・フェカリス(Enteroco
ccus faecalis)NRIC1141、エンテロコッカス・ヒラエ
(Enterococcus hirae)IFO3181、ラクトバチルス・ブ
レビス(Lactobacillus brevis)NRIC1037、プロビデン
シア・スチュアーティ(Providencia stuatii)IFO1293
0、フザリウム・アングイオイデス(Fusarium anguioid
es)IFO4467、ジベレラ・フジクロイ(Gibberella fuji
kuroi)IFO9977、IFO30336、IFO30337、IFO31251、NRIC
1240株、ジベレラ・ゼアエ(Gibberella zeae)IFO777
2、ジベレラ・ラテリティウム(Gibberella lateritiu
m)IFO7188、ジベレラ・アクミナタ(Gibberella acumi
nata)IFO30307株などを挙げることができる。これらの
微生物は、野生株、変異株、または細胞融合もしくは遺
伝子操作などの遺伝的手法より誘導される組換え株な
ど、いずれの株でも好適に用いることができる。
なお、IFO番号の付された微生物は、財団法人・発酵
研究所発行の微生物カタログ第9版(1992年)に記載さ
れており、同研究所より入手することができる。また、
NRIC番号の付された微生物は東京農業大学発行の菌株カ
タログ第2版(1992年)に記載されており、同大学より
入手することができる。
また、前出の財団法人・発酵研究所発行の微生物カタ
ログ第9版,pp.312〜320(1992)および、宇田川俊一ら
著「菌類図鑑」上巻pp.518〜522,下巻pp.1055〜1059,講
談社(1978)によれば、ジベレラ・フジクロイ(Gibber
ella fujikuroi)の分生子世代はフザリウム・モニリフ
ォルムFusarium moniliforme)、ジベレラ・ゼアエ(Gi
bberella zeae)の分生子世代はフザリウム・グラミネ
アルム(Fusarium graminearum)、ジベレラ・ラテリテ
ィウム(Gibberella lateritium)の分生子世代はフザ
リウム・ラテリティウム(Fusarium lateritium)とそ
れぞれ規定されており、これらの完全世代の種名とそれ
ぞれに対応する分生子世代の種名は同じ生物種を示すこ
とは明らかである。即ち、フザリウム・モニリフォル
ム、フザリウム・グラミネアルム、フザリウム・ラテリ
ティウムを用いて本発明を実施した場合も、本発明に包
含されることは明らかである。
本発明に用いる微生物を培養するための培地は、その
微生物が増殖しうるものであれば特に制限はない。例え
ば、炭素源としては、上記微生物が利用可能であればい
ずれも使用でき、具体的には、グルコース、フルクトー
ス、シュクロース、デキストリンなどの糖類、ソルビト
ール、グリセロールなどのアルコール類、フマール酸、
クエン酸、酢酸、プロピオン酸などの有機酸類およびそ
の塩類、パラフィンなどの炭化水素類などあるいはこれ
らの混合物を使用することができる。窒素源としては例
えば、塩化アンモニウム、硫酸アンモニウム、リン酸ア
ンモニウムなどの無機酸のアンモニウム塩、フマル酸ア
ンモニウム、クエン酸アンモニウムなどの有機酸のアン
モニウム塩、肉エキス、酵母エキス、コーンスティープ
リカー、カゼイン加水分解物、尿素、などの無機有機含
窒素化合物、あるいはこれらの混合物を使用することが
できる。他に無機塩、微量金属塩、ビタミン類など、通
常の培養に用いられる栄養源を適宜混合して用いること
ができる。また、必要に応じて微生物の増殖を促進する
因子、本発明の目的化合物の生成能力を高めるセリン、
チロシン、バリン、ロイシン、アラニン、イソロイシ
ン、グリシン、フェニルアラニン、トリプトファン、ス
レオ−3−フェニルセリンまたはそのハロゲン置換体な
どのアミノ酸誘導源、ピロドキサール−5'−リン酸、ピ
リドキサール塩酸塩などのビタミンB6類などの因子、あ
るいは培地のpH保持に特有なCaCo3などの物質も添加で
きる。例として、バクテリアについてはブイヨン培地、
乳酸菌類についてはMRS培地、GYP培地、カビの培養には
YM培地、ポテト−シュクロース培地等が適当である(財
団法人・発酵研究所発行の微生物カタログ第9版(1992
年),pp452〜453、東京農業大学発行菌株カタログ第2
版(1992年),pp51〜52参照)。
培養方法としては培地pHは3.0〜11.0、好ましくは4
〜8、培養温度は20〜45℃、好ましくは25〜37℃で、嫌
気的あるいは好気的にその微生物に適した条件下で5〜
120時間、好ましくは24〜96時間程度培養する。
なお、DL−スレオ−3−フェニルセリンまたはそのハ
ロゲン置換体は、公知の方法によって容易に合成するこ
とができる(例えば「K.N.F.Shaw & S.W.Fox,J.Amer.C
hem.Soc.,75,3421−3424(1953)」参照)が、3−(3
−クロロフェニル)セリンについては実際に合成を行っ
たことを示す文献は知られていない。
基質である式(1)で表されるスレオ−3−フェニル
セリンまたはそのハロゲン置換体のエナンチオマー混合
物は酵素の基質阻害が起こらない濃度範囲で、一括ある
いは間欠的に、あるいは連続して添加すればよく、通常
0.01から20%(w/w)程度添加する。基質は、そのまま
水に溶解あるいは分散して、または水に溶解あるいは反
応に影響を与えないような有機溶媒に溶解したり、界面
活性剤などに分散させたりして添加すればよい。
酵素を利用する場合は、反応の際のチロシンデカルボ
キシラーゼの濃度は基質の濃度にもよるが、通常0.005
〜5.0ユニット/mlの濃度である。(なお、1ユニットと
は、37℃、pH5.5で、1分間に1μモルの基質を脱炭酸
することのできる酵素活性を指す。)酵素は市販の酵素
の他に、市販の酵素を更に高度に精製したもの、菌体か
ら公知の方法を組み合わせて精製取得したものも使用で
きる。反応は酵素を反応液に懸濁あるいは溶解させた状
態で行う他、カラギーナンゲル、アルギン酸ゲル、ポリ
アクリルアミドゲル、セルロース、寒天などに酵素を公
知の方法で固定化して行うことも可能である。また限外
濾過膜などを備えたバイオリアクター中で酵素を反応さ
せることもできる。
微生物を利用する場合は、培養液をそのまま用い、該
培養液にスレオ−3−フェニルセリンまたはそのハロゲ
ン置換体のエナンチオマー混合物を添加する方法、遠心
分離などにより、菌体を分離し、これをそのまま、ある
いは洗浄した後、緩衝液、水などに再懸濁したものに、
スレオ−3−フェニルセリンまたはそのハロゲン置換体
のエナンチオマー混合物を添加し反応させる方法などが
ある。また、微生物は生菌体のままでもよいが、菌体破
砕物、アセトン処理、トルエン処理、凍結乾燥などの処
理を施したものでもよい。微生物(生菌体または菌体を
処理したもの)を、カラギーナンゲル、アルギン酸ゲ
ル、ポリアクリルアミドゲル、セルロース、寒天などに
公知の方法で固定化して本発明を実施することも可能で
あり、限外濾過膜などを用いて反応器中で反応させるこ
ともできる。反応液には基質であるスレオ−3−フェニ
ルセリンまたはそのハロゲン置換体のエナンチオマー混
合物の菌体内への透過性を改善するため、塩化セチルピ
リジニウム、セチルトリメチルアンモニウムブロミド、
トライトンX(Triton X)、ツイーン(Tween)などの
界面活性剤を0.001〜0.5%程度添加すると良い結果が得
られる場合がある。
なお、微生物(生菌体または菌体を処理したもの)お
よび酵素を用いる場合に共通の事項として以下のことが
あげられる。反応液の気相を窒素置換する、あるいは液
面を流動パラフィン等でシールすることにより、酸素を
遮断することで良好な結果が得られることもある。反応
は、通常5〜70℃、望ましくはラクトバチルス属、プロ
ビデンシア属については20〜40℃、エンテロコッカス
属、ジベレラ属、フザリウム属については、45〜60℃、
チロシンデカルボキシラーゼについては25〜60℃で行
う。反応pHは脱炭酸を行う酵素が反応する範囲で適宜選
択すればよいが、通常pH4〜11、望ましくはpH5〜9で行
い、通常、緩衝液中あるいはpHスタットを用いて行う。
反応は静置あるいは振盪、攪拌いずれでも行うことがで
きる。反応に用いる溶媒は通常、水であるが、反応に影
響を与えない範囲でアルコールなどの有機溶媒を加える
ことができる。生成した(R)−2−アミノ−1−フェ
ニルエタノールまたはそのハロゲン置換体は限外濾過、
濃縮、カラムクロマトグラフィー、抽出、晶析など通常
の方法を組合わせることで回収・精製できる。また、残
存する光学活性スレオ−3−フェニルセリンまたはその
ハロゲン置換体も同様の操作で回収・精製できる。
発明を実施するための最良の形態 次に本発明を実施例により具体的に説明するが、本発
明はこれら実施例にのみ限定されるものではない。
なお、本発明における(R)−2−アミノ−1−フェ
ニルエタノールまたはそのハロゲン置換体、および光学
活性スレオ−3−フェニルセリンまたはそのハロゲン置
換体の光学純度の測定は「CROWNPAK CR(+)」(ダイ
セル化学工業社製)を用いるHPLCにより行った(カラ
ム:CROWNPAK CR(+)、内径4.6×150mm、移動相:過塩
素酸水溶液,pH2.0(pH1.0)、流速:1.0ml/分、温度:10
℃(5℃)、検出:UV254nm[()内は光学活性スレオ−
3−フェニルセリンまたはそのハロゲン置換体を測定す
る場合])。また、スレオ−3−フェニルセリンまたは
そのハロゲン置換体、2−アミノ−1−フェニルエタノ
ールまたはそのハロゲン置換体の定量はODSカラムを用
いる逆相HPLCによって行った(カラム:Wakosil ODS II
HG(和光純薬社製)、内径4.6×250mm、移動相:50mMカ
リウムリン酸緩衝液,pH2.5/アセトニトリル[9:1,v/
v]、流速:1.0ml/分、温度:50℃、検出:254nm)。
また、以下の実施例における「菌体調製用培地1A」
「菌体調製用培地1B」「菌体調製用培地2」「菌体調製
用培地3」「菌体調製用培地4」「菌体調製用培地5」
「YM培地」の調製法は以下の通りである。
(菌体調製用培地1A) グルコース5g、酵母エキス(極東製薬)5g、ポリペプト
ン(日本製薬)5g、MgSO4・7H2O 1g、DL−スレオ−3−
(3−クロロフェニル)セリン0.2g、ピリドキサール塩
酸塩0.1gを混合し、脱イオン水にて総容量1000mlとし、
pH7.0に合わせる。
(菌体調製用培地1B) グルコース5g、酵母エキス(極東製薬)5g、ポリペプト
ン(日本製薬)5g、MgSO4・7H2O 1g、L−チロシン0.2
g、ピリドキサール塩酸塩0.1gを混合し、脱イオン水に
て総容量1000mlとし、pH7.0に合わせる。
(菌体調製用培地2) グルコース5g、KH2PO40.7g、(NH42HPO41.3g、MgSO47
H2O 0.5g、酵母エキス(極東製薬)3g、ポリペプトン
(日本製薬)5g、肉エキス(極東製薬)3g、DL−スレオ
−3−(3−クロロフェニルセリン)0.2gを混合し、脱
イオン水にて総容量1000mlとし、pH7.2に合わせる。
(菌体調製用培地3) グリセリン20g、酵母エキス(極東製薬)3g、ポリペプ
トン(日本製薬)5g、麦芽エキス(極東製薬)3g、ピリ
ドキサール塩酸塩0.1g、脱イオン水1000mlを混合しpH7.
0に合わせる。
(菌体調製用培地4) グリセリン5g、ポテト浸出液(皮を剥いたじゃがいも20
0gを1cm角に切り、水1000mlを加え20分間沸騰させた
後、ガーゼで濾過したもの)200g分、ピリドキサール塩
酸塩0.1gを混合したものに脱イオン水を加え総容量1000
mlとし、pH5.6に合わせる。
(菌体調製用培地5) グルコース24g、酵母エキス(アサヒビール製)19.2g、
KH2PO41.3g、(NH42SO42.4g、MgSO4・7H2O1.3g、FeSO
4・7H2O0.016g、ZnSO4・7H2O0.016g、FSアンチフォーム
028(ダウコーニング社製)0.3gを混合し脱イオン水を
加え総容量1000mlとし、pH6.0に合わせる。
(YM培地) グルコース10g、酵母エキス(極東製薬)3g、麦芽エキ
ス(極東製薬)3g、ポリペプトン(日本製薬)5gを混合
し脱イオン水を加え総容量1000mlとし、pH6.0に合わせ
る。
[実施例1] (スレオ−3−(3−クロロフェニル)セリンの合成) 2Lのセパラブルフラスコに水酸化ナトリウム(80.0g,
2.0ml)、グリシン(100.0g,1.33mol)、および水(330
ml)を入れ、氷浴にて15℃に冷やした。m−クロロベン
ズアルデヒド(375.0g,2.66mol)を一度に加え、激しく
撹拌した。次第に白色固体が析出し、約1時間で撹拌が
困難になった。撹拌を止め、反応混合物を室温で24時間
放置した。15℃に冷やした後、濃硫酸(36%,202.6g,17
6ml,2.0mol)をゆっくり滴下した(約1時間)。滴下終
了後、トルエン(370ml)を加えて約1時間撹拌した。
混合物を吸引ろ過し、得られた白色固体はトルエン(約
500ml)を用いて洗浄した。得られた白色固体にイソプ
ロパノール(1L)を加え、1時間還流した。冷却後、混
合物を吸引ろ過し、イソプロパノール(約500ml)で十
分洗浄した。得られた白色固体を減圧乾燥(50℃、2
日)し、目的化合物を229.4g得た(収率79.9%)。
融点 169℃(分解) IR(KBr)3094,2896,1634,1600,1574,1479,1434,1401,1
338,1200,1055,871,786,685cm-1.1 H−NMR(D2O−TMSPNa)δ7.52(br s,1H),7.45−7.38
(m,3H),5.30(d,J=4.39Hz,1H),3.92(d,J=4.36Hz,
1H). 参考値(エリトロ体)1H−NMR(D2O−TMSPNa)δ5.36
(d,J=4.01Hz,1H),4.10(d,J=4.09Hz,1H) [実施例2] 「菌体調製用培地1A」をそれぞれ30mlずつ100ml三角
フラスコにいれ、滅菌後、エンテロコッカス・フェカリ
ス(Enterococcus faecalis)NRIC1141、エンテロコッ
カス・ヒラエ(Enterococcus hirae)IFO3181、ラクト
バチルス・ブレビス(Lactobacillus brevis)NRIC1037
を植菌し、エンテロコッカス・フェカリスNRIC1141、エ
ンテロコッカス・ヒラエIFO3181は37℃で、ラクトバチ
ルス・ブレビスNRIC1037は30℃で24時間回転振盪培養を
行った。続いて、遠心分離で菌体を分離し、生菌体を得
た。次に生菌体を100mM酢酸緩衝液(pH5.5)に懸濁し、
OD660nmが60となるよう調整した。このうち1.0mlを内径
21mm試験管にいれ、さらに反応溶液(60mM DL−スレオ
−3−(3−クロロフェニル)セリン/0.4mMピリドキサ
ール−5'−リン酸溶液(100mM酢酸緩衝液,pH5.5))を
1.0ml加えて、エンテロコッカス・フェカリスNRIC114
1、エンテロコッカス・ヒラエIFO3181は37℃で、ラクト
バチルス・ブレビスNRIC1037は30℃で、96時間振盪反応
させた。反応終了後、遠心分離にて上清を分離し、HPLC
にて生成した2−アミノ−1−(3−クロロフェニル)
エタノールの光学純度と生成量を測定した。
HPLCでの定量の結果、エンテロコッカス・フェカリス
NRIC1141を用いた場合、3.38mMの(R)−2−アミノ−
1−(3−クロロフェニル)エタノールが100%e.e.の
光学純度で生成した。反応の収率は[3.38/(60/2)]
×100=11.3%であった。また、エンテロコッカス・ヒ
ラエIFO3181を用いた場合、8.92mMの(R)−2−アミ
ノ−1−(3−クロロフェニル)エタノールが100%e.
e.の光学純度で生成した。反応の収率は[8.92/(60/
2)]×100=29.7%であった。更に、ラクトバチルス・
ブレビスNRIC1037を用いた場合、1.98mMの(R)−2−
アミノ−1−(3−クロロフェニル)エタノールが100
%e.e.の光学純度で生成した。反応の収率は[1.98/(6
0/2)]×100=6.6%であった。
[実施例3] 実施例2と同様にしてエンテロコッカス・フェカリス
NRIC1141、エンテロコッカス・ヒラエIFO3181の菌体を
調製し、基質をDL−スレオ−3−フェニルセリンに変え
た以外は同一の条件で反応させた。HPLCにて生成した2
−アミノ−1−フェニルエタノールの光学純度と生成量
を測定した。
HPLCでの定量の結果、エンテロコッカス・フェカリス
NRIC1141を用いた場合、2.55mMの(R)−2−アミノ−
1−フェニルエタノールが100%e.e.の光学純度で生成
した。反応の収率は[2.55/(60/2)]×100=8.5%で
あった。また、エンテロコッカス・ヒラエIFO3181を用
いた場合、6.5mMの(R)−2−アミノ−1−フェニル
エタノールが100%e.e.の光学純度で生成した。反応の
収率は[6.50/(60/2)]×100=21.6%であった。
[実施例4] 「菌体調製用培地2」10mlを内径21mm試験管にいれて
滅菌後、プロビデンシア・スチュアーティ(Providenci
a stuatii)IFO12930を一白金耳植菌し、30℃、24時間
振盪培養した。続いて、遠心分離で菌体を分離し、生菌
体を得た。次に生菌体を100mM NH4OH−NH4Cl緩衝液(pH
8.5)に懸濁し、2.0mlとした。このうち1.0mlを内径21m
m試験管にいれ、さらに60mM DL−スレオ−3−(3−ク
ロロフェニル)セリン/0.4mMピリドキサール−5'−リン
酸溶液(100mM NH4OH−NH4Cl緩衝液,pH8.5中)1.0mlを
加えて30℃、24時間振盪反応させた。反応終了後、遠心
分離にて上清を分離し、HPLCにて生成した2−アミノ−
1−(3−クロロフェニル)エタノールの光学純度と生
成量を測定した。
HPLCでの定量の結果、0.9mMの(R)−2−アミノ−
1−(3−クロロフェニル)エタノールが100%e.e.の
光学純度で生成した。反応の収率は[0.9/(60/2)]×
100=3.0%であった。
[実施例5] 「菌体調製用培地3、4」をそれぞれ5mlずつ内径21m
m試験管にいれ、滅菌後、ジベレラ・フジクロイ(Gibbe
rella fujikuroi)IFO30337株を一白金耳植菌し、30℃
で48時間振盪培養を行った。続いて、遠心分離で菌体を
分離し、生菌体を得た。次に生菌体を100mM酢酸緩衝液
(pH5.5)に懸濁し1.0mlとし、内径15mm試験管にいれ
た。さらに92.8mM DL−スレオ−3−(3−クロロフェ
ニル)セリン/0.4mMピリドキサール−5'−リン酸溶液
(100mM酢酸緩衝液(pH5.5))1.0mlを加えて流動パラ
フィン2.0mlを重層した後、30℃、17時間静置反応させ
た。反応終了後、遠心分離にて上清を分離し、HPLCにて
生成した2−アミノ−1−(3−クロロフェニル)エタ
ノールの光学純度と生成量を測定した。結果を表1に示
す。
[実施例6] 実施例5と同様にしてジベレラ・フジクロイ(Gibber
ella fujikuroi)IFO30337株の菌体を「菌体調製用培地
3」で調製し、基質をDL−スレオ−3−フェニルセリン
に変えた以外は同一の条件で30℃、17時間静置反応させ
た。反応終了後、遠心分離にて上清を分離し、HPLCにて
生成した2−アミノ−1−フェニルエタノールの光学純
度と生成量を測定した。光学純度(%ee)はR体が100
%e.e.、生成量は6.9mM、反応収率は14.9%であった。
[実施例7] 実施例5と同様にして、ジベレラ・フジクロイ(Gibb
erella fujikuroi)IFO9977株、30336株、31251株、NRI
C1240株、ジベレラ・アクミナタ(Gibberella acuminat
a)IFO30307株、ジベレラ・ゼアエ(Gibberella zeae)
IFO7772、ジベレラ・ラテリティウム(Gibberella late
ritium)IFO7188、フザリウム・アングイオイデス(Fus
arium anguioides)IFO4467、の各菌体を5mlの「菌体調
製用培地3」に一白金耳植菌し、ジベレラ・フジクロイ
種の各株については48時間、それ以外の種の各株につい
ては72時間30℃で振盪培養し、遠心分離で生菌体を得
た。次に生菌体を100mM酢酸緩衝液(pH5.5)に懸濁し1.
0mlとした。これを内径15mm試験管にいれ、さらに92.8m
M DL−スレオ−3−(3−クロロフェニル)セリン/0.4
mMピリドキサール−5'−リン酸溶液(100mM酢酸緩衝液
(pH5.5))1.0mlを加えて30℃、17時間静置反応させ
た。反応終了後、遠心分離にて上清を分離し、HPLCにて
生成した2−アミノ−1−(3−クロロフェニル)エタ
ノールの光学純度と生成量を測定した。結果を表2に示
す。なお、光学純度欄の「R」はR体を示す。
[実施例8] 1.2Lミニジャー(丸菱バイオエンジ製)に「菌体調製
用培地3」を700ml入れ、121℃、15分間滅菌した。冷却
後、ジベレラ・フジクロイ(Gibberella fujikuroi)IF
O30337株を「YM培地」(5ml/内径21mm試験管)で30℃、
24時間振盪培養した液を1.4ml植菌し、30℃、600回転、
1.0vvmで40.5時間培養した。この培養液100mlを遠心分
離し、50mlの100mM酢酸緩衝液,pH5.5で2回洗浄した
後、同緩衝液に懸濁し9.8mlとした。これにDL−スレオ
−3−(3−クロロフェニル)セリンの結晶0.30g、10m
Mピリドキサール−5'−リン酸溶液0.2mlを加えて撹拌・
溶解した。さらに流動パラフィン5mlを重層し、30℃、3
9時間静置反応した。反応液をHPLCで分析したところ、1
0.7g/Lの(R)−2−アミノ−1−(3−クロロフェニ
ル)エタノールが生じていた(収率44.8%)。
[実施例9] 「菌体調製用培地1B」を200mlずつ500ml三角フラスコ
にいれ、滅菌後、エンテロコッカス・ヒラエ(Enteroco
ccus hirae)IFO3181を植菌し、37℃で21時間回転振盪
培養を行った。続いて、遠心分離で菌体を分離し、生菌
体を得た。次に生菌体を100mM酢酸緩衝液(pH5.5)に懸
濁し、OD660nmが100となるよう調整した。この菌体懸濁
液1.96mlを内径21mmの試験管にいれ、さらにDL−スレオ
−3−(3−クロロフェニル)セリンの結晶50mg、10mM
ピリドキサール−5'−リン酸溶液40μlを加えて、37℃
で24時間振盪反応を行った。反応終了後、HPLCにて生成
した2−アミノ−1−(3−クロロフェニル)エタノー
ルの光学純度と生成量、また、残存した基質の光学純度
と残存量を測定した。
HPLCでの定量の結果、30.7mMの(R)−2−アミノ−
1−(3−クロロフェニル)エタノールが100%e.e.の
光学純度で生成した。反応の収率は[30.7/116.0]×10
0=26.5%であった。残存する(+)−スレオ−3−
(3−クロロフェニル)セリンの光学純度は100%e.
e.、残存量は57.4mMであった。残存率は[57.4/116.0]
×100=49.5%であった。
[実施例10] 1.2Lミニジャー(丸菱バイオエンジ製)に「菌体調製
用培地5」を600ml入れ、121℃、15分間滅菌した。冷却
後、ジベレラ・フジクロイ(Gibberella fujikuroi)IF
O30337株を「YM培地」(25ml/坂口フラスコ)で30℃、2
4時間振盪培養した液を12ml植菌し、30℃、900回転、1.
0vvmで72時間培養した。この培養液300mlを遠心分離
し、同量の脱イオン水で2回洗浄した後、脱イオン水に
懸濁し60mlに合わせて菌体懸濁液を調製した。予め前述
のミニジャーに脱イオン水430ml、DL−スレオ−3−
(3−クロロフェニル)セリンの結晶16.7g、10mMピリ
ドキサール−5'−リン酸溶液10mlを加えて撹拌・溶解し
ておいた反応液に、先の菌体懸濁液60mlを加え、窒素ガ
スをわずかに通気しながら、200回転、50℃、42時間反
応した。尚、反応中のpHは10%H2SO4にて6.2に調整し
た。反応終了液をHPLCで分析したところ、15.2g/Lの
(R)−2−アミノ−1−(3−クロロフェニル)エタ
ノールが生じ(収率48.5%)、19.6g/Lの(+)−スレ
オ−3−(3−クロロフェニル)セリンが残存していた
(残存率49.9%)(液量:425g)。
[実施例11] ((+)−スレオ−3−(3−クロロフェニル)セリン
の精製) 実施例10の反応終了液100mlをとり、脱イオン水100ml
を加えて、50℃に加熱、撹拌した後、遠心分離にて菌体
を除去した。上清を限外濾過膜(アミコン製YM−10)を
通してタンパク質などの高分子物質を除去した後、エバ
ポレーターにて減圧濃縮し約23gとした。濃縮液を4℃
一夜冷却し、析出した結晶をろ別し、さらに冷純水10g
で洗浄した。得られた粗結晶に純水15gを加えて、90℃
加温攪拌し溶解させ、熱時ろ過した。ろ液に手早く2−
プロパノール15gを加え、4℃、一夜冷却した。析出し
た結晶をろ別、水/2−プロパノール[1:1]で洗浄、減
圧乾燥し、白色結晶0.76gを得た。精製収率は39%であ
った。
化学純度99.5%、[α]25 D+15.0゜(c=0.215,H
2O)。「CROWNPAK CR(+)」による分析の結果、
(+)−スレオ−3−(3−クロロフェニル)セリンの
光学純度は100%e.e.であった。1 H−NMR(D2O−TMSPNa)δ7.52(br s,1H),7.45−7.38
(m,3H),5.30(d,J=4.38Hz,1H),3.92(d,J=4.38Hz,
1H). [実施例12] 内径15mm試験管にDL−スレオ−3−(3−クロロフェ
ニル)セリン30mM(最終濃度)、チロシンデカルボキシ
ラーゼ(0.07U/mg、Sigma社、コード番号T−4379、カ
タログにはストレプトコッカス・フェカリス由来と表
記)0.1U、ピリドキサール−5'−リン酸0.2mM(最終濃
度)を総液量1.0mlとなるよう混合し、30℃、21時間静
置反応を行った。反応終了後、反応液をポアサイズ0.22
μmの限外濾過膜でろ過し、ろ液を適宜希釈してHPLCの
サンプルとした。HPLCでの定量の結果、4.7mMの(R)
−2−アミノ−1−(3−クロロフェニル)エタノール
が100%e.e.の光学純度で生成した。反応の収率は[4.7
/(60/2)]=15.7%であった。
[実施例13] 実施例12で用いたチロシンデカルボキシラーゼを更に
高度に精製し反応に供した以外は、実施例12と同一の反
応を行った。チロシンデカルボキシラーゼの精製は、
「Allenmark S.et al.,J.Chromatography,153,239−245
(1978)」記載の方法で行った。
即ち、フェニルセファロース4B(ファルマシア社製)
カラムを用いて、1.0Mナトリウム酢酸緩衝液(pH6.0)
で溶出した。単一のピークとして得られた活性画分を集
め、0.1Mナトリウム酢酸緩衝液(pH5.5)に対して透析
後、限外濾過膜で濃縮し反応に供した。HPLCでの定量の
結果、実施例12とほぼ同一の結果を得た。
[実施例14] エンテロコッカス・フェカリス(Enterococcus faeca
lis)NRIC1141の菌体破砕物からチロシンデカルボキシ
ラーゼを精製し反応に供した以外は、実施例12と同一の
反応を行った。エンテロコッカス・フェカリス(Entero
coccus faecalis)NRIC1141の菌体破砕物からのチロシ
ンデカルボキシラーゼの精製へ以下の通り行った。
滅菌した「菌体調製用培地1A」に、エンテロコッカス
・フェカリスNRIC1141を一白金耳植菌し、37℃、24時間
回転振盪培養し、菌体を遠心分離にて集めた。湿重量で
約1gの菌体に対して2.5mlの0.1酢酸緩衝液(pH5.5)に
懸濁し、超音波にて細胞を破砕した。遠心分離にて上清
を得、次いで、2%プロタミン硫酸処理にて除核酸し
た。遠心上清を1.0M酢酸緩衝液(pH6.0)に対して十分
透析した後、あらかじめ1.0M酢酸緩衝液(pH6.0)で平
衡化したフェニルセファロース4Bカラムにかけ、同緩衝
液で溶出した。単一のピークとして得られた活性画分を
集め、0.1M酢酸緩衝液(pH6.0)に対して透析後、限外
濾過膜で濃縮し反応に供した。HPLCでの定量の結果、実
施例12とほぼ同じ結果を得た。
[実施例15] エンテロコッカス・ヒラエ(Enterococcus hirae)IF
O3181菌体破砕物からチロシンデカルボキシラーゼを精
製し反応に供した以外は、実施例12と同一の反応を行っ
た。
エンテロコッカス・ヒラエ(Enterococcus hirae)IF
O3181菌体破砕物からのチロシンデカルボキシラーゼの
精製は、実施例14のエンテロコッカス・フェカリス(En
terococcus faecalis)の菌体破砕物の精製と同様に行
った。HPLCでの定量の結果、10.6mMの(R)−2−アミ
ノ−1−(3−クロロフェニル)エタノールが100%e.
e.の光学純度で生成した。反応の収率は[10.6/(60/
2)]=35.3%であった。
[実施例16] 内径15mm試験管にDL−スレオ−3−(3−クロロフェ
ニル)セリン35mM(最終濃度)、実施例15で調製したエ
ンテロコッカス・ヒラエ(Enterococcus hirae)IFO318
1のチロシンデカルボキシラーゼ0.030U、ピリドキサー
ル−5'−リン酸0.2mM(最終濃度)を総液量1.0mlとなる
よう混合し、37℃、48時間静置反応を行った。HPLCでの
定量の結果、17.6mMの(R)−2−アミノ−1−(3−
クロロフェニル)エタノールが100%e.e.の光学純度で
生成し、また、17.7mMの(+)−スレオ−3−(3−ク
ロロフェニル)セリンが100%e.e.の光学純度で残存し
ていた。反応の収率は[17.6/35]=50.3%、(+)−
スレオ−3−(3−クロロフェニル)セリンの残存率は
[17.7/35]=50.6%であった。
産業上の利用可能性 本発明によって、チロシンデカルボキシラーゼ、また
はエンテロコッカス(Enterococcus)属、ラクトバチル
ス(Lactobacillus)属、プロビデンシア(Providenci
a)属、フザリウム(Fusarium)属またはジベレラ(Gib
berella)属に属する微生物を用いることにより、式
(1)で表されるスレオ−3−フェニルセリンまたはそ
のハロゲン置換体のエナンチオマー混合物を立体選択的
に脱炭酸することができ、式(2)で表される(R)−
2−アミノ−1−フェニルエタノールまたはそのハロゲ
ン置換体を、安価に、工業レベルで、しかも光学的にほ
ぼ純粋な形で得ることが可能となった。また、同時にス
レオ−3−フェニルセリンまたはそのハロゲン置換体の
エナンチオマー混合物のうち、一方のエナンチオマーの
みを残存させ、光学活性なスレオ−3−フェニルセリン
またはそのハロゲン置換体を安価に、工業レベルで得る
ことが可能となった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI (C12P 13/04 C12R 1:77) (C12P 13/04 C12R 1:645) (56)参考文献 特開 昭51−38483(JP,A) 独国特許出願公開2505154(DE,A 1) J.Am.Chem.Soc.,Vo l.75(1953),p.3421−3424 Biochemistry,Vol. 16,No.24(1977),p.5355−5363 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C12P 13/00 - 13/24 C07C 229/00 CA/REGISTRY(STN) JSTPlus(JOIS) BIOSIS/WPI(DIALOG) (54)【発明の名称】 (R)−2−アミノ−1−フェニルエタノールまたはそのハロゲン置換体の製造方法、光学活性 フェニルセリンまたはそのハロゲン置換体の製造方法、新規化合物3−(3−クロロフェニル) セリン

Claims (18)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】式(1)で表されるスレオ−3−フェニル
    セリンまたはそのハロゲン置換体のエナンチオマー混合
    物に、エンテロコッカス(Enterococcus)属に属する微
    生物由来のチロシンデカルボキシラーゼを作用させ、生
    成する式(2)で表される(R)−2−アミノ−1−フ
    ェニルエタノールまたはそのハロゲン置換体を回収する
    ことを特徴とする、(R)−2−アミノ−1−フェニル
    エタノールまたはそのハロゲン置換体の製造方法。
  2. 【請求項2】式(1)で表されるスレオ−3−フェニル
    セリンまたはそのハロゲン置換体が、スレオ−3−(3
    −クロロフェニル)セリンである請求の範囲第1項記載
    の製造方法。
  3. 【請求項3】チロシンデカルボキシラーゼがエンテロコ
    ッカス・フェカリス(Enterococcus faecalis)由来の
    ものである請求の範囲第1項記載の製造方法。
  4. 【請求項4】チロシンデカルボキシラーゼがエンテロコ
    ッカス・ヒラエ(Enterococcus hirae)由来のものであ
    る請求の範囲第1項記載の製造方法。
  5. 【請求項5】式(1)で表わされるスレオ−3−フェニ
    ルセリンまたはそのハロゲン置換体のエナンチオマー混
    合物に、エンテロコッカス(Enterococcus)属に属する
    微生物由来のチロシンデカルボキシラーゼを作用させ、
    残存する光学活性フェニルセリンまたはそのハロゲン置
    換体を回収することを特徴とする、光学活性フェニルセ
    リンまたはそのハロゲン置換体の製造方法。
  6. 【請求項6】式(1)で表されるスレオ−3−フェニル
    セリンまたはそのハロゲン置換体が、スレオ−3−(3
    −クロロフェニル)セリンである請求の範囲第5項記載
    の製造方法。
  7. 【請求項7】チロシンデカルボキシラーゼがエンテロコ
    ッカス・フェカリス(Enterococcus faecalis)由来の
    ものである請求の範囲第5項記載の製造方法。
  8. 【請求項8】チロシンカルボキシラーゼがエンテロコッ
    カス・ヒラエ(Enterococcus hirae)由来のものである
    請求の範囲第5項記載の製造方法。
  9. 【請求項9】エンテロコッカス(Enterococcus)属、ラ
    クトバチルス(Lactobacillus)属、プロビデンシア(P
    rovidencia)属、フザリウム(Fusarium)属またはジベ
    レラ(Gibberella)属に属し、式(1)で表わされるス
    レオ−3−フェニルセリンまたはそのハロゲン置換体の
    エナンチオマー混合物に作用して、式(2)で表される
    (R)−2−アミノ−1−フェニルエタノールまたはそ
    のハロゲン置換体を生成する能力を有する微生物のうち
    少なくとも一種を、式(1)で表わされるスレオ−3−
    フェニルセリンまたはそのハロゲン置換体のエナンチオ
    マー混合物に作用させ、生成する式(2)で表される
    (R)−2−アミノ−1−フェニルエタノールまたはそ
    のハロゲン置換体を回収することを特徴とする式(2)
    で表される(R)−2−アミノ−1−フェニルエタノー
    ルまたはそのハロゲン置換体の製造方法。
  10. 【請求項10】式(1)で表されるスレオ−3−フェニ
    ルセリンまたはそのハロゲン置換体が、スレオ−3−
    (3−クロロフェニル)セリンである請求の範囲第9項
    記載の製造方法。
  11. 【請求項11】式(1)で表されるスレオ−3−フェニ
    ルセリンまたはそのハロゲン置換体が、スレオ−3−フ
    ェニルセリンである請求の範囲第9項記載の製造方法。
  12. 【請求項12】エンテロコッカス(Enterococcus)属に
    属する微生物がエンテロコッカス・フェカリス(Entero
    coccus faecalis)、エンテロコッカス・ヒラエ(Enter
    ococcus hirae)、ラクトバチルス(Lactobacillus)属
    に属する微生物が、ラクトバチルス・ブレビス(Lactob
    acillus brevis)、プロビデンシア(Providencia)属
    に属する微生物がプロビデンシア・スチュアーティ(Pr
    ovidencia stuatii)、フザリウム(Fusarium)属に属
    する微生物がフザリウム・アングイオイデス(Fusarium
    anguioides)、ジベレラ(Gibberellal)属に属する微
    生物がジベレラ・フジクロイ(Gibberella fujikuro
    i)、ジベレラ・ゼアエ(Gibberella zeae)、ジベレラ
    ・ラテリティウム(Gibberella lateritium)、ジベレ
    ラ・アクミナタ(Gibberella acuminata)のいずれかの
    種である請求の範囲第9項記載の製造方法。
  13. 【請求項13】エンテロコッカス(Enterococcus)属に
    属する微生物がエンテロコッカス・フェカリス(Entero
    coccus faecalis)NRIC1141、エンテロコッカス・ヒラ
    エ(Enterococcus hirae)IFO3181、ラクトバチルス(L
    actobacillus)属に属する微生物が、ラクトバチルス・
    ブレビス(Lactobacillus brevis)NRIC1037、プロビデ
    ンシア(Providencia)属に属する微生物がプロビデン
    シア・スチュアーティ(Providencia stuatii)IFO1293
    0、フザリウム(Fusarium)属に属する微生物がフザリ
    ウム・アングイオイデス(Fusarium anguioides)IFO44
    67、ジベレラ(Gibberella)属に属する微生物がジベレ
    ラ・フジクロイ(Gibberella fujikuroi)IFO9977、IFO
    30336、IFO30337、IFO31251、NRIC1240、ジベレラ・ゼ
    アエ(Gibberella zeae)IFO7772、ジベレラ・ラテリテ
    ィウム(Gibberella lateritium)IFO7188、ジベレラ・
    アクミナタ(Gibberella acuminata)IFO30307のいずれ
    かの株である請求の範囲第12項記載の製造方法。
  14. 【請求項14】エンテロコッカス(Enterococcus)属、
    ラクトバチルス(Lactobacillus)属、プロビデンシア
    (Providencia)属、フザリウム(Fusarium)属または
    ジベレラ(Gibberella)属に属し、式(1)で表わされ
    るスレオ−3−フェニルセリンまたはそのハロゲン置換
    体のエナンチオマー混合物に作用して、式(2)で表さ
    れる(R)−2−アミノ−1−フェニルエタノールまた
    はそのハロゲン置換体を生成する能力を有する微生物の
    うち少なくとも一種を、式(1)で表わされるスレオ−
    3−フェニルセリンまたはそのハロゲン置換体のエナン
    チオマー混合物に作用させ、残存する光学活性スレオ−
    3−フェニルセリンまたはそのハロゲン置換体を回収す
    ることを特徴とする、光学活性スレオ−3−フェニルセ
    リンまたはそのハロゲン置換体の製造方法。
  15. 【請求項15】式(1)で表されるスレオ−3−フェニ
    ルセリンまたはそのハロゲン置換体が、スレオ−3−
    (3−クロロフェニル)セリンである請求の範囲第14項
    記載の製造方法。
  16. 【請求項16】式(1)で表されるスレオ−3−フェニ
    ルセリンまたはそのハロゲン置換体が、スレオ−3−フ
    ェニルセリンである請求の範囲第14項記載の製造方法。
  17. 【請求項17】エンテロコッカス(Enterococcus)属に
    属する微生物がエンテロコッカス・フェカリス(Entero
    coccus faecalis)、エンテロコッカス・ヒラエ(Enter
    ococcus hirae)、ラクトバチルス(Lactobacillus)属
    に属する微生物が、ラクトバチルス・ブレビス(Lactob
    acillus brevis)、プロビデンシア(Providencia)属
    に属する微生物がプロビデンシア・スチュアーティ(Pr
    ovidencia stuatii)、フザリウム(Fusarium)属に属
    する微生物がフザリウム・アングイオイデス(Fusarium
    anguioides)、ジベレラ(Gibberella)属に属する微
    生物がジベレラ・フジクロイ(Gibberella fujikuro
    i)、ジベレラ・ゼアエ(Gibberella zeae)、ジベレラ
    ・ラテリティウム(Gibberella lateritium)、ジベレ
    ラ・アクミナタ(Gibberella acuminata)のいずれかの
    種である請求の範囲第14項記載の製造方法。
  18. 【請求項18】エンテロコッカス(Enterococcus)属に
    属する微生物がエンテロコッカス・フェカリス(Entero
    coccus faecalis)NRIC1141、エンテロコッカス・ヒラ
    エ(Enterococcus hirae)IFO3181、ラクトバチルス(L
    actobacillus)属に属する微生物が、ラクトバチルス・
    ブレビス(Lactobacillus brevis)NRIC1037、プロビデ
    ンシア(Providencia)属に属する微生物がプロビデン
    シア・スチュアーティ(Providencia stuatii)IFO1293
    0、フザリウム(Fusarium)属に属する微生物がフザリ
    ウム・アングイオイデス(Fusarium anguioides)IFO44
    67、ジベレラ(Gibberella)属に属する微生物がジベレ
    ラ・フジクロイ(Gibberella fujikuroi)IFO9977、IFO
    30336、IFO30337、IFO31251、NRIC1240、ジベレラ・ゼ
    アエ(Gibberella zeae)IFO7772、ジベレラ・ラテリテ
    ィウム(Gibberella lateritium)IFO7188、ジベレラ・
    アクミナタ(Gibberella acuminata)IFO30307のいずれ
    かの株である請求の範囲第17項記載の製造方法。
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