JP2015229244A - 長尺体付き内装部品の真空成形型及びその真空成形方法 - Google Patents

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賢治 加藤
義久 山下
Yoshihisa Yamashita
義久 山下
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Abstract

【課題】例えば、ステッチ加飾部のような長尺体埋め込み部におけるデザイン上の見栄えを向上しつつ、表皮材への長尺体の埋め込み加工と基材への表皮材接着とを同時に行うことができる長尺体付き内装部品の真空成形型及びその真空成形方法を提供する。
【解決手段】基材4を保持し真空吸引可能な基材保持型(上型)51と、所要温度に加熱した表皮材3を基材表面に押圧し真空吸引可能な表皮材押圧型52とを備え、表皮材3を基材4に接着させる長尺体付き内装部品1の真空成形型5である。表皮材押圧型52には、表皮材を基材表面に押圧する表皮材押圧部521に埋め込み用の長尺体2を挿入する凹溝526が形成され、長尺体2を表皮材側へ押し込む入子53を凹溝内に移動可能に備えた。
【選択図】図3

Description

本発明は、例えば、表皮材に糸をステッチ加飾すると同時に、当該表皮材を基材に接着させる真空成形型及びその真空成形方法に関する。
例えば、自動車の内装部品において、柔らかい材質の表皮材で覆われたインストルメントパネルやコンソールボックス等の表面には、糸の縫い目を形成したステッチ加飾部を施すことによって、デザイン上の見栄えを向上し、高級感やソフト感を醸す工夫がなされている。
この場合、表皮材にステッチ加飾部のない内装部品は、図16(a)〜(d)に示すように、基材成形工程、及び表皮成形同時基材接着工程によって製造することができる。
すなわち、図16(a)、(b)に示すように、射出成形機111から射出成形型112に溶融樹脂を注入し、射出成形によって所定の形状に賦形された基材113を形成する(基材成形工程)。そして、図16(c)、(d)に示すように、下面に接着剤を塗布した表皮材114を加熱装置115にて加熱した後に、真空成形型116にセットした基材113に表皮材114を重ね合わせて吸引することで、表皮材114を基材形状に沿わせる成形と、同時に、表皮材114と基材113とを接着する(表皮成形同時基材接着工程)。このように、表皮材にステッチ加飾部のない内装部品であれば、2型2工程で簡単に製造することができる。
ところが、ステッチ加飾部を形成した内装部品は、図17(a)〜(g)に示すように、基材成形工程、表皮成形工程、ステッチ加飾工程、及び基材接着工程を経て製造されることになる。
すなわち、図17(a)、(b)に示すように、射出成形機111から射出成形型112に溶融樹脂を注入し、射出成形することによって所定の形状に賦形された基材113を形成する(基材成形工程)。また、図17(c)、(d)に示すように、表皮材114を加熱装置115で加熱した後に、真空成形型116にて基材113に相応する形状に表皮材114を賦形する(表皮成形工程)。その後、図17(e)に示すように、表皮材114の外端を切断したうえ、ミシン117にて糸を縫製して表皮材114にステッチ加飾部を形成する(ステッチ加飾工程)。最後に、図17(f)に示すように、プレス圧着型118の雄型に基材113をセットして塗布機119にて接着剤を基材表面に塗布し、図17(g)に示すように、プレス圧着型118の雌型に吸着した表皮材114を、雄型の基材113に押圧して、表皮材114と基材113とを接着する(基材接着工程)。このように、表皮材にステッチ加飾部を有する内装部品を製造するためには、3型4工程を要し、表皮材にステッチ加飾部のない内装部品に比べて型数及び工程数が大幅に増加することになっていた。そのため、生産コストが大幅に増大する問題があった。
表皮材にステッチ加飾部を有する内装部品を製造するために、型数及び工程数が大幅に増加する要因の1つは、表皮材の成形品にミシン掛けしてステッチ加飾部を施したものを基材に貼り合わせるため、表皮成形工程と基材接着工程とを同一工程で行うことができないからである。
そのため、本発明者らは、表皮材にステッチ加飾部を有する内装部品においても、表皮成形と同時に基材接着を可能とするため、ミシン縫製以外でステッチ加飾部を行う製造方法を鋭意検討してきた。
例えば、ミシン縫製以外でステッチ加飾部を形成する製造方法として、基材(表皮材を含む)の表面に糸を配置し、基材の裏面に当接する一方の電極と、糸を押圧する突起部を形成した他方の電極とを備えた高周波溶着装置を用いて、基材及び糸の少なくとも一方を部分的に溶融させて、糸を基材に対してステッチ模様の縫目に相当する間隔をあけて固着一体化せしめる製造方法が、特許文献1に開示されている。
特開昭63−199640号公報
しかしながら、特許文献1の技術には、以下のような問題があった。
すなわち、特許文献1の技術は、予め、真空成形型等によって表皮成形と基材接着とを行ってから、表皮付き基材の表面に糸を配置し、上記高周波溶着装置を用いて糸を基材に対してステッチ模様の縫目に相当する間隔をあけて固着一体化せしめる方法である。したがって、表皮材へのステッチ加飾と基材への表皮材接着とを同時に行えず、ステッチ加飾用に高周波溶着装置が必要となり、表皮成形同時基材接着工程とは別にステッチ加飾工程を追加しなければならないという問題があった。
また、表皮付き基材の表面上に糸を配置し、糸を他方の電極に形成した突起部で基材側に押し込む方法であるので、糸の位置決めが不安定となり、一定の位置にステッチ加飾部を施すことが困難であった。したがって、ステッチ加飾部におけるデザイン上の見栄えが低下しやすいという問題があった。
本発明は、上記問題点を解決するためになされたものであり、例えば、ステッチ加飾部のような長尺体埋め込み部におけるデザイン上の見栄えを向上しつつ、表皮材への長尺体の埋め込み加工と基材への表皮材接着とを同時に行うことができる長尺体付き内装部品の真空成形型及びその真空成形方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明に係る長尺体付き内装部品の真空成形型及びその真空成形方法は、次のような構成を有している。
(1)基材を保持し真空吸引可能な基材保持型と、所要温度に加熱した表皮材を基材表面に押圧し真空吸引可能な表皮材押圧型とを備え、前記表皮材を前記基材に接着させる長尺体付き内装部品の真空成形型であって、
前記表皮材押圧型には、前記表皮材を前記基材表面に押圧する表皮材押圧部に埋め込み用の長尺体を挿入する凹溝が形成され、前記長尺体を前記表皮材側へ押し込む入子を前記凹溝内に移動可能に備えたことを特徴とする。
本発明においては、表皮材押圧型には、表皮材を基材表面に押圧する表皮材押圧部に埋め込み用の長尺体を挿入する凹溝が形成されているので、表皮材押圧部に成形された凹溝内の所定位置に、埋め込み用の長尺体を正確に配置することができる。そのため、表皮材押圧部が表皮材を基材表面に押圧する際に、基材に対する埋め込み用の長尺体の位置ズレを回避させることができる。したがって、長尺体埋め込み部におけるデザイン上の見栄えを向上させることができる。
また、表皮材押圧型には、埋め込み用の長尺体を表皮材側へ押し込む突起部を有する入子を凹溝内に移動可能に備えたので、基材保持型と表皮材押圧型との型締めによって表皮材を基材表面に押圧すると同時に、凹溝内の入子を表皮材側へ移動させて、入子によって埋め込み用の長尺体を表皮材側へ押し込むことができる。そのため、表皮材への長尺体埋め込み加工と基材への表皮材接着とを同時に行うことができる。
よって、本発明によれば、長尺体埋め込み部におけるデザイン上の見栄えを向上しつつ、表皮材への長尺体埋め込み加工と基材への表皮材接着とを同時に行うことができる長尺体付き内装部品の真空成形型を提供することができる。
(2)(1)に記載された長尺体付き内装部品の真空成形型において、
前記表皮材押圧型は、前記基材保持型に対して下方に位置することを特徴とする。
本発明においては、表皮材押圧型は、基材保持型に対して下方に位置するので、埋め込み用の長尺体を凹溝内に挿入しやすく、凹溝内に挿入した埋め込み用の長尺体が、基材保持型と表皮材押圧型との型締め時、位置ズレしにくい。また、加熱された表皮材が埋め込み用の長尺体を包み込み、入子によって埋め込み用の長尺体を表皮材側に押し込む際に、長尺体と表皮材が馴染みやすくなる。
よって、本発明によれば、長尺体埋め込み部におけるデザイン上の見栄えを、より一層安定して向上することができる。
(3)(1)又は(2)に記載された長尺体付き内装部品の真空成形型において、
前記長尺体は、ステッチ加飾用の糸であり、前記入子には、前記ステッチ加飾の縫目に対応する位置に突起部が形成されたことを特徴とする。
本発明においては、長尺体は、ステッチ加飾用の糸であり、入子には、ステッチ加飾の縫目に対応する位置に突起部が形成されたので、表皮材にステッチ加飾された糸を、縫目の位置で表皮材側へ深く押し込むことができる。
よって、本発明によれば、ステッチ加飾部の見栄えを、より一層安定して向上することができる。
(4)(3)に記載された長尺体付き内装部品の真空成形型において、
前記突起部は、先端に微小Rが形成された鋭角状の傾斜面を備えることを特徴とする。
本発明においては、突起部は、先端に微小Rが形成された鋭角状の傾斜面を備えるので、表皮材にステッチ加飾された糸の縫目を、ミシンで縫製されたように表皮材側へ深く押し込むことができる。なお、突起部の先端に形成された微小Rは、半径が0.3〜0.5mm程度で、傾斜面の内角は、5〜15度程度が好ましい。微小Rの半径を0.3〜0.5mm程度で、傾斜面の内角を5〜15度程度とすることによって、表皮材側に食い込む糸の傾斜角を、より垂直状態に近づけることができる。これによって、ステッチ加飾部における縫目を、本物のミシン縫製に近似させることができる。
よって、本発明によれば、ステッチ加飾部の糸の縫目に対する見栄えを、より一層安定して向上することができる。
なお、入子は、鋭角状の突起部と突起部の間が突起部と反対側へ湾曲する湾曲面で形成された連結部を有することが好ましい。入子が、突起部と突起部の間を突起部と反対側へ湾曲する湾曲面で形成された連結部を有することによって、ステッチ加飾部を形成するとき、連結部が糸から離間して、突起部の食い込みを、より一層局部的に行うことができる。
(5)(1)乃至(4)のいずれか1つに記載された長尺体付き内装部品の真空成形型において、
前記表皮材押圧型には、前記凹溝と連通する長尺体吸引機構を設けたことを特徴とする。
本発明においては、表皮材押圧型には、凹溝と連通する長尺体吸引機構を設けたので、型締めまでの段階で、長尺体吸引機構を介して凹溝内に挿入する長尺体を吸引することができる。そのため、長尺体が細くて柔らかい場合においても、長尺体を、長尺体埋め込み部に沿って形成された凹溝内に挿入しやすく、かつ、挿入した長尺体の凹溝外への飛び出しを防止することができる。
よって、本発明によれば、長尺体埋め込み部における長尺体の凹溝内への挿入時間の短縮と、長尺体の位置ズレをより一層低減して、生産性を高めるとともに、長尺体埋め込み部におけるデザイン上の見栄えを、より一層安定して向上することができる。
(6)(5)に記載された長尺体付き内装部品の真空成形型において、
前記表皮材押圧型の前記表皮材を押圧する表皮材押圧部は、ポーラス状の電鋳殻で被覆され、当該電鋳殻の裏面側に前記長尺体吸引機構を設けたことを特徴とする。
本発明においては、表皮材押圧型の表皮材を押圧する表皮材押圧部は、ポーラス状の電鋳殻で被覆されたので、凹溝を電鋳殻で一体的に被覆することができる。また、一般に、電鋳殻は反転モデルに積層させる方法で製造されるので、電鋳殻が反転モデルに積層された状態において、電鋳殻の裏面(表皮材押圧部と当接する面)から、凹溝の電鋳殻を貫通する吸気孔を、例えば、レーザ加工等によって簡単に形成することができる。
また、電鋳殻の裏面側に糸吸引機構を設けたので、凹溝を被覆する電鋳殻に形成した吸気孔を介して、凹溝と長尺体吸引機構とを容易に連通させることができる。
よって、本発明によれば、表皮材押圧型には、凹溝と連通する長尺体吸引機構を簡単かつ低コストで設けることができ、長尺体埋め込み部におけるデザイン上の見栄えを、より一層安定して向上することができる。
(7)(5)又は(6)に記載された長尺体付き内装部品の真空成形型を用いる真空成形方法であって、
前記凹溝内に前記長尺体を挿入する工程と、前記真空成形型を型締めして前記表皮材を前記基材に押圧する工程と、前記表皮材押圧型から真空吸引するとともに前記入子が前記長尺体を前記表皮材側へ押し込む工程とを備え、
前記凹溝内に前記長尺体を挿入するときから前記真空成形型を型締め完了するまでの間で、前記長尺体吸引機構が前記長尺体を吸引することを特徴とする。
本発明においては、凹溝内に長尺体を挿入する工程と、真空成形型を型締めして表皮材を基材に押圧する工程と、表皮材押圧型から真空吸引するとともに入子が長尺体を表皮材側へ押し込む工程とを備えたので、凹溝内の所定位置に、埋め込み用の長尺体を正確に配置することができ、かつ、真空成形型の型締めによって表皮材を基材表面に押圧すると同時に、凹溝内を移動する入子によって埋め込み用の長尺体を表皮材側へ押し込むことができる。
また、凹溝内に長尺体を挿入するときから真空成形型を型締め完了するまでの間で、長尺体吸引機構が長尺体を吸引するので、埋め込み用の長尺体を凹溝内に挿入しやすく、かつ、挿入した埋め込み用の長尺体が凹溝内からの飛び出すことを、簡単に防止することができる。
また、長尺体吸引機構が長尺体を吸引するのは、真空成形型を型締め完了するまでの間であるので、長尺体吸引機構による長尺体の吸引が、表皮材の真空吸引や長尺体の埋め込み加工に影響を及ぼさない。
よって、本発明によれば、長尺体埋め込み部におけるデザイン上の見栄えを向上しつつ、表皮材への長尺体の埋め込み加工と基材への表皮材接着とを同時に行うことができる長尺体付き内装部品の真空成形型を用いる真空成形方法を提供することができる。
なお、長尺体吸引機構は、凹溝内に長尺体を挿入するときから真空成形型を型締め完了するまでの間、長尺体を連続的に吸引しても、長尺体を間欠的又は部分的に吸引してもよい。
本発明によれば、長尺体埋め込み部におけるデザイン上の見栄えを向上しつつ、表皮材への長尺体埋め込み加工と基材への表皮材接着とを同時に行うことができる長尺体付き内装部品の真空成形型及びその真空成形方法を提供することができる。
本発明に係る実施形態に適用するステッチ加飾付き内装部品の斜視図である。 図1のステッチ加飾付き内装部品におけるステッチ加飾部の模式的断面図である。 本実施形態に係るステッチ加飾付き内装部品の真空成形型の断面図である。 図3に示す表皮材押圧型(下型)の概略斜視図である。 図3に示す表皮材押圧型(下型)の凹溝の吸引機構断面図である。 図5に示す凹溝内にステッチ加飾用の糸を挿入した状態を表す部分斜視図である。 図6に示す入子の上部斜視図である。 図7における入子の突起部詳細図である。 図3に示す真空成形型の型締め時における部分断面図である。 図9におけるA部断面図である。 図9におけるB部断面図である。 図3に示す真空成形型のステッチ加飾成形時における部分断面図である。 図12におけるC部断面図である。 図12におけるD部断面図である。 図3に示す真空成形型の真空成形方法を表す工程図である。 従来のステッチ加飾無し内装部品の製造工程を表す模式的断面図である。 従来のステッチ加飾付き内装部品の製造工程を表す模式的断面図である。
次に、本発明に係るステッチ加飾付き内装部品の真空成形型及びその真空成形方法の実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。
<ステッチ加飾付き内装部品の構造>
まず、本実施形態に適用するステッチ加飾付き内装部品の構造を、図1及び図2を用いて、自動車のインストルメントパネルの例で説明する。図1に、本発明に係る実施形態に適用するステッチ加飾付き内装部品の斜視図を示す。図2に、図1のステッチ加飾付き内装部品におけるステッチ加飾部の模式的断面図を示す。
図1に示すように、ステッチ加飾付き内装部品のインストルメントパネル1は、車両の運転席及び助手席の前方に搭載する略L字状断面をした内装部品である。インストルメントパネル1は、運転席及び助手席の前方に位置するため、デザイン上の見栄えを向上し、高級感やソフト感を醸す工夫がなされている。
また、インストルメントパネル1には、運転席及び助手席の搭乗者に対する利便性を備えるため、前端がフロンドガラスに当接する平坦なアッパーパネル部11、車両中央でカーナビやエアコン等の操作部を搭載するセンタークラスタ部12、運転席の正面でスピードメータ等を搭載するメータークラスタ部13、メータークラスタ部13の下方を覆うロアパネル部14、助手席の正面を覆うサイドパネル部15、及びサイドパネル部15の下方を覆う収納部16を備えている。
また、インストルメントパネル1は、全体形状を形成する基材の上に、装飾用の表皮材が接着されている。表皮材には、高級感やソフト感を醸すため、シボ模様が形成されている。また、本革仕様の雰囲気が生じるように、表皮材に糸の縫目に近似したステッチ加飾部17が形成されている。例えば、図1に示すインストルメントパネル1には、アッパーパネル部11と、センタークラスタ部12、メータークラスタ部13、及びサイドパネル部15との境界線に沿ってステッチ加飾部17が形成されている。
図2に示すように、表皮材3は、上下で2層構造をなしている。基材4に接着される第1層31は、例えば、3〜4mm程度の厚さを有するポリプロピレンフォーム(PPF)層であり、第1層31の上に被覆される第2層32は、例えば、0.5〜0.8mm程度の厚さを有するオレフィン系エラストマ(TPO)層である。また、ステッチ加飾部17は、例えば、直径0.8〜1.0mm程度のオレフィン系エラストマ(TPO)の糸2を6〜8mm程度の間隔で局部的に表皮材3側に深く食い込ませて形成されている。なお、糸2は、複数の凸部が長手方向で螺旋状に捻じれて形成された捻じり糸でもよい。
また、基材4と接着する第1層31はポリプロピレンフォーム(PPF)層からなるので、後述する入子の突起部が糸2を表皮材3側に局部的に押し込むとき、発泡層からなる第1層31が大きく変形して、ステッチ加飾される糸2の縫目21を表皮材側に深く侵入させることができる(図12を参照)。また、第1層31の上に被覆された第2層32と糸2とは、共にオレフィン系エラストマ(TPO)からなるので、糸2の縫目21を表皮材側に深く侵入させるときでも、第2層32と糸2の延伸性が同レベルの値で高いので、糸2の伸びと、糸2と接触する第2層32の接触部321での伸びとが、互いに釣り合うことができる。その結果、後述する入子の突起部が糸2を表皮材3側に押し込むとき、糸2が切れたり表皮材3が破れたりすることが少ない。糸2を表皮材3側に押し込む位置の基材4には、表皮材3の圧縮量を減らす凹面41を形成してもよい(図13を参照)。
なお、ステッチ加飾用の糸2は、植物性繊維や合成繊維を用いることもできるが、常温での延伸性の高いオレフィン系、塩化ビニール系、又はスチレン系の熱可塑性エラストマが好ましい。ステッチ加飾用の糸2を表皮材3の色とは異なる着色とすることで、更にデザイン上の装飾性を向上させることもできる。
<真空成形型の構造>
次に、本実施形態に係るステッチ加飾付き内装部品の真空成形型の構造を、図3〜図14を用いて説明する。図3に、本実施形態に係るステッチ加飾付き内装部品の真空成形型の断面図を示す。図4に、図3に示す表皮材押圧型(下型)の概略斜視図を示す。図5に、図3に示す表皮材押圧型(下型)の凹溝の吸引機構断面図を示す。図6に、図5に示す凹溝内にステッチ加飾用の糸を挿入した状態を表す部分斜視図を示す。図7に、図6に示す入子の上部斜視図を示す。図8に、図7における入子の突起部詳細図を示す。図9に、図3に示す真空成形型の型締め時における部分断面図を示す。図10に、図9におけるA部断面図を示す。図11に、図9におけるB部断面図を示す。図12に、図3に示す真空成形型のステッチ加飾成形時における部分断面図を示す。図13に、図12におけるC部断面図を示す。図14に、図12におけるD部断面図を示す。
(真空成形型の全体構造)
図3、図4に示すように、本実施形態に係る真空成形型5は、基材4を保持する上型51と、基材4に表皮材3を押圧する下型52と、ステッチ加飾用の糸(埋め込み用の長尺体に相当)2を表皮材側へ押し込む入子53と、糸2を凹溝526内に吸引する糸吸引機構(長尺体吸引機構に相当)54とを備えている。
上型51には、基材4を保持する基材保持部511が、基材形状に沿わせて形成されている。基材保持部511には、図示しない複数の真空吸引孔が所定の間隔で形成されている。基材保持部511の上端には、真空吸引孔から吸引されたエアを図示しない吸引ポンプに送る通気路514を形成する上枠部512が連結されている。上枠部512は、中空部513を有して上基台515に連結されている。
下型52には、基材4に表皮材3を押圧する表皮材押圧部521が、基材形状に沿わせて形成されている。表皮材押圧部521には、図示しない複数の真空吸引孔が所定の間隔で形成されている。表皮材押圧部521の下端には、真空吸引孔から吸引されたエアを図示しない吸引ポンプに送る通気路524を形成する下枠部522が連結されている。下枠部522は、中空部523を有して下基台525に連結されている。また、下型52には、図1に示すステッチ加飾部17に対応する位置に、ステッチ加飾用の糸2を挿入する凹溝526が形成されている。凹溝526は、所定の幅で上下左右に湾曲した形状に形成されている。凹溝526を含む表皮材押圧部521の上面には、所定の厚さでポーラス状の電鋳殻521Aが被覆されている。電鋳殻521Aの裏面側には、凹溝526に隣接して糸吸引機構54が配設されている。
なお、表皮材3は、所定の温度に加熱された状態で、両端を把持装置63によって把持されている。
(糸吸引機構)
図5に示すように、糸吸引機構54は、凹溝526の両側に形成された略L字状断面の電鋳殻521Aの裏面521A3に当接して配設されている。糸吸引機構54は、2つの吸気管541を有し、電鋳殻521Aの裏面521A3にシール材543で密封されている。2つの吸気管541は、図示しない専用の吸引ポンプに接続されている。吸気管541には、凹溝526の電鋳殻521Aを貫通して形成した吸気孔521A2と連通する通孔542が、適宜形成されている。糸吸引機構54は、吸気管541を介して凹溝526内に挿入された加飾用の糸2を吸引する。糸吸引機構54の吸引タイミングは、凹溝526内に糸2を挿入するときから、真空成形型5を型締め完了するまでの間である。糸吸引機構54は、凹溝内に糸を挿入するときから真空成形型5を型締めするまでの間、連続的に糸2を吸引しても、間欠的又は部分的に糸2を吸引してもよい。
なお、電鋳殻521Aには、表皮材3を真空吸引する複数の微細孔521A1が分散して形成されている。微細孔521A1及び吸気孔521A2は、反転モデルに電鋳殻521Aが積層された状態で、電鋳殻521Aの裏面521A3側から、例えば、レーザ加工機等を用いて加工する。
(ステッチ加飾の入子構造)
図6に示すように、下型52には、ステッチ加飾用の糸2を挿入する凹溝526が形成されている。凹溝526の幅は、ステッチ加飾用の糸2の外径と同程度である。また、下型52には、凹溝526内に挿入したステッチ加飾用の糸2を表皮材3側に押し込む入子53を備えている。入子53は、上下方向(矢印Kの方向)にスライドする。入子53のスライド量は、表皮材3の厚さと同程度の長さである。入子53の移動手段は、油圧シリンダ等の各種駆動手段を用いることができる。
図7、図8に示すように、入子53には、上端にステッチ加飾用の糸2を表皮材3に押し込む鋭角状の突起部531が縫目に相応する位置に所定の間隔をあけて、櫛歯状に形成されている。入子53は、鋭角状の突起部531と突起部531の間が下方に湾曲する湾曲面で形成された連結部532を有する。突起部531の先端531aには、半径Rが0.3mm程度の微小Rが形成されている。また、鋭角状に形成された突起部531の傾斜面531bの内角θは、5〜15度程度が好ましい。突起部531の連結部532の湾曲面中央に対する高さは、3〜4mm程度で、突起部531の間隔は、6〜8mm程度が好ましい。
図9〜図11に示すように、上型51に保持した基材4に表皮材3を押圧する型締め完了状態にした初期段階では、入子53はステッチ加飾用の糸2より下方に位置している。入子53に備える突起部531の先端531aが、ステッチ加飾用の糸2と僅かな隙間Sを有している。突起部531の両側面531cは、先端531aに向けて先細りとなるテーパ状に形成されている。
型締め初期段階では、ステッチ加飾用の糸2は、表皮材3側に押し込まれていない。そのため、真空成形型5の下型52から真空吸引することで、表皮材3の第2層32の表面へ確実にシボ転写が行なわれ、かつ、基材形状に沿わせる成形が行われる。また、真空成形型5は、型締め状態に所定の時間保持して、表皮材3と基材4とを接着する。所定の型締め保持時間は、50〜100秒程度である。
図12〜図14に示すように、型締め状態の間に、入子53を上方に移動し、ステッチ加飾部17の成形を行う。鋭角状の突起部531が縫目21に相応する位置で上昇することによって、ステッチ加飾された糸2の縫目21は、発泡層からなる第1層31が大きく凹み、ミシンで縫製されたように表皮材3側へ深く押し込まれていく。このとき、入子53は、糸2のガラス転移温度以上で融点未満の温度まで加温されている。例えば、糸2の径が0.8mm程度で、糸2の材質がオレフィン系エラストマである場合、入子53を加温する温度は、100〜200℃程度が好ましい。加温された入子53に当接する糸2は、柔軟性が増して縫目21の先端で鋭角状に屈曲することができる。
また、表皮材3は2層構造であり、基材4と接着する第1層31は、発砲層からなるポリプロピレンフォーム(PPF)である。そのため、入子53が糸2の縫目21を表皮材3側に押し込むとき、発砲層からなる第1層31の押し込み部311が大きく変形する。また、第2層32と糸2とは、共にオレフィン系エラストマからなるので、糸2の縫目21を表皮材3に深く食い込ませるときでも、第2層32と糸2の延伸性が同レベルの値で高いので、糸2の縫目21と、糸2の縫目21と接触する第2層32の接触部321とが、互いに均等に伸びて、引張応力が釣り合う状態に保たれている。表皮材3に食い込んだ糸2の縫目21は、表皮材3のアンカー効果によって食い込んだ位置に拘束されている。
また、入子53は、鋭角状の突起部531と突起部531の間が下方に湾曲する湾曲面で形成された連結部532を有する。そのため、ステッチ加飾部17を形成するとき、連結部532が縫目21の渡り部22から離間して、突起部531の食い込みが、より一層局部的に行われている。また、連結部532が、糸2の縫目21間の渡り部22を押圧しないので、糸2の変形が少ない。
以上のように、真空成形型5を用いて表皮材3を成形すると同時に基材表面に表皮材3を接着する際、ステッチ加飾部17の形成が併せて行われている。その際、ステッチ加飾部17のデザイン上の見栄えを、ミシン縫製と同程度に向上させることが可能となる。
<真空成形型の真空成形方法>
次に、本実施形態に係るステッチ加飾付き内装部品の真空成形型の真空成形方法を、図15を用いて説明する。図15に、図3に示す真空成形型の真空成形方法を表す工程図を示す。
図15に示すように、本実施形態に係るステッチ加飾付き内装部品の真空成形型の真空成形方法は、以下に説明するS1〜S10の工程を備えている。
はじめに、S1に示すように、真空成形型5を型開き状態にして、基材保持型(上型)51の基材保持部511と、表皮材押圧型(下型)52の表皮材押圧部521との隙間を、作業しやすいように広く開ける。その後、S2に示すように、基材保持型(上型)51の基材保持部511に下方から基材4を取り付ける。
次に、S3に示すように、糸吸引機構54の吸引を開始し、凹溝526内にステッチ加飾用の糸2を挿入する。凹溝526は、左右上下に湾曲して形成され、凹溝526の幅は、糸2の外径と同程度で細く形成されているが、糸吸引機構54が凹溝526内に挿入する糸2を吸引することによって、凹溝526内への糸の挿入を迅速かつ簡単に行うことができる。また、凹溝526内へ挿入した糸の凹溝外への飛び出しを防止することができる。
次に、S4に示すように、所定の温度に加熱した表皮材3を把持装置63が把持して、表皮材押圧型(下型)52の上方に配置する。その後、S5に示すように、真空成形型5を型締め状態にする。型締め状態では、表皮材3を基材4に押圧し、表皮材3を圧縮させる。
次に、S6に示すように、糸吸引機構54の吸引を停止する。吸引を停止することによって、凹溝526内での糸2の自由度が増加する。
次に、S7に示すように、表皮材押圧型(下型)52から表皮材3を真空吸引するとともに、入子53が上方へ移動し、ステッチ加飾成形を行う。表皮材押圧型(下型)52から表皮材3を真空吸引することによって、電鋳殻521Aに刻設したシボ模様を表皮材3に転写する。また、表皮材3の角部をシャープに成形する。表皮材3のシボ転写とステッチ加飾成形を同時に行う主な理由は、表皮材3が真空吸引によって冷却する前にステッチ加飾成形を完了させること、ステッチ加飾部の表皮ダレを真空吸引によって低減させること等、である。
次に、S8に示すように、基材保持型(上型)51から表皮材3を基材側へ真空吸引する。表皮材3と基材4との接着を確実に行うためである。
最後に、S9に示すように、真空成形型5を型開き状態にして、S10に示すように、製品を真空成形型5から取り出す。
以上のように、工程S1〜S10に従い、真空成形型5の真空成形方法を実施することによって、ステッチ加飾部17におけるデザイン上の見栄えを向上しつつ、表皮材3へのステッチ加飾と基材4への表皮材接着とを同時に行うことができる.
<作用効果>
以上、詳細に説明したように、本実施形態によれば、表皮材押圧型(下型)52には、表皮材3を基材表面に押圧する表皮材押圧部521にステッチ加飾用の糸2を挿入する凹溝526が形成されているので、表皮材押圧部521に成形された凹溝526内の所定位置に、ステッチ加飾用の糸2を正確に配置することができる。そのため、表皮材押圧部521が表皮材3を基材表面に押圧する際に、基材4に対するステッチ加飾用の糸2の位置ズレを回避させることができる。したがって、ステッチ加飾部17におけるデザイン上の見栄えを向上させることができる。
また、表皮材押圧型52には、ステッチ加飾用の糸2を表皮材側へ押し込む複数の突起部531を有する入子53を凹溝526内に移動可能に備えたので、基材保持型(上型)51と表皮材押圧型(下型)52との型締めによって表皮材3を基材表面に押圧すると同時に、凹溝526内の入子53を表皮材側へ移動させて、複数の突起部531によってステッチ加飾用の糸2を表皮材側へ押し込むことができる。そのため、表皮材3へのステッチ加飾と基材4への表皮材接着とを同時に行うことができる。
よって、本実施形態によれば、ステッチ加飾部17におけるデザイン上の見栄えを向上しつつ、表皮材3へのステッチ加飾と基材4への表皮材接着とを同時に行うことができるステッチ加飾付き内装部品1の真空成形型5を提供することができる。
また、本実施形態によれば、表皮材押圧型(下型)52は、基材保持型51に対して下方に位置するので、ステッチ加飾用の糸2を凹溝526内に挿入しやすく、凹溝526内に挿入したステッチ加飾用の糸2が、基材保持型51と表皮材押圧型52との型締め時、位置ズレしにくい。また、加熱された表皮材3がステッチ加飾用の糸2を包み込み、入子53の突起部531によってステッチ加飾用の糸2を表皮材3側に押し込む際に、糸2と表皮材3が馴染みやすくなる。
よって、本実施形態によれば、ステッチ加飾部17におけるデザイン上の見栄えを、より一層安定して向上することができる。
また、本実施形態によれば、突起部531は、先端531aに微小Rが形成された鋭角状の傾斜面531bを備えるので、表皮材3にステッチ加飾された糸2の縫目21を、ミシンで縫製されたように表皮材側へ深く押し込むことができる。先端531aの微小Rの半径を0.3〜0.5mm程度で、傾斜面531bの内角θを5〜15度程度としたので、表皮材3に食い込む糸2の傾斜角を、より垂直状態に近づけることができる。これによって、ステッチ加飾部17における縫目を、本物のミシン縫製に近似させることができる。
なお、入子53は、鋭角状の突起部531と突起部531の間が突起部と反対側へ湾曲する湾曲面で形成された連結部532を有するので、ステッチ加飾部17を形成するとき、連結部532が糸2から離間して、突起部531の食い込みを、より一層局部的に行うことができる。
よって、本実施形態によれば、ステッチ加飾部17の糸2の縫目に対する見栄えを、より一層安定して向上することができる。
また、本実施形態によれば、表皮材押圧型(下型)52には、凹溝526と連通する糸吸引機構54を設けたので、型締め完了までの段階で、糸吸引機構54を介して凹溝526内に挿入するステッチ加飾用の糸2を吸引することができる。そのため、細くて柔らかいステッチ加飾用の糸2を、ステッチ加飾部17に沿って複雑に湾曲して形成された凹溝526内に挿入しやすく、かつ、挿入した糸2の凹溝外への飛び出しを防止することができる。
よって、本実施形態によれば、ステッチ加飾部17における糸2の凹溝526内への挿入時間の短縮と、糸2の位置ズレをより一層低減して、生産性を高めるとともに、ステッチ加飾部17におけるデザイン上の見栄えを、より一層安定して向上することができる。
また、本実施形態によれば、表皮材押圧型(下型)52の表皮材3を押圧する表皮材押圧部521は、ポーラス状の電鋳殻521Aで被覆されたので、凹溝526を電鋳殻521Aで一体的に被覆することができる。また、電鋳殻521Aは,一般に反転モデルに積層させる方法で製造されるので、電鋳殻521Aが反転モデルに積層された状態において、電鋳殻521Aの裏面(表皮材押圧部と当接する面)521A3から、凹溝526の電鋳殻521Aを貫通する吸気孔521A2を、例えばレーザ加工等によって簡単に形成することができる。
また、電鋳殻521Aの裏面側に糸吸引機構54を設けたので、凹溝526を被覆する電鋳殻521Aに形成した吸気孔521A2を介して、凹溝526と糸吸引機構54とを容易に連通させることができる。
よって、本実施形態によれば、表皮材押圧型(下型)52には、凹溝526と連通する糸吸引機構54を簡単かつ低コストで設けることができ、ステッチ加飾部17におけるデザイン上の見栄えを、より一層安定して向上することができる。
また、他の実施形態であるステッチ加飾付き内装部品の真空成形型5を用いる真空成形方法によれば、凹溝526内に糸2を挿入する工程S3と、真空成形型5を型締めして表皮材3を基材4に押圧する工程S5と、表皮材押圧型(下型)52から真空吸引するとともに突起部531が糸2を表皮材側へ押し込む工程S7とを備えたので、凹溝526内の所定位置に、ステッチ加飾用の糸2を正確に配置することができ、かつ、真空成形型5の型締めによって表皮材3を基材表面に押圧すると同時に、凹溝526内を移動する入子53の突起部531によってステッチ加飾用の糸2を表皮材側へ押し込むことができる。
また、凹溝526内に糸2を挿入するときから真空成形型5を型締めするまでの間で、糸吸引機構54が糸2を吸引するので、加飾用の糸2を凹溝526内に挿入しやすく、かつ、挿入した加飾用の糸2が凹溝526内からの飛び出すことを、簡単に防止することができる。
また、糸吸引機構54が糸2を吸引するのは、真空成形型5を型締めするまでの間であるので、糸吸引機構54による糸2の吸引が、表皮材3の真空吸引や糸2のステッチ加飾成形に影響を及ぼさない。
よって、本他の実施形態によれば、ステッチ加飾部17におけるデザイン上の見栄えを向上しつつ、表皮材3へのステッチ加飾と基材4への表皮材接着とを同時に行うことができるステッチ加飾付き内装部品1の真空成形型5を用いる真空成形方法を提供することができる。
上述した実施形態は、本発明の要旨を変更しない範囲で変更することができる。
例えば、上記実施形態では、糸吸引機構54は、吸気管541と専用の吸引ポンプとを有し、表皮材押圧型(下型)52の表皮材を真空吸引する吸引ポンプを備えた真空吸引機構とは別に設けたが、これに限ることはない。例えば、糸吸引機構54は、表皮材押圧型(下型)52の表皮材を真空吸引する真空吸引機構を共用することもできる。この場合、表皮材3を真空吸引するときに、吸気管541を閉じる開閉弁を設けることが好ましい。
例えば、上記実施形態では、長尺体はステッチ加飾用の糸としたが、これに限ることはない。例えば、長尺体は、内装照明用の棒状体又は筒状体でもよい。
本発明は、特に表皮材に糸をステッチ加飾すると同時に、当該表皮材を基材に接着させる真空成形型及びその真空成形方法として利用できる。
1 インストルメントパネル(内装部品)
2 糸(長尺体)
3 表皮材
4 基材
5 真空成形型
17 ステッチ加飾部
21 縫目
51 基材保持型(上型)
52 表皮材押圧型(下型)
53 入子
54 糸吸引機構(長尺体吸引機構)
521 表皮材押圧部
521A 電鋳殻
521A2 吸気孔
526 凹溝
531 突起部
531a 先端
531b 傾斜面
541 吸気管

Claims (7)

  1. 基材を保持し真空吸引可能な基材保持型と、所要温度に加熱した表皮材を基材表面に押圧し真空吸引可能な表皮材押圧型とを備え、前記表皮材を前記基材に接着させる長尺体付き内装部品の真空成形型であって、
    前記表皮材押圧型には、前記表皮材を前記基材表面に押圧する表皮材押圧部に埋め込み用の長尺体を挿入する凹溝が形成され、前記長尺体を前記表皮材側へ押し込む入子を前記凹溝内に移動可能に備えたことを特徴とする長尺体付き内装部品の真空成形型。
  2. 請求項1に記載された長尺体付き内装部品の真空成形型において、
    前記表皮材押圧型は、前記基材保持型に対して下方に位置することを特徴とする長尺体付き内装部品の真空成形型。
  3. 請求項1又は請求項2記載された長尺体付き内装部品の真空成形型において、
    前記長尺体は、ステッチ加飾用の糸であり、前記入子には、前記ステッチ加飾の縫目に対応する位置に突起部が形成されたことを特徴とする長尺体付き内装部品の真空成形型。
  4. 請求項3に記載された長尺体付き内装部品の真空成形型において、
    前記突起部は、先端に微小Rが形成された鋭角状の傾斜面を備えることを特徴とする長尺体付き内装部品の真空成形型。
  5. 請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載された長尺体付き内装部品の真空成形型において、
    前記表皮材押圧型には、前記凹溝と連通する長尺体吸引機構を設けたことを特徴とする長尺体付き内装部品の真空成形型。
  6. 請求項5に記載された長尺体付き内装部品の真空成形型において、
    前記表皮材押圧型の前記表皮材を押圧する表皮材押圧部は、ポーラス状の電鋳殻で被覆され、当該電鋳殻の裏面側に前記長尺体吸引機構を設けたことを特徴とする長尺体付き内装部品の真空成形型。
  7. 請求項5又は請求項6に記載された長尺体付き内装部品の真空成形型を用いる真空成形方法であって、
    前記凹溝内に前記長尺体を挿入する工程と、前記真空成形型を型締めして前記表皮材を前記基材に押圧する工程と、前記表皮材押圧型から真空吸引するとともに前記入子が前記長尺体を前記表皮材側へ押し込む工程とを備え、
    前記凹溝内に前記長尺体を挿入するときから前記真空成形型を型締め完了するまでの間で、前記長尺体吸引機構が前記長尺体を吸引することを特徴とする真空成形方法。
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