JP4566709B2 - シート成形体の製造方法およびインサート成形体の製造方法 - Google Patents

シート成形体の製造方法およびインサート成形体の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、意匠性を備えた加飾シートからなるシート成形体の製造方法と、該シート成形体に一体化した樹脂成形体とからなるインサート成形体の製造方法に関する。
例えば、自動車の内外装部品などには、絵柄などが形成された加飾シートが樹脂成形体の表面に一体化したインサート成形体が、広く使用されている。
このようなインサート成形体の製造方法として、例えば次のような方法が特許文献1に開示されている。
まず、加熱軟化した加飾シートを、真空成形用雄型の表面に真空吸引し、密着させ、この雄型の表面に沿う形状に立体成形する。ついで、立体成形された加飾シートを射出成形用雌型に配置する。ついで、射出成形用型を型締めし、そのキャビティ内に溶融樹脂を注入する。このような方法により、加飾シートとその裏面側に一体化した樹脂成形体とからなるインサート成形体が得られる。
特開2001−225350号公報
しかしながら、このような製造方法のうち加飾シートを立体成形する工程においては、真空成形用雄型と加飾シートとの間に空気が残存しやすく、真空成形用雄型と加飾シートとが良好に密着しない場合があった。これらが良好に密着していない状態で加飾シートが立体成形されると、成形後の加飾シートにシワが生じる場合や、加飾シートが所望の立体形状にならない場合があった。その結果、このような加飾シートを使用したインサート成形体にも、加飾シートと樹脂成形体との密着不良、外観の低下などの不具合が生じやすかった。
さらに、特許文献1に記載された方法では、加熱軟化した加飾シートを拡張することなく真空成形用雄型の表面に真空吸引しているので、加飾シートのうち真空吸引によって雄型の表面に密着した部分はほとんど拡張せず、雄型の周壁に接する部分のみが真空成形時に一気に伸びることなる。そのため、このようにして得られた立体形状の加飾シートは、場所によって拡張の程度が異なるために、絵柄が部分的に違って見えてしまい、意匠性が低下する場合があった。また、雄型の周壁に接した部分のみが極端に薄くなるため、この部分にシワが生じたり、インサート成形時に樹脂成形体との密着不良を誘発したりして、不良品になりやすかった。
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、加飾シートを立体成形する前に加飾シートを均一に拡張するとともに、加飾シートと雄型の表面とを良好に密着させることにより、加飾シートにシワを生じさせることなく、意匠性に優れ、所望の立体形状に成形されたシート成形体を製造することを課題とする。
本発明のシート成形体の製造方法は、加熱した加飾シートの表面側の気圧を裏面側よりも低くして、前記加飾シートを前記表面側に張り出させ拡張する予張工程と、前記加飾シートの裏面側からアーム手段を前進させ、該加飾シートの少なくとも周縁に当接させて該加飾シートを支持しながら、該加飾シートの表面側の気圧を裏面側よりも高くして、該加飾シートを前記裏面側に張り出させる反転工程と、前記加飾シートの裏面側からシート成形用雄型を押圧しながら、前記アーム手段を後退させるとともに、前記加飾シートの表面側の気圧を裏面側よりもさらに高くするか、または、前記加飾シートの裏面側の気圧を表面側よりも低くするかのいずれか少なくとも一方の方法により、前記加飾シートを前記シート成形用雄型の表面に沿わせて立体成形するシート成形工程とを有することを特徴とする。
前記反転工程では、前記加飾シートの前記周縁よりも内側の部分を複数に区切るように前記アーム手段を当接させ、前記シート成形工程では、複数のシート成形用雄型を、前記アーム手段により区切られた複数の部分にそれぞれ押圧するようにしてもよい。
本発明のインサート成形体の製造方法は、加熱した加飾シートの表面側の気圧を裏面側よりも低くして、前記加飾シートを前記表面側に張り出させ拡張する予張工程と、前記加飾シートの裏面側からアーム手段を前進させ、該加飾シートの少なくとも周縁に当接させて該加飾シートを支持しながら、該加飾シートの表面側の気圧を裏面側よりも高くして、該加飾シートを前記裏面側に張り出させる反転工程と、前記加飾シートの裏面側からシート成形用雄型を押圧しながら、前記アーム手段を後退させるとともに、前記加飾シートの表面側の気圧を裏面側よりもさらに高くするか、または、前記加飾シートの裏面側の気圧を表面側よりも低くするかのいずれか少なくとも一方の方法により、前記加飾シートを前記シート成形用雄型の表面に沿わせて立体成形するシート成形工程と、前記シート成形用雄型の表面に、立体成形された前記加飾シートを保持したまま、該シート成形用雄型を、該シート成形用雄型と嵌合する少なくとも1つのキャビティが形成された射出成形用雌型の前記キャビティに向けて相対移動させ、該キャビティに嵌合させる嵌合工程と、前記射出成形用雌型に前記加飾シートの表面側を吸着させるシート吸着工程と、前記シート成形用雄型を前記加飾シートから離した後、前記キャビティに射出成形用雄型を嵌合させて該キャビティ内に樹脂を射出して、前記加飾シートと前記樹脂からなる成形体とが一体化したインサート成形体を成形する一体化工程とを有することを特徴とする。
前記反転工程では、前記加飾シートの前記周縁よりも内側の部分を複数に区切るように前記アーム手段を当接させ、前記シート成形工程では、複数のシート成形用雄型を、前記アーム手段により区切られた複数の部分にそれぞれ押圧し、前記嵌合工程では、前記複数のシート成形用雄型を複数のキャビティが形成された射出成形用雌型の前記キャビティにそれぞれ嵌合させるようにしてもよい。
前記シート吸着工程では、電気的に絶縁され、かつ帯電処理された前記射出成形用雌型により、前記加飾シートを静電吸着することが好ましい。
前記シート吸着工程では、前記シート成形用雄型の表面に形成された複数の通気孔から外方に加熱気体を送風することが好ましい。
本発明のシート成形体の製造方法によれば、加飾シートを立体成形する前に加飾シートを均一に拡張するとともに、加飾シートと雄型の表面とを良好に密着させることにより、加飾シートにシワを生じさせることなく、意匠性に優れ、所望の立体形状に成形されたシート成形体を製造することができる。また、特に、加飾シートの周縁よりも内側の部分を複数に区切るように当接可能なアーム手段を使用することによって、外観に優れた複数のシート成形体を同時に製造することができる。よって、このような製造方法でシート成形体を製造し、このシート成形体と樹脂成形体とを一体化することにより、外観に優れ、シート成形体と樹脂成形体とが良好に密着したインサート成形体を製造できる。
以下、本発明について図面を用いて詳細に説明する。
図1は、本発明の製造方法により得られたシート成形体10の一例であって、表面11a側に絵柄などが形成され意匠性が付与された加飾シート11が、立体成形されたものである。
このようなシート成形体10は、図2のようなシート成形装置20を使用して、加飾シート11を拡張する予張工程と、加飾シート11の張り出し方向を変える反転工程と、加飾シート11を立体成形するシート成形工程とを順次行うことにより製造できる。
このシート成形装置20は、加飾シート11を固定するシート固定機21と、このシート固定機21に対向配置され、固定された加飾シート11を立体成形する可動式成形機22とから概略構成されている。
ここでシート固定機21は、一面が開口し、ここを加飾シート11が塞ぐように配置されることによって気密性を備える箱状のシート固定台座23と、加飾シート11をこのシート固定台座23に固定するためのシートクランプ24とを備えている。図中符号25、26は、それぞれ送りロール、巻取ロールであって、加飾シート11は、これらの間に掛け渡された状態で、シート固定台座23の開口端面23aに沿って配置され、シートクランプ24により固定される。また、このシート固定機21には、図示略の圧力制御手段が備えられていて、箱状のシート固定台座23と固定された加飾シート11とにより形成される気密性の空間23b内を吸引したり、この空間23b内に圧縮空気などの加圧気体を送風したりして、この空間23bの圧力を調節できるようになっている。また、図中符号37は窓であり、シート固定台座23内の状態を作業者が外側から確認するために設けられている。
可動式成形機22は、表面が成形面であるシート成形用雄型27を備えていて、このシート成形用雄型27を、シート固定機21に固定された加飾シート11の裏面11b側から、シート面に対して略垂直に押圧することにより、加飾シート11を成形するものである。この例のシート成形用雄型27は、加飾シート11のシート面に対して略垂直方向に往復移動できるように、枠体30にシリンダ31により取り付けられている。なお、この可動式成形機22の枠体30内は、加飾シート11を介して、枠体30の前端面30aが後述のようにシート固定機21の開口端面23aに当接することにより、気密性が発現するようになっている。
また、この例のシート成形用雄型27は、図示略の加熱手段を内蔵していて、その表面温度を所定温度に加熱できるようになっている。さらに、この例のシート成形用雄型27は、その表面に多数の図示略の通気孔が形成されているとともに、この通気孔には開閉バルブ28を介して図示略の熱空送風手段と図示略の減圧手段とが接続している。よって、熱空送風手段によれば、通気孔を通じてシート成形用雄型27の内側から外側に向けて加熱気体を送風でき、減圧手段によれば、シート成形用雄型27の表面に後述のように加飾シート11を吸引し、保持できるようになっている。熱空送風手段としては、図3(a)に示すように、開閉バルブ28の上流側に電熱線35aを備えたヒータ部35を設け、このヒータ部35のさらに上流側から気体を送風することにより、加熱気体を送風する形態のものが挙げられるが、ここで、上流側から送風する気体は、あらかじめ図3(b)に示すような電熱線35bを備えた熱空圧縮タンク36で予熱しておくことが好ましい。熱空送風手段をこのように2段階に構成して、加熱気体を開閉バルブ28を通して供給することにより、効率的に加熱気体を送風することができる。
この例の可動式成形機22は、さらに、シート固定機21に固定された加飾シート11の裏面11b側から表面11a側に向かって、シート面に対して略垂直に前進して加飾シート11に当接し、この加飾シート11を支持するアーム手段29を具備している。この例のアーム手段29は、枠体30にシリンダ32により取り付けられ加飾シート11のシート面に対して略垂直方向に往復移動する4本のアーム部材29aと、これらアーム部材29aの先端をつなぐように設けられた四角枠状のシート支持部29bとからなり、4本のアーム部材29aは、シート成形用雄型27を囲むようにその外側に平行配置されている。そのため、四角枠状のシート支持部29bは、シート成形用雄型27による加飾シート11の押圧箇所よりも外側である加飾シート11の周縁を四角枠状に押圧し、支持するようになっている。なお、図面には4本のアーム部材29aのうち2本のみが示され、残りの2本は図示された2本に隠れて配置されている。
次に、このようなシート成形装置20を使用して、1枚の加飾シート11から1つのシート成形体10を製造する方法を、具体的に説明する。
まず、図2に示すように、加飾シート11を送りロール25から供給するとともに巻取ロール26で巻き取りつつ、シート固定台座23の開口端面23aの前方に配置する。一方、シート成形用雄型27の表面を所定温度に加熱する。その後、図4に示すように、加飾シート11をシート固定台座23の開口端面23a上にシートクランプ24で固定するする。この際、加飾シート11を、その表面11a側が開口端面23aに直に接し、裏面11b側が可動式成形機22の方を向くように固定する。
ついで、シート固定台座23に固定された加飾シート11を、成形しやすくするために拡張する予張工程を行う。
具体的には、まず図5に示すように、可動式成形機22の枠体30の前端面30aが、固定された加飾シート11およびシートクランプ24を介してシート固定台座23の開口端面23aに密着するように、可動式成形機22をシート固定機21に向けて前進させる。そして、シート固定台座23の底面(開口部分に対向する面)に設けられた図示略のシート加熱手段により、加飾シート11を所定温度に加熱して軟化する。ついで、シート固定台座23の具備する圧力制御手段を作動させて、シート固定台座23と加飾シート11により囲まれた空間23b内を吸引して45〜55kPa程度の減圧状態にする。このようにして、加飾シート11の表面11a側の気圧を裏面11b側よりも低くして、加飾シート11を図示のようにその表面11a側に張り出させ、バルーン状に拡張させる予張工程を行う。
ついで、図6に示すように、予張した加飾シート11の裏面11b側から、アーム手段29を前進させ、そのシート支持部29bを加飾シート11の周縁に当接させてこれを支持する。そして、空間23b内の気圧を高め、加飾シート11の表面11a側の気圧を裏面11b側よりも高くすることにより、加飾シート11を図示のようにその裏面11b側に張り出させる反転工程を行う。なお、加飾シート11の周縁とは、後のシート成形用雄型27による押圧箇所よりも外側の部分である。
このように予張工程と反転工程を行うことにより、加飾シート11は非常に均一に拡張したうえで、後のシート成形用雄型27による押圧箇所よりも若干外側の部分であって、シート固定台座23の開口端面23aよりも内側の部分を支持された状態となる。
ついで、図7〜8に示すように、反転工程により裏面11b側に張り出した状態にある加飾シート11に向けて、シート成形用雄型27を前進させ、加飾シート11をその裏面11b側から押圧する。一方、このようにシート成形用雄型27を押圧しながら、アーム手段29を後退させるとともに、シート固定機21の圧力制御手段を作動させて、加飾シート11に向けてその表面11a側から200〜500kPa程度に加圧された圧縮空気などの加圧気体を送風することにより、加飾シート11の表面11a側の気圧を裏面11b側よりもさらに高くする。その結果、加飾シート11はシート成形用雄型27の表面に沿って密着し、シート成形用雄型27の表面に沿う形状に立体成形される(シート成形工程)。
その後、図示略の減圧手段を作動させることにより、シート成形用雄型27の表面に加飾シート11を吸引し、確実に保持する。そして、図9に示すように、加圧気体の送風を停止するとともに、シート固定機21の具備する図示略のヒートカッタを用いて、立体成形された加飾シート11をくり抜くように切り抜き、シート成形用雄型27の表面にシート成形体10を吸引、保持した状態で、可動式成形機22をシート固定機21から離すように後退させる。なお、ヒートカッタによる加飾シート11の切断箇所は、アーム手段29のシート支持部29bによる押圧、支持箇所よりも外側とする。
このようなシート成形工程によれば、反転工程においてアーム手段29に支持されつつ裏面11b側に張り出した加飾シート11に対して、シート成形用雄型27が裏面11b側から前進していく。よって、まず始めにシート成形用雄型27の頂である中央部分に加飾シート11が接し、ついで徐々にシート成形用雄型27の周縁に向けて加飾シート11が接触していくこととなり、加飾シート11とシート成形用雄型27の表面との間に空気が残存しにくく、これらが良好に密着する。さらに、この際、アーム手段29の後退とともに、加圧気体を送風するなどして加飾シート11の表面11a側の気圧をさらに高めるため、シート成形用雄型27の表面と加飾シート11の密着が中央部分から周縁部分に向けてよりスムーズに進行するとともに、その密着状態も非常に良好になる。よって、このような方法によれば、加飾シート11とシート成形用雄型27の表面との間に空気が残存することに起因するシワがなく、シート成形用雄型27の表面に沿った所望の立体形状のシート成形体10が安定して得られる。また、加飾シート11はあらかじめ予張工程により均一に拡張されていて、場所による伸びの程度に違いがないため、シート成形体10の絵柄が部分的に異なるように見えて意匠性が低下したり、シート成形体10が部分的に薄くなることに起因してシワが生じたりすることがない。
なお、シート成形工程においては、アーム手段29の後退とともに加圧気体を送風するなどして加飾シート11の表面11a側の気圧をさらに高める方法の他、加飾シート11の裏面11b側の気圧を表面11a側よりも低くしてもよいし、これら両方を実施してもよい。
このようにして得られたシート成形体10を用いてインサート成形体を製造する際には、以下のように行う。
すなわち、上述のシート成形工程の後、図10に示すように、シート成形用雄型27の表面に立体成形された加飾シート、すなわちシート成形体10を吸引、保持したまま、可動式成形機22を、シート成形用雄型27と嵌合する1つのキャビティが形成されているとともに、電気的に絶縁され、かつ帯電処理された射出成形用雌型33の該キャビティに向けて移動させ、図11に示すように、シート成形用雄型27と射出成形用雌型33のキャビティとを嵌合させる嵌合工程を行う。
ここで射出成形用雌型33は、電気的に絶縁され、かつ帯電処理されているので、このような嵌合工程でシート成形体10は、静電吸着により成形面33aに移動する。そして、その際、シート成形用雄型27の具備する図示略の熱空送風手段を作動させて、シート成形用雄型27の表面の通気孔からシート成形体10に向けて加熱気体を送風することにより、シート成形体10は加熱され、軟化するため、より一層成形面33aに沿って密着する。さらに、このようにシート成形体10を移動させる際に、アーム手段29を前進させてシート成形体10の周縁をキャビティの成形面33aへと押しつけることにより、移動がよりスムーズに進行する。
その後、図12に示すように、可動式成形機22を射出成形用雌型33から後退させて、シート成形用雄型27をキャビティに保持されたシート成形体10から離す。
そして、キャビティに図示略の射出成形用雄型を嵌合させ型締めした後、キャビティ内に溶融した樹脂を射出することにより、加飾シート11からなるシート成形体10と樹脂からなる成形体とが一体化したインサート成形体を成形する一体化工程を行う。
このようなインサート成形体の製造方法においては、予張工程により均一に拡張した加飾シート11に対して、アーム手段29を作用させるとともに加飾シート11の表面11a側の気圧を相対的に高くしながら、シート成形用雄型27をその裏面側11bから押圧する方法でシート成形体10を成形するので、表面にシワがなく、シート成形用雄型27の表面に沿った所望の立体形状を備え、絵柄が均一で意匠性にも優れたシート成形体10が安定に得られる。よって、このようなシート成形体10と樹脂成形体とを一体化することにより得られたインサート成形体も、外観、意匠性に優れ、シート成形体10と樹脂成形体とが良好に密着したものとなる。さらに、このような製造方法では、シート成形用雄型27の表面にシート成形体10を保持したまま、シート成形用雄型27を、このシート成形用雄型27と嵌合する形状のキャビティが形成された射出成形用雌型33の該キャビティに向けて相対移動させ、キャビティに嵌合させて(嵌合工程)、射出成形用雌型33にシート成形体10を吸着させる(シート吸着工程)ので、シート成形体10の受け渡しを円滑に行うことができ、このような受け渡しにともなうシート成形体10の損傷やシワなども防止できる。
また、シート吸着工程を、射出成形用雌型33の帯電による静電吸着によって行うと、安定にシート成形体10を吸着できる。
さらに、その際、シート成形用雄型27の表面に形成された複数の通気孔から外方に加熱気体を送風することにより、シート成形体10は加熱、軟化し、より一層キャビティの成形面33aに沿って密着する。
また、ここではシート吸着工程として、静電吸着によるものを例示したが、これに限定されず、真空吸引可能な孔が設けられた射出成形用雌型を用いた吸引吸着によるものであってもよい。
なお、以上の実施形態例においては、シート成形用雄型27を1台を備えるとともに、シート支持部29bが四角枠状であるアーム手段29を備えた可動式成形機22を、1台のシート固定機21に対向配置した構成のシート成形装置20を示し、固定された1枚の加飾シート11から1個のシート成形体10を製造する方法を説明した。しかしながら、アーム手段として、四角枠状のベースフレームとこれの内側を複数に区切るように設けられた少なくとも1本のサブフレームとから概略構成されるシート支持部を備えたものを使用するとともに、このようなシート支持部により複数に区切られつつ支持された加飾シートの各部分に対応するように、複数のシート成形用雄型を具備した可動式成形機を使用することによって、1台のシート固定機に固定された1枚の加飾シートから、複数のシート成形体を製造することができる。さらに、射出成形用雌型として、複数のキャビティを備えたものを使用することにより、複数のインサート成形体を引き続き製造することもできる。
具体的には、図13に示すように、四角枠状のベースフレーム29cとこれの内側を4つに区切る2本のサブフレーム29dとから概略構成されるシート支持部29b’を備えたアーム手段29Aを使用し、これを加飾シート11に当接させることにより、ベースフレーム29cが1枚の加飾シート11の周縁に当接してこれを支持すると同時に、サブフレーム29dがこの周縁よりも内側の部分を4つに区切るように当接して支持する。そして、このように区切られた各部分に対して、4つのシート成形用雄型27’をそれぞれ押圧することにより、加飾シート11と各シート成形用雄型27’の表面とがいずれも良好に密着し、シワがなく、意匠性に優れ、所望の立体形状に成形された4つのシート成形体を同時に製造できる。また、引き続き射出成形用雌型として4つのキャビティを備えたものを使用することにより、外観に優れ、シート成形体と樹脂成形体とが良好に密着した4つのインサート成形体を同時に製造することもできる。ここで仮に、アーム手段のシート支持部が、四角枠状のベースフレームのみからなっていると、加飾シートと各シート成形用雄型の表面とが良好に密着せず、シワが生じる。
なお、このようにして製造するシート成形体およびインサート成形体の数には制限はなく、図14に示すようにアーム手段29Bにおけるシート支持部29b”のサブフレーム29dを1本として、2つを同時に製造する形態してもよいし、サブフレームを3本以上として、さらに多くのシート成形体やインサート成形体を製造してもよい。
また、この際、ベースフレームの内周面に溝部を形成しておき、シート成形体やインサート成形体の製造個数に応じて、必要な本数のサブフレームを適宜溝部に差し込んだり、抜いたりできる抜き差し可能な形態にしておくことによって、製造個数が変動した場合でも同じシート成形装置を使用でき、臨機応変に対応できる。
このような方法によれば、表面にシワがなく、所望の立体形状を備え、絵柄が均一で意匠性にも優れたシート成形体を、1枚の加飾シートから複数同時に得られ、さらには、外観、意匠性に優れ、シート成形体10と樹脂成形体とが良好に密着したインサート成形体も複数同時に得られるため、無駄がなく非常に効率的である。
本発明の製造方法により製造されたシート成形体の一例を示す断面図である。 本発明の製造方法において使用されるシート成形装置の一例を示す概略構成図である。 図2のシート成形装置の具備するシート成形用雄型に設けられた熱空送風手段を示す説明図である。 本発明の製造方法の一例を説明する説明図であって、加飾シートを所定位置に固定した状態を示すものである。 本発明の一例の製造方法のうち、予張工程を説明する説明図である。 本発明の一例の製造方法のうち、反転工程を説明する説明図である。 本発明の一例の製造方法のうち、シート成形工程を説明する説明図である。 本発明の一例の製造方法のうち、シート成形工程を説明する説明図である。 本発明の製造方法の一例を説明する説明図であって、シート成形用雄型の表面にシート成形体を保持した状態を示すものである。 本発明の一例の製造方法のうち、嵌合工程を説明する説明図である。 本発明の一例の製造方法のうち、嵌合工程を説明する説明図である。 本発明の製造方法の一例を説明する説明図であって、射出成形用雌型の所定位置に、シート成形体を保持した状態を示すものである。 本発明の製造方法の他の一例を説明する説明図であって、反転工程で使用されるアーム手段を主に示す正面図である。 本発明の製造方法のさらに他の一例を説明する説明図であって、反転工程で使用されるアーム手段を主に示す正面図である。
符号の説明
10 シート成形体
11 加飾シート
11a 加飾シートの表面
11b 加飾シートの裏面
27 シート成形用雄型
29 アーム手段
33 射出成形用雌型
33a 成形面

Claims (6)

  1. 加熱した加飾シートの表面側の気圧を裏面側よりも低くして、前記加飾シートを前記表面側に張り出させ拡張する予張工程と、
    前記加飾シートの裏面側からアーム手段を前進させ、該加飾シートの少なくとも周縁に当接させて該加飾シートを支持しながら、該加飾シートの表面側の気圧を裏面側よりも高くして、該加飾シートを前記裏面側に張り出させる反転工程と、
    前記加飾シートの裏面側から少なくとも1つのシート成形用雄型を押圧しながら、前記アーム手段を後退させるとともに、前記加飾シートの表面側の気圧を裏面側よりもさらに高くするか、または、前記加飾シートの裏面側の気圧を表面側よりも低くするかのいずれか少なくとも一方の方法により、前記加飾シートを前記シート成形用雄型の表面に沿わせて立体成形するシート成形工程とを有することを特徴とするシート成形体の製造方法。
  2. 前記反転工程では、前記加飾シートの前記周縁よりも内側の部分を複数に区切るように前記アーム手段を当接させ、
    前記シート成形工程では、複数のシート成形用雄型を、前記アーム手段により区切られた複数の部分にそれぞれ押圧することを特徴とする請求項1に記載のシート成形体の製造方法。
  3. 加熱した加飾シートの表面側の気圧を裏面側よりも低くして、前記加飾シートを前記表面側に張り出させ拡張する予張工程と、
    前記加飾シートの裏面側からアーム手段を前進させ、該加飾シートの少なくとも周縁に当接させて該加飾シートを支持しながら、該加飾シートの表面側の気圧を裏面側よりも高くして、該加飾シートを前記裏面側に張り出させる反転工程と、
    前記加飾シートの裏面側から少なくとも1つのシート成形用雄型を押圧しながら、前記アーム手段を後退させるとともに、前記加飾シートの表面側の気圧を裏面側よりもさらに高くするか、または、前記加飾シートの裏面側の気圧を表面側よりも低くするかのいずれか少なくとも一方の方法により、前記加飾シートを前記シート成形用雄型の表面に沿わせて立体成形するシート成形工程と、
    前記シート成形用雄型の表面に、立体成形された前記加飾シートを保持したまま、該シート成形用雄型を、該シート成形用雄型と嵌合する少なくとも1つのキャビティが形成された射出成形用雌型の前記キャビティに向けて相対移動させ、該キャビティに嵌合させる嵌合工程と、
    前記射出成形用雌型に前記加飾シートの表面側を吸着させるシート吸着工程と、
    前記シート成形用雄型を前記加飾シートから離した後、前記キャビティに射出成形用雄型を嵌合させて該キャビティ内に樹脂を射出して、前記加飾シートと前記樹脂からなる成形体とが一体化したインサート成形体を成形する一体化工程とを有することを特徴とするインサート成形体の製造方法。
  4. 前記反転工程では、前記加飾シートの前記周縁よりも内側の部分を複数に区切るように前記アーム手段を当接させ、
    前記シート成形工程では、複数のシート成形用雄型を、前記アーム手段により区切られた複数の部分にそれぞれ押圧し、
    前記嵌合工程では、前記複数のシート成形用雄型を複数のキャビティが形成された射出成形用雌型の前記キャビティにそれぞれ嵌合させることを特徴とする請求項3に記載のインサート成形体の製造方法。
  5. 前記シート吸着工程では、電気的に絶縁され、かつ帯電処理された前記射出成形用雌型により、前記加飾シートを静電吸着することを特徴とする請求項3または4に記載のインサート成形体の製造方法。
  6. 前記シート吸着工程では、前記シート成形用雄型の表面に形成された複数の通気孔から外方に加熱気体を送風することを特徴とする請求項3ないし5のいずれかに記載のインサート成形体の製造方法。

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