JP2000053000A - 皮革を被覆したステアリングホイール及びシフトノブ - Google Patents

皮革を被覆したステアリングホイール及びシフトノブ

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JP2000053000A
JP2000053000A JP10221176A JP22117698A JP2000053000A JP 2000053000 A JP2000053000 A JP 2000053000A JP 10221176 A JP10221176 A JP 10221176A JP 22117698 A JP22117698 A JP 22117698A JP 2000053000 A JP2000053000 A JP 2000053000A
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groove
shift knob
steering wheel
ring
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Katsuto Kaiya
勝人 海谷
Takashi Arima
隆 有馬
Seiichi Kobayashi
聖一 小林
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Midori Anzen Co Ltd
Original Assignee
Midori Anzen Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】ボディ割れが無く、経年変化による皮革の接着
面に於ける開口がほとんど起こらずに、手触り感に優
れ、意匠性の高いステアリングホイール又はシフトノブ
を低コストで提供する。 【解決手段】リング部ボディ又はシフトノブボディに設
けられた幅広の溝に、リング又はシフトノブの被覆用皮
革の端面同士が溝底部で相対して配置され、該溝部に皮
革端面が接着され、更に、入り子のが配置、貼り付けら
れたことを特徴とする、皮革を被覆したステアリングホ
イール又はシフトノブである。入り子は、皮革でも良い
し、樹脂、木材や金属等の棒状物体、該棒状物体に皮革
を被覆したもの等を使用することができる。皮革と入り
子上の皮革とがそれぞれの色又はそれぞれの表面状態を
異なったものにすることにより製品の意匠性を高めるこ
とができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、天然皮革や人工皮
革を被覆したステアリングホイール又はシフトノブに関
するものである。
【0002】
【従来の技術】特に、高級車に於いて、皮革を被覆した
ステアリングホイール、シフトノブが好んで使用されて
いる。これは、ステアリングホイールやシフトノブを皮
革で被覆することにより、高級感が出るからである。ス
テアリングホイール、シフトノブへの皮革の被覆は、従
来、手縫い方式で行われてきた。手縫い方式は、裁断し
た皮革をステアリングホイールやシフトノブ等の被被覆
体に巻き付けた後、人手により皮革端部同士を突き合わ
せて縫い合わせるものであった。しかしながら、この手
縫い作業は作業工数が非常に多く、また、手間がかかる
ため生産量が限られ、従って、皮革で被覆したステアリ
ングホイールやシフトノブは高価なものとなっていた。
【0003】その上、手縫い方式に於いては、皮革の端
部同士を縫い合わせる必要からリング部皮革とスポーク
部皮革を一体にして皮革を裁断していた。このため、皮
革裁断の際の歩留まりが極めて悪いものとなっていた。
そして、皮革裁断時の歩留まりを良くすることを優先し
てスポーク部の形状が決められていた。従って、特に、
スポークやシフトノブデザインの自由度が小さく、例え
ば、スポークやシフトノブの形状を握りやすい形状に設
計することすら制約されるといった状況にあった。
【0004】これらの問題、特に、作業工数を低減する
ため、近時、接着方式が提案されている。接着方式は作
業工数の低減が可能で、コスト低下を図るため広く採用
されるようになってきている。しかし、接着方式に於い
て、皮革が経年変化や環境変化を受けて、皮革が収縮し
剥がれ現象が生じるという問題が指摘されている。
【0005】即ち、接着した皮革の端面部分で、皮革が
収縮し皮革接着部分が開口し、この開口部分が次第に大
きくなっていくと同時に皮革の剥がれが生じるという現
象である。この剥がれ現象は、直射日光の影響、環境温
湿度の変化を受けて起こる。一般的な突き合わせ接着方
式では、直射日光の熱と紫外線による皮革の劣化、収縮
(ズレ応力が発生)又は硬化などが発生し、接着剤層が
徐々に露出してしまい、更に接着剤層の劣化が進むなど
して剥がれが発生しやすい傾向にある。更に、劣化した
接着層に紫外線が当たり、皮革を被覆しているステアリ
ングホイールのボディ部も劣化が起こることがある。ま
た、運転時、接着層の開口部に手が引っかかり自動車運
転の安全性にも影響を与える可能性がある。
【0006】この問題に対処するため、実開平7−42
736号に於いて、ステアリングホイールのボディ部に
凹部を設け、この凹部に皮革の端縁部を挿入しする技術
が提案されている。凹部、即ち、溝の深さは皮革厚さの
1〜5倍、好ましくは3〜5倍であるが、これに対応し
てボディ部(ポリウレタンが多い)の厚みも薄くなって
いる。従って、ボディ部の断面2次モーメントが減少
し、溝底部でボディ部の樹脂が割れるという問題が発生
しやすい。その上、例えば運転時ステアリングホイール
に捻り力がかかり、ボディ部の樹脂割れを促進すること
がある。また、実開平7−42736号に於いて、ステ
アリングホイール周方向に亘って凹部を設け皮革の端縁
部を挿入した場合、皮革被覆後の皮革同士の合わせ部が
蛇行するという問題があり、商品価値が低くなり実用上
の障害となっている。更に、接着部の開口に作用する力
が、樹脂割れにも影響し樹脂割れを促す。
【0007】皮革の端面を溝に挿入する場合、皮革同士
の接着面に作用する力は剥離力である。皮革は剥離に対
して弱く、皮革同士の接着で最も剥がれやすいものとな
っている。従って、開口は溝の底が露出するまでは至ら
ないものの、皮革同士の接着面での剥がれが起こりやす
く、商品価値を低下させている。また、溝の幅は、皮革
厚さの2倍程度であるため、皮革端面の挿入作業がやり
にくいといった問題も指摘されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
問題を解消した接着方式により皮革を被覆したステアリ
ングホイール及びシフトノブを提供しようとするもので
ある。即ち、皮革裁断時の歩留まりを向上し、作業工数
を減らしコスト低減を可能とし、経年変化によるボディ
部の樹脂割れを低減し、被覆皮革の開口を防止し、同じ
く被覆皮革の剥がれが小さく、使用、即ち、自動車の運
転に際して手の引っかかりが無くスムーズに操作が可能
で、運転時の手触り感覚に優れ、しかも、ステアリング
ホイール又はシフトノブ形状の自由なデザインを可能に
し商品価値を高める、皮革被覆ステアリングホイール及
びシフトノブを提供しようとするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、ステ
アリングホイールのリング部ボディ又はシフトノブボデ
ィに設けられた幅広の溝に、クランク状にステアリング
ホイール又はシフトノブの被覆用皮革の端面同士が溝底
部で相対して配置され、該溝部に皮革端面が接着された
ことを特徴とする、皮革を被覆したステアリングホイー
ル又はシフトノブである。
【0010】請求項2の発明は、ステアリングホイール
のリング部ボディ又はシフトノブボディに設けられた幅
広の溝に、クランク状にステアリングホイール又はシフ
トノブの被覆用皮革の端面同士が溝底部で相対して配
置、接着され、かつ、該溝に配置された皮革上に更に入
り子の皮革が配置、貼り付けられたことを特徴とする、
皮革を被覆したステアリングホイール又はシフトノブで
ある。
【0011】請求項3の発明は、ステアリングホイール
のリング部ボディ又はシフトノブボディに設けられた幅
広の溝に、ステアリングホイール又はシフトノブの被覆
用皮革の端面が配置、接着され、かつ、該溝に更に樹
脂、木材、金属等からなる棒状物体に皮革を被覆した入
り子が配置、貼り付けられたことを特徴とする、皮革を
被覆したステアリングホイール又はシフトノブである。
【0012】請求項4の発明は、ステアリングホイール
のリング部ボディ又はシフトノブボディに設けられた幅
広の溝に、ステアリングホイール又はシフトノブの被覆
用皮革の端面が配置、接着され、かつ、該溝に更に樹
脂、木材、金属等からなる入り子が配置、貼り付けられ
たことを特徴とする、皮革を被覆したステアリングホイ
ール又はシフトノブである。
【0013】請求項5の発明は、ステアリングホイール
のリング部ボディ又はシフトノブボディに設けられた幅
広の溝に、ステアリングホイール又はシフトノブの被覆
用の一の皮革の端面が配置、接着され、該溝に更に皮革
の入り子又は樹脂、木材、金属等からなる棒状物体に皮
革を被覆した入り子が配置、貼り付けられ、かつ、一の
皮革と入り子上の皮革とがそれぞれの色又はそれぞれの
表面状態が異なっていることを特徴とする、皮革を被覆
したステアリングホイール又はシフトノブである。
【0014】請求項6の発明は、溝の寸法関係が、リン
グ又はシフトノブを被覆する皮革の厚みをt、溝底部に
於ける皮革端面間距離をs、溝底部に配置する皮革端面
の長さをd1、d2とするとき、以下の関係にあること
を特徴とする、皮革を被覆したステアリングホイール又
はシフトノブ。 2t≦d1≦5t 2t≦d2≦5t 0<s≦5t
【0015】請求項7の発明は、ステアリングホイール
のリング部ボディと皮革との間又はシフトノブボディ部
と皮革との間に、スポンジ、クロロプレン、ゴム等の柔
軟性シートを配したことを特徴とする、皮革を被覆した
ステアリングホイール又はシフトノブである。
【0016】
【発明の実施の形態】ステアリングホイールの構造の概
要を、図1に示した。図1(a)は、ステアリングホイ
ールの外観を示している。ステアリングホイールは基本
的には、リング1、スポーク2(ここでは3本スポーク
の例を示したが、スポーク4本の場合もある)及びボス
7から構成されている。図1(b)は、リングの構成を
示したものである。芯金8の周囲にボディ部9があり、
ボディ部9の外側に皮革10が配置されている。ボディ
部9は、軟質ポリウレタンなどの軟質の樹脂が使用され
る。ステアリングホイールは、芯金に樹脂を射出成形す
るなどして成形するのが一般的である。芯金8は、図に
示したようにパイプ状になっている場合もあれば、棒状
になっている場合も有れば、U字状になっている場合も
ある。
【0017】本発明は、リングの周方向に幅広の溝が設
けられ、リングを被覆する皮革の端面が該溝に配置さ
れ、接着される。皮革の端面は、溝の縦部のみに配置、
接着してもよいが、溝の縦部と底部に配置、接着しても
よい。特に、溝の深さが浅い場合には、溝の縦部と底部
に、皮革の端面を配置、接着するのがよい。溝に配置す
る入り子が皮革のみからなる場合は、溝が浅くなるので
皮革の端面は溝の縦部と底部に配置、接着する。溝に配
置する入り子が、樹脂、木材、金属等の棒状物体、又は
これらの棒状物体に皮革を被覆したものを使用する場合
は、溝が皮革のみのときより深くなるので、溝縦部にの
み皮革の端面を配置、接着してもよい。
【0018】図2は、本発明の実施形態で、溝の縦部と
底部に皮革の端面を配置、接着する例を示すものであ
る。リング1の周方向に幅広の溝12が設けられてい
る。この溝12にリング1を被覆する皮革13の端面1
4が互いに相対して該溝の底部に配置されている。溝1
2は、リングボディ部9に設けられている。溝12の底
部に於いて、皮革の端面14は、溝縦部15及び底部1
6に接着されている。溝に配置する皮革端間は、若干の
隙間17を持たせるのが好ましい。この隙間17をゼロ
にしてもよいが、皮革13をボディ部9に密着させるよ
うに巻き付ける(被覆)際の皮革の伸びを吸収するため
及び皮革接着時にしわが発生しないようにするために隙
間17を設けるのが好ましい。
【0019】皮革を溝内部に接着させるに際して、皮革
端面を溝にクランク状に配置する。ここで、クランク状
は、屈曲の形、数、角度、各辺の長さの比率等が特に限
定されるものではなく、曲線により形成される形や複数
の屈曲のある形状のものを含む。図2に於いて、皮革端
面14は、互いに溝底部16で相対して配置され、皮革
は溝縦部15と溝底部16に接着されている。この様に
皮革をクランク状に配置接着させることにより、皮革と
リング部ボディとの接着は強力なものになる。皮革端面
の溝部へ接着は、皮革端面の一部又は全部が溝に接着し
ていれば足りるのであって、溝底部と溝縦部の双方に全
面に亘って接着されている場合に限定されるものではな
い。
【0020】皮革は、リング全体に接着剤をつけてリン
グボディにも接着することができる。皮革は、接着剤を
塗布すると接着剤が塗布された部分が硬くなる性質があ
る。このため、皮革に接着剤を塗布した部分は、手触り
が悪いという問題がある。こうした理由から、皮革は直
接リングボディに接着剤により接着するのではなく、図
2に示したように溝の縦部15と底部16にのみ接着剤
を塗布し接着させるのが好ましい。こうすることによ
り、ステアリングホイールを握ったとき皮革にごわごわ
感が無く、皮革本来の手触りを実現することができる。
その上、ステアリングホイールボディと皮革の間にスポ
ンジ、クロロプレン、ゴム等のシート状クッション材を
配することも可能になり、運転時の手触り感を更によく
することができる。図7に、リングボディ9と皮革10
との間にクッション35が配されている例を示した。ク
ッションにはスポンジや合成ゴムシートを使用すること
ができる。これにより、ステアリングホイールの手触り
が一段と向上する。
【0021】溝12に皮革の端面を配置、接着したあ
と、更に、この溝に入り子を配置し、貼り付けることが
できる。入り子を貼り付けた例を、図3に示した。この
例では、入り子は、樹脂、木材、金属等の棒状物体21
に皮革22を被覆したものを使用している。しかし、こ
れに限定されるものではなく、例えば、皮革を折り重ね
たものを使用してもよいし、厚い皮革をそのまま溝の寸
法に合わしたものを使用してもよい。また、この際、入
り子として、皮革を被覆しない樹脂、木材、ゴム等の棒
状物体をそのまま使用することもできる。
【0022】図3(b)は、溝部分を拡大して示したも
のである。樹脂、木材、金属等からできた棒状の物体2
1の上に皮革22を被覆したものを入り子としている。
図4は、皮革を被覆しない木材、樹脂、金属等製の入り
子24を示している。図5に於いては、折り曲げた皮革
23が入り子となっている。
【0023】入り子として皮革の入り子又は棒状物体に
皮革を被覆した入り子を使用すると、入り子上に被覆さ
れた皮革とリング又はシフトノブを被覆した皮革とが接
着されることになる。このような皮革同士の接着は、引
つ張り方向の力が働く接着となる。皮革が収縮した場
合、皮革間には引つ張り力が働くので、接着面での開口
や剥がれが非常に起きにくくなる。これは、皮革の接着
力は、剥離方向に対しては弱いのに対して、引張方向へ
の接着力は強いからである。
【0024】入り子を配置、貼付ける場合、皮革自身を
入り子とするときには、リング部ボディの溝に配置する
皮革は、先に述べたようにクランク状に配置し溝に接着
させるのが好ましい。一方、樹脂、木材若しくは金属等
の棒状物体自身又は樹脂、木材若しくは金属等の棒状物
体に皮革を被覆したもののときは、リング部ボディの溝
に配置する皮革は、必ずしも溝にクランク状に配置する
必要はない。溝縦部のみに配置し溝縦部にのみ接着させ
てもよい。
【0025】溝に皮革端面を配置、接着する場合の寸法
関係は、図8に示したように、リング又はシフトノブを
被覆する皮革の厚みをt、溝底部に於ける皮革端面間距
離をs、溝底部に接着する皮革端面の長さをd1、d2
とするとき、以下の関係にあることが好ましい。 2t≦d1≦5t 2t≦d2≦5t 0<s≦5t
【0026】入り子の幅は、基本的には、溝の幅とほぼ
同じで、溝に配置された皮革の端面とラップする寸法で
あればよい。製品の仕上がり具合、即ち、見栄えの観点
から入り子の幅は、溝の幅から皮革2枚分の厚みを差し
引いた値でもよい。また、入り子の厚みは、基本的に
は、溝の深さとほぼ同じ値にする。入り子の厚みが大き
いと、溝の深さも深くなり、リング部ボディの強度が低
下する。溝の深さは、リングの直径(リング形状が楕円
形の場合は最小の径をいう)の十分の一から皮革厚みt
の2倍程度までの値が好ましい。溝が深すぎると、ボデ
ィ強度が低下し、溝が浅いと接着力が不足することか
ら、この間の値を選択するのが好ましい。
【0027】皮革端面間距離sは、皮革をリング等に被
覆する際の伸縮等による誤差の吸収又は皺などの発生を
防ぐためにとるものである。例えば、リング部は内周と
外周では周長が異なるので皮革被覆時に皺が生じやす
い。また、皮革は、採取場所により伸縮率が異なるので
必然的に寸法誤差が生じる。皺の発生を防止し、寸法誤
差を吸収するために皮革端面間距離をとるのである。皮
革端面間距離sの採る値としては、皮革の厚みをtとし
て、ゼロを超えて5t以下の値が好ましい。sの値が大
きくなるに従い、皺防止及び寸法誤差吸収の効果は大き
くなるが、sが一定値以上になると最早その効果は期待
できなくなる。その限界が、5t程度である。
【0028】溝底部に接着する皮革端面の長さd1、d
2は、リング又はシフトノブと皮革との接着力を確保す
るためと製品の外観を良くするためにとるものである。
d1、d2の値が小さいと、皮革とリング又はシフトノ
ブとの接着力は弱く、また、製品の外観が悪い。これら
の値が大きくなるに従い、接着力、製品外観は良くなる
が、その効果には限界がある。こうした観点から、d
1、d2の値としては。皮革の厚みをtとして、2tか
ら5tの間の値が好ましい。
【0029】リングに設けた溝にはめ込む入り子の最大
幅は、リング部断面で見た場合、ボス部に向かうボディ
の軸に対して左右共に45度をリング被覆の皮革36と
し残りを部分を入り子31とすることができる。この状
況を図6に示す。図6(b)は、リング被覆皮革36の
幅が、リング部軸に対して左右45度とし残りの270
度が入り子31とする場合を示している。図6(a)は
被覆皮革36の幅が、左右90度となった場合を示して
いる。最大、被覆皮革の幅を左右45度とする理由は、
リング皮革36をリング部に被覆するとき輪状態になっ
た皮革等をリングに被覆するので作業効率がよいからで
ある。図6に於ける入り子の構造は棒状物体32に皮革
33を被覆したものであるが、これに限定されるもので
はない。先に述べた構造を有する入り子を全て使用する
ことができる。
【0030】本発明の特徴は、リング又はシフトノブの
ボディ部に広幅の溝を設け、この溝にリング又はシフト
ノブを被覆する皮革を接着せしめ、更に、該溝に入り子
を配置、貼り付けることにある。この際、リング又はシ
フトノブのボディに被覆する皮革と入り子にする皮革と
は、それぞれ異なった色調のものにする、又は、エンボ
ス加工するなどして皮革の表面状態が異なるものにする
ことにより、意匠性の高い、ステアリングホイール又は
シフトノブに仕上げることができる。これの例を図11
に示した。図11(a)では、入り子45となる皮革に
縫い糸の飾り目47がつけられている。図11(b)に
は、入り子46の皮革がエンボス加工したものになって
いる。しかし、これに限定されるものではない。入り子
の皮革は他の皮革と色調が異なる、例えば、入り子の皮
革の色調が黒色に対して他の皮革の色調が黒色であって
もよい。色の組合せはこれに限られるものではなく、適
宜選択することができる。また、皮革の表面状態につい
ても、エンボス加工にとどまらず、起毛処理、バックス
キンの使用等がある。
【0031】図10にシフトノブに本発明を適用した場
合を示している。図10(a)は外観図を、図10
(b)はAA’矢視図である。図9は、通常の方法によ
り製造されたシフトノブを示している。図9(a)は外
観図を、図9(b)はBB’矢視図である。図10
(b)に示したように、芯金41の外側にボディ部42
が配されその上に皮革43が被覆されている。シフトノ
ブに設けられた溝に皮革の端面が接着されている。そし
て、溝には入り子44が配されている。シフトノブに於
いて、皮革の接着方法、入り子の構造、溝と入り子の関
係等、ステアリングホイールの場合と同様である。
【0032】
【発明の効果】本発明の特徴は、リング又はシフトノブ
のボディ部に広幅の溝を設け、この溝にリング又はシフ
トノブを被覆する皮革を接着せしめ、この皮革の上に入
り子を設けることにある。これらの構成により、1)経
年変化による皮革の収縮が発生しても、皮革の接着面に
於ける開口がほとんど皆無になる、2)溝の深さが浅く
てよいので、ボディ強度を必要以上に損なうことがなく
ボディ割れを効果的に防止することができる、3)リン
グ又はシフトノブ被覆の皮革の端面同士を繋ぐように入
り子の皮革を接着するので、溝を浅くすることができ強
度的に優れ、かつ、意匠性も非常に高い製品が得られ
る、4)リング又はシフトノブを被覆する皮革を接着す
るときは、皮革端面の突き合せ度合いを気にすることな
く接着できるので、製造工程が簡略できる、5)溝の巾
を広めに設定するので、皮革接着時の皮革のしわやなみ
うちなどを気にすることがなく、製造工程簡略化の効果
が著しい、6)また、従来の方法ではなし得なかった機
械化による配置、接着が可能になる、7)更に、入り子
の皮革は幅広溝の凹部に接着するだけでよいので、難し
い作業がなく、機械化による配置、接着が可能になる、
等々の効果を発揮する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 ステアリングホイールの構成例を示す図であ
る。
【図2】 本発明の実施形態の一例を示す図である。
【図3】 本発明の実施形態の他の例を示す図である。
【図4】 本発明の実施形態の他の例を示す図である。
【図5】 本発明の実施形態の他の例を示す図である。
【図6】 本発明の入り子を説明するための図である。
【図7】 本発明の実施形態の他の例を示す図である。
【図8】 溝形状を説明するための図である。
【図9】 シフトノブの例を示す図である。
【図10】本発明をシフトノブに適用した例を示す図で
ある。
【図11】入り子の例を示す図である。
【符号の説明】
1 リング 2 スポーク 7 ボス 8、41 芯金 9、42 ボディ部 10、13、22、23 皮革 12 溝 14 皮革端面 15 溝縦部 16 溝底部 17 隙間 21、32 棒状物体 24、31、44、45、46 入り子 33、36、43 皮革 35 クッション 40 シフトノブ 47 縫い目飾り糸 t、s、d1、d2 溝に於ける寸法
を示す符号
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小林 聖一 東京都渋谷区広尾五丁目4番3号 ミドリ 安全株式会社内 Fターム(参考) 3D030 DA26 DA44 DB83

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ステアリングホイールのリング部ボディ又
    はシフトノブボディに設けられた幅広の溝に、クランク
    状にステアリングホイール又はシフトノブの被覆用皮革
    の端面同士が溝底部で相対して配置され、該溝部に皮革
    端面が接着されたことを特徴とする、皮革を被覆したス
    テアリングホイール又はシフトノブ。
  2. 【請求項2】ステアリングホイールのリング部ボディ又
    はシフトノブボディに設けられた幅広の溝に、クランク
    状にステアリングホイール又はシフトノブの被覆用皮革
    の端面同士が溝底部で相対して配置、接着され、かつ、
    該溝に配置された皮革上に更に入り子の皮革が配置、貼
    り付けられたことを特徴とする、皮革を被覆したステア
    リングホイール又はシフトノブ。
  3. 【請求項3】ステアリングホイールのリング部ボディ又
    はシフトノブボディに設けられた幅広の溝に、ステアリ
    ングホイール又はシフトノブの被覆用皮革の端面が配
    置、接着され、かつ、該溝に更に樹脂、木材、金属等か
    らなる棒状物体に皮革を被覆した入り子が配置、貼り付
    けられたことを特徴とする、皮革を被覆したステアリン
    グホイール又はシフトノブ。
  4. 【請求項4】ステアリングホイールのリング部ボディ又
    はシフトノブボディに設けられた幅広の溝に、ステアリ
    ングホイール又はシフトノブの被覆用皮革の端面が配
    置、接着され、かつ、該溝に更に樹脂、木材、金属等か
    らなる入り子が配置、貼り付けられたことを特徴とす
    る、皮革を被覆したステアリングホイール又はシフトノ
    ブ。
  5. 【請求項5】ステアリングホイールのリング部ボディ又
    はシフトノブボディに設けられた幅広の溝に、ステアリ
    ングホイール又はシフトノブの被覆用の一の皮革の端面
    が配置、接着され、該溝に更に皮革の入り子又は樹脂、
    木材、金属等からなる棒状物体に皮革を被覆した入り子
    が配置、貼り付けられ、かつ、一の皮革と入り子上の皮
    革とがそれぞれの色又はそれぞれの表面状態が異なって
    いることを特徴とする、請求項2又は請求項3に記載の
    皮革を被覆したステアリングホイール又はシフトノブ。
  6. 【請求項6】溝に於ける寸法関係が、リング又はシフト
    ノブを被覆する皮革の厚みをt、溝底部に於ける皮革端
    面間距離をs、溝底部に配置する皮革端面の長さをd
    1、d2とするとき、以下の関係にあることを特徴とす
    る、請求項2から請求項5のいずれか1項に記載の皮革
    を被覆したステアリングホイール又はシフトノブ。 2t≦d1≦5t 2t≦d2≦5t 0<s≦5t
  7. 【請求項7】ステアリングホイールのリング部ボディと
    皮革との間又はシフトノブボディ部と皮革との間に、ス
    ポンジ、クロロプレン、ゴム等の柔軟性シートを配した
    ことを特徴とする、請求項1から請求項5のいずれか1
    項に記載の皮革を被覆したステアリングホイール又はシ
    フトノブ。
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