JP5966908B2 - 内装部品の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、内装部品の製造方法及び内装部品に関する。特に、糸目模様が形成された内装部品の製造方法及び内装部品に関する。
例えば、自動車の内装部品において、柔らかい材質の表皮材で覆われたインストルメントパネルやコンソールボックス等の表面には、シボ模様及び糸目模様(例えば、ステッチ加飾部)を施すことによって、デザイン上の見栄えを向上し、高級感やソフト感を醸す工夫がなされている。
一般に、シボ模様と糸目模様(ステッチ加飾部)の両方を形成した内装部品は、図14(a)〜(g)に示すように、基材成形工程、表皮成形工程、ステッチ加飾工程、及び基材接着工程を経て製造されている。 すなわち、図14(a)、(b)に示すように、射出成形機111から射出成形型112に溶融樹脂を注入し、射出成形することによって所定の形状に賦形された基材113を形成する(基材成形工程)。また、図14(c)、(d)に示すように、表皮材114を加熱装置115で加熱した後に、真空成形型116にて基材113に相応する形状に表皮材114を賦形するとともに、表皮材114の表面にシボ模様を転写する(表皮成形工程)。その後、図14(e)に示すように、表皮材114の外端を切断したうえ、ミシン117にて糸を縫製して表皮材114にステッチ加飾部を形成する(ステッチ加飾工程)。最後に、図14(f)に示すように、プレス圧着型118の雄型に基材113をセットして塗布機119にて接着剤を基材表面に塗布し、図14(g)に示すように、プレス圧着型118の雌型に吸着した表皮材114を、雄型の基材113に押圧して、表皮材114と基材113とを接着する(基材接着工程)。
このように、シボ模様及び糸目模様(例えば、ステッチ加飾部)を有する内装部品を製造するためには、表皮材の成形品にミシン掛けして糸目模様を施したものを基材に貼り合わせるため、表皮成形工程と基材接着工程とを同一工程で行うことができない。そのため、シボ模様のみの内装部品に比べて型数及び工程数が大幅に増加することになる。その結果、生産コストが大幅に増大する問題があった。
そこで、本発明者らは、糸目模様を有する内装部品において、ミシン縫製以外で糸目模様を施す製造方法を鋭意検討してきた。
例えば、ミシン縫製以外で糸目模様(ステッチ加飾部)を形成する製造方法として、基材(表皮材を含む)の表面に糸を配置し、基材の裏面に当接する一方の電極と、糸を押圧する突起部を形成した他方の電極とを備えた高周波溶着装置を用いて、基材及び糸の少なくとも一方を部分的に溶融させて、糸を基材に対してステッチ模様の縫目に相当する間隔をあけて固着一体化せしめる製造方法が、特許文献1に開示されている。
また、パウダースラッシュ成形型の型面の所定位置に、内面に糸目模様の形成された細長い部材装着溝を設け、部材装着溝に所要色の糸状プラスチック部材を装着した後、成形型内に熱可塑性プラスチックパウダーを投入し、パウダースラッシュ成形法により、型面に溶融プラスチック皮膜を形成すると共に糸状プラスチック部材の表面に溝内面の糸目模様を形成して、溶融プラスチック皮膜と糸状プラスチック部材を一体に融着する製造方法が、特許文献2に開示されている。
特開昭63−199640号公報 特開平10−249868号公報
しかしながら、特許文献1、2の技術には、以下のような問題があった。
すなわち、特許文献1の技術は、高周波溶着装置を用いて基材及び糸の少なくとも一方を部分的に溶融させて、糸を基材に対してステッチ模様の縫目に相当する間隔をあけて固着一体化せしめる方法であるので、細い繊維を撚り合わせて形成する通常の撚り糸を用いると、糸が溶融した時に細い繊維が部分的に溶断されたり、糸が変形するおそれがあった。したがって、糸目模様における糸と表皮材との接合強度が低下しやすいという問題があった。
また、特許文献2の技術は、パウダースラッシュ成形型の型面の所定位置に、内面に糸目模様の形成された細長い部材装着溝を設け、部材装着溝に所要色の糸状プラスチック部材を装着した後、パウダースラッシュ成形法により、型面に溶融プラスチック皮膜を形成すると共に糸状プラスチック部材の表面に溝内面の糸目模様を形成する方法であるので、糸状プラスチック部材の表面に糸目模様が十分転写されない箇所が生じるおそれがあった。したがって、形成された糸目模様において、本物の撚り糸のような見栄えを得にくいという問題があった。
本発明は、上記問題点を解決するためになされたものであり、糸目模様における糸と表皮材との接合強度を維持しつつ、糸目模様の見栄えを向上することができる内装部品の製造方法及び内装部品を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明に係る内装部品の製造方法及び内装部品は、次のような構成を有している。
(1)表面に糸目模様を形成する内装部品の製造方法であって、
前記糸目模様は、複数の凸部が螺旋形状に形成された撚り目模様を有する疑似糸を前記内装部品の表皮材に接合して形成することを特徴とする。
本発明においては、糸目模様は、複数の凸部が螺旋形状に形成された撚り目模様を有する疑似糸を内装部品の表皮材に接合して形成するので、細い繊維を撚り合わせて形成する通常の撚り糸と異なり、疑似糸の溶断や変形が生じにくく、疑似糸と表皮材との必要な接合強度を確保することができる。また、疑似糸自体が、複数の凸部が螺旋形状に形成された撚り目模様を有するので、糸を表皮材に接合したときにも糸全体に撚り目模様が残り、糸目模様の見栄えを向上させることができる。
なお、疑似糸の複数の凸部が、略同一の三角形状が集合した星型形状を構成することによって、通常の撚り糸の撚り目模様に近似させることができるので、糸目模様の見栄えを一層向上させることができる。
(2)(1)に記載された内装部品の製造方法において、
前記疑似糸の螺旋形状は、射出成形機から射出成形糸を押出すときに射出口の口金を回転させながら冷却して形成することを特徴とする。
本発明においては、疑似糸の螺旋形状は、射出成形機から射出成形糸を押出すときに射出口の口金を回転させながら冷却して形成するので、撚り目模様に近似した疑似糸を均一な断面で形成することができる。また、射出口の口金を回転する速度や開口断面の形状を変更することで、疑似糸における必要な撚り目模様を簡単に形成することができる。また、糸目模様における見栄えを考慮しながら、疑似糸と表皮材との溶融状態を最適化して接合強度を高めることができる。
(3)(1)又は(2)に記載された内装部品の製造方法において、
前記疑似糸は、前記内装部品の表皮材と基材とを接着する表皮成形同時基材接着工程にて、表皮材に接合させることを特徴とする。
本発明においては、疑似糸は、内装部品の表皮材と基材とを接着する表皮成形同時基材接着工程にて、表皮材に接合させるので、例えば真空成形型を用いて表皮材を成形すると同時に基材表面に表皮材を接着する間に、内装部品の糸目模様(例えば、ステッチ加飾部)を併せて形成することができる。また、表皮材と基材とを接着する間に、内装部品の糸目模様(例えば、ステッチ加飾部)を形成するので、糸目模様(例えば、ステッチ加飾部)を形成するために新たな成形装置を備える必要がなく、糸目模様(例えば、ステッチ加飾部)の形成によって、内装部品における表皮材成形同時基材接着工程に時間的ロスが生じることもない。
(4)(1)乃至(3)のいずれか1つに記載された内装部品の製造方法によって製造された内装部品であって、
前記表皮材と前記疑似糸とは、共に熱可塑性エラストマからなることを特徴とする。
本発明においては、表皮材と疑似糸とは、共に熱可塑性エラストマからなるので、同材質で溶融温度が互いに等しい。したがって、熱溶着によって表皮材に疑似糸を接合させるとき、接触部において表皮材と疑似糸が共に溶融し合って接合強度を高めることができる。また、疑似糸を所定の間隔で表皮材の内部に押し込むことによってステッチ加飾部を形成するときでも、表皮材と疑似糸の延伸性が同レベルの値で高いので、疑似糸が切れたり表皮材が破れたりすることが少ない。したがって、糸目模様における疑似糸と表皮材との接合強度を維持しつつ、糸目模様の見栄えを向上することができる。
本発明によれば、糸目模様における糸と表皮材との接合強度を維持しつつ、糸目模様の見栄えを向上することができる内装部品の製造方法及び内装部品を提供することができる。
本発明に係る実施形態を適用するステッチ加飾付き内装部品の斜視図である。 図1のステッチ加飾付き内装部品におけるステッチ加飾部の模式的断面図である。 図1のステッチ加飾付き内装部品の製造工程を表す模式的断面図である。 図3(c)に示す真空成形型の凹溝を表す部分斜視図である。 図3(c)に示す真空成形型の熱刃を表す部分斜視図である。 図5における熱刃の突起部詳細図である。 図2に示すステッチ加飾用の疑似糸を製造する方法を表す模式図である。 図3(f)に示す真空成形型の表皮成形時における部分断面図である。 図8におけるA部断面図である。 図8におけるB部断面図である。 図3(f)に示す真空成形型のステッチ加飾成形時における部分断面図である。 図11におけるC部断面図である。 図11におけるD部断面図である。 従来のステッチ加飾付き内装部品の製造工程を表す模式的断面図である。
次に、本発明に係る実施形態である内装部品の製造方法及び内装部品について、図面を参照して詳細に説明する。
<ステッチ加飾付き内装部品の構造>
まず、本発明に係る実施形態であるステッチ加飾付き内装部品について、自動車のインストルメントパネルの例でその構造を説明する。図1に、本発明に係る実施形態を適用するステッチ加飾付き内装部品の斜視図を示す。図2に、図1のステッチ加飾付き内装部品におけるステッチ加飾部の模式的断面図を示す。
図1に示すように、ステッチ加飾付き内装部品のインストルメントパネル1は、フロントガラス下端から運転席及び助手席の正面を覆う略L字状断面をした内装部品である。インストルメントパネル1は、運転席及び助手席の正面に位置するため、デザイン上の工夫を凝らした内装部品の顔ともいえる。インストルメントパネル1には、前端がフロンドガラスに当接するアッパーパネル部11、車両中央でカーナビやエアコン等の操作部を搭載するセンタークラスタ部12、運転席の正面でスピードメータ等を搭載するメータークラスタ部13、メータークラスタ部13の下方を覆うロアパネル部14、助手席の正面を覆うサイドパネル部15、及びサイドパネル部の下方を覆う収納部16を備えている。
インストルメントパネル1は、全体形状を形成する基材の上に、装飾用の表皮材が接着されている。表皮材には、高級感やソフト感を醸すため、シボ模様が形成されている。また、本革仕様の雰囲気が生じるように、表皮材に糸の縫目に近似したステッチ加飾部17が形成されている。例えば、図1に示すインストルメントパネル1には、アッパーパネル部11と、センタークラスタ部12、メータークラスタ部13、及びサイドパネル部15との境界線に沿ってステッチ加飾部17が形成されている。
図2に示すように、ステッチ加飾部17は、複数の凸部が螺旋形状に形成された撚り目模様を有する1本の疑似糸2を6〜8mm程度の間隔で局部的に表皮材3の内部に食い込ませて形成されている。疑似糸2は、表皮材3に接触する箇所で溶着されている。疑似糸2は、5個の凸部(三角形状)が周方向で等間隔に形成された略星型の断面形状をなしている。星型断面の最大径が1.0〜1.5mm程度である。疑似糸2の材質は、オレフィン系エラストマ(TPO)である。疑似糸2の伸び率は、700〜1000%程度である(JIS規格 K7113に準拠、但しチャック部の間隔は15mmに設定)。
表皮材3は、上下で2層構造をなしている。基材4に接着される第1層31は、3mm程度の厚さを有するポリプロピレンフォーム(PPF)であり、第1層31の上に形成される第2層32は、0.6mm程度の厚さを有するオレフィン系エラストマ(TPO)である。
基材4と接着する第1層31はポリプロピレンフォーム(PPF)からなるので、後述する熱刃が疑似糸2を表皮材3の内部に押し込むとき、発砲層からなる第1層31が大きく変形して、ステッチ加飾される疑似糸2の縫目を表皮材3の内部に深く侵入させることができる。また、第1層31の上に形成された第2層32と疑似糸2とは、共にオレフィン系エラストマ(TPO)からなるので、疑似糸2の縫目を表皮材3の内部に深く侵入させるときでも、第2層32と疑似糸2の延伸性が同レベルの値で高いので、疑似糸2の伸びと、疑似糸2と接触する第2層32の接触部321での伸びとが、互いに釣り合うことができる。その結果、後述する熱刃が疑似糸2を表皮材3の内部に押し込むとき、疑似糸2が切れたり表皮材3が破れたりすることが少ない。
なお、ステッチ加飾用の疑似糸2は、塩化ビニール系又はスチレン系の熱可塑性エラストマとすることもできる。その場合、表皮材3の第2層32を、同質の塩化ビニール系又はスチレン系の熱可塑性エラストマとすることが好ましい。また、ステッチ加飾用の疑似糸2を、表皮材3の第2層32の色と異なる色に着色することで、更にデザイン性を向上させることもできる。
<ステッチ加飾付き内装部品の製造方法>
次に、ステッチ加飾付き内装部品の製造方法を説明する。図3に、図1のステッチ加飾付き内装部品の製造工程を表す模式的断面図を示す。
本実施形態に係るステッチ加飾付き内装部品1は、図3(a)〜(f)に示すように、基材成形工程、及び表皮成形同時基材接着工程によって製造することができる。
すなわち、図3(a)、(b)に示すように、基材用射出成形機41から射出成形型42に溶融樹脂を注入し、射出成形によって所定の形状に賦形された基材4を形成する(基材成形工程)。そして、図3(c)に示すように、真空成形型5を型開き状態にして、上型51に基材4を取り付ける。上型51は、樹脂製又はアルミ鋳造製である。
また、真空成形型5の下型52には、表皮材3を成形する型面522にステッチ加飾用の疑似糸2を挿入する凹溝521が形成され、該凹溝521内に挿入したステッチ加飾用の疑似糸2を表皮材3の内部に押し込む熱刃53を備えている。ステッチ加飾用の疑似糸2は、凹溝521内に挿入する。型面522には、シボ模様が刻設されている。下型52は、ポーラス電鋳製である。熱刃53は、工具鋼等を機械加工して作製する。熱刃53は、図示しない加熱器によって、所定の温度に加熱されている。
また、図3(d)に示すように、上面に接着剤を塗布した表皮材3の外端を加熱装置6の保持部63で水平状に保持し、上下方向から加熱部61、62にて加熱する。加熱装置6は、真空成形型5に隣接して配置されている。
次に、図3(e)に示すように、表皮材3は、加熱された状態で保持部63によって真空成形型5の下型52上へ移送される。
その後、図3(f)に示すように、上型51に取り付けた基材4に表皮材3を重ね合わせて真空成形型5を型閉じ状態にして、下型52から吸引することで、表皮材3の表面へシボ転写を行いながら基材形状に沿わせる成形を行う。また、型閉じ状態に所定の時間保持して、表皮材3と基材4とを接着する。真空成形型5を型閉じ状態にして表皮材3と基材4とを接着する間に、熱刃53を上昇させて、凹溝521内に挿入したステッチ加飾用の疑似糸2を表皮材3の内部に押し込む。表皮材3の内部に押し込まれた疑似糸2は、熱刃53の熱によって表皮材3と溶着される。その結果、ステッチ加飾を含む表皮成形と基材接着とを同時に行うことができる(表皮成形同時基材接着工程)。
以上のように、ステッチ加飾部とシボ模様を形成した内装部品を製造する。本製造方法であれば、射出成形型42を有する基材成形工程と真空成形型5を有する表皮成形同時基材接着工程を備えればよく、ステッチ加飾付き内装部品を2型2工程で簡単に製造することができる。
<ステッチ加飾部の成形方法>
次に、本実施形態におけるステッチ加飾部の成形方法について、詳細に説明する。図4に、図3(c)に示す真空成形型の凹溝を表す部分斜視図を示す。図5に、図3(c)に示す真空成形型の熱刃を表す部分斜視図を示す。図6に、図5における熱刃の突起部詳細図を示す。図7に、図2に示すステッチ加飾用の疑似糸を製造する方法を表す模式図を示す。図8に、図3(f)に示す真空成形型の表皮成形時における部分断面図を示す。図9に、図8におけるA部断面図を示す。図10に、図8におけるB部断面図を示す。図11に、図3(f)に示す真空成形型のステッチ加飾成形時における部分断面図を示す。図12に、図11におけるC部断面図を示す。図13に、図11におけるD部断面図を示す。
図4に示すように、真空成形型5の下型52には、表皮材3を成形する型面522にステッチ加飾用の疑似糸2を挿入する凹溝521が形成されている。凹溝521の幅は、ステッチ加飾用の疑似糸2の最大径と同程度である。凹溝521は、下型52の型面522に形成されている。また、下型52は、ポーラス状の微細な吸引孔を有する電鋳型である。下型52は、図示しない真空ポンプに連結されている。
また、真空成形型5の下型52には、該凹溝521内に挿入したステッチ加飾用の疑似糸2を表皮材3の内部に押し込む熱刃53を備えている。図4では、熱刃53が下方に位置した状態である。熱刃53は、上下方向(矢印Kの方向)にスライドする。熱刃53のスライド量は、表皮材3の厚さと同程度の長さである。ここで、疑似糸2を表皮材3の内部に押し込むことは、疑似糸2の一部若しくは全部が表皮材3に囲まれた状態、又は、疑似糸2の一部若しくは全部が表皮材3の中に侵入した状態を意味する。
図4、図5に示すように、熱刃53には、上端にステッチ加飾用の疑似糸2を表皮材3に押し込む鋭角状の突起部531が縫目に相応する位置に所定の間隔を空けて、並列状に形成されている。熱刃53は、鋭角状の突起部531と突起部531の間が下方に湾曲する湾曲面で形成された連結部532を有する。また、図6に示すように、突起部531の先端531aには、半径が0.3mm程度の微小Rに形成されている。また、鋭角状に形成された突起部531の傾斜面531bの内角θは、5〜15度程度が好ましい。突起部531の連結部532の湾曲面中央に対する高さは、3mm程度で、突起部531の間隔は、6〜8mm程度が好ましい。
図7に示すように、ステッチ加飾用の疑似糸2は、糸用射出成形機7を用いて押出し成形された射出成形糸72を所定の長さに切断して作製する。疑似糸2は、複数の凸部が螺旋形状に形成された撚り目模様を有する1本の疑似糸である。疑似糸2の螺旋形状は、糸用射出成形機7から射出成形糸72を押出すときに射出口の口金71を矢印R方向に回転させながら冷却して形成する。射出成形糸72の断面は、略一定である。また、射出口の口金71を回転する速度や開口断面の形状を変更することで、必要な撚り目模様を簡単に形成することができる。
図8、図9、図10に示すように、上型51に取り付けた基材4に表皮材3の第1層31、第2層32を重ね合わせて型閉じ状態にした段階では、熱刃53は下方に位置している。熱刃53に備える突起部531の先端531aが、ステッチ加飾用の疑似糸2に当接している。型閉じ当初の段階では、ステッチ加飾用の疑似糸2は、表皮材3の内部に押し込まれていない。そのため、真空成形型5の下型52から吸引することで、表皮材3の第2層32の表面へ確実にシボ転写が行なわれ、かつ、基材形状に沿わせる成形が行われる。また、真空成形型5は、型閉じ状態に所定の時間保持して、表皮材3と基材4とを接着する。所定の型閉じ時間は、50〜100秒程度である。
図11、図12、図13に示すように、型閉じ状態を保持している間に、熱刃53を上方に移動し、ステッチ加飾部17の成形を行う。鋭角状の突起部531が縫目21に相応する位置で上昇することによって、ステッチ加飾された疑似糸2の縫目21は、ミシンで縫製されたように表皮材3の内部へ深く押し込まれていく。このとき、熱刃53は、疑似糸2の融点又はそれ以上の温度まで加熱されている。加熱された熱刃53に当接する疑似糸2は、柔軟性が増して縫目21の先端で鋭角状に屈曲する。
また、表皮材3は2層構造であり、基材4と接着する第1層31は、発砲層からなるポリプロピレンフォーム(PPF)である。そのため、熱刃53が疑似糸2の縫目21を表皮材3の内部に押し込むとき、発砲層からなる第1層31の押し込み部311が大きく変形する。また、第2層32と疑似糸2とは、共にオレフィン系エラストマからなるので、疑似糸2の縫目21を表皮材3の内部に深く侵入させるときでも、第2層32と疑似糸2の延伸性が同レベルの値で高いので、疑似糸2の縫目21と、疑似糸2の縫目21と接触する第2層32の接触部321とが、互いに均等に伸びて、引張応力が釣り合う状態に保たれている。表皮材3の内部に食い込んだ疑似糸2の縫目21は、熱刃53の熱で溶融されて、第2層32の接触部321に溶着して接合される。
また、熱刃53は、鋭角状の突起部531と突起部531の間が下方に湾曲する湾曲面で形成された連結部532を有する。そのため、ステッチ加飾部17を形成するとき、連結部532が縫目21の渡り部22から離間して、突起部531の食い込みが、より一層局部的に行われている。また、連結部532が、疑似糸2の縫目21間の渡り部22を押圧しないので、疑似糸2の変形が少ない。
以上のように、真空成形型5を用いて表皮材3を成形すると同時に基材表面に表皮材3を接着する際、ステッチ加飾部17の形成が併せて行われている。その際、ステッチ加飾部17の疑似糸2と表皮材3との接合強度が、ミシン縫製と同程度に維持されている。
<作用効果>
以上、詳細に説明したように、本実施形態に係る内装部品1の製造方法によれば、糸目模様は、複数の凸部2Bが螺旋形状に形成された撚り目模様を有する疑似糸2を内装部品1の表皮材3に接合して形成するので、細い繊維を撚り合わせて形成する通常の撚り糸と異なり、疑似糸2の溶断や変形が生じにくく、疑似糸2と表皮材3との必要な接合強度を確保することができる。また、疑似糸2自体が、複数の凸部2Bが螺旋形状に形成された撚り目模様を有するので、疑似糸2を表皮材3に接合したときにも疑似糸2全体に撚り目模様が残り、糸目模様の見栄えを向上させることができる。
なお、疑似糸2の複数の凸部2Bが、略同一の三角形状が集合した星型形状を構成することによって、通常の撚り糸の撚り目模様に近似させることができるので、糸目模様の見栄えを一層向上させることができる。
また、本実施形態に係る内装部品1の製造方法によれば、疑似糸2の螺旋形状は、糸用射出成形機7から射出成形糸72を押出すときに射出口の口金71を回転させながら冷却して形成するので、撚り目模様に近似した疑似糸2を均一な断面で形成することができる。また、射出口の口金71を回転する速度や開口断面の形状を変更することで、疑似糸2における必要な撚り目模様を簡単に形成することができる。また、糸目模様における見栄えを考慮しながら、疑似糸2と表皮材3との溶融状態を最適化して接合強度を高めることができる。
また、本実施形態に係る内装部品1の製造方法によれば、疑似糸2は、内装部品1の表皮材3と基材4とを接着する表皮成形同時基材接着工程にて、表皮材3に接合させるので、真空成形型5を用いて表皮材3を成形すると同時に基材4表面に表皮材3を接着する間に、内装部品1の糸目模様であるステッチ加飾部17を併せて形成することができる。また、表皮材3と基材4とを接着する間に、内装部品1の糸目模様であるステッチ加飾部17を形成するので、糸目模様であるステッチ加飾部17を形成するために新たな成形装置を備える必要がなく、糸目模様であるステッチ加飾部17の形成によって、内装部品1における表皮材成形同時基材接着工程に時間的ロスが生じることもない。
また、本実施形態に係る内装部品1によれば、表皮材3と疑似糸2とは、共に熱可塑性エラストマからなるので、両者は同材質で溶融温度が互いに等しい。したがって、溶着によって表皮材3に疑似糸2を接合させるとき、接触部において表皮材3と疑似糸2が共に溶融し合って接合強度を高めることができる。また、疑似糸2を所定の間隔で表皮材3の内部に押し込むことによってステッチ加飾部17を形成するときでも、表皮材3と疑似糸2の延伸性が同レベルの値で高いので、疑似糸2が切れたり表皮材3が破れたりすることが少ない。したがって、糸目模様における疑似糸2と表皮材3との接合強度を維持しつつ、糸目模様の見栄えを向上することができる。
上述した実施形態は、本発明の要旨を変更しない範囲で変更することができる。
例えば、上記実施形態では、内装部品を自動車のインストルメントパネルに適用したが、これに限ることはない。例えば、ステッチ加飾付き内部部品であるコンソールボックスやドアトリム等の各種内装部品に適用することができる
本発明は、特に糸目模様が形成された内装部品の製造方法及び内装部品として利用できる。
1 インストルメントパネル(内装部品)
2 疑似糸
2B 凸部
3 表皮材
4 基材
5 真空成形型
6 加熱装置
7 糸用射出成形機
17 ステッチ加飾部
21 縫目
22 渡り部
31 第1層
32 第2層
51 上型
52 下型
53 熱刃
71 口金
72 射出成形糸
521 凹溝
522 型面
531 突起部

Claims (2)

  1. 表面に糸目模様を形成する内装部品の製造方法であって、
    前記糸目模様は、複数の凸部が螺旋形状に形成された撚り目模様を有する疑似糸を前記内装部品の表皮材に接合して形成すること
    前記疑似糸は、前記凸部が周方向で等間隔に形成された略星型の断面形状をなしていること、
    前記疑似糸は、前記内装部品の表皮材と基材とを接着する表皮成形同時基材接着工程にて、前記表皮材に接合させることを特徴とする内装部品の製造方法。
  2. 請求項1に記載された内装部品の製造方法において、
    前記疑似糸の螺旋形状は、射出成形機から射出成形糸を押出すときに射出口の口金を回転させながら冷却して形成することを特徴とする内装部品の製造方法。
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