JP2010089696A - 皮革貼り構造、皮革貼り構造の製造方法、及び、自動車内装部品 - Google Patents

皮革貼り構造、皮革貼り構造の製造方法、及び、自動車内装部品 Download PDF

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聖一 小林
Yukihiro Murakami
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Abstract

【課題】縫製加工があまり面倒でなく、しかも、仕上がり精度が良い皮革貼り構造及びその製造方法を提供する。
【解決手段】皮革貼り面に木目込み溝2が設けられ、木目込み溝2で皮革貼り面が複数の分割皮革貼り領域3a〜3cに分割された基材1と、複数の分割皮革貼り領域3に対応する大きさを有し、木目込み溝2に対応する箇所を重ね合わせ、且つ、重ね合わせた箇所を縫い込んで木目込み壁12が設けられた一体皮革部材10とを備え、一体皮革部材10は、木目込み壁12が木目込み溝2に押し込まれた状態で基材1に接着剤20で貼り付けされた。
【選択図】図2

Description

本発明は、基材の皮革貼り面に皮革部材を貼り付けた皮革貼り構造、その製造方法、及び、その皮革貼り構造を用いた自動車内装部品に関する。
近年、例えば車両の内装に高級感等を持たせるため、従来はカーペット、ハンドル、シフトノブ、ブレーキレバーを中心に行われてきた皮革を、高級車を中心に自動車内装全体に広げて、ドアの内装面、インストルメントパネル、ダッシュボード、ピラーなどの内装面を皮革貼り構造とすることが行われるようになってきた(特許文献1参照)。
皮革貼り構造は、皮革を貼る面積が大きいと皮革部材の端部のみを基材に固定しただけでは、接着が剥がれたりすると皮革部材の中央箇所が端部付近と比べて基材の表面より離れた状態(つまり、浮いた状態)となるため、皮革部材の位置によって接触感が相違し、好ましくない。特に、基材の表面が凹面形状であれば、皮革部材の中央箇所が基材に対して浮いた状態が顕著となる。
そこで、基材の皮革貼り領域を複数に分割する木目込み溝を設け、この木目込み溝に対応する皮革部材の部位を木目込み溝に押し込めることによって基材との固定性、密着性を向上させる工法が提案されている。かかる従来の工法としては、ダブル木目込み工法やグルーブ工法等がある。
ダブル木目込み工法による皮革貼り構造は、図10(a)に示すように、基材50と一体皮革部材60とを有する。基材50は、皮革貼り面側に木目込み溝51が設けられ、木目込み溝51で皮革貼り面が複数の分割皮革貼り領域52に分割されている。一体皮革部材60は、基材50の複数の分割皮革貼り領域52に対応する大きさに形成されている。そして、図10(b)に示すように、一体皮革部材60の裏面と基材50の皮革貼り面の双方の面に接着剤70が塗布され、一体皮革部材60を基材50の皮革貼り面に位置合わせしつつ一端側より貼り合わせを進める。そして、一体皮革部材60の木目込み溝51に対応する箇所では、その箇所を木目込み溝51に押し込めることによって木目込み壁60aを形成する。このようにして一体皮革部材60を基材50の皮革貼り面に貼り付ける。
グルーブ工法による皮革貼り構造は、図11(a)に示すように、基材50と複数の分割皮革部材80とを有する。基材50は、皮革貼り面側に木目込み溝51が設けられ、木目込み溝51で皮革貼り面が複数の分割皮革貼り領域52に分割されている。複数の分割皮革部材80は、基材50の各分割皮革貼り領域52に対応する大きさに形成されている。各分割皮革部材80の連結部位は、それぞれ重ね合わされ、重ね合わせた箇所を縫製して木目込み壁81が形成されている。そして、図11(b)に示すように、連結された分割皮革部材80の裏面と基材50の皮革貼り面の双方の面に接着剤70が塗布され、連結された分割皮革部材80を基材50の皮革貼り面に位置合わせしつつ一端側より貼り合わせを進める。そして、連結された分割皮革部材80の木目込み溝51に対応する箇所では、木目込み壁81を木目込み溝51に押し込める。このようにして連結された分割皮革部材80を基材50の皮革貼り面に貼り付ける。
特開平8−192630号公報
前記したダブル木目込み工法では、一体皮革部材60に縫製によって木目込み壁を作製する必要がないため、縫製加工が必要ない。しかし、一体皮革部材60の木目込み溝51への押し込み位置及び押し込み量にバラツキが出やすいため、木目込み溝51の周辺では一体皮革部材60に皺等が出来やすく、仕上がり精度が劣る。特に、皮革貼り面が曲面である場合には、木目込み溝51が曲線となる。この曲面の木目込み溝51の周辺で皺が寄らないように一体皮革部材60を押し込むことは困難であり、仕上がり精度が更に劣化する可能性が高い。
前記したグルーブ工法では、連結した分割皮革部材80の木目込み壁81を木目込み溝51に押し込むため、押し込み位置及び押し込み量にバラツキが出にくいため、仕上がり精度が良い。しかし、分離された複数の分割皮革部材80の連結部位を縫い込みによって連結させる必要があるため、縫製加工が必要である。そして、この縫製加工に際して、図12(a)に示すように、双方の分割皮革部材80の木目込み壁81は、位置合わせが不正確で互いの先端位置が異なったりすると、仕上がり精度が低下する。又、図12(b)に示すように、連結された分割皮革部材80の木目込み壁81は、互いの先端が連結されていないため、スムーズに木目込み溝51に挿入することができず、押し込み作業が面倒である。そして、木目込み溝51に接着剤70を塗布すると、押し込み時の抵抗が更に大きくなるため、グルーブ工法では木目込み溝51に接着剤70を塗布しないで貼り付けを行っている。又、図13(a)〜(c)に示すように、木目込み溝51が曲線である場合には、一方の分割皮革部材80をいせ込ませつつ縫製し、縫い終わりが揃うよう縫製する必要があるため、縫製加工が非常に面倒である。以上より、従来のグルーブ工法は、仕上がり精度が良いが、縫製加工が非常に面倒である。
そこで、本発明は、縫製加工があまり面倒でなく、しかも、仕上がり精度が良い皮革貼り構造、その製造方法、及び、これを用いた自動車内装部品を提供することを目的とする。
上記目的を達成する請求項1の発明は、皮革貼り面に木目込み溝が設けられ、前記木目込み溝で皮革貼り面が複数の分割皮革貼り領域に分割された基材と、複数の分割皮革貼り領域に対応する大きさを有し、前記木目込み溝に対応する箇所を重ね合わせ、且つ、重ね合わせた箇所を縫製して木目込み壁が設けられた一体皮革部材とを備え、一体皮革部材は、木目込み壁が木目込み溝に押し込まれた状態で前記基材に接着剤で貼り付けされたことを特徴とする皮革貼り構造である。
請求項2の発明は、請求項1の皮革貼り構造であって、一体皮革部材は、木目込み溝に対応する部位が連続している連続部位と、切断された切り込み部位とから構成され、連続部位と切り込み部位の双方の重ね合わせた箇所を縫製して木目込み壁が設けられたことを特徴とする皮革貼り構造である。
請求項3の発明は、請求項1又は請求項2記載の皮革貼り構造であって、前記接着剤は、木目込み溝内にも配置され、一体皮革部材の木目込み壁が基材に木目込み溝内でも接着剤で接着されていることを特徴とする皮革貼り構造である。
請求項4の発明は、請求項1又は請求項2又は請求項3記載の皮革貼り構造であって、一体皮革部材の裏面には、クッション材が接着されていることを特徴とする皮革貼り構造である。
請求項5の発明は、請求項1又は請求項2又は請求項3又は請求項4記載の皮革貼り構造を用いて、皮革が接着されていることを特徴とする自動車内装部品である。
請求項6の発明は、皮革母材を基材の複数の分割皮革貼り領域に対応する形状に裁断して一体皮革部材を作製する裁断工程と、裁断工程の後に、基材の木目込み溝に対応する一体皮革部材の箇所を重ね合わせ、重ね合わせた箇所を縫い込んで木目込み壁を設けるグルーブ作製工程と、グルーブ作製工程の後に、一体皮革部材の裏面と基材側の皮革貼り面側の少なくともいずれか一方に接着剤を塗布する接着剤塗布工程と、接着剤塗布工程の後に、基材の皮革貼り面に位置合わせした一体皮革部材を基材の皮革貼り面側に接着剤によって貼り付けし、且つ、木目込み溝の位置では木目込み壁を前記木目込み溝に押し込むことによって基材に貼り付けたことを特徴とする皮革貼り構造の製造方法である。
請求項7の発明は、請求項6の皮革貼り構造の製造方法であって、一体皮革部材は、木目込み溝に対応する部位が連続している連続部位と、切断された切り込み部位とから構成されている場合には、連続部位と切り込み部位の双方の重ね合わせた箇所を縫製して前記木目込み壁を作製したことを特徴とする皮革貼り構造の製造方法である。
請求項8の発明は、請求項6又は請求項7の皮革貼り構造の製造方法であって、接着剤工程では、基材の前記木目込み溝にも接着剤を塗布したことを特徴とする皮革貼り構造の製造方法である。
請求項9の発明は、請求項6又は請求項7又は請求項8の皮革貼り構造の製造方法であって、皮革母材又は一体皮革部材の裏面に接着剤を用いてクッション材を接着する工程を有することを特徴とする皮革貼り構造の製造方法である。
請求項1及び請求項6の発明によれば、木目込み溝に対応する一体皮革部材の部位を縫い込むため、分割された皮革部材同士を縫い込む場合に比べて縫製加工が容易であり、一体皮革部材の木目込み壁を基材の木目込み溝に押し込むため、木目込み壁が押し込み位置と押し込み量の目印となり、仕上がり精度の良いものが作製できる。以上より、一体皮革部材の縫製加工があまり面倒でなく、しかも、基材に貼った一体皮革部材の仕上がり精度が良い。
請求項2及び請求項7の発明によれば、完全に分割した皮革部材同士の端部をいせ込ませつつ縫い込むのではなく、一体皮革部材の連続部位と切り込み部位をいせ込ませつつ縫い込むため、従来例に比べていせ込み合わせ量が少なくて済み、その分縫製加工が容易である。これにより、一体皮革部材の仕上がり精度が向上する。
請求項3及び請求項8の発明によれば、木目込み壁の先端は、連続した部材の折り曲げで形成され、木目込み溝にスムーズに進入するため、木目込み溝に接着剤を塗布しても容易に押し込みできる。そして、木目込み溝内でも一体皮革部材が基材に接着剤によって固定されるため、押し込み後に木目込み壁が位置ずれせず、一体皮革部材の仕上がり精度が向上する。
請求項4及び請求項9の発明によれば、一体皮革部材の接触感がクッション性の良いものとなる。又、木目込み溝における一体皮革部材の谷部の深さが深くなり、立体感がいっそう顕著にあらわれ、これにより高級感が増す。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
(一実施形態)
図1〜図7は本発明の皮革貼り構造を自動車内装部品であるドアトリムの内装構造に適用した場合を示し、図1はドアトリムの内装構造の平面図、図2(a)は図1のA−A線断面図、図2(b)は図1のB−B線断面図、図3は皮革母材より裁断された一体皮革部材の斜視図、図4は一体皮革部材に木目込み壁を設けた斜視図、図5は一体皮革部材を基材に貼り付ける工程を示す斜視図、図6(a)は一体皮革部材の縫製前の状態を示す一部平面図、図6(b)は一体皮革部材の縫製後の状態を示す一部平面図、図7(a)は一体皮革部材の木目込み壁を木目込み溝に押し込む前の状態を示す断面図、図7(b)は一体皮革部材の木目込み壁を木目込み溝に押し込んだ状態を示す断面図である。
図1及び図2(a)、(b)に示すように、ドアトリムの内装構造は、ドアパネルの内面に固定される基材1と、この基材1の皮革貼り面に貼り付けされた一体皮革部材10とを備えている。基材1は、その表面が皮革貼り面とされ、皮革貼り面は凹面形状である。この凹面の曲面に沿って木目込み溝2が間隔を置いて設けられている。皮革貼り面は、これら木目込み溝2によって複数の分割皮革貼り領域3a〜3cに分割されている。木目込み溝2は、断面長方形状の溝である。
一体皮革部材10は、例えば牛皮であり、基材1の複数の分割皮革貼り領域3a〜3cの全域に対応する大きさを有している。一体皮革部材10の各木目込み溝2に対応する部位には、重ね合わされ、且つ、重ね合わせた箇所が糸で縫い込まれた縫製部11によって木目込み壁12が設けられている。
そして、一体皮革部材10は、基材1の皮革貼り面側に接着剤20によって接着され、且つ、木目込み壁12が木目込み溝2に押し込まれることによって基材1に貼り付けされている。一体皮革部材10の周縁端は、基材1の皮革貼り面の反対側に折り返され、この折り返された箇所が基材1に接着されている。
次に、ドアトリムの内装構造の製造方法を説明する。皮革母材(図示せず)を基材1の3つの分割皮革貼り領域3a〜3cに対応する大きさに裁断する。詳細には、木目込み壁12等の寸法分だけ、3つの分割皮革貼り領域3a〜3cより若干だけ大きな寸法とされる。これによって、図3に示すような一体皮革部材10を作製する(裁断工程)。一体皮革部材10の木目込み溝2に対応する一箇所は、図6(a)に示すように、木目込み溝2に対応する部位が連続している連続部位B1と、切断された切り込み部位B2とから構成されている。他の一箇所は、図6(a)に示すように、木目込み溝2に対応する部位が連続している連続部位B3のみから構成されている。他の一箇所は、木目込み溝2の長さが短いためである。
この裁断工程の後に、基材1の木目込み溝2に対応する一体皮革部材10の箇所を重ね合わせ、重ね合わせた箇所を縫い込む。これにより、図4に示すように、一体皮革部材10に縫製部11による木目込み壁12を作製する(グルーブ作製工程)。
この実施形態では、一体皮革部材10の木目込み溝2に対応する一箇所は、連続部位B1と、切断された切り込み部位B2とから構成されており、図6(b)に示すように、連続部位B1と切り込み部位B2の双方の重ね合わせた箇所を共に縫い込んで木目込み壁12を作製する。
このグルーブ作製工程の後に、一体皮革部材10の裏面と基材1の皮革貼り面の双方に接着剤を塗布する(接着剤塗布工程)。この接着剤塗布工程では、木目込み溝2の内面や一体皮革部材10の木目込み壁12の外面にも接着剤20を塗布する。
この接着剤塗布工程の後に、基材1に一体皮革部材10を位置合わせし、一体皮革部材10の一端側より基材1の皮革貼り面への貼り付けを徐々に行う。そして、図7(a)、(b)に示すように、木目込み溝2の位置では一体皮革部材10の木目込み壁12を木目込み溝2に押し込む。このような貼り付け作業を、一体皮革部材10の他端まで行う。一体皮革部材10の周縁端を基材1の皮革貼り面の反対側に折り返し、この折り返し箇所を接着する。これで、ほぼ完了する。
以上、このドアトリムの内装構造では、木目込み溝2が設けられた基材1と、複数の分割皮革貼り領域3a〜3cに対応する大きさを有し、木目込み溝2に対応する箇所を重ね合わせ、且つ、重ね合わせた箇所を縫い込んで木目込み壁12が設けられた一体皮革部材10とを備え、一体皮革部材10は、基材1の皮革貼り面側に接着剤20によって接着され、且つ、木目込み壁12を木目込み溝2に押し込むことによって基材1に貼り付けされている。従って、木目込み溝2に対応する一体皮革部材10の箇所を縫い込むため、従来例のように分割された分割皮革部材同士を縫い込む場合に比べて縫製加工が容易である。又、一体皮革部材10の木目込み壁12を基材1の木目込み溝2に押し込むため、木目込み壁12が押し込み位置と押し込み量の目印となり、仕上がり精度の良いものが作製できる。以上より、一体皮革部材10の縫製加工があまり面倒でなく、しかも、基材1に貼った一体皮革部材10の仕上がり精度が良い。
また、一体皮革部材10は、基材1の皮革貼り面が曲面で、これによって木目込み溝2が曲線であり、木目込み溝2に対応する一箇所が連続している連続部位B1と、切断された切り込み部位B2とから構成され、連続部位B1と切り込み部位B2の双方の重ね合わせた箇所を共に縫い込んで木目込み壁12が設けられている。従って、完全に分割した分割皮革部材同士の端部をいせ込ませつつ縫い込むのではなく、一体皮革部材10の連続部位B1と切り込み部位B2をいせ込ませつつ縫い込むため、従来例に比べていせ込み合わせ量が少なくて済み、その分縫製加工が容易である。これにより、一体皮革部材10の仕上がり精度が向上する。
ここで、木目込み溝2が直線である場合や非常に緩い曲線である場合、曲線の長さが短い場合には、木目込み溝2に対応する箇所は全て連続部位B1として構成する方が縫製加工が容易となり好ましい。
さらに、木目込み溝2内には接着剤20が配置され、一体皮革部材10の木目込み壁12が基材1に接着剤20で接着されている。従って、木目込み壁12の先端は、図7(a)、(b)に示すように、連続した部材の折り曲げで形成され、木目込み溝2にスムーズに押し込むことができるため、木目込み溝2に接着剤20を塗布しても容易に押し込みできる。そして、木目込み溝2内でも一体皮革部材10が基材1に接着剤20によって固定されるため、押し込み後に木目込み壁12が位置ずれ(例えば、木目込み壁12の浮き上がり、横ずれ)せず、一体皮革部材10の仕上がり精度が向上する。
このように、木目込み壁12が接着剤20の固定で浮き上がらないため、図7(b)のA矢印方向から見た場合に、木目込み壁12による合わせ外形曲面が大きなアール状となり、立体感、つまり、高級感のある皮革貼り構造となる。従来例のグルーブ工法による構造では、図11(b)のA矢印方向から見た場合に、木目込み壁81による合わせ外形曲面が小さなアール状となるのとは異なる。
(実施形態の変形例)
図8(a)は変形例に係る木目込み壁12の断面図である。図8(a)に示すように、木目込み壁12は、二箇所の縫製部11で縫製されている。これによって、木目込み壁12を木目込み溝2に押し込む際に、木目込み壁12が幅方向に膨出することなくスムーズに押し込むことができる。つまり、図8(b)に示すように、木目込み壁12が一箇所で糸によって縫製されている場合には、木目込み壁12が幅方向に膨出して押し込み不良となる恐れがあるが、この変形例ではこのような不具合が発生しない。この変形例に係る木目込み壁12の構造は、木目込み溝2が深い寸法で、これに合わせて木目込み壁12も長い寸法とする場合に特に有効である。
(他の実施形態)
図9は本発明の他の実施形態の要部断面図である。図9に示すように、この他の実施形態は、前記実施形態と比較するに、一体皮革部材10の裏面にクッション材30が接着剤20によって貼り付けされ、このクッション材30の下面が基材1の皮革貼り面に貼り付けされている。クッション材30は、例えばウレタンスポンジである。接着剤20は、ホットメルト接着剤や水系接着剤が使用されている。他の構成は、前記実施形態と同様であるため、重複説明を省略する。
一体皮革部材10にクッション材30を貼り付ける工程は、裁断工程前にあって皮革母材の裏面にクッション材10を接着剤20により接着しても良く、又、裁断工程後にあって一体皮革部材10の裏面にクッション材10を接着剤20により接着しても良い。しかし、裁断後にあって一体皮革部材10の裏面にクッション材10を接着する方が接着剤20の塗布工程を集約でき、又、一体皮革部材10に木目込み壁12を縫製によって作製するグルーブ作製工程が容易である。
この他の実施形態でも、前記実施形態と同様の効果が得られると共に、一体皮革部材10の接触感は、クッション材10によってクッション性の良いものとなる。また、クッション材30を皮革部材10の裏面に貼り付けたことにより、木目込み溝2における一体皮革部材10の谷部の深さが深くなり、立体感がいっそう顕著にあらわれて高級感を増す。
(その他)
前記各実施形態では、本発明の皮革貼り構造は、自動車内装部品であるドアトリムの内装構造に適用した場合を示したが、車両のインストルメントパネル、ダッシュボード、天井などの内装部品に適用することも、車両以外のものにも適用可能である。
前記各実施形態では、一体皮革部材10のみを用いた皮革貼り構造について説明したが、複数の一体皮革部材10を用いて皮革貼り構造を作製しても、一体皮革部材10を用いる工法と他の工法(従来のグルーブ工法、ダブル木目込み工法、木目込み工法等)とを兼用して皮革貼り構造を作製しても良い。
前記各実施形態では、一体皮革部材10は、基材1の3つの分割皮革貼り領域3a〜3cに対応する大きさを有するが、2つの分割皮革貼り領域、又は、4つ以上の分割皮革貼り領域に対応する大きさに設定しても良い。
前記各実施形態では、接着剤塗布工程では、一体皮革部材10の裏面と基材1の皮革貼り面側の双方に接着剤20を塗布したが、一体皮革部材10の裏面のみに、又は、基材1の皮革貼り面のみに塗布しても良い。
本発明の実施形態を示し、ドアトリムの内装構造の平面図である。 本発明の実施形態を示し、(a)は図1のA−A線断面図、(b)は図1のB−B線断面図である。 本発明の実施形態を示し、皮革母材より裁断された一体皮革部材の斜視図である。 本発明の実施形態を示し、一体皮革部材に木目込み壁を設けた斜視図である。 本発明の実施形態を示し、一体皮革部材を基材に貼り付ける工程を示す斜視図である。 本発明の実施形態を示し、(a)は一体皮革部材の縫製前の状態を示す平面図、(b)は一体皮革部材の縫製後の状態を示す平面図である。 本発明の実施形態を示し、(a)は一体皮革部材の木目込み壁を木目込み溝に押し込む前の状態を示す断面図、(b)は一体皮革部材の木目込み壁を木目込み溝に押し込んだ状態を示す断面図である。 本発明の実施形態の変形例に係る木目込み壁の断面図である。 本発明の他の実施形態に係る要部断面図である。 従来例を示し、(a)は皮革貼り構造の貼り付け前の断面図、(b)は皮革貼り構造の断面図である。 他の従来例を示し、(a)は皮革貼り構造の貼り付け前の断面図、(b)は皮革貼り構造の断面図である。 (a)は従来例の木目込み壁の断面図、(b)は木目込み壁を木目込み溝に押し込む際の断面図である。 (a)は2つの分割皮革部材の縫製前の状態を示す平面図、(b)は2つの分割皮革部材の縫製開始時の平面図、(c)は分割皮革部材の縫製終了時の平面図である。
符号の説明
1 基材
2 木目込み溝
3a〜3c 分割皮革貼り領域
10 一体皮革部材
11 縫製部
12 木目込み壁
20 接着剤

Claims (9)

  1. 皮革貼り面に木目込み溝が設けられ、前記木目込み溝で皮革貼り面が複数の分割皮革貼り領域に分割された基材と、
    複数の分割皮革貼り領域に対応する大きさを有し、前記木目込み溝に対応する箇所を重ね合わせ、且つ、重ね合わせた箇所を縫い込んで木目込み壁が設けられた一体皮革部材とを備え、
    前記一体皮革部材は、前記木目込み壁が前記木目込み溝に押し込まれた状態で前記基材に接着剤で貼り付けされたことを特徴とする皮革貼り構造。
  2. 請求項1の皮革貼り構造であって、
    前記一体皮革部材は、前記木目込み溝に対応する部位が連続している連続部位と、切断された切り込み部位とから構成され、前記連続部位と切り込み部位の双方の重ね合わせた箇所を縫製して前記木目込み壁が設けられたことを特徴とする皮革貼り構造。
  3. 請求項1又は請求項2記載の皮革貼り構造であって、
    前記接着剤は、前記木目込み溝内にも配置され、前記一体皮革部材の前記木目込み壁が前記基材に前記木目込み溝内でも前記接着剤で接着されていることを特徴とする皮革貼り構造。
  4. 請求項1又は請求項2又は請求項3記載の皮革貼り構造であって、
    前記一体皮革部材の裏面には、クッション材が接着されていることを特徴とする皮革貼り構造。
  5. 請求項1又は請求項2又は請求項3又は請求項4記載の皮革貼り構造を用いて、皮革が接着されていることを特徴とする自動車内装部品。
  6. 皮革母材を基材の複数の分割皮革貼り領域に対応する形状に裁断して一体皮革部材を作製する裁断工程と、
    裁断工程の後に、前記基材の木目込み溝に対応する前記一体皮革部材の箇所を重ね合わせ、重ね合わせた箇所を縫い込んで木目込み壁を設けるグルーブ作製工程と、
    グルーブ作製工程の後に、前記一体皮革部材の裏面と前記基材側の皮革貼り面側の少なくともいずれか一方に接着剤を塗布する接着剤塗布工程と、
    接着剤塗布工程の後に、前記基材の前記皮革貼り面に位置合わせした前記一体皮革部材を前記基材の前記皮革貼り面側に接着剤によって貼り付けし、且つ、前記木目込み溝の位置では前記木目込み壁を前記木目込み溝に押し込むことによって前記基材に貼り付けたことを特徴とする皮革貼り構造の製造方法。
  7. 請求項6の皮革貼り構造の製造方法であって、
    前記一体皮革部材は、前記木目込み溝に対応する部位が連続している連続部位と、切断された切り込み部位とから構成されている場合には、前記連続部位と切り込み部位の双方の重ね合わせた箇所を縫製して前記木目込み壁を作製したことを特徴とする皮革貼り構造の製造方法。
  8. 請求項6又は請求項7の皮革貼り構造の製造方法であって、
    前記接着剤工程では、前記基材の前記木目込み溝にも前記接着剤を塗布したことを特徴とする皮革貼り構造の製造方法。
  9. 請求項6又は請求項7又は請求項8の皮革貼り構造の製造方法であって、
    前記皮革母材又は前記一体皮革部材の裏面に前記接着剤を用いて前記クッション材を接着する工程を有することを特徴とする皮革貼り構造の製造方法。
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