JP6239988B2 - 金型セット、熱成形装置、及び熱成形方法 - Google Patents

金型セット、熱成形装置、及び熱成形方法 Download PDF

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Description

本発明は、所定形状を有する基材に対してシート材を熱成形して被覆させるために用いられる金型セットに関する。また、本発明は、そのような金型セットを用いた熱成形装置及び熱成形方法に関する。
上記のような金型セットを含む熱成形装置として、特開2011−136471号公報(特許文献1)に記載された装置が知られている。この装置は、底板部〔底部22〕とこの底板部から立設された周壁部〔周壁部21〕とを含む第一型部材〔下枠2〕と、第一型部材に対して相対移動して周壁部の上端部に密接可能な平板状の本体部と加熱手段〔ヒーター31〕とを含む第二型部材〔熱板3〕とを備えている。第一型部材の底板部には第一通気路〔通気孔2b〕が開口しており、第二型部材における第一型部材と対向する側の面には第二通気路〔通気孔3b〕が開口している。そして、これらの両通気路を介して、調圧機構〔真空ポンプ51,コンプレッサ71〕により、第一型部材と第二型部材との内部に形成される空間〔収容空間R〕の圧力が調整可能に構成されている。このような装置を用いて、第一型部材と第二型部材とからなる金型セットの内部で、基材に対してシート材が被覆される。
特許文献1の装置では、具体的には以下のようにして、基材にシート材を被覆している。まず、第一型部材の周壁部の上端部にシート材を設けた状態で、第二型部材を第一型部材に密接させる(第1工程)。次に、調圧機構により、シート材と第二型部材との間を減圧し、加熱状態にある第二型部材にシート材を吸着させてシート材を加熱する(第2工程)。これと並行して、調圧機構により、シート材と第一型部材との間を減圧する(第3工程)。そして、第3工程の減圧動作を維持した状態でシート材の吸着動作を停止し、シート材と第二型部材との間を加圧して、シート材を基材に被覆させる(第4工程)。これにより、シート材の基材への押付け力を増大させることができ、基材形状によらずに高品質な成形が可能となっている。また、加熱されたシート材の水平姿勢の維持を図るために上下チャンバー内の真空圧調整を行う場合(特許文献1の段落0005及び図4を参照)と比較して、基材形状に対するシート材の位置合わせを好適に行うことが可能であると謳われている。
しかし、特許文献1の装置では、加熱されたシート材は、第4工程において、平面状の姿勢を初期状態として基材に被覆される。このため、基材の外形が所定形状(例えば単なる薄板以外の形状)を有する場合には、部位に応じたシート材の伸び量のばらつきが大きくなってしまう。例えば基材が、底板部に平行な平板部と、その平板部の周囲に形成される側壁部とを有するトレイ状である場合には、シート材における平板部を被覆する部分の伸び量に比べて、側壁部を被覆する部分の伸び量が大きくなる。その結果、基材とシート材の位置合わせが困難になったり、成形品の外周側部分において、シート材にクラックが生じたりすることがあった。
特開2011−136471号公報
そこで、所定形状を有する基材にシート材を熱成形して被覆させるに際して、シート材における位置ずれやクラックの発生を抑制することが望まれる。
本発明に係る、型締めされたときに内部に形成される収容空間内で、所定形状を有する基材に対してシート材を熱成形して被覆させるために用いられる金型セットの特徴構成は、
第一本体部と前記基材を載置するための載置部とを含む第一型部材と、
前記第一本体部に対して相対移動して前記第一本体部に密接可能な第二本体部と前記第二本体部に対して熱伝達可能に設けられた加熱手段と前記第二本体部における前記第一本体部と対向する側の面に形成され前記基材と対向する位置に凸部を有する第二型部材と、
を備える点にある。
この特徴構成によれば、基材への被覆前に、当該シート材を第二本体部の凸部の表面に吸着させて、シート材を第二本体部の形状に賦形させることで、シート材を均一の伸ばすとともに、基材の形状に見合った伸び量を確保できる。その結果、シート材において局所的に伸ばされる箇所はなくなるので、シート材にクラックが生じるのを抑制できる。また、当該凸部は、基材に対して凸形状を有し、基材と対向する位置に配置されているので、当該凸部と基材とは非常に近接した位置関係にある。そのため、シート材の中で基材に転写する部分(転写層)を当該凸部に配置すれば、シート材の転写層と基材との間の距離が非常に短くなる。シート材の転写層と基材との間の距離が非常に短いと、基材に被覆するようにシート材を当該凸部から基材に移動させるときに、転写層と基材との位置関係を正確に保ったまま転写層を基材に被覆できるようになる。すなわち、シート材と基材との位置合わせを正確に行うことができるようになる。よって、基材に対するシート材の位置ずれが発生するのを、有効に抑制することができる。
さらに、第二型部材の第二本体部は、凸部を有するので、賦形工程において(シート材が第二本体部に吸着される工程において)、シート材は、必ず第二本体部の凸部に吸着されてから、第二本体部の他の部分に吸着される。そのため、賦形工程において、凸部付近に転写層を配置すれば、シート材に複雑なテンションがかかっていても、転写層は必ず最初に第二本体部の凸部に吸着されることになる。よって、転写層が形成された部分にはシワなどが発生しにくくなる。従って、上記のように構成することで、基材にはシワのない転写層が転写されるので、意匠性の高い成形品を製造できる。
さらに、第二型部材の第二本体部が凸部を有することで、賦形工程において、シート材は、第二本体部の凸部に吸着されてから、第二本体部の凸部以外の部分に吸着される。そうすると、シート材は、凸部で温められたのちに、凸部以外の部分で温められることになる。そのため、基材がシート材によって被覆されるとき、凸部以外の箇所で賦形されたシート材が十分に温まっていない場合であっても、凸部で賦形されたシート材は変形可能な程度に温められている。よって、シート材の転写層を凸部に配置することで、シート材全体の加熱が不十分な場合であっても、転写層は十分に温められ、基材に沿うようにして被覆される。その結果、シート材の転写層を凸部に配置することで、シート材全体の加熱が不十分な場合であっても、基材を被覆する転写層にクラックなどが発生するのをさらに抑制できる。よって、クラックなどが無い、意匠性の高い成形品を製造できる。
以下、本発明に係る金型セットの好適な態様について説明する。
1つの態様として、前記第一型部材は、前記第一本体部における前記第二本体部と対向する側の面に形成された凸部をさらに含み、型締め方向に見て、前記第一型部材の凹部の外縁が前記第二型部材の凸部の外縁を包含するように、前記第一型部材の凹部と前記第二型部材の凸部との位置関係が設定されていると好適である。
この構成によれば、基材の外面形状に類似する形状に予め賦形された状態のシート材は、賦形部分の周囲に、型締め方向に見て第一型部材の凹部と重なる位置に、未だなお平面状を維持している平面状包囲部分を有する。この平面状包囲部分は、金型セット内でシート材(ここでは特に賦形部分)を移動させて基材に被覆させる際に、第一型部材の凹部の外縁を起点として当該凹部の底部側に向かって変位しながら伸びる。つまり、平面状包囲部分は、シート材における屈曲しながら伸延する屈伸部として機能する。これにより、予め賦形された状態のシート材の賦形部分を、その形状を保持したまま基材に被覆させやすい。結果的に、成形品の外周側部分におけるクラックの発生や基材に対するシート材の位置ずれ等の発生を、より有効に抑制することができる。
本発明に係る熱成形装置の特徴構成は、
上述した金型セットと、
前記シート材をロール巻きされた状態で保持するシート保持部と、
前記シート材の端部を把持して当該シート材を引き出すシート引出部と、
前記第一型部材を、型締め方向に見て前記第二型部材と重なる重複位置と前記第二型部材とは重ならない非重複位置との間でスライド移動させるスライド機構と、
前記第一型部材及び前記第二型部材よりもシート送り方向の上流側で前記シート材を切断するシート切断部と、
を備える点にある。
この特徴構成によれば、所定形状を有する基材にシート材を熱成形して被覆させる場合において、クラックの発生や基材に対するシート材の位置ずれを抑制しつつ、ロールtoシートの連続処理により効率的に成形品を得ることができる。
本発明に係る、型締めされたときに内部に収容空間を形成する一対の第一型部材及び第二型部材を備える金型セットを用いて、前記収容空間内で所定形状を有する基材に対してシート材を熱成形して被覆させる熱成形方法の特徴構成は、
前記第一型部材は、前記基材を載置するための載置部を含み、
前記第二型部材は、加熱可能に構成されているとともに前記基材の外面形状を模した形状の凸部を含み、
前記第二型部材の前記凸部に接したのちに前記第二型部材の前記凸部以外の箇所と接するように配置された前記シート材を加熱する加熱工程と、
前記シート材と前記第二型部材との間を減圧し、加熱状態の前記シート材を前記凸部に吸着させて当該凸部に沿うように賦形する賦形工程と、
前記シート材と前記第一型部材との間を減圧し、前記シート材と前記第二型部材との間を加圧して、前記基材に前記シート材を被覆させる被覆工程と、
を備える点にある。
この特徴構成によれば、基材への被覆前に、当該シート材を第二本体部の凸部の表面に吸着させて、シート材を第二本体部の形状に賦形させることで、シート材を均一の伸ばすとともに、基材の形状に見合った伸び量を確保できる。その結果、シート材において局所的に伸ばされる箇所はなくなるので、シート材にクラックが生じるのを抑制できる。また、当該凸部は、基材に対して凸形状を有し、基材と対向する位置に配置されているので、当該凸部と基材とは非常に近接した位置関係となっている。そのため、シート材の中で基材に転写する部分(転写部分)を当該凸部に配置すれば、シート材の転写部分について基材までの移動距離は非常に短くなるので、シート材を基材に被覆するときに、上記転写部分と基材との位置合わせを正確に行うことができる。よって、基材に対するシート材の位置ずれが発生するのを、有効に抑制することができる。
さらに、第二型部材の第二本体部は凸部を有するので、シート材が第二本体部に吸着される工程において、シート材は必ず第二本体部の凸部に吸着されてから、第二本体部の他の部分に吸着される。そのため、当該凸部にシート材の転写部分を当該凸部に配置すれば、シート材を第二本体部に吸着させる工程において、シート材に複雑なテンションがかかっていても、転写部分は必ず最初に第二本体部の凸部に吸着されることになるので、転写部分にはシワなどが発生しにくくなる。従って、かかる場合に基材にはシワのない転写部分が被覆されるので、意匠性の高い成形品を製造できる。
また、上述のように、第二型部材の第二本体部が凸部を有することで、シート材が第二本体部の凸部に吸着されてから、第二本体部の他の部分に吸着される。そうすると、シート材の凸部に対応する部分に基材に転写する部分(転写層)を配置した場合、シート材の基材に転写される部分が先に加熱されるため、加熱時間の短縮が可能になる。
金型セットを含む転写加飾装置の側面図 転写加飾装置の平面図 第一型部材及び第二型部材をパーティング面側から見た図 シート引出工程を示す模式図 型締工程及び加熱工程を示す模式図 賦形工程を示す模式図 被覆工程の一曲面を示す模式図 被覆工程の一曲面を示す模式図 被覆工程の一曲面を示す模式図 シート切断工程を示す模式図
本発明に係る金型セット並びにこれを用いた熱成形装置及び熱成形方法の実施形態について、図面を参照して説明する。本実施形態では、金型セット5を用いて、収容空間R(図6を参照)内で所定形状を有する基材3に対してシート材2を熱転写して被覆させる熱転写装置1(熱転写方法)を例として説明する。図1に示すように、この熱転写装置1は、ロール状に保持されたシート材2の端部を引き出し、金型セット5に配置された基材3に対してシート材2を供給して、金型セット5内に形成される収容空間で基材3への模様の転写を連続的に行う装置である。熱転写装置1は、ロールtoシートの連続処理を行う装置として構成されている。金型セット5は、第一型部材50と第二型部材60とを備え、型締めされたときに内部に形成される収容空間内で、所定形状を有する基材3に対してシート材2を熱転写して被覆させるために用いられる。
なお、本実施形態では、引き出されるシート材2が順次送られる方向を「シート送り方向F」と定義する。このシート送り方向Fは、シート材2の長手方向に平行である。また、本実施形態では、「上流」及び「下流」の用語は、シート送り方向Fを基準として定義する。すなわち、シート送り方向Fに沿って、相対的にシート保持部10側(図1における左上側)を「上流側」と表し、その反対側(図1における右側)を「下流側」と表す。
図1に示すように、熱転写装置1は、金型セット5と、シート保持部10と、シート引出部20と、スライド機構30と、シート切断部40とを備えている。また、熱転写装置1は、金型セット5に接続された調圧機構70を備えている。
シート保持部10は、シート材2をロール巻きした状態で保持している。シート保持部10は、基台上に固定された保持台11と、シート材2の幅方向(シート送り方向Fに直交する方向)の両側で対向するように保持台11に立設された一対の保持板12と、一対の保持板12の間に架け渡された支軸13とを有する。シート材2は、支軸13にロール巻きされた状態で保持されている。シート材2は、シート送り方向Fの下流側の端部が、シート引出部20を構成する可動狭持部22によって挟持されて引き出される。シート材2は、ガイドローラ14によって案内されて金型セット5(第一型部材50と第二型部材60との間)に供給される。
シート材2は、基体シート2Aと、この基体シート2Aに形成された転写層2Bとを有する。基体シート2Aは、長尺状のシート体であり、このシート体上に断続的に形成される複数の転写層2Bを支持している。基体シート2Aは、ポリエステル系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリイミド系樹脂、オレフィン系樹脂、ウレタン系樹脂、及びアクリロニトリルブタジエンスチレン系樹脂等の合成樹脂を用いて構成することができる。これらの樹脂の共重合体や混合物を用いて構成しても良い。また、基体シート2Aは、単層シートとして構成しても良いし、複数の単層シートを積層してなる積層シートとして構成しても良い。
本実施形態では、シート材2として、図柄層を有する加飾シートを用いる。つまり、転写層2Bは図柄層を含んでいる。この図柄層は、例えば着色インキや金属薄膜等を含み、文字や絵柄、金属光沢等を表現する。また、転写層2Bは、基材3と図柄層との接着性を向上させるための接着層や、表面強度を向上させて耐擦傷性を付与するためのハードコート層、層間密着性を向上させるためのアンカー層等をさらに有しても良い。さらに、基体シート2Aと転写層2Bとの間に、基体シート2Aからの転写層2Bの剥離性を向上させるための離型層が備えられても良い。これらの各層は、グラビア印刷法、スクリーン印刷法、及びオフセット印刷法等の印刷法や、グラビアコート法、ロールコート法、及びコンマコート法等のコート法等により形成することができる。
シート引出部20は、ロール巻きされた状態のシート材2の端部を把持して、当該シート材2を引き出す。シート引出部20は、シート送り方向Fの所定位置に固定された固定挟持部21と、シート送り方向Fに沿って移動可能に構成された可動狭持部22とを有する。固定挟持部21は、金型セット5よりもシート送り方向Fの上流側に配置されている。可動狭持部22は、固定挟持部21よりもシート送り方向Fの下流側を、金型セット5の全長以上に亘ってシート送り方向Fにスライド移動するように構成されている。固定挟持部21及び可動狭持部22は、それぞれ上側挟持部と下側挟持部とを有するクランプとして構成されている。シート引出部20は、可動狭持部22がシート材2の端部を挟持し、かつ、固定挟持部21が開放された状態で、可動狭持部22が下流側に向かってスライドすることで、ロール状に保持されたシート材2を引き出す。
金型セット5は、型締めされたときに内部に基材3を収容するための収容空間R(図6を参照)を形成する第一型部材50と第二型部材60とを備えている。なお、収容空間Rは、例えば射出成型に用いられる金型セットが型締めされたときに内部に形成されるキャビティ等とは異なり、基材3の周囲に広い余裕スペースを有する大収容空間である。金型セット5は、固定挟持部21よりもシート送り方向Fの下流側に配置されている。第一型部材50と第二型部材60とは、互いに近接して型締めされ、また、互いに離間して型開きされるように、型締め方向C(本例では上下方向)に相対動可能に構成されている。第二型部材60は、型締め方向Cに見てシート材2と重なる位置に設けられている。
スライド機構30は、第一型部材50をシート材2の幅方向に沿ってスライド移動させる。本実施形態では、スライド機構30は、幅方向に沿って互いに平行となるように基台上に配置された複数のガイドレール31と、このガイドレール31上をスライド可能な架台32とを有する。架台32に、第一型部材50が固定されている。これにより、第一型部材50は、ガイドレール31に沿って、型締め方向Cに見て第二型部材60と重なる重複位置と、型締め方向Cに見て第二型部材60とは重ならない非重複位置との間でスライド可能となっている。第一型部材50の非重複位置で、当該第一型部材50に基材3を新たに載置したり、転写後の基材を取り出したりすることができる。また、その後、重複位置に第一型部材50をスライド移動させることで、第一型部材50と第二型部材60とを上下に対向させることができる。なお、図2は、第二型部材60を取り除いた状態での熱転写装置1の平面図を示している。
シート切断部40は、金型セット5よりもシート送り方向Fの上流側でシート材2を切断する。シート切断部40は、シート送り方向Fにおける固定挟持部21と金型セット5との間に設けられている。シート切断部40は、固定挟持部21と金型セット5との間に保持されたシート材2をシート材2の幅方向に切断する。シート切断部40は、シート材2の幅方向の全域に亘ってスライド可能なカッター41(例えば、ロータリーカッターやヒートカッター等)により構成されている。
図1に示すように、第一型部材50は、第一本体部51と、基材3を載置するための載置部56とを含む。第一本体部51は、金属材料を用いて構成されている。図3に示すように、第一本体部51は、型締め方向Cに見て略矩形状に形成されている。なお、図3は、第一型部材50及び第二型部材60のそれぞれを、パーティング面側から見た図である。図3では、本来は互いに対向する2つの面(第一型部材50の上面及び第二型部材60の下面)を、上下に並べて同一平面状に表示している。第一本体部51は、第二本体部61に対して型締め方向C(上下方向)に相対移動して外縁部が第二本体部61に密接可能に構成されている。
第一本体部51の中央部には、載置部56が固定されている。載置部56は、基材3の形状に対応する外面形状を有している。本実施形態では、一例として、例えば多機能携帯電話(スマートフォン)の筐体として用いられる合成樹脂製の半ケースを基材3としている。本実施形態では、図8に示すように、基材3は、平板状に形成された略矩形状の平板部3Aと、この平板部3Aの四方を取り囲むように一体的に形成された側壁部3Bとを有する。載置部56は、基材3の平板部3Aの下面及び各側壁部3Bの内面を支持するように構成されている。
本実施形態では、第一型部材50は、第一本体部51における第二型部材60と対向する側の面(本例では上面)に形成された凹部54をさらに含む。第一型部材50は、載置部56の周囲を取り囲むように形成された周壁部52を有しており、この周壁部52の内面(本例では傾斜面として形成されている)と、底部の表面とにより、凹部54が画定されている。図3に示すように、凹部54は、型締め方向Cに見て略矩形状(丸みを帯びた角を有する矩形状)に形成されている。凹部54は、型締め方向Cに見て、載置部56と同心状に(中心部が揃った状態で)配置されている。凹部54の大きさは、載置部56の大きさに比べて1.5倍〜3倍程度に設定されている。また、凹部54の深さは、載置部56及び基材3を合わせた全体の高さよりも大きく設定されている。
図3に示すように、第一型部材50は、第一本体部51の表面に開口する少なくとも1つの第一通気路58をさらに含む。本実施形態では、複数の第一通気路58が、第一本体部51における凹部54の表面にそれぞれ開口するように形成されている。第一通気路58は、載置部56の外側であって載置部56の近傍(基材3の端部付近)に開口するように形成されている。第一通気路58は、配管等を介して調圧機構70に接続されている。
図1に示すように、第二型部材60は、第二本体部61と、この第二本体部61に対して熱伝達可能に設けられた加熱手段66と、第二本体部61における第一本体部51と対向する側の面(本例では下面)に形成された凸部64とを含む。第二本体部61は、金属材料を用いて構成されている。図3に示すように、第二本体部61は、型締め方向Cに見て略矩形状に形成されている。第二本体部61は、第一本体部51に対して型締め方向C(上下方向)に相対移動して外縁部が第一本体部51(本例では周壁部52の上端部)に密接可能に構成されている。
加熱手段66は、第二本体部61を加熱する。加熱手段66は、例えば抵抗熱ヒータ、赤外線ヒータ、遠赤外線ヒータ、誘導加熱装置、及びマイクロ波加熱装置等により構成することができる。本実施形態では、加熱手段66は第二本体部61の上面に固定されることで、第二本体部61に対して熱伝達可能となっている。ただし、このような構成に限定される訳ではなく、例えば加熱手段66が第二本体部61の内部に埋め込まれることで、第二本体部61に対して熱伝達可能とされても良い。
図3に示すように、凸部64は、型締め方向Cに見て略矩形状(丸みを帯びた角を有する矩形状)に形成されている。凸部64は、型締め方向Cに見て、載置部56及び凹部54と同心状に配置されている。凸部64の大きさは、載置部56の大きさよりも大きく、かつ、凹部54の大きさよりも小さく設定されている。つまり、型締め方向Cに見て、凹部54の外縁54Eが凸部64の外縁64Eを包含するように、凹部54と凸部64との位置関係が設定されている。さらに、型締め方向Cに見て、凸部64の外縁64Eが載置部56の外縁を包含し、かつ、凹部54の外縁54Eが凸部64の外縁64Eを包含するように、載置部56と凹部54と凸部64との位置関係が設定されている。
このような構成では、第二本体部61は、当該第二本体部61の下面における凸部64の外縁64Eと凹部54の外縁54Eに対応する位置との間に、凸部64を包囲するように形成される枠状包囲面61Aを有する。なお、図3では、この枠状包囲面61Aに色を付して表示している。枠状包囲面61Aは、型締め方向Cに見て、所定幅を有する帯状に形成されている。図示の例では、長手方向に沿う辺と短手方向に沿う辺とで枠状包囲面61Aの幅が異なるように設定されているが、等しく設定されていても良い。枠状包囲面61Aの幅(凹部54と凸部64との大きさの差に応じた値となる)は、金型セット5の全体の大きさから見て有意に識別可能な値となるように設定されることが好ましい。枠状包囲面61Aの幅は、例えば、基材3の長手方向の長さに対して10%〜30%程度の大きさとなるように設定することができる。枠状包囲面61Aの幅は、基材3のサイズにもよるが、例えば10mm〜30mmとなるように設定することができる。
第二型部材60は、第二本体部61の表面に開口する少なくとも1つの第二通気路68をさらに含む。本実施形態では、複数の第二通気路68が、少なくとも第二本体部61における凸部64の表面にそれぞれ開口するように形成されている。また、本実施形態では、複数の第二通気路68のうちの一部は、第二本体部61の下面における凸部64の周囲の領域(上述した枠状包囲面61A)にそれぞれ開口するように形成されている。第二通気路68は、配管等を介して調圧機構70に接続されている。
図1に示すように、調圧機構70は、第一通気路58及び第二通気路68にそれぞれ接続され、第一型部材50と第二型部材60との間に形成される収容空間R(図5を参照)の内部の圧力を調整する。調圧機構70は、収容空間Rの内部を減圧することもできるし、加圧することもできるように構成されている。このため、調圧機構70は、真空タンク71に接続された真空ポンプ72と、圧力タンク73に接続されたコンプレッサ74とを含む。調圧機構70と第一通気路58及び第二通気路68との間の配管の所定位置には複数のバルブが設けられている。制御ユニット(図示せず)からの指令に応じて各バルブが開閉することで、所望のタイミングで収容空間Rの内部が減圧及び/又は加圧される。
次に、金型セット5を含む熱転写装置1を用いて行われる熱転写方法について説明する。本実施形態に係る熱転写方法は、載置工程、シート引出工程、賦形工程、加熱工程、型締工程、被覆工程、シート切断工程、及び取出工程を備えている。載置工程及びシート引出工程、賦形工程、加熱工程、型締工程、被覆工程、シート切断工程、取出工程は、記載の順に実行される。なお、載置工程とシート引出工程とは順不同で実行されて良い。賦形工程と加熱工程は同時に実行されて良い。以下、順を追って説明する。
載置工程は、第一型部材50の載置部56に基材3を載置する工程である。載置工程では、架台32に固定された第一型部材50がガイドレール31に沿って側方に引き出され、非重複位置においてその載置部56に基材3が載置される。その後、第一型部材50はガイドレール31に沿って第二型部材60の下方に戻される。これにより、第二型部材60と基材3が載置された状態の第一型部材50とが、所定間隔を隔てて上下に対向した状態となる。
シート引出工程は、ロール巻きされた状態のシート材2を引き出す工程である。シート引出工程では、可動狭持部22が第一型部材50及び第二型部材60よりも上流側までスライド移動して、固定挟持部21によって挟持された状態でその下流側にはみ出たシート材2の端部を挟持する。その後、固定挟持部21による挟持状態が解除され、図4に示すように可動狭持部22が第一型部材50及び第二型部材60よりも下流側までスライド移動することで、シート材2が引き出される。これにより、所定間隔を隔てて上下に対向した第一型部材50と第二型部材60との間に、シート材2が配置される。
賦形工程は、シート材2と第二型部材60(第二本体部61)との間を減圧し、シート材2を、第二型部材60の凸部64に吸着させて当該凸部64に沿うように賦形する工程である。賦形工程では、第二通気路68と真空タンク71(図1を参照)との間の配管に設けられたバルブが開状態とされ、図5に示すように、第二通気路68を介して第二型部材60とシート材2との間にある空気が真空吸引される。
その結果、シート材2が、第二型部材60の凸部64の表面に沿って吸着される。このとき、図5に示すように、シート材2は、第二型部材60の凸部64の天面を起点として屈曲しつつ、第二本体部61に沿うように賦形される。
ところで、シート材2は、第二型部材60の凸部64に沿うように賦形される際に若干の伸びを伴う。この伸びの影響で、転写層2Bを構成する図柄層もある程度は伸びることになる。但し、シート材2は、収容空間R内で部位によらずに略均一な伸び率で伸びながら賦形される。このため、賦形部分2Dの内側に形成された転写層2Bの文字や絵柄も、均一性を維持する。
図5に示すように、加熱工程は、第二型部材60(第二本体部61)の下面と接するように配置されたシート材2を加熱する工程である。加熱工程では、加熱手段66(図1を参照)の熱が第二本体部61に伝達され、さらに加熱状態にある第二本体部61の熱が、接触部位を介して直接的にシート材2に伝達される。その結果、シート材2は部位によらずに全体が概ね均一に加熱される。
図6に示すように、型締工程は、第一型部材50と第二型部材60との型締めを行う工程である。型締工程では、第一型部材50と第二型部材60とが互いに近接するように相対移動して、型締めされる。この型締めにより、第一型部材50と第二型部材60との間に、収容空間Rが形成される。このとき、シート材2は、第一型部材50の周壁部52の上端部と第二型部材60の下面の周縁部との間に挟持された状態となる。この状態では、シート材2は第二型部材60の下面の形状を有している。なお、型締工程でも、必要に応じて、第二通気路68と真空タンク71(図1を参照)との間の配管に設けられたバルブが開状態とされ、図6に示すように、第二通気路68を介して第2型部材60とシート材2との間にある空気が真空吸引される。
被覆工程は、シート材2と第一型部材50との間(収容空間R)を減圧し、シート材2と第二型部材60(第二本体部61)との間を加圧して、基材3にシート材2を被覆させる工程である。被覆工程では、まず、第二通気路68と真空タンク71との間の配管に設けられたバルブが閉状態とされるとともに、第二通気路68を介してシート材2と第二型部材60(第二本体部61)との間が大気開放される。これと並行あるいは事前に、第一通気路58と真空タンク71との間の配管に設けられたバルブが開状態とされ、図7に示すように、第一通気路58を介して収容空間R内の空気が真空吸引される。これにより、収容空間Rが高度に減圧され、それまで第二型部材60の凸部64の表面に沿っていたシート材2が、第一型部材50側(基材3側)に向かって移動し始める。
図7に示すように、このとき、収容空間R内において、シート材2は凹部54の外縁54Eを起点として屈曲しつつ賦形部分2Dの周囲の部分(平面状包囲部分2E)が伸びて、賦形部分2Dはその形状を保持したままで基材3側に向かって移動する。また、賦形部分2Dは、基材3に対して平行姿勢を保持したままで基材3側に向かって移動する。つまり、平面状包囲部分2Eがシート材2における屈曲しながら伸延する屈伸部として機能することで、賦形部分2Dは、その形状を保持したまま基材3に向かって平行移動する。
図8に示すように、基材3の平板部3Aに対しては賦形部分2Dにおける平面状の頂上部分が先に密着するのに対して、基材3の側壁部3Bと賦形部分2Dの側壁部分との間には隙間が残る。そこで、被覆工程では、収容空間Rの減圧動作と並行して(或いは、減圧動作を停止しても良い)、第二型部材60側から加圧動作を行う。つまり、第二通気路68と圧力タンク73との間の配管に設けられたバルブが開状態とされ、図9に示すように、第二通気路68を介して収容空間R内に圧縮空気が導入される。なお、この圧縮空気は、加熱された加熱圧縮空気であっても良い。これにより、収容空間Rが高度に加圧され、凹部54及び基材3の表面に沿ってシート材2が押し付けられて密着する。このようにして、基材3の表面にシート材2が被覆される。
圧空により基材3の表面に完全に沿うようにシート材2を被覆させる段階では、平面状包囲部分2E以外に、それ以前の段階で未だ基材3に密接していない賦形部分2Dの側壁部分も、ある程度は伸びる。しかし、本実施形態では、賦形工程において予め賦形部分2Dが形成され、この賦形部分2Dは、平面状の頂上部分も含めて、略均一な伸び率で既に伸びている。このため、圧空による被覆段階で賦形部分2Dの側壁部分にさらなる伸びが生じるとは言っても、その伸び量は僅かである。最終的には、賦形部分2Dの部位毎の伸び率に大きなばらつきは生じない。その結果、成形品の外周側部分におけるクラックの発生を、有効に抑制することができる。また、図柄層の部位毎の伸び率のばらつきも抑制されるので、加飾された成形品の意匠性を高く維持することができる。
また、被覆工程において第二型部材60側から加圧も利用することで、シート材2の基材3への押付け力を増大させることができる。よって、基材3の外面形状によらずに、基材3とシート材2との間にエアーが残留することが抑制され、高品質な転写を実現することができる。
また、本実施形態において、凸部64は、基材3に対して凸形状を有し、基材3と対向する位置に配置されているので、凸部64と基材3とは非常に近接した位置関係にある。そのため、シート材2の中で基材3に転写される転写層2Bを凸部64に配置すれば、転写層2Bと基材3との間の距離は非常に短くなる。よって、シート材2を基材3に被覆するときに、転写層2Bと基材3との正確な位置合わせが可能となる。従って、基材3に対するシート材2における転写層2B部分の位置ずれ発生を、有効に抑制することができる。
また、本実施形態において、第二型部材60の第二本体部61は、凸部64を有するので、賦形工程において(シート材2が第二本体部61に吸着される工程において)、シート材2は、必ず第二本体部61の凸部64に吸着されてから、第二本体部61の他の部分に吸着される。そのため、賦形工程において、凸部64に転写層2Bを配置すれば、シート材2に複雑なテンションがかかっていても、転写層2Bは必ず最初に第二本体部61の凸部64に吸着されることになるので、転写層2Bが形成された部分にはシワなどが発生しにくくなる。従って、上記のように構成することで、基材2にはシワのない転写層2Bが転写されるので、意匠性の高い成形品を製造できる。
また、上述のように、第二型部材の第二本体部が凸部を有することで、シート材が第二本体部の凸部に吸着されてから、第二本体部の他の部分に吸着される。そうすると、シート材の凸部に対応する部分に基材に転写する部分(転写層)を配置した場合、シート材の基材に転写される部分が先に加熱されるため、加熱時間の短縮が可能になる。
図10に示すように、シート切断工程は、シート材2を切断する工程である。シート切断工程では、固定挟持部21もシート材2を挟持し、固定挟持部21及び金型セット5の双方によってシート材2が挟持される。その後、固定挟持部21と金型セット5との間で、カッター41によってシート材2が幅方向に切断される。こうして、長尺状のシート材2からその下流側端部の一部が切り離される。
取出工程は、シート材2が接着された基材3を取り出す工程である。取出工程では、まず、第一型部材50と第二型部材60とが互いに離間するように相対移動して、型開きされる。その後、架台32に固定された第一型部材50がガイドレール31に沿って側方に引き出される。そして、非重複位置において、シート材2が接着された状態の基材3が、載置部56から取り出される。なお、その後、載置部56に、新たな基材3が載置される。つまり、取出工程において第一型部材50を非重複位置に引き出す動作は、上述した載置工程における同様の動作と共通化される。
以後、上記の各工程を繰り返すことで、加飾成形品としてのシート材2付きの基材3を、連続的に(断続的に)製造することができる。特に本実施形態では、特徴的な賦形工程を備えることで、加飾成形品の外周側部分におけるクラックの発生や基材3に対するシート材2の位置ずれ等の発生を有効に抑制しながら、加飾成形品を効率良く製造することができる。加飾成形品においては、その後、基体シート2Aの剥離や不要部分のトリミング等が行われて良い。
〔その他の実施形態〕
最後に、本発明に係る金型セット及び熱成形装置等の、その他の実施形態について説明する。なお、以下のそれぞれの実施形態で開示される構成は、矛盾が生じない限り、他の実施形態で開示される構成と組み合わせて適用することも可能である。
(1)上記の実施形態では、型締め方向Cに見て、凹部54と凸部64とが同心状に配置されるとともに、凹部54の外縁54Eが凸部64の外縁64Eを包含する構成を例として説明した。しかし、本発明の実施形態はこれに限定されない。例えば、型締め方向Cに見て、凹部54の中心部と凸部64の中心部とが異なる位置となりつつ凹部54の外縁54Eが凸部64の外縁64Eを包含するように、両者が配置されても良い。また、型締め方向Cに見て、凹部54と凸部64とが同心状となりつつ凹部54の外縁54Eと凸部64の外縁64Eとが一致するように、両者が配置されても良い。
(2)上記の実施形態では、基材3が多機能携帯電話(スマートフォン)の筐体である構成を例として説明した。しかし、本発明の実施形態はこれに限定されない。例えば、従来型携帯電話、携帯音楽プレイヤー、ナビゲーション装置、携帯ゲーム機、及びタブレット等の筐体を基材3としても良い。
(3)上記の実施形態では、第一型部材50が凹部(凹部54)を含む構成を例として説明した。しかし、本発明の実施形態はこれに限定されない。例えば、第一型部材50の第一本体部51が、凹部を有さない平板状に形成されても良い。この場合、金型セット5内に基材3を収容する収容空間Rは、第二型部材60の凸部64と第二型部材60の外縁のみによって画定される。このような構成によっても、上記の実施形態と同様に、成形品の外周側部分におけるクラックの発生や基材3に対するシート材2の位置ずれ等の発生を、有効に抑制することができる。また、基材3の外面形状によらずに、基材3とシート材2との間にエアーが残留することが抑制され、高品質な転写を実現することができる。
(4)上記の実施形態では、載置部56が基材3の外面形状に沿う形状を有するように形成されている構成を例として説明した。しかし、本発明の実施形態はこれに限定されない。載置部56は、基材3の外面形状に完全に沿っている必要はなく、基材3の外面形状に概ね対応する形状を有するように形成されていれば良い。例えば一例として、扁平な断面U字状の基材3に対して載置部56が断面長円状に形成される等、載置部56の形状は、基材3の外面形状を概略的に表すものであっても良い。
(5)上記の実施形態では、シート材2が、基体シート2Aとその基体シート2Aから剥離される図柄層を含む転写層2Bとを有する構成を例として説明した。しかし、本発明の実施形態はこれに限定されない。例えば、シート材2は、図柄層を含まずにハードコート層のみを含む転写層2Bを有するシートであっても良い。また、例えば、シート材2は、基体シート2Aと転写層2Bとが剥離しない一体型シートであっても良い。
(6)上記の実施形態では、本発明に係る金型セットを、ロールtoシートの連続処理を行う熱転写装置1に適用した例について説明した。しかし、本発明の実施形態はこれに限定されない。例えばシートtoシートの貼り合わせ、ロールtоロール成形等にも、同様に、本発明に係る金型セットを適用することができる。
(7)上記の実施形態では、被覆工程において、シート材2と第一型部材50との間を減圧した後、シート材2と第二型部材60との間を加圧する構成を例として説明した。しかし、本発明の実施形態はこれに限定されない。例えば、被覆工程において、シート材2と第一型部材50との間の減圧と、シート材2と第二型部材60との間の加圧とを同時に行っても良い。
(8)その他の構成に関しても、本明細書において開示された実施形態は全ての点で例示であって、本発明の範囲はそれらによって限定されることはないと理解されるべきである。当業者であれば、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、適宜改変が可能であることを容易に理解できるであろう。従って、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で改変された別の実施形態も、当然、本発明の範囲に含まれる。
本発明は、例えば所定形状を有する基材を加飾するために用いられる金型セットに利用することができる。
1 :熱転写装置(熱成形装置)
2 :シート材
3 :基材
5 :金型セット
10 :シート保持部
20 :シート引出部
30 :スライド機構
40 :シート切断部
50 :第一型部材
51 :第一本体部
54 :凹部(第一型部材の凹部)
54E :凹部の外縁
56 :載置部
60 :第二型部材
61 :第二本体部
61A :枠状包囲面
64 :凸部(第二型部材の凹部)
64E :凸部の外縁
66 :加熱手段
R :収容空間
R1 :第一空間
R2 :第二空間
F :シート送り方向
C :型締め方向

Claims (3)

  1. 型締めされたときに内部に形成される収容空間内で、所定形状を有する基材に対してシート材を熱成形して被覆させるために用いられる金型セットであって、
    第一本体部と、周囲に凹部が配置され前記基材を載置するための載置部とを含む第一型部材と、
    前記第一本体部に対して相対移動して前記第一本体部に密接可能な第二本体部と前記第二本体部に対して熱伝達可能に設けられた加熱手段と前記第二本体部における前記第一本体部対向する側の面であって前記基材と対向する位置に形成された凸部含む第二型部材とを備え
    前記載置部、前記凹部及び前記凸部の位置関係が、型締め方向に見て、前記凸部の外縁が前記載置部の外縁を包含し、かつ前記凹部の外縁が前記凸部の外縁を包含するように設定されている、金型セット。
  2. 請求項1に記載の金型セットと、
    前記シート材をロール巻きされた状態で保持するシート保持部と、
    前記シート材の端部を把持して当該シート材を引き出すシート引出部と、
    前記第一型部材を、型締め方向に見て前記第二型部材と重なる重複位置と前記第二型部材とは重ならない非重複位置との間でスライド移動させるスライド機構と、
    前記第一型部材及び前記第二型部材よりもシート送り方向の上流側で前記シート材を切断するシート切断部と
    を備えた、熱成形装置。
  3. 型締めされたときに内部に収容空間を形成する一対の第一型部材及び第二型部材を備える金型セットを用いて前記収容空間内で所定形状を有する基材に対してシート材を熱成形して被覆させる熱成形方法であって、
    前記第一型部材は、前記基材を載置するための載置部を含み、
    前記第二型部材は、加熱可能に構成されているとともに前記基材と対向する位置に配置される凸部を含み、
    前記第二型部材の前記凸部に接したのちに前記第二型部材の前記凸部以外の箇所と接するように配置された前記シート材を加熱する加熱工程と、
    前記シート材と前記第二型部材との間を減圧し、加熱状態の前記シート材を前記凸部に吸着させて当該凸部に沿うように賦形する賦形工程と、
    前記シート材と前記第一型部材との間を減圧し、前記シート材と前記第二型部材との間を加圧して、前記基材に前記シート材を被覆させる被覆工程と
    を備えた、熱成形方法。
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