JP2973669B2 - (s)−(−)−2,3−ジハロ−1−プロパノールの製造法 - Google Patents

(s)−(−)−2,3−ジハロ−1−プロパノールの製造法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は光学活性の医薬、農薬そ
の他の生理活性物質の合成中間体として有用な(S)−
(−)−3−ハロ−1,2−プロパンジオールの製造法
に関する。
【0002】
【従来の技術】(S)−(−)−2,3−ジハロ−1−
プロパノールの製造法としては、(R)−(+)−2,
3−ジハロ−1−プロパノール資化能を有するシュード
モナス属の菌株を(±)−2,3−ジハロ−1−プロパ
ノールに作用させて、残存する(S)−(−)−2,3
−ジハロ−1−プロパノールを分取する方法(特開昭6
1−132196号、特開昭62−40298号、特開
平1−300899号)が知られている。しかし、これ
らの方法では使用できる基質濃度がラセミ体で約0.2
%以下とされており、工業的実施に効率上難点と考えら
れる。
【0003】
【発明の概要】本発明者らは(S)−(−)−2,3−
ジハロ−1−プロパノールの従来の製造技術の問題点を
克服するべく研究した結果、新たにロドコッカス属細菌
が、(±)−2,3−ジハロ−1−プロパノールに作用
して、(R)体を特異的に代謝消化して反応液中に未反
応の(S)−(−)−2,3−ジハロ−1−プロパノー
ルが残存することをみいだして研究を重ねた結果、本発
明を完成するに至った。ロドコッカス属細菌が(R)−
(+)−2,3−ジハロ−1−プロパノールに特異的に
作用して(S)−(−)−2,3−ジハロ−1−プロパ
ノールを残存させることは本発明者らによりはじめて見
いだされたものである。
【0004】
【発明の具体的説明】本発明に使用する微生物は、ロド
コッカス属に属する微生物であり、例えばロドコッカス
・エリスロポリス(Rhodococcus eryt
hropolis)IFO 12682およびロドコッ
カス属菌種(Rhodococcussp.)ATCC
15109をあげることができる。
【0005】上記微生物を培養するための培地組成とし
ては通常これらの微生物が生育しうるものであれば何れ
も使用できる。例えば炭素源としてグルコース、フラク
トース、シュークロースなどの糖類、酢酸、クエン酸な
どの有機酸類、エタノール、グリセロールなどのアルコ
ール類など、窒素源としてはペプトン、肉エキス、酵母
エキス、蛋白質加水分解物、有機酸アンモニウム塩、ア
ミノ酸、硫酸アンモニウム、塩化アンモニウムなどが使
用でき、この他無機塩、微量金属塩、ビタミンなどが必
要に応じて適宜使用される。高い変換酵素活性を誘導さ
せるために、エピハロヒドリン、2,3−ジハロ−1−
プロパノール、3−ハロ−1,2−プロパンジオールな
どを培地に添加することも有用である。
【0006】上記微生物の培養は常法によればよく、例
えばpH4〜10、温度20〜40℃の範囲で好気的に
10〜96時間培養する。2,3−ジハロ−1−プロパ
ノールに対する反応法としては、上記のように培養して
えた微生物の培養液あるいは遠心分離などによりえた菌
体のけん濁液に基質を添加する方法、菌体処理物(例え
ば菌体破砕物、粗酵素、精製酵素などの菌体抽出物な
ど)あるいは常法により固定化した菌体または菌体処理
物などのけん濁液に基質を添加する方法、微生物の培養
時に基質を培養液に添加して培養と同時に反応を行う方
法などがある。
【0007】反応液中の基質濃度は特に限定するもので
はないが、0.1〜10(W/V)%が好ましく、基質
は反応液に一括して加えるかあるいは分割添加すること
ができる。反応温度は5〜50℃で、反応pHは4〜1
0の範囲で行うことが好ましい。反応時間は、基質濃
度、菌体濃度あるいはその他の反応条件などによって変
わるが、通常1〜120時間で終了するように条件を設
定するのが好ましい。
【0008】反応液中に残存する(S)−(−)−2,
3−ジハロ−1−プロパノールの回収は、反応液から遠
心分離などの方法により菌体を除いた後、ジエチルエー
テルまたはクロロホルムで(S)−(−)−2,3−ジ
ハロ−1−プロパノールを抽出した液を濃縮して、
(S)−(−)−2,3−ジハロ−1−プロパノールを
えることができる。必要によりさらに公知の方法例えば
シリカゲルクロマトグラフィーなどの手段を用いて精製
することができる。
【0009】
【実施例】以下実施例により本発明をより具体的に説明
する。実施例において光学純度の決定は反応液中の2,
3−ジハロ−1−プロパノールを抽出分取した後、
(R)−(−)−アルファーメトキシアルファフルオロ
メチルフェニルアセテートに誘導して高速液体クロマト
グラフィーにより決定した。
【0010】実施例1 グルコース2%、ペプトン0.5%、肉エキス0.3
%、酵母エキス0.2%塩化ナトリウム0.25%、
(±)−2,3−ジクロロ−1−プロパノール0.1
%、pH7.0の組成の滅菌培地10mlを入れた太型
試験管に、ロドコッカス・エリスロポリスIFO 12
862を植菌して、26℃、毎分295往復で72時間
振とう培養した。この培養液(試験管12本分)から遠
心分離によりえた菌体を、(±)−2,3−ジクロロ−
1−プロパノール0.3%をふくむpH7.0の1M燐
酸緩衝液120mlに加えて300mlの三角フラスコ
中で、26℃で最初の24時間毎分220回転、その後
の48時間毎分110回転で振とう反応させた。反応7
2時間で、反応液中の2,3−ジクロロ−1−プロパノ
ールの残存率は31.7%で、そのS体含有率は84.
9%であった。
【0011】実施例2 使用微生物としてロドコッカス属菌株ATCC 151
09を用いるほか実施例1と同様に実施した。反応液中
の2,3−ジクロ−1−プロパノールの残存率は14.
6%で、そのS体含有率は94.3%であった。
【0012】実施例3 使用微生物としてロドコッカス・エリスロポリスIFO
12862またはロドコッカス属菌種 ATCC 1
5109を用い、2,3−ジクロロ−1−プロパノール
の代りに、2,3−ジブロモ−1−プロパノールを用い
るほか実施例1と同様に実施した。反応液中の2,3−
ジブロモ−1−プロパノールの残存率は夫々33.6%
および21.2%で、そのS体含有率は夫々85.0%
および93.8%であった。
【0013】実施例4 実施例1と同様に実施して、反応72時間の反応液をえ
た。この反応液中には2,3−ジクロロ−1−プロパノ
ールが0.092%(W/V)の濃度に存在していた。
この反応液100mlをジエチルエーテル50mlで2
回抽出し、抽出液よりエーテルを蒸溜により除いて
(S)−2,3−ジクロロ−1−プロパノール73mg
をえた。このもののS体含有率は87%であった。
【0014】
【発明の効果】本発明により、医薬、農薬その他の光学
活性生理活性物質の合成中間体として有用な(S)−
(−)−2,3−ジハロ−1−プロパノールを効率的に
製造することができる。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (R)−(+)−2,3−ジハロ−1−
    プロパノールと(S)−(−)−2,3−ジハロ−1−
    プロパノールの両方をふくむ基質に、ロドコッカス属に
    属する細菌またはその処理物を作用させて、(R)−
    (+)−2,3−ジハロ−1−プロパノールを消費して
    (S)−(−)−2,3−ジハロ−1−プロパノールの
    含有率が増加した2,3−ジハロ−1−プロパノールを
    残存せしめ、残存する2,3−ジハロ−1−プロパノー
    ルを分離することを特徴とする(S)−(−)−2,3
    −ジハロ−1−プロパノールの製造法。
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