JP2828720B2 - 光学活性1,3―ブタンジオールの製造方法 - Google Patents

光学活性1,3―ブタンジオールの製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は光学活性1,3−ブタンジオールの製造方法に
関する。更に詳しくは、1,3−ブタンジオールのエナン
チオマー混合物に該混合物を不斉的に資化する能力を有
する微生物を作用させ、残存する光学活性1,3−ブタン
ジオールを採取する際に、アルコール或いはケトールの
存在下で不斉的に資化する能力を増大させた微生物を用
いることを特徴とする光学活性1,3−ブタンジオールの
製造方法に関する。
光学活性1,3−ブタンジオールは種々の医薬品、例え
ば抗生物質等の重要合成原料である。
〔従来の技術及び発明が解決しようとする課題〕
従来、光学活性1,3−ブタンジオールを製造する方法
としては、(1)化学的に合成されたラセミ体の1,3−
ブタンジオールを光学分割剤を用いて光学分割する方法
(特開昭61−191631号公報)や、(2)光学活性化合物
で処理したラネーニッケル触媒を用いて4−ヒドロキシ
−2−ブタノンから不斉合成する方法(特開昭58−2041
87号公報及びBull.Chem.Soc.Jpn.,53,1356−1360(198
0))等が知られている。しかし、(1)、(2)とも
高価な光学分割剤、触媒を用いねばならないこと、
(2)は光学純度が低いこと等の欠点がある為、経済的
に優れ、且つ、簡便な手段で光学純度の高い光学活性1,
3−ブタンジオールを得る方法の確立が望まれていた。
〔課題を解決するための手段〕
本発明者らは簡便な工業的生産を目指して研究した結
果、安価な1,3−ブタンジオールのエナンチオマー混合
物に該混合物を不斉的に資化する能力を有する微生物を
作用させ、残存する光学活性1,3−ブタンジオールを採
取できること(WO89/10410)を見出している。また同様
な方法でRS(±)−1,3−ブタンジオールから(R)−
1,3−ブタンジオールを製造する方法(特開平1−32099
7号)も知られている。
本発明者らは上記の微生物反応利用による光学活性1,
3−ブタンジオールの生産を高めるため鋭意研究した結
果、微生物をアルコール或いはケトールの存在下に置く
ことにより、微生物の不斉的に資化し光学活性1,3−ブ
タンジオールを残存させる能力を増大させることがで
き、生産性向上につなぎ得ることを見出し、本発明を完
成するに到った。
即ち、本発明は、1,3−ブタンジオールのエナンチオ
マー混合物に該混合物を不斉的に資化する能力を有する
微生物を作用させ、残存する光学活性1,3−ブタンジオ
ールを採取する際に、アルコール或いはケトールの存在
下で不斉的に資化する能力を増大させたキャンディダ
(Chandida)属に属する微生物を用いることを特徴とす
る光学活性1,3−ブタンジオールの製造方法を提供する
ものである。
本発明に使用しうるアルコールとしては、エタノー
ル、エチレングリコール、1−プロパノール、2−プロ
パノール、トリメチレングリコール、1,3−ブタンジオ
ール、1,4−ブタンジオール、3−メチル−1,3−ブタン
ジオール、1,5−ペンタンジオール等が挙げられ、ケト
ールとしては、4−ヒドロキシ−2−ブタノン、ジヒド
ロキシアセトンなどが挙げられる。これらのアルコール
或いはケトールは通常反応液中0.05〜1重量%の範囲で
使用される。
本発明に用いる微生物を培養する為の培地はその微生
物が増殖し得るものであれば特に制限はない。例えば、
炭素源としては、上記微生物が利用可能であればいずれ
も使用でき、具体的には、グルコース、フルクトース、
シュクロース、デキストリン等の糖類、ソルビトール、
エタノール、グリセロール等のアルコール類、フマール
酸、クエン酸、酢酸、プロピオン酸等の有機酸類及びそ
の塩類、パラフィン等の炭化水素類等或いはこれらの混
合物を使用することができる。窒素源としては例えば、
塩化アンモニウム、硫酸アンモニウム、リン酸アンモニ
ウム等の無機酸のアンモニウム塩、フマル酸アンモニウ
ム、クエン酸アンモニウム等の有機酸のアンモニウム
塩、肉エキス、酵母エキス、コーンスティープリカー、
カゼイン加水分解物、尿素等の無機有機含窒素化合物、
或いはこれらの混合物を使用することができる。他に無
機塩、微量金属塩、ビタミン類等、通常の培養に用いら
れる栄養源を適宜、混合して用いることができる。また
必要に応じて微生物の増殖を促進する因子、本発明の目
的化合物の生成能力を高める因子、あるいは培地のpH保
持に有効な物質も添加できる。
培養方法としては培地pHは3.0〜9.5、好ましくは4〜
8、培養温度は20〜45℃、好ましくは25〜37℃で、嫌気
的或いは好気的に、その微生物の生育に適した条件下5
〜120時間、好ましくは12〜72時間程度培養する。
本発明において、アルコール或いはケトールの存在下
に微生物を置く方法としては、前記の如く培養した培養
液或いはこの培養液から遠心分離等で菌体を分離し、こ
れをそのまま或いは洗浄した後、緩衝液、水等に再懸濁
した懸濁液にアルコール或いはケトールを添加する方
法、又は培養中に微生物の代謝によってアルコール或い
はケトールを生じるような、例えばグルコース等の糖の
嫌気発酵をさせる方法等が挙げられる。
本発明において、不斉資化反応を行う方法としては、
前記の如くアルコール或いはケトールの存在下に置かれ
た微生物の培養液をそのまま用い該培養液に1,3−ブタ
ンジオールのエナンチオマー混合物を添加する方法、遠
心分離等により菌体を分離し、これをそのまま或いは洗
浄した後、緩衝液、水等に再懸濁したものに1,3−ブタ
ンジオールのエナンチオマー混合物を添加し反応させる
方法等がある。この反応の際、グルコース、シュクロー
ス等の炭素源をエネルギー源として添加したほうが良い
場合もある。また、菌体は生菌体のままでも良いし、菌
体破砕物、アセトン処理、凍結乾燥等の処理をほどこし
たものでも良い。また、これらの菌体或いは菌体処理物
を、例えば、ポリアクリルアミドゲル法、含流多糖ゲル
法(カラギーナンゲル法等)、アルギン酸ゲル法、寒天
ゲル法等の公知の方法で固定化して用いることもでき
る。更に、菌体処理物から、公知の方法を組み合わせて
精製取得した酵素も使用できる。
1,3−ブタンジオールのエナンチオマー混合物はその
まま、或いは水に溶解し、又は反応に影響を与えないよ
うな有機溶媒に溶解したり、界面活性剤等に分散させた
りして、反応始めから一括に或いは分割して添加しても
良い。
反応はpH3〜10、好ましくはpH5〜9の範囲で温度は10
〜60℃、好ましくは20〜40℃の範囲で、1〜120時間程
度、撹拌下あるいは静置下で行う。反応時間を長くする
と1,3−ブタンジオールの残存量は減少するが、光学純
度の高い光学活性1,3−ブタンジオールを得ることが可
能である。基質の使用濃度は特に制限されないが、0.1
〜10%程度が好ましい。
反応によって残存生成した光学活性1,3−ブタンジオ
ールの採取は反応液から直接或いは菌体分離後、有機溶
媒による抽出、蒸留、カラムクロマトグラフィー等の通
常の精製方法を用いれば容易に行うことができる。
〔実施例〕
以下、本発明を具体的に実施例にて説明するが、本発
明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。
なお、光学純度は反応により得られた光学活性1,3−
ブタンジオールを常法により塩化アセチルでアセチル化
した後、光学分割カラムを用いた高速液体クロマトグラ
フィー(カラム:ダイセル化学工業製キラルセルOB、溶
媒:n−ヘキサン/2−プロパノール=19:1、波長220nm、
流速0.5ml/分)により測定した(保持時間:(S)体15
分、(R)体19.3分)。
また、微生物の1,3−ブタンジオールの混合物を不斉
的に資化し光学活性1,3−ブタンジオールを残存させる
能力を増大させる度合いは次式によって求めた。
実施例1 グルコース2%、酵母エキス1%からなる培地を蒸留
水で調製し(pH6.0)、500ml容の坂口フラスコに25mlず
つ分注し、121℃で15分滅菌した。これにキャンディダ
・パラプシロシスIFO1396を植菌し、30℃で24時間振盪
培養を行った。続いて遠心分離で菌体を分離し、生理食
塩水で1回洗浄し、生菌体を得た。その生菌体に0.1mol
リン酸カリウム緩衝液(pH5.5)25mlを加え懸濁液にし
た後、各々に表1に示したアルコール又はケトールを0.
125g添加して500ml容の坂口フラスコに入れた。30℃で
5時間振盪を行った後、遠心分離で菌体を分離し、生理
食塩水で1回洗浄し、再度生菌体を得た。その生菌体に
蒸留水25mlを加え懸濁液にした後、1,3−ブタンジオー
ルのラセミ体を0.75g、炭酸カルシウムを0.125g添加
し、30℃で24時間往復振盪反応させた。
反応終了後、遠心分離にて除菌し、得られた上澄液を
塩化ナトリウムで飽和させた後、酢酸エチル50mlで抽出
した。抽出液を無水芒硝で脱水し、減圧下で脱溶媒を行
ったところ、シロップが得られた。これを塩化アセチル
でアセチル化し、ヘキサンに溶解して高速液体クロマト
グラフィーで光学純度を測定した。尚、得られた1,3−
ブタンジオールの絶対配置は(R)体であった。
また対照としてアルコール又はケトールの代わりに蒸
留水を添加したものについて同様に反応を行った。
得られた結果を表1に示す。
〔発明の効果〕 本発明によれば、光学活性1,3−ブタンジオール生産
において反応速度が速くなり、生産性向上につながる。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】1,3−ブタンジオールのエナンチオマー混
    合物に該混合物を不斉的に資化する能力を有する微生物
    を作用させ、残存する光学活性1,3−ブタンジオールを
    採取する際に、アルコール或いはケトールの存在下で不
    斉的に資化する能力を増大させたキャンディダ(Candid
    a)属に属する微生物を用いることを特徴とする光学活
    性1,3−ブタンジオールの製造方法。
  2. 【請求項2】アルコールがエタノール、エチレングリコ
    ール、1−プロパノール、2−プロパノール、トリメチ
    レングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジ
    オール、3−メチル−1,3−ブタンジオール又は1,5−ペ
    ンタンジオールであり、ケトールが4−ヒドロキシ−2
    −ブタノン又はジヒドロキシアセトンである請求項1記
    載の製造方法。
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