JPWO2006117842A1 - 皮革および皮革の製造方法 - Google Patents

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Abstract

シフトノブ1を被覆するための皮革5において、皮革素材20の端縁21に沿って形成された曲げ剛性が小さい小剛性部位のところで、皮革素材20の裏面が互いに接するように皮革素材20を折り返して形成された重合部9を有する。

Description

本発明は、皮革に係り、特に、縁部に重合部が形成されているものに関する.
図19は、従来の皮革200の概略構成を示す斜視図である。
従来の皮革200は、たとえば、ステアリングホイールを被覆するために使用され、重合部202を備えている。この重合部202は、皮革素材204の端縁206の側に所定の幅の薄肉部208を形成し、この薄肉部208にステッチ(図示せず)を縫製し、前記端縁206から一定の距離(たとえば、前記薄肉部208の半分の幅)の部位(折り曲げ線)210のところで前記薄肉部208を折り返して接着することにより形成されている(たとえば、特開平6−64546号公報参照)。
そして、前記重合部202が形成された皮革200をステアリングホイールの芯材に接着して、ステアリングホイールの芯材の表面を覆うことにより、前記ステアリングホイールの手触りをよくし、また、外観を良好にしている。
ところで、前記皮革200では、厚さとある程度の剛性と弾性を備えた天然もしくは人工の皮革素材204を前記折り曲げ線210のところで正確に折り返すことは困難であり、実際に折り返す部位が、矢印ARの方向にずれ、または、二点鎖線PS1で示すように斜めにずれてしまうことがある。
すなわち、前記従来の皮革200では、重合部202を正確な形状に形成することができない場合があるという問題がある。
図19で示すように皮革素材が方形形状をしていて、端縁206が図19で示すように直線状であれば等幅の折り返しは比較的容易なのであるが、ステアリングホイールのように芯材が三次元の複雑な形状をした立体の場合、この立体は複雑な曲線や曲面の組合せで成り立っていて、貼り付ける際にはその曲面を覆う皮革素材も必然的に曲面とする必要がある。
このため平面展開時(裁断時)の皮革素材204の端縁206が直線状ですむことは少なく複雑な曲線で構成されるようになり、複雑な曲線で構成される皮革素材204の端縁部206を均一な幅(等幅)で全周に亘って折り返すことは著しく困難で、折り返し位置が二点鎖線PS1で示すように斜めにずれてしまうなどの前記問題が発生する。
そもそも均等に折り曲げられることを前提に採寸、裁断された皮革素材204の折返し幅がずれてしまうと、接着する皮革(端縁折曲後のもの)200の外形寸法が部位によって設計値と大きく異なることになる。また、別部品である芯材は、皮革200とは別に一定寸法の成形品として形成されるため、前述したような設計値と異なる皮革200では巻き付け接着する皮革200の端縁部同士の突き合わせ部に不良が発生する。
このように折り返す部位がずれることにより、折返し量(折返し幅)が設計値より小さいと、図19(b)に示すように薄肉部208が露出した状態で重合部202が形成されてしまい、端縁部同士の突き合わせ接着時に突き合わせ部同士が重なり合ってしまう。
また、折返し量が設計値より大きいと、図19(c)に示すように折り返し部がはみ出した状態で重合部202が形成されてしまい、端縁部同士での突き合わせができない(届かない)状態が発生する。
このように、重合部202が不正確な形状に形成されると、皮革200全体の形状が不正確になり、ステアリングホイールの芯材に接着した場合、皮革同士の間に隙間ができまたは皮革同士が重なり合う等、ステアリングホイールの見映えが悪くなると共に、不要な引っ掛かり部が形成されてしまい指先が引っ掛るなど手触りも悪化する。これらの問題を含んだステアリングホイールは、後述の自動車用などの部品であり、運行者が直接手を触れる部分に問題を抱えているために、安全に車輌を運行する際の妨げになり、製品にならない。
なお、前記問題は、ステアリングホールのみならずシフトノブに使用される皮革やステッチ縫製がされていない皮革においても同様に発生する問題である。
本発明は、前記問題点に鑑みてなされたものであり、シフトノブまたはステアリングホイールを被覆するための皮革において、縁部に設けられた重合部の形状が正確な皮革およびこの皮革の製造方法を提供することを目的とする。
本発明の第1のアスペクトに基づく発明は、シフトノブまたはステアリングホイールを被覆するための皮革において、皮革素材の端縁に沿って形成された曲げ剛性が小さい小剛性部位のところで、前記皮革素材の裏面が互いに接するように前記皮革素材を折り返して形成された重合部を有する皮革である。
本発明の第2のアスペクトに基づく発明は、前記第1のアスペクトに記載の皮革において、前記皮革素材の端縁に沿って前記皮革素材の裏面側の部位を所定の幅で除去して形成された帯状の薄肉部を有し、前記薄肉部の幅方向の中間部に前記小剛性部位が形成され、または、前記薄肉部と前記薄肉部が形成されていない前記皮革素材の部位との境界のところに前記小剛性部位が形成されていた皮革である。
本発明の第3のアスペクトに基づく発明は、シフトノブまたはステアリングホイールを被覆するための皮革において、皮革素材の端縁に沿って前記皮革素材の裏面側の部位を所定の深さおよび所定の幅で除去して形成された帯状の薄肉部と、前記薄肉部と前記薄肉部が形成されていない前記皮革素材の部位との境界のところで、前記皮革素材の裏面が互いに接するように前記皮革素材を折り返して形成された重合部とを有する皮革である。
本発明の第4のアスペクトに基づく発明は、前記第1のアスペクト〜前記第3のアスペクトのいずれか1つのアスペクトに記載の皮革において、前記重合部には、前記重合部を形成している皮革素材を縫い合わせるための縫い目が前記端縁に沿って設けられている皮革である。
本発明の第5のアスペクトに基づく発明は、シフトノブまたはステアリングホイールを被覆するための皮革の製造方法において、皮革素材の端縁に沿って前記皮革素材の裏面側の部位を所定の深さおよび所定の幅で除去して帯状の薄肉部を形成する薄肉部形成工程と、前記薄肉部の裏面と、前記薄肉部が形成されていない前記皮革素材の裏面部位であって、前記薄肉部に隣接し前記薄肉部の裏面とほぼ同じ幅である裏面部位とに粘着剤を塗布する粘着剤塗布工程と、前記薄肉部と前記薄肉部が形成されていない前記皮革素材の部位との境界のところで、前記皮革素材の裏面が互いに接するように前記皮革素材を折り返して重合部を形成する重合部形成工程とを有する皮革の製造方法である。
図1は、本発明の第1の実施形態に係るシフトノブの概略構成を示す図である。 図2は、シフトノブを分解した状態を示す図である。 図3は、皮革の形態を示す図である。 図4は、重合部の形成過程および構成を示す図である。 図5は、重合部の形成過程および構成を示す図である。 図6は、図1におけるVIA−VIB断面を示す図である。 図7は、皮革の重合の貼り付け強度を測定するときの方法を示す図である。 図8は、皮革の重合部を芯材に接着剤で貼り付けたときの強度試験結果を示す図である。 図9は、小剛性部位の変形例や薄肉部の変形例を示す図である。 図10は、小剛性部位の変形例を示す図である。 図11は、シフトノブの変形例を示す図である。 図12は、図11におけるXIA−XIB断面を示す図である。 図13は、本発明の第2の実施形態に係るステアリングホイールの概略構成を示す図である。 図14は、ステアリングホイールを裏側から眺めた図である。 図15は、ステアリングホイールの変形例を示す図である。 図16は、ステアリングホイールの変形例を示す図である。 図17は、図15におけるXVIIA−XVIIB断面である。 図18は、図15におけるXVIIA−XVIIB断面に相当する断面図である。 図19は、従来の皮革の概略構成を示す斜視図である。
[第1の実施形態]
図1は、本発明の第1の実施形態に係るシフトノブ1の概略構成を示す図であり、図2は、前記シフトノブ1を分解した状態を示す図である。
シフトノブ1は、たとえば自動車の変速機のチェンジレバーの先端部や、自動車のパーキングブレーキの操作レバーの先端部に装着され使用されるものであり、本体部を構成している芯材(ボディ)3を備えていると共に、前記芯材3が、皮革5や皮革7で覆われている。なお、前記芯材3は、公知技術により形成されている。すなわち、前記芯材3は、芯金をウレタン樹脂等の樹脂で覆い前記芯金と前記ウレタン樹脂とで一体的に形成されている。
より詳しく説明すると、前記各皮革5、7の端縁同士を突き合わせた(接触した)状態で、前記各皮革5、7の裏面(各皮革5、7の芯材3側および後述の網状層側の面)が前記芯材3に接着剤で接着され、前記各皮革5、7で前記芯材3が被覆されている。
ここで、前記皮革5について詳しく説明する。前記皮革7は、皮革5と同様に構成されているので、ここでは、皮革5についての説明を行い、皮革7についての説明は省略する。
皮革5は、いわゆる天然皮革であり、表面に塗膜(塗膜層)を備えシート状に形成されており、前述したように、シフトノブの芯材3を被覆するためのものであり、または、後述するステアリングホイールの芯材(図13参照)103を被覆するためのものである。なお、本発明に使用する皮革は天然皮革のみに限定されるものではなく、人工的にシート状に形成しその表面に前述の塗膜を設けたいわゆる人工皮革であってもよいことは勿論である。
また、良く知られているように本発明に使用する天然皮革は、動物の真皮を用いたものでありその断面を観察すると鞣し処理などで除去された表皮側から銀面層2500、網状層1700があり、銀面層の表皮面(表皮側)に防水、防汚及び光沢出しの目的で前述した塗膜層3100が形成されている(図4(a)参照)。一般的には銀面層2500が機械的な性状である強度などが高めで硬い傾向にあり、太い繊維が三次元的に互いに緩やかに配置されている網状層1700は強度などが銀面層2500よりは相対的に低めで軟らかい傾向がある。
前記皮革5の縁部には、重合部9が形成されている。
ここで、前記重合部9について説明する。
図4は、前記重合部9の形成過程および構成を示す図であり、図4(c)は、図2におけるIVA−IVB断面を示す図である。
前記重合部9(図4(c)参照)は、薄肉部11とこの薄肉部11が形成されていない皮革素材20の部位13との境界(段差)15(図4(b)参照)のところで前記薄肉部11と前記皮革素材20の裏面17が互いに接するように前記皮革素材20を折り返し粘着剤で貼り合せることにより、形成されている。また、前記重合部9は、皮革5の縁部19に形成されている。
前記薄肉部11は、皮革素材20(重合部9が形成される前の皮革;(図4(a)参照)の端縁21に沿って前記皮革素材20の裏面17側の部位を所定の深さd1および所定の幅b1で除去して帯状に形成されている(図4(b)参照)。
また、前記薄肉部11の厚さt1は、前記皮革素材20における部位13の厚さt3の1/5倍〜1/2倍程度の厚さ(好ましくはほぼ1/2倍の厚さ)になっており、前記薄肉部11の幅b1は、前記厚さt3の3倍〜10倍程度の幅(好ましくは、5倍〜6倍の幅)になっている。
したがって、前記重合部9の厚さt5は、前記薄肉部11の厚さt1と皮革素材20の部位13の厚さt3との和にほぼ等しくなっており、前記重合部9の幅b3は、前記薄肉部11の幅b1よりも僅かに小さくなっている(図4(c)参照)。
また、前記皮革5の重合部9の一部が、スキ部23によって除去されている。すなわち、前記重合部9が形成されたことにより、前記皮革素材20のおもて面25側(前述の銀面層側)から前記皮革素材20の裏面17側に位置するようになった反転部位27のおもて面側(銀面層側)が、帯状の前記スキ部23によって所定の厚さt7だけ除去されている(図4(c)参照)。
前記除去された厚さt7は、前記薄肉部11の厚さt1よりも薄く(たとえば、前記厚さt1の半分程度)なっており、また、前記スキ部23を設けたことによって、前記重合部9の厚さt9が、前記皮革素材20の部位13の厚さt3よりも僅かに厚くなっているようにすることが好ましい(図5(a)参照)。
更に好ましくは、接着力を低下させる作用をする塗膜層3100のみを除去しおもて側にある銀面層2500は成るべく除去しないようにすることである。これにより、比較的接着強度などの特性が高い銀面層2500が接着剤を介して直接芯材3に接着されるので、突き合わせた端縁部同士の接着面が強固に芯材3に固定され、ステアリングホイールやシフトノブとして製品となった場合に高い耐久性をもった製品を提供することができる。
また、上記の実施例の場合はスキ加工によりスキ部23が形成される反転部位27が、折り返された状態で既にほぼ平坦状に形成されるようになるので、スキ部23が均一の厚さでスキ加工されてスキ加工部全体に亘ってムラなく塗膜が除去できるという波及効果を併せ持つ。
さらに、前記重合部9に、前記重合部9を形成している各皮革素材20の部位を縫い合わせるための縫い目28(図5(a)、図6参照)を設ける場合がある。縫い目28は、重合部9の端縁30に沿って設けられている。
このように、縫い目28を設けることで、前記折り返された部位とこの折り返された部位に接合された部位とを堅固に固定すること、すなわち、重合部9を堅固にすることができる。縫い目28を設けた重合部9にねじれやはがれの力が加わった場合に、重合部9の皮革素材を折り返し貼り合わせた部分からはがれ始めることによる、芯材3からの皮革5のはがれがなくなる。
次に、重合部9を形成する過程について説明する。
まず、図4(a)に示すような重合部9が形成されていない適宜な形状のシート状の皮革素材20を用意する。なお、芯材3の表面が曲面である場合には、この曲面に応じて前記皮革素材20も曲面状のものを用意することが望ましい。
続いて、前記皮革素材20の端縁21に沿って前記皮革素材20の裏面17側の部位を所定の深さd1および所定の幅b1で除去して帯状の薄肉部11を形成する(図4(b)参照)。
続いて、前記薄肉部11の裏面11Aと、前記薄肉部11が形成されていない前記皮革素材20の裏面17側の部位であって前記薄肉部11に隣接し前記薄肉部11の裏面11Aとほぼ同じ幅の裏面部位17Aとに粘着剤を塗布する。
この場合、粘着剤は粘着力があり比較的硬化するまでの時間が長い例えばゴム系の粘着剤を用いる。この方法を用いると反転部位27を折り返して粘着した際、すぐ硬化しない特性を利用して万が一折り返し幅がずれた場合の修正が可能であると共に、芯材3に皮革5、7を接着するまでに粘着剤が硬化するようになるので、皮革5、7を芯材3に貼り付けたときに重合部9が強固に構成され該重合部9の突き合わせ接着部が更に強固に構成されるようになる。
続いて、前記薄肉部11と前記薄肉部11が形成されていない前記皮革素材20の部位13との境界15のところで、前記皮革素材20の裏面部位17Aと薄肉部11の裏面11Aとが互いに接するように(前記粘着剤が塗布された裏面同士が粘着剤を介して互いに貼り付くように)前記皮革素材20を折り返して重合部9を形成する(図4(c)参照)。
なお、図4や図5では、本発明の基本的内容を説明するために皮革素材20の端縁21を直線状の形態にして説明してあるが、実際には前述の通り複数の曲線で構成された端縁になる。前記端縁が直線状あれば等幅の折り返しは比較的容易だが、ステアリングホイールやシフトノブのように芯材3が三次元立体で複雑な曲面で構成されている部分に貼り付ける皮革5では皮革素材20の形状も複雑になる。
このような皮革素材20の端縁21を等幅で折り返すことは、従来の技術では困難で(図3参照)、折り返し位置がずれると、芯材3に貼りつけた皮革5と皮革7との突き合わせ部に隙間ができたり、皮革5皮革7同士が重なり合い製品にならない。しかし、皮革5によれば、段差15のところで折り返しを行なうので、縁部を等幅で折り返すことが容易になっている。
ところで、前述したようなスキ部23を設けないで縫い目28を設ける場合には、重合部9を形成した後、縫い目28を設ける。
一方、前述したようなスキ部23と縫い目28とを設ける場合には、折り返して前記重合部9を形成した後、前記スキ部23を設け、この後に縫い目28を設ける。
また、図5(b)に示すように、前記薄肉部11が折り返されて接合される裏面部位17Aを、スキ部29を設けることで僅かな厚さだけ除去し、このスキ部29で除去された部位に薄肉部11を接合し重合部を形成してもよい。スキ部29で皮革素材20の裏面部位17Aを除去することで、重合部9の厚さを薄くし、重合部9が形成されていない部位における皮革の厚さと重合部9が形成されている部位における皮革の厚さとをほぼ同じ厚さにすることが容易になる。
ところで、前述したように、前記おもて面25に形成された薄い被膜31(塗膜層3100)は、皮革素材20を折り返し重合部9が形成されたときに、前記皮革5の裏面17側に位置する反転部位27にも形成されていることになるが、前述したようにスキ部23を設ければ、前記重合部9の折り返された反転部位27の前記被膜31が除去され、さらに、後述する銀面層2500の一部も除去される場合がある。
ここで、繰り返して説明するが一般的には、前記皮革5のおもて面25は銀面側の面であり、前記皮革5の裏面17は肉面側の面である。
銀面、肉面について説明する。皮革としてたとえば牛皮を考えた場合、銀面とは牛の表皮面(毛の生えていた面)に相当する面をいい、肉面とは、牛の肉側の面をいう。また、皮革を構成している繊維成分は、銀面側では密になっており、肉面側では粗くなっている。したがって、前記銀面側では、引っ張り強度等の機械的強度が高く、前記肉面側では、機械的強度が低くなっている。
なお、銀面側で繊維成分が密になっている層を銀面層2500といい、肉面側で繊維成分が疎になっている層を前述の網状層1700という。
前述したように構成された皮革5、7で、前記芯材3が被覆されている(図1、図2参照)。この被覆においては、図6(図1におけるVIA−VIB断面)に示すように、前記各皮革5、7の端縁(各重合部9の端縁)30同士を突き合わせた(接触した)状態で、前記各皮革5、7の裏面17(反転部位27を含む)が前記芯材3に接着されている。
なお、図6に示すように、各皮革5、7が芯材3に貼り付けられた状態では、重合部9が設けられている部位における皮革5の厚さt5(スキ部23が設けられている場合は厚さt9;図4(c)参照)が、重合部9が設けられていない部位における皮革5の厚さt3よりも、僅かに厚くなっているので、重合部9が設けられている部位と重合部9が設けられていない部位との間に僅かな隙間33が形成される。
したがって、前記重合部9を生成するために塗布された粘着剤が僅かに染み出たとしても、この染み出した粘着剤が前記隙間33でとまり、前記染み出した粘着剤と前記皮革5を前記芯材3に接着するための接着剤とが混じった状態で、皮革5、7の裏面17が芯材3に接着されることを防止することができ、皮革5、7の接着強度が低下することを防止することができる。
ここで、皮革5の重合部9を芯材3に接着剤で貼り付けたときの強度試験結果について説明する。
前記試験は、スキ部(反転部位27に設けられたスキ部)23が設けられている重合部9を備えた皮革5、5を、図7(皮革5の重合部9の貼り付け強度を測定するときの方法を示す図)に示すように芯材3に接着剤で貼り付け、矢印AR1の方向に引っ張り荷重を加えて行った。したがって、図7に示す状態では、重合部9と芯材3との接着面には、せん断力が生じることになる。
図8は、皮革5の重合部9を芯材3に接着剤で貼り付けたときの強度試験結果を示す図である。
図8の縦軸は、重合部9や接着部が剥離すること等により、前記皮革5が前記芯材3から離れるときの荷重を示す。なお、図8の縦軸の単位「kgf」は、キログラム重を意味し、1kgfは9.8N(ニュートン)に相当する。
図8の横軸は、重合部9を形成する際に設けられる薄肉部11の幅b1を示し、単位は「mm」である。
また、図7に示す皮革5の重合部9が形成されていない部位の厚さ(皮革素材20の厚さ)は、1.3mmであり、皮革5は、図7の紙面に垂直な方向に15mmの幅をもっている。
図8に示すグラフG1は、薄肉部11の厚さt1を0.9mmとして重合部9を形成した皮革の貼り付け強度を示し、グラフG3は、薄肉部11の厚さを0.7mmとして重合部9を形成した皮革の貼り付け強度を示し、グラフG5は、薄肉部11の厚さを0.5mmとして重合部9を形成した皮革の貼り付け強度を示し、グラフG7は、薄肉部11の厚さを0.3mmとして重合部9を形成した皮革の貼り付け強度を示している。なお、前記各グラフG1、G3、G5、G7の結果を得るための各重合部9には、縫い目は設けられていない。
グラフG9は、薄肉部11の厚さt1を0.7mmとしさらに縫い目28を設けて重合部9を形成した皮革の貼り付け強度を示す。グラフG11は、従来の皮革200の貼り付け強度を示す。
図8の結果から理解されるように、グラフG9を除いて、薄肉部11の幅b1が7mmの場合の接着強度と幅b1が9mmの場合の接着強度とは、変化が小さい。この理由は、薄肉部11の幅b1を広くすれば、芯材3と重合部9との接着面積は増えるが、薄肉部11を折り返して重合部9を形成するときの前記折り返しの箇所(境界15)近辺における強度は増加せず、前記強度試験において、前記折り返しの箇所の近辺が破断するからである。
グラフG9は縫い目28が設けられている皮革の試験結果であるので、薄肉部11と裏面17が合わさっているので破断が起こらない。よって、薄肉部11の幅b1が広いほど、接着強度が大きくなっている。
なお、薄肉部11の幅b1を広くし過ぎたりすると、折り返したときにできるしわをにがし難くなったり、重合部の皮革素材を折り返し貼り合わせた部分の接着剤が硬化したりする。薄肉部11の厚さt1を厚くしすぎると、皮革素材の急激な厚さ変化がなくなるので正確に折り返し難くなったり、重合部と皮革素材の厚さ(重合部が形成されていない箇所の厚さ)の違いが大きくなり、皮革5を芯材3に貼り付けた際の見映えや手触りが悪くなる。さらに、貼り付け強度としては5kgf程度の強度で十分であるので、グラフG3やグラフG9に示すように、薄肉部11の厚さが0.7mm程度であり、幅b1が7mm程度のときが実用的であると考えられる。
皮革5によれば、前記薄肉部11とこの薄肉部11が形成されていない前記皮革素材20の部位との境界15のところにおいて皮革素材20の厚さが急激に変化しているので、前記境界15のところで皮革素材20が曲がりやすくなっており、したがって前記境界15のところで皮革素材20を正確に折り返すことができ、正確な形状の重合部9を皮革5の縁部に形成することができる。
そして、重合部9が正確な形状に形成されると、皮革5全体の形状が正確になり、芯材3に接着した場合、皮革5、7の間に隙間ができることを防止でき、また、皮革5、7が重なり合うことを防止でき、シフトノブ1の見映えや手触りを良好なものにすることができる。
なお、前記境界15のような形状の他に、皮革素材の厚さが急激に変化した部位を設けて、前記境界15の代わりにしてもよい。
さらに、境界15に代えて、皮革素材20の端縁21に沿って曲げ剛性が皮革素材20の他の部位に比べて小さい線状の小剛性部位を形成し、この小剛性部位のところで、前記皮革素材20の裏面が互いに接するように前記皮革素材20を折り返し粘着剤で貼り合せることにより前記皮革5の縁部に重合部9を形成してもよい。この際前述したような薄肉部を必ずしも設ける必要はない。
前記小剛性部位として、皮革素材20の端縁21に沿って形成された溝35(図9(a)参照)、皮革素材20の端縁21に沿って形成されたスリット37(図10(a)参照)、皮革素材20の端縁21に沿って形成されたプレス(たとえば熱プレス)によって形成された変形部39(図10(d)参照)等、皮革素材20の厚さが急激に変化している部位を採用してもよいし、また、前記小剛性部位として、皮革素材20の端縁21に沿って所定の間隔をあけて形成された多数の孔(皮革素材20の厚さ方向に延びている孔であって、皮革素材20を貫通している孔41、または皮革素材20を貫通しないで途中で止まっている孔;図10(c)参照)を採用してもよい。さらに、前記孔41をスリット状に形成してもよいし、また、前記各孔41に糸を通して、たとえば装飾的な効果を演出してもよい。
また、図9(a)に示す溝35は、断面が矩形状に形成されているが、図10(b)に示すように、「V」字状の断面形状の溝43等、他の形状の溝を採用してもよい。
そして、剛性が他の部位に比べて小さくなっている小剛性部位を前記端縁に沿って形成し、この小剛性部位のところで、皮革素材20を折り返して重合部9を形成すれば、前述したように皮革素材20の厚さを急激に変化させた場合と同様に、正確な形状の重合部9を形成することができる。
ところで、前記溝35を形成すると共に薄肉部を設け、前記溝35のところで前記薄肉部を折り返し、重合部を形成してもよい。
たとえば、図9(b)に示すように、薄肉部45の幅方向の中間部に溝35を設けてもよいし、図9(c)に示すように、薄肉部45と薄肉部45が形成されていない皮革素材の部位との境界のところに前記溝35を設けてもよい。
また、図9(d)に示すように、皮革素材の端縁に向かうにしたがって薄くなるような形状(断面がたとえば台形状)になように、薄肉部47を形成してもよい。
さらには、図10(a)に示すうようなスリット37、図10(b)に示すような溝43、図10(c)に示すような多数の孔41、図10(d)に示すような変形部39等の小剛性部位を設けた場合においても、前述したような薄肉部を設けてもよい。
皮革5によれば、端縁部に重合部9が設けられていると共に、前記重合部9の厚さt9が、重合部が形成されていない部位(重合部非形成部位)の厚さt3よりも僅かに厚いだけであるので、前記皮革5を用いてシフトノブ1や後述するステアリングホイールを被覆した場合、シフトノブ1の芯材3に溝を設けなくても、キメコミをした場合と同様に、皮革の突き合わせ部位49の形態を良好な状態にすることができる(図1、図6参照)。
つまり、縁部に重合部9が設けられているので、各皮革5、7の突き合わせ部位49では、前記皮革素材の端面(切断面)が露出せず、シフトノブ1の外観が良好になっていると共に、前記重合部9の厚さt9が重合部非形成部位の厚さt3よりも僅かに厚いだけであるので、各皮革5、7の端縁30同士の突き合わせ部位49で、芯材3から離れる方向に前記各皮革5、7がほとんど突出せず(盛り上がらず)、運転中における手の引っかかりを防止することができる。
また、シフトノブ1の芯材3にキメコミのための深い溝を設ける必要がないので、芯材3の形状を簡素化することができる。
したがって、前記芯材3をたとえばモールド成形によって製造する場合、金型が複雑になることを回避することができ金型の製作コストを低減することができ、また、芯材3にアンダーカットが生じることを回避することが容易になり、芯材3(シフトノブ1)のデザインの自由度が高まる。
さらに、芯材3に溝を設けていないので、1種類の形状の芯材であっても、異なるパターンの皮革配置で被覆を行うことができる。
また、シフトノブ1の芯材3を皮革で被覆する場合、キメコミをする必要がなく、単に各皮革の端同士を合わせて、皮革を接着して貼り付ければよいので、芯材3を皮革で被覆する際の作業工数を低減することができる。
さらに、皮革5によれば、反転部位27では、スキ部23を設けたことにより塗装(被膜)31が除去されているので、シフトノブ1や後述するステアリングハンドルの芯材3への皮革の接着強度が高くなっている。
したがって、前記重合部9の塗装31が除去された面が、芯材3に接着されることにより、皮革の芯材3への接着強度を高めることができ、皮革の突き合わせ部位49およびこの近傍における、皮革の剥離(芯材3からの特に経時変化による皮革の剥離)を防止することができ、前記突き合わせ部位49が開いて、芯材3が露出する事態を回避することができる。
また、皮革5によれば、機械的強度の高い銀面を外側にして、前記皮革5が前記芯材3に接着されるので、皮革5に傷等がつくことを極力回避することができると共に、機械的強度の高い面に塗装がされているので、塗装の強度も高くなっている。
また、皮革5によれば、重合部9に縫い目28が設けられているので、高級感を演出することができると共に、手触りが良好になる。
ここで、前記シフトノブ1についてさらに説明する。
前記シフトノブ1の芯材3の表面には、図2に示すように、前記各皮革5、7を(前記各皮革5、7の端縁を)位置決めするためのマーキング50が形成されている。
前記マーキング50は、たとえば、前記芯材3の表面に浅い溝や低い突起を設けまたはインキを付着して形成された線画によって構成されている。
このように、マーキング50を形成することにより、前記芯材3に各皮革5、7を貼り付ける際、前記芯材3と前記各皮革5、7との相対的な位置関係を、作業者が容易に認識することができる。
なお、前記シフトノブ1では、2つの皮革5、7で芯材3を被覆しているが、各皮革の形状を変えたり、または、1つの皮革もしくは3つ以上の複数の皮革で、芯材3を被覆してもよい。芯材3に貼り付ける皮革を複数に分割すれば、シフトノブのデザイン(特に皮革のデザイン)の自由度を損なうことなく、各皮革の形状を単純な形状にすることができ、皮革の歩留まりを高めることができる。
また、たとえば、塗装の色を変えることによって、また、たとえば、皮革自体の色を変えることによって、前記各皮革のそれぞれに異なった色を付すようにしてもよいし、また、前記各皮革のそれぞれのおもて面の表面状態(たとえば、粗さや摩擦係数)を、たとえば、エンボス加工、起毛そり、バックスキン等の使用により、異なったものとしてもよい。
このように色や表面状態を変えることにより、シフトノブの美感を向上させる(意匠性を高める)ことができる。
また、前記各シフトノブの表面の一部に、皮革で覆われずに木材、プラスチック、金属等の皮革以外の部材が露出している部位である皮革非設置部を設けてもよい。
たとえば、図11(シフトノブの変形例を示す図)に示すシフトノブ1aは、芯材3aの側面を皮革51で被覆し、芯材3aの上面を皮革53で被覆しているが、シフトノブ1aの表面の一部に、操作ボタン55が設置されている操作ボタン設置部57を設けてもよい。前記操作ボタン設置部57が設けられている箇所には、皮革は設けられていない。
このように、シフトノブの一部に、皮革で覆われずに、木材、プラスチック、金属等の皮革以外の部材が露出している部位である皮革非設置部を設けることにより、各皮革のそれぞれの色や表面状態を異なったものとした場合と同様に、シフトノブの美感を向上させる(意匠性を高める)ことができる。
また、シフトノブの表面の一部に、操作ボタン55が設置されている操作ボタン設置部57を設ければ、運転者にとって操作性のよいシフトノブを提供することができる。
ここで、前記操作ボタン設置部57のまわりにおける皮革の設置状態について説明する。
図12は図11におけるXIIA−XIIB断面を示す図である。
シフトノブ1aにおける操作ボタン設置部57と、前記皮革51との境界では、前記皮革51の縁部に形成されている重合部9の端縁が、操作ボタン設置部(皮革非設置部)57の端に近接した状態で、前記皮革51の裏面が、シフトノブ1aの芯材3aに接着されている。
なお、前記皮革非設置部を設けた場合、この皮革非設置部と皮革との境界でも、操作ボタン設置部57と前記皮革51との境界と同様な形態で皮革が設置されている。
このように皮革を設置することにより、シフトノブにおける皮革非設置部または操作ボタン設置部と、前記皮革との境界で、シフトノブの外観を良好なものにすることができる。
[第2の実施形態]
図13は、本発明の第2の実施形態に係るステアリングホイール101の概略構成を示す図である。なお、図13は、自動車に設置されたステアリングホイール101を運転者の側から眺めた図である。
図14は、前記ステアリングホイール101を裏側(反運転者側)から眺めた図である。
第2の実施形態に係るステアリングホイール101は、第1の実施形態に係るシフトノブ1を被覆している皮革と同様な皮革を用いて被覆されているものであり、第1の実施形態に係るシフトノブ1とほぼ同様の効果を奏する。
詳しく説明すると、ステアリングホイール101は、リング部105とスポーク部107とを備えていると共に、前記ステアリングホイール101の本体部は、芯材(ボディ)103によって構成されている。
そして、第1の実施形態に係る各皮革5、7と形状は異なるが縁部が同様に構成された(重合部9と同様な重合部を備えた)複数の皮革(芯材103に設置する前の状態では互いに別れている皮革)109、111を芯材103に接着することによって、前記芯材103が被覆されている。なお、前記各皮革109は前記リング部105を被覆しており、前記皮革111は、スポーク部107を被覆している。
前記各皮革109、111の端縁が突き合わされている突き合わせ部位113は、前記第1の実施形態に係るシフトノブ1の皮革5、7の突き合わせ部位49と同様に形成されている(図6参照)。
なお、前記突き合わせ部位113は、前記ステアリングホイール101のリング部105とスポーク部107との合わせ目(皮革109と皮革111との合わせ目)PS1、前記スポーク部107の裏面で前記ステアリングホイール101の半径方向または半径方向に交差する方向に延びている皮革111の合わせ目PS3、前記リング部105を複数に分割したときの分割箇所に形成される各皮革109の合わせ目PS5、前記皮革109の端縁の合わせ目PS7とに形成されている。
なお、前記各突き合わせ部位が形成されている部位として、必ずしも、総ての部位を備えている必要はない。たとえば、前記リング部105を1つの皮革で被覆し、前記合わせ目PS5を削除してもよい。
ところで、前記突き合わせ部位113を、前記ステアリングホイール101のリング部105とスポーク部107との合わせ目PS1に設ければ、ステアリングホイール101の芯材103を被覆する皮革の形状を、単純な形状にすることができ、皮革の歩留まりが向上する。
なお、前記芯材103の表面には、シフトノブ1の場合と同様に、皮革を位置決めするためのマーキングを形成してもよく、また、皮革の重合部の前記折り返された面の塗装を除去してあることが望ましい。
さらに、シフトノブ1の場合と同様に、前記各皮革109、111に異なった色を付し、または、前記各皮革109、111のおもて面の表面状態を、異なったものとしてもよい。
また、図15(ステアリングホイールの変形例を示す図)に示すように、前記リング部105の表面の一部に、皮革で覆われずに、木材、プラスチック、金属等の皮革以外の部材が露出している部位である皮革非設置部115を設けてあってもよい。なお、前記皮革非設置部の設置形態を図16に示すように適宜変更してもよい。
また、前記ステアリングホイール101における皮革非設置部115と前記皮革109との境界では、図17(図15におけるXVIIA−XVIIB断面)に示すように、前記皮革109の縁部に形成されている重合部の端縁が、前記皮革非設置部115の端に近接した状態で、前記皮革109の裏面が前記芯材103に接着されている。
なお、前記皮革非設置部115では、芯材103が盛り上がって、この盛り上がっている部位の表面と、前記皮革109の表面との段差がほとんどなくなっているが、図18(図15におけるXVIIA−XVIIB断面に相当する断面図)に示すように、芯材103を盛り上げることなく、別部材117を貼り付けてもよい。
【0002】
少なく複雑な曲線で構成されるようになり、複雑な曲線で構成される皮革素材204の端縁部206を均一な幅(等幅)で全周に亘って折り返すことは著しく困難で、折り返し位置が二点鎖線PS1で示すように斜めにずれてしまうなどの前記問題が発生する。
[0009]
そもそも均等に折り曲げられることを前提に採寸、裁断された皮革素材204の折返し幅がずれてしまうと、接着する皮革(端縁折曲後のもの)200の外形寸法が部位によって設計値と大きく異なることになる。また、別部品である芯材は、皮革200とは別に一定寸法の成形品として形成されるため、前述したような設計値と異なる皮革200では巻き付け接着する皮革200の端縁部同士の突き合わせ部に不良が発生する。
[0010]
このように折り返す部位がずれることにより、折返し量(折返し幅)が設計値より小さいと、図19(b)に示すように薄肉部208が露出した状態で重合部202が形成されてしまい、端縁部同士の突き合わせ接着時に突き合わせ部同士が重なり合ってしまう。
[0011]
また、折返し量が設計値より大きいと、図19(c)に示すように折り返し部がはみ出した状態で重合部202が形成されてしまい、端縁部同士での突き合わせができない(届かない)状態が発生する。
[0012]
このように、重合部202が不正確な形状に形成されると、皮革200全体の形状が不正確になり、ステアリングホイールの芯材に接着した場合、皮革同士の間に隙開ができまたは皮革同士が重なり合う等、ステアリングホイールの見映えが悪くなると共に、不要な引っ掛かり部が形成されてしまい指先が引っ掛るなど手触りも悪化する。これらの問題を含んだステアリングホイールは、後述の自動車用などの部品であり、運行者が直接手を触れる部分に問題を抱えているために、安全に車輌を運行する際の妨げになり、製品にならない。
[0013]
なお、前記問題は、ステアリングホールのみならずシフトノブに使用される皮革やステッチ縫製がされていない皮革においても同様に発生する問題である。
[0014]
本発明は、前記問題点に鑑みてなされたものであり、シフトノブまたはステアリングホイールを被覆するための皮革において、縁部に設けられた重合部の形状が正確な皮革およびこの皮革の製造方法を提供することを目的とする。
発明の開示
[0015]
本発明の第1のアスペクトに基づく発明は、皮革素材の端縁に沿って前記皮革素材の
【0003】
裏面側の部位を所定の幅でかつ所定の厚さで除去して形成された薄肉部を設け、この薄肉部とこの薄肉部が形成されていない前記皮革素材の部位との境界のところで前記皮革素材を折り返して、前記皮革素材の裏面がお互いに接するように形成される重合部を設けてある皮革である。
[0016]
本発明の第2のアスペクトに基づく発明は、前記第1のアスペクトに記載の皮革において、前記重合部における前記薄肉部の面であって前記皮革素材のおもて面に相当する前記薄肉部の面が、所定の厚さで除去されていることを特徴とする皮革である。
[0017]
本発明の第3のアスペクトに基づく発明は、芯材と、前記第1のアスペクトまたは前記第2のアスペクトに記載の第1の皮革と、前記第1のアスペクトまたは前記第2のアスペクトに記載の第2の皮革とを有し、前記第1の皮革の重合部の端部と前記第2の皮革の重合部の端部とがお互いに突き合うようにして、前記第1の皮革の裏面が前記芯材の表面側に位置して前記第1の皮革が前記芯材の表面の一部を被覆しており、前記第2の皮革の裏面が前記芯材の表面側に位置して前記第2の皮革が前記芯材の表面の他の一部を被覆しているステアリングホイールである。
[0018]
本発明の第4のアスペクトに基づく発明は、前記第3のアスペクトに記載のシフトノブまたはステアリングホイールにおいて、前記重合部は、粘着剤を用いて貼りつけられており、前記各皮革は接着剤を用いて前記芯材に接着されているシフトノブまたはステアリングホイールである。

Claims (5)

  1. シフトノブまたはステアリングホイールを被覆するための皮革において、
    皮革素材の端縁に沿って形成された曲げ剛性が小さい小剛性部位のところで、前記皮革素材の裏面が互いに接するように前記皮革素材を折り返して形成された重合部を有することを特徴とする皮革。
  2. 請求項1に記載の皮革において、
    前記皮革素材の端縁に沿って前記皮革素材の裏面側の部位を所定の幅で除去して形成された帯状の薄肉部を有し、
    前記薄肉部の幅方向の中間部に前記小剛性部位が形成され、または、前記薄肉部と前記薄肉部が形成されていない前記皮革素材の部位との境界のところに前記小剛性部位が形成されていたことを特徴とする皮革。
  3. シフトノブまたはステアリングホイールを被覆するための皮革において、
    皮革素材の端縁に沿って前記皮革素材の裏面側の部位を所定の深さおよび所定の幅で除去して形成された帯状の薄肉部と、前記薄肉部と前記薄肉部が形成されていない前記皮革素材の部位との境界のところで、前記皮革素材の裏面が互いに接するように前記皮革素材を折り返して形成された重合部とを有することを特徴とする皮革。
  4. 請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の皮革において、
    前記重合部には、前記重合部を形成している皮革素材を縫い合わせるための縫い目が前記端縁に沿って設けられていることを特徴とする皮革。
  5. シフトノブまたはステアリングホイールを被覆するための皮革の製造方法において、
    皮革素材の端縁に沿って前記皮革素材の裏面側の部位を所定の深さおよび所定の幅で除去して帯状の薄肉部を形成する薄肉部形成工程と;
    前記薄肉部の裏面と、前記薄肉部が形成されていない前記皮革素材の裏面部位であって、前記薄肉部に隣接し前記薄肉部の裏面とほぼ同じ幅である裏面部位とに粘着剤を塗布する粘着剤塗布工程と;
    前記薄肉部と前記薄肉部が形成されていない前記皮革素材の部位との境界のところで、前記皮革素材の裏面が互いに接するように前記皮革素材を折り返して重合部を形成する重合部形成工程と;
    を有することを特徴とする皮革の製造方法。
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