JPH0717630U - 自動車のシフトレバーの皮製ノブカバー - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 従来の多数分割品をワンピースにすることに
より、裁断型や裁断工数の削減を企り、位置合わせの簡
易化、貼付けまたは縫製工数の削減を実現する。 【構成】 ノブ（４）の根元の周囲の少なくとも一部を
包む基端部（１ａ）および基端部から延在するとともに
スリット（１ｂ、１ｃ）を介して３部分に分かれた先端
部（１ｄ、１ｅ、１ｆ）からなるカバー用皮革（１）が
１ピースに裁断されており、１ピースのカバー用皮革に
よりノブが包まれ、先端部の側縁およびカバー用皮革の
両側縁の隣接する部分が互いに糸（３）により縫製され
ている自動車のシフトレバーの頭部に形成されたノブを
包む皮製カバー。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は自動車のシフトレバーの皮製ノブカバーに関する。

【０００２】

【従来の技術】

自動車のエンジンから車軸への変速比を変更し（マニアルシフト車）または伝 達状態を変更（オートシフト車）するために、自動車の車室内のフロア上または ハンドルコラムの脇にシフトレバーが設けられている。運転者はシフトレバーの 先端に形成されたノブを握って変速機の変速比を変更したりまたは伝達状態を変 更している。

【０００３】 運転者がノブを握った際の手の滑りを防ぎ、またノブが手にしっくりと馴染み ノブ切換え操作が円滑に行えるようにし、更に自動車のステータスを高めるため に、上記ノブを天然皮革または合成皮革によりカバーすることが行われている。

【０００４】 現在生産されているシフトレバーのノブの形状は自動変速、手動変速、４ＷＤ を問わず、大略玉子型をしているものが多い。

【０００５】 これらのシフト、ノブに天然皮革または合成皮革等を貼付けまたは縫製しよう とした場合には、形状からして２分割、３分割、４分割等複数のピースに分割し て裁断し貼付けまたは縫合していた。

【０００６】

【考案が解決しようとする課題】

上述のように、従来は皮革を複数ピースに分割していたため、分割数分の裁断 型、裁断工数を必要とし裁断の型代および裁断工数が多いため、コストアップと なっていた。各々の分割片を本体に位置合わせし、その上で各々貼付けし、また は縫合せねばならず、上述の組合せ作業が頻煩であり、コストアップとなってい た。

【０００７】 従来の一例として、３分割品を１体とする場合には、図２に示すように、セン ターと左、右の各々独立した３ピースに裁断しており、裁断型は３型必要であり 、裁断工数も３工程必要である。更に、３ピース品であると各片が独立している ため、皮の裁断場所により、シボ、伸び等のバラツキも大きいため、縫製上も外 観上も厳密な管理（組合わせ）が必要となる。

【０００８】

【考案の目的】

本考案は、上述した従来技術に付随する問題点に鑑み、裁断型や裁断工数の削 減を企り、位置合わせの簡易化、貼付けまたは縫製工数の削減を実現し、高級感 の高い皮製ノブカバーを比較的安価に提供するものである。

【０００９】

【課題を解決するための手段】

本考案においては、自動車のシフトレバーの頭部に形成されたノブを包む皮製 カバーにおいて、前記ノブの根元の周囲の少なくとも一部を包む基端部および該 基端部から延在するとともにスリットを介して少なくとも３部分に分かれた先端 部からなるカバー用皮革が１ピースに裁断されており、該１ピースのカバー用皮 革により前記ノブが包まれ、前記先端部の側縁および前記カバー用皮革の両側縁 の隣接する部分が互いに縫製されていることを特徴とする自動車のシフトレバー の皮製ノブカバーにより上記目的を達成する。

【００１０】

【作用】

本考案は、従来の多数分割品をワンピースにすることにより、裁断型や裁断工 数の削減を企り、位置合わせの簡易化、貼付けまたは縫製工数の削減を実現し、 更に制作を容易として高級感の高い皮製ノブカバーを比較的安価に制作可能とし たものである。

【００１１】

【実施例】

以下添付図面を参照して、本考案の一実施例を詳細に説明する。図１（ａ）は 本考案に従い裁断した皮革を示す。すなわち、天然皮革または合成皮革を、かえ での葉形状に裁断して、ノブの根元の周囲の少なくとも一部を包む基端部１ａお よび基端部１ａから延在するとともにスリット１ｂ、１ｃを介して３部分に分か れた３つの先端部１ｄ、１ｅ、１ｆからなるカバー用皮革１が１ピースに裁断さ れている。

【００１２】 先端部１ｄ、１ｅ、１ｆの側縁およびカバー用皮革の両側縁には縫製用の孔２ が形成されている。図１（ｂ）、（ｃ）に示すように、１ピースのカバー用皮革 １によりノブ４を包み、皮革の各部を緊張して先端部１ｄ、１ｅ、１ｆの側縁お よびカバー用皮革の両側縁の隣接する部分の孔２を適宜糸または皮３により互い に縫製している。

【００１３】 なお、ノブの頂面の凹部に、例えばプラスチック製のトッププレート５を取着 する場合には、凹部に合わせてカバー用皮革１に穴を穿った後、上述の手順に従 いノブ４を包み縫製した後にトッププレート５を嵌めてもよい。しかし、上述の 手順に従い縫製した後に、ノブ４の頂面の凹部に合わせて孔を穿ち、その上でト ッププレート５を穿った孔に嵌めてもよい。後者の方法のほうが孔の周囲の始末 が行い易い。

【００１４】 前述したように、従来は、多分割品を１ピースとしていたため、例えば、セン ター、左、右に各々独立しており、裁断型は多数必要であり、裁断工数も多数工 程必要であった。これに対して本考案では１ピースにしたことにより、１型とな り（型費は１／２またはそれ以下）、工数は１／３以下となり、抜き代の削減に も寄与する。

【００１５】 更に、多ピース品であると各片が独立しているため、革の裁断場所により、シ ボ、伸び等バラ付きも大きいため、縫製上も外観上も厳密な管理（組合わせ）が 必要となっていた。これに対し本考案のように１ピースにした場合はこの工程は 全く不必要となる。

【００１６】 次に縫製仕上り後の形状は前方から見た場合、図１（ｂ）に示すように従来品 と同等であるが、後方から見た場合（図１（ｃ）参照）、途中からステッチが入 り、点線部の縫製工数の削減となる。外観上特に違和感はなく、しかも工数削減 の効果が奏される。

【００１７】 本考案は自動変速、４ＷＤ等種々のシフトレバーに応用でき、また、上記実施 例では３つの先端部としていたが、前記端部の数は４つ以上としてもよい。

【００１８】

【考案の効果】

従来は多数分割していたものを、本考案は１ピース化することによって、低価 格化、品質向上がはかれる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の実施例を示し、（ａ）は皮革の展開
図、（ｂ）は出来上ったノブを前から見た斜視図、
（ｃ）は同ノブの背面図である。

【符号の説明】

１ 皮革 １ａ 基端部 １ｂ スリット １ｃ スリット １ｄ 先端部 １ｅ 先端部 １ｆ 先端部 ２ 孔 ３ 糸 ４ ノブ

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【手続補正書】

【提出日】平成６年１０月２６日

【手続補正１】

【補正対象書類名】明細書

【補正対象項目名】図面の簡単な説明

【補正方法】変更

【補正内容】

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の実施例を示し、（ａ）は皮革の展開
図、（ｂ）は出来上ったノブを前から見た斜視図、
（ｃ）は同ノブの背面図である。

【図２】３分割品を１体とした従来の一例である。

【符号の説明】 １ 皮革 １ａ 基端部 １ｂ スリット １ｃ スリット １ｄ 先端部 １ｅ 先端部 １ｆ 先端部 ２ 孔 ３ 糸 ４ ノブ

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 自動車のシフトレバーの頭部に形成され
   たノブを包む皮製カバーにおいて、前記ノブの根元の周
   囲の少なくとも一部を包む基端部および該基端部から延
   在するとともにスリットを介して少なくとも３部分に分
   かれた先端部からなるカバー用皮革が１ピースに裁断さ
   れており、該１ピースのカバー用皮革により前記ノブが
   包まれ、前記先端部の側縁および前記カバー用皮革の両
   側縁の隣接する部分が互いに縫製されていることを特徴
   とする自動車のシフトレバーの皮製ノブカバー。