JP6398852B2 - ステッチ加飾付き内装部品及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、例えば、車両のインストルメントパネル(以下、「インパネ」という)やコンソールボックス等として使用されるステッチ加飾付き内装部品及びその製造方法に関する。
例えば、車両のインパネやコンソールボックス等の内装部品では、硬い材質の基材表面を柔らかい材質の表皮材で覆い、デザイン上の見栄えを向上し、高級感やソフト感を醸す工夫がなされている。
この場合、表皮材に糸の縫い目を形成したステッチ加飾部のない内装部品は、図13(a)〜(d)に示すように、基材成形工程、及び表皮成形同時基材接着工程によって簡単に製造することができる。
すなわち、図13(a)、(b)に示すように、射出成形機111から射出成形型112に溶融樹脂を注入し、射出成形によって所定の形状に賦形された基材113を形成する(基材成形工程)。そして、図13(c)、(d)に示すように、下面に接着剤を塗布した表皮材114を加熱装置115にて加熱した後に、真空成形型116にセットした基材113に表皮材114を重ね合わせて吸引することで、表皮材114を基材形状に沿わせる成形と、同時に、表皮材114と基材113とを接着する(表皮成形同時基材接着工程)。このように、表皮材にステッチ加飾部のない内装部品であれば、2型2工程で簡単に製造することができる。
ところが、ステッチ加飾部を形成した内装部品は、図14(a)〜(g)に示すように、基材成形工程、表皮成形工程、ステッチ加飾工程、及び基材接着工程を経て製造されることになる。
すなわち、図14(a)、(b)に示すように、射出成形機111から射出成形型112に溶融樹脂を注入し、射出成形することによって所定の形状に賦形された基材113を形成する(基材成形工程)。また、図14(c)、(d)に示すように、表皮材114を加熱装置115で加熱した後に、真空成形型116にて基材113に相応する形状に表皮材114を賦形する(表皮成形工程)。その後、図14(e)に示すように、表皮材114の外端を切断したうえ、ミシン117にて糸を縫製して表皮材114にステッチ加飾部120を形成する(ステッチ加飾工程)。最後に、図14(f)に示すように、プレス圧着型118の雄型に基材113をセットして塗布機119にて接着剤を基材表面に塗布し、図14(g)に示すように、プレス圧着型118の雌型に吸着した表皮材114を、雄型にセットした基材113に押圧して、表皮材114と基材113とを接着する(基材接着工程)。このように、表皮材114にステッチ加飾部120を有する内装部品を製造するためには、3型4工程を要し、表皮材にステッチ加飾部のない内装部品に比べて型数及び工程数が大幅に増加することになっていた。そのため、表皮材にステッチ加飾部を形成した内装部品は、ステッチ加飾部のない内装部品に比較して、生産コストが大幅に増大する問題があった。
ここで、表皮材にステッチ加飾部を有する内装部品を製造するために、型数及び工程数が大幅に増加する要因の1つは、基材に相応する形状に賦形した表皮材の成形品にミシン掛けしてステッチ加飾部を施したものを基材に貼り合わせるため、表皮成形と基材接着とを同一工程で行うことができないからである。
そのため、本出願人は、表皮材にステッチ加飾部を有する内装部品においても、表皮成形と基材接着とを同時に行う方法を検討し、以下の内容の特許出願(特許文献1)を行っている。当該特許出願には、基材を保持し真空吸引可能な基材保持型(上型)と、所要温度に加熱した表皮材を基材表面に押圧し真空吸引可能な表皮材押圧型(下型)とを備え、下型に形成した凹溝にステッチ加飾用の糸を予め挿入し、上下型を閉じて表皮材を基材に押圧した後に、ステッチ加飾の縫目に対応する位置に形成した突起部を有する入子を凹溝内で上方へスライドさせて、糸を部分的に表皮材側へ押し込むことによって、表皮成形と基材接着とステッチ加飾とを同一行程で行うステッチ加飾付き内装部品の製造方法が開示されている。
特開2014−117835号公報
しかしながら、特許文献1の技術には、以下のような問題があった。
すなわち、特許文献1の技術は、ステッチ加飾用の糸を下型に形成した凹溝に挿入する必要があるが、ステッチ加飾用の糸は、一般に0.5〜1.0mm程度の外径であって細いので、糸を凹溝に挿入するときその位置がズレやすく、表皮材における所定の位置に安定してステッチ加飾部を形成しにくいという問題があった。
また、特許文献1のステッチ加飾部は、糸を部分的に表皮材側に押し込むことによって形成するので、糸を表皮材にミシン等によって縫製(以下、「本縫い」とも言う。)して形成する縫製感を出しにくく、また、引っ掻きや摩擦等によって糸が表皮材から剥がれる可能性があるという問題があった。
本発明は、上記問題点を解決するためになされたものであり、表皮成形と基材接着とステッチ加飾とを一工程ででき、本縫いの縫製感を備えたステッチ加飾部を表皮材の所定位置に安定して形成できるステッチ加飾付き内装部品及びその製造方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明に係るステッチ加飾付き内装部品及びその製造方法は、次のような構成を有している。
(1)基材の表面に表皮材が接着され、当該表皮材にステッチ加飾部が形成されたステッチ加飾付き内装部品であって、
前記ステッチ加飾部は、ステッチ加飾用の糸が本縫いされた長尺シート部材を前記表皮材の表面に接着して形成したことを特徴とする。
本発明においては、ステッチ加飾部は、ステッチ加飾用の糸が本縫いされた長尺シート部材を表皮材の表面に接着して形成したので、基材に相応する形状に賦形した表皮材の成形品に本縫いすることなく、表皮材にステッチ加飾部が形成されたステッチ加飾付き内装部品を簡単に形成することができる。すなわち、予めステッチ加飾用の糸が本縫いされた長尺シート部材を形成した上で、当該長尺シート部材を表皮材とともに基材に押圧して、表皮材を基材に相応する形状に賦形すると同時に、長尺シート部材を表皮材の所定位置に接着させることによって、表皮材にステッチ加飾部が形成されたステッチ加飾付き内装部品を形成することができる。
この場合、ステッチ加飾部が長手方向で湾曲して3次元的に形状が変化していても、これを2次元形状に展開した上で、平面状態の長尺シート部材を本縫いすることによって、表皮材の所定位置に本縫いの縫製感を備えたステッチ加飾部を形成することができ、本縫い作業や縫製装置を簡素化することもできる。
また、ステッチ加飾部は、ステッチ加飾用の糸が本縫いされた長尺シート部材を表皮材の所定位置に接着して形成したので、ステッチ加飾用の糸は、縫製された長尺シート部材を介して表皮材と接着し、その接着強度を増加させることができる。そのため、引っ掻きや摩擦等によって、ステッチ加飾用の糸が表皮材から剥がれることを抑制することができる。
よって、本発明によれば、表皮成形と基材接着とステッチ加飾とを一工程ででき、本縫いの縫製感を備えたステッチ加飾部を表皮材の所定位置に安定して形成できるステッチ加飾付き内装部品を提供することができる。
(2)(1)に記載されたステッチ加飾付き内装部品において、
前記ステッチ加飾部は、複数のステッチ部を有し、各ステッチ部におけるステッチ加飾用の糸が本縫いされた長尺シート部材を前記表皮材の表面に接着して形成したことを特徴とする。
本発明においては、ステッチ加飾部は、複数のステッチ部を有し、各ステッチ部におけるステッチ加飾用の糸が本縫いされた長尺シート部材を表皮材の表面に接着して形成したので、複数のステッチ部を1又は2以上の長尺シート部材に形成した上で、当該長尺シート部材を表皮材の所定位置に接着することによって、複数のステッチ部を有するステッチ加飾部を表皮材に簡単に形成することができる。例えば、長尺シート部材を構成する2つに分割した長尺シート片を重ね合わせてインナステッチ部を縫製し、その後、インナステッチ部を裏面側とし、当該インナステッチ部を中心に2つの長尺シート片を幅方向へ開いてその幅方向両端部にアウトステッチ部を縫製することができる。この場合、2つの長尺シート片を2次元形状に重ね合せた状態又は展開した状態で、各ステッチ部におけるステッチ加飾用の糸を本縫いできる。その結果、各ステッチ部におけるステッチ加飾用の糸を本縫いした長尺シート部材を同時に表皮材に接着でき、複数のステッチ部を有するステッチ加飾部を、より一層簡単に表皮材に形成することができる。
(3)(1)又は(2)に記載されたステッチ加飾付き内装部品において、
前記長尺シート部材の幅方向外縁部は、前記表皮材表面に形成された凹状溝内に接着されていることを特徴とする。
本発明においては、長尺シート部材の幅方向外縁部は、表皮材表面に形成された凹状溝内に接着されているので、長尺シート部材の幅方向外縁部を外部から見え難くさせることができる。そのため、ステッチ加飾用の糸が表皮材に直接的に縫製されたような本縫いの縫製感を得やすくさせることができる。その結果、見栄えの良いステッチ加飾部を表皮材に形成することができる。なお、長尺シート部材の幅方向外縁部は、ステッチ加飾用の上糸に対して幅方向への突出量が1mm以内に形成されていることが好ましい。
(4)(3)に記載されたステッチ加飾付き内装部品において、
前記凹状溝は、前記長尺シート部材の幅方向外縁部に隣接した位置で前記表皮材をその表面側へ膨出させて形成したことを特徴とする。
本発明においては、凹状溝は、長尺シート部材の幅方向外縁部に隣接した位置で表皮材をその表面側へ膨出させて形成したので、長尺シート部材の幅方向外縁部を表皮材の表面側へ膨出させた表皮材膨出部によって、より一層外部から見え難くさせることができる。そのため、ステッチ加飾用の糸が表皮材に直接的に縫製されたような本縫いの縫製感を、更に得やすくさせることができる。その結果、より一層見栄えの良いステッチ加飾部を表皮材に形成することができる。
(5)(1)乃至(4)のいずれか1つに記載されたステッチ加飾付き内装部品の製造方法であって、
前記基材を保持する基材保持型と、前記長尺シート部材と前記表皮材とを前記基材に押圧する表皮材押圧型と、当該表皮材押圧型に前記ステッチ加飾用の上糸を挿入可能に形成された糸溝とを備え、前記糸溝には前記長尺シート部材に予め本縫いされた前記ステッチ加飾用の上糸を挿入した状態で、前記基材と前記表皮材とを所定位置にそれぞれセットした後、前記基材保持型と前記表皮材押圧型とを型閉じさせて、前記基材表面に前記表皮材を接着させ、かつ前記長尺シート部材を前記表皮材表面に接着させることを特徴とする。
本発明においては、基材を保持する基材保持型と、長尺シート部材と表皮材とを基材に押圧する表皮材押圧型と、当該表皮材押圧型にステッチ加飾用の上糸を挿入可能に形成された糸溝とを備え、糸溝には長尺シート部材に予め本縫いされたステッチ加飾用の上糸を挿入した状態で、基材と表皮材とを所定位置にそれぞれセットした後、基材保持型と表皮材押圧型とを型閉じさせて、基材表面に表皮材を接着させ、かつ長尺シート部材を表皮材表面に接着させるので、ステッチ加飾用の糸が本縫いされた長尺シート部材を表皮材とともに基材に押圧して、表皮成形と基材接着とを同時に行いながら、表皮材にステッチ加飾部が形成されたステッチ加飾付き内装部品を形成することができる。
また、糸溝には長尺シート部材に予め本縫いされたステッチ加飾用の上糸を挿入した状態で、長尺シート部材を表皮材表面に接着させるので、長尺シート部材に本縫いされた上糸が糸溝に位置規制されて、ステッチ加飾部を表皮材の所定位置に安定して形成することができる。
よって、本発明によれば、表皮成形と基材接着とステッチ加飾とを一工程ででき、本縫いの縫製感を備えたステッチ加飾部を表皮材の所定位置に安定して形成できるステッチ加飾付き内装部品の製造方法を提供することができる。
(6)(5)に記載されたステッチ加飾付き内装部品の製造方法であって、
前記長尺シート部材に本縫いされた上糸を前記糸溝に形成した糸吸引孔から真空吸引した状態で、前記基材保持型と前記表皮材押圧型とを型閉じさせることを特徴とする。
本発明においては、長尺シート部材に本縫いされた上糸を糸溝に形成した糸吸引孔から真空吸引した状態で、基材保持型と表皮材押圧型とを型閉じさせるので、型閉じ途中の風圧等で、長尺シート部材に本縫いされた上糸が糸溝から脱出することを抑制することができる。そのため、長尺シート部材は、表皮材押圧型の所定の位置に規制された状態を保持しつつ、表皮材に押圧される。その結果、ステッチ加飾部を表皮材の所定位置により一層安定して形成することができる。
(7)(5)又は(6)に記載されたステッチ加飾付き内装部品の製造方法であって、
前記長尺シート部材に本縫いされた上糸を前記糸溝に埋設した糸固定装置によって固定した状態で、前記基材保持型と前記表皮材押圧型とを型閉じさせることを特徴とする。
本発明においては、長尺シート部材に本縫いされた上糸を糸溝に埋設した糸固定装置によって固定した状態で、基材保持型と表皮材押圧型とを型閉じさせるので、長尺シート部材を表皮材押圧型の所定の位置にセットしたとき、長尺シート部材が3次元的に湾曲していても、上糸を糸固定装置によって固定することによって、上糸を糸溝からズレ難くさせることができる。そのため、長尺シート部材は、表皮材押圧型の所定の位置に規制された状態を保持しつつ、表皮材に押圧される。その結果、ステッチ加飾部を表皮材の所定位置により一層安定して形成することができる。
本発明によれば、表皮成形と基材接着とステッチ加飾とを一工程ででき、本縫いのステッチ加飾部を表皮材の所定位置に安定して形成できるステッチ加飾付き内装部品及びその製造方法を提供することができる。
本発明に係る実施形態のステッチ加飾付き内装部品の斜視図である。 図1に示すステッチ加飾部(シングルステッチ)を表すA−A断面図である。 図2に示すステッチ加飾用の糸が本縫いされた長尺シート部材の断面図である。 図3に示すB−B断面図である。 図1に示すステッチ加飾部(ダブルステッチ)を表すA−A断面図である。 図5に示すステッチ加飾用の糸が本縫いされた長尺シート部材の断面図である。図6(a)は、インナステッチ部を縫製したときの断面図であり、図6(b)は、アウトステッチ部を縫製したときの断面図である。 図1に示すステッチ加飾付き内装部品を形成する真空成形型の模式的断面図である。 図7に示す糸溝(吸引孔形成部)の詳細断面図である。 図7に示す糸溝(針装着部)の詳細断面図である。 図3に示す長尺シート部材を裁断する前の原反にステッチ加飾用の糸を複数列縫製したときの平面図である。 図7に示す真空成形型を用いて本ステッチ加飾付き内装部品を製造する製造工程を表す模式的断面図である。 本発明に係る他の実施形態に係るステッチ加飾付き内装部品の製造方法を表すフローチャート図である。 従来のステッチ加飾無し内装部品の製造工程を表す模式的断面図である。 従来のステッチ加飾付き内装部品の製造工程を表す模式的断面図である。
次に、本発明の実施形態に係るステッチ加飾付き内装部品及びその製造方法について、図面を参照して詳細に説明する。はじめに、本ステッチ加飾付き内装部品の構造をシングルステッチの例(第1実施例)とダブルステッチの例(第2実施例)で説明し、その後、シングルステッチの例で本ステッチ加飾付き内装部品の製造装置と製造方法を説明する。
<ステッチ加飾付き内装部品の構造>
まず、本実施形態のステッチ加飾付き内装部品の構造を、図1〜図6を用いて説明する。図1に、本発明に係る実施形態のステッチ加飾付き内装部品の斜視図を示す。図2に、図1に示すステッチ加飾部(シングルステッチ)を表すA−A断面図を示す。図3に、図2に示すステッチ加飾用の糸が本縫いされた長尺シート部材の断面図を示す。図4に、図3に示すB−B断面図を示す。図5に、図1に示すステッチ加飾部(ダブルステッチ)を表すA−A断面図を示す。図6に、図5に示すステッチ加飾用の糸が本縫いされた長尺シート部材の断面図を示す。図6(a)は、長尺シート部材にインナステッチ部を縫製したときの断面図を示し、図6(b)は、長尺シート部材にアウトステッチ部を縫製したときの断面図を示す。
図1〜図6に示すように、ステッチ加飾付き内装部品1、1Bは、硬い材質の基材4の表面を柔らかい材質の表皮材3、3Bで覆い、デザイン上の見栄えを向上し、高級感やソフト感を醸す工夫がなされている。表皮材3、3Bには、本革調のシボ模様が形成されるとともに、本革を縫い合わせた雰囲気が生じるように、ステッチ加飾部2、2Bが形成されている。
ステッチ加飾付き内装部品1、1Bは、例えば、車両のインパネであって、車両の運転席及び助手席の前方に搭載する略L字状断面をした内装部品である。本インパネ1、1Bには、運転席及び助手席の搭乗者に対する利便性、視認性を備えるため、前端がフロンドガラスに当接する平坦なアッパーパネル部11、車両中央でカーナビやエアコン等の操作部を搭載するセンタークラスタ部12、運転席の正面でスピードメータ等を搭載するメータークラスタ部13、メータークラスタ部13の下方を覆うロアパネル部14、助手席の正面を覆うサイドパネル部15、及びサイドパネル部15の下方を覆う収納部16を備えている。ここで、アッパーパネル部11と、センタークラスタ部12、メータークラスタ部13、及びサイドパネル部15との境界線に沿ってステッチ加飾部2、2Bが形成されている。
(第1実施例)
図2〜図4に示すように、第1実施例のステッチ加飾部2は、シングルステッチとして、予めステッチ加飾用の糸21、22が幅方向中央部230に1列状に本縫いされた長尺シート部材23を表皮材3の表面に押圧し、接着することによって形成されている。長尺シート部材23は、本縫いされたステッチ加飾用の糸21、22の外径より僅かに大きい所定の幅寸法で長手方向に延設されている。長尺シート部材23が接着される表皮材表面には、長尺状の凹状溝321が形成される。長尺シート部材23の幅方向外縁部231は、ステッチ加飾用の上糸21の外周面に沿って湾曲し、表皮材表面に形成された凹状溝321内に接着されている。凹状溝321は、長尺シート部材23が表皮材表面に押圧され、かつ、表皮材3が表面側へ真空吸引されることによって、長尺シート部材23の幅方向外縁部231に隣接した位置で表皮材3を表面側へ膨出させて形成されている。表皮材3を表面側へ膨出させた表皮材膨出部322は、長尺シート部材23の幅方向外縁部231と表皮材3との境界線を外部から見え難くさせている。
表皮材3は、基材4に接着される第1層31と第1層31の上に被覆される第2層32とからなる2層構造で形成されている。第1層31は、例えば、3〜5mm程度の厚さを有するポリプロピレンフォーム層(PPF)であり、第2層32は、例えば、0.5〜1.0mm程度の厚さを有するオレフィン系エラストマ層(TPO)フィルムである。また、長尺シート部材23は、表皮材3の第2層32と、同材質かつ同色であり、例えば、0.3〜0.6mm程度の厚さd2を有するオレフィン系エラストマ層(TPO)フィルムである。長尺シート部材23の裏面には、表皮材3に接着させる接着剤(例えば、ホットメルト接着剤)が塗布されている。
ステッチ加飾用の糸21、22は、長尺シート部材23の表面側に縫製される上糸21と、長尺シート部材23の裏面側に縫製される下糸22とからなり、例えば、それぞれ0.5〜1.0mm程度の外径を有するポリエステル系合成繊維糸、ポリアミド系合成繊維糸、又はアクリル系合成繊維糸等を用いることができる。図3、図4に示すように、ステッチ加飾用の糸21、22は、平面状(2次元形状)に展開された長尺シート部材23に上下方向から本縫いされている。この場合、上糸21は、表皮材3の第2層32及び長尺シート部材23とは異なる色に着色された糸を用いることによって、ステッチ加飾部2の意匠性を向上させることができる。
なお、長尺シート部材23の幅方向外縁部231は、ステッチ加飾用の糸21に対して幅方向への突出量d1が1mm以内に形成されていると良い。長尺シート部材23が表皮材3の表面側に押圧されて表皮材表面に接着されるとき、長尺シート部材23の幅方向外縁部231が上糸21の下方の外周面に沿いながら、凹状溝321内に接着される。その結果、長尺シート部材23の幅方向外縁部231が上糸21に隠蔽されやすく、ステッチ加飾用の糸21が表皮材3に直接的に縫製されたような本縫いの縫製感を得やすくさせることができる。
(第2実施例)
図5、図6に示すように、第2実施例のステッチ加飾部2Bは、ダブルステッチとして、予めステッチ加飾用の糸21BI、22BI、21BO、22BOが幅方向中央部と幅方向外縁部とにそれぞれ1列状に本縫いされた長尺シート部材23Bを表皮材3Bの表面に押圧し、接着することによって形成されている。長尺シート部材23Bは、2分割された長尺シート片23B1、23B2から構成されている。2つの長尺シート片23B1、23B2には、重ね合わせてその外縁部にインナステッチ用の糸21BI、22BIが縫製され(図6(a)参照)、その後、インナステッチ用の糸21BI、22BIを裏面側とし、これを中心に2つの長尺シート片23B1、23B2を幅方向へ開いてその両幅方向外縁部にそれぞれアウトステッチ用の糸21BO、22BOが縫製されている(図6(b)参照)。その結果、長尺シート部材23Bには、幅方向中央部に本縫いされた糸21BI、22BIによってインナステッチ部2BIが裏面側に形成され、両幅方向外縁部に本縫いされた糸21BO、22BOによってアウトステッチ部2BOが表面側に形成されている(図5参照)。
この長尺シート部材23Bが表皮材3Bの表面側に押圧されることによって、表皮材表面には、各ステッチ部2BI、2BOに対応する位置に凹状溝321BI、321BOが形成される。長尺シート部材23Bの幅方向外縁部231BOは、表皮材表面に形成された凹状溝321BO内に接着されている。当該凹状溝321BOは、長尺シート部材23Bが表皮材表面に押圧され、かつ、表皮材3Bが表面側へ真空吸引されることによって、長尺シート部材23Bの幅方向外縁部231Bに隣接した位置で表皮材3Bを表面側へ膨出させて形成されている。表皮材3Bを表面側へ膨出させた表皮材膨出部322Bは、長尺シート部材23Bの幅方向外縁部231Bと表皮材3Bとの境界線を外部から見え難くさせている。なお、表皮材膨出部322Bは、表皮材3Bの一般部320Bから50〜60mm程度の徐変距離h3を設けて一般部320Bから0.5〜1.0mm程度の突出量h1、h2を設けて形成することが好ましい。また、凹状溝321BOの下端から表皮材膨出部322B頂上に連接する傾斜面の法線方向に対する傾斜角θは、30〜40°程度が好ましい。また、表皮材膨出部322Bの頂上角Rは、1〜2R程度が好ましい。
表皮材3Bは、基材4に接着される第1層31Bと第1層31Bの上に被覆される第2層32Bとからなる2層構造で形成されている。第1層31Bは、例えば、3〜5mm程度の厚さを有するポリプロピレンフォーム層(PPF)であり、第2層32Bは、例えば、0.5〜1.0mm程度の厚さを有するオレフィン系エラストマ層(TPO)フィルムである。また、長尺シート部材23Bを構成する長尺シート片23B1、23B2は、表皮材3Bの第2層32Bと、同材質かつ同色であり、例えば、0.3〜1.0mm程度の厚さd2を有するオレフィン系エラストマ層(TPO)フィルムである。長尺シート片23B1、23B2の裏面には、表皮材3Bに接着させる接着剤(例えば、ホットメルト接着剤)が塗布されている。
アウトステッチ用の糸21BO、22BOは、長尺シート部材23Bの表面側に縫製される上糸21BOと、長尺シート部材23Bの裏面側に縫製される下糸22BOとからなり、例えば、それぞれ0.5〜0.8mm程度の外径を有するポリエステル系合成繊維糸、ポリアミド系合成繊維糸、又はアクリル系合成繊維糸等を用いることができる。図6(b)に示すように、アウトステッチ用の糸21BO、22BOは、平面状(2次元形状)に展開された長尺シート片23B1、23B2に上下方向からミシン縫いされている。この場合、上糸21BOは、表皮材3Bの第2層32B及び長尺シート片23B1、23B2とは異なる色に着色された糸を用いることによって、ステッチ加飾部2Bの意匠性を向上させることができる。なお、長尺シート部材23Bの幅方向外縁部231Bは、アウトステッチ用の糸21BOに対して幅方向への突出量d1が1mm以内に形成されていると良い。
<製造装置の構造>
次に、本実施形態に係るステッチ加飾付き内装部品を製造する製造装置の構造を、図7〜図8を用いて説明する。図7に、図1に示すステッチ加飾付き内装部品を形成する真空成形型の模式的断面図を示す。図8に、図7に示す糸溝(吸引孔形成部)の詳細断面図を示す。図9に、図7に示す糸溝(針装着部)の詳細断面図を示す。ステッチ加飾付き内装部品を製造する製造装置には、表皮材と長尺シート部材とを基材に押圧して真空成形する真空成形型の他に、基材の射出成形型、表皮材の把持装置、表皮材の加熱装置、長尺シート部材の切断装置、及び長尺シート部材に加飾用の糸を縫製するミシン装置等を備えているが、ここでは、本願の特徴部分に大きく関係する真空成形型を中心に説明する。
(真空成形型の全体構造)
図7〜図9に示すように、本真空成形型5は、基材4を保持する基材保持型(上型)51と、長尺シート部材23と表皮材3とを基材4に押圧する表皮材押圧型(下型)52と、当該下型52にステッチ加飾用の上糸21を挿入可能に形成された糸溝526とを備えている。また、糸溝526には、長尺シート部材23に本縫いされた上糸21を糸溝内に固定する糸固定装置53が埋設されている。
上型51には、基材4を保持する基材保持部511が、基材形状に沿わせて形成されている。また、上型51には、基材保持部511の外周部を支持する上枠部512が形成されている。上枠部512は、中空部513を有して上基台515に連結されている。基材保持部511には、基材4を真空吸引する複数の真空吸引孔(図示しない)が所定の間隔で形成されている。真空吸引孔から吸引されたエアを図示しない吸引ポンプに送る通気路514が、上枠部512に形成されている。
下型52には、加熱された表皮材3を把持装置6によって把持しながら、基材4に押圧する表皮材押圧部521が、基材形状に沿わせて形成されている。また、下型52には、表皮材押圧部521の外周部を支持する下枠部522が形成されている。下枠部522は、中空部523を有して下基台525に連結されている。表皮材押圧部521には、表皮材3を真空吸引する複数の真空吸引孔(図示しない)が所定の間隔で形成されている。真空吸引孔から吸引されたエアを図示しない吸引ポンプに送る通気路524が、下枠部522に形成されている。
また、下型52には、図1に示すステッチ加飾部2に対応する位置に、ステッチ加飾用の上糸21を挿入する糸溝526が形成されている。糸溝526は、所定の幅で上下左右に湾曲した形状に形成されている。糸溝526を含む表皮材押圧部521の上面には、所定の厚さでポーラス状の電鋳殻521Aが被覆されている。また、糸溝526には、長尺シート部材23に本縫いされた上糸21を糸溝内に吸引する糸吸引孔527が所定のピッチで形成されている。糸吸引孔527には、表皮材3を真空吸引する複数の真空吸引孔とは異なるタイミングで真空吸引できるように作動する真空回路が接続されている。
糸固定装置53は、隣接する糸吸引孔527と糸吸引孔527との中間に形成されている。糸固定装置53には、長尺シート部材23に本縫いされた上糸21を貫通する針部531を備えている。針部531は、上糸21を貫通したとき、その先端が僅かに長尺シート部材23から露出する程度の長さが好ましい。長尺シート部材23から露出する針部531を目視することによって、長尺シート部材23に本縫いされた上糸21が糸溝526に正確に挿入されていることを確認できるからである。針部531は、上下方向へスライド可能に形成され、長尺シート部材23を下型52にセットする段階では上方へ突出し、表皮材成形完了後に下方へ陥没する。
<製造方法>
次に、他の実施形態に係るステッチ加飾付き内装部品の製造方法を、図10〜図12を用いて説明する。図10に、図3に示す長尺シート部材を裁断する前の原反にステッチ加飾用の糸を複数列縫製したときの平面図を示す。図11に、図7に示す真空成形型を用いて本ステッチ加飾付き内装部品を製造する製造工程を表す模式的断面図を示す。図12に、本発明に係る他の実施形態に係るステッチ加飾付き内装部品の製造方法を表すフローチャート図を示す。
図12に示すように、他の実施形態に係るステッチ加飾付き内装部品の製造方法は、以下に説明するS1〜S8の工程を備えている。
S1に示すように、予め加飾用の糸21、22を本縫いした長尺シート部材23を形成する。ステッチ加飾用の糸21、22を本縫いした長尺シート部材23は、幅広の原反シート23Gにステッチ加飾用の糸21、22を縫製しながら、所定の幅に裁断して形成する(図10参照)。この場合、本ステッチ加飾付き内装部品1のステッチ加飾部2が、長手方向で湾曲して3次元的に形状が変化していても、これを2次元形状に展開した上で、平面状態の原反シート23Gにステッチ加飾用の糸21、22を縫製することができる。
次に、S2に示すように、基材保持型(上型)51に基材4を取り付け、長尺シート部材23を表皮材押圧型(下型)52に取り付ける(図11(a)参照)。このとき、長尺シート部材23に本縫いしたステッチ加飾用の上糸21を、表皮材押圧型(下型)52に形成した糸溝526内に挿入する。このとき、糸溝526内に埋設された糸固定装置53の針部531によって、上糸21を刺して固定する。ここで、長尺シート部材23から露出する針部531を目視することによって、長尺シート部材23に本縫いされた上糸21が糸溝526に正確に挿入されていることを確認できる。
次に、S3に示すように、糸吸引孔527から上糸21の吸引を開始し、糸溝526内に挿入したステッチ加飾用の上糸21の位置ズレを抑制する。基材保持型(上型)51と表皮材押圧型(下型)52とを型閉じする際の風圧等によって、糸溝526内へ挿入した上糸21の糸溝外への飛び出しを防止することができる。
次に、S4に示すように、加熱装置7によって所定の温度に加熱した表皮材3を把持装置6が把持して、表皮材押圧型(下型)52の上方に配置する(図11(b)(c)参照)。その後、S5に示すように、上下型を閉じ、真空成形型5を型締め状態にする。型締め状態では、糸吸引孔527からの上糸21の吸引を停止し、表皮材3を基材4に押圧して表皮材3を圧縮させる(図11(d)参照)。
次に、S6に示すように、表皮材押圧型(下型)52から表皮材3を真空吸引する。表皮材押圧型(下型)52から表皮材3を真空吸引することによって、電鋳殻521Aに刻設したシボ模様が表皮材3に転写され、表皮材3を表面側へ膨出させた表皮材膨出部322が形成される。表皮材膨出部322が形成されることによって、長尺シート部材23の幅方向外縁部231と表皮材3との境界線を外部から見え難くさせている。
次に、S7に示すように、基材保持型(上型)51から表皮材3を基材側へ真空吸引する。表皮材3と基材4との接着を確実に行うためである。
最後に、S8に示すように、真空成形型5を型開き状態にして、製品を真空成形型5から取り出す。
以上のように、工程S1〜S8に示すように、表皮成形と基材接着とステッチ加飾とを一工程ででき、本縫いのステッチ加飾部2を表皮材3の所定位置に安定して形成できる。
<作用効果>
以上、詳細に説明したように、本実施形態に係るステッチ加飾付き内装部品によれば、ステッチ加飾部2、2Bは、ステッチ加飾用の糸21、22、21BI、22BI、21BO、22BOが本縫いされた長尺シート部材23、23Bを表皮材3、3Bの表面に接着して形成したので、基材4に相応する形状に賦形した表皮材の成形品に本縫いすることなく、表皮材3、3Bにステッチ加飾部2、2Bが形成されたステッチ加飾付き内装部品1、1Bを簡単に形成することができる。すなわち、予めステッチ加飾用の糸21、22、21BI、22BI、21BO、22BOが本縫いされた長尺シート部材23、23Bを形成した上で、当該長尺シート部材を表皮材3、3Bとともに基材4に押圧して、表皮材3、3Bを基材4に相応する形状に賦形すると同時に、長尺シート部材23、23Bを表皮材3、3Bの所定位置に接着させることによって、表皮材3、3Bにステッチ加飾部2、2Bが形成されたステッチ加飾付き内装部品1、1Bを形成することができる。
この場合、ステッチ加飾部2、2Bが長手方向で湾曲して3次元的に形状が変化していても、これを2次元形状に展開した上で、平面状態の長尺シート部材23、23Bを縫製することによって、表皮材3、3Bの所定位置に本縫いの縫製感を備えたステッチ加飾部2、2Bを形成することができ、本縫い作業や縫製装置を簡素化することもできる。
また、ステッチ加飾部2、2Bは、ステッチ加飾用の糸21、22、21BI、22BI、21BO、22BOが本縫いされた長尺シート部材23、23Bを表皮材3、3Bの所定位置に接着して形成したので、ステッチ加飾用の糸は、縫製された長尺シート部材23、23Bを介して表皮材3、3Bと接着し、その接着強度を増加させることができる。そのため、引っ掻きや摩擦等によって、ステッチ加飾用の糸が表皮材3、3Bから剥がれることを抑制することができる。
よって、本実施形態によれば、表皮成形と基材接着とステッチ加飾とを一工程ででき、本縫いの縫製感を備えたステッチ加飾部2、2Bを表皮材3、3Bの所定位置に安定して形成できるステッチ加飾付き内装部品1、1Bを提供することができる。
また、本実施形態によれば、ステッチ加飾部2Bは、複数のステッチ部2BI、2BOを有し、各ステッチ部2BI、2BOにおけるステッチ加飾用の糸21BI、22BI、21BO、22BOが本縫いされた長尺シート部材23Bを表皮材3Bの表面に接着して形成したので、複数のステッチ部2BI、2BOを1又は2以上の長尺シート部材23Bに形成した上で、当該長尺シート部材を表皮材3Bの所定位置に接着することによって、複数のステッチ部2BI、2BOを有するステッチ加飾部2Bを表皮材3Bに簡単に形成することができる。本第2実施例では、長尺シート部材23Bを構成する2つに分割した長尺シート片23B1、23B2を重ね合わせてインナステッチ用の糸21BI、22BIを縫製し、その後、インナステッチ用の糸21BI、22BIを裏面側とし、これを中心に2つの長尺シート片23B1、23B2を幅方向へ開いてその幅方向両端部にアウトステッチ用の糸21BO、22BOを縫製することができる。この場合、2つの長尺シート片23B1、23B2を2次元形状に重ね合せた状態又は展開した状態で、各ステッチ部2BI、2BOにおけるステッチ加飾用の糸21BI、22BI、21BO、22BOを本縫いできる。その結果、各ステッチ部2BI、2BOにおけるステッチ加飾用の糸を本縫いした長尺シート部材23Bを同時に表皮材3Bに接着でき、複数のステッチ部2BI、2BOを有するステッチ加飾部2Bを、より一層簡単に表皮材3Bに形成することができる。
また、本実施形態によれば、長尺シート部材23、23Bの幅方向外縁部231、231Bは、表皮材表面に形成された凹状溝321、321BO内に接着されているので、長尺シート部材23、23Bの幅方向外縁部231、231Bを外部から見え難くさせることができる。そのため、ステッチ加飾用の糸21、22、21BI、22BI、21BO、22BOが表皮材3、3Bに直接的に縫製されたような本縫いの縫製感を得やすくさせることができる。その結果、見栄えの良いステッチ加飾部2、2Bを表皮材3、3Bに形成することができる。なお、長尺シート部材23、23Bの幅方向外縁部231、231Bは、ステッチ加飾用の上糸21、21BOに対して幅方向への突出量d1が1mm以内に形成されていることが好ましい。
また、本実施形態によれば、凹状溝321、321BOは、長尺シート部材23、23Bの幅方向外縁部231、231Bに隣接した位置で表皮材3、3Bをその表面側へ膨出させて形成したので、長尺シート部材23、23Bの幅方向外縁部231、231Bを表皮材3、3Bの表面側へ膨出させた表皮材膨出部322、322Bによって、より一層外部から見え難くさせることができる。そのため、ステッチ加飾用の糸21、22、21BI、22BI、21BO、22BOが表皮材3、3Bに直接的に縫製されたような本縫いの縫製感を、更に得やすくさせることができる。その結果、より一層見栄えの良いステッチ加飾部2、2Bを表皮材3、3Bに形成することができる。
また、他の実施形態に係るステッチ加飾付き内装部品の製造方法よれば、基材4を保持する基材保持型51と、長尺シート部材23、23Bと表皮材3、3Bとを基材4に押圧する表皮材押圧型52と、当該表皮材押圧型にステッチ加飾用の上糸21、21BOを挿入可能に形成された糸溝526とを備え、糸溝526には長尺シート部材23,23Bに予め本縫いされたステッチ加飾用の上糸21、21BOを挿入した状態で、基材4と表皮材3、3Bとを所定位置にそれぞれセットした後、基材保持型51と表皮材押圧型52とを型閉じさせて、基材表面に表皮材3、3Bを接着させ、かつ長尺シート部材23、23Bを表皮材表面に接着させるので、ステッチ加飾用の糸21、22、21BI、22BI、21BO、22BOが本縫いされた長尺シート部材23、23Bを表皮材3、3Bとともに基材4に押圧して、表皮成形と基材接着とを同時に行いながら、表皮材3、3Bにステッチ加飾部2、2Bが形成されたステッチ加飾付き内装部品1、1Bを形成することができる。
また、糸溝526には長尺シート部材23、23Bに予め本縫いされたステッチ加飾用の上糸21、21BOを挿入した状態で、長尺シート部材23,23Bを表皮材表面に接着させるので、長尺シート部材23,23Bに本縫いされた上糸が糸溝526に位置規制されて、ステッチ加飾部2、2Bを表皮材3、3Bの所定位置に安定して形成することができる。
よって、本他の実施形態によれば、表皮成形と基材接着とステッチ加飾とを一工程ででき、本縫いの縫製感を備えたステッチ加飾部2、2Bを表皮材3、3Bの所定位置に安定して形成できるステッチ加飾付き内装部品1、1Bの製造方法を提供することができる。
また、本他の実施形態によれば、長尺シート部材23、23Bに本縫いされた上糸21、21BOを糸溝526に形成した糸吸引孔527から真空吸引した状態で、基材保持型51と表皮材押圧型52とを型閉じさせるので、型閉じ途中の風圧等で、長尺シート部材23,23Bに本縫いされた上糸21、21BOが糸溝526から脱出することを抑制することができる。そのため、長尺シート部材23、23Bは、表皮材押圧型52の所定の位置に規制された状態を保持しつつ、表皮材3、3Bに押圧される。その結果、ステッチ加飾部2、2Bを表皮材3、3Bの所定位置により一層安定して形成することができる。
また、本他の実施形態によれば、長尺シート部材23、23Bに本縫いされた上糸21、21BOを糸溝526に埋設した糸固定装置53によって固定した状態で、基材保持型51と表皮材押圧型52とを型閉じさせるので、長尺シート部材23、23Bを表皮材押圧型52の所定の位置にセットしたとき、長尺シート部材23、23Bが3次元的に湾曲していても、上糸21、21BOを糸固定装置53によって固定することによって、上糸21、21BOを糸溝526からズレ難くさせることができる。そのため、長尺シート部材23、23Bは、表皮材押圧型52の所定の位置に規制された状態を保持しつつ、表皮材3、3Bに押圧される。その結果、ステッチ加飾部2、2Bを表皮材3、3Bの所定位置により一層安定して形成することができる。
上述した実施形態は、本発明の要旨を変更しない範囲で変更することができる。
例えば、上記実施形態では、糸固定装置53には、長尺シート部材23に本縫いされた上糸21を貫通する針部531を備えているが、糸を固定する手段は、必ずしも針部に限らなくてもよい。例えば、上糸21を係止する爪部でもよい。
本発明は、例えば、車両のインパネやコンソールボックス等として使用されるステッチ加飾付き内装部品及びその製造方法として利用できる。
1、1B ステッチ加飾付き内装部品(インパネ)
2、2B ステッチ加飾部
2BI インナステッチ部(ステッチ部)
2BO アウトステッチ部(ステッチ部)
3、3B 表皮材
4 基材
5 真空成形型
21、21BO 糸(上糸)
22、22BO 糸(下糸)
21BI、22BI 糸
23、23B 長尺シート部材
51 基材保持型(上型)
52 表皮材押圧型(下型)
53 糸固定装置
231、231B 幅方向外縁部
321、321BO 凹状溝
332、322B 表皮材膨出部
526 糸溝
527 糸吸引孔
531 針部

Claims (6)

  1. 基材の表面に表皮材が接着され、当該表皮材にステッチ加飾部が形成されたステッチ加飾付き内装部品であって、
    前記ステッチ加飾部は、ステッチ加飾用の糸が本縫いされた長尺シート部材を前記表皮材の表面に接着して形成したこと
    前記ステッチ加飾用の糸は、前記長尺シート部材の表面側に縫製される上糸と、前記長尺シート部材の裏面側に縫製される下糸とからなり、前記長尺シート部材の幅方向外縁部は、前記上糸に隠蔽されるように、前記上糸の下方の外周面に沿って湾曲し、表皮材表面に形成された凹状溝内に接着されていることを特徴とするステッチ加飾付き内装部品。
  2. 請求項1に記載されたステッチ加飾付き内装部品において、
    前記ステッチ加飾部は、複数のステッチ部を有し、各ステッチ部におけるステッチ加飾用の糸が本縫いされた長尺シート部材を前記表皮材の表面に接着して形成したことを特徴とするステッチ加飾付き内装部品。
  3. 請求項1又は請求項2に記載されたステッチ加飾付き内装部品において、
    前記凹状溝は、前記長尺シート部材の幅方向外縁部に隣接した位置で前記表皮材をその表面側へ膨出させて形成したことを特徴とするステッチ加飾付き内装部品。
  4. 請求項1乃至請求項のいずれか1項に記載されたステッチ加飾付き内装部品の製造方法であって、
    前記基材を保持する基材保持型と、前記長尺シート部材と前記表皮材とを前記基材に押圧する表皮材押圧型と、当該表皮材押圧型に前記ステッチ加飾用の上糸を挿入可能に形成された糸溝とを備え、前記糸溝には前記長尺シート部材に予め本縫いされた前記ステッチ加飾用の上糸を挿入した状態で、前記基材と前記表皮材とを所定位置にそれぞれセットした後、前記基材保持型と前記表皮材押圧型とを型閉じさせて、前記基材表面に前記表皮材を接着させ、かつ前記長尺シート部材を前記表皮材表面に接着させることを特徴とするステッチ加飾付き内装部品の製造方法。
  5. 請求項に記載されたステッチ加飾付き内装部品の製造方法であって、
    前記長尺シート部材に本縫いされた上糸を前記糸溝に形成した糸吸引孔から真空吸引した状態で、前記基材保持型と前記表皮材押圧型とを型閉じさせることを特徴とするステッチ加飾付き内装部品の製造方法。
  6. 請求項又は請求項に記載されたステッチ加飾付き内装部品の製造方法であって、
    前記長尺シート部材に本縫いされた上糸を前記糸溝に埋設した糸固定装置によって固定した状態で、前記基材保持型と前記表皮材押圧型とを型閉じさせることを特徴とするステッチ加飾付き内装部品の製造方法。
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