JP2000127982A - ステアリング用グリップ部材 - Google Patents

ステアリング用グリップ部材

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JP2000127982A
JP2000127982A JP10309147A JP30914798A JP2000127982A JP 2000127982 A JP2000127982 A JP 2000127982A JP 10309147 A JP10309147 A JP 10309147A JP 30914798 A JP30914798 A JP 30914798A JP 2000127982 A JP2000127982 A JP 2000127982A
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grip
shaped
cross
steering wheel
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Ryoji Honma
良二 本間
Masaru Koseki
勝 小関
Toshiro Takiguchi
寿郎 滝口
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TENDO CO Ltd
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TENDO CO Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 この発明は、ステアリングホイール骨格部の
骨格芯金に対して装着され、高級感のある外観を実現す
ることができるようにする新規な構造からなるステアリ
ング用グリップ部材を提供する。 【解決手段】 ステアリングホイールの骨格芯金41を
収容可能な芯金嵌合用溝部22を有すると共に、ステア
リングホイール断面全周の略30ないし40パーセント
前後の範囲に相当する裏側外周面から、先の芯金嵌合用
溝部22に向けて窄まる断面略鳩尾状切り欠きとなるよ
うにした芯金装着用開口部21を設けた円弧状グリップ
本体2を形成する一方、該円弧状グリップ本体2の芯金
装着用開口部21全長を隠蔽可能とする円弧状グリップ
補助体3を設けた上、円弧状グリップ本体2外周面に天
然木突き板23を被覆、接着し、円弧状グリップ補助体
には本革製シート33を被覆、接着してなるステアリン
グ用グリップ部材である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の目的】この発明は、自動車や船舶等の運転、操
縦のために用いられるステアリング装置、および、これ
らの運転や操縦を疑似的に体験する練習用装置、あるい
はゲーム装置に設けられるステアリング装置等における
ステアリングホイールに関するものであり、回動操作性
や安全性、あるいは資源の有効利用等の面は勿論のこ
と、特に、外観状で高級感を醸し出す天然目仕様のステ
アリングホイールの実現化に極めて都合が良くなるとい
う利点をも兼ね備えた新規な構造からなるステアリング
用グリップ部材を提供しようとするものである。
【0002】
【従来の技術】高度経済成長と共に急激なモータリゼー
ションが進み、既に一家の自動車保有台数も2台、3台
という普及率を達成している上、その性能面でも長距離
を高速且つ安全に移動するための移動媒体として十分過
ぎる程の成熟を遂げてしまったことから、我が国におけ
る自動車市場においては、最近、益々重要な社会的課題
となってきているエネルギー問題や自然環境問題等へ対
応可能となる新たな価値観に基づいた自動車の実現化に
向け、メーカーのみならずユーザーの意識改革も迫られ
ており、こうした傾向を反映して使い捨てによる大量消
費や経済性一辺倒の画一化が敬遠され、各種部品のリサ
イクル、燃焼効率の改善、規制、そのための車体重量の
軽量化、個性化、高級化等をキーワードとした自動車が
提供され始め、ユーザーからは厳しい査定を受ける時代
を迎えている。
【0003】例えば、高級車種のステアリングホイー
ル、シフトノブおよびサイドブレーキレバー等といった
ドライバーが日常的に触れると共に、デザイン上からも
重要なポイントなる部分では、触感やその装飾性から、
一頃のプラスチック一体成形で、水転写法や化粧フィル
ム積層による、言わば人工的な化粧仕上げのものに代
え、本革製シートで被覆処理したものや、木質仕上げの
施されたもの等本物仕様のものに人気が集中し、特に最
近では、本革巻きのものに比べてメンテナンスにあまり
気を使わずに済む上、かなり長期間に渡って高級感が持
続される天然木仕上げのステアリングホイールが好まれ
る傾向を示し始めている。しかし、これら本革巻きのス
テアリングホイールにしろ、天然木仕上げ製造によるス
テアリングホイールにしろ、天然素材によるものの多く
は、多数の工程を必要として手間が掛り過ぎることか
ら、人件費が極端に易く、かなり廉価に輸入される海外
製品に殆ど依存せざるを得ない状況となっており、国内
のステアリングホイールメーカーにとって、それらに対
向できる価格の実現と、より高い品質、デザインとを確
保することは、新たな展開を始めた自動車市場に生き残
っていくための極めて重要な課題となってきている。
【0004】天然木仕上げされているステアリングホイ
ールの中、最も高級なものでは、無垢の天然木材の品質
を吟味し、巧みな技によって全てが手作りされ、美術工
芸品の域に達するようにした品質によるものとなるが、
こうした製品は、大量生産が不可能であって当然高価な
ものとなってしまう上、高級品過ぎて取り扱いに相当の
注意を払わざるを得ず、自動車工場の生産ラインには到
底馴染み難く、しかも、従前のように、数の限定された
特注ステアリングホイールだけに対応すれば足りる時代
から、かなりのまとまった数量を必要とすることとなっ
て、その要求量に見合うだけの優良資材の確保は難し
く、また少資源保護の観点からしても決して許容され得
ないことである。
【0005】そのため、一般にはステアリングホイール
形状に成形された木材、集成木材あるいは合成樹脂材の
表面に、木目の美しい天然木を極めて薄く削り取って作
り出される多数枚の突き板の中の一枚を被覆、接着し、
表面塗装仕上げ、保護膜とすることにより、高級な木目
を再現してなる多数のステアリングホイールが製造可能
となるようにしたものがある。しかし、この一枚の天然
木突き板を、ステアリングホイールグリップ部分の外表
面全周に巻き付けようとすると、曲率半径の小さな内側
部分に皺や重なり部分が発生してしまい、外観や触感の
低下が著しいことから、それらの弊害を生じさせない範
囲部分に区分けして複数枚の天然木突き板を貼り合わせ
ることにより、滑らかな曲面を得るような仕上げを必要
とすることになる。
【0006】こうした複数枚の天然木突き板を貼り合わ
せていく仕上げ処理の代表的な従来技術としては、例え
ば、図10の従前のステアリングホイールの斜視図、図
11の分解した従前のステアリング用グリップ部材の斜
視図、および図12の従前のステアリング用グリップ部
材を断面化した斜視図に示されるように、断面半円形状
に削り出された一対のグリップ材部5,5により、ステ
アリングホイール骨格部4の骨格芯金41を挟み込むよ
うに結合し、さらに、その外側表裏面の夫々に天然木突
き板23,23を被覆、接着し、これら天然木突き板2
3,23の縁部を、グリップ材部5,5の互いの接合部
に略一致する位置で、切除して製造するものがあり、こ
のように2枚の天然木突き板23,23の縁部を露出す
る構造は、木目が合わずに継ぎ目を際立たせてしまうば
かりでなく、触感も悪化させてしまうという欠点をもっ
ていた。
【0007】そのため、例えば、図13の他の従前の分
解状態にあるステアリング用グリップ部材の斜視図、お
よび図14の他の従前のステアリング用グリップ部材を
断面化した斜視図に示されるもののように、半円形状断
面に形成された一対のグリップ材部5,5によってステ
アリングホイール骨格部4の骨格芯金41を挟み込むよ
うに一体化し、その外周面表側、断面で略60パーセン
ト程度の範囲に、天然木突き板23を被覆、接着した
上、夫々の円周方向縁部を先端側程薄くなるよう斜めに
切除した上、裏側のグリップ材部5の一部が露出状に残
された略40パーセント程度の範囲に、もう一枚の別の
天然木突き板23を被覆、接着させ、その円周方向縁部
を、表側の天然木突き板23の斜めに切除された縁部に
一部重なるよう接着した上、重なり部分でやや突出状と
なった天然木突き板23の端縁を研磨処理を施して滑ら
かにして表面塗装仕上げ、保護膜とする改良技術も実施
されており、裏側に配置された天然木突き板23の縁部
も比較的目立たず、上記した従来技術に比較すればかな
り良好な外観を得ることができるものとなるものの、薄
く脆弱な1枚の突き板23の端縁殺ぎ落としにはそれな
りの加工技術を要し、しかもそれらは余計な工程となる
上、もう一枚の突き板23の方も、貼り合わせ後に研磨
処理する手間を要するという具合に、何れにしても繁雑
な加工処理を必要とするという別の問題を抱えていた。
【0008】さらに、上記した何れの従来技術とも、ス
テアリングホイールのグリップ部分を木材から削り出
し、成形する工程や、天然木突き板23を被覆、接着、
および塗装処理する各工程、または本革製シート材を成
形し、巻き付ける処理等の工程等は、品質を高めるため
に多くの複雑な工程を経なければならないにも拘らず、
それらの工程を行き来する間もステアリングホイール骨
格部4と一体のままの取り扱いとなることから、対象部
材として嵩張って取り扱い難くなる上、ステアリングホ
イール骨格部4にクラクション用スイッチや、エアバッ
ク装置等の保安部品を組み込み、カバーを施す工程が早
期の中に実施されていると、グリップ部分のみの被覆処
理や塗装処理等の工程毎にマスキング処理を施す必要を
生じたり、移送のために緩装用の梱包をしなければなら
なくなる等、完成までに要する輸送費用や、その他の設
備費用ならびに作業工数が増大し、出荷時の価格を引き
上げてしまうという不都合を生じるものであった。
【0009】この発明は、以上のように天然木突き板や
本革製シート等を被覆処理することによって質感を高め
ようとするステアリングホイールの従来技術が、かなり
高度な製造技術および複雑な製造工程を必要とする上、
製造途中における取り扱いも繁雑過ぎる等して生産効率
を高めることができず、全体の製造コストが増大して価
格競争力を失い、これまで長期間に渡り、我が国の高級
国産自動車の多くに海外から比較的廉価に輸入される製
品が装着され続けてきた実情に鑑み、デザイン上で勝
り、コストダウンの可能なステアリングホイールの開
発、研究に逸速く着手し、長期に渡る試行錯誤と幾多の
試作、実験とを繰り返してきた結果、今回、遂にステア
リングホイール骨格部への後付け加工が可能である上、
装着後にも秀れた仕上がりを確保して、高い外的美観と
良好な触感を得ることができる、新規な構造のステアリ
ング用グリップ部材を実現化することに成功したもので
あり、以下では、図面に示すこの発明を代表する実施例
と共に、その構成を詳述することとする。
【0010】
【発明の構成】図面に示すこの発明を代表する実施例か
らも明確に理解されるように、この発明に包含されるス
テアリング用グリップ部材は、基本的に、ステアリング
ホイールの骨格芯金を収容可能な中空断面とされ、断面
でステアリングホイール全周の略30ないし40パーセ
ント前後の範囲に相当する裏側外周面部分が当該中空部
分に向けて窄まる略鳩尾状切り欠き断面とされ、残る断
面でステアリングホイール全周の略60ないし70パー
セント前後の範囲に相当する主要外周面部分、およびそ
れに連なる略鳩尾状切り欠き断面の一部が天然木突き板
または補強突き板を使った化粧仕上げ面とされた、ステ
アリングホイールの一部をなす円弧状グリップ本体と、
該円弧状グリップ本体の、少なくとも略鳩尾状切り欠き
断面部分全長を隠蔽可能とする断面を有し、上記円弧状
グリップ本体と略同様の化粧仕上げ面とするか、あるい
はその他適宜公知の化粧仕上げ面とした円弧状グリップ
補助体との組み合わせからなる構成を要旨としている。
【0011】また、上記のとおりの基本的な構成からな
るこの発明のステアリング用グリップ部材は、他の表現
によって示せば、ステアリングホイールの骨格芯金を収
容可能な中空断面となるようにして芯金嵌合用溝部を形
成すると共に、断面でステアリングホイール全周の略3
0ないし40パーセント前後の範囲に相当する裏側外周
面から、先の芯金嵌合用溝部に向けて窄まる断面略鳩尾
状切り欠きとなるようにした芯金装着用開口部を形成し
てステアリングホイールの一部をなす円弧状グリップ本
体とする一方、該円弧状グリップ本体の芯金装着用開口
部の、少なくとも断面略鳩尾状切り欠きによる両切り欠
き面に略当接状となる断面部分を含む断面を有し、当該
芯金装着用開口部全長を隠蔽可能とするようにして円弧
状グリップ補助体とした上、前記円弧状グリップ本体
は、その断面でステアリングホイール全周の略70ない
し60パーセント前後の範囲に相当する主要外周面部分
を一枚状の天然木突き板または補強突き板で被覆、接着
し、その各長手縁側を夫々芯金装着用開口部の断面略鳩
尾状切り欠きによる各切り欠き面上に折曲、接着すると
共に、少なくとも主要外周面上の天然木突き板または補
強突き板表面部分を適宜塗装仕上げを施した化粧仕上げ
済みのものにすると共に、円弧状グリップ補助体も、上
記円弧状グリップ本体と略同様の化粧仕上げ済みのもの
とするか、あるいはその他適宜公知の化粧仕上げ済みの
ものとしてなる構成を要旨とするステアリング用グリッ
プ部材ということもできる。
【0012】円弧状グリップ本体は、ステアリングホイ
ール握持部の一部を形成し、運転者が把持、回転操作す
るに都合の良い太さ断面および感触をステアリングホイ
ールの骨格芯金表面に実現すると共に、見た目の美しさ
を演出する機能を果たすものであって、ステアリングホ
イールの骨格芯金に装着したときに、運転席側から見た
裏側外周面部分で、ステアリングホイール断面形状にお
ける外周面の少なくとも50パーセント以下、好ましく
は、略30〜40パーセント前後の範囲に相当部分が、
骨格芯金の納まる中空部分に向けて窄まる略鳩尾状切り
欠き断面とし、それ以外の、少なくとも50パーセント
以上、好ましくは、略70〜60パーセント前後の範囲
の、運転席側から見て表側外周面部分が主要外周面部分
となるようにし、リング状等ステアリングホイール輪郭
の一部をなす円弧状のものであって、運転操作に好適な
断面直径、例えば、20ないし50mm前後、望ましく
は、30mm前後のものに設定するようにする。
【0013】なお、この円弧状グリップ本体は、比較的
入手し易いナラ材やヒバ材等いった天然木による削り出
しによるものから、それらの成形木材、あるいは適宜集
成木材等によるものとする外、合成樹脂成形材または合
成樹脂発泡成形材等の素材であって、廃車となった自動
車等のように、装着されたものに対するステアリングホ
イールとしての使命を全うした後には、再びリサイクル
できるものや廃棄処分の容易なものを選択するのが望ま
しい。また、円弧状グリップ本体の主要外周面部分、お
よびそれに連なる略鳩尾状切欠断面の一部には、塗装等
といった一切の表面処理を施さず、直接接着剤を塗布し
てしまうようにすることもできる外、接着剤の乗りをよ
くするための表面処理をしたり、目止め剤を予め塗布処
理する等、その後の表面被覆仕上げに都合の良い各種一
般的な前処理を施してなるものとすることも勿論可能で
ある。
【0014】そして、この円弧状グリップ本体の主要外
周面部分と、それに連なる略鳩尾状切欠断面の一部に
は、装飾性を高めると共に、運転操作に適する触感や摩
擦を有する天然木突き板そのもの、あるいはそれに補強
シート等で裏打ちした補強突き板が適宜接着剤によって
積層、一体化される。但し、必要があれば天然木突き板
や補強突き板に代え、合成樹脂成形シート、発泡成形さ
れた合成樹脂シート、天然皮革、合成皮革、合成繊維
布、天然繊維布等の外、同等の性能をもつ既存の、ある
いは今後開発される同様のシート素材等とすることも可
能ではあるが、最も高級感を醸し出すものであって、し
かも円形またはそれに近い断面形外周面に皺無く積層、
一体化し難い素材として、この発明では、天然木突き板
およびその補強突き板でそれらを代表させている。
【0015】天然木突き板または補強突き板が積層、一
体化された後、この円弧状グリップ本体は、ステアリン
グホイール骨格芯金に組み合わす前の段階において、円
弧状の一部品として化粧仕上げ工程に回され、表面に光
沢を与えたり、汗や汚れの浸透を防止したりするための
塗装被膜処理が、従前からの公知の手段で、あるいは特
別に用意した専用の手段等で実施され、その後も、ステ
アリングホイール骨格芯金に組み合わされるまでは、表
面化粧仕上げの施されている独立した一構成部材として
取り扱われることになる。
【0016】円弧状グリップ本体に形成する芯金嵌合用
溝部は、ステアリングホイールの骨格芯金を円弧状グリ
ップ本体の裏側外周面部分から装着可能とし、骨格芯金
への当該円弧状グリップ本体の装着、一体化を果たすと
共に、後述する円弧状グリップ補助体を嵌合させて骨格
芯金周りを覆い尽し、ステアリングホイールとしての所
定閉鎖断面形を実現する機能を果たすものであり、円弧
状グリップ本体の裏側外周面部分に形成された芯金装着
用開口部に連なるよう構成されると共に、車種やメーカ
ー毎に異なるステアリングホイールの骨格芯金断面に対
応した溝寸法、形状のものに設定され、密着嵌合するよ
うに形成する外、例えば、ステアリングホイールの骨格
芯金断面を収容する上でやや余裕を持たせた溝部断面寸
法のものとして形成し、実際に装着する骨格芯金断面に
応じ、スペーサーを介在したり、あるいは溝部の要所要
所に突起等を形成したものとし、それら突起等が実質的
に骨格芯金との一体化を果たすようにしたもの等とする
こともできる。
【0017】また、後述の円弧状グリップ補助体を嵌合
させるため、ステアリングホイール断面で、略鳩尾状切
り欠き断面となるようにすると共に、その両切り欠き面
が、同断面の接線に対して何れも略垂直状のものとなる
ように形成するのが望ましく、さらに、当該円弧状グリ
ップ補助体との嵌合、一体化上から、双方の対峙する部
分には、互いが噛合状あるいは摩擦当接状となるよう、
係合用凹部、係合用凸部、噛合用爪、爪受け部等からな
る抜け出し防止構造を組み込んでなるものとすれば極め
て好都合のものとすることができる。
【0018】円弧状グリップ本体の裏側外周面部に形成
した芯金装着用開口部は、ステアリングホイールの骨格
芯金を芯金嵌合用溝部へ挿入、嵌合させる機能を果たす
と共に、前記した天然木突き板や補強突き板を円弧状グ
リップ本体の主要外周面部分、およびそれに連なる略鳩
尾状切欠断面の一部に皺無く積層、一体化する上で許さ
れる最も小さい開口のもの、ステアリングホイール断面
外周では略50パーセント以下、最適には略30ないし
40パーセント程度の範囲に収まるようにして形成する
必要がある。
【0019】円弧状グリップ補助体は、前記した円弧状
グリップ本体の裏側外周面部に形成した芯金装着用開口
部を隠蔽する機能を果たすと共に、当該円弧状グリップ
本体と該円弧状グリップ補助体との双方、または何れか
一方に積層、一体化した天然突き板または補強突き板等
の貼り着け縁部を、円弧状グリップ本体の裏側外周面の
鳩尾状切り欠き断面部分と該円弧状グリップ補助体との
対峙壁面間に挟み込み、隠蔽する機能を果たすものであ
る外、ステアリングホイールの骨格芯金を円弧状グリッ
プ本体との間に封じ込め、略同心状に固定してしまう機
能を兼ね備えたものとすることもでき、前記円弧状グリ
ップ本体の芯金装着用開口部に対応して、ステアリング
ホイール断面全外周の略50パーセント以下、好ましく
は略30ないし40パーセント前後の範囲に相当する外
周面となるようにしたものに形成されていなければなら
ず、その外周面は、前記円弧状グリップ本体と同様の天
然木突き板あるいはその補強突き板(これらには、円弧
状グリップ本体の場合と同様に合成樹脂成形シート、発
泡成形された合成樹脂シート、天然皮革、合成皮革、合
成繊維布、天然繊維布等の外、同等の性能をもつ既存
の、あるいは今後開発される同様のシート素材等を包含
している。)を積層、一体化した化粧仕上げによるもの
とする外、合成樹脂成形材または合成樹脂発泡成形材等
の素材から構成することができ、外周面部分、およびそ
れに連なる略鳩尾状断面部分の側壁面の一部を除く表面
には、何等表面処理を施さず、地肌を露出したままとす
ることもでき、必要に応じて円弧状全長に渡り、あるい
は握持頻度の高い必要箇所にだけ、指受け凹部を形成し
たものとすることもできる。
【0020】円弧状グリップ本体の芯金装着用開口部
と、円弧状グリップ補助体との間の、互いの対峙状とな
る適所に設けられた抜け出し防止は、相互位置を固定的
に規制する機能を果たすものであり、ズレ動きや脱落を
阻止するものとして構成されるものであって、記述のと
おり、何れか一方に段差状の凹部を設け、他方の対峙す
る部分に凹部に嵌合する凸部を形成したものとしたり、
何れか一方に爪受け部を形成し、他方に爪受け部に係合
する弾性変形可能な噛合用爪を設けることもできる外、
何れか一方に嵌着孔を複数穿孔し、他方に夫々の嵌着孔
に嵌着可能な複数のクリップ部を設け、これらクリップ
部を夫々嵌着孔に圧入して嵌合、装着するよう構成する
ことも可能である。
【0021】なお、円弧状グリップ補助体の指受け凹部
は、運転操作の際の滑べり止め機能を果たすものであっ
て、運転操作を妨げない程度の深さ、および形状に設定
すべきであり、円弧状グリップ補助体の全長に渡る外側
周面に形成しても良い外、握持頻度の高い範囲にだけ形
成することもでき、それらは、円弧状グリップ補助体の
外周壁面を掘り込むことによって凹形状としたり、手指
で把持するに適する間隔を隔てて複数の突起を配置し、
相対的に複数の凹部を形成することも可能である外、表
面に複数の凹部を成形した合成樹脂や、天然ゴム製の帯
状体、もしくは表面に一個の凹部もしくは凸部を形成し
た複数のシート状駒体を適宜間隔を隔てて、あるいは間
隔を隔てずに隣接状の配置となるよう、円弧状グリップ
補助体の外周壁面に被覆、接着することによって形成し
たものとすることもできる。以下では、この発明が包含
する技術的思想がより明確化するよう、図面に示すこの
発明を代表する幾つかの実施例と共に、その構造につい
て詳述していくこととする。
【0022】
【実施例1】図1のステアリングホイール要部の断面
図、図2の分解したステアリング用グリップ部材の斜視
図、図3の天然木突き板を貼り着けられる円弧状グリッ
プ本体の斜視図、図4の本革シートを貼り着けられる円
弧状グリップ補助体の斜視図、図5の円弧状グリップ補
助体の裏側外周壁面形状を示す斜視図、図6のステアリ
ング用グリップ部材を組み込まれるステアリングホイー
ルの斜視図、および図7の要部を断面化したステアリン
グホイールの斜視図に示される事例は、ステアリングホ
イールの骨格芯金を収容可能とする中空断面を有し、ス
テアリングホイール全周の略70パーセントに相当する
主要外周面部分を形成する円弧状グリップ本体2の裏側
外周面部分を、断面鳩尾状となるように切り欠くことに
より、芯金装着用開口部21を形成し、該芯金装着用開
口部21にステアリングホイール全周の略30パーセン
トに相当する円弧状グリップ補助体3を嵌合、装着した
基本的構成からなる、この発明が包含するステアリング
用グリップ部材1における代表的な一実施例を示すもの
である。
【0023】当該ステアリング用グリップ部材1の主要
外周面部分を形成する円弧状グリップ本体2は、天然木
を棒状に削り出し、湾曲状に成形することによってステ
アリングホイール輪形状の一部を形成するものとし、更
に、該ステアリングホイールの握り部分周り全周の略3
0パーセントの範囲Aに相当する裏側外周面部を、その
全長に渡って断面鳩尾状に切り欠き、ステアリングホイ
ールを車両に装着した場合に、運転姿勢のドライバーか
らは見えない配置となるよう芯金装着用開口部21を形
成し、該芯金装着用開口部21の鳩尾状に対峙する両切
り欠き面の夫々を、ステアリング用グリップ部材1外周
の接線Bに直交状に形成した上、該芯金装着用開口部2
1の断面中央には、ステアリングホイールの軸芯に略対
応するように配置する、断面U字状の芯金嵌合用溝部2
2を幅寸法Cに形成している。また、円弧状グリップ本
体2の主要外周面部分、およびそれに連なる略鳩尾状切
り欠き断面の一部には、図3中に示すように0.3ない
し0.5mm前後の厚さに形成した天然木突き板23を
被覆、接着し、芯金装着用開口部21内に位置する天然
木突き板23の縁部を外側に露出しないよう折り込み状
に始末して一体化した後、一部品として透明塗装による
保護膜仕上げが施されている。
【0024】また、ステアリンググリップ部材1の裏側
外周面部を形成する円弧状グリップ補助体3は、上記円
弧状グリップ本体2と同様の天然木を細長い板状に削り
出して湾曲状に成形し、該円弧状グリップ本体2の裏側
外周面部に形成された芯金装着用開口部21に嵌合状に
装着され、ステアリングホイールの握り部分周り全周の
略30パーセントに相当する裏側外周面部を形成するも
のであり、芯金装着用開口部21に装着される鳩尾状部
分壁面の夫々は、ステアリング用グリップ部材1外周の
接線Bに直交状となるよう形成し、さらに、円弧状グリ
ップ本体2の芯金嵌合用溝部22に対応する隠蔽側中央
部分には、該芯金嵌合用溝部22に嵌合状に組み合せ可
能な係合用凸部31を形成する一方、円弧状グリップ補
助体3の外周面の全長に渡る部分には、ステアリング握
持の際に指を係合する複数の指受け凹部32,32,…
…を形成し、更に同円弧状グリップ補助体3の外周面部
分、およびこれに連続する鳩尾状壁面部の一部には、図
4および図5中に示すように本革製シート33を被覆、
接着したものとなっている。
【0025】以上のように構成した円弧状グリップ本体
2および円弧状グリップ補助体3からなるステアリング
用グリップ部材1は、適宜長さの円弧状に製造すること
により、図2および図6に示されるように、予め途中ま
で組み立てられたステアリングホイール骨格部4の骨格
芯金41に対して装着、一体化が可能であり、それら円
弧状グリップ本体2および円弧状グリップ補助体3と
も、ステアリングホイール骨格部4に組み合わされるま
で、夫々個別の独立した部材として製造、取り扱われる
ことになる。
【0026】ステアリングホイール骨格部4は、握持頻
度の高い左右斜め下側部分を主とする主要グリップ部分
43が形成されていると共に、中心部にステアリングシ
ャフトへの連結部42を設けた上、外周側に無端輪状の
骨格芯金41を結合したものとなっており、上下に露出
状に残された骨格芯金41部分の夫々には、同骨格芯金
41の露出部分に一致する円弧長に製造された、前記ス
テアリング用グリップ部材1を装着するよう構成してお
り、円弧状グリップ本体2の芯金嵌合用溝部22に骨格
芯金41を嵌合すると共に、接着材を使用して固着さ
せ、さらに、開口している芯金装着用開口部21に鳩尾
状断面に形成した円弧状グリップ補助体3を嵌合状に装
着、接着剤によって一体化するよう固着し、図7に示さ
れるようなステアリングホイールを構成している。
【0027】
【実施例2】図8のステアリングホイール握持部の断面
図に示される事例は、この発明のステアリング用グリッ
プ部材1を組み込んでなるステアリングホイールの他の
実施例を示すものであり、芯金装着用溝部22をU字状
断面形に形成した円弧状グリップ本体2に、同U字状断
面形よりも小さな矩形状断面に形成されたステアリング
ホイールの骨格芯金41を装着可能に構成したものであ
る。
【0028】円弧状グリップ本体2の芯金嵌合用溝部2
2の内側には、骨格芯金41の対峙する3つの壁面の夫
々を当接して受け止める複数の硬質合成樹脂製のグリッ
プ本体側スペーサー24,24,……が、円弧長方向に
沿って点在状に接着、固定され、骨格芯金41を、これ
らグリップ本体側スペーサー24,24,……間に嵌合
するよう装着する一方、円弧状グリップ補助体3の隠蔽
側中央に形成された係合用凸部31には、該骨格芯金4
1の上記3つの壁面以外の一側壁面に当接するグリップ
補助体側スペーサー34,34,……を円弧長方向に沿
って点在状に接着、突設状に一体化し、円弧状グリップ
本体2の芯金装着用開口部21に、該円弧状グリップ補
助体3を装着することにより、グリップ本体側スペーサ
ー24,24,……およびグリップ補助体側スペーサー
34,34,……の間に骨格芯金41を挟み込むよう構
成したものとなっている。
【0029】
【実施例3】図9のステアリングホイール握持部の断面
図に示される事例は、この発明のステアリング用グリッ
プ部材1を組み込んでなるステアリングホイールの更に
他の実施例を示すものであって、円弧状グリップ本体2
の鳩尾状断面に形成された芯金装着用開口部21の対峙
する壁面、および、該芯金装着用開口部21に嵌合状に
装着される円弧状グリップ補助体3の芯金装着用開口部
21に対峙する壁面の夫々に抜け出し防止構造を設けた
ものである。
【0030】ステアリング用グリップ部材1の主要外周
面部分を形成する円弧状グリップ本体2は、天然木材か
ら削り出され、その主要外周表面および芯金装着用開口
部21の一部に至る外周面に突き板を積層、接着した
上、光沢を与える塗装仕上げを施したものであり、中央
部には、円柱状断面に形成された円弧棒状の骨格芯金4
1を嵌合状に装着する芯金嵌合用溝部22を形成し、ま
た、芯金装着用開口部21の鳩尾状に対峙する壁面と、
芯金嵌合用溝部22との間には、円弧状グリップ補助体
3に後述するように形成される噛合用爪35,35が嵌
合する凹形状の爪受け部25,25が、夫々の開口部を
芯金装着用開口部21壁面と同様に、互いに対峙するよ
う配置、形成されている。
【0031】さらに、ステアリング用グリップ部材1の
裏側外周面部分を形成する円弧状グリップ補助体3は、
弾性を有する合成樹脂素材から成形され、裏側外周面部
分に、ドライバーが握持する際に適度の摩擦を得ること
のできるシボ加工を施してなるものとする一方、組み合
わせの際に円弧状グリップ本体2の芯金嵌合用溝部22
に対峙する隠蔽側中央部分に、骨格芯金41の表面に当
接する当接支持用突起部36を設けると共に、円弧状グ
リップ本体2の爪受け部25,25夫々に対峙する位置
に、噛合用爪35,35が、該当接支持用突起部36と
の間に僅かな隙間をもって弾性変形可能に立設されてお
り、該円弧状グリップ補助体3を、円弧状グリップ本体
2の芯金装着用開口部21に向けて押圧、挿入すること
により、これら噛合用爪35,35を強制的に変形さ
せ、爪受け部25,25の夫々に噛合、固着するよう構
成してある。
【0032】
【作用】以上のとおりの構成からなるこの発明のステア
リング用グリップ部材は、ステアリング握持部全周の略
30パーセントに相当する裏側外周面部分を円弧状グリ
ップ補助体3として形成し、表側の主要外周面部分を形
成する円弧状グリップ本体2から分割した部品構成と
し、それらは、最終表面仕上げされた一構成部材として
製造、取り扱われ、該円弧状グリップ本体2の裏側外周
面部分に形成された芯金装着用開口部21を通じて、略
中心に位置する芯金嵌合用溝部22にステアリングホイ
ール骨格部4の骨格芯金41が、図2および図6に示さ
れるように装着される。
【0033】円弧状グリップ本体2は、図3に示すよう
に、主要外周面部分に天然木突き板23を被覆、接着す
る際、ステアリング把持部全周の略70パーセントに相
当する外周面部分に制限して被覆するようにし、芯金装
着用開口部21付近であっても天然木突き板23の重な
りや皺が発生しないようにしてあり、さらに、芯金装着
用開口部21付近に位置する天然木突き板23の縁部分
を、図1中に示すよう、芯金装着用開口部21壁面部に
沿って折り込み、貼り着けし、円弧状グリップ補助体3
を円弧状グリップ本体2に嵌合、装着した際に、該天然
木突き板23の縁部が、外部に露出されずに隠蔽状とな
るようにしてある。
【0034】また、円弧状グリップ補助体3は、ステア
リングホイール握持部全周の略30パーセントに相当す
る裏側外周面部分を形成し、円弧状グリップ本体2の芯
金装着用開口部21を隠蔽するように装着し、ステアリ
ングホイール握持部分の全周を完成し、円弧状グリップ
本体2の芯金嵌合用溝部22に対応する隠蔽側部分に突
設された係合用凸部31が、該芯金嵌合用溝部22に嵌
合状に組み合わせられ、ステアリングホイール握持部分
の周方向へのズレ動きを阻止する。さらに、裏側外周面
部分に指受け凹部32,32,……を形成した上、本革
製シート33を貼り着けてハンドル操作に好適な摩擦を
確保するものとし、該本革製シート33の縁部を断面鳩
尾状側壁面に折り込み接着して、円弧状グリップ本体2
に装着した際、同本革製シート33の縁部が、芯金装着
用開口部21に隠蔽状に挟み込まれるものとしている。
【0035】更に、円弧状グリップ本体2の芯金装着用
開口部21を、鳩尾状断面形に形成すると共に、円弧状
グリップ補助体3の裏側外周壁面も、これに対応する鳩
尾状断面形とした上、双方の鳩尾状の接合面を、ステア
リングホイール把持部分円形断面の接線に略直交状配置
とすれば、位置決めが確実となり、互いの接合角部分に
不要な段差や、ズレが生じない状態に嵌合される。
【0036】また、円弧状グリップ本体2の芯金嵌合用
溝部22を、各自動車メーカーにおける全車種のステア
リングホイール骨格部4の中、断面形状が、最大寸法の
骨格芯金41に対応するよう形成し、それよりも小さな
骨格芯金41を装着する場合には、図8に示すように円
弧状グリップ本体2の芯金嵌合用溝部22内に、グリッ
プ本体側スペーサー24,24,……を設けると共に、
円弧状グリップ補助体3の芯金嵌合用溝部22に対峙す
る隠蔽側中央部分に、グリップ補助体側スペーサー3
4,34,……を突設し、各スペーサー24,24,…
…,34,34,……の形状や寸法を適宜変更すること
により、複数種類の車種に対応することができるものと
なる。
【0037】図9に示されるように、円柱状に形成され
た骨格芯金41を円弧状グリップ本体2の芯金嵌合用溝
部22に嵌合状に装着した上、芯金装着用開口部21に
円弧状グリップ補助体3を装着するよう圧入すると、噛
合用爪35,35が弾性変形され、円弧状グリップ本体
2の爪受け部25,25まで達して噛合状態となると共
に、当接支持用突起部36の先端部が、骨格芯金41に
当接して円弧状グリップ本体2および骨格芯金41に一
体的に結合する状態となる。
【0038】
【効果】以上のとおり、この発明のステアリング用グリ
ップ部材によれば、複雑な製造工程を経て製造されるグ
リップ部材を、ステアリングホイール骨格部とは全く独
立して製造、取り扱うことができるように構成したの
で、ステアリングホイール骨格部への組み込み直前ま
で、製造途中のグリップ部材を、単品部品として工場間
輸送することを可能とし、輸送コストを大幅に削減する
ことができると共に、グリップ部材の単品化と小型化と
を実現したことにより、塗装工程におけるマスキング
や、大掛かりな治工具等も不要となる上、円弧状グリッ
プ本体のステアリングホイール全周の略30ないし40
パーセント前後の範囲に相当する裏側外周面部分に、円
弧状グリップ補助体を装着するよう構成したことによ
り、車両装着時には、運転姿勢にあるドライバーからは
視認できない範囲に接合部分が配置され、外的美観を良
好に確保することができると共に、円弧状グリップ本体
と円弧状グリップ補助体との接合部間に、天然木突き板
または補強突き板の縁部を挟み込み状として隠蔽するの
で、触感を悪化させてしまうことを防止して高品質を確
保できるという極めて秀れた特徴が得られるものであ
る。
【0039】また、円弧状グリップ本体にステアリング
ホイールの骨格芯金を収容可能な芯金嵌合用溝部を形成
すると共に、ステアリングホイール断面全周の略30な
いし40パーセント前後に相当する範囲に規制した裏側
外周面から、先の芯金嵌合用溝部に向けて窄まる断面略
鳩尾状切り欠きとなる芯金装着用開口部を形成するよう
にしたことから、円形断面に皺無く積層、一体化し難い
天然木突き板を最大限の範囲で綺麗に貼り上げることを
可能にするという大きな効果が得られる上、円弧状グリ
ップ本体と円弧状グリップ補助体との嵌合、一体化もよ
り確実となり、さらに、断面鳩尾状切り欠き面をステア
リングホイール円形断面の接線に略垂直状に形成したも
のとすれば、外周側接合縁部に段差やズレが発生するこ
とを防止し、互いの円弧形状の角部を略同一円周上で正
確に一致させることができるものとなって、美観上に加
え、触感の点においても秀れたグリップ部材が実現され
ることになるという効果を奏するものとすることができ
る。
【0040】さらに、円弧状グリップ本体の芯金装着用
開口部と、円弧状グリップ補助体との間に、係合用凹、
凸部や噛合用爪、爪受け部等の抜け出し防止構造を設け
たものとすれば、結合のために必要な接着剤や両面粘着
テープ等を省略したり、最小限のものに止めることも可
能になり、それだけ製造コストを低減できると共に、製
造工数も大幅に削減することができる上、ムラなく確実
に結合できるものとすることが可能になる外、円弧状グ
リップ補助体の外周面全長あるいは必要箇所に、指受け
凹部を形成したものとすれば、運転操作の際に手指が確
実にステアリングホイールを捕らえ、より安全なドライ
ビングが保証されるものになるという利点が得られるこ
とになる。
【0041】特に、実施例に説明したこの発明を代表す
る構成からなるステアリング用グリップ部材1は、略U
字状に形成された芯金嵌合用溝部22に対して、隙間な
く一致する断面のステアリングホイール骨格部4の骨格
芯金41を嵌合状に装着することにより、不要なガタツ
キを防止することができ、また、鳩尾状に形成された円
弧状グリップ補助体3の隠蔽側中央に、該芯金嵌合用溝
部22の縁部に嵌合状となる係合用凸部31を設けたこ
とにより、円弧状グリップ補助体3の装着時の位置決め
を容易にすると共に、周方向へのズレ動きを防止するこ
とができるものとなる。また、左右の主要グリップ部分
43,43を除く上下部分を、ステアリング用グリップ
部材1,1で構成することにより、円弧状グリップ本体
2,2および円弧状グリップ補助体3,3夫々の部品寸
法を、ステアリングホイールの半分以下に抑えることが
可能となり、製造中の輸送コストを大幅に削減すること
ができるという実用的な効果も発揮されることになる。
【0042】さらに、断面が略U字状に形成された芯金
嵌合用溝部22内にスペーサー24,24,……を設
け、形状および寸法の異なる骨格芯金41を挿入可能と
するよう構成すれば、同一部品で複数車種に対応可能と
なり、製造コストの削減と、在庫管理の工数を削減する
ことができ、また、円弧状グリップ本体2の芯金嵌合用
溝部22と芯金装着用開口部21との間に爪受け部2
5,25を形成し、円弧状グリップ補助体3の対応する
箇所に弾性変形可能な噛合用爪35、35を設けたこと
により、円弧状グリップ本体2に対する円弧状グリップ
補助体3の装着作業を簡素化することができ、製造工数
を大幅に削減できるという効果が得られ、さらに、円弧
状グリップ補助体3の噛合用爪35,35間に、骨格芯
金41に当接する当接支持用突起部36を設けたことに
よって装着の際の不要な沈み込みを阻止し、変形による
不良の発生を防止し、歩留まりを向上させることができ
るという利点が得られるものとなる。
【0043】叙述の如く、この発明のステアリング用グ
リップ部材は、その新規な構成によって所期の目的を遍
く達成可能とするものであり、しかもステアリングホイ
ールの製造も容易となり、同等の品質を有する従前まで
のステアリングホイールに比較して遥かに経済的なもの
とすることができる上、ステアリングホイール骨格部に
対して独立した部品として製造、取り扱いが可能となる
ようにし、作業効率自体も大幅に高めることができるこ
とから、輸送コストの削減と工数の短縮とを確実に達成
可能にするものであり、海外から輸入される低廉なステ
アリングホイールに対抗するため、デザインに秀れ、高
品質で低価格なステアリングホイールの提供を要求され
てきた製造業者や自動車メーカー、およびパーツ販売業
界から高く評価される共に、一般ユーザーからも高級感
に満ちた秀れたステアリングホイールとして受け入れら
れることとなって、広範に渡って利用、普及していくも
のと予想される。
【図面の簡単な説明】
図面は、この発明のステアリング用グリップ部材の技術
的思想を具現化した代表的な幾つかの実施例、および比
較のための従来技術の具体例を示すものである。
【図1】ステアリング用グリップ部材の構成を示す断面
図である。
【図2】分解されたステアリング用グリップ部材を示す
斜視図である。
【図3】円弧状グリップ本体に天然木突き板を被覆する
状態を示す斜視図である。
【図4】円弧状グリップ補助体に皮革シートを被覆する
状態を示す斜視図である。
【図5】円弧状グリップ補助体の裏側外周面形状を示す
斜視図である。
【図6】骨格芯金にグリップ部材を装着する状態を示す
斜視図である。
【図7】ステアリングホイールの要部を断面化して示す
斜視図である。
【図8】他のステアリング用グリップ部材の構成を示す
断面図である。
【図9】さらに他のステアリング用グリップ部材の構成
を示す断面図である。
【図10】従前のステアリングホイールを示す斜視図で
ある。
【図11】従来のグリップ部材を分解して示す斜視図で
ある。
【図12】従来のグリップ部材の断面構造を示す斜視図
である。
【図13】他の従来のグリップ部材を一部分解して示す
斜視図である。
【図14】他の従来のグリップ部材の断面構造を示す斜
視図である。
【符号の説明】
1 ステアリング用グリップ部材 2 円弧状グリップ本体 21 同 芯金装着用開口部 22 同 芯金嵌合用溝部 23 同 天然木突き板 24 同 グリップ本体側スペーサー 25 同 爪受け部 B 同 接線(ステアリング用グリップ部外周円) C 同 幅寸法(芯金嵌合用溝部) 3 円弧状グリップ補助体 31 同 係合用凸部 32 同 指受け凹部 33 同 本革製シート 34 同 グリップ補助体側スペーサー 35 同 噛合用爪 36 同 当接支持用突起部 A 同 角度(鳩尾状断面角度) 4 ステアリングホイール骨格部 41 同 骨格芯金 42 同 連結部 43 同 主要グリップ部分 5 グリップ材部(従来例)

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ステアリングホイールの骨格芯金を収容
    可能な中空断面とされ、断面でステアリングホイール全
    周の略30ないし40パーセント前後の範囲に相当する
    裏側外周面部分が当該中空部分に向けて窄まる略鳩尾状
    切り欠き断面とされ、残る断面でステアリングホイール
    全周の略70ないし60パーセント前後の範囲に相当す
    る主要外周面部分、およびそれに連なる略鳩尾状切り欠
    き断面の一部が天然木突き板または補強突き板を使った
    化粧仕上げ面とされた、ステアリングホイールの一部を
    なす円弧状グリップ本体と、該円弧状グリップ本体の、
    少なくとも略鳩尾状切り欠き断面部分全長を隠蔽可能と
    する断面を有し、上記円弧状グリップ本体と略同様の化
    粧仕上げ面とするか、あるいはその他適宜公知の化粧仕
    上げ面とした円弧状グリップ補助体との組み合わせから
    なるものとしたことを特徴とするステアリング用グリッ
    プ部材。
  2. 【請求項2】 ステアリングホイールの骨格芯金を収容
    可能な中空断面となるようにして芯金嵌合用溝部を形成
    すると共に、断面でステアリングホイール全周の略30
    ないし40パーセント前後の範囲に相当する裏側外周面
    から、先の芯金嵌合用溝部に向けて窄まる断面略鳩尾状
    切り欠きとなるようにした芯金装着用開口部を形成して
    ステアリングホイールの一部をなす円弧状グリップ本体
    とする一方、該円弧状グリップ本体の芯金装着用開口部
    の、少なくとも断面略鳩尾状切り欠きによる両切り欠き
    面に略当接状となる断面部分を含む断面を有し、当該芯
    金装着用開口部全長を隠蔽可能とするようにして円弧状
    グリップ補助体とした上、前記円弧状グリップ本体は、
    その断面でステアリングホイール全周の略70ないし6
    0パーセント前後の範囲に相当する主要外周面部分を一
    枚状の天然木突き板または補強突き板で被覆、接着し、
    その各長手縁側を夫々芯金装着用開口部の断面略鳩尾状
    切り欠きによる各切り欠き面上に折曲、接着すると共
    に、少なくとも主要外周面上の天然木突き板または補強
    突き板表面部分を適宜塗装仕上げを施した化粧仕上げ済
    みのものにすると共に、円弧状グリップ補助体も、上記
    円弧状グリップ本体と略同様の化粧仕上げ済みのものと
    するか、あるいはその他適宜公知の化粧仕上げ済みのも
    のとしてなることを特徴とするステアリング用グリップ
    部材。
  3. 【請求項3】 円弧状グリップ本体の芯金装着用開口部
    が、その断面略鳩尾状切り欠きによる両切り欠き面と
    も、形成すべきステアリングホイール断面で、略鳩尾状
    切り欠きをする箇所における接線に略垂直状のものとな
    るよう形成してなる、請求項1ないし2何れか記載のス
    テアリング用グリップ部材。
  4. 【請求項4】 円弧状グリップ本体の芯金装着用開口部
    と、それを隠蔽する断面の円弧状グリップ補助体とに
    は、互いの対峙状となる適所に係合用凹、凸部や噛合用
    爪、爪受け部等からなる適宜抜け出し防止構造が組み込
    まれてなるものとした、請求項1ないし3何れか記載の
    ステアリング用グリップ部材。
  5. 【請求項5】 円弧状グリップ補助体が、円弧状グリッ
    プ本体の芯金装着用開口部への嵌合側ではない外周面全
    長あるいは必要個所に、指受け凹部を形成してなるもの
    とした、請求項1ないし4何れか記載のステアリング用
    グリップ部材。
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