JP2786500B2 - 光学活性1,3―ブタンジオールの製法 - Google Patents

光学活性1,3―ブタンジオールの製法

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は光学活性1,3−ブタンジオールの製法に関す
る。更に詳しくは、1,3−ブタンジオールのエナンチオ
マー混合物に特定の微生物、或いはその処理物を作用さ
せ、残存する光学活性1,3−ブタンジオールを採取する
ことを特徴とする光学活性1,3−ブタンジオールの製法
に関する。
光学活性1,3−ブタンジオールは種々の医薬品、例え
ば抗生物質等の重要合成原料である。
〔従来の技術及び発明が解決しようとする課題〕
従来、光学活性1,3−ブタンジオールを製造する方法
としては、(1)化学的に合成されたラセミ体の1,3−
ブタンジオールを光学分割剤を用いて光学分割する方法
(特開昭61−191631号公報)や、(2)光学活性化合物
で処理したラネーニッケル触媒を用いて4−ヒドロキシ
−2−ブタノンから不斉合成する方法(特開昭58−2041
87号公報及びBull.Chem.Soc.Jpn.,53,1356−1360(198
0))等が知られている。しかし、(1)、(2)とも
高価な光学分割剤、触媒を用いねばならないこと、
(2)は光学純度が低いこと等の欠点がある為、経済的
に優れ、且つ、簡便な手段で光学純度の高い光学活性1,
3−ブタンジオールを得る方法の確立が望まれている。
〔課題を解決するための手段〕
本発明者らは経済的に優れ、かつ簡便な方法で、光学
純度の高い光学活性1,3−ブタンジオールを得る方法と
して微生物を作用させる方法に着目しこの目的に適した
微生物を検索した結果、クラビスポラ(Clavispora)
属、クロッケラ(Kloeckera)属、シゾブラストスポリ
オン(Schizoblastosporion)属に属する微生物群から
選ばれた微生物が、1,3−ブタンジオールのエナンチオ
マー混合物に作用し、(R)−1,3−ブタンジオールを
残存させること、及びエレマスカス(Eremascus)属、
シリンゴスポラ(Syringospora)属、スポロパシィデル
ミア(Sporopachydermia)属、ジゴアスカス(Zygoascu
s)属、ジゴジマ(Zygozyma)属に属する微生物群から
選ばれた微生物が1,3−ブタンジオールのエナンチオマ
ー混合物に作用し、(S)−1,3−ブタンジオールを残
存させることを見出し、本発明を完成したものである。
本発明に使用する微生物としては、クラビスポラ(Cl
avispora)属、クロッケラ(Kloeckera)属、シゾブラ
ストスポリオン(Schizoblastosporion)属に属する微
生物群から選ばれた微生物で、1,3−ブタンジオールの
エナンチオマー混合物に作用し、(R)−1,3−ブタン
ジオールを残存させうる能力を有する微生物、或いはエ
レマスカス(Eremascus)属、シリンゴスポラ(Syringo
spora)属、スポロパシィデルミア(Sporopachydermi
a)属、ジゴアスカス(Zygoascus)属、ジゴジマ(Zygo
zyma)属に属する微生物群から選ばれた微生物で、1,3
−ブタンジオールのエナンチオマー混合物に作用し、
(S)−1,3−ブタンジオールを残存させうる能力を有
する微生物であればいずれも使用可能である。
具体的には、1,3−ブタンジオールのエナンチオマー
混合物に作用し、(R)−1,3−ブタンジオールを残存
させうる能力を有する微生物としては、クラビスポラ・
ルシタニェー(Clavispora lusitaniae)IFO 1019、ク
ロッケラ・アフリカーナ(Kloeckera africana)IFO 08
69、シゾブラストスポリオン・コバヤシ(Schizoblasto
sporion kobayasii)IFO 1644等を挙げることができ
る。
また1,3−ブタンジオールのエナンチオマー混合物に
作用し、(S)−1,3−ブタンジオールを残存させうる
能力を有する微生物としては、エレマスカス・フェリテ
ィリス(Eremascus fertilis)IFO 0691、シリンゴスポ
ラ・クラウセニィ(Syringospora claussenii)IFO 075
9、スポロパシィデルミア・ラクタティボラ(Sporopach
ydermia lactativora)IFO 1867、ジゴアスカス・ヘレ
ニカス(Zygoascus hellenicus)IFO 1575、ジゴジマ・
オリゴファガ(Zygozyma oligophaga)IFO 10360等を挙
げることできる。
これらの微生物は、野生株、変異株、又は細胞融合も
しくは遺伝子操作法などの遺伝的手法により誘導される
組み替え株等、いずれの株でも好適に用いることができ
る。
尚、IFO番号の付された微生物は、(財)醗酵研究所
(IFO)発行のList of Cultures,第8版,第1巻(198
8)に記載されており、該IFOから入手することができ
る。
本発明に用いる微生物を培養する為の培地はその微生
物が増殖し得るものであれば特に制限はない。例えば、
炭素源としては、上記微生物が利用可能であればいずれ
も使用でき、具体的には、グルコース、フルクトース、
シュクロース、デキストリン等の糖類、ソルビトール、
エタノール、グリセロール等のアルコール類、フマール
酸、クエン酸、酢酸、プロピオン酸等の有機酸類及びそ
の塩類、パラフィン等の炭化水素等或いはこれらの混合
物を使用することができる。窒素源としては例えば、塩
化アンモニウム、硫酸アンモニウム、リン酸アンモニウ
ム等の無機酸のアンモニウム塩、フマル酸アンモニウ
ム、クエン酸アンモニウム等の有機酸のアンモニウム
塩、肉エキス、酵母エキス、コーンスティープリカー、
カゼイン加水分解物、尿素等の無機有機含窒素化合物、
或いはこれらの混合物を使用することができる。他に無
機塩、微量金属塩、ビタミン類等、通常の培養に用いら
れる栄養源を適宜、混合して用いることができる。また
必要に応じて微生物の増殖を促進する因子、本発明の目
的化合物の生成能力を高める因子、あるいは培地のpH保
持に有効な物質も添加できる。
培養方法としては培地pHは3.0〜9.5、好ましくは4〜
8、培養温度は20〜45℃、好ましくは25〜37℃で、嫌気
的或いは好気的に、その微生の生育に適した条件下5〜
120時間、好ましくは12〜72時間程度培養する。
1,3−ブタンジオールのエナンチオマー混合物から光
学活性な1,3−ブタンジオールを生成させる方法として
は、培養液をそのまま用い該培養液に1,3−ブタンジオ
ールのエナンチオマー混合物を添加する方法、遠心分離
等により、菌体を分離し、これをそのまま、或いは、洗
浄した後、緩衝液、水等に再懸濁したものに、1,3−ブ
タンジオールのエナンチオマー混合物を添加し反応させ
る方法等がある。この反応の際、グルコース、シュクロ
ース等の炭素源をエネルギー源として添加したほうが良
い場合もある。また、菌体は生菌体のままでも良いし、
菌体破砕物、アセトン処理、凍結乾燥等の処理をほどこ
したものでも良い。また、これらの菌体或いは、菌体処
理物を、例えば、ポリアクリルアミドゲル法、含硫多糖
ゲル(カラギーナンゲル法等)、アルギン酸ゲル法、寒
天ゲル法等の公知の方法で固定化して用いることもでき
る。更に、菌体処理物から、公知の方法を組み合わせて
精製取得した酵素も使用できる。
1,3−ブタンジオールのエナンチオマー混合物はその
まま、或いは、水に溶解し、又は反応に影響を与えない
ような有機溶媒に溶解したり、界面活性剤等に分散させ
たりして、反応始めから一括に或いは分割して添加して
も良い。
反応はpH3〜10、好ましくはpH5〜9の範囲で温度は10
〜60℃、好ましくは20〜40℃の範囲で、1〜120時間程
度、撹拌下あるいは静置下で行う。反応時間を長くする
と1,3−ブタンジオールの残存量は減少するが、光学純
度の高い光学活性1,3−ブタンジオールを得ることが可
能である。基質の使用濃度は特に制限されないが、0.1
〜10%程度が好ましい。
反応によって残存生成した光学活性1,3−ブタンジオ
ールの採取は反応液から直接或いは菌体分離後、有機溶
媒による抽出、蒸留、カラムクロマトグラフィー等の通
常の精製方法を用いれば容易に行うことができる。
〔実施例〕
以下、本発明を具体的に実施例にて説明するが、本発
明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。
なお、実施例に於ける反応液中の1,3−ブタンジオー
ルの定量はガスクロマトグラフィー(カラム:Thermon30
00,(2m)、温度130℃)により容易に行うことができ、
光学純度は反応により得られた光学活性1,3−ブタンジ
オールを常法により塩化アセチルでアセチル化した後、
光学分割カラムを用いた高速液体クロマトグラフィー
(カラム:ダイセル化学工業製キラルセルOB、溶媒:n−
ヘキサン/2−プロパノール=19:1、波長220nm、流速0.5
ml/分)により測定した(保持時間;(S)体15分、
(R)体19.3分)。
実施例1 <菌体調製用培地> グルコース 1.0 % 酵母エキス 0.3 % ペプトン 0.5 % 1,3−ブタンジオール 0.5 % K2HPO4 0.1 % MgSO4・7H2O 0.05% pH7.2 上記の菌体調製用培地100mlを500ml容坂口フラスコに
入れ、滅菌後、表1に示した微生物をそれぞれ植菌し、
30℃で48時間振盪培養を行った。続いて遠心分離で菌体
を分離し、生理食塩水で1回洗浄し、生菌体を得た。
次に500ml容坂口フラスコに蒸留水50mlを入れ、これ
に上記生菌体を懸濁した後、1,3−ブタンジオールのラ
セミ体を0.5g添加し、30℃で48時間往復振盪反応させ
た。
反応終了後、遠心分離にて除菌し、得られた上澄液を
塩化ナトリウムで飽和させた後、酢酸エチル50mlを用い
て抽出を行い、酢酸エチル層をガスクロマトグラフィー
で分析し、残存している1,3−ブタンジオール量を測定
した。
次に、酢酸エチルを無水芒硝で脱水後、脱溶媒を行い
シロップを得、これを常法により塩化アセチルでアセチ
ル化した後、溶媒に溶解し、高速液体クマトグラフィー
にて分析し、得られた1,3−ブタンジオールの絶体配置
及び光学純度を測定した。
得られた結果を表1に示す。
〔発明の効果〕 本発明の微生物を用いた光学活性1,3−ブタンジオー
ルの製造方法は、簡便に光学純度の高い光学活性1,3−
ブタンジオールを製造することを可能にさせるものであ
り工業的に極めて有利である。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】1,3−ブタンジオールのエナンチオマー混
    合物に、クラビスポラ(Clavispora)属、クロッケラ
    (Kloeckera)属、シゾブラストスポリオン(Schizobla
    stosporion)属に属する微生物群から選ばれ、1,3−ブ
    タンジオールのエナンチオマー混合物に作用し、(R)
    −1,3−ブタンジオールを残存させうる能力を有する微
    生物、或いはその処理物を作用させ、残存する光学活性
    な(R)−1,3−ブタンジオールを採取することを特徴
    とする光学活性1,3−ブタンジオールの製法。
  2. 【請求項2】1,3−ブタンジオールのエナンチオマー混
    合物に、エレマスカス(Eremascus)属、シリンゴスポ
    ラ(Syringospora)属、スポロパシィデルミア(Sporop
    achydermia)属、ジゴアスカス(Zygoascus)属、ジゴ
    ジマ(Zygozyma)属に属する微生物群から選ばれ、1,3
    −ブタンジオールのエナンチオマー混合物に作用し、
    (S)−1,3−ブタンジオールを残存させうる能力を有
    する微生物、或いはその処理物を作用させ、残存する光
    学活性な(S)−1,3−ブタンジオールを採取すること
    を特徴とする光学活性1,3−ブタンジオールの製法。
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