JP2008012765A - 車両用内装部品およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】表皮に、ミシンを用いたステッチ形成に伴う折れや皺が発生するのを抑制することができるとともに、表皮の形状自由度を向上させることのできる車両用内装部品およびその製造方法を得る。
【解決手段】車両用内装部品1の製造方法は、金型成形によって、その表面4aに擬似的に縫合境界を表す凹凸形状5を有する表皮4を形成する表皮形成工程と、前記表皮4と基材3とを一体に含む成形体2を形成する成形体形成工程と、前記成形体2の表皮2aの表面2bに、擬似的にステッチを表すステッチ鋲7を差し込むステッチ形成工程と、を有している。
【選択図】図3
【解決手段】車両用内装部品1の製造方法は、金型成形によって、その表面4aに擬似的に縫合境界を表す凹凸形状5を有する表皮4を形成する表皮形成工程と、前記表皮4と基材3とを一体に含む成形体2を形成する成形体形成工程と、前記成形体2の表皮2aの表面2bに、擬似的にステッチを表すステッチ鋲7を差し込むステッチ形成工程と、を有している。
【選択図】図3
Description
本発明は、車両用内装部品およびその製造方法に関する。
従来、車両用内装部品の製造方法として、熱可塑性樹脂を金型成形することで表面に造形模様を形成した表皮に、縫製手段によるステッチ意匠を形成する方法が知られている(例えば特許文献1)。
ステッチ意匠は、一般的にミシンを使用して形成される。この場合、表皮を送りながら縫うことで表皮に縫い目を付けることになる。
特開平5−305685号公報
しかしながら、上記従来例のようにミシンを用いる場合、縫い目の方向を変えるために表皮の取り回しを行うことがあるが、当該表皮の取り回しの際に表皮に折れや皺が発生するおそれがあった。特に、樹脂製の表皮は布製の表皮に比べて硬いため、一旦、表皮に折れや皺が発生すると、当該表皮から折れや皺を取り除くのが難しかった。
また、ミシンを用いる場合、樹脂製の表皮は、縫製される部位の高さが制限される上、表皮に折れや皺を発生させにくくするため、表皮の形状を板状などの簡単な形状にする必要があった。すなわち、ミシンを使用して樹脂製の表皮に縫製を行う場合、形状上の制約が生じるという問題があった。
そこで、本発明は、表皮に、ミシンを用いたステッチ形成に伴う折れや皺が発生するのを抑制することができるとともに、表皮の形状自由度を向上させることのできる車両用内装部品およびその製造方法を得ることを目的とする。
本発明にあっては、金型成形によって、その表面に擬似的に縫合境界を表す凹凸形状を有する表皮を形成する表皮形成工程と、前記表皮と基材とを一体に含む成形体を形成する成形体形成工程と、前記成形体の表皮の表面に、擬似的にステッチを表すステッチ鋲を差し込むステッチ形成工程と、を有することを最も主要な特徴とする。
本発明によれば、表皮と基材とを含む成形体の表皮の表面にステッチ鋲を差し込むことで、ミシンを用いて成形体の表皮を縫うことなく、当該成形体の表面に擬似的にステッチを形成することができ、表皮に、ミシン使用に伴う折れや皺が発生するのを抑制するとともに、ミシン使用に伴う表皮の形状上の制約をなくすことができる。
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
(第1実施形態)図1は、本実施形態にかかる表皮を示す斜視図、図2は、成形体を示す斜視図、図3は、ステッチ鋲を差し込む方法を示す斜視図、図4は、成形体の表皮の表面に擬似的にステッチを表した状態を示す斜視図、図5は、ステッチ鋲が成形体に固定されている状態を示す断面図である。
本実施形態にかかる車両用内装部品1は、図4に示すように、基材3と、表面4aに溝(擬似的に縫合境界を表す凹凸形状)5が形成された樹脂製の表皮4と、基材3と表皮4との間に介在する中間層6と、を積層した成形体2を備えており、当該成形体2は、これらを一体に成形することで形成されている。
本実施形態では、中間層6に柔軟性を持たせるために、ポリウレタン発泡体を用いて中間層6を形成している。なお、中間層6はポリウレタン発泡体に限らず、様々なものを用いて形成することが可能である。
そして、成形体2の表皮2aの表面2bに形成された溝5の両側の近傍に、当該溝5に沿って樹脂製のステッチ鋲7を複数本差し込むことで、溝5に平行な2本の線状模様を形成している。すなわち、ステッチ鋲7を用いて、成形体2の表皮2aの表面2bに擬似的にステッチを表している。
ステッチ鋲7は、図5に示すように、側面視で略コ字状をしており、その両端の先端部8,8は、先端が尖っている。
また、ステッチ鋲7は、その中央部分の芯材部9が、被覆部材10によって被覆されている。本実施形態では、芯材部9に接着剤を塗布し、当該芯材部9に被覆部材10としての繊維片11を例えば静電植毛加工法によって接着することで、芯材部9を被覆している。
静電植毛加工法とは、高電圧静電界内では、荷電した微少物体が、一方の電極から他方の電極に向かって吸引されるという現象を応用したものであって、接着剤を塗布した芯材部9の周囲に発生させた静電界内に繊維片11を供給して帯電させ、帯電した繊維片11を静電吸引力によって飛翔させることで、芯材部9の表面9aに繊維片11を直立に植え付ける植毛方法のことである。
この静電植毛加工法によって芯材部9の表面9aを被覆することで、成形体2の表皮2aの表面2bに形成された疑似ステッチ模様(擬似的にステッチを表した部分)が肌触りのよい滑らかな感触となるようにすることが可能となる。なお、繊維片11によって芯材部9を被覆する際に、上記静電植毛加工法を用いず、繊維片11を寝かせた状態で芯材部9に接着させて被覆するようにしてもよい。
次に、車両用内装部品1の製造方法について説明する。
まず、表面4aに溝(擬似的に縫合境界を表す凹凸形状)5を有する表皮4を金型成形によって形成する(表皮形成工程)。
本実施形態では、表皮の材料として熱可塑性樹脂である塩化ビニル樹脂を使用し、パウダースラッシュ成形法にて表皮4を形成している。すなわち、表皮4の表面4aの形状、特に溝5の形状を転写することができる金型(図示せず)内に、粉末状の塩化ビニル樹脂を投入して加熱溶融することで金型形状を転写させ、図1に示すような表面4aに溝5を有する表皮4を形成している。
なお、上記パウダースラッシュ成形法に替えて、真空成形法、インサート成形法、2色成形法などを用いて表皮4を形成することも可能である。また、塩化ビニル樹脂の替わりに熱可塑性ポリウレタン樹脂等の樹脂を用いて表皮4を形成してもよい。
次に、上記工程により形成された表皮4と、基材3とを一体に含む成形体2を形成する(成形体形成工程)。
本実施形態では、上記工程により形成された表皮4と樹脂製の基材3との間にポリウレタンフォーム用原液を注入密閉し発泡成形することにより、成形体2を一体に形成している。
すなわち、発泡成形金型(図示せず)の内面に表皮4および基材3をそれぞれセットし、表皮4と基材3との間にポリウレタンフォーム用原液を注入し、型閉めして発泡させることで、図2に示すような成形体2を形成する。
このとき基材3に使用する樹脂材料として、PP樹脂、ABS樹脂等の各種合成樹脂を挙げることができる。
次に、上記成形体形成工程により形成された成形体2の表皮2aの表面2bに、ステッチ鋲7を差し込み、当該成形体2の表皮2aの表面2bに擬似的にステッチを表す(ステッチ形成工程)。
本実施形態では、図3に示すように、縫製加工装置としてのタッカ14を用いて、ステッチ鋲7を成形体2の表皮2aの表面2bに差し込むことで擬似的にステッチを形成している。具体的には、芯材部9に繊維片11を被覆したステッチ鋲7をタッカ14に装填し、当該タッカ14を成形体2の表皮2aの表面2bに当接させた状態で複数本のステッチ鋲7を連続して差し込むことで、成形体2の表皮2aの表面2bに形成された溝5の両側の近傍に、当該溝5に平行な2本の線状模様、すなわち、擬似ステッチ模様を形成している。
さらに、本実施形態では、表皮4に形成された擬似的に縫合境界を表すための溝5がガイド溝になっており、タッカ14に設けられた側面視で略L字状のガイド部15を溝5に当接させ、タッカ14を溝5に沿ってスライドさせることで、表皮4にステッチ鋲7を連続して差し込むことができるようにしている。こうすれば、擬似ステッチ模様を形成する際に、当該擬似ステッチ模様が蛇行してしまうことを抑制でき、精度良く形成することができる。このとき、溝5に沿って一定間隔で移動するようにタッカ14を制御し、ステッチ鋲7の差込位置がずれないようにすれば、より精度良く擬似ステッチ模様を形成することができる。
また、図5に示すように、表皮4に差し込まれたステッチ鋲7は、少なくとも先端部8の先端が、中間層6を貫通して基材3まで到達している。すなわち、本実施形態では、ステッチ鋲7の先端部8の先端を基材3まで差し込むことで、当該ステッチ鋲7を成形体2に固定している。
以上の本実施形態によれば、表皮4と基材3とを含む成形体2の表皮2aの表面2bにステッチ鋲7を差し込むことで、成形体2に擬似ステッチ模様を形成しているため、ミシンを用いて成形体の表皮を縫う必要がなくなり、表皮4に、ミシン使用に伴う折れや皺が発生するのを抑制することができる。
また、本実施形態によれば、ミシンを使用せずに成形体2の表皮2aの表面2bに擬似ステッチ模様を形成しているため、成形体2が袋状等の複雑な形状をしていてもその表皮2aの表面2bに擬似ステッチ模様を形成することができ、ミシン使用に伴う表皮の形状上の制約をなくすことができる。
また、本実施形態によれば、表皮4と基材3との間にポリウレタンフォーム原液を注入して発泡成形により成形体2を一体に形成した後に、その表面2bに擬似ステッチ模様を形成しているため、発泡成形して成形体を形成する前に表皮を縫製して当該表皮にステッチ模様を形成する場合のように、発泡成形前に表皮に穴があくことがない。そのため、注入されたポリウレタンフォーム原液の漏れを防止するためのシール層を表皮の裏面に貼り付ける必要がなく、製造工程の効率化を図ることができるとともに、部品点数の増加を抑えコストダウンを図ることができる。さらに、発泡成形前に、表皮に穴が形成されると、発泡成形の際にエア溜りができることがあるが、本実施形態によれば、発泡成形前には、表皮に穴が形成されないため、発泡成形の際のエア溜りを抑制することができる。
また、本実施形態によれば、ステッチ鋲7の芯材部9に被覆部材10としての繊維片11を接着することで芯材部9を被覆しているため、擬似ステッチ模様の美感を向上させることができる。
(第2実施形態)図6は、本実施形態にかかるステッチ鋲を表皮に差し込んだ状態を示す断面図である。なお、本実施形態にかかる車両用内装部品は、上記第1実施形態にかかる車両用内装部品と同様の構成要素を備える。よって、それら同様の構成要素については共通の符号を付すとともに、重複する説明を省略する。
本実施形態におけるステッチ鋲7は、図6に示すように、芯材部9の表面9a上に、被覆部材10としての塗膜12を形成したものである。具体的には、芯材部9の表面9aに、軟質塗料を塗布することで、表面9a上に塗膜12を形成している。かかる軟質塗料を塗布することで、芯材部9に軟質感を与えることができる上、擬似ステッチ模様の美感を向上させることができる。
そして、上記第1実施形態と同様に、表面4aに溝5が形成された表皮4を形成し、当該表皮4と基材3との間にポリウレタンフォーム原液を注入して発泡成形により成形体2を一体に形成する。
このようにして形成された成形体2の表皮2aの表面2bに、芯材部9の表面9a上に塗膜12を形成したステッチ鋲7を差し込むことで、成形体2の表皮2aの表面2bに擬似ステッチ模様を形成する。
以上の本実施形態によっても、上記第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
また、本実施形態によれば、芯材部9の表面9aに軟質塗料を塗布して塗膜12を形成しているため、塗膜12に弾力性を持たせることができ、塗膜12がひび割れするのを抑制することができる。
(第3実施形態)図7は、本実施形態にかかるステッチ鋲を表皮に差し込んだ状態を示す断面図である。なお、本実施形態にかかる車両用内装部品は、上記第1実施形態にかかる車両用内装部品と同様の構成要素を備える。よって、それら同様の構成要素については共通の符号を付すとともに、重複する説明を省略する。
本実施形態におけるステッチ鋲7は、図7に示すように、芯材部9に、被覆部材10としての糸13を巻回したものである。この芯材部9に糸13を巻回したステッチ鋲7を使用して擬似ステッチ模様を形成することによって、擬似ステッチ模様ながらあたかも縫製しているかのような見映えを与えることができ、擬似ステッチ模様の美感を向上させることができる。
そして、上記第1実施形態と同様に、表面4aに溝5が形成された表皮4を形成し、当該表皮4と基材3との間にポリウレタンフォーム原液を注入して発泡成形により成形体2を一体に形成する。
このようにして形成された成形体2の表皮2aの表面2bに、芯材部9に糸13を巻回したステッチ鋲7を差し込むことで、成形体2の表皮2aの表面2bに擬似ステッチ模様を形成する。
以上の本実施形態によっても、上記第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
(第4実施形態)図8は、本実施形態にかかるステッチ鋲を表皮に差し込んだ状態を示す断面図である。なお、本実施形態にかかる車両用内装部品は、上記第1実施形態にかかる車両用内装部品と同様の構成要素を備える。よって、それら同様の構成要素については共通の符号を付すとともに、重複する説明を省略する。
本実施形態におけるステッチ鋲7Aは、図8に示すように、先端部8Aに鉤部16が形成されているものである。また、本実施形態では、ステッチ鋲7Aの芯材部9に被覆部材10としての繊維片11を接着している。なお、芯材部9の表面9a上に塗膜12を形成してもよいし、芯材部9に糸13を巻回してもよい。
そして、上記第1実施形態と同様に、表面4aに溝5が形成された表皮4を形成し、当該表皮4と基材3との間にポリウレタンフォーム原液を注入して発泡成形により成形体2を一体に形成する。
このようにして形成された成形体2の表皮2aの表面2bに、芯材部9に繊維片11を接着したステッチ鋲7Aを差し込むことで、成形体2の表皮2aの表面2bに擬似ステッチ模様を形成する。
このとき、本実施形態では、表皮2aに差し込まれたステッチ鋲7Aの先端部8Aに形成された鉤部16を表皮2aの裏面2cに引っ掛けることで、ステッチ鋲7Aを成形体2に固定している。
以上の本実施形態によっても、上記第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
また、本実施形態によれば、ステッチ鋲7Aの先端部8Aに鉤部16を設け、当該鉤部16を表皮2aの裏面2cに引っ掛けることでステッチ鋲7Aを成形体2に固定しているため、ステッチ鋲7Aの先端部8Aを短くすることができる。さらに、ステッチ鋲7Aは、先端部8Aの鉤部16を表皮2aの裏面2cに引っ掛けるだけで成形体2に固定することができるため、先端部を基材3まで到達させるためにステッチを強く差し込む必要がなく、表皮2aに折れや皺が発生するのをより抑制することができるという利点もある。
(第5実施形態)図8は、本実施形態にかかるステッチ鋲を表皮に差し込んだ状態を示す断面図である。なお、本実施形態にかかる車両用内装部品は、上記第1実施形態にかかる車両用内装部品と同様の構成要素を備える。よって、それら同様の構成要素については共通の符号を付すとともに、重複する説明を省略する。
本実施形態におけるステッチ鋲7Bは、芯材部9Bの表面9aBを加工して装飾を施したものである。具体的には、図9に示すように、芯材部9Bにらせん状の溝17を設けることでステッチ鋲7Bの芯材部9Bの表面9aBに装飾を施している。そして、このステッチ鋲7Bを使用することによっても擬似ステッチ模様の美感を向上させることができる。また、本実施形態では、ステッチ鋲7Bの先端部8Bに鉤部16を設けている。
そして、上記第1実施形態と同様に、表面4aに溝5が形成された表皮4を形成し、当該表皮4と基材3との間にポリウレタンフォーム原液を注入して発泡成形により成形体2を一体に形成する。
このようにして形成された成形体2の表皮2aの表面2bに、芯材部9Bにらせん状の溝17を設けたステッチ鋲7Bを差し込むことで、成形体2の表皮2aの表面2bに擬似ステッチ模様を形成する。
以上の本実施形態によれば、上記第1実施形態に加えて上記第4実施形態と同様の効果を得ることができる。
(第6実施形態)図10は、本実施形態にかかるステッチ鋲を表皮に差し込んだ状態を示す断面図である。なお、本実施形態にかかる車両用内装部品は、上記第1実施形態にかかる車両用内装部品と同様の構成要素を備える。よって、それら同様の構成要素については共通の符号を付すとともに、重複する説明を省略する。
本実施形態における成形体2Cは、図10に示すように、基材3と中間層6との間に接着シート(接着層)18を介在させたものである。また、ステッチ鋲7Cは、芯材部9に被覆部材10としての繊維片11を接着したものである。さらに、本実施形態では、ステッチ鋲7Cの先端部8Cには、図10に示すように、平坦状の接着面19が形成されている。そして、当該成形体2Cに、ステッチ鋲7Cを差し込み、先端部8Cに形成された接着面19を接着シート18に接着させることで、ステッチ鋲7Cを成形体2Cに固定している。
なお、本実施形態ではステッチ鋲7Cとして、芯材部9に被覆部材10としての繊維片11を接着したものを用いているが、芯材部9の表面9a上に塗膜12を形成したものや、芯材部9に糸13を巻回したものを用いてもよいし、ステッチ鋲の芯材部に装飾を施したものを用いてもよい。また、本実施形態では、先端部8Cに平坦状の接着面19を形成したステッチ鋲7Cを使用しているが、上記第1〜第5実施形態で用いられる先端が尖ったステッチ鋲や先端部に鉤部が設けられたステッチ鋲を使用することも可能である。
本実施形態では、まず上記第1実施形態と同様に、表面4aに溝5が形成された表皮4を形成する。
その後、上記工程で形成した表皮4と基材3との間に接着シート18を介在させ、当該接着シート18を介在させた基材3と表皮4との間にポリウレタンフォーム原液を注入し、発泡成形により一体に形成することで、中間層6と基材3との間に接着シート18を介在させた成形体2Cを形成する。
このようにして形成された成形体2Cの表皮2aCの表面2bCに、上述したステッチ鋲7Cを差し込むことで、成形体2Cの表皮2aCの表面2bCに擬似ステッチ模様を形成する。
以上の本実施形態によっても、上記第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
(第7実施形態)図11は、本実施形態にかかるステッチ鋲を表皮に差し込んだ状態を示す断面図である。なお、本実施形態にかかる車両用内装部品は、上記第1実施形態にかかる車両用内装部品と同様の構成要素を備える。よって、それら同様の構成要素については共通の符号を付すとともに、重複する説明を省略する。
本実施形態における成形体2Dは、図11に示すように、基材3と表皮4との間に中間層6を介在させずに、直接一体成形することで形成したものである。
そして、上記第1実施形態と同様に、表面4aに溝5が形成された表皮4を形成する。
その後、基材3と表皮4とを一体に成形して成形体2Dを形成する。
このようにして形成された成形体2Dの表皮2aDの表面2bDに、上記第1実施形態と同様に、芯材部9に繊維片11を接着したステッチ鋲7を差し込むことで、成形体2Dの表皮2aDの表面2bDに擬似ステッチ模様を形成する。
以上の本実施形態によっても、上記第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
以上、本発明にかかる車両用内装部品の好適な実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限ることなく要旨を逸脱しない範囲で種々の実施形態を採用することができる。
例えば、上記第1〜第7実施形態において示したステッチ鋲の替わりに、芯材部に装飾が施されておらず、被覆部材により被覆されていないものや、芯材部が湾曲しており略U字状をしたものなど、様々な形状のステッチ鋲を用いることができる。また、様々な被覆部材を用いてステッチ鋲を被覆することも可能である。
また、上記第1〜第7実施形態において示した成形体の替わりに、基材と、表皮と、それらの間に接着層を介在させた成形体を用いることもできる。さらに、成形体の形状も袋形状など様々な形状とすることができる。
また、上記第1〜第7実施形態において示した成形体とステッチ鋲との組み合わせは一例にすぎず、第7実施形態における成形体と第5実施形態におけるステッチ鋲とを組み合わせるなど、種々の組み合わせを適宜採用することができる。
また、上記第1〜第7実施形態においては、擬似的に縫合境界を表す凹凸形状として直線状の溝を表皮の表面に形成したが、これに限らず様々な凹凸形状を形成することができる。
また、上記第1〜第7実施形態においては、表皮の材料として熱可塑性樹脂である塩化ビニル樹脂を用いているが種々の樹脂を用いることが可能である。
また、基材の材料として、種々の樹脂のほか、アルミニウム、鉄等の金属を用いることもできる。
1 車両用内装部品
2 成形体
2a 表皮
2b 表面
3 基材
4 表皮
4a 表面
5 溝(擬似的に縫合境界を表す凹凸形状)
7 ステッチ鋲
9 芯材部(芯材)
9a 表面
10 被覆部材
11 繊維片
12 塗膜
13 糸
18 接着シート(接着層)
2 成形体
2a 表皮
2b 表面
3 基材
4 表皮
4a 表面
5 溝(擬似的に縫合境界を表す凹凸形状)
7 ステッチ鋲
9 芯材部(芯材)
9a 表面
10 被覆部材
11 繊維片
12 塗膜
13 糸
18 接着シート(接着層)
Claims (8)
- 金型成形によって、その表面に擬似的に縫合境界を表す凹凸形状を有する表皮を形成する表皮形成工程と、
前記表皮と基材とを一体に含む成形体を形成する成形体形成工程と、
前記成形体の表皮の表面に、擬似的にステッチを表すステッチ鋲を差し込むステッチ形成工程と、
を有することを特徴とする車両用内装部品の製造方法。 - 前記成形体形成工程では、前記表皮と基材との間に接着層を介在させ、前記ステッチ形成工程では、ステッチ鋲の少なくとも先端を前記接着層まで到達させることを特徴とする請求項1に記載の車両用内装部品の製造方法。
- 基材と、表面に擬似的な縫合境界を表す凹凸形状を有する表皮と、を一体に含む成形体と、
前記成形体の表皮の表面に差し込まれて擬似的なステッチを表すステッチ鋲と、
を備えることを特徴とする車両用内装部品。 - 前記ステッチ鋲は、芯材を被覆部材で被覆したものであることを特徴とする請求項3に記載の車両用内装部品。
- 前記ステッチ鋲は、芯材に被覆部材としての糸を巻回したものであることを特徴とする請求項4に記載の車両用内装部品。
- 前記ステッチ鋲は、芯材の表面に、被覆部材としての繊維片を接着したものであることを特徴とする請求項4に記載の車両用内装部品。
- 前記ステッチ鋲は、芯材の表面上に、被覆部材としての塗膜を形成したものであることを特徴とする請求項4に記載の車両用内装部品。
- 前記ステッチ鋲は、芯材の表面を加工して装飾を施したものであることを特徴とする請求項3に記載の車両用内装部品。
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